JP2012175712A - 発電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧電材料によって形成された第1の圧電素子を外力によって変形させて、該
第1の圧電素子に生じた電荷を電流として取り出す発電装置であって、第1の圧電素子が
設けられた変形部材の変形量を検出して、該変形量が所定の大きさ以上になった場合は第
1の圧電素子に設けられた一対の電極を短絡状態にする。その結果、該第1の圧電素子の
変形が抑制され、ひいては、変形部材の想定以上の変形が抑制される。
【選択図】図7
Description
気エネルギーとして取り出す発電装置に関する。
電材料は、外力を受けて変形すると、材料内部に電気分極が誘起されて表面に正負の電荷
が現れる。このような現象は、いわゆる圧電効果と呼ばれている。圧電材料が有するこの
ような性質を利用して、片持ち梁を振動させて圧電材料に繰り返し加重を作用させ、圧電
材料の表面に生じた電荷を電気として取り出す発電方法が提案されている。たとえば、先
端に錘を設けるとともに圧電材料の薄板を貼り付けた金属製の片持ち梁を振動させ、振動
に伴って圧電材料に交互に生じる正負の電荷を取り出すことによって交流電流を発生させ
る。そして、この交流電流をダイオードによって整流した後、コンデンサーに蓄えておき
、電力として取り出す技術が提案されている(特許文献1)。
、片持ち梁が過度に振れた場合に、該片持ち梁が周辺の部材に衝突して破損する虞がある
。このことを防止するために、片持ち梁を収容する筐体の内壁に弾性体を設けて、片持ち
梁が筐体の内壁に衝突した際の衝撃を緩和する技術が提案されている(特許文献2)。
ることから、発電装置を十分に小型化することが難しいという問題があった。
片持ち梁が過度に振れてしまうことを抑制することによって、片持ち梁を内蔵した発電装
置を好適に小型化させることが可能な技術の提供を目的とする。
した。すなわち、
第1の圧電素子が設けられ、変形方向を切り換えて変形する変形部材と、
前記変形部材の変形量を検出する変形量検出手段と、
前記第1の圧電素子に設けられた一対の電極と、
前記一対の電極間に設けられたスイッチと、
前記変形量が所定の大きさ以上になると、前記一対の電極間を所定期間短絡状態とする
ように前記スイッチを制御するスイッチ制御手段と
を備えることを要旨とする。
変形部材が変形することにより、第1の圧電素子も変形する。その結果、第1の圧電素子
には、圧電効果によって正負の電荷が発生する。変形部材とともに第1の圧電素子が繰り
返し変形すると、正負の電荷も繰り返し発生し、該電荷を電流として取り出すことによっ
て発電が行われる。また、変形量が所定の大きさ以上になると、第1の圧電素子に設けら
れた一対の電極間を短絡状態とする。こうすると、圧電素子は一対の電極間を短絡させた
状態では変形し難い性質を持つことから、第1の圧電素子の変形が抑制される。これによ
って、第1の圧電素子が設けられた変形部材が過度に変形することも抑制することができ
るので、衝突時の衝撃を緩和させるための部材を設ける必要がなく、発電装置を小型化す
ることが可能となる。
る第2の圧電素子を設けておき、第2の圧電素子に発生する電圧を検出することによって
変形量を検出しても良い。
せて第2の圧電素子も変形する。すなわち、第2の圧電素子には変形部材の変形量に応じ
た電圧が発生する。従って、第2の圧電素子に発生する電圧に基づいて変形部材の変形量
を検出することが可能である。第2の圧電素子は、第1の圧電素子を設ける工程と同様の
工程で設けることができるので、生産性を高めることが可能となる。
間に設けられるスイッチと直列にインダクターと接続して、第1の圧電素子の容量成分と
インダクターとで共振回路を構成する。そして、変形部材の変形量が所定の大きさに達し
ない間は、変形部材の変形方向が切り換わるときにスイッチを接続し、共振回路の共振周
期の半周期に相当する時間が経過するとスイッチを切断するようにしても良い。
る。また、第1の圧電素子はインダクターと共振回路を構成しており、その共振回路には
スイッチが設けられている。そして、スイッチでの導通を切断した状態で変形部材の変形
を開始して、変形量が極値となったとき(すなわち変形方向が切り換わるとき)に、スイ
ッチを導通状態とする。第1の圧電素子は変形部材と共に変形し、変形量が大きくなるほ
ど多くの電荷を発生させるから、第1の圧電素子で発生した電荷が最も多くなった時に、
第1の圧電素子がインダクターに接続されて共振回路を形成する。すると、第1の圧電素
子に発生していた電荷がインダクターに流れ込む。そして、第1の圧電素子およびインダ
クターは共振回路を構成しているから、インダクターに流れ込んだ電流はオーバーシュー
トして、第1の圧電素子の反対側の端子に流れ込む。この期間(すなわち、第1の圧電素
子の一方の端子から流れ出した電荷が、インダクターを介して反対側の端子から再び第1
の圧電素子内に流れ込むまでの期間)は、第1の圧電素子およびインダクターによって形
成される共振回路の共振周期の半分となる。従って、第1の圧電素子の変形方向が切り換
わったときにスイッチを接続して共振回路を形成し、その後、共振周期の半分の時間が経
過したときにスイッチを切断すれば、インダクターを接続する前に第1の圧電素子内に発
生していた正負の電荷の配置を逆転させることができる。そして、その状態から、今度は
逆方向に変形部材を変形させれば、第1の圧電素子が逆方向に変形するため、正負の電荷
の配置が逆転した状態から更に圧電効果によって発生した新たな電荷が積み増されるよう
にして第1の圧電素子内に電荷が蓄積される。また、第1の圧電素子内に電荷が蓄積され
るに従って発生する電圧も増加するので、昇圧回路を別途用意しなくても、第1の圧電素
子を構成する圧電材料の電気分極によって生じる電圧よりも高い電圧を発生させることが
できる。ここで、前述したように、スイッチは第1の圧電素子の変形量を抑制するタイミ
ングでも接続される。すなわち、スイッチの接続タイミングを制御することによって、第
1の圧電素子の変形量を抑制することに加えて、上述のように高い電圧を発生させること
が可能となる。
例を説明する。
A.実施例:
A−1.発電装置の構造:
A−2.発電装置の動作:
A−3.発電装置の動作原理:
A−4.スイッチの切換タイミング:
B.第1変形例:
C.第2変形例:
A−1.発電装置の構造 :
図1は、本実施例の発電装置100の構造を示した説明図である。図1(a)には、発
電装置100の構造が示されており、図1(b)には回路図が示されている。本実施例の
発電装置100の構造は、錘106が設けられた梁104が、支持端102に固定された
片持ち梁構造となっている。また、梁104の表面には、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT
)などの圧電材料によって形成された圧電素子108および圧電素子110が取り付けら
れており、圧電素子108の表面には、金属薄膜によって形成された上部電極109a、
下部電極109b(一対の電極)が設けられている。また、圧電素子110についても同
様に、金属薄膜によって形成された上部電極111a、下部電極111bが設けられてい
る。図1(a)に示す例では、圧電素子108と圧電素子110とは同じ形状を有してい
るが、必ずしも同じ形状でなくてもよい。例えば、圧電素子108が梁104に対して設
置可能な最大の長さと幅であれば、圧電素子108の発電量は大きくなる。一方、圧電素
子110が設置可能な最小の幅(梁104の短手方向への長さ)であれば、圧電素子11
0による梁104の変位抵抗が低減するため、発電効率が良くなる。尚、圧電素子108
および圧電素子110は梁104の変形によって変形するから、梁104が本発明の「変
形部材」に相当する。
で、振動が加わったり、あるいは、発電装置100が移動することにより、図中の白抜き
の矢印で示したように、梁104の先端が大きく振動する。その結果、梁104の表面に
取り付けられた圧電素子108および圧電素子110には、圧縮力および引張力が交互に
作用する。すると、それぞれの圧電素子108,110は圧電効果によって正負の電荷を
発生し、その電荷が上部電極109a,111a、および下部電極109b、111bに
現れる。
8は、電気的には、電流源と、電荷を蓄えるコンデンサーCgとして表すことができる。
同様に圧電素子110も、電流源と、電荷を蓄えるコンデンサーCsとして表すことがで
きる。このうち圧電素子108に対しては、並列にインダクターL1が接続されて、圧電
素子108の容量成分と共に電気的な共振回路を形成している。そして、この共振回路を
ON/OFFするためのスイッチSW1が、共振回路内に(インダクターL1に対して直
列に)設けられている。スイッチSW1のON/OFFは、制御回路112(本発明の「
スイッチ制御手段」に相当)によって制御されている。また、圧電素子108に設けられ
た上部電極109aおよび下部電極109bは、4つのダイオードD1〜D4から構成さ
れる全波整流回路120に接続されている。更に、全波整流回路120には、電気負荷を
駆動するために、整流後の電流を蓄えておくコンデンサー(出力用コンデンサーC1)が
接続されている。
10に設けられた上部電極111aおよび下部電極111bは、制御回路112に接続さ
れている。従って、以下では、圧電素子108を「発電用の圧電素子」と称し、圧電素子
110を「制御用の圧電素子」と称することがあるものとする。尚、発電用の圧電素子1
08が本発明の「第1の圧電素子」に対応し、制御用の圧電素子110が本発明の「第2
の圧電素子」に対応する。
図2は、本実施例の発電装置100の動作を示した説明図である。図2(a)には、梁
104の振動に伴って、梁104の先端の変位uが変化する様子が示されている。尚、プ
ラスの変位uは、梁104が上向きに反った状態(梁104の上面側が凹となった状態)
を表しており、マイナスの変位(−u)は、梁104が下向きに反った状態(梁104の
下面側が凹となった状態)を表している。また、図2(b)には、梁104の変形に伴っ
て、圧電素子108が発生する電流の様子と、その結果として圧電素子108の内部に生
じる起電力の様子とが示されている。尚、図2(b)では、圧電素子108に電荷が発生
する様子は、単位時間あたりに発生する電荷量(すなわち、電流Ipzt )として表され、
圧電素子108に生じる起電力は、上部電極109aと下部電極109bとの間に生じる
電位差Vpzt として表されている。
104が変形すると、圧電素子110も圧電素子108と同様に変形する。従って、圧電
素子110の内部にも、圧電素子108と全く同様に、図2(b)に示す電流Ipzt およ
び電位差Vpzt が発生する。
圧電素子108は正方向の電流を発生させ(すなわち、電流Ipzt がプラス値)、これに
伴って上部電極109aおよび下部電極109bの電位差Vpzt は正方向へ増加する。正
方向の電位差Vpzt が、C1の電圧VC1と全波整流回路120を構成しているダイオー
ドの順方向降下電圧Vfの2倍との和、すなわち、VC1+2Vfよりも大きくなれば、
それ以降に発生した電荷は直流電流として取り出して、出力用コンデンサーC1に蓄えて
おくことができる。また、梁104の変位が減少している間は、圧電素子108は負方向
の電流を発生させ(すなわち、電流Ipzt がマイナス値)、これに伴って上部電極109
aおよび下部電極109bの電位差Vpzt は負方向へ増加する。負方向の電位差Vpzt が
、VC1と全波整流回路120の2Vfの和よりも大きくなれば、発生した電荷は直流電
流として取り出して、出力用コンデンサーC1に蓄えておくことができる。すなわち、図
1のスイッチSW1をOFFにしたままでも、図2(b)中に斜線を付して示した部分に
ついては、出力用コンデンサーC1に電荷を蓄えることができる。
。また図2(d)にスイッチSW1が動作した場合の圧電素子108の端子間電圧Vgen
を示す。図2(c)に示すタイミングで、スイッチSW1をONにする。すると、図2(
d)の太い実線に示すように、スイッチSW1をONしたとき、圧電素子108の端子間
の電位の反転が発生する。たとえば、図2(d)中に「B」と表示した期間Bでは、スイ
ッチSW1がONしたとき、圧電素子108の端子間電圧がマイナス方向へ反転し、その
後、太い破線で示した電圧波形が圧電素子108の端子間に現れる。このような現象が発
生する理由については後述する。また、図2(d)中に「C」と表示した期間Cでは、圧
電素子108の端子間電圧がプラス方向へ反転し、その後、太い破線の電圧波形が現れる
。以降の期間D、期間E、期間Fなどについても同様に、圧電素子108の端子間電圧が
反転した後、太い破線の電圧波形が現れる。そして、圧電素子108の電圧波形が、VC
1と2Vfとの和を超えた部分(図2(d)中に斜線を付して示した部分)では、圧電素
子108で発生した電荷を出力用コンデンサーC1に蓄えておくことができる。尚、圧電
素子108から出力用コンデンサーC1に電荷が流れる結果、圧電素子108の端子間の
電圧は、VC1と2Vfとの和の電圧でクリップされる。言い換えると、圧電素子108
の端子間の電圧が、VC1と2Vfとの和の電圧に保持される。その結果、上部電極10
9aおよび下部電極109bの間の電圧波形は、図2(d)に太い実線で示した波形とな
る。
ように、梁104の変形方向が切り換わるタイミングでスイッチSW1をONにした場合
とを比較すれば明らかなように、本実施例の発電装置100では、適切なタイミングでス
イッチSW1をONにすることで、効率よく、出力用コンデンサーC1に電荷を蓄えるこ
とが可能となる。そこで、本実施例の発電装置100は、スイッチSW1を適切なタイミ
ングでONにするために、制御することに用いる圧電素子110を設けておき、圧電素子
110の電圧を検出してスイッチSW1を制御している。この点については、後ほど詳し
く説明する。
電圧が増加すると、それに従って電圧波形のシフト量も大きくなる。たとえば、図2(d
)中の期間B(出力用コンデンサーC1に電荷が蓄えられていない状態)と、図2(d)
中の期間H(出力用コンデンサーC1に少し電荷が蓄えられた状態)とを比較すると、期
間Hの方が電圧波形のシフト量が大きくなっている。同様に、図2(d)中の期間Cと期
間Iとを比較すると、出力用コンデンサーC1に蓄えられた電荷が増えている期間Iの方
が、電圧波形のシフト量が大きくなっている。このような現象が発生する理由については
後述するが、この結果、本実施例の発電装置100では、圧電素子108を変形させたこ
とによって、上部電極109aと下部電極109bとの間に生じる電圧Vpzt 以上の電圧
を、出力用コンデンサーC1に蓄えることも可能となる。その結果、特別な昇圧回路を設
ける必要がなくなり、小型で高効率の発電装置を得ることが可能となる。
図3は、本実施例の発電装置100の動作原理の前半部分を概念的に示した説明図であ
る。また、図4は、本実施例の発電装置100の動作原理の後半部分を概念的に示した説
明図である。図3および図4では、圧電素子108の変形に合わせてスイッチSW1をO
NにしたときのCg(圧電素子108の容量成分)内での電荷の動きが、概念的に示され
ている。図3(a)は、圧電素子108(正確には梁104)が上向きに(上面側が凹と
なるように)変形した状態を表している。圧電素子108が上向きに変形すると、電流源
からは正方向の電流が流れ、Cg(圧電素子108の容量成分)に電荷が蓄積され、Vge
n は正方向の電圧が発生する。電圧値は、圧電素子108の変形量が大きくなるほど増加
する。そして、圧電素子108の変形量が極値となったタイミング(電荷量が極値となっ
たタイミング(図3(b)参照)で、スイッチSW1をONにする。
素子108の容量成分)には電荷が蓄えられているから、この電荷がインダクターLに流
れようとする。インダクターLに電流が流れると磁束が生じる(磁束が増加する)が、イ
ンダクターLには、磁束の変化を妨げる方向に逆起電力が生じる性質(自己誘導作用)が
ある。スイッチSW1をONにした瞬間は、電荷が流れることによって磁束が増加しよう
とするから、この磁束の増加を妨げる方向(換言すれば、電荷の流れを妨げる方向)に逆
起電力が発生する。また、逆起電力の大きさは、磁束の変化速度(単位時間あたりの変化
量)に比例する。図3(c)には、このようにしてインダクターLに生じる逆起電力が、
斜線を付した矢印によって表されている。このような逆起電力が発生するため、スイッチ
SW1をONにしても、圧電素子108の電荷は少しずつしか流れ出さない。すなわち、
インダクターLを流れる電流は少しずつしか増加しない。
るので、図3(d)に示したように逆起電力が「0」となる。そして、今度は電流が減少
し始める。すると、インダクターLを貫く磁束が減少するので、インダクターLには、こ
の磁束の減少を妨げる方向(電流を流そうとする方向)の起電力が発生する(図3(e)
参照)。その結果、この起電力によってCg(圧電素子108の容量成分)から電荷を引
き抜きながら、インダクターLを電流が流れ続ける。そして、電荷の移動の途中で損失が
発生しなければ、圧電素子108の変形によって生じた全ての電荷が移動して、ちょうど
正負の電荷が置き換わったような状態(すなわち、圧電素子108の下面側に正電荷が分
布し、上面側に負電荷が分布した状態)となる。図3(f)には、圧電素子108の変形
によって生じた正負の電荷が全て移動した状態が表されている。
生じる。すなわち、圧電素子108の下面側の正電荷がインダクターLに流れようとして
、このときインダクターLには、電荷の流れを妨げる方向の逆起電力が発生する。その後
、インダクターLを流れる電流がピークに達した後、減少に転じると、今度は電流の減少
を妨げる方向(電流を流し続けようとする方向)の起電力がインダクターLに発生する。
その結果、圧電素子108の下面側にあった全ての正電荷が上面側に移動した状態(図3
(b)に示した状態)となる。こうして圧電素子108の上面側に戻った正電荷は、再び
、図3(b)〜図3(f)を用いて前述したようにして、下面側に移動する。
W1をONにした後、その状態を保っておくと、圧電素子108とインダクターLとの間
で電流の向きが交互に反転する一種の共振現象が発生する。そして、この共振現象の周期
は、いわゆるLC共振回路の周期Tとなるから、Cg(圧電素子108の容量成分)の大
きさ(キャパシタンス)をC、インダクターLの誘導成分の大きさ(インダクタンス)を
Lとすると、T=2π(LC)0.5によって与えられる。従って、スイッチSW1をO
Nにした直後(図3(c)に示した状態)から、図3(f)に示した状態となるまでの時
間は、T/2となる。
ようにスイッチSW1をOFFにする。そしてこの状態から、圧電素子108(正確には
梁104)を今度は下向きに(下面側が凹となるように)変形させる。前述した図3(a
)では、圧電素子108を上向きに変形させたが、図4(a)では下向きに変形させてい
るので、電流源から負方向の電流が流れ、Vgen が負方向へ大きくなるようにCgに電荷
が蓄積する。また、図3(a)〜図3(f)を用いて前述したように、圧電素子108(
正確には梁104)を下向きに変形させる前の段階で、圧電素子108の下面側には正電
荷が分布し、上面側には負電荷が分布しているから、これらの電荷に加えて、下面側には
新たな正電荷が蓄積され、上面側には新たな負電荷が蓄積されることになる。図4(b)
には、スイッチSW1をOFFにした状態で圧電素子108(正確には梁104)を変形
させることによって、圧電素子108に新たな電荷が蓄積された状態が示されている。
イミング)でスイッチSW1をONにすると、圧電素子108の下面側に蓄積された正電
荷がインダクターLに流れようとする。このときインダクターLには逆起電力が発生する
ので(図4(c)参照)、電流は少しずつ流れ始めるが、やがてピークに達して、その後
は減少に転じる。すると、インダクターLには、電流の減少を妨げる方向(電流を流し続
けようとする方向)に起電力が発生し(図4(e)参照)、この起電力によって電流が流
れ続けて、最終的には、圧電素子108の下面側に分布していた全ての正電荷が上面側に
移動し、上面側に分布していた全ての負電荷が下面側に移動した状態となる(図4(f)
参照)。また、下面側の全ての正電荷が上面側に移動し、上面側の全ての負電荷が下面側
に移動する時間は、LC共振回路の半周期に相当する時間T/2となる。そこで、スイッ
チSW1をONにした後、時間T/2が経過したらスイッチSW1をOFFにして、今度
は圧電素子108(正確には梁104)を上向きに(上面側が凹となるように)変形させ
れば、圧電素子108内に更に正負の電荷を蓄積することができる。
荷を発生させた後、圧電素子108をインダクターLに接続して、共振周期の半分の周期
だけ共振回路を形成することで、圧電素子108内での正負の電荷の分布を反転させる。
その後、圧電素子108を今度は逆方向に変形させて新たな電荷を発生させる。圧電素子
108内での正負の電荷の分布は反転されているから、新たに発生させた電荷は圧電素子
108に蓄積されることになる。その後、再び、共振周期の半分の周期だけ圧電素子10
8をインダクターLに接続して、圧電素子108内での正負の電荷の分布を反転させた後
、圧電素子108を逆方向に変形させる。このような動作を繰り返すことで、圧電素子1
08を繰り返し変形させる度に、圧電素子108に蓄積された電荷を増加させることがで
きる。
する度に圧電素子108の端子間の電圧波形がシフトする現象が生じるが、この現象は、
以上のようなメカニズムによって発生する。すなわち、たとえば図2(d)中に示した期
間Aでは、圧電素子108(正確には梁104)の変形に従って、上部電極109aおよ
び下部電極109bの間に電圧が発生するが、上部電極109aおよび下部電極109b
は全波整流回路120に接続されているので、VC1と2Vfとの和の電圧を超えた部分
の電荷は、全波整流回路120に接続された出力用コンデンサーC1に流れ込む。その結
果、梁104の変形量が極値となった時点でスイッチSW1をONにすると、その時に圧
電素子108内に残っていた正負の電荷がインダクターLを介して移動して、圧電素子1
08内での正負の電荷の配置が入れ代わる。尚、図3および図4を用いて前述したメカニ
ズムから明らかなように、スイッチSW1をONにしておく期間は、圧電素子108の容
量成分と、インダクターLとによって構成される共振回路の共振周期の半分の時間となる
。
圧電素子108の上部電極109aおよび下部電極109bの間には、圧電効果による電
圧波形が現れる。すなわち、圧電素子108の上部電極109aおよび下部電極109b
の極性が入れ代わった状態から、圧電素子108に変形による電圧変化が発生することに
なる。その結果、図2(d)中に示した期間Bでは、梁104の変形によって圧電素子1
08に生じる電圧波形をシフトさせたような、電圧波形が現れることになる。もっとも、
前述したように、VC1と2Vfとの和の電圧を超えた部分の電荷は出力用コンデンサー
C1に流れ込むので、圧電素子108の上部電極109aおよび下部電極109bの間の
電圧は、VC1と2Vfとの和の電圧でクリップされる。その後、共振周期の半分の時間
だけスイッチSW1をONにすると、圧電素子108に残っていた正負の電荷の配置が入
れ代わる。そして、その状態から梁104が変形することによって、圧電素子108には
圧電効果による電圧波形が現れる。このため、図2(d)中に示した期間Cにおいても、
梁104の変形による電圧波形をシフトさせたような電圧波形が現れることになる。
繰り返しているうちに、電圧波形のシフト量が次第に大きくなるという現象も発生する。
このため、圧電素子108の圧電効果によって上部電極109aと下部電極109bとの
間に生じる電位差よりも高い電圧を、出力用コンデンサーC1に蓄えることができるとい
う大きな効果を得ることができる。このような現象は、次のようなメカニズムによって生
じる。
が充電されていない場合は、圧電素子108の端子間で発生する電圧が、全波整流回路1
20の2Vfを超えると、圧電素子108から出力用コンデンサーC1に電荷が流れ込む
ので、圧電素子108の端子間に現れる電圧は、2Vfでクリップされている。しかし、
こうして出力用コンデンサーC1に電荷を蓄えるに従って出力用コンデンサーC1の端子
間の電圧が増加していく。すると、それ以降は、出力用コンデンサーC1の端子間電圧が
VC1と2Vfとの和よりも高い電圧になって始めて、圧電素子108から電荷が流れ込
むようになる。このため、圧電素子108の端子間の電圧がクリップされる値が、出力用
コンデンサーC1に電荷が蓄えられるに従って次第に上昇していく。
ない限り、圧電素子108(正確には梁104)を変形させる度に、圧電素子108内の
電荷は増加し、圧電素子108の端子間の電圧は大きくなる。このため、本実施例の発電
装置100によれば、特別な昇圧回路を設けなくても、電気負荷の駆動に必要な電圧まで
自然に昇圧させた状態で、発電することが可能となる。
以上に説明したように、本実施例の発電装置100では、圧電素子108(正確には梁
104)に繰り返し変形を加えて、変形方向が切り換わる瞬間に、共振周期の半分の時間
だけ圧電素子108をインダクターLに接続することで、効率が良く、加えて昇圧回路が
不要なために容易に小型化することができるという優れた特徴を得ることができる。もっ
とも、梁104の変形方向が切り換わる瞬間にスイッチSW1をONにすることは、それ
ほど容易なことではない。たとえば、梁104の変形方向が切り換わる瞬間は、梁104
の変位の大きさが最大と考えれば、機械的な接点を用いて、梁104が最大変位となった
瞬間にONとなるように構成することも可能である。しかし、接点の調整がずれると効率
が大きく低下することになる。そこで、本実施例の発電装置100では、発電することに
用いる圧電素子108だけでなく、制御することに用いる圧電素子110も設けておき、
圧電素子110で発生する電圧を検出することで、スイッチSW1を制御している。
、スイッチSW1を適切なタイミングで制御可能な理由を示す説明図である。図5(a)
には、梁104の変位が示されている。また、図5(b)には、梁104の振動に伴って
、圧電素子110に生じる起電力Vpzt が変化する様子が示されている。
でスイッチSW1をONにした場合に、最も効率よく発電することができる。そして、図
5(a)と図5(b)とを比較すれば明らかなように、梁104の変位uが極値となるの
は、圧電素子110の起電力Vpzt が極値となるタイミングと一致する。これは、次のよ
うな理由による。先ず、圧電素子108は変形によって電荷が発生しても、その電荷がイ
ンダクターLによって引き抜かれたり、出力用コンデンサーC1に電荷が流れたりする影
響で、圧電素子108の起電力Vpzt は梁104の変位と完全には同じにならない。これ
に対して、圧電素子110は、インダクターLや出力用コンデンサーC1と接続していな
いため、電荷の増減が圧電素子110の起電力Vpzt の変化に直接反映される。このため
、圧電素子110の起電力Vpzt が極値となるタイミングは、梁104の変位uが極値と
なるタイミングと一致するのである。
るタイミングを検出して、そのタイミングから、前述した共振周期の半分の時間(T/2
)だけスイッチSW1をONにしてやれば、効率よく発電することが可能となる。
ことについて説明した。本実施例の発電装置100では、上述したタイミング以外にも以
下に説明するタイミングでスイッチSW1をONにすることによって、梁104の変形量
を抑制することが可能である。
を示す説明図であり、梁104の振動に伴って、梁104の先端の変位uが変化する様子
が示されている。図6中の実線はスイッチSW1がOFFの場合の梁104(および圧電
素子108)の変位を示しており、破線はスイッチSW1がONの場合、すなわち圧電素
子108の上部電極109aと下部電極109bとが短絡状態である場合の梁104(お
よび圧電素子108)の変位を示している。尚、図6中のスイッチSW1がOFFの場合
(実線)とスイッチSW1がONの場合(破線)とでは、互いに同じ力が梁104に加え
られている。図6の破線と実線とを比較すれば明らかなように、スイッチSW1をOFF
にした場合よりも、スイッチSW1をONにして上部電極109aと下部電極109bと
を短絡状態にした場合の方が、梁104(および圧電素子108)の変形は抑制される。
子110が梁104(および圧電素子108)の変形量を制御している。すなわち、制御
用の圧電素子110は梁104に設けられており、これらは同程度に変形するものである
ことから、梁104の変形量が大きくなる程、圧電素子110に生じる電圧Vpzt の絶対
値は大きくなる。そして、該電圧Vpzt の絶対値が所定値以上(後述する制限電圧Vl以
上)になった場合に、スイッチSW1をONにして発電用の圧電素子108の上部電極1
09aと下部電極109bとを短絡状態にすることよって、圧電素子108(および梁1
04)が所定の変形量以上に変形することを抑制する。
ることによって、圧電素子108(および梁104)の変形が抑制される様子を示す説明
図である。図7(a)には、梁104の変位が示されている。また、図7(b)には、梁
104の振動に伴って、圧電素子110に生じる電圧Vpzt が変化する様子が示されてい
る。図7(b)に示すように、圧電素子110に生じる電圧Vpzt はタイミングtlで所
定値(制限電圧Vl)に到達している。このタイミングtlは、図7(a)に示すように
、梁104の変位が一定値以上になっているタイミングである。そして、図7(c)に示
すように、タイミングtlでスイッチSW1をONにして発電用の圧電素子108の上部
電極109aと下部電極109bとを短絡状態にすることよって、圧電素子108(およ
び梁104)が変形することを抑制する。すなわち、スイッチSW1をONにしなければ
図7(a)に破線で示すように大きく変形していたところを、スイッチSW1をONにし
て圧電素子108(および梁104)の変形を実線で示す程度まで抑制している。
されている部材や筐体に梁104が衝突することを防止できる。その結果、該衝突の衝撃
を緩衝するための緩衝部材を配置する必要がなくなり、発電装置100を小型化すること
が可能となる。
Fを切り換えるスイッチ制御処理を示したフローチャートである。この処理は、制御回路
112に内蔵されたCPUによって実行される。すなわち、制御用の圧電素子110およ
び制御回路112のCPUが「変形量検出手段」に相当する。また、制御回路112のC
PUが「電圧検出手段」に相当する。
の上部電極111aおよび下部電極111bの間での電圧を検出して、電圧値がピークに
達したか否か(すなわち、電圧値が極値に達したか否か)を判断する(ステップS100
)。電圧値がピークに達したか否かは、電圧波形の微分を行って微分値の符号が変わった
ら、電圧値がピークに達したと判断することができる。
、共振回路(圧電素子108の容量成分CgとインダクターLとによって構成される共振
回路)のスイッチSW1をONにした後(ステップS102)、制御回路112に内蔵さ
れた図示しない計時タイマーをスタートする(ステップS104)。そして、圧電素子1
08の容量成分CgとインダクターLとによって構成される共振回路の共振周期の1/2
の時間が経過したか否かを判断する(ステップS106)。
06:no)、そのまま同様の判断を繰り返すことによって、共振周期の1/2の時間が
経過するまで待機状態となる。そして、共振周期の1/2の時間が経過したと判断したら
(ステップS106:yes)、共振回路のスイッチSW1をOFFにする(ステップS
108)。
1のON/OFFを行えば、梁104の動きに合わせて適切なタイミングでスイッチSW
1をON/OFFすることができるので、効率よく発電することが可能となる。共振回路
のスイッチSW1をOFFにしたら(ステップS108)、スイッチ制御処理の先頭に戻
って、上述した一連の処理を繰り返す。
なかった場合は(ステップS100:no)、次に、制御用の圧電素子110で発生した
電圧値が制限電圧Vlに達したか否かを判断する(ステップS110)。その結果、該電
圧値が制限電圧Vlに達している場合は(ステップS110:yes)、上部電極109
aと下部電極109bとを短絡させて梁104の変形を抑制するべく、SW1をONにす
る(ステップS112)。その後、制御回路112に内蔵された計時タイマーをスタート
する(S114)。そして、設定時間(本発明の「所定時間」に相当)が経過したか否か
を判断する(ステップS116)。ここで、設定時間は、梁104の変形を抑制させるた
めに上部電極109aと下部電極109bとを短絡させる時間である。該設定時間の長さ
としては、例えば、梁104の振動周期の1/2程度の梁104の変形を十分に抑制する
ことの可能な時間が設定される。
プS116:no)、そのまま同様な判断を繰り返すことによって、設定時間が経過する
まで待機状態となる。そして、設定時間が結果したと判断したら(ステップS116:y
es)、スイッチSW1をOFFにする(ステップS118)。スイッチSW1をOFF
にしたら、あるいは、制御用の圧電素子110で発生した電圧値が制限電圧Vlに達して
いなければ(ステップS110:no)、スイッチ制御処理の先頭に戻って、上述した一
連の処理を繰り返す。
0で発生した電圧値が制限電圧Vlに達した場合(すなわち、梁104の変形量が所定の
大きさ以上になった場合)に、上部電極109aと下部電極109bとを設定時間だけ短
絡させて梁104が想定以上に変形することを抑制することができる。その結果、梁10
4の周辺に配置されている部材や筐体に梁104が衝突することを防止でき、該衝突の衝
撃を緩衝するための緩衝部材を配置する必要がなくなるので、発電装置100を小型化す
ることが可能となる。
く発電させることが可能となり、なおかつ(ステップS100〜S108)、梁104の
変形量を抑制することが可能である(ステップS110〜S118)。すなわち、効率よ
く発電させるために設けられたスイッチSW1を、梁104の変形量を抑制するためにも
用いているので、発電装置100を構成する部材点数の増加を抑えることが可能となる。
上述した実施例には種々の変形例が存在している。以下では、第1変形例について簡単
に説明する。
子110が1つずつ設けられているものとして説明した。しかし、これらの圧電素子10
8、110は必ずしも1つだけである必要はなく、それぞれ複数を設けても良い。以下で
は、このような第1変形例について説明する。尚、上述の実施例と同様な構成については
、変形例においても同じ番号を付すものとして、詳細な説明は省略する。
100Aを示した説明図である。図9(a)は、梁104の一方の面から見た平面図であ
る。図9(b)は、梁104の他方の面から見た平面図である。図9(a)には、梁10
4の一方の面に設けられた2つの発電用の圧電素子(圧電素子108および圧電素子11
6)が示されており、図9(b)には、梁104の他方の面に設けられた2つの制御用の
圧電素子(圧電素子110および圧電素子114)が示されている。図9(a)に示すよ
うに、発電用の圧電素子108,116は、梁104の一方の面に、梁104の長手方向
に並べて設けられている。また、図9(a)と図9(b)とを比較すれば明らかなように
、発電用の圧電素子108に対しては、梁104を挟んで対向した位置に制御用の圧電素
子110が設けられ、発電用の圧電素子116に対しては、梁104を挟んで対向した位
置に制御用の圧電素子114が設けられている。尚、発電用の圧電素子116および制御
用の圧電素子114についても、発電用の圧電素子108や制御用の圧電素子110と同
様に、金属薄膜によって形成された上部電極117a,115a、下部電極117b,1
15bが設けられている。
0,114を備える第1変形例の発電装置100Aの電気的な構造を示した説明図である
。図10と図1(b)とを比較すると明らかなように、上述の実施例に対して第1変形例
の発電装置100Aは、発電用の圧電素子116や、インダクターL2、スイッチSW2
、全波整流回路121、制御用の圧電素子114等が追加されている。これらの追加され
た構成は、上述の実施例で説明した発電用の圧電素子108や、インダクターL1、スイ
ッチSW1、全波整流回路120、制御用の圧電素子110等と同様に動作する。
/2の時間が経過するまでスイッチSW1をONにすることによって、発電用の圧電素子
108に生じた電荷が効率よく出力用コンデンサーC1に蓄えられる。同様に、制御用の
圧電素子114に生じる電圧がピーク値になってから共振周期の1/2の時間が経過する
までスイッチSW2をONにすることによって、発電用の圧電素子116に生じた電荷も
出力用コンデンサーC1に蓄えられる。
が経過するまでスイッチSW1をONにすることによって、発電用の圧電素子108の変
形を抑制したのと同様に、制御用の圧電素子114に生じる電圧が制限電圧Vl以上にな
ってから設定時間が経過するまでスイッチSW2をONにすることによって、発電用の圧
電素子116の変形を抑制する。圧電素子108,116の変形をそれぞれ抑制すること
によって、圧電素子108,116が設けられている梁104の別々の部分(図7参照)
の変形をそれぞれ抑制することができる。このように、梁104の別々の部分の変形をそ
れぞれ抑制するので、梁104の別々の部分のうち一方の部分だけに過度の変形が発生し
たとしても該一方の部分だけの変形を抑制して、他方の部分は変形を抑制せずに電力を発
生させることが可能となる。従って、梁104の多様な変形に応じて過度の変形を抑制し
ながら効率よく発電することが可能となる。
次に、第2変形例について簡単に説明する。
1と図1(b)とを比較すると明らかなように、上述の実施例に対して第2変形例の発電
装置100Bは、インダクターL1が接続されていない。すなわち、第2変形例の発電装
置100B内には上述の実施例のようなLC共振回路は構成されない。これにより、制御
回路112に内蔵されたCPUによって実行されるLC共振回路を利用するための制御処
理(図8のS100〜S108)を省略することができる。
にLC共振回路を利用しないので、実施例の発電装置100ほどは効果的に電荷を蓄積す
ることを望めないものの、梁104の変形量が所定値以上になったときにSW1をONに
する処理(図8のS110〜S118)を行うことによって、梁104の変形を抑制でき
る。以上のように、第2変形例の発電装置100bは、部材点数(インダクターL1)や
CPUの処理負荷(LC共振回路を利用するための制御処理)の増大化を抑えた上で、梁
104の周辺に配置されている部材や筐体に梁104が衝突することを防止できる。
例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施するこ
とが可能である。
チSW1をONにすることによって、効率よく出力コンデンサーC1に電荷を蓄えるもの
として説明した。しかし、これに限らず、図2(b)に示したスイッチSW1をOFFに
したままの状態で出力コンデンサーC1に電荷を蓄える構成でもよい。すなわち、圧電素
子108で発生した電荷を何らかの形で蓄えることができればどのような構成でもよい。
ているものとして説明した。しかし、圧電素子108や圧電素子110などが取り付けら
れる部材は、振動などによって容易に繰り返し変形する部材であれば、両持ち梁構造の梁
でも良く、どのような構造や形状であっても構わない。たとえば、薄膜の表面に圧電素子
108や圧電素子110などを取り付けても良い。
あるいは地すべり想定箇所などに発電装置を設置すれば地震などの災害時に発電し、電子
機器などのネットワーク手段に必要時(災害時)だけ電源供給することもできる。
設置することもできる。たとえば、車両や電車などの移動手段に本発明の発電装置を用い
ることで、移動に伴う振動により発電し、移動手段に備わる機器に効率良く電力供給する
こともできる。
102…支持端、 104…梁、 106…錘、
108…圧電素子、 109a…上部電極、 109b…下部電極、
110…圧電素子、 111a…上部電極、 111b…下部電極、
112…制御回路、 114…圧電素子、 115a…上部電極、
115b…下部電極、 116…圧電素子、 117a…上部電極、
117b…下部電極、 120,121…全波整流回路、
L1,L2…インダクター、C1…出力用コンデンサー、D1〜D8…ダイオード、
SW1,SW2…スイッチ
Claims (3)
- 第1の圧電素子が設けられ、変形方向を切り換えて変形する変形部材と、
前記変形部材の変形量を検出する変形量検出手段と、
前記第1の圧電素子に設けられた一対の電極と、
前記一対の電極間に設けられたスイッチと、
前記変形量が所定の大きさ以上になると、前記一対の電極間を所定期間短絡状態とする
ように前記スイッチを制御するスイッチ制御手段と
を備える発電装置。 - 前記変形量検出手段は、
前記変形部材に設けられ、前記変形量の検出に用いる第2の圧電素子と、
前記第2の圧電素子に発生する電圧を検出する電圧検出手段と
を備える請求項1に記載の発電装置。 - 前記一対の電極間に設けられ、且つ前記スイッチと直列に接続されることによって、前
記第1の圧電素子の容量成分と共振回路を構成するインダクターを備え、
前記スイッチ制御手段は、前記変形量が前記所定の大きさに達しない期間では、前記変
形部材の変形方向が切り換わるときに前記スイッチを接続した後、前記共振回路の共振周
期の半周期に相当する時間が経過すると前記スイッチを切断する手段である請求項1また
は請求項2に記載の発電装置。
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