JP2012175723A - 回転電機 - Google Patents

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JP2012175723A JP2011032021A JP2011032021A JP2012175723A JP 2012175723 A JP2012175723 A JP 2012175723A JP 2011032021 A JP2011032021 A JP 2011032021A JP 2011032021 A JP2011032021 A JP 2011032021A JP 2012175723 A JP2012175723 A JP 2012175723A
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Abstract

【課題】鉄損を抑制して効率を高めることができる回転電機を提供する。
【解決手段】回転子4は、回転子コア10の周方向に60°の間隔をあけて形成され一対のスロット15,16と、これらスロットに挿入固定された複数の永久磁石分割体14a〜14d及び比磁性体のスペーサ17〜19とで構成されている。各永久磁石分割体14a〜14dは、それらの間にスペーサ17〜19を介在し、永久磁石分割体14a〜14dを分散配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、励磁コイルを巻装した固定子と、永久磁石を有する回転子とを備えた回転電機に関する。
永久磁石式回転電機は、誘導電動機に比べ回転子に損失が発生しないため、全体の損失が少なく高効率であり、誘導電動機と同じ出力を得る場合には全体を小型化することができる。
高効率化の永久磁石式回転電機として、例えば特許文献1,2が知られている。
特許文献1は、シャフトとシャフト外周に永久磁石を装着してなる回転子と、スロット構造のステータコアと励磁コイルからなる固定子で構成され、2nポール3nスロット(nは整数)構造のACモータにおいて、固定子の歯部の幅Bt/スロットピッチを0.45〜0.7の範囲にするとともに、固定子ヨーク部厚みDy/固定子スロット歯部の幅Btを0.42〜0.58の範囲に設定したACモータ用固定子が提案されている。
また、特許文献2は、一般的に誘導電動機と比較して小型化することができる永久磁石式電動機について、誘導電動機と同等の体格を持たせて効率を改善した永久磁石式電動機である。
特開2005−273387号公報 特開2010−45873号公報
永久磁石式回転電機の効率を大幅に改善するには、励磁コイルの断面積を増やして銅損を低減すると同時に、固定子コアの磁束密度を下げて鉄損を低減する必要がある。
この際、銅損を低減するために励磁コイルの断面積を増加させるとスロット面積が増加し、固定子のヨーク部やティース部の幅が狭くなって磁束密度が増加し、鉄損も増加してしまう。このように、銅損及び鉄損はトレードオフの関係にある。
特許文献1において永久磁石式回転電機を図る場合には、鉄心体格が一定である以上、その効果には限界がある。
これに対して、特許文献2では、永久磁石式回転電機の体格を大きくすることでスロット面積の増加と固定子の磁束密度の低減を両立し、高効率化を図っている。しかし、永久磁石式回転電機の体格を大きくして高効率化を図る場合、標準仕様の永久磁石式回転電機とは異なる形状の部品(固定子、回転子)が必要となり、それらの部品を製作する設備も必要となり、コストの高騰化の面で問題がある。
ここで、出力の大きな標準の鉄心部品を流用すれば上記の問題は解決する。しかし、最適化された形状ではないため、鉄損が過大となり、新規の断面形状の場合と比較して効率が低下することがある。また、永久磁石を磁力の弱いものに変更することで鉄損を抑制することができるものの、新たな部品が必要となるのでコストの高騰化の面で問題がある。
そこで、本発明は、標準の永久磁石式回転電機からの設計変更を極力避けつつ、鉄損を抑制して効率を高めることができる回転電機を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1記載の回転電機は、励磁コイルを巻装した固定子と、この固定子に所定の隙間をあけて相対回転自在に配置した回転子とを備え、前記回転子は、回転子コアの周方向に所定間隔をあけて配置されて回転軸方向に延在する複数の永久磁石を設けており、前記複数の永久磁石が発生する磁束と前記励磁コイルに流れる電流との相互作用により前記回転子に回転トルクが発生する回転電機において、前記回転子は、回転子コアの軸方向の全長に亙って標準永久磁石を連続的に設けた標準回転子と比較して、銅損と鉄損の合計損が小さくなるように前記永久磁石を減量した。
この発明によると、鉄損と銅損の合計損失が小さくなるまで鉄損を減少させているので、効率を高めた回転電機を得ることができる。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の回転電機において、前記回転子は、前記標準回転子の前記標準永久磁石と同形状の一部に磁化されていない非磁化領域を存在させることで、前記永久磁石を減量した。
この発明によると、非磁化領域を存在させることで効率改善を図るため、永久磁石を挿入するスペースを変更する必要が無くなるため、製造コストの低減化を図ることができる。つまり、標準仕様の回転子の回転子コアをそのまま使用することができるので、設計変更を極力避けることができる。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の回転電機において、前記回転子の前記永久磁石は、前記標準回転子の前記標準永久磁石と比較して小さな体積とすることで減量されている。
この発明によると、標準永久磁石と比較して小さな体積の回転子の永久磁石とすることで、高価な永久磁石の使用量を減少して製造コストの低減化を図ることができる。また、標準仕様の回転子の回転子コアをそのまま使用することができるので、設計変更を極力避けることができる。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の回転電機において、前記回転子の前記永久磁石には、非磁性体からなるスペーサが減量のために生じた空隙を埋めるように一体に設けられている。
この発明によると、スペーサ及び永久磁石が一体に設けられているので回転子の組付けを容易に行なうことができる。
また、請求項5記載の発明は、請求項4に記載の回転電機において、前記回転子の前記永久磁石の軸方向の長さが、前記回転子コアの軸長より短く設定され、前記永久磁石の軸方向の端部に前記スペーサが一体に設けられている。
この発明によると、永久磁石の長手方向にスペーサを一体化することで、永久磁石の減量を容易に行なうことができる。
また、請求項6記載の発明は、請求項3乃至5の何れか1項に記載の回転電機において、前記回転子の前記永久磁石は、軸方向に少なくとも2以上分割された永久磁石分割体で構成されている。
この発明によると、スペーサと複数の永久磁石分割体との配置位置を容易に変更することができる。
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載の回転電機において、少なくとも2以上の前記永久磁石分割体は、互いの軸方向の端部が当接した状態で近接配置されている。
この発明によると、永久磁石分割体に一体化するスペーサの数を減少させることができるので、製造コストの低減化を図ることができる。
また、請求項8記載の発明は、請求項6記載の回転電機において、少なくとも2以上の前記永久磁石分割体は、互いの軸方向の間に前記スペーサを介装した状態で分散配置されている。
この発明によると、永久磁石分割体を分散配置した構成は、鎖交磁束の軸方向均一性が増大し、固定子内の渦電流が減少するので、損失が少なくなる。
さらに、請求項9記載の発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の回転電機において、回転子は、前記回転子コアの内部に前記永久磁石を埋め込んだ埋込磁石形回転子である。
この発明によると、永久磁石の磁束が固定子に鎖交する前に固定子の鉄心内を通過することで均され、固定子の軸方向の磁束密度の粗密が緩和されることで、鉄損が小さくなる。
さらに、請求項10記載の発明は、請求項1乃至9の何れか1項に記載の回転電機において、銅損/鉄損が0.8〜1.2の範囲となるように、前記回転子の前記永久磁石を減量した。
この発明によると、銅損と鉄損の合計損が最小値を示して鉄損が大幅に減少するので、高効率の回転電機を提供することができる。
本発明に係る回転電機の回転子は、回転子コアの軸方向の全長に亙って標準永久磁石を連続的に設けた標準回転子と比較して、銅損と鉄損の合計損が小さくなるように永久磁石が減量されているので、鉄損を抑制して効率を高めることができるとともに、標準の永久磁石式回転電機からの設計変更を極力避けることができる。
本発明に係る永久磁石式回転電機を示す断面図である。 本発明に係る第1実施形態の回転子を示す断面図である。 本発明に係る回転子と比較のために使用される標準使用の回転子を示す断面図である。 永久磁石を減量した場合の銅損と鉄損の合計損失の変化を示す図である。 本発明に係る第2実施形態の回転子を示す断面図である。 本発明に係る第3実施形態の回転子を示す断面図である。 本発明に係る第4実施形態の回転子を示す断面図である。 本発明に係る永久磁石を分散配置した場合と、永久磁石を隣接配置した場合の鎖交磁束の作用方向を示す図である。 磁石率と合計損失比の関係を示した図である。 銅損/鉄損と合計損失比の関係を示した図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1及び図2は、第1実施形態の永久磁石式回転電機1を示す断面図である。
図1に示すように、永久磁石式回転電機1は、円筒状フレーム2と、円筒状フレーム2の内周側に配置された固定子3と、この固定子3の内周側に所定のエアギャップGを介して対向する回転子4とで構成されており、回転子4は、回転軸5に支持されて回転自在に配置されている。
固定子3は、内周面側に円周方向に等間隔で12個のスロット6が形成されて12個の磁極ティース7が形成されている。各磁極ティース7にはスロット6内に巻装された励磁コイル8が巻回されている。ここで、励磁コイル8の巻き方については大別すると集中巻と分布巻とに分けられる。本発明は集中巻及び分布巻の両者において効果を発揮するものであり、図1によって巻き方を限定するものではない。
回転子4は、図2に示すように、積層鉄心で形成された回転子コア10と、回転子コア10の内部に配設された6箇所の埋込磁石部11とで構成されている。
6箇所の埋込磁石部11は、回転子コア10の周方向に60°の間隔をあけて形成されており、回転子コア10の軸方向の両端まで貫通している一対のスロット15,16と、これら一対のスロット15,16に挿入されて接着剤または充填剤によって固定された永久磁石分割体14a〜14d、スペーサ17〜19とで構成されている。
一対のスロット15,16は、横断面矩形状の開口部を有しており、これら開口部の長手方向の端部同士が回転子コア10の回転中心側に凸となるようにV字状に形成されている。
永久磁石分割体14a〜14dは、希土類磁石粉を焼結して一体に形成された部材である。
各永久磁石分割体14a〜14dの幅寸法(回転子コア10の軸方向に直交する方向の寸法)はスロット15,16の開口幅と略同一寸法であり、各永久磁石分割体14a〜14dの軸方向の長さを合わせた総長は、回転子コア10の軸長(鉄心長)Lより短く設定されている。
各永久磁石分割体14a〜14dは、それらの間に非磁性体からなるスペーサ17〜19を介在し、永久磁石分割体14a〜14dを分散配置した状態でスロット15,16に挿入固定されている。
なお、永久磁石分割体14a〜14d及びスペーサ17〜19は、スロット15,16に挿入する前に一体成型されている。
ところで、図3は、回転子コア10の全てのスロット15,16に、スロット内壁との間に隙間を設けず、軸方向の全長に連続して標準使用の永久磁石20が挿入固定されている標準仕様の回転子4Sを示している。
この標準仕様の回転子4を採用して永久磁石式回転電機の効率を向上させるには、固定子及び回転子の軸長を長くする、或いは固定子及び回転子の直径を拡大することが考えられる。しかし、その場合には、所定の回転速度及び所定の出力トルクにおいて、銅損と比較して鉄損が過大となる場合がある。
鉄損を減少させるには永久磁石の磁束を減少させればよく、図3で示した標準仕様の回転子4Sと比較して、永久磁石を減量した回転子とすればよい。
そこで、本実施形態では、図2で示したように、永久磁石分割体14a〜14dの軸方向の長さを合わせた総長を回転子コア10の鉄心長Lより短く設定し、永久磁石を減量した回転子4を採用している。
永久磁石を減量した回転子4を備えた本実施形態の永久磁石式回転電機1が、標準仕様の回転子4Sを備えた永久磁石式回転電機と同一の出力トルクを得るためには、永久磁石の磁束が減少した分を、励磁コイル8を流れる電流で補う必要があり、電流の増大によって銅損が増大していく。
図4に示すように、永久磁石を減量していくと鉄損Wirと銅損Wcuの合計損失Wが減少していく。そして、永久磁石を所定量まで減量すると合計損失Wの極小値が存在し、さらに永久磁石を減量すると、銅損Wcuの増加が鉄損Wirの減少を上回り、合計損失Wが増加していく。
したがって、本実施形態によると、標準仕様の回転子4S(軸方向の全長に永久磁石20を配置している)と比較して永久磁石(永久磁石分割体14a〜14d)を減量させた回転子4を採用し、鉄損Wirと銅損Wcuの合計損失Wが最小値となるまで鉄損を減少させているので、効率を高めた永久磁石式回転電機1を提供することができる。
また、本実施形態の回転子4は、標準仕様の回転子4Sの回転子コア10をそのまま使用することができるので、設計変更を極力避けることができる。
また、高価な永久磁石(永久磁石分割体14a〜14d)の使用量を減少させることができるので、製造コストの低減化を図ることができる。
また、回転子4を形成する際には、永久磁石分割体14a〜14d及びスペーサ17〜19が、スロット15,16に挿入する前に一体成型されているので、スロット15,16内部に配置した永久磁石分割体14a〜14d及びスペーサ17〜19を強固に結合することができる。
ここで、永久磁石分割体14a〜14dの軸方向の間隔を同一寸法に設定すると、スペーサ17〜19が、軸方向長さを同一寸法とした1種類のスペーサとなるので、さらに製造コストの低減化を図ることができる。
次に、図5は、永久磁石式回転電機を構成する第2実施形態の回転子を示す断面図である。なお、図2で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の回転子22は、積層鉄心で形成された回転子コア10の内部に6箇所の埋込磁石部23が設けられている。
各埋込磁石部23は、回転子コア10の周方向に60°の間隔をあけて形成されており、回転子コア10の軸方向の両端まで貫通している一対のスロット15,16と、これら一対のスロット15,16に挿入されて接着剤または充填剤によって固定された永久磁石24、非磁性体からなるスペーサ25,26とで構成されている。
各埋込磁石部23の一対のスロット15,16に挿入固定された永久磁石24は希土類磁石粉を焼結して一体に形成された部材である。
この永久磁石24の幅寸法(回転子コア10の軸方向に直交する方向の寸法)は、スロット15,16の開口幅より小さな寸法であり、永久磁石24に隣接するスロット15,16の隙間にスペーサ25,26が挿入固定されている。
なお、永久磁石24及びスペーサ25,26は、スロット15,16に挿入する前に一体成型されている。
本実施形態によると、図3で示した標準仕様の回転子4S(軸方向の全長に永久磁石20を配置している)と比較して永久磁石を減量させた(スロット15,16に挿入される永久磁石24の回転子コア10の軸方向に直交する方向の寸法が小さく形成されている)回転子4を採用し、鉄損Wirと銅損Wcuの合計損失Wが最小値となるまで鉄損を減少させることができるので、効率を高めた永久磁石式回転電機1を提供することができる。
また、本実施形態の回転子22も、図3で示した標準仕様の回転子4Sの回転子コア10をそのまま使用することができるので、設計変更を極力避けることができる。
また、高価な永久磁石24も減少させることができるので、製造コストの低減化を図ることができる。
さらに、回転子22を形成する際には、永久磁石24及びスペーサ25,26が、スロット15,16に挿入する前に一体成型されているので、スロット15,16内部に配置した永久磁石24及びスペーサ25,26を強固に結合することができる。
次に、図6は、永久磁石式回転電機を構成する第3実施形態の回転子を示す断面図である。
本実施形態の回転子27は、積層鉄心で形成された回転子コア10の内部に6箇所の埋込磁石部28が設けられている。
各埋込磁石部28は、回転子コア10の周方向に60°の間隔をあけて形成されており、回転子コア10の軸方向の両端まで貫通している一対のスロット15,16と、これら一対のスロット15,16に挿入されて接着剤または充填剤によって固定された永久磁石分割体14a〜14d、非磁性体からなるスペーサ29,30とで構成されている。
第1実施形態と同様に、各永久磁石分割体14a〜14dの幅寸法(回転子コア10の軸方向に直交する方向の寸法)はスロット15,16の開口幅と略同一寸法であり、各永久磁石分割体14a〜14dの軸方向の長さを合わせた総長は、回転子コア10の鉄心長Lより短く設定されている。
そして、各永久磁石分割体14a〜14dは、それらの軸方向端部が当接するように近接配置された状態でスロット15,16に挿入固定され、軸方向端部の永久磁石分割体14a,14dに当接するスペーサ29,30がスロット15,16に挿入固定されている。
なお、永久磁石分割体14a〜14d及びスペーサ29,30も、スロット15,16に挿入する前に一体成型されている。
本実施形態も、図3で示した標準仕様の回転子4Sと比較して永久磁石(永久磁石分割体14a〜14d)を減量させた回転子27を採用し、鉄損Wirと銅損Wcuの合計損失Wが最小値となるまで鉄損を減少させているので、効率を高めた永久磁石式回転電機1を提供することができる。
また、本実施形態の回転子27も、標準仕様の回転子4Sの回転子コア10をそのまま使用することができ、高価な永久磁石(永久磁石分割体14a〜14d)を減少させることができ、さらには、第1実施形態と比較してスペーサ29,30の数を減少させることができるので、さらに製造コストの低減化を図ることができる。
また、回転子27を形成する際には、永久磁石分割体14a〜14d及びスペーサ29,30が、スロット15,16に挿入する前に一体成型されているので、永久磁石分割体14a〜14d及びスペーサ29,30を強固に結合することができる。
次に、図7は、永久磁石式回転電機を構成する第4実施形態の回転子を示す断面図である。
本実施形態の回転子31は、積層鉄心で形成された回転子コア10の内部に6箇所の埋込磁石部32が設けられている。
各埋込磁石部32は、回転子コア10の周方向に60°の間隔をあけて形成されており、回転子コア10の軸方向の両端まで貫通している一対のスロット15,16と、これら一対のスロット15,16に挿入されて接着剤または充填剤によって固定された永久磁石分割体14a〜14d、非磁性体からなるスペーサ33とで構成されている。
本実施形態も、第1実施形態と同様に、各永久磁石分割体14a〜14dの幅寸法(回転子コア10の軸方向に直交する方向の寸法)はスロット15,16の開口幅と略同一寸法であり、各永久磁石分割体14a〜14dの軸方向の長さを合わせた総長は、回転子コア10の鉄心長Lより短く設定されている。
そして、各永久磁石分割体14a〜14dは、それらの軸方向端部が当接するように近接配置された状態でスロット15,16に挿入固定されているとともに、軸方向端部の永久磁石分割体14dに当接するスペーサ33がスロット15,16に挿入固定されている。
なお、永久磁石分割体14a〜14d及びスペーサ33は、スロット15,16に挿入する前に一体成型されている。
本実施形態も、図3で示した標準仕様の回転子4Sと比較して永久磁石(永久磁石分割体14a〜14d)を減量させた回転子31を採用し、鉄損Wirと銅損Wcuの合計損失Wが最小値となるまで鉄損を減少させているので、効率を高めた永久磁石式回転電機1を提供することができる。
また、本実施形態の回転子31も、標準仕様の回転子4Sの回転子コア10をそのまま使用することができ、高価な永久磁石(永久磁石分割体14a〜14d)を減少させることができ、さらには、第3実施形態と比較してスペーサ33の数を減少することができ、さらなる製造コストの低減化を図ることができる。
また、回転子31を形成する際には、永久磁石分割体14a〜14d及びスペーサ33が、スロット15,16に挿入する前に一体成型されているので、永久磁石分割体14a〜14d及びスペーサ33を強固に結合することができる。
ここで、図8は、永久磁石分割体14a〜14dをスロット15,16内部で分散配置した概略図(例えば図2参照)、永久磁石分割体14a〜14dをスロット15,16内部で近接配置した概略図(例えば図6参照)と、永久磁石分割体14a〜14dの鎖交磁束が作用する方向を示すものである。この図から明らかなように、永久磁石分割体14a〜14dをスロット15,16内部で分散配置した構成は、永久磁石分割体14a〜14dを近接配置した構成と比較して、鎖交磁束の軸方向均一性が増大し、固定子3内の渦電流が減少するので、損失が少なくなる。
また、本発明に係る回転子は、回転子コア10の内部に永久磁石分割体14a〜14dを埋め込んだ埋込形であり、永久磁石分割体14a〜14dの磁束が固定子3に鎖交する前に固定子3の鉄心内を通過することで均され、固定子3の軸方向の磁束密度の粗密が緩和されることで、鉄損が小さくなる。
次に、図9は、永久磁石を減量しない回転子(標準回転子)と永久磁石を徐々に減量した本発明に係る回転子とを鉄心長が異なる永久磁石式回転電機に採用し、磁石率(磁石長/鉄心長)と合計損失比(永久磁石を減量した後の合計損失/永久磁石を減量する前の合計損失)の関係を示したグラフである。
永久磁石式回転電機の固定子外径は215mm、回転子外径は141.8mmであり、回転子コア10の鉄心長は200mm〜240mmの範囲で5種類使用しており、各種類の鉄心長の回転子コア10に対して、各永久磁石分割体14a〜14dの軸方向の総長を短く設定し、且つ総長を種々変化させている。また、運転点は、出力が15KW、回転数が1800/minである。
この図9から、鉄心長が異なる回転子コア10を備えた複数種類の永久磁石式回転電機は、永久磁石が減量していくと合計損失が減少していくことがわかる。そして、永久磁石を所定量まで減量すると合計損失の極小値が存在し、さらに永久磁石を減量すると、銅損の増加が鉄損の減少を上回ることで、合計損失が増加していくことがわかる。
ここで、合計損失Wは、以下の式で表現できる。なお、n:コイル巻数、l:回転子コアの軸長、K1、K2:形状による定数である。
銅損Wcu = K1×n2×l ……(1)
鉄損Wir = K2×(1/(n2×l))……(2)
合計損失W = Wcu + Wir = K1×n2×l + K2×(1/(n2×l)) ……(3)
合計損失Wが最小となるとき、
dW/dl = K1×n2 − K2×(1/(n2×l2)) ……(4)
であり、このとき、
l =√(K2/K1)×(1/n2) ……(5)
銅損Wcu = √(K1×K2) ……(6)
鉄損Wir = √(K1×K2) ……(7)
したがって、(6)式、(7)式から、銅損Wcu及び鉄損Wirが等しいときに、合計損失Wが最小値を示す。
また、図10は、図9の横軸を銅損/鉄損に置き換え、銅損/鉄損と合計損失比の変化を示したグラフである。
この図10から、銅損/鉄損が0.8〜1.2の範囲で合計損失比が小さい値を示し、銅損/鉄損が略1.0において合計損失比が最小になっていることがわかる。これは、前述した合計損失Wの説明において、(4)式〜(7)式から銅損Wcu及び鉄損Wirが等しいときに合計損失Wが最小値を示すことを裏付けている。
なお、上述した図2、図5、図6及び図7の実施形態においては、回転子コア10の内部に永久磁石を埋め込んだ埋込磁石型回転子を示したが、回転子コア10の外周に永久磁石を配置した表面磁石型回転子としても、上述した実施形態と同様に、合計損失が最小値となるまで鉄損を減少させて効率を高めた永久磁石式回転電機とし、設計変更を極力避けて製造コストの低減化を図ることができる。
また、図2、図6及び図7の実施形態では、スロット15,16内に軸方向に離間してスペーサ17〜19、29,30,33を配置することで永久磁石(永久磁石分割体14a〜14d)を減量する構造としているが、スロット15,16内の軸方向に連続して永久磁石を配置し、その永久磁石の前記スペーサ17〜19、29,30,33に対応する位置を磁化されていない非磁化領域とすることで永久磁石を減量する構造としてもよい。
また、図5の実施形態では、スロット15,16内に永久磁石24の幅方向にスペーサ25,26を配置することで永久磁石を減量する構造としているが、スロット15,16の幅方向永久磁石を配置し、その永久磁石のスペーサ25,26に対応する幅方向位置を磁化されていない非磁化領域とすることで永久磁石を減量する構造としてもよい。
さらに、図1で示した第1実施形態においては、回転子4の磁極数を6極とし、固定子3の磁極ティース7を12個とした場合について説明したが、上記構成に限定されるものではなく、回転子4の磁極数及び固定子3のティース数は任意に設定することができる。
また、本発明の実施形態においては、永久磁石とスペーサを一体化してスロットに挿入する例を主に述べたが、永久磁石をスロットに挿入してから、スペーサの部分を接着剤または充填剤等によって非磁化領域を確保するようにしてもよい。
1…永久磁石式回転電機、2…円筒状フレーム、3…固定子、4,22,27,31…回転子、4S…標準回転子、5…回転軸、6…スロット、7…磁極ティース、8…励磁コイル、10…回転子コア、11,23,28,32…埋込磁石部、14a〜14d…永久磁石分割体、15,16…スロット、17〜19,25,26,29,30,33…スペーサ、20…標準回転子で使用する永久磁石、24…永久磁石、32…埋込磁石部、G…エアギャップ、L…鉄心長(軸長)、W…合計損失、Wcu…銅損、Wir…鉄損

Claims (10)

  1. 励磁コイルを巻装した固定子と、この固定子に所定の隙間をあけて相対回転自在に配置した回転子とを備え、前記回転子は、回転子コアの周方向に所定間隔をあけて配置されて回転軸方向に延在する複数の永久磁石を設けており、前記複数の永久磁石が発生する磁束と前記励磁コイルに流れる電流との相互作用により前記回転子に回転トルクが発生する回転電機において、
    前記回転子は、回転子コアの軸方向の全長に亙って標準永久磁石を連続的に設けた標準回転子と比較して、銅損と鉄損の合計損が小さくなるように前記永久磁石を減量したことを特徴とする回転電機。
  2. 前記回転子は、前記標準回転子の前記標準永久磁石と同形状の一部に磁化されていない非磁化領域を存在させることで、前記永久磁石を減量したことを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 前記回転子の前記永久磁石は、前記標準回転子の前記標準永久磁石と比較して小さな体積とすることで減量されていることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  4. 前記回転子の前記永久磁石には、非磁性体からなるスペーサが、減量のために生じた空隙を埋めるように一体に設けられていることを特徴とする請求項3記載の回転電機。
  5. 前記回転子の前記永久磁石の軸方向の長さは、前記回転子コアの軸長より短く設定され、前記永久磁石の軸方向の端部に前記スペーサが一体に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の回転電機。
  6. 前記回転子の前記永久磁石は、軸方向に少なくとも2以上分割された永久磁石分割体で構成されていることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の回転電機。
  7. 少なくとも2以上の前記永久磁石分割体は、互いの軸方向の端部が当接した状態で近接配置されていることを特徴とする請求項6記載の回転電機。
  8. 少なくとも2以上の前記永久磁石分割体は、互いの軸方向の間に前記スペーサを介装した状態で分散配置されていることを特徴とする請求項6記載の回転電機。
  9. 前記回転子は、前記回転子コアの内部に前記永久磁石を埋め込んだ埋込磁石形回転子であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の回転電機。
  10. 銅損/鉄損が0.8〜1.2の範囲となるように、前記回転子の前記永久磁石を減量することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の回転電機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017103836A (ja) * 2015-11-30 2017-06-08 日立オートモティブシステムズ株式会社 回転電動機のロータおよびその製造方法

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