JP2012167470A - 色素増感太陽電池を使用した点灯装置およびその点灯装置を用いた表示装置 - Google Patents

色素増感太陽電池を使用した点灯装置およびその点灯装置を用いた表示装置 Download PDF

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稔 岡部
Sadaichi Hirose
貞一 広瀬
Toshinori Okamoto
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Abstract

【課題】本発明の目的は、色素増感太陽電池を使用し、注意を引きやすいように点灯する点灯装置および点灯装置を用いた表示装置を提供することにある。
【解決手段】点灯装置10は、光電変換をおこなう色素増感太陽電池12、発電された電力を蓄電するコンデンサC1、光源L、および発光を制御する制御回路14を備える。電源に色素増感太陽電池12を使用することによって、光量の少ない屋内の使用であっても、シリコン系太陽電池よりも発電量を落としにくく、発光をおこなうことができる。複数のコンデンサC1を使用することによって、一気に放出できる電荷を大きくでき、一瞬の発光を高くでき、注意を引くことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池を使用した点灯装置およびその点灯装置を用いた表示装置に関するものである。
従来、注意喚起のために、発光表示をおこなう表示装置(看板など)がある。可搬型の看板の場合、電源への接続やメンテナンスを考慮して、太陽電池を使用した看板が開発されている。使用される太陽電池はシリコン系の太陽電池である。
しかし、シリコン系の太陽電池は高価で重く、搬送時の衝撃で割れるおそれがある。シリコン系の太陽電池は折り曲げなどができないため、曲面を有する看板への使用が制限される。屋内の光量は屋外の光量に比べて2桁ほど低く、シリコン系の太陽電池は光電変換効率が著しく低下して、補助光照明を必要とするなど屋内での使用には向かない。
下記特許文献1の看板は、看板側方または上方の色素増感太陽電池から発光ダイオードに電力供給している。また、電気二重層コンデンサを使用して蓄電もおこない、電気二重層コンデンサからも発光ダイオードに電力供給している。
しかし、色素増感太陽電池に使用される透明体カバーは強化ガラスなどであり、曲面を有する看板への使用ができない。具体的な回路構成が示されていず、電気二重層コンデンサに蓄電した電力を発光ダイオードの点灯に有効利用できるか不明である。発光ダイオードの点灯がぼんやりしていたりすると、看板の広告として人々に注意を引くことができない。看板としての能力が低くなる。また、蓄電に使用する電気二重層コンデンサは容量が大きいために、屋内のような低照度条件では蓄電に長時間を要する恐れがある。
特開2005−188251号公報
本発明の目的は、色素増感太陽電池を使用し、屋内のような低照度条件でも、注意を引きやすいように点灯する点灯装置および点灯装置を用いた表示装置を提供することにある。
点灯装置は、光電変換によって発電する色素増感太陽電池と、前記色素増感太陽電池の発電した電力を蓄電する複数のコンデンサと、前記色素増感太陽電池およびコンデンサからの電力によって発光する発光ダイオードと、前記色素増感太陽電池の発電した電力によって駆動し、発光ダイオードの点灯および消灯を制御する制御回路とを備える。
色素増感太陽電池で発電し、コンデンサに蓄電する。また、制御回路も色素増感太陽電池の発電電力で駆動する。制御回路が発光ダイオードの点灯を制御する。
前記制御回路によって発光ダイオードを点滅させ、発光ダイオードの消灯時にコンデンサが充電される。発光ダイオードの消灯時は、発光ダイオードに電流が流れず、コンデンサが充電される。複数のコンデンサは、電解コンデンサ、セラミックコンデンサ、タンタルコンデンサ、マイカコンデンサ、またはフィルムコンデンサのうち、少なくとも1種類である。点灯時にコンデンサが一気に電荷を放出する。
前記色素増感太陽電池の発電した電力を蓄電し、色素増感太陽電池の発電量が低下したとき、制御回路に電力供給する蓄電デバイスを備える。色素増感太陽電池の発電電力によって蓄電デバイスに蓄電をおこない、制御回路への電力が低下したときに、蓄電デバイスから制御回路に電力を供給する。
また、上記の点灯装置を看板などの表示装置に適用しても良い。発光ダイオードの点灯によって人々の注意を引く。
本発明は、コンデンサが一気に電荷を放出することにより、発光ダイオードの一瞬の輝度を高めることができ、看板などの表示装置に適用したときに注意を引きやすい。蓄電デバイスによって、徐々に制御回路に電力を供給するため、色素増感太陽電池の発電量が低下しても、長い間制御回路に電力供給ができ、発光ダイオードを点灯させることができる。
点灯装置の構成を示す回路図である。 色素増感太陽電池の構造を示す断面図である。 8個のセルにした色素増感太陽電池の正面図である。 電池特性を示すグラフであり、(a)は太陽光でのIV特性であり、(b)は屋内照明でのIV特性である。 LEDの端子電圧を示すグラフであり、(a)は点灯時間と消灯時間が1:1の場合であり、(b)は点灯時間と消灯時間が1:7の場合である。 点灯装置を表示装置に用いた図である。
本発明について図面を使用して説明する。
図1に示す点灯装置10は、光電変換をおこなう色素増感太陽電池12、発電された電力を蓄電するコンデンサC1、光源L、および発光を制御する制御回路14を備える。
色素増感太陽電池12は、金属酸化物半導体多孔膜を利用した太陽電池である。シリコン系太陽電池に比べて、高価な材料や真空成膜などのプロセスが必要でなく、安価および簡単に製造することができる。
色素増感太陽電池12は、光電極基板16と対極基板18とを対向させて、その周辺部分がシール材で張り合わされている(図2)。光電極基板16と対極基板18との間には電解液20が充填される。
光電極基板16は、透明樹脂フィルム22、透明樹脂フィルム22の上に形成された透明電極24、透明電極24の上に形成された金属酸化物半導体多孔膜26、および金属酸化物半導体多孔膜26に担持させた光増感色素28を備える。
透明樹脂フィルム22は光の入射側に配置される。光を透過させて適度な強度を有すれば種々の材料を使用することができるが、金属酸化物半導体多孔膜26の成膜などで熱処理が必要なため、耐熱性が有する材料が好ましい。また、耐熱性に加えて耐薬品性の高いものも好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、透明ポリイミド、環状ポリオレフィンなどが挙げられる。透明樹脂フィルム22の厚みを約20μm〜1mmにすることによって、適度な剛性と柔軟性を持たせることができる。
透明電極24は、例えば、ITO、SnO、ZnO、GZO、AZO、FTOなどの透明性のある酸化物半導体からなるものが挙げられる。ITOは、抵抗率が小さく安定であり、透明性が高いため好ましい。透明電極24は、スパッタリング、CVD、蒸着、イオンプレーティングなどのドライ成膜法や、上記の酸化物半導体から成る微粒子を溶媒に分散して塗布成膜するウェット成膜法によって形成することができる。
また、溶媒に分散させた金属微粒子を塗布や印刷することにより、金属細線によるメッシュ状の電極を透明電極24としても良い。金属細線の無い部分を光が通過し、金属細線は電極として機能する。スパッタリングなどと比べて、真空チャンバーなどの成膜装置が必要でなく、製造が非常に容易である。その場合にはチタンやステンレスなどの耐食性のある金属微粒子は高い導電性を有するため好ましい
透明樹脂フィルム22と透明電極24との間には、透明電極24の密着性向上や傷つき防止のためにハードコート層を形成しても良い。
金属酸化物半導体多孔膜26は、ナノサイズの微小孔が内部に網目状に形成されたメソポーラスな半導体膜である。金属酸化物半導体多孔膜26は亜鉛酸化物を使用した酸化亜鉛半導体多孔膜が挙げられる。酸化亜鉛微粒子の塗布成膜法や酸化亜鉛の電析法によって、酸化亜鉛半導体多孔膜26を形成することができる。酸化亜鉛微粒子の塗布成膜法としては、酸化亜鉛微粒子を溶媒とバインダーに分散してペースト化し、スピンコートやバーコート等によって塗布成膜する方法や、スクリーン印刷法等で成膜した後に溶媒乾燥して成膜する方法がある。酸化亜鉛の電析法は、酸素バブリングした塩化亜鉛水溶液中で、透明電極基板に所定の電圧を印加して酸化亜鉛をめっきする方法であり、テンプレート色素を併用して多孔性を制御することができる。
酸化亜鉛半導体多孔膜26の膜厚は、約2μm〜20μmである。2μm未満であると、色素担持量が少なくなるために、色素増感太陽電池12の光電変換特性が低下する。20μmを超えると、酸化亜鉛半導体多孔膜26の電子拡散長が限られているため、光電変換に寄与しない部分が発生したり、多孔膜中への電解液の浸入が困難になることもあり、光電変換特性が低下する。
光増感色素28は、光エネルギーにより電荷分離を発生し、電子を酸化亜鉛半導体多孔膜26に効率よく注入するものである。光増感色素28としては、ルテニウム等の金属を含有しない有機色素が挙げられる。有機色素としては、酸化亜鉛半導体多孔膜26に強固に吸着させるために官能基を有するものが好ましい。上記官能基としては例えば、カルボン酸基、カルボン酸無水基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基等が挙げられる。有機色素としては、具体的には例えば、キサンテン系色素、クマリン系色素、トリフェニルメタン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、ポルフィリン系色素、フラノシアニン系色素、アゾ色素、スクアリリウム系色素等が挙げられる。
光増感色素28を担持させる方法としては、光増感色素28を含有する溶液に、酸化亜鉛半導体多孔膜26が形成された樹脂フィルム22を浸漬した後、乾燥を行なう方法が挙げられる。浸漬時間は約5分〜2時間である。5分未満であると、光増感色素28の溶液が酸化亜鉛半導体多孔膜26の内部にまで充分に浸透しないことがあり、2時間を越えると、酸化亜鉛半導体多孔膜26への光増感色素28の吸着が多くなり、吸着色素の積層吸着が発生し、発電に寄与しない色素の増加や、酸化亜鉛半導体多孔膜26への電子の流れの阻害、酸化亜鉛半導体多孔膜26への電解液20の浸入の阻害等が起こり、光電変換特性が低下することがある。
また、光増感色素28を担持させるために使用する光増感色素28の溶液に使用する溶媒としては、光増感色素28を溶解して、透明樹脂フィルム22や透明電極24を劣化させないものを使用する。例えばエタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル等が挙げられる。
対極基板18は、樹脂フィルム30の上に電極32と触媒層34を順番に積層形成したものである。対極基板18の樹脂フィルム30と電極32は光電極基板16と同様の透明樹脂フィルム22と透明電極24を使用してもよいが、光透過の必要性はないため、透明でなくても良い。例えば電極32は、チタン、タングステン、ステンレス等の耐食性のある金属やカーボン、グラファイト等の炭素材料を用いることができる。触媒層34は、白金、カーボン、ポリチオフェンやポリアニリン等の導電性ポリマーを用いることができる。
シールは、光電極基板16と対極基板16を貼り合せてセルを構成し、内部に電解液20を保持するための物である。シールを構成する材料としては、各種の接着剤や粘着剤が使用可能であるが、電解液20と反応せず、電解液20の溶媒に対して不活性な材料であり、フィルム基板と密着性の良いシリコーン系やフッ素系の接着剤、粘着剤が好適に使用できる。また、アイオノマー樹脂フィルムによる熱融着も好適に使用される。
電解液20は、電子がリークしない絶縁性であって、イオン導電性の電解質溶液であり、ヨウ素イオンを含むものである。光反応により光増感色素28で発生し、透明電極24に拡散した電子を補充するため、ヨウ素イオンの酸化還元反応とイオンの拡散により、対極電極32から電子を伝えることで太陽電池回路を構成する。
ヨウ素イオンを含む電解質溶液としては、ヨウ化リチウム、テトラ-n-プロピルアンモニウムヨージド、フェニルトリメチルアンモニウムヨージド、テトラ-n-ブチルアンモニウムヨージド、ヨウ素イオンをアニオンとするイミダゾリウム塩である1,2−ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムイオダイド、1−メチル-3-プロピルイミダゾリウムイオダイド、1-メチル-2,3−ジメチルイミダゾリウムイオダイド、1-ブチルー2,3−ジメチルイミダゾリウムイオダイド、1-プロピルー3−メチルイミダゾリウムイオダイド、1-ブチルー3−メチルイミダゾリウムイオダイド等がある。
電解液20は有機溶媒溶液をイオン導電性の電解質溶液としたものを用いても良い。例えば、エタノール等の低級アルコール、ニトリル系のアセトニトリル、メトキシプロピオニトリルや炭化水素系のプロピレンカルボナート、ジエチルカルボナート、γーブチロラクタンやポリエチレングリコール等の多価アルコール、イミダゾリウム塩等のイオン液体が挙げられる。
色素増感太陽電池12の製造は、まず下記(1)から(4)の順番で光電極基板16を製造する。(1)透明樹脂フィルム22を準備する。例えば、PENフィルム(帝人デュポン製、厚み200μm)を所望の大きさに切断し、UV硬化アクリル樹脂のハードコートを施す。
(2)透明樹脂フィルム22の上に透明電極24を形成する。透明樹脂フィルム22の上にITO膜の透明電極24を形成する場合、DCスパッタリング法によって形成する。例えば、アルゴンガス流量50sccm、酸素ガス流量1.5sccm、電圧370V、電流2Aの条件で20分成膜した場合、表面抵抗は24Ω/□である。ITO膜は、所望形状にパターンニングしても良い。例えば、図3に示すように、8個のセル36になるようにパターニングする。
(3)酸化亜鉛半導体多孔膜26を形成する。形成方法は、酸化亜鉛微粒子のペーストの印刷により酸化亜鉛半導体多孔膜26を成膜する方法が挙げられる。具体的には、まず酸化亜鉛微粒子(テイカ製MZ-500)を溶媒とバインダーに混合分散してペーストを作製し、このペーストをスクリーン印刷し、溶媒を乾燥させる。スクリーン印刷する際、セルの形状に合わせてスクリーン印刷する。後述する8セルの色素増感太陽電池12であれば、8×82mmの矩形状を8面並べたパターンでスクリーン印刷する。溶媒の乾燥か、100℃、30分でおこなう。
(4)光増感色素28を担持させる。上記(3)で溶媒を乾燥させた後、色素溶液に酸化亜鉛半導体多孔膜26を浸積させる。例えば、三菱製紙製有機色素D149 0.5mMとデオキシコール酸1mM/Lとをt-ブタノールとアセトニトリルの1:1混合溶媒に溶解した色素溶液に40分浸積して、光増感色素28を担持させる。
また、下記の(5)から(7)の順番で対極基板18を製造する。(5)樹脂フィルム30を準備し、(6)樹脂フィルム30の上に電極32を形成する。(5)と(6)は上記(1)と(2)と同様の方法であっても良い。
(7)電極32の上に触媒層34を形成する。触媒層34として白金を使用する場合、スパッタリング法によって成膜する。
最後に色素増感太陽電池12の組み立てとして、(8)光電極基板16と対極基板18とを対向させ、光電極基板16と対極基板18との間に電解液20を満たしながら、両基板16、18の周辺部分を封止する。具体的には、(a)光電極基板16と対極基板18と重ねて、その周辺部を封止して空セルを制作する。空セルには電解液20の注入口を設けておく。封止は、シールとしてアイオノマー樹脂フィルムを使用し、それを熱溶着する。(b)注入口から電解液20を注入し、注入口を封止する。空セルに電解液(ヨウ素0.1mol/L、1,2−ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムイオダイド1.0mol/L、溶媒としてプロピレンカルボナート)を注入し、UV硬化樹脂で注入口を封止する。
以上の工程(1)〜(8)によって製造した色素増感太陽電池12は、シリコン系太陽電池に比べて製造が容易である。また、低照度の屋内であっても、出力電圧が落ちにくく(図4(a)、(b))、シリコン形太陽電池のように屋内で急激な光電変換効率の低下がおきない。
上記の製造方法で、大きさ100×87mm、厚み250μmの色素増感太陽電池12を製造した。8つのセル36を直列接続しており、1つのセル36は82×8mmである。この色素増感太陽電池12について、光源の輝度を1sun(100mW/cm)にして、ソーラーシュミレーター(山下電装社製YSS-50)で測定した特性は、開放電圧Vocが4.45V、短絡電流Jscが24.39mA、曲線因子FFが0.48、変換効率ηが1.01%であった。また同じ色素増感太陽電池12について、一般的な屋内における照度に近い450lxの明るさでの光電変換特性を測定した。得られたIV曲線より(図4(b))、最適動作条件は、1.8Vの150μAになることがわかった。なお、色素増感太陽電池12は、必要な電力に応じて色素増感太陽電池12の数、セル36の大きさおよびセル36の数を変更しても良い。
色素増感太陽電池12の陽極には、並列になった複数のコンデンサC1が接続される。色素増感太陽電池12とコンデンサC1の間には、逆流防止用のダイオードD1が接続される。複数のコンデンサとして、電解コンデンサ、セラミックコンデンサ、タンタルコンデンサ、マイカコンデンサ、またはフィルムコンデンサのうち、少なくとも1種類を使用することができる。各コンデンサC1は、例えば、上記コンデンサのなかで比較的容量が大きい電解コンデンサを用い、プラス電極が色素増感太陽電池12に接続される。実施例では1000μF、6.3Vの電解コンデンサを用いる。
電解コンデンサは電気二重層コンデンサやリチウムイオンなどの二次電池に比べて蓄積容量が小さい。しかし、電解コンデンサは、電気二重層コンデンサなどよりも電荷の放出が早い。電荷を一気に放出することによって、光源Lの一瞬の輝度を高め、視覚に対して注意を引きやすくなる。また、1つのコンデンサC1の容量と複数のコンデンサC1の合計容量が同じであっても、複数のコンデンサC1を使用する方が好ましい。コンデンサC1が1つよりも複数に分けた方が一気に放出できる電荷を大きくできる。
光源Lは、発光ダイオード(LED)を使用する。発光ダイオードLは、色素増感太陽電池12が発電した電力とコンデンサC1に蓄えられた電荷で発光する。発光ダイオードLは低消費電力の素子であり、色素増感太陽電池12の発電およびコンデンサC1の電荷でも十分な発光をおこなうことができる。図1の回路では、3つの発光ダイオードLを並列接続しているが、並列する数は使用する表示装置によって適宜変更しても良い。
発光ダイオードLの発光は、制御回路14によって制御される。制御回路14の端子P1,P2,P3に発光ダイオードLのカソードが接続されている。制御回路14の内部において、端子P1、P2、P3にMOSFETなどのスイッチング素子を接続し、スイッチング素子のオンとオフを制御することによって、発光ダイオードLの発光と消灯を制御する。例えば、制御回路14が、発光する発光ダイオードLを順番に切り換えたり、全ての発光ダイオードLを同時に発光させる。発光ダイオードLの発光色は、適用する表示装置に応じて適宜変更する。
制御回路14は、発光ダイオードLの全てを消灯させる期間を設ける。この間にコンデンサC1の充電をおこなう。そして、発光ダイオードLを点灯させた瞬間に、コンデンサC1が一気に電荷を放出するため、発光ダイオードLの一瞬の発光輝度が高くなり、注意を引きやすくなる。また、消灯させる期間は、コンデンサC1に電荷が十分に蓄電(蓄電完了時の電圧の90%以上程度)できる時間にする。最大量の電荷によって輝度を高めるためである。実施例では、各発光ダイオードLのON時間を0.5秒、OFF時間を1.0秒で設定している。
上記のように点灯と消灯を繰り返す効果を図5で説明する。図1の点灯装置10において、連続点灯をおこなった場合に端子電圧が1.63Vである発光ダイオードLを使用している。コンデンサC1は、上記の1000μF、6.3Vの電解コンデンサである。図5(a)では、点灯時間と消灯時間の比率が1:1であり、点灯時間は0.5秒である。端子電圧は1.6〜1.7Vであり、消灯時間を設けたことによって、最大の端子電圧が上昇している。さらに、図5(b)では、点灯時間と消灯時間の比率が1:7であり、点灯時間は0.5秒である。端子電圧は1.5〜2.1Vであり、1:1の場合よりも最大の端子電圧が上昇している。消灯時間を設けることによって、発光ダイオードLの端子電圧を高めて、発光輝度を高くでき、コンデンサC1に十分に電荷を蓄電させることによって、さらに発光輝度を高めることができることが図5で示される。
制御回路14の電源入力端子Vccは色素増感太陽電池12に接続されており、色素増感太陽電池12の発電電力の一部を使用して駆動する。そのため、制御回路14は低消費電力のマイクロコントローラが好ましい。例えば、0.5μAで駆動可能なテキサスインスツルメンツ社製のMSP430G2001を例示できる。なお、端子Vssは電源入力端子Vccと対で使用される端子であり、色素増感太陽電池12の陰極に接続されている。
制御回路14のリセット入力のために、抵抗R1とコンデンサC2からなるCR回路が設けられる。CR時定数で決定される立ち上がりの電圧がリセットRSTに入力され、その電圧が所定の閾値を超えたときに制御回路14がオンになる。
制御回路14の電源入力端子Vccには、蓄電デバイスC3が接続される。蓄電デバイスC3としては、例えば電気二重層コンデンサやリチウムイオンなどの二次電池が使用できる。プラス電極は色素増感太陽電池12に接続されており、色素増感太陽電池12の発電電力によって蓄電がなされる。色素増感太陽電池12に対して光が遮られても、制御回路14を駆動させることができる。このとき、蓄電デバイスC3は、電解コンデンサと異なり一気に電荷を放出することがない。徐々に電荷を放出することにより、制御回路14の駆動できる時間を長くできる。実施例では、蓄電デバイスC3として、電気二重層コンデンサを使用し、10μFの容量である。
蓄電デバイスC3と並列に、蓄電デバイスC3よりも小容量のコンデンサC4を接続して、急激な電圧変動が生じないようにする。例えば、容量が0.1μFのセラミックコンデンサなどを使用する。
点灯装置10は、表示装置40を構成する板42などに取り付けられる(図6)。ここで表示装置40は、看板、商品広告、案内、誘導、警告等の種々の表示をおこなう装置も含む。表示装置40の表面から発光ダイオードLの光が視認できるようにする。発光ダイオードLの一瞬の輝度が大きいため、表示装置40に注意を引きやすい。コンデンサC1などは板42の裏面に配置する。色素増感太陽電池12であるため、色素によって色を変更することができ、表示装置40の表面に配置しても表示装置40の色彩などに合わせることができる。シリコン系太陽電池は濃青色であるため、デザインを考えて目立たない場所に設置する必要があるが、色素増感太陽電池12は、表示装置40の表面に設置してもデザインを損ないにくい。図6の表示装置40は平面の板42であるが、色素増感太陽電池12に硬質の基板を必ずしも使用する必要がないため、板42に曲面があっても色素増感太陽電池12を設置することができる。
以上のように、電源に色素増感太陽電池12を使用することによって、光量の少ない屋内の使用であっても、シリコン系太陽電池よりも出力電圧を落としにくく、発光をおこなうことができる。複数のコンデンサC1を使用することによって、一気に放出できる電荷を大きくでき、一瞬の発光を高くでき、注意を引くことができる。そのため、室内での表示装置に適している。
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
10:点灯装置
12:色素増感太陽電池
14:制御回路
16:光電極基板
18:対極基板
20:電解液
22:透明樹脂フィルム
24:透明電極
26:金属酸化物半導体多孔膜
28:色素
30:樹脂フィルム
32:電極
34:触媒層
36:セル
40:表示装置
42:板

Claims (4)

  1. 光電変換によって発電する色素増感太陽電池と、
    前記色素増感太陽電池の発電した電力を蓄電する複数のコンデンサと、
    前記色素増感太陽電池および複数のコンデンサからの電力によって発光する光源と、
    前記色素増感太陽電池の発電した電力によって駆動し、光源の点灯および消灯を制御する制御回路と、
    を備えた点灯装置。
  2. 前記複数のコンデンサは、電解コンデンサ、セラミックコンデンサ、タンタルコンデンサ、マイカコンデンサ、またはフィルムコンデンサのうち、少なくとも1種類である請求項1の点灯装置。
  3. 前記制御回路によって光源を点滅させ、光源の消灯時にコンデンサが充電される請求項1または2の点灯装置。
  4. 請求項1から3に記載の点灯装置を用いた表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016000189A (ja) * 2014-05-21 2016-01-07 株式会社フジコー 空気浄化装置
US10715080B2 (en) 2016-02-26 2020-07-14 Sharp Kabushiki Kaisha Power supply device using solar cell, electronic apparatus such as communication apparatus equipped with the same, and signboard apparatus

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JP2016000189A (ja) * 2014-05-21 2016-01-07 株式会社フジコー 空気浄化装置
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