JP5711003B2 - ティシュペーパー製品の製造方法及びティシュペーパー製品用の二次原反ロールの製造方法 - Google Patents

ティシュペーパー製品の製造方法及びティシュペーパー製品用の二次原反ロールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ティシュペーパー製品の製造方法に関し、特に、プライマシンで薬液が塗布された二次連続シートを巻取った二次原反ロールを、マルチスタンド式インターフォルダに供給して、薬液が塗布されたティシュペーパー製品を製造する方法に関する。
ティシュペーパーの箱詰め製品は、一般的に、インターフォルダ(折り畳み設備)によって複数の連続するティシュペーパーを折り畳みながら積み重ね、所定の長さに切断するなどしてティシュペーパー束を得、このティシュペーパー束を収納箱(ティシュカートン)内に収納することによって製造される。
このようなインターフォルダの例として、下記特許文献1、2に開示されるようなマルチスタンド式インターフォルダや、下記特許文献3、4に開示されるようなロータリー式インターフォルダなどが知られている。
マルチスタンド式インターフォルダを用いた製造方法の従来例としては、次のようなものがある。すなわち、抄紙設備において薄葉紙を抄造して巻き取ることで一次原反ロール(一般にジャンボロールともいわれている)を製造し、次いで、この一次原反ロールをプライマシンにセットし、複数の一次原反ロールから繰り出した一次連続シートを重ね合わせて巻き取ると共にスリット(幅方向にティシュペーパー製品幅又はその複数倍幅に分割)し、複数のプライからなる二次原反ロールを製造する。
プライマシンで製造された二次原反ロールは、プライマシンから取り出された後、必要な数だけマルチスタンド式インターフォルダにセットされる。次いで、二次原反ロールから二次連続シートを繰り出して、折り畳み機構部へ送り込み、ここで折り畳みながら積み重ね、その後、所定の長さに切断されてティシュペーパー束とし、収納箱内に収納する。
このようなマルチスタンド式インターフォルダを用いた製造方法は、他の折り畳み設備を用いた製造方法に比べて、多数(通常80〜120基)の折り畳み機構を有しているため生産性が高いという利点を有している。
他方、ティシュペーパー製品においては、保湿剤や柔軟剤などの水系のローション薬液が付与されたものの需要が拡大しており、例えば下記特許文献5〜7に開示されるような製造方法や設備が種々提案されている。このようなティシュペーパー製品は、ロータリー式インターフォルダで製造されるのが一般的である(例えば下記特許文献5)。しかし、ロータリー式インターフォルダは、加工方向と垂直方向に折り畳みと裁断を同時に行なうため、生産性が低いという欠点がある。
米国特許4052048号公報(特公昭55−1215号公報) 特開2006−240750号公報 特開昭61−37668号公報 特開平5−124770号公報 特開2004−322034号公報 特表2008−525103号公報 特開2008−264564号公報 特開昭63−123743号公報 特開2009−220991号公報 特開2000−229753号公報 特開2009−298534号公報
そこで、本発明者等は、まず、薬液が付与されたティシュペーパー製品を、ロータリー式インターフォルダに比して生産性の高いマルチスタンド式インターフォルダを用いた製造方法で製造することを考えたものの、マルチスタンド式インターフォルダを用いた製造方法で製造する場合、プライマシンやマルチスタンド式インターフォルダとは別に薬液付与設備を設けると、原反ロールの移送の手間や多大な設備コストがかかり、却って生産効率が低下する。
また、薬液付与装置をマルチスタンド式インターフォルダに設けると、薬液を付与するティシュペーパー製品を製造するライン(マルチスタンド式インターフォルダ)と、薬液を付与しないティシュペーパー製品を製造するライン(マルチスタンド式インターフォルダ)とを分ける必要がある。マルチスタンド式インダーフォルダはロータリー式インターフォルダよりも設置面積を要するため、かかる方法も現実的ではない。
また、マルチスタンド式インターフォルダでは、薬液が塗布された二次原反ロール(以下、単に二次原反ロールともいう)を用いると、二次原反ロールの巻きずれが発生するという問題がある。ここで、この巻きずれの問題について詳述する。
マルチスタンド式インターフォルダで用いられる二次原反ロールは、ティシュペーパー幅の複数倍幅の連続シートを巻取ったものでロータリー式インターフォルダに用いるものと比較すると小幅なものを用いることが多い。
他方、薬液が塗布された二次原反ロールを構成する二次連続シートは、薬液そのものによる作用の他、薬液塗布によりクレープが伸ばされることによって、シート表面の摩擦抵抗が非薬液塗布の二次連続シートよりも低くなる傾向にある。また、二次原反ロールは製造から使用までに所定時間を要するため、薬液塗布された二次原反ロールでは、二次原反ロールの状態で薬液の拡散浸透、吸湿が生じクレープが伸び、上記表面の摩擦抵抗の低下が増長される傾向にある。さらに、二次原反ロールとされた後の吸湿等によって二次連続シートが伸ばされる場合、二次原反ロールの巻きそのものが緩められる。これは、水系のローション薬液において特に顕著となる。
そして、このような薬液塗布に起因する要因と小幅の形状とが相まって、マルチスタンド式インターフォルダで薬液付与の二次原反ロールから二次連続シートの巻き出しを行なうと、二次原反ロールの外周側については二次連続シートの巻きだしに応じた適正な速度で回転するものの、二次原反ロールの巻き芯側では外周部に加えられる回転力に伴い巻き芯側の回転速度が外周面側に比して遅くなったり、早くなったりすることがあり、これにより芯側と外周面側で、巻き流れ方向及びその幅方向において断層面が生じ巻きずれが発生する。
また、マルチスタンド式インターフォルダでは原反支持部への二次原反ロールの取り付けの際等に二次原反ロールを転がして移動させることがよく行なわれる。そして、このような二次原反ロールの良く行なわれる移送時にも巻きずれが発生する。
このように巻きずれが発生した場合には、二次原反ロールから巻き出された二次連続シートが進行方向に対して左右に、および/または前後にずれて折り畳み機構部に供給され、この結果製造されたティシュペーパー製品にしわが入る、あるいは折込み不良となる、さらに、折込み不良によってポップアップ機構が不連続なものとなるなどの問題が生ずる。
以上のようにマルチスタンド式インターフォルダにおいて薬液が付与されたティシュペーパー製品を製造するには種々の問題があった。
そこで、本発明の主たる課題は、マルチスタンド式インターフォルダを利用して薬液が付与されたティシュペーパー製品を低コストかつ生産性高く製造するティシュペーパーの製造方法を提供することにある。
なお、ロール紙等の巻き取りに関しては、上記特許文献8〜11に示される技術が開示されているが、二次原反ロールからの二次連続シートの巻き出し時における巻きずれを防止するようなものではない。
上記課題を解決するための手段及びそれらの作用効果は次記のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
薬液が付与されたティシュペーパー製品の製造方法であって、
抄紙設備により抄造され巻き取られた一次原反ロールから連続的にティシュペーパー製品用の二次原反ロールを製造するプライマシンとして;
複数の一次原反ロールから繰り出される連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層手段と、
積層連続シートに対して薬液を付与する薬液付与手段と、
積層連続シートに対してコンタクトエンボスを付与するコンタクトエンボス付与手段と、
積層連続シートをティシュペーパー製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット手段と、
スリットされた各積層連続シートを同軸で巻き取ってティシュペーパー製品幅又はその複数倍幅の二次原反ロールを複数形成する巻き取り手段と、をシート流れ方向にこの順に組み込んだものを用い;
前記プライマシンにて、二次原反ロールを製造するにあたって、巻き取り後期の所定長さの積層連続シートに対して薬液を付与しないこととして、外周部に薬液非付与の積層連続シートが巻かれた複数の二次原反ロールを製造し、
前記プライマシンにより得られた、外周部に薬液非付与の積層連続シートが巻かれた部分を有する各二次原反ロールを、マルチスタンド式インターフォルダの折り畳み機構部に対応して多数セットし、前記マルチスタンド式インターフォルダにおいて、各二次原反ロールからの二次連続シートを前記折り畳み機構部にそれぞれ送り込み、二次連続シートを折り畳み各二次連続シートの側端部を掛け合わせしながら積み重ねられた積層帯を得て、
その後に流れ方向に所定の間隔をおいて裁断してティシュペーパー束とし、そのティシュペーパー束を収納箱に収納してティシュペーパー製品を得る、
ことを特徴とする、薬液が付与されたティシュペーパー製品の製造方法。
〔請求項2記載の発明〕
前記プライマシンが、前記積層手段と前記薬液付与手段との間にカレンダー部を有するものとし、前記カレンダー部において積層連続シートに対してカレンダー加工を行なう、請求項1記載の薬液が塗布されたティシュペーパー製品の製造方法。
〔請求項3記載の発明〕
前記プライマシンにおける前記薬液付与手段がフレキソ印刷方式によるものである、請求項1記載の薬液が塗布されたティシュペーパー製品の製造方法。
〔請求項4記載の発明〕
前記プライマシンで二次原反ロールを製造するにあたって、巻き直径を1000〜2000mm、巻き長さを8000〜20000m、幅を350mm〜1200mm、薬液非付与部分の積層連続シートの長さを80m〜250mとする請求項1記載の薬液が付与されたティシュペーパー製品の製造方法。
〔請求項5記載の発明〕
積層連続シートを構成する一次連続シートの坪量を10〜30g/m2、薬液付与手段における積層連続シートへの薬液付与量を0.3〜5.0g/m2とする請求項1記載の薬液が付与されたティシュペーパー製品の製造方法。
〔請求項記載の発明〕
薬液が付与されたティシュペーパー製品用の二次原反ロールの製造方法であって、
抄紙設備により抄造され巻き取られた一次原反ロールから連続的にティシュペーパー製品用の二次原反ロールを製造するプライマシンとして;
複数の一次原反ロールから繰り出される連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層手段と、
積層連続シートに対して薬液を付与する薬液付与手段と、
積層連続シートに対してコンタクトエンボスを付与するコンタクトエンボス付与手段と、
積層連続シートをティシュペーパー製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット手段と、
スリットされた各積層連続シートを同軸で巻き取ってティシュペーパー製品幅又はその複数倍幅の二次原反ロールを複数形成する巻き取り手段と、をシート流れ方向にこの順に組み込んだものを用い;
前記プライマシンにて、二次原反ロールを製造するにあたって、巻き取り後期の所定長さの積層連続シートに対して薬液を付与しないこととして、外周部に薬液非付与の積層連続シートが巻かれた複数の二次原反ロールを製造することを特徴とする、薬液が付与されたティシュペーパー製品用の二次原反ロールの製造方法。
〔請求項記載の発明〕
前記プライマシンが、前記積層手段と前記薬液付与手段との間にカレンダー部を有するものとし、前記カレンダー部において積層連続シートに対してカレンダー加工を行なう、請求項記載の薬液が付与されたティシュペーパー製品用の二次原反ロールの製造方法。
〔請求項記載の発明〕
前記プライマシンにおける前記薬液付与手段がフレキソ印刷方式によるものである、請求項記載の薬液が付与されたティシュペーパー製品用の二次原反ロールの製造方法。
〔請求項記載の発明〕
前記プライマシンで二次原反ロールを製造するにあたって、巻き直径を1000〜2000mm、巻き長さを8000〜20000m、幅を350mm〜1200mm、薬液非付与部分の積層連続シートの長さを80m〜250mとする請求項記載の薬液が付与されたティシュペーパー製品用の二次原反ロールの製造方法。
〔請求項10記載の発明〕
積層連続シートを構成する一次連続シートの坪量を10〜30g/m2、薬液付与手段における積層連続シートへの薬液付与量を0.3〜5.0g/m2とする請求項記載の薬液が付与されたティシュペーパー製品用の二次原反ロールの製造方法。
本発明に係る製造方法により、スリット手段でティシュペーパー製品幅又はその複数倍幅となるよう製造されたティシュペーパー製品用二次原反ロールは、この後段でマルチスタンド式インターフォルダに多数セットされる。次いで、マルチスタンド式インターフォルダにセットされた二次原反ロールから二次連続シートを繰り出して、折り畳み機構部へ送り込み、ここで折り畳みながら積み重ね、その後、所定の長さに切断されてティシュペーパー束とし、収納箱内に収納する。
本発明では、ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備(プライマシン)において薬液が付与された積層連続シートを巻き取った二次原反ロールを製造するようにしている。このため、プライマシンやマルチスタンド式インターフォルダとは別に薬液付与設備を設ける場合と比較して、設備コストを低く抑えることができる。また、薬液を付与しないティシュペーパー製品を製造する場合は、ティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造手段において薬液付与手段を省略、バイパス或いは全部未塗布とするだけで良いため、製造の切り替えが容易にできる。
また、プライマシン及びマルチスタンド式インターフォルダを用いることとしたため、極めて高い生産性とすることができる。
他方、本発明では、前記プライマシンにて、二次原反ロールを製造するにあたって、巻き取り後期の所定長さの積層連続シートに対して薬液を付与しないこととして、外周部に薬液非付与の積層連続シートが巻かれた複数の二次原反ロールを製造する。このように外周部に薬液非付与部分が設けられた二次原反ロールは外周部における積層連続シートの薬液付与に起因する積層連続シートの伸びが発生しないため、二次原反ロールの巻き形状が崩れがたい。
従って、マルチスタンド式インターフォルダへの移送時に転がした際にも、載置面(床と接する部分)が型くずれし難くなり、これに起因する巻きずれの発生が防止される。
また、上記外周部に薬液非付与の積層連続シートが巻かれた二次原反ロールを用いると原因は定かではないが、マルチスタンド式インターフォルダでの二次連続シートの巻き出し時に巻きずれが発生しない。これは本発明者らにおいて知見している。恐らくは、外周部に薬液非付与の積層連続シートが巻かれた二次原反ロールは、薬液非付与の積層連続シートが比較的伸び難いことから、内側部の薬液付与シートの巻き取り部に圧力をかけ、原反ロールが締まることにより摩擦力が増し、巻きずれを生じ難いものと考えられる。
また、巻き出し時の巻きずれは、二次原反ロールから二次連続シートの巻き出し初期に頻発する。おそらく巻きずれは二次原反ロール外周部と二次原反ロール芯側との回転速度に差が生ずることが原因と考えられる。本発明の二次原反ロールでは、上記のとおり二次原反ロールの巻き形状が崩れがたい構造であるため、これが良好に作用しているものと考えられる。
他方、本発明では、プライマシンにおいてカレンダー加工することができ、このようにすると表面の滑らかさに優れるティシュペーパーが得られる。表面が滑らかな積層連続シートとすると二次原反ロールとした際に巻きずれが発生しやすくなるが、本発明では、上記のとおり巻きずれ防止策が講じられているため、かかるカレンダー加工によって積層連続シートの表面の滑らかさを向上させることを好適に行えるようになる。
ここで、プライマシンにおける前記薬液塗布手段は、フレキソ印刷方式によるものが好適である。フレキソ印刷方式は、フレキソ刷版ロールが樹脂製であり加工速度が高速であってもクレープ紙の凹凸に対応し塗布量を安定させることができる。また、アニロックスロールの線数やセル容量、フレキソ刷版ロールの線数や頂点面積率を変えることで、容易に幅広い薬液の粘度に対応し塗布量を安定させることができる。
他方、プライマシンで二次原反ロールを製造するにあたっては、巻き直径を1000〜2000mm、巻き長さを8000〜20000m、幅を350mm〜1200mm、薬液非付与部分の積層連続シートの長さを80m〜250mとするのが望ましい。上記巻き直径、巻き長さ、幅は本発明においてマルチスタンド式インターフォルダで加工を行なうに適した二次原反ロールであり、このような二次原反ロールにおいて巻き取り後期の外周部を構成する薬液非付与部分を構成する積層連続シートの長さを80m〜250mとすることで効果的に巻きずれが防止される。
他方、積層連続シートを構成する一次連続シートの坪量を10〜30g/m2、薬液付与手段における積層連続シートへの薬液付与量を0.3〜5.0g/m2とするのが望ましい。薬液による品質向上と巻きずれ防止効果が好適に発揮される。
以上のとおり、本発明では薬液が付与されたティシュペーパー製品をマルチスタンド式インターフォルダで効率よく生産することができるようになり、かかる薬液が付与されたティシュペーパー製品を高い生産性で製造することができるようなる。
なお、本発明にかかるプライマシンで製造された外周部に薬液非付与の積層連続シートが巻かれた複数の二次原反ロールは、ロータリー式インターフォルダに用いることも可能である。比較的小幅な二次原反ロールを用いるロータリー式インターフォルダにおいては巻きずれの発生が懸念されるが、本発明の二次原反ロールを用いれば、かかるロータリー式インターフォルダでも確実に巻きずれが防止される。
抄紙設備における一次原反ロールの製造方法を示す概略図である。 本発明にかかるプライマシンでの二次原反ロールの製造方法例を示す概略図である。 コンタクトエンボス付与工程を示す概略図である。 本発明にかかる二次原反ロールの側面図である。 マルチスタンド式インターフォルダの一例を示す概略図であり、正面から見た状態を示している。 マルチスタンド式インターフォルダの一例を示す概略図であり、側面から見た状態を示している。 マルチスタンド式インターフォルダの一例を示す概略図であり、正面から見た状態を示している。 折り畳まれたティシュペーパーの縦断面図である。 (a)ティシュペーパー束を収納箱に収納している様子を示す図である。(b)収納箱に収納されたティシュペーパーの取り出す様子を示す一部破断図である。 折り板に関する部位の要部拡大斜視図である。 二次連続シート(ティシュペーパー)の折り畳み方を示す要部拡大斜視図である。 二次連続シート(ティシュペーパー)の折り畳み方を示す要部拡大斜視図である。 二次連続シート(ティシュペーパー)の折り畳み方を示す要部拡大斜視図である。 薬液付与手段の一例を説明するための概略図である。 ドクターチャンバー式フレキソ印刷装置の一例を示す概略図である。 薬液供給装置の導出部の例を説明するための概略図である。 薬液供給装置の他の導出部の例を説明するための概略図である。 薬液供給装置の別の導出部の例を説明するための概略図である。 薬液供給装置で用いられるドクターチャンバーの構造を説明する図であって、(A)は2つの導入部と1つの導出部を有する構造を示し、(B)は3つの導入部と2つの導出部を有する構造を示し、(C)は導入部及び導出部がそれぞれ同数存在する構造を示している。 2ロール式フレキソ印刷装置の一例を示す概略図である。 薬液噴霧装置による薬液付与例を示す概略図である。 薬液噴霧装置による薬液付与例を示す他の概略図である。 薬液噴霧装置例の概略図である。 他の薬液噴霧装置例の概略図である。 ローターダンプニング方式の薬液噴霧装置例の概略図である。 インクジェット式印刷装置による薬液付与例を示す概略図である。 インクジェット式印刷装置のインクヘッドを示す概略図である。 カーテンコーターによる薬液付与例を示す概略図である。 薬液浸透過程を説明するための図である。 ティシュペーパーのMMD値の測定方法を示す図である。
次に、本発明の実施形態を説明する。なお、図中の矢印HDは水平方向を、矢印LDは上下方向を示している。
『第1の実施形態』
〔抄紙工程:一次原反ロールの製造方法及び製造設備〕
本発明にかかる一次原反ロールJR(ジャンボロールとも称される)は、図1に示す抄紙設備例X1により、以下のようにして製造することができる。
まず、ヘッドボックスからパルプスラリーに適宜の薬品を添加して予め調整した紙料がワイヤーパートのワイヤ上に供給して湿紙Wを形成する(フォーミング工程:図示しない)。
次にこの湿紙Wをプレスパート31のボトムフェルト31Bに移送し、その後、トップフェルト31T及びボトムフェルト31Bに挟持したまま、トップロール32とボトムロール33の間を通過させて搾水する(脱水工程)。
その後、搾水された湿紙Wを、トップフェルト31Tに載せた状態で、タッチロール34を介してヤンキードライヤー35の表面に付着させて乾燥させた後にドクターブレード36によって掻き剥がしてドライクレープを有する乾燥原紙S1(後述の一次連続シート)とする(乾燥工程)。ここで、湿紙の状態でクレープを行なうウェットクレープではなくドライクレープとすることでティシュペーパーに適した柔らかなクレープ加工紙となる。
そして、このクレープ加工された乾燥原紙S1をワインディングドラム37を有する巻き取り手段38によって、前記乾燥原紙S1の裏面が一次原反ロールJRの軸側に対向するようにして(巻き取り内面となるようにして)巻き取り、一次原反ロールJRとする(一次原反巻き取り工程)。
かかる一次原反ロールJRは、抄紙設備X1の性能によっても相違するが、概ね直径が1000〜5000mm、長さ(幅)が1500〜9200mm、巻き長さが5000〜80000mである。
なお、一次原反巻き取り工程の前段にドクターブレード36により掻き剥がした乾燥原紙S1に対してカレンダー工程(図示せず)を設け表裏面の平滑化処理をしてもよい。
ここで、乾燥原紙S1の裏面とは、ヤンキードライヤー35のシリンダと接していた面の反対側の面のことを意味する。なお、カレンダー工程の有無にもよるが一般には鏡面のヤンキードライヤーに接していた表面のほうが滑らかで表面性に優れる。
ここで、一次原反ロールJRを構成する一次連続シートS1は、後にティシュペーパーに加工されるものであり、最終製品を構成するティシュペーパーとほぼ同等の坪量となる。従って、これを考慮して一次連続シートS1は具体的にはJIS P 8124による坪量が、10〜30g/m2、好ましくは12〜25g/m2、より好ましくは13〜20g/m2とする。坪量が10g/m2未満であると、ティシュペーパーの柔らかさの点においては好ましいが、使用時の適正な強度の確保することが難しくなるとともに、後段のマルチスタンド式インターフォルダにおける加工が困難となる。さらに、鼻水等の裏抜けが効果的に防止することが困難となる。他方、坪量が30g/m2を超えると、ティシュペーパーが硬くなりすぎて、肌触りが悪化する。特に鼻水をかんだときにごわついた感じがするようになり使用感が悪化する。
また、紙厚(尾崎製作所製ダイヤルシックネスゲージにより測定)は50〜200μm、好ましくは60〜140μm、より好ましくは130〜180μmとするのが望ましい。
本発明にかかるティシュペーパーでは製品時の紙厚が120〜400μm、特に150〜350μmであるのが望ましく、特にこれを2プライ(2層又は2枚重ね)〜3プライ(3層又は3枚重ね)で達成するのが望ましい。上記一次連続シートS1の紙厚とするとティシュペーパーの製品時の当該範囲とすることができる。そして、製品時の紙厚が、120μm未満であると十分な紙力かつ鼻水の裏抜け防止性を達成するのが困難となり、400μmをこえると特に鼻水をかんだときにごわついた感じがするようになり使用感が悪化する。
また、一次連続シートS1は、クレープ率が8〜30%、好ましくは10〜22%である。クレープ率が8%未満であると、後段の加工時に断紙しやすいとともに伸びの少ないコシのないティシュペーパーとなる。他方、クレープ率が30%超過であると、加工時のシートの張力コントロールが難しく断紙しやすくなり、また、製造後にはシワが発生して見栄えの悪いティシュペーパーとなりやすくなる。
ここで、クレープ率とは、下式で表わされるものとする。
クレープ率:{(製紙時のドライヤーの周速)−(巻き取り手段におけるリール装置のリール周速)}/(製紙時のドライヤーの周速)×100。
また、一次連続シートS1は、JIS P 8113に規定される乾燥引張強度(以下、乾燥紙力ともいう)の縦方向が、2プライで200〜700cN/25mm、好ましくは250〜600cN/25mm、特に好ましくは300〜600cN/25mmとし、他方、横方向が、2プライで100〜300cN/25mm、好ましくは130〜270cN/25mm、特に好ましくは150〜250cN/25mmとするのが望ましい。原紙の乾燥引張強度が低すぎると、製造時及び使用時の断紙や伸び等のトラブルが発生し易くなり、高過ぎると使用時にごわごわした肌触りとなる。
これらの紙力は公知の方法により調整でき、例えば、乾燥紙力増強剤を紙料或いは湿紙に内添する、紙料のフリーネスを低下(例えば30〜40ml程度低下)させる、原料パルプのNBKP配合率を適宜変更する等の既知の手法を適宜組み合わせることができる。
なお、乾燥紙力増強剤としては、澱粉、ポリアクリルアミド、CMC(カルボキシメチルセルロース)若しくはその塩であるカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース亜鉛等を用いることができる。湿潤紙力増強剤としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、尿素樹脂、酸コロイド・メラミン樹脂、熱架橋性塗工PAM等を用いることができる。
乾燥紙力増強剤を内添する場合、その添加量はパルプスラリーに対する重量比で0.5〜1.0kg/t程度とすることができる。
ここで、本発明にかかるティシュペーパーにおいては、鼻かみ、鼻紙等の体液の拭取り用途に用いられることから湿潤紙力増強剤は内添するのが望ましい。この湿潤紙力はカチオン性のものが好適に用いられる。この場合、その湿潤紙力増強剤の添加量はパルプスラリーに対して、重量比で5.0〜20.0kg/パルプtとするのが望ましい。
ここで、一次原反ロール(一次原反シート)の原料となる紙料について説明すると、紙料は繊維原料としてパルプを主原料とするスラリー(パルプスラリー)に適宜の薬品を添加したものである。
本発明においては、原料パルプは特に限定されず、ティシュペーパーに用いられる適宜の原料パルプを選択して使用することができる。
好ましくは、原料パルプは、NBKPとLBKPとを配合したものが好ましい。また、古紙パルプが配合されていてもよいが、得られるティシュペーパーの風合いの点でも望ましいことから、バージンパルプのNBKPとLBKPのみから構成されているのがよい。その場合の配合割合としては、NBKP:LBKP=25:75〜40:60が望ましい。この範囲であると紙力と柔らかさのバランスが優れるものとなる。
紙料に添加する薬品例としては、上記乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤のほか剥離剤、接着剤、pH調整剤、粘剤、消泡剤、防腐剤、スライムコントロール剤、染料、などが挙げられる、なお、これらの薬品は、適宜の工程で湿紙に付与してもよい。
〔プライマシンにおける工程:二次原反ロールの製造方法及び製造設備〕
本発明においては、抄紙設備X1で製造された一次原反ロールJRを、特徴的に、図2に例示するプライマシンX2において、サイズ剤が付与された二次原反ロールRを製造する。本第1の実施形態では、このプライマシンX2が、重ね合わせ部51、薬液付与手段53、コンタクトエンボス付与手段54、スリット手段55、巻き取り手段56をこの順で有し、かかるプライマシンX2において薬液が付与された積層連続シートを巻取った二次原反ロールRを製造する。以下、各手段、各部における工程についてさらに詳述する。
(積層手段:積層工程)
本発明にかかるプライマシンX2は、一次原反ロールJRを2つ以上セット可能であり、各一次原反ロールJR,JRから繰り出した一次連続シート(図示例ではS11、S12)は、その連続方向に沿って積層して積層連続シートS2とする重ね合わせ部(積層手段)51に供給されるように構成されている。ここで重ね合わせ部51はガイドロール或いは一対のニップロールで構成され、各一次連続シートS11,S12を積層する。
なお、図示例では、各一次原反ロールJR,JRから繰り出される一次連続シートS11,S12の表面が、それぞれ積層連続シートS2の表面(ここで積層連続シートの「表面」とは積層外面である積層連続シートS2の表裏面のことである)となるようして重ね合わせ部51に供給されるようになっている。一次連続シートS11,S12の裏面がそれぞれ積層連続シートS2の表面となるよう構成してもよいし、一次連続シートS11,S12のどちらか一方の裏面が積層連続シートS2の表面となり、他方の表面が積層連続シートS2の表面となるようしてもよいが、一次原反シートS11,S12の表面は、乾燥時にヤンキードライヤー57の表面に接していることから裏面と比較して毛羽立ちが少なく滑らかで肌触りが良いので、一次連続シート(乾燥原紙S1)の表面が積層連続シートS2の表裏面を構成するようにするのが望ましい。
また、図示例では一次原反ロールJRを2つセットしていわゆる2プライの積層連続シートを巻取る例であるが、3セット、4セットとして3プライ、4プライの積層連続シートを巻取るようにすることも可能である。
(薬液付与工程)
本発明にかかるプライマシンX2は、重ね合わせ部51の後段に薬液付与手段53を有し、積層連続シートS2に対して連続的に薬液を付与することが可能となっている。
なお、積層連続シートS2に対して連続的に薬液を付与する工程中において、二次原反ロールに薬液非付与部分を設ける方法としては、例えば、フレキソ印刷、グラビア印刷などの転写方式であれば、あらかじめ組まれたプログラムによって、薬液塗布のオンオフを版の接触と離脱によって行なうことができる。インクジェット印刷であれば、ピエゾ素子からのインク粒子の飛翔、カーテンコーターであれば塗液口の開閉、エアナイフコーターであれば薬液塗布のオンオフを電子制御で行なうことにより、薬液付与部と薬液非付与部を操業中に区分するができる。
プライマシンX2にて積層連続シートS2に対して薬液を塗工するには、フレキソ印刷グラビア印刷、スプレー塗工、インクジェット印刷、カーテンコーター、エアナイフコーター等の薬液付与手段53を採用することができる。但し、プライマシンX2の高速性に対応でき、しかも刷版の柔軟性、高速対応性、薬液の飛散防止、塗工量の調整が容易である等の要件からフレキソ印刷が適する。紙面に刷版ロール等を接触させないことから紙厚の低下を招かないという点では、刷版ロール等を用いず直接的に薬液を紙面に塗工する非接触形の塗工形態であるスプレー塗工、インクジェット印刷、カーテン塗工が望ましい。但し、これらの非接触式の塗工は薬液の均一付与、塗工量の調整がフレキソ印刷等のロール転写式の付与手段と比較して高速性の点では劣る。従って、本発明においては、ロール転写方式のほうが望ましく、総合的にはフレキソ印刷が最も望ましい。
薬液付与手段53は、単数或いは複数設置することができ。図示例では、二機のドクターチャンバー式フレキソ印刷機53A,53Bを設置して積層連続シートS2の両外面に連続的に薬液を付与することが可能となっている。薬液付与手段53を、複数設置する場合、水平方向、上下方向、或いは斜め方向に並設しても良く、水平方向を含めたこれらの設置方向を組み合わせて配置しても良い。水平方向に並設すると抱き角度を小さくすることができるため、加工速度を高速とすることができ、上下方向に並設すると水平方向における設置スペースを小さくすることができる。
薬液の塗工量は、両外面(ティシュペーパーの外面となる各面)の合計の薬液塗工量は、0.3〜5.0g/m2、好ましくは1.0〜3.9g/m2、より好ましくは2.0〜2.4g/m2とする。3.9g/m2超過であると、紙力低下や伸びなどにより断紙したり、品質的にべたつき感が過ぎる場合も出てくるとともに、巻きずれ防止効果が発現し難くなる。0.3g/m2未満であると滑らかさやしっとり感など未塗工品との品質差を感じられなくなってしまう。より好ましく、2.0〜2.4g/m2とすると厚み感、しっとり感といった官能評価において極めて優れたものとなる。
なお、両付与面への付与量に差がある場合、付与後に二次原反ロールの状態で保管されてから折り加工されるまでの時間に、両付与面は接していることから、図29に示されるように次第に両者の薬液量は均等化していき表裏差は小さくなる。
薬液を積層連続シートS2の片面のみに付与する場合、薬液の付与面は、積層連続シートS2における二次原反ロールRの内側に位置する方の面((巻き取り内面ともいい、図の一次連続シートS11側の面)への付与がよい。こうすると製品での薬液付与時に表裏差は生ずる可能性はあるものの、プライマシンで二次原反ロールを製造する際の巻きずれ防止効果は高まる。
薬液付与手段53(薬液付与工程)で付与する薬液については、粘度は40℃で1〜700mPa・sが望ましい。より好ましくは50〜400mPa・s(40℃)である。1mPa・sより小さいと特に、薬液が飛散しやすくなり、逆に700mPa・sより大きいと安定した付与量とするコントロールがしにくくなる。
本発明に用いる薬液は、水系のローション薬液であり、その成分は、水及びポリオールを含むものである。特にポリオールを70〜90%、水分を1〜15%を含むのが望ましく、さらに機能性薬品を0.01〜22%含むものであるのがより望ましい。
前記ポリオールとしては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、およびその誘導体等の多価アルコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロース等の糖類が挙げられる。
上記成分のうち、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールを主成分とすることが、滑らかさ、保湿性等の官能高価、及び薬液の粘度、付与量を安定させる上で好ましい。
前記機能性薬剤としては、柔軟剤、界面活性剤、無機および有機の微粒子粉体、油性成分などがある。柔軟剤、界面活性剤はティシューに柔軟性を与えたり表面を滑らかにする効果があり、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤を適用する。無機および有機の微粒子粉体は表面を滑らかな肌触りとする。油性成分は滑性を高める働きがあり、流動パラフィン、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールを用いることができる。
また機能性薬剤としてポリオールの保湿性を助けたり、維持させる薬剤として親水性高分子ゲル化剤、コラーゲン、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、加水分解シルク、ヒアルロン酸若しくはその塩、セラミド等の1種以上を任意の組合せ等の保湿剤を加えることができる。
また機能性薬剤として各種天然エキス等のエモリエント剤、ビタミン類、配合成分を安定させる乳化剤、薬液の発泡を抑え付与を安定させるための消泡剤、防黴剤、有機酸などの消臭剤を適宜配合することができる。さらには、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化剤を含有させてもよい。
なお、薬液付与タイプのティシュペーパーとしては、当然に消費者より求められる品質特性の1つとして、滑らかさは欠くことのできないものである。かかる滑らかさの発現のためには、油性成分及びシリコーン類の含有が効果的である。本発明にかかる薬液中においてもこれらを含有させることができる。但し、流動パラフィンや高級アルコール類などの油性成分、あるいは表面性向上剤として用いられるシリコーン類は、二次原反シートの水分率を低下させ「しっとり感」を低下させたり、また表面性を過剰に滑らかにする可能性があり、薬液中の含有量については過剰に添加しないように注意しなければならない。本発明において好適な油性成分等の含有割合は、油性成分については0〜10.0質量%(0%を含まない)、シリコーン類については0〜0.5%(0%を含まない)である。
薬液付与時の温度は30℃〜60℃、好ましくは35℃〜55℃とすることが好ましい。
ここで、薬液塗工タイプの製品に用いられる薬液は種々存在するが、大きく本発明にかかる水及びポリオールを含む水系薬液、主に非水溶性のワックス等を含み常温で半固形である油系薬液に大別される。水系薬液は取り扱い性に優れ安価であるという特徴がある。
また、水系薬液はシートに塗工した場合にシートを構成するパルプ繊維との親和性に優れ、シートの厚み方向(Z方向とも称される)に含浸し、シート全体及びその表面性を改質するように作用する。これに対して油系薬液は主にその表面をコーティングするように作用し、表面の滑らかさを向上させるように作用する。他方で、水系薬液は、シートに含浸することから塗工後にシートに塗工されたクレープを伸ばす作用が大きく巻きずれ発生を伴うが、油系薬液ではそのような作用が小さく巻きずれも発生し難い。
本発明はかかる水系の薬液を十分な量、用いつつも巻きずれを防止し安定的かつ高速に生産することができ、保湿性(しっとり感)、柔軟性(柔らかさ感)、表面の滑らかさ性(滑らかさ感)の向上と生産性の向上が図られるのである。
(コンタクトエンボス付与工程)
本発明にかかるプライマシンX2は、薬液付与手段53の後段にコンタクトエンボス付与手段54を有し、積層連続シートS2がコンタクトエンボス手段54に供給される。コンタクトエンボス付与手段54は、図3に示すように、金属ロール又は弾性ロールである受けロール54Bと表面に細かい凸部54Cを有する金属製で硬質のコロ54Aとが所定の圧力を有して相互に外周面同士を当接しつつ、それぞれ回転可能に設置されている。そして、積層連続シートS2におけるティシュペーパー製品の幅L1の幅方向中央に該当する部分に対して、左右各2つずつ存在する凸部54Cと、受けロール54Bとの間で積層連続シートS2を挟みつつ搬送することで、積層連続シートS2に対して、積層連続シートS2の連続方向に沿って層間剥離を防止するライン状のコンタクトエンボスCEを施すようになっている。
尚、このコンタクトエンボスCEを施すコロ54Aと対向した側の面を外周側として後段の巻取り手段56にて積層連続シートS2を巻取ることになる。
このようにコンタクトエンボスCEを付与することによって、複数の一次連続シート(S11、S12)を積層して成る積層連続シートS2の層間剥離が防止される。
また、このコンタクトエンボス付与工程54において、本実施形態ではコロ54Aとして表面に細かい凸部54Cを有した金属製で硬質のコロ54Aを用いたが、二次連続シートS2に対して層間剥離を防止するライン状の接合部分が形成できればよく、例えばコロ54Aの替りに、表面に細かい針状の部材を有したローラをコロとすることもできる。
さらに、接合する為の手段としては上記例に限定されず、凸部の先端形状が、点状、正方形、長方形、円形、楕円形等の形状のものをコロとして用いても良く、凸部の先端形状が、細長い線状、細く斜めに伸びる線状等のものをコロとして用いても良い。
他方、凸部の配列としては等間隔が考えられるが、千鳥状としたり、等間隔としなくとも良く、また、凸部を1列に配置してコンタクトエンボスを連続して付与する他に、凸部を2列以上の複数列配置することも考えられる。そして、コンタクトエンボスを緊密に複数列付与するように凸部が配置された群を複数並べて、複数のコンタクトエンボス群を付与するようにしても良い。尚、接合工程としては、上記のように機械的に圧力を加えて接合する他に、超音波等の他の手段により接合しても良い。
(スリット工程及び巻き取り工程)
本発明にかかるプライマシンX2は、コンタクトエンボス付与手段54の後段にスリット手段55を有し、コンタクトエンボスが付与された積層連続シートS2がスリット手段55に供給される。
スリット手段55は、積層連続シートS2の幅方向に間隔を開けて並設された複数のロールカッター及び受け部からなり、かかるスリット手段55において積層連続シートS2は、ティシュペーパーの幅又はその複数倍幅となるようにスリットされる。
そして、スリットされた積層連続シートS2は、巻き取り手段56に案内されて巻き取られ二次原反ロールRとされる。この際、スリットされた各積層連続シートは、同軸で巻取られ、ティシュペーパーの製品幅又はその複数倍幅の複数の二次原反ロールRが同時に形成される。ここで、巻き取り手段56は、スリットされた各積層連続シートを二次原反ロールRに案内するための2つのワインディングドラム56Aを有していて、これら2つのワインディングドラム56Aが二次原反ロールRの外周面に接して積層連続シートS2を案内している。
(カレンダー工程)
他方、本発明にかかるプライマシンX2においては、重ね合わせ部51から巻き取り部56までの間にカレンダー部52を一つ以上設けて積層連続シートS2に対してカレンダー加工をすることができる。図示例では、好ましく、重ね合わせ部51の後段であって薬液付与手段53の前段に設けている。
カレンダー部52におけるカレンダーの種別は、特に限定されないが、表面の平滑性向上と紙厚の調整の理由からソフトカレンダー又はチルドカレンダーとすることが好ましい。ソフトカレンダーとは、ウレタンゴム等の弾性材を被覆したロールを用いたカレンダーであり、チルドカレンダーとは金属ロールからなるカレンダーのことである。
カレンダー部の数は、適宜変更することができる。複数設置すれば加工速度が速くとも十分に平滑化できるという利点を有する一方、一つであるとスペースが狭くとも設置可能であるという利点を有する。
二つ以上のカレンダー部を設置する場合、水平方向、上下方向、或いは斜め方向に並設することができ、また、これらの設置方向を組み合わせて配置することができる。水平方向に並設すると、抱き角度を小さくなるため加工速度が高速とすることができ、上下方向に並設すると設置スペースを小さくすることができる。なお、ここで言う抱き角度とはロールの軸中心から見てシートが接している間(軸と直行する断面の円弧の一部)の角度を意味する(以下同じ)。
カレンダー加工におけるカレンダー種別、ニップ線圧、ニップ数なども制御要因として抄紙を行うようにし、これらの制御要因は、求めるティシュペーパーの品質すなわち紙厚や表面性によって適宜変更することが好ましい。
カレンダー加工を行なうことでティシュペーパーの表面が平滑になりそれのみで滑らかさが向上する。
(プライマシンの運転方法及び二次原反ロールの構成)
ここで、本発明におけるプライマシンX2においては、二次原反ロールRを製造するにあたって、加工速度のトップ速度を350〜1100m/分、好ましくは700〜1100m/分、より好ましくは900〜1000m/分とするのが望ましい。350m/分未満だと十分な生産性とは言えない。他方、1100m/分超過であると安定的に生産するのが困難となる。特に700m/分、より好ましく900m/分であると後段のマルチスタンド式インターフォルダへの供給、十分なストック管理が可能になるなど生産性を高めるうえで好ましい。1000m/分以下とすると安定性がより優れる。
なお、少なくとも速度は350m/分以上、通常は700m/分以上、好ましくは900m/分以上の加工速度は極めて高速な加工速度である。
ここで、本発明にはプライマシンX2において、二次原反ロールを製造するにあたって、巻き取り後期の所定長さの積層連続シートS2に対して薬液を付与しないこととして、図4に示すように、外周部Roに薬液非付与の積層連続シートが巻かれた複数の二次原反ロールとする。
具体的には、プライマシンX2の運転開始或いは所定時間経過後の初期段階から積層連続シートS2に対して薬液付与手段53にて薬液を付与し、その薬液が付与された積層連続シートS2を巻き取り手段56で巻き取り、次いで、巻き取り手段56で薬液が付与された積層連続シートを所定長さ巻取ったこと、一次原反ロールJRから所定長さの一次連続シートS11、S12が巻き出されたこと、或いは二次原反ロールRの巻き直径が所定径に達したこと等を確認し、その確認後に薬液付与手段53における積層連続シートS2への薬液付与を停止させる。そして、その際に積層連続シートS2の搬送は停止させず巻き取り手段56での積層連続シートS2の巻き取りはそのまま行なう。そうすると、巻き取り手段56にて薬液非付与の積層連続シートS2が先行する薬液が付与された積層連続シートS2が巻かれた部分に連続して巻き取られる。そして、所定長さの薬液非付与の積層連続シートS2を巻き取った後、積層連続シートの搬送を停止させる。このようにして、外周部Roに薬液非付与の積層連続シートが巻かれた複数の二次原反ロールRとすることができる。
ここで、薬液付与手段53における積層連続シートS2への薬液付与の有無の切り替えは、例えば、薬液付与手段53における薬液供給を停止させる。例えば、フレキソ印刷等の刷版ロールを用いたものであれば刷版への薬液供給を停止させる。スプレー塗布、インクジェット印刷方式であれば薬液付与手段53そのものの運転を停止させる等により行える。また、刷版ロールを用いる場合には、刷版ロールを積層連続シートS2に対して接触しないように刷版ロールを移動させるようにしてもよい。
他方、本発明における具体的な二次原反ロールの構成としては、巻き直径L1を1000〜2000mm、巻き長さ(二次原反ロールに巻かれている積層連続シートの全長)を8000〜20000m、幅L2を350mm〜1200mm、薬液非付与部分の積層連続シートの長さを80m〜250mとするのが望ましい。上記巻き直径、巻き長さ、幅は後述の本発明にかかるマルチスタンド式インターフォルダに適した二次原反ロールであり、このような二次原反ロールにおいて巻き取り後期の外周部Roを構成する薬液非付与部分を構成する積層連続シートの長さを80m〜250mとすることで効果的に巻きずれが防止される。なお、図29を示して上記説明のとおり二次原反ロールでは積層連続シート間における薬液浸透が生ずるが、このような効果は多数の積層連続シート間を超えるようなものではなく、かかる薬液浸透効果があっても薬液非付与部分を構成する積層連続シートの長さを80m〜250m程度あれば、これを無視でき外周部に薬液非付与の部分が形成できる。
他方、本発明にかかるプライマシンX2においては、薬液付与手段の前後に配置される所定の手段(図2の例ではカレンダー部52及びコンタクトエンボス手段54)を、相互に近接して配置する或いは適宜のガイドロールを設けるなどして薬液剤付与手段をバイパスできるようにし(バイパス搬送路は図2中二点鎖線、符号BRで示す)、薬液が付与されないティシュペーパー製品を製造する場合に、積層連続シートS2を薬液付与手段53をバイパスして積層連続シートを移送するようにすることができるようになっている。かかる構成を採ると、薬液付与設備を別途に用意する必要なく、薬液を付与したティシュペーパー製品の製造とサイズ剤を付与しないティシュペーパー製品の製造を適宜切り替えて製造することが可能となる。
〔マルチスタンド式インターフォルダにおける工程及び収納工程〕
上述のプライマシンX2で製造された特徴的な本発明にかかる二次原反ロールRは、マルチスタンド式インターフォルダに多数セットされ、セットされた二次原反ロールRから二次連続シートを繰り出して折り畳むと共に積層することによってティシュペーパー束が製造される。以下では、そのマルチスタンド式インターフォルダの一例について説明する。
図5〜図7に、マルチスタンド式インターフォルダの一例を示した。図中の符号2は、マルチスタンド式インターフォルダ1の図示しない二次原反ロール支持部にセットされた二次原反ロールR,R…を示している。この二次原反ロールR,R…は、必要数が図示平面と直交する方向(図5における水平方向、図6における紙面前後方向)に横並びにセットされている。各二次原反ロールRは、上述のティシュペーパー製品用二次原反ロールの製造設備、製造方法でティシュペーパー製品幅にスリットが入れられており、ティシュペーパー製品の複数倍幅、図示例では2倍幅で巻き取られ、セットされている。
他方、マルチスタンド式インターフォルダの原反ロール支持部にセットした二次原反ロールから二次連続シートの巻き出すには、モータ等の駆動装置により回転される駆動ベルト83により行なう方法が例示できる。この態様は、図6に示すように、駆動ベルト83を二次原反ロールRの上部に常時接する状態で上下動可能に配置し、この駆動ベルト83を回転させることで二次原反ロールRを回転させ、二次原反ロールRの外周側から帯状の二次連続シート3A,3Bを巻き出す。なお、他の二次原反ロールから二次連続シートを巻き出す態様としては、二次原反ロールに近接して設置されたプルロールにより二次連続シートをニップして引っ張り出すようにして行なってもよいし、二次原反ロールの軸心(管軸)をシャフト駆動等により回転させつつ二次連増シートを巻き出すようにしてもよい。
駆動ベルト83、ニップロールによる搬送速度は、各折り畳み機構部20,20…の後段の連続シート束30の搬送速度に応じた速度とされ、連続シート束30の搬送速度は50〜120m/分であり、駆動ベルト83、プルロールの速度は、この速度に対応する速度とされる。
本発明ではこのような二次原反ロールからの二次連続シートの巻き出し態様において、効果的に巻きずれ防止効果が発揮される。
他方、二次原反ロールRから巻き出された連続する帯状の二次連続シート3A及び3Bは、ガイドローラG1、G1等のガイド手段に案内されて折り畳み機構部20へ送り込まれる。また、折り畳み機構部20には、図7に示すように、折板P,P…が必要数並設されてなる折板群21が備えられている。各折板Pに対しては、一対の連続する二次連続シート3A又は3Bを案内するガイドローラG2,G2やガイド丸棒部材G3,G3が、それぞれ適所に備えられている。さらに、折板P,P…の下方には、折り畳みながら積み重ねられた積層帯30を受けて搬送するコンベア22が備えられている。
この種の折板P,P…を用いた折り畳み機構は、例えば、米国特許4052048号特許明細書等によって公知の機構である。この種の折り畳み機構は、図8に示すように、各連続する二次連続シート3A,3B…を、Z字状に折り畳みながら、かつ隣接する連続する二次連続シート3A,3B…の側端部相互を掛け合わせながら積み重ねる。
図10〜図13に、折り畳み機構部20の特に折板Pに関する部位を、詳しく示した。本折り畳み機構部20においては、各折板Pに対して、一対の連続する二次連続シート3A及び3Bが案内される。この際、連続する二次連続シート3A及び3Bは、ガイド丸棒部材G3,G3によって、側端部相互が重ならないように位置をずらされながら案内される。
折板Pに案内された時点で下側に重なっている連続する二次連続シートを第1の連続する二次連続シート3Aとし、上側に重なっている連続する二次連続シートを第2の連続する二次連続シート3Bとすると、これら連続する二次連続シート3A及び3Bは、図8及び図11に示すように、第1の連続する二次連続シート3Aの第2の連続する二次連続シート3Bと重なっていない側端部e1が、折板Pの側板P1によって、第2の連続する二次連続シート3Bの上側に折り返されるとともに、図8及び図12に示すように、第2の連続する二次連続シート3Bの第1の連続する二次連続シート3Aと重なっていない側端部e2が、折板PのスリットP2から折板P下に引き込まれるようにして下側に折り返される。この際、図8及び図13に示すように、上流の折板Pにおいて折り畳みながら積み重ねられた連続する二次連続シート3Aの側端部e3(e1)が、折板PのスリットP2から第2の連続する二次連続シート3Bの折り返し部分間に案内される。このようにして、各連続する二次連続シート3A,3B…は、Z字状に折り畳まれるとともに、隣接する連続する二次連続シート3A及び3Bの側端部相互が掛け合わされ、したがって、製品使用時において、最上位のティシュペーパーを引き出すと、次のティシュペーパーの側端部が引き出されることになる。
以上のようにしてマルチスタンド式インターフォルダ1で得られた積層帯30は、図5に示すように、後段の切断手段41において流れ方向FLに所定の間隔をおいて裁断(切断)されてティシュペーパー束30aとされ、図9(a)に示すように、このティシュペーパー束30aは、更に後段設備において収納箱Bに収納される。
かくして、本発明にかかるティシュペーパー製品が製造される。
なお、本発明にかかるティシュペーパー製品の製造方法では、二次原反ロールから二次原連続シートを巻き出しを開始した初期には、薬液が付与されていない二次連続シートが折り畳み機構部に供給されることになる。本発明においては、かかる薬液非付与部分の二次連続シートにより得られた積層帯については、これを用いて薬液非付与のティシュペーパー製品を製造してもよいし、損紙として回収して再利用してもよい。
また、上記マルチスタンド式インターフォルダ1では、積層帯30の紙の方向は、流れ方向FLに沿って縦方向(MD方向)となっており、流れ方向と直交する方向に沿って横方向(CD方向)となっている。このため、積層帯30を所定の長さに切断して得られたティシュペーパー束30aを構成するティシュペーパーの紙の方向は、図9(a)に示すように、ティシュペーパーの折り畳み部の延在方向に沿って縦方向(MD方向)となり、ティシュペーパーの折り畳み部の延在方向と直交する方向に沿って横方向(CD方向)となる。
図9(b)に、収納箱Bにティシュペーパー束30aを収納して成る製品の一例を示した。収納箱Bの上面にはミシン目Mが設けられており、このミシン目Mで収納箱B上面の一部を破断することにより収納箱Bの上面が開口するようになっている。この開口は中央にスリットを有するフィルムFによって覆われており、このフィルムFに設けられたスリットを介してティシュペーパーTを取出すことができるようになっている。
ところで、前述したように、ティシュペーパー束30aを構成するティシュペーパーの紙の方向は、ティシュペーパーの折り畳み部の延在方向と直交する方向に沿って横方向(CD方向)となるため、図9(b)に示すように、ティシュペーパーTを収納箱Bから引き出す際には、その引き出し方向は、ティシュペーパーTの横方向(CD方向)と沿うようになっている。
『プライマシンにおける薬液付与手段の具体例』
上記各実施形態に共通するプライマシンX2における薬液付与手段(薬液付与工程)53の具体例について以下さらに詳述する。
〔フレキソ印刷〕
薬液付与手段53としてフレキソ印刷機を用いた例は図14〜20を参照しながら説明する。フレキソ印刷は樹脂性の弾力性がある刷版を用いるため積層連続シートS2或いは各連続シートS11,S12(以下、単位積層連続シートS2等という)の表面にクレープの多少の凹凸があっても印圧で調整可でありムラのない塗工が可能であり、特に700m/分以上、更に900m/分の高速塗工を行なっても薬液付与後の積層連続シート等S2にシワが入り難くなる。また、一つのロールで幅広い薬液の粘度に対応でき、管理、設備メンテナンスの点で利点があり、生産性向上の点でも優れる。
ここで、プライマシンX2において上記高速に積層連続シートS2等に薬液を塗工する場合、フレキソ刷版ロールの線数は10〜60線、好ましくは15〜40線、特に好ましくは20〜35線とする。線数が10線未満であると塗工ムラが多く生じてしまい、他方、線数が60線超過であると紙粉が詰まり易くなる。
アニロックスロールの線数は、10〜300線とし、好ましくは25〜200線、特に好ましくは50〜100線とする。線数が10線未満であると高速塗工時に塗工ムラが多く生じてしまい、他方、線数が300線超過であると紙粉が詰まり易くなる。アニロックスロールのセル容量は、10〜100ccとし、好ましくは15〜70cc、特に好ましくは30〜60ccとする。セル容量が10cc未満であると所望の塗工量が得られず、他方、セル容量が100cc超過であると薬液の飛散量が多くなってしまう。
ここで、本発明では、薬液付与工程において安定的に薬液の付与できることが重要であり、操業安定性に関わる上記刷版ロール及びアニロックロールの線数は重要である。なお、貯留タンクに貯留した薬液をアニロックスロールへ薬液を移行させる方式としては、ドクターチャンバー形式、タッチロール形式など適宜の方法が採られる。これらのフレキソ印刷の各方式を採用した形態例を以下、さらに詳述する。
フレキソ印刷では、プライマシンX2における上記例示の高速な加工速度において極めて安定的に薬液付与を行える点で優れる。
(ドクターチャンバー方式の実施形態例)
フキレソ印刷におけるドクターチャンバー形式を本発明に適用した形態例を、特に図14〜図19を参照しながら説明する。
本例では、積層連続シートS2の表裏面或いは各連続シートS11、S12に薬液を塗工すべく二つのフレキソ印刷機91A,91Bを用いている。
各印刷機91A,91Bにおいては、薬液の入っているドクターチャンバー92A,92Bが回転可能なアニロックスロール93A,93Bと対向して配置されおり、ドクターチャンバー92A,92Bからアニロックスロール93A,93Bに薬液を受け渡すようになっている。また、このアニロックスロール93A,93Bと接し且つ積層連続シートS2等の一面とも接する刷版ロール94A,94Bが回転可能に設置されていて、このアニロックスロール93A,93Bから刷版ロール94A,94Bに薬液を受け渡すようになっている。そして、積層連続シートS2等を挟んでこの刷版ロール94A,94Bと対向する弾性ロール95A,95Bとで積層連続シートS2等に圧力を塗工しつつ、刷版ロール95A,95Bから積層連続シートS2等に薬液を塗工する。
各ドクターチャンバー92A,92Bは、供給ホース96及び返送ホース97を介して薬液Lを貯留する貯留タンク98と連結されており、薬液循環経路の一部を構成する(以下、各印刷機91A,91Bについて同様の構成を説明するについては、ドクターチャンバー91A(91B)のように一方を括弧書きで表記する場合がある)。なお、貯留タンク98は、各ドクターチャンバーで92A,92B共有することができる。図示はしないが、薬液循環経路を循環する薬液中に含まれる紙粉やエアーのろ過装置、ドクターチャンバー92A、92B等の塗工装置内で薬液の温度を監視・コントロールし、薬液粘度を安定させるための中間タンクや配管ヒーターを設置することができる。
貯留タンク98からドクターチャンバー91A(91B)への薬液供給は、供給ポンプ99によって供給ホース96を介して加圧供給で行われ、薬液の押出量(流量)は、調整弁100の開閉により調整される。また、ドクターチャンバー91A(91B)から、貯留タンク98への薬液の返送は、吸引ポンプ101によって返送ホース97を介して行なわれる。
また、ドクターチャンバー91A(91B)は、薬液が貯留されるチャンバー部102及びブレード103,104を具備する。チャンバー部102はアニロックスロール93A(93B)側の端部が開口しているとともに供給ホース96及び返送ホース97とが接続部105,106を介して連結されており、各ホース96,97を介して行なわれる薬液循環の際に薬液Lを貯留してアニロックスロール93A(93B)に供給する。他方、ブレード103,104は、アニロックスロール93A(93B)と当接するように設けられ、アニロックスロール93A(93B)に押しつけた状態で薬液Lの絞りを行い、アニロックスロール93A(93B)への薬液の供給量を一定とする。
他方、図16に示すように、薬液Lの返送路となる返送ホース97とチャンバー部102との接続部106の上面には、所定径の開口部分である孔部106aが形成されており、この孔部106aにより接続部内の薬液Lが外気接触し、吸引ポンプ101による薬液Lの吸引を行っても、薬液Lが外気接触して、チャンバー部102内の内圧を外気圧に近づけることができるように構成されている。これによってドクターチャンバー内の内圧変動が抑えられている。なお、当該孔部106aは、チャンバー部102の内圧変動が抑えられればよいため、例えば、チャンバー部102の上面に連通するように形成してもよい。孔部106aは、チャンバー部102の薬液Lの液面より上方であれば、側面に設けてもよい。
また、孔部106aにはチャンバー部102への薬液供給過多を判別するための判別手段が設けられる。判別手段は、例えば、孔部106a側を下端として、上方に延伸した透明又は半透明のチューブ状の部材106bが例示でき、薬液Lを循環する過程で、薬液Lが孔部を介して当該チューブ106b内に流入するか否かを目視により確認することができる。チューブ106b内への流入が確認された場合は、チャンバー部102に貯留される薬液量が過多になっている(アニロックスロール91A(91B)に対して薬液Lが過供給状態となっている)ことが把握できる。したがって、上記過多の状態を目視で確認した使用者は、例えば、調整弁100操作して薬液Lの押出量(流量)を調整することにより、当該過多の状態を解消することができる。なお、チューブ106bは、内部が空洞で上端側が外気に接触しているため、上記孔部106aの作用を相殺してしまうことはない。
なお、チューブ106bの上端(自由端)を下向きにして設けることで、孔部106bへの紙粉等の異物の混入を防止することができる。また、チューブ106bの上端或いは孔部にエアーフィルタを設置して紙粉等の異物の混入を防止するように構成してもよい。
なお、薬液Lのチャンバー部102への過供給状態は、これを自動的に判別し、使用者に判別結果を報知するように構成してもよい。
この例は、図17に示すように孔部106aの周縁を上方向に延出させた円筒状部106cにセンサ106dを取付け、このセンサ106dからの信号を受けて報知部から判別結果を報知する。
センサ106dは、例えば、被検知体に向けて発光する発光素子(図示省略)と、被検知体からの反射光を受光する受光素子(図示省略)と、を含み、受光素子からの反射光の受光量に基づいて、円筒状部106cに流入する薬液Lの高さが、当該センサ06dの設けられた高さ位置(図17に示すy1)に達したか否かを検知する。
報知部106eは、例えば、スピーカ等であり、センサ106dにより、円筒状部106cに流入する薬液Lの高さが、上記センサ106dの設けられた高さ位置に達したと検知された場合に、音声により使用者への報知を行う。
本例では、過多の状態に至った場合には、使用者は報知部106eによりその旨を知ることができ、調整弁100を操作して薬液Lの押出量(流量)を調整することにより、当該過多の状態を解消することが可能となる。
さらに、図18に示すように、薬液Lのチャンバー部102への過供給状態の判別は、自動判別機能に加えて、円筒状部106cにニードルバルブ及びオリフィスを備えるニードルバルブ構造の調整部106fを設けて、孔部106bの外気と接触する部分の開口の量を調整するように構成することができる。このように調整部106fにより、孔部106bの実質的な開口量を調整することにで、チャンバー部102内の内圧変動量に応じて、孔部106bの開口量を適宜に調整することができる。従って、センサ103eにより、円筒状部106cに流入する薬液Lの高さが、検出位置に達したときに、薬液Lの押出量の調整で対処するだけでなく、調整部106fによる孔部106bの実質的な開口量の調整によって、孔部106bのエアー抜きの能力を高めて(外気との接触面積を拡張して)、チャンバー部102内の内圧変動を抑える対処が可能となる。これにより、内圧変動によるチャンバー部102内からの薬液Lの噴出や、アニロックスロール93A(93B)上の薬液Lのドクターチャンバー92A(92B)側への吸込み等も好適に防止され、薬液Lの循環が促進される。
他方、ドクターチャンバー方式のフレキソ印刷機は、アニロックスロール93A(93B)は、ドクターチャンバー92A(92B)のブレード103,104と当接するように設けられ、ドクターチャンバー92A(92B)のチャンバー部102の開口より供給される薬液Lが周面に吸着されるように構成されている。
刷版ロール94A(94B)は、周面がゴム材などの樹脂製材からなる円柱状をなし、左右端部の周面(図15に示す点P1,点P2)がアニロックスロール93A(93B)及び弾性ロール95A(95B)(に巻きつけられる積層連続シートS2等)の周面に当接するように設けられ、回動可能に構成されている。
刷版ロール94A(94B)は、弾性ロール95A(95B)がr1方向に回動することでr2方向に回動するとともに、右端で当接するアニロックスロール93A(93B)をr1方向に回動させる。刷版ロール94A(94B)は、アニロックスロール93A(93B)の周面に吸着された薬液Lを点P2にて取得し、r2方向への回動により点P1まで搬送して積層連続シートS2等に転写する。アニロックスロール93A(93B)により吸着された薬液Lがアニロックスロール93A(93B)の周面上に層状に不均一に残ってしまう場合でも、刷版ロール94A(94B)の周面に移送させることで、積層連続シートS2に薬液Lを均一に転写することができる。
弾性ロール95A(95B)は、刷版ロール94A(94B)に隣接して設けられ、図示しないモータ等より駆動力が塗工されることで回動する円柱状の部材であり、周面で積層連続シートS2を把持できるように構成されている。そのため、弾性ロール95A(95B)は、r1方向に回動することにより、供給される積層連続シートS2等を周面に巻き付けるとともに、刷版ロール94A(94B)及びアニロックスロール93A(93B)を回動させ、点P1位置まで搬送した時点で刷版ロール94A(94B)より薬液Lを転写させることができる。
なお、弾性ロール95A(95B)の回動の向きは、図15においてr1方向としたが、r2方向に回動するように構成しても勿論良い。この場合、アニロックスロール93A(93B)及び刷版ロール94A(94B)は図15とは逆方向(つまり、アニロックスロール93A(93B):r2方向、刷版ロール94A(94B):r1方向)に回動する。
ここで、図15に示す例では、チャンバー部102に供給ホース96及び返送ホース97が各一つのみ繋がる構成であるが、チャンバー部102内における幅方向の薬液Lを均質にすべく、好ましく図19(A)〜(C)に示す構造を例示できる。その図19(A)は、幅広に形成されて回転軸Ro廻りに回転するアニロックスロール93A(93B)に沿って幅広の長方形状に外枠が形成されたドクターチャンバー92A(92B)の幅方向Dの左右端付近の箇所に、それぞれ供給ホース96が連結され、中央部に返送ホース97に繋がる構造例である。図19(B)は、幅方向Dに3つの供給ホース96と2つの返送ホース97とが交互に等間隔で繋がる構造例である。図19(C)は、チャンバー部102の上側寄りの複数箇所にそれぞれ供給ホース96が繋がり、下側寄りの複数箇所にそれぞれ返送ホース97繋がる構造例である。
(2ロール転写方式の実施形態例)
次いで、フキレソ印刷における2ロール転写形式を適用した形態例を図20を参照しながら説明する。本形態例でも、積層連続シートS2等の表裏面に薬液Lを塗工すべく二つのフレキソ印刷機91C,91Dを用いている。各印刷機91C,91Dにおいては、薬液Lの入っている薬液タンク98C,98Dに回転可能な絞りロールでもあるディップロール92C,92Dが浸され、このディップロール92C,92Dが薬液タンク98C,98D外で回転可能なアニロックスロール93C,93Dに接しており、適当に薬液量が調整され量の薬液をアニロックスロール93C,93Dに受け渡す。薬液Lをアニロックスロール93C,93Dに受け渡すに、ディップロール92C,92Dを介することから2ロール転写方式と称される。ここで、ディップロール92C,92Dは薬液タンク98C,98Dから薬液Lを取り上げるとともに過剰な薬液をそのままアニロックスロール93C,93Dに受け渡さないようにする調整する役割を果たす。
アニロックスロール93C,93Dは刷版ロール94C,94Dに接しており、ディップロール92C,92Dから転写された薬液Lを刷版ロール94C,94Dに受け渡す。刷版ロール94C,94Dは回転可能に設置され、アニロックスロール93C,93Dと接しているとともに、積層連続シートS2等の一面とも接しており、積層連続シートS2等を挟んで対向する弾性ロール95C,95Dとで積層連続シートS2等に圧力を塗工しつつ積層連続シートS2等に薬液Lを塗工する。
この2ロール転写方式においては、アニロックスロール93C、93Dに対してドクターブレードを設けても良く、この場合、薬液Lを均一に塗工できる、アニロックスロール93C、93Dから薬液Lが飛散してしまうことを防止できるなどのメリットを享受できるが、この反面、高速塗工ではドクターブレードを手入れしたり交換したりする頻度が高まるというデメリットはある。
なお、薬液タンク98C,98Dには、図示はしないが、薬液中に含まれる紙粉やエアーのろ過装置、薬液の温度を監視・コントロールし、薬液粘度を安定させるための配管ヒーター、積層連続シートS2等の幅方向の水分率で塗工量を管理するための赤外線の検査機等を用いた紙幅方向の水分量とバラツキを監視するセンサ等を設置することができる。
(1ロール転写形式の実施形態)
次いで、フキレソ印刷における1ロール転写形式を本発明に適用した場合の形態例を説明する。この例は、前述の2ロール転写形式からディップロールを省略したものである(図面は省略する)。この場合、アニロックスロールが、それぞれ薬液タンクに浸されつつ回転可能に設置される。また、これらのアニロックスロールに対しては、アニロックスロール表面の薬液を掻き取るドクターブレードを設置する。このようなフレキソ1ロール転写形式は、メンテナンスが比較的容易であるという利点や、ブレードの摩耗や薬液中の紙粉等の異物の混入状態を容易に目視できるという利点を有している。
〔グラビア印刷〕
本発明においては薬液付与手段53としてグラビア印刷機を用いることができる。グラビア印刷機の具体例としては、ダイレクトグラビアコーター又はオフセットグラビアコーターなどが例示できる。グラビア印刷を採用する場合、グラビアロールの線数は、40〜160線とし、好ましくは60〜140線、特に好ましくは80〜120線である。線数が40線未満であると薬液飛散量が多くなってしまい、他方、線数が160線超過であると紙粉が詰まり易くなる。
〔スプレー塗工〕
薬液付与工程(薬液付与手段)53としてスプレー塗工装置110,110を用いた例を図21〜25を参照しながら説明する。本形態例では、図21に示すように、積層連続シートS2等の表裏面に薬液が塗工されるようにスプレー塗工装置110,110を設けることができる。このようにするには、図21に示されるように側方から積層連続シートS2等の表裏面に噴霧可能にペーパーランを設計する形態、積層連続シートS2等の表裏面に上下から噴霧する形態、上方から表裏面に噴霧するようにペーパーランを設計する形態が例示できる。もちろん、積層連続シートS2等の積層を一度剥離させて、各連続シートにスプレーした後、再度積層する形態等を採ることができる。
なお、スプレー塗工では、周囲薬液が飛散しやすいことから、他の工程への影響を防止すべく、薬液付与手段53を被覆するフード53Fを設けるのがよい。
ここで、スプレー塗工は、具体的にはノズル式噴霧方式、ローターダンプニング噴霧方式等を採用することができる。ノズル式噴霧方式における噴霧用ノズルの型式としては、環状に噴霧する空円錐型ノズル、円形状に噴霧する充円錐型ノズル、正方形状に噴霧する充角錐型、充矩型ノズル、扇型ノズル等が挙げられ、薬液が二次連続シートの幅方向に対して均一に噴霧されるように、ノズル径、ノズル数、ノズル配列パターン、ノズル配置数、あるいは噴霧距離、噴霧圧力、噴霧角度、および噴霧液の濃度、粘度などを適宜選択して使用することができる。
また、ノズル式噴霧装置において霧化する方法については、一流体方式、または二流体方式の2種類の方式を選択して使用することができる。このうち一流体噴霧方式は、噴霧する薬液に対して圧搾空気を用いて直接圧力をかけてノズルから霧滴噴射する、または噴出口付近のノズル側面に開けた微細な穴からノズル内に空気を吸引して霧滴噴射する方式である。また、二流体噴霧方式は、ノズル内部で圧搾空気を噴霧する液体と混合、微粒化する内部混合型、ノズル外部で圧搾空気を噴霧する液体と混合、微粒化する外部混合型、微霧化した霧滴粒子を相互に衝突させて、霧滴粒子をさらに均質化・微粒子化する衝突型等の方式が挙げられる。
他方、ローターダンプニング噴霧方式については、高速回転する円盤上に噴霧する液を送り出し、円盤の遠心力によって液を微霧滴化するのであり、円盤の回転数変更によって霧滴粒子径の制御を行い、円盤上への送液量変更によって噴霧液量(塗工量)の制御を行なう。ものである。ローターダンプニング塗工装置は、少ない量の噴霧液量を霧滴の飛散を抑えつつ、顔料塗被紙表面に均一に塗工することができ、かつ噴霧速度や霧の粒子径等の調整が容易である利点がある。
薬液を積層連続シートS2等の表面に均一に噴霧塗工するためには、霧化された薬液の霧滴粒子径はできる限り微小であることが好ましい。しかしながら、霧滴が細かくなりすぎると噴霧した空気の跳ね返りや積層連続シートS2等の表面に随伴する空気などによって霧滴が押し流され、霧滴が積層連続シートS2等の表面に付着しにくくなる。このため、噴霧塗工方式においては噴霧距離、噴霧圧力、噴霧角度、噴霧速度を、加えて二流体方式の場合には、噴霧用の薬液と圧搾空気の混合比、および薬液の濃度や粘度等を適宜調節し、塗工条件に適した粒子径に調節することができ、さらに噴霧時に随伴空気の影響が大きい場合は、随伴空気を除去するための吸引装置や邪魔板(整流板)、上述のフード等の設置、および噴霧ノズル先端に高電圧を加えて霧滴粒子を帯電させて、顔料塗被紙への霧適の付着性を向上させる荷電電極(静電噴霧方式)などを追加してもよい。
二次連続シート表面に塗工されずにミストとして浮遊している霧滴粒子は、吸引・回収して再度噴霧することができる。
図23には、ノズル式噴霧方式、特に二流体方式の薬液噴霧装置110を示した。この装置110は、中心に薬液通路110Aが、その周囲にエアー通路110Bが形成され、薬液通路110A先端から噴出された薬液Lを、エアー通路110Bから吐出されたエアーにより微霧化するものであり、ほぼ円錐形状に薬液Lを噴霧するようにしたものである。110Cは外部の保護ケーシングであり、紙粉などからノズルを保護すると共に、必要によりパージエアー通路を通すエアーによりノズルの清掃を行なうことができるようにしたものである。この種の薬液噴霧装置110は積層連続シートS2等の幅方向に一つ又は複数間隔を置いて設けることができる。
前述のように噴霧した薬液の跳ね返りや積層連続シート表面に随伴する空気などによって霧滴が押し流され、霧滴が積層連続シートS2等表面に付着しにくくなるため、図24に示すように、一流体方式又は二流体方式の薬液噴霧手段(噴霧ノズル)の周囲から、ケーシング153Eに形成したエアー供給路から噴出させるエアー110Gにより、薬液噴霧手段(噴霧ノズル)からの噴霧薬液を取り囲むようにして薬液が積層連続シートS2等に好適に塗工することができる。
図25には、ローターダンプニング噴霧装置120の例である。ローターダンプニング噴霧装置120は、噴射部120Cを有する流体室120Bが高速に回転され、その流体室120B内に薬液Lを送り出して、遠心力によって流体室内の薬液を噴射部120Cから放出させて微霧滴化する。前記流体室120Bの回転数変更によって霧滴粒子径の制御を行い、流体室への送液量変更によって噴霧液量(付与量)の制御を行なう。ローターダンプニング噴霧装置は、少ない量の噴霧液量を霧滴の飛散を抑えつつ、シート表面に均一に塗布することができ、かつ噴霧速度や霧の粒子径等の調整が容易である利点がある。
図示例の本形態体のローターダンプニング装置120では、好ましく噴霧口120Dの開閉を行なうシャッター120Eが設けられており、このシャッター120Eの開閉により噴霧の有無の制御をすることが可能となっている。
〔インクジェット印刷〕
薬液塗付与工程(薬液付与手段)53としてインクジェット印刷機130を用いた例を図26〜27を参照しながら説明する。
図示例のインクジェット印刷機130は、薬液Lの入っているタンク(図示されない)が供給路131を介してインクジェットヘッド132に接続された構造とされ、前記タンクから供給ポンプ(図示しない)によりインクジェットヘッド132に水系薬液が供給されるようになっている。
前記インクジェットヘッド132の被付与材である積層連続シートS2等と対向する部分には、この積層連続シートS2等の幅分に少なくとも対応する形で、複数のノズル孔134を直線的に並んで設けているノズル板133が配置されている。
ここで前記ノズル孔134から積層連続シートS2等までの間隔は1〜10mm、より好ましくは1〜3mmとするのが望ましい。インクジェット印刷方式では、各ノズル孔134から噴射される液滴が極少量であるため周辺気流の環境を受けやすいが、1〜10mm、より好ましくは1〜3mmとすれば、その影響は格段に小さい。一般的なフルカラープリンターの紙とノズルの間隔は1〜1.5mmである。人の目は輝度の差異やグラディエーションの表現に敏感であるため、4〜6色の減色混合による十分な色彩表現を得るのにはドット位置の精度は数μm以内を求められている。これに対し本発明の水系薬液付与ではドット位置の精度は100μm以内で十分均一な付与品質が得られる。
そして、このインクジェットヘッド132内には、噴射ユニット135が各ノズル孔に対応して複数配置され、各噴射ユニット135は、ノズル孔134から射出するための水系薬液を一時的に貯める流体室136と、この流体室136を挟んでノズル板133と対向する部分に配置された振動板137とを有し、振動板137に当接して流体室136外に配置され且つピエゾ素子等により形成される圧電素子(図示されない)とを有している。
前記圧電素子には、配線を介して制御装置138が接続されていて、この制御装置138から所定の間隔で圧電素子に電圧が付与されるようになっている。
かかる構造により、タンクからインクジェットヘッド132に供給された水系薬液は、各ノズル孔134に対応して存在する流体室136内に送り込まれるようになっていて、必要に応じて制御装置138が圧電素子に電圧を加えることで、各ノズル孔134から一斉に水系薬液が噴射されることになり、これに伴い、積層連続シートS2等の一方の面における幅分全体に亘って薬液が付与されことになる。
また、本形態のインクジェットヘッド132内に圧空135が送気するように構成され、前記噴射ユニット135から噴射された液滴がノズル孔134から圧空にのってシートS3に向かうように構成され、紙粉がノズル孔に詰まるのを防止するように構成されている。
尚、上記実施形態では、インクジェットの形式として、オンデマンド方式でピエゾ素子を採用した構造を説明したが、サーマルジェット型を採用しても良い。更に、オンデマンド方式の替りに連続して噴射可能なコンティニュアス方式の噴射装置を採用しても良い。
ただし、好ましいのは、電子制御によるオンデマンド方式であり、これによって幅方向、流れ方向における付与量変更が容易となる。
ここで、本形態においてインクジェット印刷方式を採用して薬液付与する場合のより好ましい条件は、ノズル孔からのインク液滴の粒子速度は5〜20m/秒程度、一つのインク液滴の容量は5〜50pl/個である。
さらに、インク液滴は流れ方向、幅方向に20〜200μm間隔で液滴を付与するのが望ましい。これにより付与量が増減しても実質的に均一な付与が可能である。幅方向のノズル間隔は128〜1080dpi(5〜42ライン/mm、128dpi×1段〜360dpi×3段式)とする。
一例を示せば、加工速度が分速250mの場合、インク液滴の粒子速度10m/秒、一つのインク液滴容量10pl/個、幅方向のノズル間隔1080dpiとして、インクジェット噴射頻度は5×104ドット/秒/ライン程度である。
〔カーテンコーター〕
薬液付与工程(薬液付与手段)53としてカーテンコーター150を用いた例を説明する。カーテンコーター150としては、例えば、図28に示される従来既知のカーテンコーターが使用できる。なお、カーテンコーターは、薬液の膜を垂下させることから、二次連続シート等S2の表裏面に塗工する場合には二次連続シートS2等の表裏面が上方に位置するようにペーパーランを設計して各面に塗工する。
図28に示されるカーテンコーター150においては、予め調製された水系薬液Lは、塗液貯蔵タンクより給液ポンプ等によってコーターヘッド151へ送られる。前記コーターヘッド151の内部は、マニホールド151aおよびスリット151bからなり、それぞれ高精度の仕上げが施されている。供給された疑似接着剤は、前記マニホールド151aに満たされ、更にスリット151bに送られるときに通過する狭い間隙において、給液ポンプの送液による動圧の影響が軽減され、幅方向における圧力分布が均一化され、リップ152より流出し、垂直なカーテン膜153Lを形成する。
幅方向でプロファイルが均一となった垂直カーテン膜153Lは、連続走行している二次連続シートS2等と接触し、二次連続シートS2等に塗工される。ここでエッジガイド154はコーターヘッド151の幅を超えず、更に二次連続シートS2等の幅を超えて設けられ、垂直カーテン膜は二次連続シートS2の等幅を超えて形成される。垂直カーテン膜153Lが二次連続シートS2等の幅を超えて形成されているのは、垂直カーテン膜153Lの両端部における薬液Lの厚塗りを防止するためである。二次連続シートS2等の幅を超えて流下する薬液Lは、受液槽155に回収され、塗液貯蔵タンクに戻された後再び塗工される。また、二次連続シートS2等が切断され塗工が中断された場合も、薬液Lは受液槽155に回収されるように構成されている。
連続走行している二次連続シートS2等と垂直カーテン膜153Lとの接触部(以後、「塗工部」という。)には二次連想シートS2等に同伴する空気流を遮蔽し、カーテン周辺の空気の回流などで垂直カーテン膜153Lが乱れることなく二次連続シートS2等に達するようにするため遮風板156が設けられている。また、二次連続シートS2等の搬送方向は、塗工部の直前でロール157により方向転換することにより、二次連続シートS2等に同伴する空気の塗工部への影響を最小限にとどめるように構成されている。なお、安定した状態で塗工するためには、二次連続シートS2等からコーターヘッド151下部の流出部までの高さがある程度必要とされるが、安定に適した高さは60〜300mm、好ましくは100〜250mm、更に好ましくは120〜180mmである。
次に、図2に示されるプライマシンX2を用いて、本発明にかかる実施例及び比較例A2を製造し評価した。また、合わせて市販の非保湿系の汎用ティシュペーパー(比較例A1)、市販の非保湿系の高級タイプのティシュペーパー(比較例A2〜A3)との品質につても評価した。
なお、製造した二次原反ロールは、巻き直径1500mm、巻き長さ1300m、幅400mm(2ワイド)、薬液非付与部分の積層連続シート長さ100mの条件で操業した。
また、実施例及び比較例A1〜A3については、原紙を構成するパルプは、NBKP30%、LBKP70%、またはNBKP60%、LBKP40%とした。また、クレープ率は、14、19または20.5%、湿潤紙力剤は11.0または17.0kg/t添加とした。薬液は、粘度が110mPa・s(40℃)となるように調製した。薬液塗布方式は、ドクターチャンバー式フレキソ転写またはロール転写式グラビア転写とした。また、塗布速度は100m/分、750m/分、800m/分または950m/分とし、薬液非付与部長さは40〜250mとした。
表1中に示す各パラメーターは、以下のとおりである。
米坪・・・JIS P 8124(1998)に準じて測定した。2プライのティシュー製品の場合、2プライのシートの平均米坪を記載した。
紙厚・・・JIS P 8111(1998)の条件下で、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定されるものである(JIS P 8118(1998)に準じる)。
製品密度・・・製品の密度は、JIS P 8111 条件下において調湿させたティシュペーパー製品米坪を2倍した値(C)を、「PEACOCK G型」によるティシュペーパー(2プライ)での紙厚(D)で除した値で、単位をg/cm3、小数点3桁で表す。
乾燥引張強度・・・JIS P 8113(1998)の引張試験方法に準じて測定されるものである。
湿潤引張強度・・・JIS P 8135(1998)に準じて測定されるものである。
伸び率・・・ミネベア株式会社製「万能引張圧縮試験機 TG−200N」を用いて測定されるものである。
ソフトネス・・・JIS L1096 E法に準じたハンドルオメータ法に基づいて測定されるものである。但し、試験片は100mm×100mmの大きさとし、クリアランスは5mmで実施した。1プライで縦方向、横方向の各々5回ずつ測定し、その全10回の平均値を小数点1桁とし、cN/100mmを単位として表した。
MMD・・・静摩擦係数の平均偏差MMDである。MMDは滑らかさの指標の一つであり、数値が小さいほど滑らかであり、数値が大きいほど滑らかさに劣るとされる。なお、MMD値の測定方法としては、図30(a)に示すように、摩擦子212の接触面を所定方向(図30(a)における右斜め下方向)に20g/cmの張力が付与された測定試料であるティシュペーパー211の表面に対して25gの接触圧で接触させながら、張力が付与された方向と略同じ方向に速度0.1cm/sで2cm移動させる。このときの、摩擦係数を、摩擦感テスター KES−SE(カトーテック株式会社製)を用いて測定し、その摩擦係数を摩擦距離(移動距離=2cm)で除した値をMMD値とした。なお、摩擦子212は、直径0.5mmのピアノ線Pを20本隣接させてなり、長さ及び幅がともに10mmとなるように形成された接触面を有している。接触面には、先端が20本のピアノ線P(曲率半径0.25mm)で形成された単位膨出部が形成されている。なお、図30(a)には、摩擦子212を模式的に表し、図30(b)には、図30(a)における一点鎖線で囲まれた部分の拡大図を示すものとする。
水分率・・・JIS P 8111(1998)に準じて測定されるものである。
薬液含有量・・・薬液付与量とは、JIS P 8111の標準状態におけるティシュペーパーの単位面積に対し含まれる乾燥状態(絶乾)の薬液成分の含有量を示し、具体的には、付与した薬液中の水分以外の成分の含有量を示すものとする。このティシュペーパーの単位面積とは、プライされたシートを平面に垂直線上にある視点から見た面積であり、プライされた各シート、およびその表裏面の合計面積を意味しない。
薬液含有率・・・薬液付与率とは、JIS P 8111 条件下において調湿させた所定質量のティシュペーパー製品を分母(A)(g)とし、所定質量のティシュペーパー製品中に含まれる薬液中の水分を除いた質量(B)(g)を分子として、(B)を(A)で除した比率を(%)で表す。(薬液含有率%)=(B)÷(A)×100(%)
官能評価・・・実施例及び比較例について、消費者87人を対象に、やわらかさ、なめらかさ、厚み感、しっとり感、ふきとり感について下記の基準に基づく官能評価を行った(表1)。なお、評価基準は、薬液が付与されていない非保湿系の汎用ティシュペーパーの成績をすべて「3」とし、「大変優れている」と感じたものについては「5」、「優れている」と感じたものについては「4」、「基準と同等」と感じたものについては「3」、「劣る」と感じたものについては「2」、「顕著に劣る」と感じたものについては「1」とした。さらに、薬液付与ティシュペーパーについては、ベタつき感の有無についても評価を行い、評価基準は、「ベタつき感が少ない」ものを「○」とし、「明らかにベタつき感がある」ものを「×」とした。
なお、評価基準は、薬液が付与されていない非保湿系の汎用ティシュペーパーの成績をすべて「3」とし、「大変優れている」と感じたものについては「5」、「優れている」と感じたものについては「4」、「基準と同等」と感じたものについては「3」、「劣る」と感じたものについては「2」、「顕著に劣る」と感じたものについては「1」とした。さらに、薬液付与ティシュペーパーについては、ベタつき感の有無についても評価を行い、評価基準は、「ベタつき感が少ない」ものを「○」とし、「明らかにベタつき感がある」ものを「×」とした。
実施例及び比較例に係るティシュペーパーについて、生産性・品質に関する評価の欄の評価基準は下記のとおりである。
〈巻きずれ(プライマシン)〉
5・・・二次原反ロールにおいて薬液塗布時からマルチスタンド式インターフォルダにセットする時まで芯際と外周面側で巾方向に巻きずれがない。
4・・・二次原反ロールにおいて、マルチスタンド式インターフォルダにセットする時に芯際と外周面側で巾方向に巻きずれが発生。
3・・・二次原反ロールにおいて、薬液塗布後からマルチスタンド式インターフォルダセットする前(移送時)に芯際と外周面側で巾方向に巻きずれが発生。
2・・・二次原反ロールにおいて、薬液塗布直後に芯際と外周面側で巾方向に巻きずれが発生。
1・・・二次原反ロールにおいて、薬液塗布時に芯際と外周面側で巾方向に巻きずれが発生。
〈巻きずれ(マルチスタンド)〉
5・・・マルチスタンド式インターフォルダで二次原反ロール加工時に、流れ方向と巾方向でずれが発生せず、問題なく折り加工できる。
4・・・マルチスタンド式インターフォルダで二次原反ロール加工時に、流れ方向または巾方向いずれかでずれが発生するが、折り加工はできる。
3・・・マルチスタンド式インターフォルダで二次原反ロール加工時に、流れ方向と巾方向でずれが発生するが、折り加工が可能なレベルである。
2・・・マルチスタンド式インターフォルダで二次原反ロール加工時に、流れ方向と巾方向でずれが発生し、折り加工が困難であり、度重なる調整が必要である。
1・・・マルチスタンド式インターフォルダで二次原反ロール加工時に、流れ方向と巾方向でずれが発生し、折り加工ができない。
〈折り不良〉
5・・・裁断面のウェブずれが8mm未満であり、ポップアップ不良がないこと。
4・・・裁断面のウェブずれが8〜15mm未満であり、ポップアップ不良がないこと。
3・・・裁断面のウェブずれが15mm以上であるが、ポップアップ不良がないこと。
2・・・裁断面のウェブずれが15mm以上で織込み不良が発生し、ポップアップが部分的に発生する。
1・・・裁断面のウェブずれが15mm以上で織込み不良が発生し、ポップアップが困難である。
ロスについては、「ロスの発生が少ない」ものを「○」とし、「ロスの発生が多い」ものを「×」とした。なお、非保湿系の汎用ティシュペーパーをマルチスタンド式インターフォルダでティシュペーパー製品を製造する場合、二次原反ロールの表層部50〜200mが調整用に使用されロスが発生する。
Figure 0005711003
表1の結果から判るように、本実施例A1〜A6については、巻きずれは発生しなかった。実施例A6、A7については若干の巻きずれが発生したものの、薬液非付与部分を有さない比較例A2と比較すれば十分に改善されていることが示された。なお、実施例にかかる薬液非付与部分にかかる積層束は損紙とした。
また、実施例A2〜A5から理解されるように本願発明においては付与速度を800m/分、950m/分としても、十分な品質のティシュペーパー製品が得られ、生産性に優れることが知見された。
51・・・重ね合わせ部(積層手段)(積層工程)
52・・・カレンダー手段(平滑化工程)
53・・・サイズ剤付与手段(サイズ剤付与工程)
54・・・コンタクトエンボス手段(コンタクトエンボス工程)
55・・・スリット手段(スリット工程)
56・・・巻き取り手段(巻き取り工程)
S11、S12・・・連続シート
S2・・・積層連続シート
JR・・・一次原反ロール
R・・・二次原反ロール

Claims (10)

  1. 薬液が付与されたティシュペーパー製品の製造方法であって、
    抄紙設備により抄造され巻き取られた一次原反ロールから連続的にティシュペーパー製品用の二次原反ロールを製造するプライマシンとして;
    複数の一次原反ロールから繰り出される連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層手段と、
    積層連続シートに対して薬液を付与する薬液付与手段と、
    積層連続シートに対してコンタクトエンボスを付与するコンタクトエンボス付与手段と、
    積層連続シートをティシュペーパー製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット手段と、
    スリットされた各積層連続シートを同軸で巻き取ってティシュペーパー製品幅又はその複数倍幅の二次原反ロールを複数形成する巻き取り手段と、をシート流れ方向にこの順に組み込んだものを用い;
    前記プライマシンにて、二次原反ロールを製造するにあたって、巻き取り後期の所定長さの積層連続シートに対して薬液を付与しないこととして、外周部に薬液非付与の積層連続シートが巻かれた複数の二次原反ロールを製造し、
    前記プライマシンにより得られた、外周部に薬液非付与の積層連続シートが巻かれた部分を有する各二次原反ロールを、マルチスタンド式インターフォルダの折り畳み機構部に対応して多数セットし、前記マルチスタンド式インターフォルダにおいて、各二次原反ロールからの二次連続シートを前記折り畳み機構部にそれぞれ送り込み、二次連続シートを折り畳み各二次連続シートの側端部を掛け合わせしながら積み重ねられた積層帯を得て、
    その後に流れ方向に所定の間隔をおいて裁断してティシュペーパー束とし、そのティシュペーパー束を収納箱に収納してティシュペーパー製品を得る、
    ことを特徴とする、薬液が付与されたティシュペーパー製品の製造方法。
  2. 前記プライマシンが、前記積層手段と前記薬液付与手段との間にカレンダー部を有するものとし、前記カレンダー部において積層連続シートに対してカレンダー加工を行なう、請求項1記載の薬液が塗布されたティシュペーパー製品の製造方法。
  3. 前記プライマシンにおける前記薬液付与手段がフレキソ印刷方式によるものである、請求項1記載の薬液が塗布されたティシュペーパー製品の製造方法。
  4. 前記プライマシンで二次原反ロールを製造するにあたって、巻き直径を1000〜2000mm、巻き長さを8000〜20000m、幅を350mm〜1200mm、薬液非付与部分の積層連続シートの長さを80m〜250mとする請求項1記載の薬液が付与されたティシュペーパー製品の製造方法。
  5. 積層連続シートを構成する一次連続シートの坪量を10〜30g/m2、薬液付与手段における積層連続シートへの薬液付与量を0.3〜5.0g/m2とする請求項1記載の薬液が付与されたティシュペーパー製品の製造方法。
  6. 薬液が付与されたティシュペーパー製品用の二次原反ロールの製造方法であって、
    抄紙設備により抄造され巻き取られた一次原反ロールから連続的にティシュペーパー製品用の二次原反ロールを製造するプライマシンとして;
    複数の一次原反ロールから繰り出される連続シートをその連続方向に沿って積層して積層連続シートとする積層手段と、
    積層連続シートに対して薬液を付与する薬液付与手段と、
    積層連続シートに対してコンタクトエンボスを付与するコンタクトエンボス付与手段と、
    積層連続シートをティシュペーパー製品幅又はその複数倍幅となるようにスリットするスリット手段と、
    スリットされた各積層連続シートを同軸で巻き取ってティシュペーパー製品幅又はその複数倍幅の二次原反ロールを複数形成する巻き取り手段と、をシート流れ方向にこの順に組み込んだものを用い;
    前記プライマシンにて、二次原反ロールを製造するにあたって、巻き取り後期の所定長さの積層連続シートに対して薬液を付与しないこととして、外周部に薬液非付与の積層連続シートが巻かれた複数の二次原反ロールを製造することを特徴とする、薬液が付与されたティシュペーパー製品用の二次原反ロールの製造方法。
  7. 前記プライマシンが、前記積層手段と前記薬液付与手段との間にカレンダー部を有するものとし、前記カレンダー部において積層連続シートに対してカレンダー加工を行なう、請求項記載の薬液が付与されたティシュペーパー製品用の二次原反ロールの製造方法。
  8. 前記薬液付与手段がフレキソ印刷方式によるものである、請求項記載の薬液が付与されたティシュペーパー製品用の二次原反ロールの製造方法。
  9. 前記プライマシンで二次原反ロールを製造するにあたって、巻き直径を1000〜2000mm、巻き長さを8000〜20000m、幅を350mm〜1200mm、薬液非付与部分の積層連続シートの長さを80m〜250mとする請求項記載の薬液が付与されたティシュペーパー製品用の二次原反ロールの製造方法。
  10. 積層連続シートを構成する一次連続シートの坪量を10〜30g/m2、薬液付与手段における積層連続シートへの薬液付与量を0.3〜5.0g/m2とする請求項記載の、薬液が付与されたティシュペーパー製品用の二次原反ロールの製造方法。
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