JP2012170817A - ティシュペーパー製品の製造方法及びティシュペーパー製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
抄紙設備で製造した一次原反ロールを、プライマシンにてローション薬液及びサイズ剤が付与された二次原反ロールとし、その二次原反ロールを用いてマルチスタンド式インターフォルダで折り畳みティシュペーパー束を得て、そのティシュペーパー束を収納箱に収納してティシュペーパー製品とする。
【選択図】図2
Description
〔請求項1記載の発明〕
ローション薬液及びサイズ剤が付与されたティシュペーパー製品であって、
抄紙設備により抄造され巻き取られた一次原反ロールから連続的にティシュペーパー製品用の二次原反ロールを製造するプライマシンとして;
連続シートの一方面にローション薬液を付与し他方面にサイズ剤を付与するローション薬液及びサイズ剤の付与手段と、
複数の連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層手段と、
積層連続シートに対してコンタクトエンボスを付与するコンタクトエンボス付与手段と、
積層連続シートをティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット手段と、
スリットされた各積層連続シートを同軸で巻き取ってティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅の二次原反ロールを形成する巻き取り手段と、がシート流れ方向に組み込まれ、
かつ、連続シートが前記ローション薬液及びサイズ剤の付与手段を経由して前記積層手段に供給される搬送経路と、連続シートが前記ローション薬液及びサイズ剤の付与手段を経由しないで前記積層手段に供給される搬送経路とを有するものを用い;
複数の一次原反ロールから繰り出される一部の一次連続シートを前記ローション薬液及びサイズ剤付与手段を経由して積層手段に供給し、他の一部の一次連続シートを前記ローション薬液及びサイズ剤の付与手段を経由せずに積層手段に供給し、
前記積層手段にて、ローション薬液及びサイズ剤の付与手段を経由したローション薬液及びサイズ剤が付与された連続シートとローション薬液及びサイズ剤の付与手段を経由しない連続シートをと積層一体化し、
前記プライマシンにより得られた、薬液が付与された二次原反ロールを、マルチスタンド式インターフォルダの折り畳み機構部に対応して多数セットし、前記マルチスタンド式インターフォルダにおいて、各二次原反ロールからの二次連続シートを前記折り畳み機構部にそれぞれ送り込み、二次連続シートを折り畳み各二次連続シートの側端部を掛け合わせしながら積み重ねられた積層帯を得て、
その後に流れ方向に所定の間隔をおいて裁断してティシュペーパー束とし、そのティシュペーパー束を収納箱に収納した、
ことを特徴とする、ローション薬液及びサイズ剤が付与されたティシュペーパー製品。
ローション薬液及びサイズ剤の付与手段において、連続シートに対して先にローション薬液を付与し、その後にサイズ剤を付与した請求項1記載のローション薬液及びサイズ剤が付与されたティシュペーパー製品。
ローション薬液及びサイズ剤の付与手段において、連続シートにローション薬液及びサイズ剤を付与するにあたり、ローション薬液及びサイズ剤の付与手段の後段の積層手段において積層連続シートとした際に、積層外面となる面にローション薬液を付与した請求項1又は2記載のローション薬液及びサイズ剤が付与されたティシュペーパー製品。
ローション薬液及びサイズ剤が付与されたティシュペーパー製品の製造方法であって、
抄紙設備により抄造され巻き取られた一次原反ロールから連続的にティシュペーパー製品用の二次原反ロールを製造するプライマシンとして;
連続シートの一方面にローション薬液を付与し他方面にサイズ剤を付与するローション薬液及びサイズ剤の付与手段と、
連続シートの一方面にサイズ剤を付与するサイズ剤付与手段と、
複数の連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層手段と、
積層連続シートに対してコンタクトエンボスを付与するコンタクトエンボス付与手段と、
積層連続シートをティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット手段と、
スリットされた各積層連続シートを同軸で巻き取ってティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅の二次原反ロールを形成する巻き取り手段と、がシート流れ方向に組み込まれ、
かつ、連続シートが前記ローション薬液及びサイズ剤の付与手段を経由して前記積層手段に供給される搬送経路と、連続シートが前記サイズ剤付与手段を経由しれ前記積層手段に供給される搬送経路とを有するものを用い;
複数の一次原反ロールから繰り出される一部の一次連続シートを前記ローション薬液及びサイズ剤付与手段を経由して積層手段に供給し、他の一部の一次連続シートを前記サイズ剤付与手段を経由して積層手段に供給し、
前記積層手段にて、ローション薬液及びサイズ剤の付与手段を経由したローション薬液及びサイズ剤が付与された連続シートとサイズ剤付与手段を経由してサイズ剤が付与された連続シートをと積層一体化することとし、
前記プライマシンにより得られた、薬液が付与された二次原反ロールを、マルチスタンド式インターフォルダの折り畳み機構部に対応して多数セットし、前記マルチスタンド式インターフォルダにおいて、各二次原反ロールからの二次連続シートを前記折り畳み機構部にそれぞれ送り込み、二次連続シートを折り畳み各二次連続シートの側端部を掛け合わせしながら積み重ねられた積層帯を得て、
その後に流れ方向に所定の間隔をおいて裁断してティシュペーパー束とし、そのティシュペーパー束を収納箱に収納した、
ことを特徴とする、ローション薬液及びサイズ剤が付与されたティシュペーパー製品。
ローション薬液及びサイズ剤が付与されたティシュペーパーが収納箱に収納されたティシュペーパー製品であって、
収納箱上面の開口からティシュペーパーを引き出す際の引出し方向がティシュペーパーの横方向とされ、かつ、
前記ティシュペーパーが、2プライであり、その一方のプライは積層外面にローション薬液が付与され積層内面にサイズ剤が付与され、他方のプライはローション薬液を含むものである、ことを特徴とするティシュペーパー製品。
〔抄紙工程:一次原反ロールの製造方法及び製造設備〕
本発明にかかる一次原反ロールJR(ジャンボロールとも称される)は、図1に示す抄紙設備例X1により、以下のようにして製造することができる。
クレープ率:{(製紙時のドライヤーの周速)−(リール周速)}/(製紙時のドライヤーの周速)×100。
本発明においては、抄紙設備X1で製造された一次原反ロールJRを、図2に例示するプライマシンX2において、特徴的に、水系のローション薬液とサイズ剤とが付与された二次原反ロールRを製造する。
本第1の実施形態にかかるプライマシンX2は、一次原反ロールJRを2つ以上セット可能であり、各一次原反ロールJR,JRから繰り出した一次連続シート(図示例ではS11、S12)は、その連続方向に沿って積層して積層連続シートS2とする重ね合わせ部(積層手段)51に供給されるように構成されている。ここで重ね合わせ部51はガイドロール或いは一対のニップロールで構成され、各一次連続シートS11,S12を積層して各一次連続シートを積層する。
他方、本発明にかかるプライマシンX2においては、重ね合わせ部51から巻き取り部56までの間にカレンダー部52を一つ以上設けて積層連続シートS2に対してカレンダー加工をすることができる。図示例では、好ましく、重ね合わせ部51の後段であってプライ剥離部の前段に設けて連続シートS11、S12が積層された状態でカレンダー処理を行なえるようにしている。
本第1の実施形態にかかるプライマシンX2は、カレンダー部52の後段に積層連続シートS2を一次的に各連続シートS11,S12に分離されるプライ剥離部57が設けられている。このプライ剥離部57は、積層連続シートS2を構成する各連続シートS11,S12がそれぞれ後段の別の搬送経路となるように適宜にガイドローラを設けることで構成することができる。特段、プライ剥離のための剥離装置等を別途に設ける必要はない。
本第1の実施の形態では、プライマシンX2は、ローション薬液及びサイズ剤の付与手段53を有し、プライ剥離部57で分離された一方の連続シートS11がローション薬液及びサイズ剤の付与手段53に供給され、そこで当該連続シートS11の各面に対して連続的に水系のローション薬液とサイズ剤と付与するローション薬液・サイズ剤与工程が行なわれる。
本第1の実施形態にかかるプライマシンX2は、上記プライ剥離部57で分けられた各連続シートS11,S12を再度積層する再重ね合わせ部58を有し、この再重ね合わせ部58で、ローション薬液及びサイズ剤の付与手段53を経てローション薬液とサイズ剤が各面に付与された連続シートS11と前記ローション薬液及びサイズ剤の付与手段53をバイパスされた連続シートS12とが積層される。
本第1の実施形態にかかるプライマシンX2は、コンタクトエンボス付与手段54を有し、水系ローション薬液及びサイズ剤が付与された積層連続シートS2がコンタクトエンボス手段54に供給される。コンタクトエンボス付与手段54は、図4に示すように、金属ロール又は弾性ロールである受けロール54Bと表面に細かい凸部54Cを有する金属製で硬質のコロ54Aとが所定の圧力を有して相互に外周面同士を当接しつつ、それぞれ回転可能に設置されている。そして、積層連続シートS2におけるティシュペーパー製品の幅L1の幅方向中央に該当する部分に対して、左右各2つずつ存在する凸部54Cと、受けロール54Bとの間で積層連続シートS2を挟みつつ搬送することで、積層連続シートS2に対して、積層連続シートS2の連続方向に沿って層間剥離を防止するライン状のコンタクトエンボスCEを施すようになっている。
本第1の実施形態にかかるプライマシンX2は、コンタクトエンボス付与手段54の後段にスリット手段55を有し、水系ローション薬液及びサイズ剤が付与されコンタクトエンボスが付与された積層連続シートS2がスリット手段55に供給される。
ここで、本発明におけるプライマシンX2においては、二次原反ロールRを製造するにあたって、加工速度を350〜1100m/分、好ましくは700〜1100m/分、より好ましくは900〜1000m/分とするのが望ましい。350m/分未満だと十分な生産性とは言えない。他方、1100m/分超過であると安定的に生産するのが困難となる。特に700m/分、より好ましく900m/分であると後段のマルチスタンド式インターフォルダへの供給、十分なストック管理が可能になるなど生産性を高めるうえで好ましい。1000m/分以下とすると安定性がより優れる。
上述のプライマシンX2で製造された二次原反ロールRは、マルチスタンド式インターフォルダに多数セットされ、セットされた二次原反ロールRから二次連続シートを繰り出して折り畳むと共に積層することによってティシュペーパー束が製造される。以下では、そのマルチスタンド式インターフォルダの一例について説明する。
次いで、本発明の第2の実施形態を図14を特に参照しながら説明する。なお、本形態はプライマシンX2における一部工程が第1の実施形態と異なる態様である。〔抄紙工程:一次原反ロールの製造方法及び製造設備〕及び〔マルチスタンド式インターフォルダにおける工程及び収納工程〕については第1の実施形態と同様であり、上記説明のとおりである。
次いで、本発明の第3の実施形態を図16を特に参照しながら説明する。本形態もまたプライマシンX2における一部工程が第1の実施形態と異なる態様である。〔抄紙工程:一次原反ロールの製造方法及び製造設備〕及び〔マルチスタンド式インターフォルダにおける工程及び収納工程〕については第1の実施形態と同様であり、上記説明のとおりである。
上記各実施形態に共通するプライマシンX2におけるローション薬液、サイズ剤の付与装置(薬液付与手段53を構成する装置53A、53B)の具体例について以下さらに詳述する。なお、ローション薬液、サイズ剤(サイズ薬液)の付与装置は、共通の形式のものを用いることができ、以下、ローション薬液、サイズ剤(サイズ薬液)の付与装置を分けることなく単に薬液付与装置の例として説明する。また、ローション薬液、サイズ剤(サイズ薬液)を区別しない場合には単に『薬液』と称して説明する。ローション薬液、サイズ剤で特に異なる点については適宜、説明する。
薬液付与手段53としてフレキソ印刷機を用いた例は図18〜24を参照しながら説明する。フレキソ印刷は樹脂性の弾力性がある刷版を用いるため積層連続シートS11,S12或いは各連続シートS11,S13(以下、単に連続シートS11等という)の表面にクレープの多少の凹凸があっても印圧で調整可でありムラのない塗工が可能であり、特に700m/分以上、更に900m/分の高速塗工を行なってもローション薬液、サイズ剤付与後の連続シートS11等にシワが入り難くなる。また、一つのロールで幅広い薬液の粘度に対応でき、管理、設備メンテナンスの点で利点があり、生産性向上の点でも優れる。
フキレソ印刷におけるドクターチャンバー形式を本発明に適用した形態例を、特に図18〜図23を参照しながら説明する。
次いで、フキレソ印刷における2ロール転写形式を適用した形態例を図24を参照しながら説明する。本形態例でも、連続シートS11等の表裏面にローション薬液とサイズ剤を付与すべく二つのフレキソ印刷機91C,91Dを用いた例で説明する。各印刷機91C,91Dにおいては、薬液Lの入っている薬液タンク98C,98Dに回転可能な絞りロールでもあるディップロール92C,92Dが浸され、このディップロール92C,92Dが薬液タンク98C,98D外で回転可能なアニロックスロール93C,93Dに接しており、適当に薬液量が調整され量の薬液をアニロックスロール93C,93Dに受け渡す。薬液Lをアニロックスロール93C,93Dに受け渡すに、ディップロール92C,92Dを介することから2ロール転写方式と称される。ここで、ディップロール92C,92Dは薬液タンク98C,98Dから薬液Lを取り上げるとともに過剰な薬液をそのままアニロックスロール93C,93Dに受け渡さないようにする調整する役割を果たす。
次いで、フキレソ印刷における1ロール転写形式を本発明に適用した場合の形態例を説明する。この例は、前述の2ロール転写形式からディップロールを省略したものである(図面は省略する)。この場合、アニロックスロールが、それぞれ薬液タンクに浸されつつ回転可能に設置される。また、これらのアニロックスロールに対しては、アニロックスロール表面の薬液を掻き取るドクターブレードを設置する。このようなフレキソ1ロール転写形式は、メンテナンスが比較的容易であるという利点や、ブレードの摩耗やサイズ薬液中の紙粉等の異物の混入状態を容易に目視できるという利点を有している。
本発明においては付与装置53A,53B,53Cとしてグラビア印刷機を用いることができる。グラビア印刷機の具体例としては、ダイレクトグラビアコーター又はオフセットグラビアコーターなどが例示できる。グラビア印刷を採用する場合、特にローション薬液の付与の場合、グラビアロールの線数は、40〜160線とし、好ましくは60〜140線、特に好ましくは80〜120線である。線数が40線未満であると薬液飛散量が多くなってしまい、他方、線数が160線超過であると紙粉が詰まり易くなる。
薬液付与装置53A、53B、53Cとしてスプレー塗工装置110を用いた例を図25〜29を参照しながら説明する。本形態例では、薬液付与手段53で行なうように、連続シートS11等の各面に薬液を付与する場合、図25に示すように、側方から連続シートS11等の各面に噴霧可能にペーパーランを設計すればよい。
薬液付与装置53A,53B,53Cとしてインクジェット印刷機130を用いる例を図30〜31を参照しながら説明する。
薬液付与装置としてカーテンコーター150を用いた例を説明する。カーテンコーター150としては、例えば、図32に示される従来既知のカーテンコーターが使用できる。なお、カーテンコーターは、薬液の膜を垂下させることから、連続シートS11等に塗工する場合には連続シートS11等の塗工面が上方に位置するようにペーパーランを設計する。なお、かかるカーテンコーターはローション薬液の付与に用いることができるが、サイズ薬液の付与には付与量等の点から採用し難い。
表2は、図14に示すプライマシンX2により製造した第2の実施形態にかかる製造方法による実施例(図15に示す構造例)と比較例との対比を示している。
表3は、図16に示すプライマシンX2により製造した第3の実施形態にかかる製造方法による実施例(図17に示す構造例)と比較例との対比を示している。
また、表中の比較例については、比較例A1は非保湿系の汎用ティシュペーパーの市販品、比較例A2は、薬液のみを付与した比較例、比較例A5、A6は非保湿系で米坪、紙厚の高い高級タイプのティシュペーパーの市販品である。
米坪・・・JIS P 8124(1998)に準じて測定した。2プライのティシュー製品の場合、2プライのシートの平均米坪を記載した。
紙厚・・・JIS P 8111(1998)の条件下で、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定されるものである(JIS P 8118(1998)に準じる)。
製品密度・・・製品の密度は、JIS P 8111 条件下において調湿させたティシュペーパー製品米坪を2倍した値(C)を、「PEACOCK G型」によるティシュペーパー(2プライ)での紙厚(D)で除した値で、単位をg/cm3、小数点3桁で表す。
乾燥引張強度・・・JIS P 8113(1998)の引張試験方法に準じて測定されるものである。
湿潤引張強度・・・JIS P 8135(1998)に準じて測定されるものである。
伸び率・・・ミネベア株式会社製「万能引張圧縮試験機 TG−200N」を用いて測定されるものである。
ソフトネス・・・JIS L1096 E法に準じたハンドルオメータ法に基づいて測定されるものである。但し、試験片は100mm×100mmの大きさとし、クリアランスは5mmで実施した。1プライで縦方向、横方向の各々5回ずつ測定し、その全10回の平均値を小数点1桁とし、cN/100mmを単位として表した。
MMD・・・静摩擦係数の平均偏差MMDである。MMDは滑らかさの指標の一つであり、数値が小さいほど滑らかであり、数値が大きいほど滑らかさに劣るとされる。なお、MMD値の測定方法としては、図33(a)に示すように、摩擦子212の接触面を所定方向(図33(a)における右斜め下方向)に20g/cmの張力が付与された測定試料であるティシュペーパー211の表面に対して25gの接触圧で接触させながら、張力が付与された方向と略同じ方向に速度0.1cm/sで2cm移動させる。このときの、摩擦係数を、摩擦感テスター KES−SE(カトーテック株式会社製)を用いて測定し、その摩擦係数を摩擦距離(移動距離=2cm)で除した値をMMD値とした。なお、摩擦子212は、直径0.5mmのピアノ線Pを20本隣接させてなり、長さ及び幅がともに10mmとなるように形成された接触面を有している。接触面には、先端が20本のピアノ線P(曲率半径0.25mm)で形成された単位膨出部が形成されている。なお、図33(a)には、摩擦子212を模式的に表し、図33(b)には、図33(a)における一点鎖線で囲まれた部分の拡大図を示すものとする。
水分率・・・JIS P 8111(1998)の環境下で平衡状態になった後に、JIS P 8127に準じて測定されるものである。
付与量・・・付与量とは、JIS P 8111の標準状態におけるティシュペーパーの単位面積に対し含まれる乾燥状態(絶乾)の薬液或いはサイズ剤の成分の付与量を示し、具体的には、付与した薬液中の水分以外の成分の含有量を示すものとする。このティシュペーパーの単位面積とは、プライされたシートを平面に垂直線上にある視点から見た面積であり、プライされた各シート、およびその表裏面の合計面積を意味しない。
薬液含有率・・・薬液含有率とは、JIS P 8111 条件下において調湿させた所定質量のティシュペーパー製品を分母(A)(g)とし、所定質量のティシュペーパー製品中に含まれる薬液中の水分を除いた質量(B)(g)を分子として、(B)を(A)で除した比率を(%)で表す。(薬液含有率%)=(B)÷(A)×100(%)
官能評価・・・消費者87人を対象に、やわらかさ、なめらかさ、厚み感、しっとり感について下記の基準に基づく官能評価を行った。なお、評価基準は、薬液が付与されていない非保湿系の汎用ティシュペーパーの成績をすべて「3」とし、「大変優れている」と感じたものについては「5」、「優れている」と感じたものについては「4」、「基準と同等」と感じたものについては「3」、「劣る」と感じたものについては「2」、「顕著に劣る」と感じたものについては「1」とした。さらに、ベタつき感の有無についても評価を行い、評価基準は、「ベタつき感が少ない」ものを「○」とし、「明らかにベタつき感がある」ものを「×」とした。
裏抜け評価・・・ガラス製のシャーレの受け皿部にそれより大きめの試料を置き、中央部を窪ませる。その窪みに水分0.1ccを静かに滴下し30秒後に、その浸透度合いをシャーレの下方より目視で確認する。浸透している部分があれば「×」、浸透している部分が無ければ「○」とした。
吸水度とは、JIS S−3104で記載された「吸水度」のことで、一定量の水分をティシュー表面で吸水する秒数を測定したものである。ティシューの両表側の面を各々5回測定し、計10回の測定値を平均したものを秒数で表す。
52・・・カレンダー手段(平滑化工程)
53・・・ローション薬液及びサイズ剤付与手段(ローション薬液及びサイズ剤付与工程)
54・・・コンタクトエンボス手段(コンタクトエンボス工程)
55・・・スリット手段(スリット工程)
56・・・巻き取り手段(巻き取り工程)
S11、S12・・・連続シート
S2・・・積層連続シート
JR・・・一次原反ロール
R・・・二次原反ロール
Claims (5)
- ローション薬液及びサイズ剤が付与されたティシュペーパー製品であって、
抄紙設備により抄造され巻き取られた一次原反ロールから連続的にティシュペーパー製品用の二次原反ロールを製造するプライマシンとして;
連続シートの一方面にローション薬液を付与し他方面にサイズ剤を付与するローション薬液及びサイズ剤の付与手段と、
複数の連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層手段と、
積層連続シートに対してコンタクトエンボスを付与するコンタクトエンボス付与手段と、
積層連続シートをティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット手段と、
スリットされた各積層連続シートを同軸で巻き取ってティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅の二次原反ロールを形成する巻き取り手段と、がシート流れ方向に組み込まれ、
かつ、連続シートが前記ローション薬液及びサイズ剤の付与手段を経由して前記積層手段に供給される搬送経路と、連続シートが前記ローション薬液及びサイズ剤の付与手段を経由しないで前記積層手段に供給される搬送経路とを有するものを用い;
複数の一次原反ロールから繰り出される一部の一次連続シートを前記ローション薬液及びサイズ剤付与手段を経由して積層手段に供給し、他の一部の一次連続シートを前記ローション薬液及びサイズ剤の付与手段を経由せずに積層手段に供給し、
前記積層手段にて、ローション薬液及びサイズ剤の付与手段を経由したローション薬液及びサイズ剤が付与された連続シートとローション薬液及びサイズ剤の付与手段を経由しない連続シートをと積層一体化し、
前記プライマシンにより得られた、薬液が付与された二次原反ロールを、マルチスタンド式インターフォルダの折り畳み機構部に対応して多数セットし、前記マルチスタンド式インターフォルダにおいて、各二次原反ロールからの二次連続シートを前記折り畳み機構部にそれぞれ送り込み、二次連続シートを折り畳み各二次連続シートの側端部を掛け合わせしながら積み重ねられた積層帯を得て、
その後に流れ方向に所定の間隔をおいて裁断してティシュペーパー束とし、そのティシュペーパー束を収納箱に収納した、
ことを特徴とする、ローション薬液及びサイズ剤が付与されたティシュペーパー製品。 - ローション薬液及びサイズ剤の付与手段において、連続シートに対して先にローション薬液を付与し、その後にサイズ剤を付与した請求項1記載のローション薬液及びサイズ剤が付与されたティシュペーパー製品。
- ローション薬液及びサイズ剤の付与手段において、連続シートにローション薬液及びサイズ剤を付与するにあたり、ローション薬液及びサイズ剤の付与手段の後段の積層手段において積層連続シートとした際に、積層外面となる面にローション薬液を付与した請求項1又は2記載のローション薬液及びサイズ剤が付与されたティシュペーパー製品。
- ローション薬液及びサイズ剤が付与されたティシュペーパー製品であって、
抄紙設備により抄造され巻き取られた一次原反ロールから連続的にティシュペーパー製品用の二次原反ロールを製造するプライマシンとして;
連続シートの一方面にローション薬液を付与し他方面にサイズ剤を付与するローション薬液及びサイズ剤の付与手段と、
連続シートの一方面にサイズ剤を付与するサイズ剤付与手段と、
複数の連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層手段と、
積層連続シートに対してコンタクトエンボスを付与するコンタクトエンボス付与手段と、
積層連続シートをティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット手段と、
スリットされた各積層連続シートを同軸で巻き取ってティシュペーパー製品の製品幅又はその複数倍幅の二次原反ロールを形成する巻き取り手段と、がシート流れ方向に組み込まれ、
かつ、連続シートが前記ローション薬液及びサイズ剤の付与手段を経由して前記積層手段に供給される搬送経路と、連続シートが前記サイズ剤付与手段を経由しれ前記積層手段に供給される搬送経路とを有するものを用い;
複数の一次原反ロールから繰り出される一部の一次連続シートを前記ローション薬液及びサイズ剤付与手段を経由して積層手段に供給し、他の一部の一次連続シートを前記サイズ剤付与手段を経由して積層手段に供給し、
前記積層手段にて、ローション薬液及びサイズ剤の付与手段を経由したローション薬液及びサイズ剤が付与された連続シートとサイズ剤付与手段を経由してサイズ剤が付与された連続シートをと積層一体化することとし、
前記プライマシンにより得られた、薬液が付与された二次原反ロールを、マルチスタンド式インターフォルダの折り畳み機構部に対応して多数セットし、前記マルチスタンド式インターフォルダにおいて、各二次原反ロールからの二次連続シートを前記折り畳み機構部にそれぞれ送り込み、二次連続シートを折り畳み各二次連続シートの側端部を掛け合わせしながら積み重ねられた積層帯を得て、
その後に流れ方向に所定の間隔をおいて裁断してティシュペーパー束とし、そのティシュペーパー束を収納箱に収納した、
ことを特徴とする、ローション薬液及びサイズ剤が付与されたティシュペーパー製品。 - ローション薬液及びサイズ剤が付与されたティシュペーパーが収納箱に収納されたティシュペーパー製品であって、
収納箱上面の開口からティシュペーパーを引き出す際の引出し方向がティシュペーパーの横方向とされ、かつ、
前記ティシュペーパーが、2プライであり、その一方のプライは積層外面にローション薬液が付与され積層内面にサイズ剤が付与され、他方のプライはローション薬液を含むものである、ことを特徴とするティシュペーパー製品。
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