JP2012174354A - 前照灯及びこれを備えた鞍乗型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】LEDの明るさの変動を抑制することができる前照灯およびこれを備えた鞍乗型車両を提供する。
【解決手段】前照灯11は、LED45を有する光源43を支持する支持部材41と、支持部材41を収容する筐体31と、支持部材41から熱を受け取り、この熱を筐体31の外側に放出する放熱部材39と、支持部材41と放熱部材39との間の熱抵抗を変える熱抵抗調整部と、を備えている。熱抵抗調整部は、熱伝導シート51、52と形状記憶合金バネ55とバイアスバネ56とによって構成されている。この熱抵抗調整部はさらに、熱抵抗を変えることによって、LEDの温度の変動を抑制する。これにより、LEDの明るさが変わることを好適に抑制することができる。
【選択図】図4

Description

この発明は、前照灯及びこれを備えた鞍乗型車両に関する。
近年、前照灯の光源に、LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)が用いられている。LEDはその温度が過度に高くなると破損する。過度に高い温度とは、例えば、150度等が例示される。
このため、例えば、前照灯は、LEDの熱を大気に放出する放熱部材を備えている。放熱部材はLEDの熱を奪うので、LEDの温度の上昇は抑制される。よって、放熱部材を備える前照灯によれば、LEDの温度が過度に高くなることを防止できる。
また、特許文献1は、前照灯の別の構成を開示している。すなわち、特許文献1は、LEDを有する光源と温度センサと制御部とを備えている前照灯を開示している。温度センサは、LEDの温度を検出する。制御部は、温度センサによって検出された温度が所定値に達するとLEDに流れる電流(順電流)を低減させる。LEDの電流が低減すると、LEDの発熱量は低下し、LEDの温度の上昇が抑制される。よって、温度センサと制御部を備える前照灯によっても、LEDの温度が過度に高くなることを防止できる。
特表2008−515207号公報
このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
放熱部材を備える前照灯では、LEDの温度は、大気の温度(すなわち、気温)の影響を受ける。気温は年間を通じて例えば約20度や約40度の範囲で変動する。前照灯の放熱設計は、通常、気温が高い条件を前提として行われる。すなわち、気温が高いときであっても、LEDの温度が過度に高くならないように放熱部材等が設計されている。
ところで、LEDは、その温度が低くなるほど、相対光束(Relative Luminous Flux)或いは相対光度(Relative Luminous Intensity)が向上する特性を有している。すなわち、LEDの温度が低いほど、LEDは明るく発光する。上述した前照灯では、気温が低いときには、当然ながら気温が高いときに比べてLEDの温度が低くなる。このような気温の変動によるLEDの温度の低下量は、LEDの明るさが有意に増加するほど大きい。したがって、この前照灯によれば、年間を通じて前照灯の配光パターンをレギュレーションに適合させることは困難である。
他方、温度センサと制御部とを備える前照灯では、LEDの温度を所定値以下に制限することができる。但し、LEDに供給される電流は一定ではなく、変動する。LEDの電流が変化すると、LEDの明るさが大きく変わる。このため、この前照灯によっても、前照灯の配光パターンを常にレギュレーションに適合させることは困難である。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、LEDの明るさの変動を抑制することができる前照灯およびこれを備えた鞍乗型車両を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明は、前照灯であって、LEDを有する光源を支持する支持部材と、前記支持部材を収容する筐体と、前記支持部材から熱を受け取り、この熱を前記筐体の外側に放出する放熱部材と、前記支持部材と前記放熱部材との間の熱抵抗を変えて前記LEDの温度の変動を抑制する熱抵抗調整部と、を備えている前照灯である。
[作用・効果]支持部材は、LEDを支持するとともに、LEDから熱を奪い、その熱を放熱部材に伝達する。放熱部材は、支持部材から受け取った熱を筐体の外、すなわち、大気に放出する。熱抵抗調整部は、これら支持部材と放熱部材との間の熱抵抗を変える。
ここで、支持部材から放熱部材に伝わる熱量は、上記に示した熱抵抗によって調整可能である。さらに、支持部材がLEDから奪う熱量は、支持部材から放熱部材に伝わる熱量によって調整可能である。したがって、熱抵抗を変えることで、LEDの温度を間接的に制御し得る。なお、本明細書では、「熱量」とは、厳密には、単位時間当たりに移動する熱量、すなわち、熱の移動量の意味である。
熱抵抗調整部は、さらに、LEDの温度の変動を抑制するように熱抵抗を変える。これにより、LEDの明るさが変わることを好適に抑制することができる。このように、本発明の前照灯によれば、LEDの明るさの変動を好適に抑制することができる。
上述した発明において、前記熱抵抗調整部は、前記筐体内の雰囲気の温度に基づいて前記熱抵抗を調整することが好ましい。
筐体内の雰囲気の温度は、気温が高くなるにしたがって高くなり、気温が低くなるにしたがって低くなる。このように、筐体内の雰囲気の温度は、気温に依存している。したがって、熱抵抗調整部は、筐体内の雰囲気の温度に基づいて熱抵抗を調整することによって、気温の変動によってLEDの温度が変動することを好適に抑制することができる。
上述した発明において、前記熱抵抗調整部は、前記筐体内の雰囲気の温度が低いほど前記熱抵抗を増大させることが好ましい。通常、気温が高いほど放熱の効率が低下するので、LEDの温度は高くなり易い。反対に、気温が低いほどLEDを低い温度まで冷却し易い。本発明では、熱抵抗調整部は、筐体内の雰囲気の温度が高くなるほど熱抵抗を減少させる。熱抵抗が減少すると、支持部材から放熱部材に伝わる熱量が増大し、支持部材がLEDから奪う熱量が増大する。このため、気温が高くなっても、LEDの温度の上昇を抑制できる。さらに、熱抵抗調整部は、筐体内の雰囲気の温度が低いほど熱抵抗を敢えて増大させる。熱抵抗が増大すると、支持部材から放熱部材に伝わる熱が減少し、支持部材がLEDから奪う熱が減少する。これにより、気温が低くなると、LEDの温度の低下を敢えて抑制する。この結果、熱抵抗調整部は、気温の変動によってLEDの温度が変動することを好適に抑制することができる。
上述した発明において、前記熱抵抗調整部は、前記支持部材および前記放熱部材に比べて弾性係数が低く、前記支持部材および前記放熱部材とそれぞれ接触するように設けられている伝熱部材と、前記筐体内の雰囲気の温度に基づいて、前記支持部材と前記伝熱部材との第1接触圧力および前記放熱部材と前記伝熱部材との第2接触圧力の少なくともいずれかを変える接触圧力調整部と、を備えていることが好ましい。伝熱部材は、支持部材に比べて弾性係数が低い。よって、接触圧力調整部が第1接触圧力を調整すれば、支持部材と伝熱部材との間の熱抵抗を好適に変えることができる。同様に、伝熱部材は、放熱部材に比べて弾性係数が低い。よって、接触圧力調整部が第2接触圧力を調整すれば、放熱部材と伝熱部材との間の熱抵抗を好適に変えることができる。したがって、熱抵抗調整部は、第1接触圧力及び/又は第2接触圧力を調整することによって、支持部材と放熱部材との間の熱抵抗を好適に変えることができる。
上述した発明において、前記接触圧力調整部は、前記筐体内の雰囲気の温度が低いほど前記第1接触圧力および前記第2接触圧力の少なくともいずれかを減少させることが好ましい。第1接触圧力が減少すれば、支持部材と伝熱部材との間の熱抵抗は増大する。また、第2接触圧力が減少すれば、放熱部材と伝熱部材との間の熱抵抗が増大する。このため、第1接触圧力および第2接触圧力の少なくともいずれかを減少させれば、支持部材と放熱部材との間の熱抵抗は増大する。よって、本発明の熱抵抗調整部によれば、筐体内の雰囲気の温度が低いほど、支持部材と放熱部材との間の熱抵抗を好適に増大させることができる。
なお、伝熱部材は、単一であってもよいし、複数であってもよい。また、伝熱部材が複数の場合は、各伝熱部材は支持部材及び放熱部材の双方と接触するものであってもよいし、いずれか一方のみと接触するものであってもよい。
上述した発明において、前記接触圧力調整部は、前記伝熱部材が前記支持部材および前記放熱部材とそれぞれ接触している状態を保ちつつ、前記第1接触圧力および前記第2接触圧力の少なくともいずれかを調整することが好ましい。伝熱部材は、支持部材から離れることがなく、常に支持部材と接触しているので、支持部材と伝熱部材との間の熱抵抗が急峻に変化することはない。同様に、伝熱部材は、放熱部材から離れることがなく、常に放熱部材と接触しているので、放熱部材と伝熱部材との間の熱抵抗が急峻に変化することはない。したがって、熱抵抗調整部は、支持部材と放熱部材との間の熱抵抗をきめ細かく制御することができる。この結果、LEDの温度を適切に制御することができる。
上述した発明において、前記支持部材及び前記放熱部材はそれぞれ金属製であり、前記伝熱部材は、前記支持部材及び前記放熱部材の各表面の微小な形状に沿うように変形可能であることが好ましい。第1接触圧力が増加すると、伝熱部材は支持部材の表面の微小な形状に沿うように変形する。このような伝熱部材によって、伝熱部材と支持部材との間に存在し得る空隙は埋められていく。これに伴って、支持部材と伝熱部材との間の熱抵抗は減少する。反対に、第1接触圧力が減少すると、伝熱部材は支持部材の表面の微小な形状に沿わなくなる。伝熱部材と支持部材との間には、空隙が発生し、拡大する。これに伴って、支持部材と伝熱部材との間の熱抵抗は増大する。
このように、第1接触圧力の調整によって、支持部材と伝熱部材との間の熱抵抗を好適に変えることができる。同様に、第2接触圧力の調整によって、放熱部材と伝熱部材との間の熱抵抗を好適に変えることができる。
上述した発明において、前記伝熱部材は扁平な形状を有し、前記支持部材及び前記放熱部材とそれぞれ面接触することが好ましい。伝熱部材は、支持部材と面接触するので、支持部材から好適に熱を受け取ることができる。また、伝熱部材は、放熱部材と面接触するので、放熱部材に好適に熱を伝達することができる。また、伝熱部材は扁平な形状を有するので、伝熱部材の内部における熱伝導の経路を短くすることができる。なお、「扁平な形状」は、シート形状、フィルム形状、テープ形状、パッド形状またはブロック形状等を含む。
上述した発明において、前記接触圧力調整部は、温度に感応して、前記第1接触圧力及び前記第2接触圧力の少なくともいずれかを調整する形状記憶合金製の素子を備えていることが好ましい。このような素子によれば、筐体内の雰囲気の温度に基づいて第1接触圧力及び第2接触圧力の少なくともいずれかを機械的に調整することができる。よって、前照灯の信頼性を向上させることができる。
上述した発明において、前記素子は、前記光源よりも前記筐体の内壁に近い位置に配置されていることが好ましい。このような配置によれば、素子の温度は気温に強く依存する。よって、気温の変動に応じて素子の温度を好適に変動させることができる。
上述した発明において、前記素子は、前記伝熱部材を前記支持部材および前記放熱部材の少なくともいずれかに対して押さえ付ける向きに働く力を発生する形状記憶合金バネであり、前記形状記憶合金バネが発生する力は、温度が高くなるにしたがって増大することが好ましい。このような形状記憶合金バネを備えているので、筐体内の雰囲気の温度が高いほど、第1接触圧力及び/又は第2接触圧力を好適に増大させることができる。
上述した発明において、前記接触圧力調整部は、さらに、前記形状記憶合金バネが発生する力の向きとは反対向きの力を発生するバイアスバネを備えていることが好ましい。このようなバイアスバネを備えているので、筐体内の雰囲気の温度が低いほど、第1接触圧力及び/又は第2接触圧力を好適に減少させることができる。
上述した発明において、さらに、前記伝熱部材と接触するように設けられ、前記伝熱部材を介して前記支持部材と前記放熱部材との間で熱を伝達する金属製の連結部材を備えていることが好ましい。連結部材は、伝熱部材を介して支持部材から熱を受け取り、かつ、受け取った熱を、伝熱部材を介して放熱部材に伝達する。この連結部材は、金属製であるので、支持部材と伝熱部材とが接触する位置と、放熱部材と伝熱部材とが接触する位置とが互いに近接していなくても、連結部材を通じて支持部材から放熱部材へ好適に熱を伝達可能である。よって、支持部材および放熱部材の配置の自由度を高めることができる。
上述した発明において、前記連結部材は、前記支持部材とともに両側から前記伝熱部材を挟むように、かつ、前記放熱部材とともに両側から前記伝熱部材を挟むように設けられ、前記接触圧力調整部は、前記連結部材に力を作用させ、前記第1接触圧力及び前記第2接触圧力の双方を一挙に調整することが好ましい。熱抵抗調整部は、熱抵抗を効果的に増減することができる。
また、本発明は、請求項1から請求項14のいずれかに記載の前照灯を備える鞍乗型車両である。
[作用・効果]この発明に係る鞍乗型車両によれば、前照灯の明るさの変動が抑制されているので、搭乗者は前方を好適に視認することができる。
ここで、「鞍乗型車両」は、搭乗者が鞍にまたがった状態で乗車可能な車両のほかに、足をそろえて乗車可能なスクーター型の車両も含む。
なお、本明細書は、次のような前照灯に係る発明も開示している。
(1)前照灯であって、LEDを有する光源を支持する支持部材と、前記支持部材を収容する筐体と、前記支持部材から伝達された熱を前記筐体の外側に放熱する放熱部材と、前記支持部材と前記放熱部材との間の熱抵抗を変えて気温の変動幅に比べて前記LEDの温度の変動幅が小さくさせる熱抵抗調整部と、を備えている前照灯。
前記(1)に記載の発明によれば、支持部材は、LEDを支持するとともに、LEDから熱を奪い、奪った熱を放熱部材に伝達する。放熱部材は、支持部材から受け取った熱を筐体の外に放出する。熱抵抗調整部は、支持部材と放熱部材との間の熱抵抗を調整し、気温の変動幅に比べてLEDの温度の変動幅を小さくさせる。このため、気温の変動によってLEDの明るさが変動することを好適に抑制することができる。
(2)上述した発明において、前記熱抵抗調整部は、気温に応じて前記放熱部材の放熱量が変動することを抑制するように前記熱抵抗を変えることが好ましい。換言すれば、熱抵抗調整部は、気温が放熱部材の放熱量に及ぼす影響を低減する、又は、打ち消すように熱抵抗を変えることが好ましい。
放熱量の変動が抑制されると、支持部材がLEDから奪う熱量の変動が抑制される。よって、前記(2)に記載の発明によれば、気温に応じてLEDの温度が変動することを好適に抑制することができる。なお、「放熱量」とは、単位時間当たりに放熱部材から大気に移動する熱量の意味である。
(3)請求項4から請求項8のいずれかに記載に前照灯において、前記接触圧力調整部は、前記筐体内の雰囲気の温度に応じて、前記第1接触圧力および前記第2接触圧力の少なくともいずれかを機械的に調整する前照灯。
前記(3)に記載の発明によれば、電気的な制御を行わなくて済み、電子機器を備えることを要しない。よって、前照灯の信頼性を向上させることができる。
(4)請求項9から請求項12のいずれかに記載の前照灯において、前記素子は、温度が高くなるにしたがって変形可能に設けられている前照灯。
(5)請求項9から請求項12のいずれかに記載の前照灯において、前記素子は、温度に感応して変形可能に設けられ、温度が高くなるにしたがって前記伝熱部材を圧縮変形させる前照灯。
前記(4)および前記(5)に記載の各発明によれば、形状記憶合金バネは、第1接触圧力及び/又は第2接触圧力を確実に調整することができる。
(6)請求項1から請求項3のいずれかに記載の前照灯において、前記熱抵抗調整部は、前記支持部材および前記放熱部材とそれぞれ接触するように設けられている伝熱部材と、前記筐体内の雰囲気の温度に基づいて、前記支持部材と前記伝熱部材との第1接触面積および前記放熱部材と前記伝熱部材との第2接触面積の少なくともいずれかを調整する接触面積調整部と、を備えている前照灯。
前記(6)に記載の発明によれば、接触面積調整部が第1接触面積を調整すれば、支持部材と伝熱部材との間の熱抵抗を好適に変えることができる。同様に、接触面積調整部が第2接触面積を調整すれば、放熱部材と伝熱部材との間の熱抵抗を好適に変えることができる。したがって、熱抵抗調整部は、第1接触面積及び/又は第2接触面積を調整することによって、支持部材と放熱部材との間の熱抵抗を好適に変えることができる。
(7)請求項1から請求項3のいずれかに記載の前照灯において、前記支持部材と前記放熱部材とは互いに接合しており、前記熱抵抗調整部は、前記筐体内の雰囲気の温度に基づいて、前記支持部材と前記放熱部材との接合面積を調整する接合面積調整部と、を備えている前照灯。
(8)前記(7)に記載の前照灯において、前記支持部材および前記放熱部材の間に設けられている伝熱部材を備え、前記支持部材および前記放熱部材は前記伝熱部材を介して接合している前照灯。
前記(7)、(8)に記載の発明によれば、接合面積調整部が接合面積を調整することによって、支持部材と放熱部材との間の熱抵抗を好適に変えることができる。
この発明に係る前照灯によれば、支持部材は、LEDを支持するとともに、LEDから熱を奪い、その熱を放熱部材に伝達する。放熱部材は、支持部材から受け取った熱を筐体の外、すなわち、大気に放出する。熱抵抗調整部は、これら支持部材と放熱部材との間の熱抵抗を変えてLEDの温度の変動を抑制する。これにより、LEDの明るさが変わることを好適に抑制することができる。このように、本発明の前照灯によれば、LEDの明るさの変動を好適に抑制することができる。
また、この発明に係る鞍乗型車両によれば、前照灯の明るさの変動が抑制されているので、搭乗者は前方を好適に視認することができる。
実施例1に係る自動二輪車の概略構成を示した側面図である。 実施例1に係る前照灯の斜視図である。 実施例1にかかる前照灯の要部斜視図である。 実施例1に係る前照灯の垂直断面図である。 実施例1にかかる前照灯の要部の分解斜視図である。 LEDの電気系統の概略構成を示すブロック図である。 熱伝導シートと支持部材との接触面を模式的に示す拡大図であり、図7(a)は熱伝導シートと支持部材との第1接触圧力が比較的小さい場合を示す図であり、図7(b)は図7(a)に比べて第1触圧力が大きい場合を示す図であり、図7(c)は図7(b)に比べて第1接触圧力が大きい場合を示す図である。 実施例2に係る前照灯の垂直断面図である。 実施例3に係る前照灯の垂直断面図である。 実施例3に係る前照灯の垂直断面図である。 実施例4に係る前照灯の垂直断面図である。 実施例4に係る前照灯の垂直断面図である。
以下、図面を参照して本発明の鞍乗型車両について説明する。
図1は、実施例1に係る自動二輪車の概略構成を示した側面図である。図1においては図面の左側が自動二輪車1の前側である。
1.自動二輪車1の全体概略構成
自動二輪車1はメインフレーム3を備えている。メインフレーム3の下部にはエンジン5が支持されている。メインフレーム3の上部の前側には燃料タンク7が取り付けられている。メインフレーム3の上部の後側にはシート9が取り付けられている。
メインフレーム3の上部の前端部にはステアリングシャフト(図示省略)が回転可能に支持されている。ステアリングシャフトには、前照灯11が支持されている。また、ステアリングシャフトの上部には、ハンドルバー13が設けられている。ハンドルバー13には、前照灯11を点滅させるための前照灯用スイッチ14(図6を参照)等が設けられている。ステアリングシャフトの下部にはフロントフォーク15が連結されている。フロントフォーク15の下部には前輪17が回転可能に支持されている。
メインフレーム3の下部の後端部には、スイングアーム21が揺動可能に連結されている。スイングアーム21の後端部には後輪23が回転可能に支持されている。後輪23には、後輪23と一体に回転するドリブンスプロケット25が連結されている。ドリブンスプロケット25には、チェーン27が掛け回されている。チェーン27はさらに、ドライブスプロケット(図示省略)に掛け回されている。
そして、エンジン5によって発生された動力は、ドライブスプロケットに出力される。ドライブスプロケットに出力された動力は、チェーン27およびドリブンスプロケット25を介して後輪23に伝達される。これにより、後輪23が回転し、自動二輪車1は前進する。自動二輪車1は、この発明における鞍乗型車両に相当する。
2.前照灯11の構成
図2を参照する。図2は、実施例1に係る前照灯の斜視図である。前照灯11は、筐体31とアウターレンズ33とを備えている。筐体31は略箱形状を有する。筐体31は、その前部に開口を有している。筐体31は、例えば樹脂製である。アウターレンズ33は、その開口を覆うように設けられている。アウターレンズ33は、光の透過を許容する透過部33aを有している。
筐体31の後方の外部には、フィン部材35が大気に触れるように設けられている。フィン部材35は金属製であることが好ましい。フィン部材35の具体的な材質としては、アルミニウム等が例示される。
図3、図4を参照する。図3は、実施例1にかかる前照灯の要部斜視図である。図4は、実施例に係る前照灯の垂直断面図である。図4において図面の左側は、前照灯11の前側である。また、図面の上側は前照灯11の上側であり、図面の下側が前照灯11の下側である。
フィン部材35の前部には、略水平な板状部37が設けられている。図4に示すように、板状部37は、筐体31の背面に形成された開口から筐体31の内部に挿入されている。これらフィン部材35と板状部37は一体に成形されており、放熱部材39を構成している。放熱部材39は、筐体31に固定的に支持されている。
筐体31の内部には、支持部材41と光源43とリフレクタ47が設けられている。支持部材41は、光源43を支持する。光源43はLED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)45を有する。リフレクタ47は、LED45の直接光を反射して、自動二輪車1の前方を照らす。以下、詳細に説明する。
支持部材41は、筐体31に固定的に支持されている。支持部材41は、略蓋形状(換言すれば、下面が開放された箱形状)を呈している。支持部材41は、金属製であることが好ましい。支持部材41の具体的な材質としては、アルミニウム等が例示される。
図4を参照する。支持部材41の前部の裏側には、傾斜面41aが形成されている。傾斜面41aには、光源43が支持されている。
光源43は、基板44とLED45を備えている。基板44の裏面は、傾斜面41aと接触している。基板44の表面には、LED45が取り付けられている。基板44に設置されるLED45の数は、単一であってもよいし、複数であってもよい。
LED45が発光すると、LED45の直接光は略下方向に進む。より具体的には、LED45の直接光は、光軸P(図4に図示する)を中心とする範囲を照射する。
光源43の下方かつ後方には、リフレクタ47が設けられている。リフレクタ47は光軸Pを中心とする範囲に設置されている。リフレクタ47は、放物面鏡を基本としている。より具体的には、リフレクタ47は、図3に示すように、複数に分割された反射面47aによって構成されている。リフレクタ47はLED45の直接光を反射し、前方に向けて光を照射する。リフレクタ47は、前方へ照射する光が所定の配光パターンを形成するように設計されている。
図4を参照する。支持部材41はさらに、第1軸部41bと第2軸部41cを有している。第1軸部41bは、支持部材41の後部の裏面から下方に突出するように形成されている。第2軸部41cは、支持部材41の後部の表面から上方に突出するように形成されている。
図4、5を参照する。図5は、実施例1にかかる前照灯の要部の分解斜視図である。筐体31の内部には、さらに、熱伝導シート51、52と連結部材53と形状記憶合金バネ55とバイアスバネ56が設けられている。連結部材53の一端は、熱伝導シート51を介して支持部材41と連結されている。また、連結部材53の他端は、熱伝導シート52を介して放熱部材39と連結されている。形状記憶合金バネ55とバイアスバネ56は、連結部材53を上下方向に移動可能に支持している。以下、詳細に説明する。
熱伝導シート51の上面51aおよび下面は、それぞれ支持部材41および連結部材53と接触する接触面である。これら接触面は、略五角形の外形を有する。接触面の中央には、第1軸部41bより若干大きい開口Aが形成されている。熱伝導シート51の厚みは、接触面の寸法に比べて薄い。このように、熱伝導シート51は扁平な形状を有する。そして、開口Aに第1軸部41bを挿入した状態で、上面51aが支持部材41の後部の裏面と面接触している。
この熱伝導シート51は、放熱シートとも呼ばれ、サーマル・インターフェイス・マテリアル(TIM: thermal interface material)の一つである。熱伝導シート51の材質としては、合成樹脂またはゴム、あるいは、合成樹脂又はゴムに添加物を添加したものなどが例示される。添加物としては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、黒鉛、銀またはダイヤモンド等が例示される。
また、熱伝導シート51は、支持部材41、放熱部材39および連結部材53に比べて弾性係数が低い。換言すれば、熱伝導シート51は柔軟である。熱伝導シート51の接触面は弾力性がある。熱伝導シート51の接触面は、僅かな荷重で局所的に(部分的に)凹凸変形可能である。また、熱伝導シート51自体は荷重を受けると、厚み方向に圧縮変形する。
連結部材53は、本体部53aと下部張出部53bと上部張出部53cとに分けられる。本体部53aの下端には、下部張出部53bが前方へ張り出すように形成されている。下部張出部53bの略中央には、上下方向に貫通する貫通孔Bが形成されている。貫通孔Bは、第1軸部41bより若干大きい。本体部53aの上端には、上部張出部53cが前方へ張り出すように形成されている。本体部53aの上面および下部張出部53bの上面は略平坦である。ただし、微視的にみれば、本体部53aの上面および下部張出部53bの上面は、後述するように、微小な形状(例えば、凹凸形状)を有している。連結部材53は、金属製であることが好ましい。連結部材53の具体的な材質としては、アルミニウム等が例示される。
下部張出部53bは、第1軸部41bを貫通孔Bに挿入した状態で、熱伝導シート51の下面と面接触している。なお、熱伝導シート51は、支持部材41および連結部材53と接着されておらず、単に支持部材41および連結部材53によって保持されているのみである。第1軸部41bは、連結部材53を上下方向に案内する。
熱伝導シート52の上面52aは放熱部材39と接触する接触面であり、熱伝導シート52の下面は連結部材53と接触する接触面である。熱伝導シート52の接触面は、略矩形の外形を有する。熱伝導シート52の厚みは、接触面の寸法に比べて薄い。このように、熱伝導シート52も扁平な形状を有する。また、熱伝導シート52の厚みは、熱伝導シート51の厚みと略同じであることが好ましい。熱伝導シート52の材質、特性等については、熱伝導シート51と同様である。
この熱伝導シート52は、本体部53aの上面と面接触している。また、熱伝導シート52の上面52aは、上述した放熱部材39の板状部37と面接触している。なお、熱伝導シート52は、放熱部材39および連結部材53に接着されておらず、単に放熱部材39および連結部材53によって保持されているのみである。
上部張出部53cと支持部材41との間には、形状記憶合金バネ55が設けられている。上部張出部53cと筐体31の内壁(天井面)との間には、バイアスバネ56が設けられている。形状記憶合金バネ55およびバイアスバネ56は、それぞれ圧縮コイルバネであり、それぞれ圧縮変形した状態で設置されている。形状記憶合金バネ55の内側には第2軸部41cが挿入されている。形状記憶合金バネ55の下端は支持部材41に接触している。バイアスバネ56の内側には、筐体31から突出するように形成された軸部31aが挿入されている。これにより、形状記憶合金バネ55およびバイアスバネ56は、形状記憶合金バネ55を下側とし、バイアスバネ56を上側として、上下方向の一直線上の並ぶように配置されている。
形状記憶合金バネ55は、連結部材53に対して上向きに働く力を発生する。形状記憶合金バネ55が発生する力は、その温度が高くなるにしたがって増大し、変位量(圧縮量)が大きくなるにしたがって増大する。形状記憶合金バネ55は、文字通り、形状記憶合金製である。形状記憶合金としては、例えばチタンとニッケルの合金、又は、鉄−マンガン−ケイ素の合金などが例示される。
バイアスバネ56は、連結部材53に対して下向きに働く力を発生する。すなわち、バイアスバネ56が発生する力の向きは、形状記憶合金バネ55が発生する力の向きとは反対である。バイアスバネ56が発生する力は、変位量が大きくなるにしたがって増大するが、その温度にほぼ依存しない(すなわち、バイアスバネ56が発生する力は、バイアスバネ56の温度によってほとんど変わらない)。バイアスバネ56は、たとえば、ステンレス製である。
そして、これら形状記憶合金バネ55およびバイアスバネ56は、筐体31内の雰囲気の温度に応じて機械的に変形する。すなわち、筐体31内の雰囲気の温度が変わると、形状記憶合金バネ55はこの温度変化に感応して、形状記憶合金バネ55が発生する力が変わる。例えば、筐体31内の雰囲気の温度が上昇すると、形状記憶合金バネ55が発生する力が増大する。これにより、形状記憶合金バネ55の変位量は減少し、バイアスバネ56の変位量は増大する。換言すれば、形状記憶合金バネ55は伸張し、バイアスバネ56は収縮する。また、筐体31内の雰囲気の温度が低下すると、形状記憶合金バネ55が発生する力が減少する。よって、形状記憶合金バネ55の変位量は増大し、バイアスバネ56の変位量は減少する。
このように、形状記憶合金バネ55およびバイアスバネ56の各変位量は、筐体31内の雰囲気の温度に応じて変わる。そして、各変位量が変わると、連結部材53は筐体31に対して上下方向に移動する。
連結部材53が上方に移動すると、熱伝導シート51、52はそれぞれ圧縮変形するとともに、支持部材41と熱伝導シート51との接触圧力、および、放熱部材39と熱伝導シート52との接触圧力が一挙に増大する。同時に、連結部材53と熱伝導シート51との接触圧力、および、連結部材53と熱伝導シート52との接触圧力も増大する。ここで、支持部材41と熱伝導シート51との接触圧力を第1接触圧力と呼び、放熱部材39と熱伝導シート52との接触圧力を第2接触圧力と呼ぶ。また、連結部材53と熱伝導シート51との接触圧力を第3接触圧力と呼び、連結部材53と熱伝導シート52との接触圧力を第4接触圧力と呼ぶ。他方、連結部材53が下方に移動すると、熱伝導シート51、52はそれぞれ伸張するとともに、第1乃至第4接触圧力はそれぞれ減少する。
なお、連結部材53が移動しても、熱伝導シート51は支持部材41および連結部材53と常に接触した状態に保たれる。同様に、連結部材53が移動しても、熱伝導シート52は放熱部材39および連結部材53と常に接触した状態に保たれる。したがって、連結部材53の移動量は熱伝導シート51、52の厚みに比べて小さい。また、上述した形状記憶合金バネ55及びバイアスバネ56は、筐体31内の雰囲気の温度に基づいて第1乃至第4接触圧力がそれぞれ所望の圧力となるように設計されている。
上述した熱伝導シート51、52は、この発明における伝熱部材に相当する。形状記憶合金バネ55およびバイアスバネ56は、第1乃至第4接触圧力を一挙同時に増大、減少させる接触圧力調整部57を構成している。また、熱伝導シート51、52および接触圧力調整部57は、この発明における熱抵抗調整部に相当する。
3.LEDの電気系統
図6は、LEDの電気系統の概略構成を示すブロック図である。自動二輪車1は、さらに、制御部58と電源部59とを備えている。上述した前照灯用スイッチ14は搭乗者の操作によって、点灯および消灯の各命令に対応した信号を出力する。この信号は、制御部58に入力される。制御部58は、この信号に基づいて電源部59を制御する。電源部59は、制御部58の制御に基づいて、LED45に所定の電流を供給する。これら制御部58および電源部59は、筐体31の外部に設けられている。制御部58は、各種処理を実行する中央演算処理装置(CPU)や記憶媒体、あるいは、マイクロコンピュータとによって実現されている。
4.実施例1の動作
次に、実施例1に係る前照灯11及び自動二輪車1の動作について、前照灯11を中心に説明する。
前照灯11を点灯する際は、自動二輪車1の搭乗者は、ハンドルバー13に設けられている前照灯用スイッチ14を操作する。前照灯用スイッチ14は点灯の命令に対応した信号を制御部58に出力する。制御部58はこの信号に基づいて電源部59を制御する。電源部49はLED45に所定の電流を供給する。これにより、LED45に一定の電流が流れ、LED45は発光する。
LED45の直接光はリフレクタ47に入射する。リフレクタ47は直接光を反射し、前方に光を照射する。リフレクタ47が照射した光は、アウターレンズ33の透過部33aを透過し、所定の配光パターンで自動二輪車1の前方を照らす。
また、LED45が発光する際、LED45は熱を発生する。LED45で発生した熱は、基板44の背面を通じて支持部材41に伝わる。このようにして支持部材41がLED45から奪った熱は、支持部材41の前部から後部へ流れ、さらに、熱伝導シート51を通じて連結部材53に伝わる。連結部材53が受け取った熱は、下部張出部53bから本体部53aへ流れ、さらに、熱伝導シート52を通じて放熱部材39に伝わる。放熱部材39が受け取った熱は、板状部37からフィン部材35へ流れ、さらに、フィン部材35から大気に放出される。
以下では、上述した熱の移動について、気温が比較的に高いときと比較的に低いときとに分けて、詳細に説明する。なお、LED45には電源部59から常に一定の電流が供給されているものとする。
4.1.気温が比較的に高いとき
気温が比較的に高いときは、筐体31内の雰囲気の温度が上昇する。形状記憶合金バネ55が発生する力は増大し、連結部材53は上方に移動する。この結果、熱伝導シート51、52は、それぞれ厚み方向に圧縮変形するとともに、第1乃至第4接触圧力はそれぞれ増大する。
第1接触圧力の増大によって、熱伝導シート51の上面51aは、支持部材41の表面の微小な形状(例えば、凹凸形状)に沿うように変形する。これにより、熱伝導シート51と支持部材41との間に形成される隙間(空間)は、熱伝導シート51によって徐々に埋められていき、やがて消滅する。
図7を参照する。図7は、熱伝導シート51と支持部材41との接触面を模式的に示す拡大図である。図7(a)は、熱伝導シート51と支持部材41との第1接触圧力が比較的小さい場合を示し、図7(b)は、図7(a)に比べて第1触圧力が大きい場合を示し、図7(c)は図7(b)に比べて第1接触圧力がさらに大きい場合を示す。
図7(a)に示すように、第1接触圧力が比較的に小さいときは、熱伝導シート51と支持部材41との間には、空隙Caが形成されている。
第1接触圧力が増大すると、熱伝導シート51は空隙Caに入り込むように変形する。この結果、図7(b)に示すように、各空隙Cbは縮小し、熱伝導シート51と支持部材41との接触面積が増大する。
第1接触圧力がさらに増大すると、熱伝導シート51はさらに空隙Cbに入り込むように変形する。この結果、図7(c)に示すように、熱伝導シート51によって空隙は埋められ、熱伝導シート51は支持部材41に完全に密着する。
このように、第1接触圧力が増大するほど、熱伝導シート51と支持部材41との間の空隙が縮小するので、熱伝導シート51と支持部材41との間の熱抵抗は減少する。この熱抵抗は、厳密には、熱伝導シート51と支持部材41との間の接触熱抵抗である。
同様に、第2乃至第4接触圧力が増大するほど、熱伝導シート52と放熱部材39との間の熱抵抗、熱伝導シート51と連結部材53との間の熱抵抗、および、熱伝導シート52と連結部材53との間の熱抵抗はそれぞれ減少する。なお、以下では、第1乃至第4接触圧力に対応した各熱抵抗を、それぞれ第1乃至第4熱抵抗と呼ぶ。
第1乃至第4熱抵抗の減少によって、支持部材41と放熱部材39との間にわたる全体の熱抵抗は減少する。この結果、支持部材41から放熱部材39に伝わる熱量は増加するとともに、放熱部材39の温度は比較的高くなる。なお、「支持部材41から放熱部材39に伝わる熱量」とは、厳密には、単位時間当たりに支持部材41から放熱部材39に移動する熱量の意味である。
これにより、放熱が促進され、気温が高くなっても放熱量の低下が抑制される。なお、「放熱量」とは、単位時間当たりに放熱部材39から大気に移動する熱量の意味である。
このように放熱量の低下が抑制されるので、気温が高くなっても、「支持部材41がLED45から奪う熱量」が低下することも抑制される。よって、気温が高いときであっても、LED45の温度が過度に高くなることを好適に抑制することができる。
4.2.気温が比較的に低いとき
気温が比較的に低いときは、筐体31内の雰囲気の温度も低下する。形状記憶合金バネ55が発生する力は減少し、連結部材53は下方に移動する。この結果、熱伝導シート51、52はそれぞれ厚み方向に伸張するともに、第1乃至第4接触圧力はそれぞれ減少する。
なお、この場合であっても、熱伝導シート51は支持部材41および連結部材53にそれぞれ接触した状態に保たれている。また、熱伝導シート52は放熱部材39および連結部材53にそれぞれ接触した状態に保たれている。
第1接触圧力の減少によって、熱伝導シート51の上面51aは、支持部材41の表面の微小な形状(例えば、凹凸形状)に沿わなくなる。すなわち、熱伝導シート51と支持部材41との間には、隙間(空間)が発生し、発生した隙間は拡大する。
図7を参照する。第1接触圧力が減少するほど、図7(c)の状態から図7(b)の状態に移り、さらに、図7(b)の状態から図7(a)の状態に移る。このように、第1接触圧力が減少するほど、熱伝導シート51と支持部材41との間に空隙が発生し、発生した空隙は拡大する。
このため、第1接触圧力が減少するほど、第1熱抵抗は増大する。同様に、第2乃至第4接触圧力が減少するほど、第2乃至第4熱抵抗は増大する。
第1乃至第4熱抵抗の増大によって、支持部材41と放熱部材39との間にわたる全体の熱抵抗は増大する。この結果、支持部材41から放熱部材39に伝わる熱量は減少するとともに、放熱部材39の温度は比較的低くなる。これにより、気温が低くなっても、放熱量の増大が抑制される。
このように放熱量の増大が抑制されるので、「支持部材41がLED45から奪う熱量」が増大することも抑制される。よって、気温が低いときであっても、LED45の温度が低下することを好適に抑制することができる。
上記4.1および4.2の各動作をまとめると、接触圧力調整部57が第1乃至第4熱抵抗を調整することにより、気温が比較的に高いときには放熱量の減少が抑制され、気温が比較的に低いときには放熱量の増大が抑制される。換言すれば、接触圧力調整部57は、気温の変動が放熱量に及ぼす影響を打ち消すように制御する。これにより、放熱量の変動は抑制される。
したがって、LED45に一定の電流を供給しつつ、気温によってLED45の温度が変動することを好適に抑制することができる。換言すれば、気温が高いときにおけるLED45の温度を「温度Tmax」とし、気温が低いときのLED45の温度を「温度Tmin」としたとき、温度Tmaxに対する温度Tminの低下量を小さくすることができる。すなわち、温度Tmaxと温度Tminの差である、LED45の温度の変動幅を好適に小さくすることができる。このため、LED45の明るさが変動することを好適に抑制することができる。
このように、本実施例によれば、熱伝導シート51、52および接触圧力調整部57(以下、これらを適宜に「熱抵抗調整部」と総称する)を備えているので、第1乃至第4熱抵抗を好適に変えることができる。この第1乃至第4熱抵抗の調整により、熱抵抗調整部は、支持部材41と放熱部材39との間の熱抵抗を変えて、支持部材41から放熱部材39に伝わる熱量を好適に調整できる。さらに、これにより、LED45の温度、および、LED45の明るさを間接的に制御することができる。よって、年間を通じて前照灯11の配光パターンをレギュレーションに好適に適合させることができる。この結果、対向車や歩行者にとって前照灯11の照射光がまぶしく見えることを防止することができる。また、搭乗者にとって自動二輪車1の前方の視認性が変動することを防止することができる。
また、接触圧力調整部57は、筐体31内に配置される形状記憶合金バネ55を備えている。形状記憶合金バネ55の温度は筐体31内の雰囲気の温度に依存するので、熱抵抗調整部は、第1乃至第4熱抵抗の調整を筐体31内の雰囲気の温度に基づいて行うことができる。筐体31内の雰囲気の温度は気温との相関関係が高い。よって、熱抵抗調整部は、気温に応じて第1乃至第4熱抵抗を好適に変えることができる。
また、形状記憶合金バネ55が発生する力は、第1乃至第4接触圧力を増大させる向きに働く力であり、その力は、温度が高くなるほど大きくなる。このため、接触圧力調整部57は、筐体31内の雰囲気の温度が高くなるほど、第1乃至第4接触圧力を好適に増大させることができる。
また、形状記憶合金バネ55の一端は支持部材41に接触しているので、形状記憶合金バネ55の温度は、気温のみならずLED45の温度にも依存する。よって、熱抵抗調整部は、第1乃至第4熱抵抗の調整を、気温およびLED45の温度に基づいて行うことができる。よって、熱抵抗調整部は、LED45の温度の変動に応じて支持部材41と放熱部材39との間の熱抵抗を速やかに変えることができ、LED45の温度の変動を一層好適に抑制することができる。
また、接触圧力調整部57は、上述のとおり、形状記憶合金バネ55を含んで構成されているので、第1乃至第4接触圧力を機械的に調整することができる。筐体31内の環境は電子部品等にとっては過酷である。従来例のように温度センサを備える前照灯では、温度センサが故障したり、温度センサに接続される配線が断線することが懸念される。これに対して、本実施例の前照灯11では、筐体31内の環境が過酷であっても、形状記憶合金バネ55は確実に動作する。よって、前照灯11の信頼性を向上させることができる。
また、バイアスバネ56が発生する力は、形状記憶合金バネ55が発生する力の向きとは反対向きに働く力である。このため、接触圧力調整部57は、筐体31内の雰囲気の温度が低くなるほど、第1、第2接触圧力を好適に減少させることができる。
また、熱伝導シート51、52はそれぞれ、支持部材41、放熱部材39に比べて弾性係数が低い。このため、接触圧力調整部57は、第1、第2接触圧力を調整することによって、第1、第2熱抵抗を好適に変えることができる。同様に、熱伝導シート51、52はそれぞれ、連結部材53に比べて弾性係数が低い。このため、接触圧力調整部57は、第3、第4接触圧力を調整することによって、第3、第4熱抵抗を好適に変えることができる。
また、熱伝導シート51は、支持部材41及び連結部材53の各表面の微小な形状に沿うように変形可能であるので、第1、第3接触圧力によって第1、第3熱抵抗を好適に調整することができる。同様に、熱伝導シート52も、放熱部材39及び連結部材53の各表面の微小な形状に沿うように変形可能であるので、第2、第4接触圧力によって第2、第4熱抵抗を好適に調整することができる。
また、熱伝導シート51は支持部材41等と常に接触しているので、接触圧力調整部57は、第1、第3熱抵抗をきめ細かく変化させることができる。同様に、熱伝導シート52は放熱部材39等と常に接触しているので、接触圧力調整部57は、第2、第4熱抵抗をきめ細かく変化させることができる。
また、熱伝導シート51は、支持部材41および連結部材53とそれぞれ面接触するので、支持部材41および連結部材53の間で好適に熱を伝達させることができる。同様に、熱伝導シート52は、放熱部材39および連結部材53とそれぞれ面接触するので、放熱部材39および連結部材53の間で好適に熱を伝達させることができる。
また、熱伝導シート51、52は、それぞれ扁平な形状を有しているので、熱伝導シート51、52の内部を流れる熱の経路を短くすることができる。よって、熱伝導シート51、52の内部において熱を好適に流すことができる。
また、連結部材53は金属製であるので、連結部材53の熱伝導率は比較的に高い。よって、支持部材41が熱伝導シート51と接触する位置と、放熱部材39が熱伝導シート52と接触する位置とが互いに近接していなくても、連結部材53は支持部材41と放熱部材39との間で熱を好適に伝達することができる。このため、支持部材41および放熱部材39の配置の自由度を高めることができる。
また、接触圧力調整部57は、連結部材53に力を作用させることで、第1乃至第4接触圧力を一挙に調整する。このため、接触圧力調整部57は、支持部材41と放熱部材39との間の熱抵抗を効果的に増大、減少させることができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。実施例2の自動二輪車1の全体構成等は実施例1と略同様であるので、その説明を省略する。実施例2では前照灯の構造が実施例1と異なるので、以下では前照灯について説明する。なお、実施例1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
1.前照灯61の構成
図8を参照する。図8は、実施例2に係る前照灯の垂直断面図である。図8において、図面の左側は前照灯の前側である。
図示するように、前照灯61の筐体31の内部には、支持部材63と熱伝導ブロック65と形状記憶合金バネ67が設けられている。支持部材63は光源43を支持する。熱伝導ブロック65は、支持部材63および放熱部材39と面接触する。形状記憶合金バネ67は、熱伝導ブロック65と支持部材63との接触圧力、および、熱伝導ブロック65と放熱部材39との接触圧力を調整する。以下、詳細に説明する。
支持部材63は筐体31に固定的に支持されている。支持部材63は、略蓋形状を呈している。支持部材63は、金属製であることが好ましい。支持部材63の具体的な材質としては、アルミニウム等が例示される。
支持部材63の前部の裏側には傾斜面63aが形成されている。傾斜面63aには、熱伝導材料64を介して光源43の基板44が接合されている。熱伝導材料64は、支持部材63および基板44とそれぞれ密着していることが好ましい。熱伝導材料64を設けることにより、LED45から支持部材63に熱が伝わり易くなる。
支持部材63の後部の表面は略平坦である。また、放熱部材39の板状部37の上面も略平坦である。ただし、微視的にみれば、支持部材63の後部の表面および板状部37の上面は、それぞれ微小な形状(例えば、凹凸形状)を有している。これら支持部材63の後部の表面、および、放熱部材39の板状部37の上面に、熱伝導ブロック65が接触している。
熱伝導ブロック65は略直方体形状を有しており、熱伝導ブロック65の下面が接触面となる。この接触面の寸法に比べて、熱伝導ブロック65の厚みは小さい。このように、熱伝導ブロック65は扁平な形状を有している。熱伝導ブロック65の材質は、実施例1で説明した熱伝導シート51、52の材質と同様である。
熱伝導ブロック65は、支持部材63および放熱部材39に比べて弾性係数が低い。換言すれば、熱伝導シート51は柔軟である。熱伝導ブロック65の下面は弾力性がある。熱伝導ブロック65の下面は、僅かな荷重で局所的に(部分的に)凹凸変形可能である。ただし、熱伝導ブロック65は荷重を受けても、ほとんど圧縮変形せず、熱伝導ブロック65の厚み自体はほとんど変わらない。
熱伝導ブロック65の上面と筐体31の内壁(天井面)との間には、形状記憶合金バネ67が設けられている。形状記憶合金バネ67は、圧縮コイルバネであり、圧縮変形した状態で設置されている。形状記憶合金バネ67の内側には筐体31の軸部31aが挿入されている。
形状記憶合金バネ67は、熱伝導ブロック65に対して下向きに働く力を発生する。形状記憶合金バネ67が発生する力は、その温度が高くなるにしたがって増大する。ただし、熱伝導ブロック65はほとんど圧縮変形しないので、温度が変動しても形状記憶合金バネ67の変位量はほとんど変わらない。すなわち、温度が変動しても形状記憶合金バネ67自体は変形せずに、形状記憶合金バネ67が発生する力のみが変化する。これにより、熱伝導ブロック65にかかる荷重が変化する。
例えば、形状記憶合金バネ67の温度が高くなるほど、熱伝導ブロック65は支持部材63および放熱部材39に対して強く押し付けられる。この結果、熱伝導ブロック65と支持部材63との接触圧力(以下、「第1接触圧力」という)、および、熱伝導ブロック65と放熱部材39との接触圧力(以下、「第2接触圧力」という)は一挙に増大する。反対に、形状記憶合金バネ67の温度が低くなるほど、第1接触圧力および第2接触圧力は一挙に減少する。
熱伝導ブロック65は、この発明における伝熱部材に相当する。また、形状記憶合金バネ67は、この発明における接触圧力調整部に相当する。また、熱伝導ブロック65および形状記憶合金バネ67は、この発明における熱抵抗調整部に相当する。
2.実施例2の動作
次に、実施例2に係る前照灯61の動作について説明する。なお、実施例1と同様の動作については、簡略に説明する。
LED45の発光に伴ってLED45が発生する熱は、基板44の背面から熱伝導シート64を介して支持部材63に伝わる。このようにして支持部材63がLED45から奪った熱は、支持部材63の前部から後部へ流れ、さらに、熱伝導ブロック65に伝わる。熱伝導ブロック65が受け取った熱は放熱部材39に伝わる。放熱部材39が受け取った熱は、板状部37からフィン部材35へ流れ、さらに、フィン部材35から大気に放出される。
以下では、上述した熱の移動について、気温が比較的に高いときと比較的に低いときとに分けて、詳細に説明する。なお、LED45には電源部59から常に一定の電流が供給されているものとする。
2.1.気温が比較的に高いとき
気温が比較的に高いときは、筐体31内の雰囲気の温度が上昇する。形状記憶合金バネ67が発生する力は増大し、第1、第2接触圧力は一挙に増大する。
第1、第2接触圧力の増大によって、熱伝導ブロック65の下面は、支持部材63および放熱部材39の表面の微小な形状(例えば、凹凸形状)に沿うように変形する。これに伴い、熱伝導ブロック65と支持部材63との間の熱抵抗(以下、「第1熱抵抗」という)は減少する。同様に、第2接触圧力の増大により、熱伝導ブロック65と放熱部材39との間の熱抵抗(以下、「第2熱抵抗」という)は減少する。
第1、第2熱抵抗の減少によって、支持部材63と放熱部材39との間にわたる全体の熱抵抗は減少する。この結果、支持部材63から放熱部材39に伝わる熱量は増加する。これにより、気温が比較的に高くても、放熱量の減少が抑制される。よって、気温が比較的に高くても、LED45の温度が過度に高くなることを好適に抑制することができる。
2.2.気温が比較的に低いとき
気温が比較的に低いときは、筐体31内の雰囲気の温度は低下する。形状記憶合金バネ67が発生する力は減少し、第1、第2接触圧力は一挙に減少する。なお、この場合であっても、熱伝導ブロック65は常に支持部材63および連結部材53とそれぞれ接触している。
第1接触圧力の減少によって、熱伝導ブロック65の下面は、支持部材63および放熱部材39の表面の微小な形状に沿わなくなる。これに伴い、第1熱抵抗は増大する。同様に、第2接触圧力の減少により、第2熱抵抗は増大する。
第1、第2熱抵抗の増大によって、支持部材63と放熱部材39との間にわたる全体の熱抵抗は増大する。この結果、支持部材63から放熱部材39に伝わる熱量は減少する。これにより、気温が比較的に低くても、放熱量の増大が抑制される。よって、気温が比較的に低くても、LED45の温度が低下することを好適に抑制することができる。
上記2.1および2.2の各動作をまとめると、形状記憶合金バネ67が第1、第2熱抵抗を調整することにより、気温が比較的に高いときは放熱量が減少することを抑制し、気温が比較的に低いときには放熱量が増大することを敢えて抑制する。これにより、気温の変動によって放熱量が変動することは抑制される。したがって、LED45に一定の電流を供給しつつ、気温によってLED45の温度が変動することを好適に抑制することができる。このため、LED45の明るさが変動することを好適に抑制することができる。
このように、本実施例2によれば、実施例1と同様な効果を奏する。その他に、実施例2によれば、支持部材63および放熱部材39と接触する単一の熱伝導ブロック65を備えているので、実施例1に比べて構造を一層簡素にすることができる。さらに、実施例2では、実施例1で説明した連結部材53を備えていないので、実施例1に比べてさらに構造を簡素にすることができる。
また、形状記憶合金バネ67のみによって第1、第2接触圧力を調整するので、実施例1に比べて構造を一層簡素にすることができる。
また、形状記憶合金バネ67は温度に応じてほとんど変形することなく、形状記憶合金バネ67が発生する力のみが変わるので、実施例1に比べて可動部を少なくすることができる。
また、形状記憶合金バネ67は、LED45よりも、筐体31の内壁に近接した位置に配置されている。このため、形状記憶合金バネ67は気温に強く依存するので、形状記憶合金バネ67は気温の変動に応じて第1、第2接触圧力を好適に変えることができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例3を説明する。実施例3の自動二輪車1の全体構成等は実施例1と略同様であるので、その説明を省略する。実施例3では前照灯の構造が実施例1と異なるので、以下では前照灯について説明する。なお、実施例1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
1.前照灯71の構成
図9、図10を参照する。図9、図10は、それぞれ実施例3に係る前照灯の垂直断面図である。図9は気温が比較的に高いときを示し、図10は気温が比較的に低いときを示す。図9、図10において、図面の左側は前照灯71の前側である。
図示するように、前照灯71は、放熱部材73を備えている。放熱部材73は、フィン部材75と板状部77と張出部79とに分けられる。フィン部材75は、筐体31の後方の外部に、大気に触れるように設けられている。板状部77は、フィン部材75の前部から下方に延びるように形成されている。張出部79は、板状部77の上部から略前方に張り出すように形成されている。板状部77と張出部79とは、筐体31の内部に挿入されている。
筐体31の内部には、支持部材81と形状記憶合金バネ83とバイアスバネ85と熱伝導シート89が設けられている。支持部材81は光源43を支持するとともに、熱伝導シート89を介して放熱部材73と接合されている。形状記憶合金バネ83とバイアスバネ85は、放熱部材73を上下方向に移動可能に支持している。以下、詳細に説明する。
支持部材81は筐体31に固定的に支持されている。支持部材81の前部の裏側には、傾斜面81aが形成されている。傾斜面81aには、光源43が支持されている。
支持部材81の後端には、接触部81bが上下方向に延びるように形成されている。接触部81bの所定の範囲には熱伝導シート89の一方面が面接触している。熱伝導シート89の他方面には、板状部77が摺動可能に面接触している。熱伝導シート89は、支持部材81と密着していることが好ましい。また、熱伝導シート89の厚みは、熱伝導シート89の接触面の寸法に比べて小さいことが好ましい。このように、支持部材81と放熱部材73とは、熱伝導シート89を介して互いに接合している。
さらに、支持部材81は軸部81cを有する。軸部81cは、支持部材81の後部の上面から上方に突出するように形成されている。
張出部79と支持部材81との間には、形状記憶合金バネ83が設けられている。筐体31の内壁(天井面)と張出部79との間には、バイアスバネ85が設けられている。形状記憶合金バネ83およびバイアスバネ85は、それぞれ圧縮コイルバネであり、それぞれ圧縮変形した状態で設置されている。形状記憶合金バネ83の内側には軸部81cが挿入されている。形状記憶合金バネ83の下端は支持部材81に接触している。バイアスバネ85の内側には、筐体31に形成された軸部31aが挿入されている。これにより、形状記憶合金バネ83およびバイアスバネ85は、形状記憶合金バネ83を下側とし、バイアスバネ85を上側として、上下方向の1直線上の並ぶように配置されている。
形状記憶合金バネ83は、放熱部材73に対して上向きに働く力を発生する。形状記憶合金バネ83が発生する力は、その温度が高くなるにしたがって増大し、変位量(圧縮量)が大きくなるにしたがって増大する。
バイアスバネ85は、放熱部材73に対して下向きに働く力を発生する。すなわち、バイアスバネ85が発生する力の向きは、形状記憶合金バネ83が発生する力の向きとは反対である。バイアスバネ85が発生する力は、変位量が大きくなるにしたがって増大するが、その温度にほぼ依存しない。
そして、これら形状記憶合金バネ83およびバイアスバネ85は、筐体31内の雰囲気の温度に応じて機械的に変形する。例えば、筐体31内の雰囲気の温度が上昇すると、形状記憶合金バネ83が発生する力が増大する。これにより、形状記憶合金バネ83の変位量は減少し、バイアスバネ85の変位量は増大する。すなわち、図9に示すように、形状記憶合金バネ83は伸張し、バイアスバネ85は収縮する。また、筐体31内の雰囲気の温度が低下すると、形状記憶合金バネ83が発生する力が減少する。これにより、図10に示すように、形状記憶合金バネ83の変位量は増大し、バイアスバネ85の変位量は減少する。
このように、形状記憶合金バネ83およびバイアスバネ85の各変位量は、筐体31内の雰囲気の温度に応じて変わる。そして、各変位量が変わると、放熱部材73は筐体31に対して上下方向に移動する。
放熱部材73が上方に移動すると、放熱部材73が熱伝導シート89と接触する面積は増大する。反対に、放熱部材73が下方に移動すると、放熱部材73が熱伝導シート89と接触する面積は減少する。なお、放熱部材73が移動しても、放熱部材73は熱伝導シート89の少なくとも一部と常に接触した状態に保たれている。
熱伝導シート89は、この発明における伝熱部材に相当する。形状記憶合金バネ83およびバイアスバネ85は、放熱部材73と熱伝導シート89との接触面積を変える接触面積調整部87を構成する。また、放熱部材73と熱伝導シート89との接触面積は、この発明における第2接触面積に相当する。さらに、熱伝導シート89及び接触面積調整部87は、この発明における熱抵抗調整部に相当する。
なお、上記した形状記憶合金バネ83およびバイアスバネ85の機能は、次のように説明することができる。すなわち、放熱部材73が上方に移動すると、支持部材81と放熱部材73との接合面積は増大する。他方、放熱部材73が下方に移動すると、支持部材81と放熱部材73との接合面積は減少する。このように、形状記憶合金バネ83およびバイアスバネ85は、支持部材81と放熱部材73との接合面積を調整する接合面積調整部を構成しているともいえる。
2.実施例3の動作
次に、実施例3に係る前照灯71の動作について説明する。なお、実施例1と同様の動作については、簡略に説明する。
LED45が発生する熱は、基板44の背面から支持部材81に伝わる。このようにして支持部材81がLED45から奪った熱は、支持部材81の前部から接触部81bへ流れ、さらに、熱伝導シート89に伝わる。熱伝導シート89が受け取った熱は放熱部材73に伝わる。放熱部材73が受け取った熱は、板状部77からフィン部材75へ流れ、さらに、フィン部材75から大気に放出される。
以下では、上述した熱の移動について、気温が比較的に高いときと比較的に低いときとに分けて、詳細に説明する。なお、LED45には電源部59から常に一定の電流が供給されているものとする。
2.1.気温が比較的に高いとき
気温が比較的に高いときは、筐体31内の雰囲気の温度は比較的に高い。形状記憶合金バネ83が発生する力は増大し、放熱部材73は、図9に示すように上方に移動する。この結果、放熱部材73と熱伝導シート89との接触面積は増大する。
接触面積の増大によって、放熱部材73と熱伝導シート89との間の熱抵抗は減少する。よって、支持部材81と放熱部材73との間にわたる全体の熱抵抗は減少する。この結果、支持部材81から放熱部材73に伝わる熱量は増加する。これにより、気温が比較的に高くても、放熱量の減少が抑制される。よって、気温が比較的に高くても、LED45の温度が過度に高くなることを好適に抑制することができる。
2.2.気温が比較的に低いとき
気温が比較的に低いときは、筐体31内の雰囲気の温度は低下する。形状記憶合金バネ83が発生する力は減少し、放熱部材73は、図10に示すように下方に移動する。この結果、放熱部材73と熱伝導シート89との接触面積は減少する。なお、この場合であっても、放熱部材73と熱伝導シート89とは互いに接触した状態に保たれる。
接触面積の減少によって、放熱部材73と熱伝導シート89との間の熱抵抗は増大する。よって、支持部材81と放熱部材73との間にわたる全体の熱抵抗は増大する。この結果、支持部材81から放熱部材73に伝わる熱量は減少する。これにより、気温が比較的に低くても、放熱量の増大が抑制される。よって、気温が比較的に低くても、LED45の温度が低下することを好適に抑制することができる。
上記2.1及び2.2の各動作をまとめると、形状記憶合金バネ83及びバイアスバネ85が放熱部材73と熱伝導シート89との間の熱抵抗を調整することにより、気温が比較的に高いときは放熱量が減少することを抑制し、気温が比較的に低いときには放熱量が増大することを敢えて抑制する。これにより、気温の変動によって放熱量が変動することは抑制される。したがって、LED45に一定の電流を供給しつつ、気温によってLED45の温度が変動することを好適に抑制することができる。このため、LED45の明るさが変動することを好適に抑制することができる。
このように、本実施例3によれば、実施例1と同様な効果を奏する。その他に、実施例3によれば、放熱部材73と熱伝導シート89の接触面積を調整する接触面積調整部87を備えているので、支持部材81と放熱部材73の間の熱抵抗を確実に変えることができる。
また、支持部材81と放熱部材73とは熱伝導シート89を挟んで接合しているので、実施例1で説明した連結部材53を省略することができる。この結果、実施例1に比べて一層構造を簡素にすることができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例4を説明する。実施例4の自動二輪車1の全体構成等は実施例1と略同様であるので、その説明を省略する。実施例4では前照灯の構造が実施例1と異なるので、以下では前照灯について説明する。なお、実施例1、3と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
1.前照灯91の構成
図11、図12を参照する。図11、図12は、それぞれ実施例4に係る前照灯の垂直断面図である。図11は気温が比較的に高いときを示し、図12は気温が比較的に低いときを示す。図11、図12において、図面の左側は前照灯91の前側である。
図示するように、前照灯91は、放熱部材93を備えている。放熱部材93は、フィン部材95と板状部97と張出部99とに分けられる。本実施例4の放熱部材93と実施例3の放熱部材73とは、板状部97、77の形状が互いに異なっているが、その他については同じである。
筐体31の内部には、支持部材81と形状記憶合金バネ103とバイアスバネ105と熱伝導シート109が設けられている。支持部材81は光源43を支持するとともに、熱伝導シート109を介して放熱部材93と接合されている。形状記憶合金バネ103とバイアスバネ105は、放熱部材93を上下方向に移動可能に支持している。以下、詳細に説明する。
熱伝導シート109の一方面は、接触部81bと摺動可能に面接触している。熱伝導シート109の他方面は、板状部97の所定の範囲と面接触している。これにより、支持部材81と放熱部材93とは、熱伝導シート109を介して互いに接合している。実施例4では、放熱部材93が下方に移動するほど、支持部材81と熱伝導シート109との接触面積が増加する。熱伝導シート109は、放熱部材93と密着していることが好ましい。また、熱伝導シート109の厚みは、熱伝導シート109の接触面の寸法に比べて小さいことが好ましい。
筐体31の内壁(天井面)と張出部99との間には、形状記憶合金バネ103が設けられている。張出部99と支持部材81との間には、バイアスバネ105が設けられている。形状記憶合金バネ103およびバイアスバネ105は、それぞれ圧縮コイルバネであり、それぞれ圧縮変形した状態で設置されている。形状記憶合金バネ103の内側には筐体31に形成された軸部31aが挿入されている。バイアスバネ105の内側には、軸部81cが挿入されている。これにより、形状記憶合金バネ103およびバイアスバネ105は、形状記憶合金バネ103を上側とし、バイアスバネ105を下側として、上下方向の1直線上の並ぶように配置されている。
形状記憶合金バネ103は、放熱部材93に対して下向きに働く力を発生する。形状記憶合金バネ103が発生する力は、その温度が高くなるにしたがって増大し、変位量(圧縮量)が大きくなるにしたがって増大する。
バイアスバネ105は、放熱部材93に対して上向きに働く力を発生する。すなわち、バイアスバネ105が発生する力の向きは、形状記憶合金バネ103が発生する力の向きとは反対である。バイアスバネ105が発生する力は、変位量が大きくなるにしたがって増大するが、その温度にほぼ依存しない。
そして、これら形状記憶合金バネ103およびバイアスバネ105は、筐体31内の雰囲気の温度に応じて機械的に変形する。例えば、筐体31内の雰囲気の温度が上昇すると、形状記憶合金バネ103が発生する力が増大する。これにより、形状記憶合金バネ103の変位量は減少し、バイアスバネ105の変位量は増大する。すなわち、図11に示すように、形状記憶合金バネ103は伸張し、バイアスバネ105は収縮する。また、筐体31内の雰囲気の温度が低下すると、形状記憶合金バネ103が発生する力が減少する。これにより、図12に示すように、形状記憶合金バネ103の変位量は増大し、バイアスバネ105の変位量は減少する。
このように、形状記憶合金バネ103およびバイアスバネ105の各変位量は、筐体31内の雰囲気の温度に応じて変わる。そして、各変位量が変わると、放熱部材93は筐体31に対して上下方向に移動する。
放熱部材93が下方に移動すると、支持部材81が熱伝導シート109と接触する面積は増大する。反対に、放熱部材93が上方に移動すると、支持部材81が熱伝導シート109と接触する面積は減少する。なお、放熱部材93が移動しても、支持部材81は熱伝導シート109の少なくとも一部と常に接触した状態に保たれている。
形状記憶合金バネ103およびバイアスバネ105は、支持部材81と熱伝導シート109との接触面積を変える接触面積調整部107を構成する。また、支持部材81と熱伝導シート109との接触面積は、この発明における第1接触面積に相当する。さらに、熱伝導シート109及び接触面積調整部107は、この発明における熱抵抗調整部に相当する。
なお、上記した形状記憶合金バネ103およびバイアスバネ105の機能は、次のように説明することができる。すなわち、放熱部材93が下方に移動すると、支持部材81と放熱部材93との接合面積は増大する。他方、放熱部材93が上方に移動すると、支持部材81と放熱部材93との接合面積は減少する。このように、形状記憶合金バネ103およびバイアスバネ105は、支持部材81と放熱部材93との接合面積を調整する接合面積調整部を構成しているともいえる。
2.実施例4の動作
次に、実施例4に係る前照灯91の動作について説明する。なお、実施例1と同様の動作については、簡略に説明する。
LED45が発生する熱は、基板44の背面から支持部材81に伝わる。このようにして支持部材81がLED45から奪った熱は、支持部材81の前部から接触部81bへ流れ、さらに、熱伝導シート109に伝わる。熱伝導シート109が受け取った熱は放熱部材93に伝わる。放熱部材93が受け取った熱は、板状部97からフィン部材95へ流れ、さらに、フィン部材95から大気に放出される。
以下では、上述した熱の移動について、気温が比較的に高いときと比較的に低いときとに分けて、詳細に説明する。なお、LED45には電源部59から常に一定の電流が供給されているものとする。
2.1.気温が比較的に高いとき
気温が比較的に高いときは、筐体31内の雰囲気の温度は比較的に高い。形状記憶合金バネ103が発生する力は増大し、放熱部材93は、図11に示すように下方に移動する。この結果、支持部材81と熱伝導シート109との接触面積は増大する。
接触面積の増大によって、支持部材81と熱伝導シート109との間の熱抵抗は減少する。よって、支持部材81と放熱部材93との間にわたる全体の熱抵抗は減少する。この結果、支持部材81から放熱部材93に伝わる熱量は増加する。これにより、気温が比較的に高くても、放熱量の減少が抑制される。よって、気温が比較的に高くても、LED45の温度が過度に高くなることを好適に抑制することができる。
2.2.気温が比較的に低いとき
気温が比較的に低いときは、筐体31内の雰囲気の温度は低下する。形状記憶合金バネ103が発生する力は減少し、放熱部材93は、図12に示すように上方に移動する。この結果、支持部材81と熱伝導シート109との接触面積は減少する。なお、この場合であっても、支持部材81と熱伝導シート109とは互いに接触した状態に保たれる。
接触面積の減少によって、放熱部材93と熱伝導シート109との間の熱抵抗は増大する。よって、支持部材81と放熱部材93との間にわたる全体の熱抵抗は増大する。この結果、支持部材81から放熱部材93に伝わる熱量は減少する。これにより、気温が比較的に低くても、放熱量の増大が抑制される。よって、気温が比較的に低くても、LED45の温度が低下することを好適に抑制することができる。
上記2.1及び2.2の各動作をまとめると、形状記憶合金バネ103及びバイアスバネ105が支持部材81と熱伝導シート109との間の熱抵抗を調整することにより、気温が比較的に高いときは放熱量が減少することを抑制し、気温が比較的に低いときには放熱量が増大することを敢えて抑制する。これにより、気温の変動によって放熱量が変動することは抑制される。したがって、LED45に一定の電流を供給しつつ、気温によってLED45の温度が変動することを好適に抑制することができる。このため、LED45の明るさが変動することを好適に抑制することができる。
このように、本実施例4によれば、実施例1と同様な効果を奏する。その他に、実施例4によれば、支持部材81と熱伝導シート109の接触面積を調整する接触面積調整部107を備えているので、支持部材81と放熱部材93の間の熱抵抗を確実に変えることができる。
また、支持部材81と放熱部材93とは熱伝導シート109を挟んで接合しているので、実施例1で説明した連結部材53を省略することができる。この結果、実施例1に比べて一層構造を簡素にすることができる。
また、形状記憶合金バネ103は、LED45よりも、筐体31の内壁に近接した位置に配置されている。このため、形状記憶合金バネ103は、気温の変動に応じて支持部材81と熱伝導シート109の接触面積を好適に変えることができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例1では、第1乃至第4接触圧力を一挙に増大させるものであったが、これに限られない。例えば、第1、第2接触圧力のいずれかを増大させるように変更してもよい。あるいは、第1乃至第4接触圧力の少なくとも1つを増大させるように変更してもよい。同様に、上述した実施例2では、第1、第2接触圧力を一挙に増大させるものであったが、これに限られない。例えば、第1、第2接触圧力のいずれかを増大させるように変更してもよい。
(2)上述した実施例3では、接触面積調整部87が放熱部材73と熱伝導シート89との接触面積を変えたが、これに限られない。たとえば、支持部材81と熱伝導シート89との接触面積を変える構成に変更してもよい。あるいは、支持部材81と熱伝導シート89との接触面積、及び、放熱部材73と熱伝導シート89との接触面積の双方を変える構成に変更してもよい。なお、支持部材81と熱伝導シート89との接触面積は、この発明における第1接触面積に相当する。同様に、実施例4における接触面積調整部107を変更してもよい。
(3)上述した実施例では、形状記憶合金バネ55、67、83、103は圧縮コイルバネであったが、これに限られない。たとえば、形状記憶合金製の引張バネまたは形状記憶合金製のワイヤなど各種の機械要素に選択変更してもよい。
(4)上述した各実施例では形状記憶合金バネ55、67、83、103は、筐体31内の雰囲気の温度に感応するように配置されていたが、これに限られない。たとえば、形状記憶合金バネが筐体31の内壁の温度に感応するように、形状記憶合金バネの配置を変更してもよい。また、形状記憶合金バネが気温(すなわち、筐体31の外側の大気の温度)に直接感応するように、形状記憶合金バネの配置を変更してもよい。これらの変形例では、形状記憶合金バネの温度を気温に一層強く依存させることができる。よって、接触圧力調整部は、第1乃至第4接触圧力を気温に応じて一層好適に変えることができる。また、接触面積調整部は接触面積を気温の変動に応じて一層好適に変えることができる。
あるいは、形状記憶合金バネがLED45または支持部材41、63、81の温度に感応するように、形状記憶合金バネの配置を変更してもよい。支持部材41、63、81の温度であってもLED45の温度に強く依存するので、形状記憶合金バネの温度をLED45の温度に強く依存させることができる。よって、これらの変形例では、接触圧力調整部は、第1乃至第4接触圧力をLED45の温度に応じて一層好適に変えることができる。また、接触面積調整部は、接触面積をLED45の温度に応じて一層好適に変えることができる。
(5)上述した実施例1では、形状記憶合金バネ55とバイアスバネ56とによって接触圧力調整部57を構成していたが、これに限られない。たとえば、形状記憶合金バネ55のみによって、連結部材53を上下方向に移動させ、第1乃至第4接触圧力を変えるように構成してもよい。この変形例によれば、バイアスバネ56を省略し、形状記憶合金バネ55のみで接触圧力調整部57を構成することができる。よって、接触圧力調整部57の構造を簡素にすることができる。
また、実施例3では、形状記憶合金バネ83とバイアスバネ85とによって接触面積調整部87を構成していたが、これに限られない。形状記憶合金バネ83のみによって放熱部材73を上下方向に移動させ、放熱部材73と熱伝導シート89との接触面積を変えるように構成してもよい。この変形例によれば、バイアスバネ85を省略し、形状記憶合金バネ83のみで接触面積調整部87を構成することができる。よって、接触面積調整部87の構造を簡素にすることができる。同様に、実施例4における接触面積調整部107を変更してもよい。
(6)上述した実施例1では、熱伝導シート51、52は別個に設けられていたが、これに限られない。たとえば、熱伝導シート51、52を単一の熱伝導シートに変更してもよい。
(7)上述した実施例1、3では、形状記憶合金バネ55、83は、バイアスバネ56、85の下方に配置されていたが、これに限られない。また、上述した実施例4では、形状記憶合金バネ103は、バイアスバネ105の上方に配置されていたが、これに限られない。すなわち、形状記憶合金バネとバイアスバネの位置関係は、適宜に変更可能である。
(8)上述した実施例1では熱伝導シート51、52を例示し、実施例2では熱伝導ブロック65を例示し、実施例3、4では熱伝導シート89、109を例示したが、これらに限られない。たとえば、熱伝導グリースなど、サーマル・インターフェイス・マテリアルの他の形態に適宜に変更してもよい。また、形状についても、シート形状またはブロック形状に限られず、フィルム形状、テープ形状、パッド形状或いはブロック形状等に適宜に変更してもよい。また、上述した各実施例では、熱伝導シート51等は、支持部材41等に接着されていなかったが、これに限られない。たとえば、熱伝導シート51、52のいずれかを支持部材41または放熱部材39等に接着するように変更してもよい。また、熱伝導シート51を支持部材41および連結部材53のいずれに接着するように変更してもよい。同様に、熱伝導シート52を放熱部材39および連結部材53のいずれに接着するように変更してもよい。
(9)上述した実施例1では、支持部材41および放熱部材39が筐体31に固定的に支持され、連結部材53が筐体31に対して上下動可能に支持されていたが、これに限られない。第1乃至第4接触圧力の少なくともいずれかを変えることができる構造であれば、適宜に選択変更してもよい。例えば、支持部材41及び/又は放熱部材39を筐体31に対して移動可能に支持するように変更してもよい。あるいは、連結部材53を筐体31に固定的に支持してもよい。同様に、実施例2における支持部材63および放熱部材39の支持構造を適宜に変更してもよい。また、実施例3、4における支持部材81および放熱部材73、93の支持構造についても、適宜に変更してもよい。
(10)上述した各実施例では、単一の光源43を備える構成であったが、これに限られない。例えば、複数の光源43を備えるように変更してもよい。この場合、各光源43の配置は適宜に選択することができる。また、上述した各実施例では、単一のリフレクタ47を備える構成であったが、これに限られない。例えば、複数のリフレクタ47を備えるように変更してもよい。この場合、各リフレクタ47の配置は適宜に選択することができる。さらに、上述した実施例では、前照灯11、61、71、91の配光パターンについて特に説明しなかったが、この配光パターンはすれ違いビーム用の配光パターン、および、走行ビーム用の配光パターンのいずれか、または、双方であってもよい。
(11)形状記憶合金バネ55は、支持部材41と接触していたが、これに限られない。形状記憶合金バネ55と支持部材41との間に配置され、熱を遮蔽する部材を適宜に備えるように変更してもよい。
(12)上述した各実施例では、単一の前輪17と単一の後輪23を備える自動二輪車1を例示したが、これに限られない。例えば、前輪または後輪の一方が2輪である鞍乗型車両であってもよいし、前輪及び後輪の双方が2輪である鞍乗型車両であってもよい。
(13)上述した各実施例および上記(1)から(12)で説明した各変形実施例については、さらに各構成を他の変形実施例の構成に置換または組み合わせるなどして適宜に変更してもよい。
1 … 自動二輪車
11、61、71、91 … 前照灯
31 … 筐体
39、73、93 … 放熱部材
41、63、81 … 支持部材
43 … 光源
45 … LED
51、52、89、109 … 熱伝導シート
53 … 連結部材
55、67、83、103 … 形状記憶合金バネ
56、85、105 … バイアスバネ
57 … 接触圧力調整部
65 … 熱伝導ブロック
87、107 … 接触面積調整部

Claims (15)

  1. 前照灯であって、
    LEDを有する光源を支持する支持部材と、
    前記支持部材を収容する筐体と、
    前記支持部材から熱を受け取り、この熱を前記筐体の外側に放出する放熱部材と、
    前記支持部材と前記放熱部材との間の熱抵抗を変えて前記LEDの温度の変動を抑制する熱抵抗調整部と、
    を備えている前照灯。
  2. 請求項1に記載の前照灯において、
    前記熱抵抗調整部は、前記筐体内の雰囲気の温度に基づいて前記熱抵抗を調整する前照灯。
  3. 請求項1または請求項2に記載の前照灯において、
    前記熱抵抗調整部は、前記筐体内の雰囲気の温度が低いほど前記熱抵抗を増大させる前照灯。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の前照灯において、
    前記熱抵抗調整部は、
    前記支持部材および前記放熱部材に比べて弾性係数が低く、前記支持部材および前記放熱部材とそれぞれ接触するように設けられている伝熱部材と、
    前記筐体内の雰囲気の温度に基づいて、前記支持部材と前記伝熱部材との第1接触圧力および前記放熱部材と前記伝熱部材との第2接触圧力の少なくともいずれかを変える接触圧力調整部と、
    を備えている前照灯。
  5. 請求項4に記載の前照灯において、
    前記接触圧力調整部は、前記筐体内の雰囲気の温度が低いほど前記第1接触圧力および前記第2接触圧力の少なくともいずれかを減少させる前照灯。
  6. 請求項4または請求項5に記載の前照灯において、
    前記接触圧力調整部は、前記伝熱部材が前記支持部材および前記放熱部材とそれぞれ接触している状態を保ちつつ、前記第1接触圧力および前記第2接触圧力の少なくともいずれかを調整する前照灯。
  7. 請求項4から請求項6のいずれかに記載の前照灯において、
    前記支持部材及び前記放熱部材はそれぞれ金属製であり、
    前記伝熱部材は、前記支持部材及び前記放熱部材の各表面の微小な形状に沿うように変形可能である前照灯。
  8. 請求項4から請求項7のいずれかに記載の前照灯において、
    前記伝熱部材は扁平な形状を有し、前記支持部材及び前記放熱部材とそれぞれ面接触する前照灯。
  9. 請求項4から請求項8のいずれかに記載の前照灯において、
    前記接触圧力調整部は、温度に感応して、前記第1接触圧力及び前記第2接触圧力の少なくともいずれかを調整する形状記憶合金製の素子を備えている前照灯。
  10. 請求項9に記載の前照灯において、
    前記素子は、前記光源よりも前記筐体の内壁に近い位置に配置されている前照灯。
  11. 請求項9または請求項10に記載の前照灯において、
    前記素子は、前記伝熱部材を前記支持部材および前記放熱部材の少なくともいずれかに対して押さえ付ける向きに働く力を発生する形状記憶合金バネであり、
    前記形状記憶合金バネが発生する力は、温度が高くなるにしたがって増大する前照灯。
  12. 請求項11に記載の前照灯において、
    前記接触圧力調整部は、さらに、前記形状記憶合金バネが発生する力の向きとは反対向きの力を発生するバイアスバネを備えている前照灯。
  13. 請求項4から請求項12のいずれかに記載の前照灯において、
    さらに、前記伝熱部材と接触するように設けられ、前記伝熱部材を介して前記支持部材と前記放熱部材との間で熱を伝達する金属製の連結部材を備えている前照灯。
  14. 請求項13に記載の前照灯において、
    前記連結部材は、前記支持部材とともに両側から前記伝熱部材を挟むように、かつ、前記放熱部材とともに両側から前記伝熱部材を挟むように設けられ、
    前記接触圧力調整部は、前記連結部材に力を作用させ、前記第1接触圧力及び前記第2接触圧力の双方を一挙に調整する前照灯。
  15. 請求項1から請求項14のいずれかに記載の前照灯を備える鞍乗型車両。
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