JP2012173576A - 表示制御装置および表示制御方法 - Google Patents

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Takeo Matsumoto
武生 松本
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Abstract

【課題】ハレーションの発生を抑制することができる表示制御装置および表示制御方法を提供すること。
【解決手段】映像の視認性を向上する映像補正処理を実行する直射補正部11cと、映像の輝度に応じた発光量でバックライト22を発光させ、かつ、バックライト22の発光量に応じて映像の輝度を補正するバックライト制御処理を実行するバックライト制御部11dとを備える。そして、バックライト制御部11dは、直射補正部11cによって映像補正処理が実行された場合に、バックライト制御処理を停止又は抑制する。
【選択図】図2

Description

本発明は、表示制御装置および表示制御方法に関する。
近年、カーナビゲーションの普及に伴い、自動車には液晶表示パネルを有する車載装置が搭載されることが一般的となってきている。
液晶表示パネルは、バックライトから照射された光を部分的に遮ったり透過させたりすることによって映像の表示を行っているが、バックライトによる消費電力の高さが省電力化の妨げとなっている。
そこで、近年では、バックライトによる消費電力を削減するための様々な試みがなされている。例えば、特許文献1には、映像の輝度に応じてバックライトの発光量を制御することで、バックライトによる消費電力を削減する技術が開示されている。
特許文献1に記載の技術では、映像に含まれる画素の輝度分布を作成し、この輝度分布を用いて高輝度側から累積画素数を計数していき所定の画素数に達した位置の輝度値に基づき、映像の輝度を上げると共にバックライトの発光量を低減する。これにより、バックライトによる消費電力を削減している。
特開2007−219477号公報
しかしながら、映像の視認性を向上する映像補正処理を行った場合、映像の輝度が上がる。そのため、映像補正処理に加え、上述したバックライトの制御を行った場合、さらに映像の輝度が上がってハレーションが発生する可能性がある。ハレーションとは、映像中の特に明るい部分の色がつぶれたように見える現象である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ハレーションの発生を抑制することができる表示制御装置および表示制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る表示制御装置は、表示パネルに映像を表示させると共に、前記表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を制御する表示制御装置であって、前記映像の視認性を向上する映像補正処理を実行する補正部と、前記映像の輝度に応じた発光量で前記バックライトを発光させ、かつ、当該バックライトの発光量に応じて前記映像の輝度を補正するバックライト制御処理を実行するバックライト制御部と、を備え、前記バックライト制御部は、前記補正部によって前記映像補正処理が実行された場合に、前記バックライト制御処理を規制することを特徴とする。
また、本発明の表示制御方法は、表示パネルに映像を表示させると共に、前記表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を制御する表示制御方法であって、前記映像の視認性を向上する映像補正処理を実行する補正手順と、前記映像の輝度に応じた発光量で前記バックライトを発光させ、かつ、当該バックライトの発光量に応じて前記映像の輝度を補正する処理を、前記補正手順によって前記映像補正処理が実行された場合に、規制するバックライト制御手順とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、映像の視認性を向上させる映像補正処理が実行された場合には、バックライトの制御処理を規制するため、ハレーションの発生を抑制することができる。
図1は、本発明に係る実施形態の表示制御手法の概要を示す図である。 図2は、実施例に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。 図3は、制御パラメータテーブルの一例を示す図である。 図4は、実施例に係る発光量決定部の構成を示すブロック図である。 図5は、発光量決定部の動作例を示す図である。 図6は、RGB変換情報の一例を示す図である。 図7は、実施例に係る表示制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る表示制御装置および表示制御方法の実施例を詳細に説明する。
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明の実施形態に係る表示制御手法の概要について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る表示制御手法の概要を示す図である。
本実施形態に係る表示制御手法は、映像の視認性を向上する映像補正処理と、バックライトの消費電力を低減するバックライト制御との連携によって、映像中の特に明るい部分の色がつぶれたように見える現象(ハレーション)の発生を抑制するものである。
かかる表示制御手法においては、図1に示すように、表示制御装置の補正部が、照度センサから出力される照度値の情報を取得する(ステップS1)。照度センサは、表示パネル周辺に配置されており、表示パネル周辺の照度を検出する。
補正部は、照度センサから照度値を取得すると、この照度値が予め設定された閾値を超える場合には、映像補正処理をON状態にする。一方、補正部は、照度値が予め設定された閾値以下である場合には、映像補正処理をOFF状態にする(ステップS2)。
したがって、表示パネル周辺の照度が高くなって、表示パネルに表示される映像(以下、「表示映像」と記載する)の視認性が低下するような状況になると、補正部の映像補正処理がON状態になる。そして、この映像補正処理によって、表示映像の視認性が向上される。なお、表示パネル周辺の照度が高くなる要因として、例えば、直射日光などの外光が射し込むような場合がある。
補正部による映像補正処理は、照度値に応じて映像の輝度およびコントラストを上げることによって行うものである。なお、映像補正処理は、これに限られず、映像の視認性を向上する処理であればよい。例えば、照度値に応じて映像の輝度を上げることによって映像の視認性を向上させてもよい。
補正部は、映像補正処理をON状態にした場合、ON情報をバックライト制御部へ出力し、映像補正処理をOFF状態にした場合、OFF情報をバックライト制御部へ出力する。バックライト制御部は、補正部からOFF情報を取得すると、バックライト制御をON状態にする一方、補正部からON情報を取得すると、バックライト制御をOFF状態にする(ステップS3)。
バックライト制御は、入力される映像情報に応じた映像(以下、「入力映像」と記載する)の輝度に応じた発光量でバックライトを発光させ、かつ、バックライトの発光量に応じて入力映像の輝度を補正する制御である。これにより、バックライトの消費電力を削減している。
すなわち、バックライトの発光量を低減すると表示パネルに表示される映像(以下、「表示映像」と記載する)の輝度が低下するが、映像処理によって映像の輝度を上げることで、表示映像の輝度の低下を抑えつつ、バックライトの消費電力を削減する。
以上のように、補正部およびバックライト制御部のON/OFFの設定が行われる。映像処理がON状態になった場合、バックライト制御がOFF状態になるため、その後、映像情報が入力された場合に(ステップS4)、ハレーションの発生を抑制することができる。
すなわち、映像の視認性を向上する映像補正処理によって映像の輝度が上がった場合に、さらに、バックライト制御によって映像の輝度が上がると、ハレーションが発生する恐れがあるが、バックライト制御をOFF状態にすることでハレーションの発生を抑制することができる。
一方、補正部がOFF状態になった場合には、バックライト制御がON状態になるため、バックライトの消費電力を低減することができる。なお、映像補正処理がON状態になった場合にバックライト制御をOFF状態にするのではなく、抑制するようにしてもよい。例えば、照度センサによって検出された照度値に応じた抑制量でバックライト制御を抑制する。
このように、本実施形態の表示制御手法では、映像補正処理の状態に応じてバックライト制御の状態を変更するため、補正部およびバックライト制御部を有しながらも、ハレーションの発生を抑制することができる。
なお、上述においては、照度値が予め設定された閾値を超える場合に視認性を向上する映像補正処理をON状態にする例について説明したが、例えば、ユーザの操作部への操作によって映像補正処理をON状態とするようにしてもよい。また、例えば、複数の映像ソースから映像情報を取得するような場合、照度値に関わらず、特定の映像ソースから取得した映像情報について視認性を向上する映像補正処理をON状態にしてもよい。
以下では、図1を用いて説明した表示制御手法を適用した表示制御装置についての実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、車載用の表示装置を制御する表示制御装置に対して本表示制御手法を適用する場合について説明する。ただし、本発明に係る表示制御装置は、これに限ったものではなく、携帯端末装置やPC(Personal Computer)あるいはTV(Television)のように、バックライトを用いて表示を行う表示装置を備える各種の装置に対して適用することができる。
図2は、本実施例に係る表示制御装置の構成を示す図である。なお、図2には、表示制御装置の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。この表示制御装置10は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などによって構成することができる。図2に示すように、本実施例に係る表示制御装置10は、表示装置20の表示制御を行う装置である。
表示装置20は、表示パネル21と、バックライト22とを備えている。表示パネル21は、表示制御装置10から出力される映像情報に応じた映像を表示する液晶表示パネルなどの表示部である。また、バックライト22は、表示パネル21の背面側に設けられた照明装置であり、表示パネル21に対して背面側から光を照射する。
つづいて、本実施例に係る表示制御装置10の構成について説明する。本実施例に係る表示制御装置10は、制御部11と、記憶部12とを備えている。また、制御部11は、映像情報取得部11aと、照度情報取得部11b、直射補正部11cと、バックライト制御部11dとを備えている。また、記憶部12は、制御パラメータテーブル12aを記憶している。
制御部11は、映像情報の取得、直射補正、バックライト制御といった処理を実行する処理部である。映像情報取得部11aは、映像情報を取得し、取得した映像情報を直射補正部11cへ渡す。この映像情報取得部11aが取得する映像情報には、例えば、車両周辺を撮像する車載カメラから出力される撮像映像の情報、カーナビゲーション装置から出力されるナビゲーション用の映像情報、DVD再生装置から出力されるDVDの映像情報、およびデジタルテレビ放送受信装置から出力されるTV映像の情報などがある。
照度情報取得部11bは、照度センサ30から照度情報を取得し、取得した照度情報を直射補正部11cへ渡す。照度センサ30は、表示装置20周辺の明るさを示す照度値を検出し、検出した照度値の情報を照度情報として直射補正部11cへ出力するセンサである。
直射補正部11cは、直射日光等の影響によって表示映像の視認性の低下を抑制するために、照度センサ30から取得した照度情報に応じて映像情報を補正する。かかる直射補正部11cは、視認性補正部41、彩度補正部42およびブレンド部43を備えている。
視認性補正部41は、映像情報取得部11aから出力される映像情報(以下、「原映像情報」と記載する)に応じた映像に含まれる輪郭部分を際立たせるようにエッジ補正を行い、補正後の映像情報を彩度補正部42へ出力する。
彩度補正部42は、視認性補正部41によって補正された映像情報に応じた映像に含まれる中間色を原色へ近づけるように階調補正を行い、補正後の映像情報をブレンド部43へ出力する。これらの視認性補正部41および彩度補正部42の処理によって、直射日光等の影響が最も強い状況の下で最も視認性が向上するように補正された映像情報(以下、「改善映像情報」と記載する)が生成される。
ブレンド部43は、映像情報取得部11aから出力される原映像情報に対して彩度補正部42から出力される改善映像情報を、照度センサ30によって検出された照度値に応じたブレンド比でブレンドし、ブレンド後の映像情報を表示パネルへ出力する。
かかるブレンド部43は、照度センサ30によって検出された照度値と予め設定された閾値とを比較して、ブレンド処理をOFF状態にするかON状態にするかを決定する。具体的には、ブレンド部43は、照度センサ30によって検出された照度値が予め設定された閾値以下である場合は、原映像情報と改善映像情報との比を1対0として、原映像情報に改善映像情報をブレンドせずに、ブレンド処理をOFF状態にする。これにより、映像の視認性を向上する映像補正処理がOFF状態になる。
一方、照度センサ30によって検出された照度値が予め設定された閾値を超える場合、ブレンド部43は、ブレンド処理をON状態にする。すなわち、ブレンド部43は、照度値が高いほど、ブレンド後の映像情報に占める改善映像情報のブレンド率が高く、原映像情報のブレンド率が低くなるようにブレンド比を調整するブレンド処理を行う。
また、ブレンド部43は、ブレンド処理の状態を示す情報(以下、「ブレンド処理状態情報」と記載する)をバックライト制御部11dへ渡す。これにより、ブレンド処理の状態に応じてバックライト制御部11dが動作する。なお、ブレンド処理の状態には、OFF状態、ON状態に加え、ON状態の場合にブレンド率を含む。
バックライト制御部11dは、サブサンプリング部51と、ヒストグラム生成部52と、発光量決定部53と、発光量規制部54と、PWM(Pulse Width Modulation)生成部55と、RGB変換部56とを備える。
サブサンプリング部51は、映像情報取得部11aから映像情報を取得した場合に、取得した映像情報に対してサブサンプリングを行う処理部である。また、サブサンプリング部51は、サブサンプリング後の映像情報をヒストグラム生成部52へ渡す処理も併せて行う。ここで、サブサンプリングとは、取得した映像情報から画素を間引く処理を示す。このように、取得した映像情報に対してサブサンプリングを行うことによって、後述するヒストグラム生成部52や発光量決定部53といった処理部の処理速度を高めることができる。
ヒストグラム生成部52は、サブサンプリング部51から取得したサブサンプリング後の映像情報を用いてヒストグラムを生成する処理部である。ヒストグラムとは、映像情報を構成する画素の輝度分布をあらわす情報である。ヒストグラム生成部52は、映像情報に含まれるR,G,Bの各成分うち、最も値の大きい成分を用いてヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムを発光量決定部53へ渡す。
発光量決定部53は、ヒストグラム生成部52によって生成されたヒストグラムを、制御パラメータを用いて解析することによって、バックライト22の確定発光量を決定する処理部である。
発光量決定部53は、直射補正部11cのブレンド部43から出力されるブレンド処理状態情報に応じた制御パラメータを、記憶部12に記憶している制御パラメータテーブル12aから読み出す。そして、読み出した制御パラメータを用いて、ヒストグラム生成部52によって生成されたヒストグラムを解析する。ここで、制御パラメータテーブル12aの内容について説明する。図3は、制御パラメータテーブル12aの一例を示す図である。
図3に示すように、制御パラメータテーブル12aは、DNUMおよびHオフセットなどの制御パラメータを、各パターン1〜4に対応付けた情報である。パターン1〜3の制御パラメータは、映像補正処理がON状態の場合に選択される制御パラメータであり、ブレンド率に応じていずれかの制御パラメータが選択される。
例えば、パターン1の制御パラメータは、ブレンド率が20%以上の場合に選択される制御パラメータである。すなわち、パターン1の制御パラメータを用いた場合には、バックライト22の発光量は削減されず、映像の輝度も補正されない。また、パターン2の制御パラメータは、ブレンド率が10%以上20%未満の場合に選択される制御パラメータであり、パターン3の制御パラメータは、ブレンド率が10%未満の場合に選択される制御パラメータである。
直射補正部11cによって視認性が向上される映像は、ブレンド率が低いほど、輝度の増加割合が低くなるため、バックライト制御部11dは、ブレンド率に応じて制御パラメータを変更し、表示映像へのハレーションの発生を抑制する。ブレンド率は、表示パネル21周辺の照度値に応じて変化する。したがって、表示パネル21周辺の照度に応じた規制内容でバックライト制御処理が抑制されることになる。
このように、直射補正部11cによって映像の視認性を向上する映像補正処理が行われた場合であっても、表示映像にハレーションが発生しないようにバックライト制御を行うことで、表示映像の視認性を向上させつつも、バックライトの消費電力を低減することができる。
一方、パターン4の制御パラメータは、映像補正処理がOFF状態の場合に選択される制御パラメータである。パターン4の制御パラメータは、バックライト制御部11dによるバックライト22の発光量の削減率が最も高くなる制御パラメータであり、バックライト制御処理は抑制されない。
なお、図3に示す例では、4つのパターンの制御パラメータによって、バックライト制御のON/OFF、およびバックライト制御の抑止を行うようにしているが、一例に過ぎず、これに限られるものではない。例えば、5つ以上のパターンを設けて、バックライトの消費電力をより効果的に削減するようにしてもよい。
また、上述の例では、バックライト制御がON状態の場合に、バックライト制御をOFF状態にしたり、抑制したりしたが、バックライト制御を抑制することなくOFF状態にしてもよい。また、上述では、DNUMおよびHオフセットを変更してバックライト制御の状態を変更したが、Hオフセットのみを変更したり、DNUMのみを変更したりすることでバックライト制御の状態を変更してもよい。
また、上述の例では、ブレンド処理状態情報に応じた制御パラメータを制御パラメータテーブル12aに含ませるようにしたが、直射補正部11cの状態とバックライト制御部11dの状態とを連動することができれば、どのような方法であってもよい。
例えば、表示パネル21周辺の照度を制御パラメータのパターンに対応付けた制御パラメータテーブルを記憶部12に記憶しておき、照度センサ30によって検出された照度値に応じた制御パラメータを記憶部12から読み出すようにしてもよい。
ここで、発光量決定部53の具体的な構成について説明する。図4は、本実施例に係る発光量決定部53の構成を示すブロック図である。図4に示すように、発光量決定部53は、暫定発光量決定部61と、比較部62と、確定発光量決定部63とを備えている。
暫定発光量決定部61は、ヒストグラム生成部52から取得したヒストグラムとDNUMとを用いて暫定発光量を決定する処理部である。DNUMは、累積画素数の閾値を示す制御パラメータである。
具体的には、暫定発光量決定部61は、ヒストグラムの高輝度側から順に画素数を計数していき、累積画素数がDNUMを超えた場合におけるヒストグラム上の位置(輝度値)に対応する発光量を暫定発光量として決定する。また、暫定発光量決定部61は、暫定発光量を決定すると、決定した暫定発光量を比較部62へ渡す処理も併せて行う。
比較部62は、暫定発光量決定部61によって決定された暫定発光量と記憶部12に記憶されたHオフセットとを比較する処理部である。また、比較部62は、暫定発光量とHオフセットとの比較結果を確定発光量決定部63へ渡す処理も併せて行う。Hオフセットは、バックライト22の発光量の上限値を示す制御パラメータである。
ここで、かかる発光量決定部53の動作例について説明する。図5は、発光量決定部53の動作例を示す図である。なお、図5の(A)は、暫定発光量決定部61の動作例を、図5の(B)は、比較部62および確定発光量決定部63の動作例をそれぞれ示している。
図5の(A)に示すように、暫定発光量決定部61は、ヒストグラムにおける輝度値「255」の位置を計数開始ポイントとし、各輝度値に対応する画素数を計数開始ポイントから低輝度側へ向かって順に計数していく。そして、暫定発光量決定部61は、累積画素数がDNUMに達した位置を算出ポイントとして定め、かかる算出ポイントの輝度値に対応する発光量を暫定発光量として決定する。
例えば、暫定発光量決定部61は、累積画素数がDNUMに達した位置の輝度値が「200」である場合には、「200」を暫定発光量として決定する。
また、比較部62は、暫定発光量決定部61によって決定された暫定発光量とHオフセットとの比較を行い、比較結果を確定発光量決定部63へ渡す。そして、確定発光量決定部63は、図5の(B)に示すように、暫定発光量がHオフセット以下である場合には、暫定発光量を確定発光量として決定する。一方、確定発光量決定部63は、暫定的発光量がHオフセットを超える場合には、Hオフセットを確定発光量として決定する。
ここで、制御パラメータテーブル12aからパターン2が選択された場合、図3に示すように、DNUMは「200」、Hオフセットは「195」となる。したがって、例えば、累積画素数がDNUMに達した位置の輝度値が「205」である場合には、暫定発光量が「205」となるため、確定発光量がHオフセットの「195」となる。一方、累積画素数がDNUMに達した位置の輝度値が「190」である場合には、暫定発光量が「205」となるため、確定発光量が暫定発光量の「190」となる。
このように、暫定発光量がHオフセットを超える場合には、暫定発光量よりも少ない発光量であるHオフセットを確定発光量とすることによって、明るい映像が入力された場合であっても、バックライト22の消費電力の削減量を極力多くすることができる。
上記制御から分かるように、DNUMは小さければ小さいほど、Hオフセットは大きければ大きいほど、確定発光量が大きくなる傾向へ向かう。したがって、DNUMを小さくし、Hオフセットを大きくすることで、バックライト22の発光量の削減率が低下する。一方、DNUMを大きくし、Hオフセットは小さくすることで、バックライト22の発光量の削減率が増加する。
従って、例えば、図3に示すように、制御パラメータテーブル12aを構成することによって、直射補正部11cによって映像の視認性を向上する映像補正処理を行った場合であっても、表示映像中へのハレーションの発生を抑制しつつ、バックライト制御を行うことができる。
すなわち、映像の視認性を向上させる割合が小さい場合には、バックライトの発光量を小さくしても、表示映像にハレーションが発生しにくいため、DNUMを小さくし、Hオフセットを大きくする。一方、映像の視認性を向上させる割合が大きい場合には、バックライトの発光量を小さくすると、表示映像にハレーションが発生する恐れがあるため、DNUMを大きくし、Hオフセットを小さくする。
図2に戻り、制御部11の説明を続ける。発光量規制部54は、バックライト22の発光量の急激な変化によって生じる画面のちらつきを防止するため、発光量決定部53から取得した確定発光量と現在の発光量との差分に基づいて発光量の変化量を制限する発光量規制処理を行う。
具体的には、発光量規制部54は、確定発光量と現在の発光量との差分が所定の閾値よりも大きい場合に、変化量の上限値として予め決められた値を現在の発光量に対して加算(あるいは減算)した値を、最終的な発光量とする。一方、確定発光量と現在の発光量との差分が所定の閾値未満の場合には、発光量規制部54は、確定発光量を最終的な発光量とする。発光量規制部54は、最終的な発光量(以下、「最終確定発光量」と記載する)を決定すると、この最終確定発光量をPWM生成部55へ渡す。
また、発光量規制部54は、最終確定発光量を決定すると、RGB変換情報を用いて最終確定発光量に対応するRGB変換係数を決定し、決定したRGB変換係数をRGB変換部56へ渡す処理も行う。ここで、RGB変換情報の内容について説明する。図6は、RGB変換情報の一例を示す図である。
図6に示すように、RGB変換情報は、「最終確定発光量」ごとに「RGB変換係数」を対応付けた情報である。ここで、「最終確定発光量」は、発光量規制部54によって決定された最終確定発光量を示し、「RGB変換係数」は、R,G,Bの各成分の値(RGB値)に対して掛け合わせる係数である。
例えば、最終確定発光量が「255(100%)」である場合には、RGB変換係数は「1.00」となる。これは、入力データのRGB値が、そのまま出力データのRGB値となることを示している。また、最終確定発光量が「240(93.75%)」である場合には、RGB変換係数は「1.03」となる。これは、入力データのRGB値を1.03倍した値が出力データのRGB値となることを示している。
このように、RGB変換情報では、最終確定発光量が少なくなるほど、すなわち、バックライト22の発光量が少なくなり画面が暗くなるほど、RGB変換係数が高くなるように設定されている。なお、発光量規制部54は、最終確定発光量を決定すると、決定した最終確定発光量と対応付けられたRGB変換係数をRGB変換情報から読み出し、読み出したRGB変換係数をRGB変換部56へ渡す。
図2に戻り、制御部11の説明を続ける。PWM生成部55は、発光量規制部54から最終確定発光量を取得すると、バックライト22の発光量が最終確定発光量となるようにパルス幅が調整されたPWM信号を生成してバックライト22へ出力する処理部である。なお、PWM生成部55は、VSYNCが1回出力されるごとに、PWM信号を4回出力することとしている。
RGB変換部56は、映像情報取得部11aから取得した映像情報に含まれるR,G,Bの各成分の値に対して、発光量規制部54から取得したRGB変換係数を掛け合わせるRGB変換処理を行う。また、RGB変換部56は、RGB変換処理後の映像情報を表示パネル21へ出力する処理も併せて行う。
例えば、RGB変換部56は、RGB変換係数「1.26」を取得した場合、映像情報取得部11aから取得した映像情報に含まれるR,G,Bの各成分の値を1.26倍する。そして、RGB変換部56は、R,G,Bの各成分の値を1.26倍した映像情報を表示パネル21へ出力する。
次に、本実施例に係る表示制御装置10の具体的動作について説明する。図7は、本実施例に係る表示制御装置の処理手順を示すフローチャートである。なお、図7においては、表示制御装置10が実行する処理手順のうち、直射補正部11cおよびバックライト制御部11dにおける一部の処理手順のみを示している。
図7に示すように、表示制御装置10では、照度情報取得部11bが、照度センサ30から照度情報を取得する(ステップS10)。照度情報取得部11bは、取得した映像情報を直射補正部11cへ渡す。
次に、直射補正部11cは、照度センサ30によって検出された照度値が予め設定された閾値以下であるか否かを判定する(ステップS11)。照度値が予め設定された閾値以下ではないと判定すると(ステップS11,No)、直射補正部11cは、映像の視認性を向上させる映像補正処理をON状態にする(ステップS12)。
直射補正部11cにおいて映像補正処理がON状態になると、バックライト制御部11dは、照度センサ30によって検出された照度値に応じたブレンド率を判定する。具体的には、直射補正部11cは、照度値に応じたブレンド率が20%以上であるか否かを判定する(ステップS13)。ブレンド率が20%以上であると判定すると(ステップS13,Yes)、バックライト制御部11dは、パターン1の制御パラメータを記憶部12から読み出す(ステップS14)。パターン1の制御パラメータは、バックライト制御をOFF状態にする制御パラメータであるため、バックライト制御部11dは、バックライト制御をOFF状態にする。
ブレンド率が20%以上ではないと判定すると(ステップS13,No)、バックライト制御部11dは、照度値に応じたブレンド率が10%以上であるか否かを判定する(ステップS15)。ブレンド率が10%以上であると判定すると(ステップS15,Yes)、バックライト制御部11dは、パターン2の制御パラメータを記憶部12から読み出す(ステップS16)。そして、バックライト制御部11dは、このように読み出したパターン2の制御パラメータを用いてバックライト制御を行う。
一方、ブレンド率が10%以上ではないと判定すると(ステップS15,No)、バックライト制御部11dは、パターン3の制御パラメータを記憶部12から読み出す(ステップS17)。そして、バックライト制御部11dは、このように読み出したパターン3の制御パラメータを用いてバックライト制御を行う。
また、ステップS11において、直射補正部11cは、照度値が予め設定された閾値以下であると判定すると(ステップS11,Yes)、映像の視認性を向上させる映像補正処理をOFF状態にする(ステップS18)。すなわち、映像の視認性を向上させる映像補正処理を行わない。
そして、バックライト制御部11dは、パターン4の制御パラメータを記憶部12から読み出す(ステップS19)。そして、バックライト制御部11dは、このように読み出したパターン4の制御パラメータを用いてバックライト制御を行う。
このように、本実施例に係る表示制御装置10は、輝度値が閾値を超える場合に、映像の視認性を向上する映像補正処理を実行する直射補正部11cと、映像の輝度に応じた発光量でバックライト22を発光させ、かつ、バックライト22の発光量に応じて映像の輝度を補正するバックライト制御処理を実行するバックライト制御部11dとを備える。
そして、直射補正部11cによる映像補正処理が実行された場合に、バックライト制御処理を停止又は抑制することによって、バックライト制御処理を規制する。このように、映像補正処理とバックライト制御とを連携させることによって、映像補正処理およびバックライト制御の2つの機能を有する場合であっても、表示映像へのハレーションの発生を抑制することができる。
なお、上述した実施例においては、照度センサ30によって検出された照度値に基づいて、直射補正部11cとバックライト制御部11dとが動作する例を示したが、これに限られるものではない。
例えば、図示しない車載装置の操作部へのユーザの操作量に応じて直射補正部11cとバックライト制御部11dとが動作するようにしてもよい。すなわち、操作量が大きいほど、映像の視認性を大きくする映像補正処理を行うようにしてもよい。
また、映像の種類(例えば、映像ソースの種別や映像のジャンル)に応じて、直射補正部11cをON状態にするのか、OFF状態にするのかを決定してもよい。なお、映像ソースの種別とは、カーナビゲーション装置、車載カメラ、デジタルテレビ放送受信装置、DVDなどのようなソースの種類である。
また、複数の映像ソースから映像情報を取得するような場合、特定の映像ソース(例えば、車載カメラ)から取得した映像情報については照度値に関わらず視認性を向上する映像補正処理をON状態にし、その他の映像については照度値に応じて映像補正処理をON状態にするようにしてもよい。そして、照度値に応じて映像補正処理をON状態にした場合、バックライト制御をOFF状態とし、一方、特定の映像ソースからの映像情報に対しては、バックライト制御を抑制する。
10 表示制御装置
11 制御部
11a 映像情報取得部
11b 照度情報取得部
11c 直射補正部
11d バックライト制御部
12 記憶部
20 表示装置

Claims (5)

  1. 表示パネルに映像を表示させると共に、前記表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を制御する表示制御装置であって、
    前記映像の視認性を向上する映像補正処理を実行する補正部と、
    前記映像の輝度に応じた発光量で前記バックライトを発光させ、かつ、当該バックライトの発光量に応じて前記映像の輝度を補正するバックライト制御処理を実行するバックライト制御部と、を備え、
    前記バックライト制御部は、
    前記補正部によって前記映像補正処理が実行された場合に、前記バックライト制御処理を規制することを特徴とする表示制御装置。
  2. 前記補正部は、
    前記表示パネル周辺の照度が所定以上の場合に、前記映像補正処理を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
  3. 前記バックライト制御部は、
    前記補正部によって前記映像補正処理が実行された場合に、前記表示パネル周辺の照度に応じた規制内容で前記バックライト制御処理を規制する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御装置。
  4. 前記バックライト制御部は、
    前記映像を構成する画素を輝度値の高いものから順に計数し、当該計数した画素の累積数が第1の閾値に達した場合の輝度値に基づいて前記バックライトの暫定的な発光量を決定する暫定発光量決定手段と、
    前記暫定発光量決定手段によって決定された暫定的な発光量と第2の閾値の値とを比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較の結果、前記暫定的な発光量が第2の閾値を超える場合に、前記暫定的な発光量よりも少ない発光量を前記バックライトの確定的な発光量として決定する確定発光量決定手段と
    を備え、
    前記第1の閾値および前記第2の閾値のうち少なくとも一方を変更することによって、前記バックライト制御処理を規制することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示制御装置。
  5. 表示パネルに映像を表示させると共に、前記表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を制御する表示制御方法であって、
    前記映像の視認性を向上する映像補正処理を実行する補正手順と、
    前記映像の輝度に応じた発光量で前記バックライトを発光させ、かつ、当該バックライトの発光量に応じて前記映像の輝度を補正する処理を、前記補正手順によって前記映像補正処理が実行された場合に、規制するバックライト制御手順と
    を含むことを特徴とする表示制御方法。
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