JP2012166475A - 成形品の製造方法 - Google Patents

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章洋 小林
Tatsuya Nakano
達也 中野
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隆久 高田
Tadashi Koike
匡 小池
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Abstract

【課題】凹凸パターンの転写精度を高めることの容易な成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】賦形型材11と熱可塑性樹脂基材21とを重ね合わせてなる成形用基材31は、ベルト54,55の間で搬送される。搬送方向に延在する加熱部72は、熱可塑性樹脂基材21に賦形型材11の有する凹凸パターンが転写され得る温度まで熱可塑性樹脂基材21を加熱する。加熱部72よりも下流側で搬送方向に延在する冷却部73は、熱可塑性樹脂基材21を冷却する。成形用基材31は、加熱部72及び冷却部73により加圧され、加熱部72より搬出されてから冷却部73に搬入されるまでに要する時間が5秒以下となるように、加熱部72から冷却部73へ搬送される。好ましくは、加熱部72及び冷却部73により、搬送方向に沿って連続した加圧領域を形成し、加熱部72に搬入されてから冷却部から73搬出されるまで、成形用基材31の加圧を継続させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂基材に賦形型材の有する凹凸パターンを転写することで得られ、例えば反射防止物品として用いられる成形品の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂基材に賦形型材の有する凹凸パターンを転写することで、凹凸パターンを有する成形品を製造する方法が知られている(特許文献1参照)。特許文献1の製造方法では、熱可塑性樹脂フィルムとそれに重ね合わせた賦形原版とを対向するベルトの間で搬送するとともに加圧している。この加圧に際して、加熱手段により加熱するとともに、その後、加圧手段により冷却している。
特開2008−173914号公報
ところが、熱可塑性樹脂基材と賦形型材とを対向するベルト間で搬送しつつ、賦形型材の有する凹凸パターンを成形用基材に転写する成形品の製造方法では、熱可塑性樹脂基材に転写された凹凸パターンが搬送する方向に沿って変形したり、凹凸パターンにばらつきが生じたりする傾向にあった。
本発明の目的は、凹凸パターンの転写精度を高めることの容易な成形品の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明は、対向して配置された第1ベルトと第2ベルトとの間で、賦形型材と熱可塑性樹脂基材とを重ね合わせてなる成形用基材を搬送するとともに、前記第1ベルト及び第2ベルトを通じて前記成形用基材が加熱及び加圧されることで、前記賦形型材の有する凹凸パターンを前記熱可塑性樹脂基材に転写した成形品を製造する成形品の製造方法であって、前記搬送の方向に延在するとともに前記凹凸パターンを転写し得る温度まで前記熱可塑性樹脂基材を加熱する加熱部と、前記加熱部よりも下流側で前記搬送の方向に延在するとともに前記熱可塑性樹脂基材を冷却する冷却部とにより、前記成形用基材を加圧しながら、その成形用基材を加熱及び冷却するに際して、前記加熱部より搬出されてから前記冷却部に搬入されるまでに要する時間が5秒以下となるように、前記加熱部から前記冷却部へ前記成形用基材を搬送することを要旨とする。
この方法によれば、加熱から冷却の過程で、賦形型材と熱可塑性樹脂基材との相対位置のずれが発生し難くなる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の成形品の製造方法において、前記加熱部及び前記冷却部により、前記搬送の方向に沿って連続した加圧領域を形成し、前記加熱部に搬入されてから前記冷却部から搬出されるまで、前記成形用基材の加圧を継続させることを要旨とする。
この方法によれば、加熱から冷却の過程で、加圧が継続されることで、賦形型材と熱可塑性樹脂基材との相対位置のずれがさらに発生し難くなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の成形品の製造方法において、前記賦形型材及び前記熱可塑性樹脂基材はシート状をなし、前記賦形型材及び熱可塑性樹脂基材は、各別に巻き取られたロールから繰り出されるとともに、前記成形用基材として前記第1ベルトと前記第2ベルトとの間に連続して供給されることで、前記成形品を連続して製造するようにしたことを要旨とする。
この方法によれば、成形品の生産性を高めることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の成形品の製造方法において、前記加熱部は、前記熱可塑性樹脂基材の軟化温度に対して−20℃以上、+20℃以下の範囲に温度調節されるとともに、前記冷却部は、前記熱可塑性樹脂基材の軟化温度に対して−25℃以下に温度調節されることを要旨とする。
この方法によれば、熱可塑性樹脂基材の物性が十分に発揮され易くなるとともに、加熱及び冷却を効率的に行うことができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の成形品の製造方法において、前記賦形型材は、前記加熱に耐え得る耐熱性を有した型基材に無機酸化物微粒子が金属アルコキシドの縮合物により固定されてなることを要旨とする。
この方法によれば、賦形型材の耐熱性や耐久性の点で有利であるため、例えば賦形型材を繰り返し使用することで、成形品をより安価に製造することも可能となる。特に、シート状の型基材を用いることで、ロールとして巻き取ることもできるようになるため、成形品の生産性を高めることが更に容易となる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の成形品の製造方法において、前記無機酸化物微粒子の平均一次粒子径が、個数平均において、20〜500nmの範囲であり、前記成形品が反射防止物品であることを要旨とする。
この方法によれば、所望の反射防止機能を有する反射防止物品を生産することができるようになる。
本発明によれば、凹凸パターンの転写精度を高めることの容易な成形品の製造方法を提供することができる。
第1の実施形態の製造ラインを示す概略図である。 下側ベルト及び下側温度調節装置の概略を示す平面図である。 図2に3−3線で示される端面の概略を示す部分端面図である。 第2の実施形態の製造ラインを示す概略図である。 軟化温度の測定を示す一例であり、温度と延びとの関係を示すグラフである。 (a)及び(b)は、凹凸パターンの転写状態の一例を示す写真である。 反射防止物品について、波長と反射率との関係を示すグラフである。 比較例の製造ラインを示す概略図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明を反射防止物品の製造方法に具体化した第1の実施形態について図1〜図3を参照して詳細に説明する。
反射防止物品は、賦形型材の有する凹凸パターンを熱可塑性樹脂基材に転写することで得られる。図1に示されるように、反射防止物品は、ダブルベルトプレス装置51に賦形型材11と熱可塑性樹脂基材21とを連続して供給する繰出部91と、ダブルベルトプレス装置51から搬出された反射防止物品22及び賦形型材11を各別に巻き取る巻取部92とを備えた製造ラインで製造される。
<賦形型材11の構成>
賦形型材11は、型基材と、その型基材上に固定された無機酸化物粒子とを備えている。型基材は、凹凸パターンを熱可塑性樹脂基材21に転写する際の加熱に耐え得る耐熱性を有している。型基材の材質としては、例えば銅、アルミニウム、銅とアルミニウムとの合金、ステンレス鋼等の金属、ポリイミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート等の耐熱性樹脂が挙げられる。型基材の材質の中でも、賦形型材11を繰り返して使用したときの耐久性が得られやすいという観点から、金属であることが好ましい。また、金属製の型基材を用いることで、熱伝導性に優れる賦形型材11とすることができる。本実施形態における型基材の形状は、反射防止物品22の連続生産を実現すべく、可撓性を有するシート状(フィルム状も含む)をなしている。型基材の厚みは、賦形型材11の取り扱い性の観点から、例えば5〜150μmの範囲であることが好ましい。
無機酸化物粒子は、賦形型材11の凹凸パターンを形成する。無機酸化物粒子は中実であるとともに球状をなすものが好適である。無機酸化物粒子の具体例は、例えば、シリカ粒子、チタニア粒子、及びアルミナ粒子を含む。使用する無機酸化物粒子は、単独種であってもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。無機酸化物粒子の中でも、比較的安価であるという観点から、シリカ粒子を含むことが好ましい。
無機酸化物粒子は、凹凸パターンのばらつきを抑制するという観点から、粒度分布のより狭いものが好ましい。この点、型基材に固定される前の原料となる無機酸化物粒子群のCV値(粒度分布の変動係数)は、50%以下の範囲であることが好ましい。CV値は、下記式により求められる。
CV値(%)=D1/D2×100
但し、D1は一次粒子径の標準偏差(nm)を示し、D2は平均一次粒子径(nm)を示している。
なお、使用される無機酸化物粒子群は、平均一次粒子径の異なる複数種の無機酸化物粒子群を組み合わせたものであってもよい。この場合、各無機酸化物粒子群のCV値は、いずれも上記範囲であることが好ましい。
型基材上に固定されている無機酸化物粒子の平均一次粒子径は、個数平均において、好ましくは20〜500nmの範囲である。平均一次粒子径が20nm以上の場合、得られる反射防止物品22の反射率を低めることが容易となる。一方、無機酸化物粒子の平均一次粒子径が500nm以下の場合、得られる反射防止物品22の透明性が維持されやすくなる。すなわち、平均一次粒子径が20〜500nmの範囲の無機酸化物粒子であることにより、得られる反射防止物品22のヘイズ値が高まることを抑制しつつも、反射率を低減させることが容易となる。
無機酸化物粒子はバインダーによって型基材上に固定することができる。バインダーとしては、金属アルコキシドの縮合物を好適に使用することができる。金属アルコキシドの縮合物は、下記一般式(1)で表される金属アルコキシドを、酸性条件下で加水分解及び縮合反応させることにより得ることができる。また、金属アルコキシドの縮合物は、下記一般式(1)で表される金属アルコキシドのオリゴマーを酸性条件下で加水分解及び縮合反応させることにより得ることもできる。
M(ORm−n ・・・(1)
一般式(1)において、Rは非加水分解性基を示している。Rとしては、例えば炭素数1〜20のアルキル基、(メタ)アクリロイルオキシ基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。なお、(メタ)アクリロイルオキシ基とは、メタクリロイルオキシ基又はアクリロイルオキシ基を示している。
炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれであってもよい。アルキル基は、炭素数1〜10のものが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれであってもよい。(メタ)アクリロイルオキシ基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましい。炭素数1〜10であり、上記官能基を有するアルキル基としては、例えばγ−アクリロイルオキシプロピル基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、及び3,4−エポキシシクロヘキシル基が挙げられる。
炭素数2〜20のアルケニル基は、直鎖状、分岐状及び環状のいずれであってもよい。アルケニル基の炭素数は、2〜10であることが好ましい。炭素数2〜10のアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、及びオクテニル基が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基としては、炭素数6〜10のものが好ましく、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基が挙げられる。炭素数7〜20のアラルキル基としては、炭素数7〜10のものが好ましく、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、及びナフチルメチル基が挙げられる。
一般式(1)中のRは、炭素数1〜6のアルキル基であって、直鎖状、分岐状及び環状のいずれであってもよい。Rの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基が挙げられる。
一般式(1)中のMは、ケイ素、チタン、ジルコニウム、及びアルミニウムから選ばれる金属原子を示している。一般式(1)中のmは、金属原子Mの価数を示し、3又は4である。一般式(1)中のnは、mが4の場合は0〜2の整数であり、mが3の場合は0〜1の整数である。Rが複数ある場合、各Rは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、またORが複数ある場合、各ORは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
一般式(1)で表される金属アルコキシドにおいて、Mが4価のケイ素、チタン、又はジルコニウムであって、mが4、かつ、nが0〜3の整数である場合の金属アルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、及びメチルフェニルジメトキシシラン、並びにこれらシラン化合物のシランをチタン又はジルコニウムに置き換えた化合物を挙げることができる。
一般式(1)で表される金属アルコキシドにおいて、Mが3価のアルミニウムであって、mが3、かつ、nが0〜2の整数である場合の金属アルコキシドの具体例としては、例えば、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、メチルジメトキシアルミニウム、メチルジエトキシアルミニウム、メチルジプロポキシアルミニウム、エチルジメトキシアルミニウム、エチルジエトキシアルミニウム、及びプロピルジエトキシアルミニウムが挙げられる。
金属アルコキシドは、単独種を用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。すなわち、無機酸化物粒子のバインダーとしては、単独種の金属アルコキシドから得られる縮合物であってもよいし、複数種の金属アルコキシドから得られる縮合物であってもよい。
このようなバインダーを用いて無機酸化物粒子を型基材に固定することで、凹凸パターンを有する賦形型材11が得られる。凹凸パターンは、賦形型材11において無機酸化物粒子が固定された面を走査型電子顕微鏡により観察することで確認することができる。賦形型材11の凹凸パターンの形成されている面を走査型電子顕微鏡により観察した像では、型基材が視認不能とされていることが好ましい。このように型基材が視認不能とされることで、無機酸化物粒子は集積された状態となった粒子間を固定するバインダーは、ネットワーク状をなすようになる。このようなバインダーにより、粒子同士が結合されることで、粒子同士は強固に固定されると推測される。
賦形型材11の凹凸パターンを有する面における最大高さ(Ry)は、反射防止物品22の反射防止効果がより得られやすいという観点から、好ましくは100nm以上であり、より好ましくは150nmである。ここで、高度な透明性を要求される反射防止物品22では、熱可塑性樹脂基材21の透明性をできる限り維持しつつ反射防止効果を得る加工であることが好ましい。この点、賦形型材11の凹凸パターンを有する面の最大高さ(Ry)は、熱可塑性樹脂基材21のヘイズ値が維持されやすいという観点から、好ましくは1000nm以下であり、より好ましくは800nm以下である。
賦形型材11は、可撓性を有するシート状(フィルム状も含む)をなし、それが巻き取られたロールとして反射防止物品22の製造に供される。
<賦形型材11の製造>
賦形型材11は、無機酸化物粒子と金属アルコキシドの縮合物とを含む塗工液を型基材に塗布する塗布工程と、型基材に塗布された塗工液を乾燥する工程とを備えた製造方法により製造することができる。
塗工液は、バインダー液と無機酸化物粒子とを混合することで得られる。
バインダー液は、上記一般式(1)で表される金属アルコキシド、又はその金属アルコキシドのオリゴマーを加水分解及び縮合反応させる。その加水分解及び縮合反応は、極性溶媒中において酸の存在下で行われる。極性溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、セロソルブ系溶媒、及びケトン系溶媒が挙げられる。酸としては、例えば塩酸、硫酸、及び硝酸が挙げられる。なお、カチオン交換樹脂を用いることで、反応系を酸の存在下にすることもできる。こうした加水分解及び縮合反応により、上記金属原子Mと酸素原子Oとの結合であるM−O−Mが主骨格となった縮合物が生成される。このようにして金属アルコキシドの縮合物を含むバインダー液が得られる。ここで、金属アルコキシドの縮合物は、前記主骨格を有することから、無機酸化物粒子との接着性と、耐熱性とを兼ね備えている。
次に、バインダー液と無機酸化物粒子とを混合することで、塗工液を得る。塗工液中の無機酸化物粒子の分散性を高めるという観点から、無機酸化物粒子を予め分散媒に分散した分散液を調製した後に、その分散液とバインダー液とを混合することが好ましい。無機酸化物粒子の分散媒としては、例えばアルコール系溶媒、セロソルブ系溶媒、及びケトン系溶媒が挙げられる。
塗工液中における金属アルコキシドの縮合物の含有量は、無機酸化物粒子100質量部に対して5〜70質量部の範囲であることが好ましい。金属アルコキシドの縮合物の含有量が無機酸化物粒子100質量部に対して5質量部以上であることで、無機酸化物粒子がより強固に固定されやすくなる。ここで、無機酸化物粒子に対するバインダー量が過剰になると、無機酸化物粒子のうちバインダーに埋設されている部分が多くなる傾向となる。この点、金属アルコキシドの縮合物の含有量が無機酸化物粒子100質量部に対して70質量部以下とした場合、バインダーの量が適度に抑えられるため、無機酸化物粒子の粒子形状が凹凸パターンとして反映されやすくなる。
このように調製された塗工液を型基材に塗工する。塗工方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。塗工方法としては、例えばディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、及びグラビアコート法が挙げられる。なお、型基材の表面には塗工液の濡れ性を改善すべく、各種表面処理が施されていてもよい。
型基材に塗工液が塗工された後に、型基材上の塗工液を乾燥させることで、無機酸化物粒子がバインダーにより型基材に固定される。これにより凹凸パターンを有する賦形型材11が形成される。このとき、型基材をロールから繰り出すとともに、連続して塗工及び乾燥を実施し、賦形型材11を巻き取ることで、賦形型材11のロールが得られる。乾燥温度及び乾燥時間は、塗工液に含まれる溶剤の種類に応じて適宜調整される。塗工液の乾燥温度は、型基材の耐熱温度未満に設定される。
なお、無機酸化物粒子の平均一次粒子径に応じて、上記塗工液中における無機酸化物粒子の含有量の調整を行うことで、無機酸化物粒子の固定されている面を走査型電子顕微鏡により観察した像において型基材を視認不能とすることができる。また、無機酸化物粒子の平均一次粒子径に応じて、型基材上における塗工液の厚みの調整を行うことで、前記像において型基材を視認不能とすることができる。型基材上における塗工液の厚みは、例えば5〜30μmの範囲に設定される。
<熱可塑性樹脂基材21>
熱可塑性樹脂基材21は、反射防止物品22の用途に応じて適宜選択される。熱可塑性樹脂基材21を構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えばエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、及びアクリル系樹脂が挙げられる。エステル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレートが挙げられる。オレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマーが挙げられる。塩化ビニル系樹脂としては、例えばポリ塩化ビニリデンが挙げられる。セルロース系樹脂としては、例えばセルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、及びセルローストリアセテートが挙げられる。アクリル系樹脂としては、例えばアクリル酸エステル樹脂、及びメタクリル酸エステル樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂基材21は、可撓性を有するシート状(フィルム状も含む)をなし、それが巻き取られたロールとして反射防止物品22の製造に供される。熱可塑性樹脂基材21の厚みは、特に限定されず、例えば、5μm〜500μmとされる。
熱可塑性樹脂基材21は、全体が熱可塑性樹脂から構成されていてもよいし、凹凸パターンが転写される面のみが熱可塑性樹脂の層から形成されるものであってもよい。すなわち、熱可塑性樹脂基材21としては、例えば熱硬化性樹脂から形成される層に熱可塑性樹脂から形成される層が積層された構成であってもよい。なお、熱可塑性樹脂の層は、凹凸パターンが十分に転写される厚みを有するという観点から、例えば1μm以上であることが好ましい。
<反射防止物品22の製造>
まず、反射防止物品22を製造する製造ラインについて説明する。図1に示されるように、繰出部91には、賦形型材ロール11Rと、熱可塑性樹脂基材ロール21Rとが配置され、賦形型材11及び熱可塑性樹脂基材21が各別に繰り出されるようになっている。賦形型材11及び熱可塑性樹脂基材21は、重ね合わせるようにしてダブルベルトプレス装置51に連続して供給される。賦形型材ロール11R、及び熱可塑性樹脂基材ロール21Rの上下には、第1保護用金属箔ロール41R及び第2保護用金属箔ロール42Rがそれぞれ配置されている。各保護用金属箔ロール41R,42Rから繰り出される第1保護用金属箔41及び第2保護用金属箔42は、賦形型材11及び熱可塑性樹脂基材21を保護するために、ダブルベルトプレス装置51に供給される。
各保護用金属箔41,42としては、例えば銅箔、アルミニウム箔、及び銅とアルミニウムとの合金からなる箔等を用いることができる。
ダブルベルトプレス装置51は、賦形型材11と熱可塑性樹脂基材21とを重ね合わせてなる成形用基材31を搬送するとともに、成形用基材31を加熱及び加圧する。ダブルベルトプレス装置51は、搬送方向の上流側に位置する第1搬送部52と、同方向の下流側に位置する第2搬送部53とを有している。第1搬送部52には、上側第1ドラム52a及び下側第1ドラム52bが装着されている。第2搬送部53には、上側第2ドラム53a及び下側第2ドラム53bが装着されている。上側第1ドラム52a及び上側第2ドラム53aには、無端状の上側ベルト54が架け渡されている。下側第1ドラム52b及び下側第2ドラム53bには、無端状の下側ベルト55が架け渡されている。そして、各第1ドラム52a,52bは、各第2ドラム53a,53bの駆動により各ベルト54,55を介して従動されるように構成されている。各ベルト54,55は、例えばステンレス鋼から形成される。
このように装着された各ベルト54,55間に成形用基材31が供給される。賦形型材11と上側ベルト54との間には、第1保護用金属箔41が供給されるとともに、熱可塑性樹脂基材21と下側ベルト55との間には、第2保護用金属箔42が供給される。そして、成形用基材31及び各保護用金属箔41,42は、各ベルト54,55間にて同期して搬送される。
第1搬送部52と第2搬送部53との間には、上側温度調節装置56及び下側温度調節装置57が各ベルト54,55を介在させて対向するように配置されている。上側温度調節装置56と下側温度調節装置57は、同様の構成であるため、図2及び図3を参照して下側温度調節装置57について説明し、上側温度調節装置56の説明は省略する。
図2に示されるように、下側温度調節装置57は、インナーシール58及びアウターシール59を備え、インナーシール58の内側の領域に位置する下側ベルト55を熱媒体により温度調節する。インナーシール58及びアウターシール59は、下側ベルト55の駆動時に熱媒体が漏れ出すことを防止している。ここで、インナーシール58の内側の領域に位置する熱媒体は、下側ベルト55を上側ベルト54に向けて加圧する圧力媒体の働きも有する。これにより、インナーシール58の内側の領域は、搬送方向に沿って連続した加圧領域とされる。
図3に示されるように、下側温度調節装置57は、搬送方向の上流側から順に、第1温度室61a、第2温度室62a、第3温度室63a、及び第4温度室64aを備えている。各温度室61a,62a,63a,64aの上端開口部は、下側ベルト55で封止されている。
下側温度調節装置57には、各温度室61a,62a,63a,64aに対応して第1貯留室61b、第2貯留室62b、第3貯留室63b、及び第4貯留室64bが設けられている。第1温度室61aと第1貯留室61bとの間には、第1貯留室61bの熱媒体を第1温度室61aに流入する流入路65、及び第1温度室61aの熱媒体を第1貯留室61bに戻す流出路66が設けられている。流入路65には、熱媒体の流れ方向に沿った順に、ポンプ67、及び加熱器68が備えられる一方で、流出路66には、調圧弁69が備えられている。ポンプ67で加圧された熱媒体は、加熱器68で加熱された後に第1温度室61aに流入される。第1温度室61aの圧力は調圧弁69により調整されるようになっている。すなわち、温度調節された熱媒体が、第1貯留室61bと第1温度室61aとを循環されるようになっている。このように温度調節された熱媒体の循環流路は、第2温度室62aと第2貯留室62b、第3温度室63aと第3貯留室63b、第4温度室64aと第4貯留室64bについても同様に構成されている。なお、加熱器68は転写に必要な温度を維持できるものであればよく、例えば、抵抗加熱器、又は誘導加熱器が好ましく利用できる。また、加熱器68の位置についても特に制限はなく、下側ベルト55の直近に配置してもよいし、下側ベルト55から遠ざけて配置してもよいが、温度制御の精度の観点から、下側ベルト55の近傍に配置することが好ましい。
第1温度室61aと第2温度室62aとの間、第2温度室62aと第3温度室63aとの間、及び第3温度室63aと第4温度室64aとの間は、下側ベルト55の幅方向に延在される仕切板70によって仕切られている。図3に拡大して示すように、仕切板70の上端と、下側ベルト55の下面との間には、間隙71が形成され、間隙71を介して隣り合う温度室は連通している。間隙71は、各温度室61a,62a,63a,64aにおいて、熱媒体の圧力のばらつきを抑制する働きと、仕切板70上に位置する下側ベルト55に加わる圧力が低下することを抑制する働きを有する。こうした間隙71は、熱媒体の圧力は伝達可能である一方で、熱媒体の自由な流通が抑止される間隔となるように構成されている。このため、各温度室61a,62a,63a,64aに流入路65から流入する熱媒体の温度設定が異なる場合であっても、各温度室61a,62a,63a,64a内の温度は各別に維持されるようになる。なお、間隙71に存在する熱媒体の伝導伝熱による温度変化よりも、各温度室61a,62a,63a,64aに流入路65から流入する熱媒体の温度調節が有利に働くように、流入量等が設定されている。熱媒体としては、例えばオイルが好適に用いられる。
本実施形態では、第1温度室61a、第2温度室62a、及び第3温度室63aにより加熱部72が構成されるとともに、第4温度室64aにより冷却部73が構成されている。加熱部72は、搬送方向に延在するとともに賦形型材11の有する凹凸パターンが転写され得る温度まで、熱可塑性樹脂基材21を加熱する。より具体的には、加熱部72は、熱可塑性樹脂基材21の軟化温度に対して−20℃以上、+20℃以下の範囲に温度調節されていることで、熱可塑性樹脂基材21をその温度範囲に加熱するように構成されることが好ましい。熱可塑性樹脂基材21の軟化温度に対して−20℃未満の場合、搬送速度を低下させたり、加熱部72の搬送方向に沿った延長させたりすることになる。一方、熱可塑性樹脂基材21の軟化温度に対して+20℃を超える場合、熱可塑性樹脂基材21の物性に悪影響を与えるおそれがある。このように温度調節される加熱部72は、例えば型基材の厚みが5〜150μmの範囲であり、熱可塑性樹脂基材21の厚みが5μm〜500μmとされる場合において、成形用基材31を60〜200秒間加熱するように構成することが好ましい。
冷却部73は、加熱部72により加熱された熱可塑性樹脂基材21を冷却する。この冷却部73は、熱可塑性樹脂基材21の軟化温度に対して−25℃以下に温度調節されることが好ましい。熱可塑性樹脂基材21の軟化温度に対して−25℃以下であることで、熱可塑性樹脂基材21の硬化が促進されるようになる。このように温度調節される冷却部73は、例えば型基材の厚みが5〜150μmの範囲であり、熱可塑性樹脂基材21の厚みが5μm〜500μmとされる場合において、成形用基材31を30〜60秒間冷却するように構成することが好ましい。
上記の軟化温度は、熱機械測定装置にて引っ張り試験を行い、その結果に基づいて算出した値である。すなわち、熱可塑性樹脂基材21について、荷重1N、チャック間距離8mmで引っ張り試験を実施し温度と伸びとの関係を示すグラフを得る。このグラフにおいて、変曲点の温度Tを求め、変曲点の温度T−10℃における接線と、変曲点の温度T+10℃における接線の交点が示す温度を軟化温度とする。
以上のように構成された加熱部72及び冷却部73は、各温度室61a,62a,63a,64aが間隙71により連通する構成により、搬送方向に沿って連続した加圧領域を形成している。各温度室61a,62a,63a,64aの圧力は、例えば0.2N/mm〜4.0N/mmの範囲内において、所定の圧力となるように設定される。
図1に示されるように、巻取部92では、ダブルベルトプレス装置51から搬出された賦形型材11及び反射防止物品22が各別に連続して巻き取られることで、賦形型材ロール11R及び反射防止物品ロール22Rとされる。また、巻取部92では、各保護用金属箔41,42は、各保護用金属箔ロール41R,42Rとして巻き取られることで回収される。
次に、反射防止物品22の製造方法について作用とともに説明する。
図1に示されるように、賦形型材ロール11Rから繰り出された賦形型材11と、熱可塑性樹脂基材ロール21Rから繰り出された熱可塑性樹脂基材21とは、上側ベルト54と下側ベルト55との間に供給される。上側ベルト54と下側ベルト55との間では、賦形型材11の凹凸パターンを有する面と、熱可塑性樹脂基材21の片面とが向かい合うように重ね合わされた成形用基材31として搬送される。このように搬送される成形用基材31は、各ベルト54,55を介して上側温度調節装置56及び下側温度調節装置57の間を通過する。このとき、熱可塑性樹脂基材21は、加熱部72により加熱されることで、変形し易い状態となる。このとき、成形用基材31は上側ベルト54と下側ベルト55とにより加圧されているため、賦形型材11の凹凸パターンが熱可塑性樹脂基材21の面に転写される。
続いて、熱可塑性樹脂基材21は、冷却部73により冷却されることで、硬化が促進されて変形し難い状態となる。ここで、加熱部72及び冷却部73は、搬送方向に沿って連続した加圧領域を形成している。これにより、成形用基材31の加圧は、加熱部72に搬入されてから冷却部73から搬出されるまで継続される。すなわち、加熱部72によって加熱されることで変形し易い状態となっていた熱可塑性樹脂基材21は、賦形型材11と圧着した状態に維持されながら冷却部73によって冷却されることで変形し難い状態となる。このように加熱から冷却の過程では、賦形型材11と熱可塑性樹脂基材21との相対位置のずれが発生し難くなる結果、凹凸パターンの転写精度を高めることが容易となる。
各ベルト54,55により搬送された成形用基材31は、各ベルト54,55間から搬出されるとともに、賦形型材11と、反射防止物品22とに分離された後、巻取部92において賦形型材ロール11R及び反射防止物品ロール22Rとして各別に巻き取られる。賦形型材ロール11Rは、繰出部91に装着して再利用することもできる。
<反射防止物品22>
反射防止物品22には、賦形型材11の有する無機酸化物粒子に由来して多数の凹部が形成されている。反射防止面に形成されている凹部は半球状をなし、凹部の内径は、賦形型材11の有する無機酸化物粒子の平均一次粒子径にほぼ一致する。例えば、平均一次粒子径が20〜500nmの範囲の無機酸化物粒子を用いた場合では、半球状の凹部の内径は、約20〜500nmの範囲となる。
反射防止物品22の具体例としては、有機EL、液晶表示パネル等の表示素子や、ディスプレイ装置の表示部、建造物又は自動車のガラス窓、交通標識の表面層等が挙げられる。また、偽造防止対策となるレリーフホログラムを構成する反射防止層が挙げられる。レリーフホログラムは、反射層と反射防止層とを備えて構成されてなり、例えばカード、紙幣、商品券等に設けられる。
また、反射防止物品22の具体例としては、各種光学物品が挙げられる。光学物品としては、光源としての有機EL素子、LED素子、フロントライト等が挙げられる。また、反射防止物品22は、各種太陽電池パネル等の光学物品において、発電効率を向上させるように用いることができる。更に、光学物品の具体例としては、偏光板、回折格子、波長フィルタ、導光板、光拡散フィルム、サブ波長光学素子、カラーフィルタ、集光シート、照明器具のカバー(有機EL照明用カバー、LED照明用カバー等)が挙げられる。
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)上記反射防止物品22の製造方法では、加熱部72及び冷却部73により、搬送方向に沿って連続した加圧領域を形成し、加熱部72に搬入されてから冷却部73から搬出されるまで、成形用基材31の加圧を継続させている。このため、熱可塑性樹脂基材21に転写された凹凸パターンの転写精度を高めることが容易となる。その結果、反射防止物品22の品質のばらつきを抑制することができる。
(2)上記反射防止物品22の製造方法では、賦形型材11及び熱可塑性樹脂基材21はシート状をなし、賦形型材ロール11R及び熱可塑性樹脂基材ロール21Rから繰り出している。そして、成形用基材31を各ベルト54,55の間に連続して供給し、反射防止物品22を連続して製造している。このように製造することで、反射防止物品22の生産性を高めることが容易となる。
(3)加熱部72は、熱可塑性樹脂基材21の軟化温度に対して−20℃以上、+20℃以下の範囲に温度調節されるとともに、冷却部73は、熱可塑性樹脂基材21の軟化温度に対して−25℃以下に温度調節されることが好ましい。この場合、熱可塑性樹脂基材21の物性が十分に発揮され易くなるとともに、加熱及び冷却を効率的に行うことができるようになる。
(4)賦形型材11として、凹凸パターンを熱可塑性樹脂基材21に転写する際の加熱に耐え得る耐熱性を有した型基材に、無機酸化物微粒子が金属アルコキシドの縮合物により固定されたものを用いている。こうした賦形型材11では、耐熱性や耐久性の点で有利であるため、例えば賦形型材11を繰り返し使用することで、反射防止物品22をより安価に製造することも可能となる。特に、シート状の型基材を用いることで、賦形型材ロール11Rとして巻き取ることもできるようになるため、反射防止物品22の生産性を高めることが更に容易となる。
(5)無機酸化物微粒子の平均一次粒子径が、個数平均において、20〜500nmの範囲である賦形型材11を用いることで、この方法によれば、所望の反射防止機能を有する反射防止物品を生産することができるようになる。
(第2の実施形態)
本発明を反射防止物品22の製造方法に具体化した第2の実施形態について図4を参照して第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。本実施形態では、加熱部及び冷却部が不連続な加圧領域となっている点が第1の実施形態と異なっているため、それ以外の構成については第1の実施形態と同じ番号を付すことにする。
図4に示されるように、本実施形態のダブルベルトプレス装置81は、上側温度調節装置82及び下側温度調節装置83が複数に分割されている。すなわち、各温度調節装置82,83は、搬送方向の上流側から順に、第1温度調節部82a,83a、第2温度調節部82b,83b、及び第3温度調節部82c,83cから構成されている。上側温度調節装置82を構成する各温度調節部82a,82b,82cは、それぞれインナーシールで囲まれており、インナーシールの内側が加圧されるようになっている。また、上側温度調節装置82の外縁はアウターシールで構成されている。下側温度調節装置83についても、上側温度調節装置82と同様にインナーシール及びアウターシールが備えられている。
第1温度調節部82a,83aは、第1温度室を備えている。第2温度調節部82b,83bは、第2温度室、及び第3温度室を備えている。第3温度調節部82c,83cは、第4温度室を備えている。各温度室は、第1の実施形態における各温度室と同様に、温度調節された熱媒体が循環されるようになっている。また、第2温度調節部82bを構成する第2温度室及び第3温度室は、第1の実施形態と同様に、仕切板で仕切られることで、各温度室間で、熱媒体の圧力は伝達可能である一方で、熱媒体の自由な流通が抑止されるようになっている。
本実施形態の加熱部84は、第1温度室、第2温度室、及び第3温度室により構成されている。冷却部85は、第4温度室により構成されている。
次に、反射防止物品22の製造方法について作用とともに説明する。
本実施形態の反射防止物品22の製造方法では、加熱部84より搬出されてから冷却部85に搬入されるまでに要する時間が5秒以下となるように、加熱部84から冷却部85へ成形用基材31を搬送する。ここで、加熱部84から搬出される成形用基材31では、凹凸パターンの転写が完了している。そして、冷却部85へ搬入されるまでの間は、成形用基材31に加わっていた圧力は開放されることになる。圧力が開放されている時間が5秒を超えると、例えば熱可塑性樹脂基材21の収縮等により、賦形型材11と熱可塑性樹脂基材21との相対位置がずれ易くなる。この点、圧力が開放される時間、すなわち、加熱部84より搬出されてから冷却部85に搬入されるまでに要する時間を5秒以下とすることで、賦形型材11と熱可塑性樹脂基材21との相対位置のずれが発生し難くなる。
加熱部84は、第1温度室より構成される加熱部84と、第2及び第3温度室より構成される加熱部84とに分割されている。すなわち、搬送方向に沿った複数の加熱部84となっている。こうした加熱部84と加熱部84との間において、成形用基材31に加わる圧力の低下や温度低下が生じたとしても、再度加熱及び加圧されることになる。このため、凹凸パターンの精度に対する影響は、加熱部84より搬出されてから冷却部85に搬入されるまでの圧力低下による影響よりも小さいと言える。但し、凹凸パターンの転写精度を高めるという観点から、加熱部84と加熱部84との間の搬送時間は5秒以下に設定されることが好ましい。すなわち、加熱部84及び冷却部85の加圧において、不連続となる加圧領域が存在する場合、その領域の搬送時間を5秒以下に設定することが好ましい。
本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(6)各ベルト54,55間における成形用基材31の搬送に際して、加熱部84より搬出されてから冷却部85に搬入されるまでに要する時間が5秒以下としている。このため、加熱から冷却の過程で、賦形型材11と熱可塑性樹脂基材21との相対位置のずれが発生し難くなる結果、凹凸パターンの転写精度を高めることが容易となる。
(変更例)
なお、上記実施形態を次のように変更して構成してもよい。
・各実施形態では、賦形型材ロール11R及び熱可塑性樹脂基材ロール21Rから、それぞれ賦形型材11及び熱可塑性樹脂基材21を繰り出しているが、例えば、平板状をなす賦形型材、及び平板状をなす熱可塑性樹脂基材を各ベルト54,55間で搬送することで、反射防止物品22を製造してもよい。
・賦形型材11は、例えば、凹凸を形成した金型や成形用ロールを用いて基材の面に加工を施したものであってもよい。また例えば、耐熱性樹脂に無機酸化物微粒子を分散させて製膜することで、シートの面に凹凸を形成したものであってもよい。
・各実施形態の加熱部72,84は、複数の温度室から構成されているが、一つの温度室から構成することもできる。各実施形態の冷却部73,85は、一つの温度室から構成されているが、複数の温度室から構成することもできる。例えば、第1の実施形態において、第1温度室61a及び第2温度室62aを加熱部として構成し、第3温度室63a及び第4温度室64aを冷却部として構成してもよい。
・第2実施形態において、加熱部84の圧力と冷却部85の圧力とが異なるように設定してもよい。
・各実施形態では、上側温度調節装置56,82及び下側温度調節装置57,83において熱媒体を用いた加熱を行うように構成しているが、熱媒体を用いずに、例えば、ジュール熱や電磁誘導といった加熱機構を備え、温度調節可能であって加圧可能な装置に適宜変更してもよい。
・各実施形態では、各保護用金属箔41,42を用いているが、少なくとも一方の保護用金属箔を用いずに、反射防止物品22を製造してもよい。
・各実施形態では、賦形型材11を上側、熱可塑性樹脂基材21を下側として、成形用基材31としているが、賦形型材11を下側、熱可塑性樹脂基材21を上側として、成形用基材31を構成してもよい。
・各実施形態では、賦形型材11を上側、熱可塑性樹脂基材21を下側として、成形用基材31としているが、熱可塑性樹脂基材21の上下に賦形型材11,11を配置した成形用基材31に変更することもできる。この場合、熱可塑性樹脂基材21の両面に凹凸パターンが転写されてなる反射防止物品を得ることができる。なお、熱可塑性樹脂基材21の上下に配置する賦形型材11,11の凹凸パターンを有していてもよいし、それぞれ異なる凹凸パターンであってもよい。また、両面に凹凸パターンを有する反射防止物品の場合は、一方の面の凹凸パターンについては、反射防止機能に限らず、例えば接着性を改善するための凹凸パターンであってもよい。
・前記ダブルベルトプレス装置51,81は、各ベルト54,55が上下に設けられているが、例えば一対のベルトが左右に設けられることで、搬送方向を上方又は下方としたダブルベルトプレス装置を用いてもよい。すなわち、装置の設置空間等に応じて、一対のベルトを対向するように配置することで、それらベルト間で成形用基材31を搬送する装置に適宜変更することができる。
・各実施形態では、反射防止物品22の製造方法としているが、熱可塑性樹脂基材21に凹凸パターンを付与することで意匠性を高めた成形品や表面の摩擦係数を低下させた成形品等の製造方法に変更することもできる。すなわち、賦形型材11の凹凸パターンは成形品に求められる機能に応じて変更することができる。成形品の具体的としては、ナノレベルの微細凹凸パターンの形成により高機能化が期待されている物品、すなわち燃料電池の高分子電解質膜、色素増感太陽電池の酸化チタン層、バイオデバイス、撥水又は撥油材料、細胞培養シート、手術癒着防止材料、高密度磁気記録パターンドメディア、固体表面の艶消し材等が挙げられる。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(賦形型材)
表1に示す賦形型材を製造した。
以下に各賦形型材の製造についての詳細を説明する。
(賦形型材Aの製造)
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン306.84gとテトラメトキシシランのオリゴマー(三菱化学(株)製、商品名「MS−51」)146.88gとをメタノール256.68gに溶解させた。この溶液に0.1モル/L濃度の硝酸31.86g、水221.08g、及びメタノール36.67gの混合液を滴下した後、30℃にて24時間反応させることで、固形分濃度30質量%のバインダー液を調製した。
イソプロピルアルコール902.46gにシリカ粒子水分散液(粒子径150nm、宇部日東化成(株)製、商品名:ハイプレシカ、固形分濃度19質量%)84.21gを撹拌しながら加えた後、上記バインダー液を13.33g添加した。室温にて1時間撹拌することで塗工液を調製した。
型基材としての銅箔(NA−DFF(析出面、厚さ12μm、幅270mm、三井金属鉱業(株)製)に上記塗工液を厚さ8μmで、約100m塗工し、乾燥することにより、賦形型材ロール(賦形型材A)を得た。この塗工は、マルチコーター((株)ヒラノテクシード製)を用いたバーコート法(No.4のバー)によるものであり、塗工速度は、1.5m/min、乾燥温度120℃、乾燥時間2分(炉長3m)とした。
(賦形型材Bの製造)
型基材として、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名:テオネックス Q51/100μm)を用いた以外は、賦形型材Aの製造と同様にして賦形型材ロール(賦形型材B)を得た。
(賦形型材Cの製造)
型基材として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)製、商品名:ルミラーT60/188μm)を用いた以外は、賦形型材Aと同様にして賦形型材ロール(賦形型材C)を得た。
(賦形型材Dの製造)
型基材として、膜厚10μmのハードコート層を両面に有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績(株)製、商品名:コスモシャイン A4300/100μm)を用いた以外は、賦形型材Aと同様にして賦形型材ロール(賦形型材D)を得た。
(賦形型材Eの製造)
塗工液の調製において、シリカ粒子水分散液(粒子径450nm、宇部日東化成(株)製、商品名:ハイプレシカ、固形分濃度19質量%)を用いた以外は、賦形型材Aと同様にして賦形型材ロール(賦形型材E)を得た。この賦形型材Eでは、シリカ粒子の粒子径が賦形型材Aと異なっている。
(熱可塑性樹脂基材)
アクリルフィルム(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリプレン HBL−002/50μm)、シクロオレフィンフイルム(COP)フィルム(日本ゼオン(株)製、商品名:ゼオノアフィルム ZF14)、及びポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの軟化温度を測定した。
各フィルムを3mm×20mmに裁断したものを試験片とし、熱機械測定装置(ティー・エイ・インスツルメント社製、Q400EM)にて、荷重1N、チャック間距離8mmで引っ張り試験を実施した。図5には、一例としてCOPフィルムにおける温度と伸びとの関係を示している。図5に示されるように、変曲点の温度Tを求め、変曲点の温度T−10℃における接線と、変曲点の温度+10℃における接線の交点が示す温度を軟化温度とした。その結果を表2に示す。
(実施例1〜10、及び比較例1)
図1に示される製造ラインにおいて、賦形型材ロール及び熱可塑性樹脂基材ロールを繰出部にセットするとともに、各保護用金属箔ロールとして銅箔のロール(古河電工(株)製、GTS18μm)を繰出部にセットして反射防止物品のロールを製造した。製造条件を表3に示す。成形用基材の搬送速度は1m/minとし、各温度室の通過時間は60秒である。
(実施例11,12、及び比較例2)
図4に示される製造ラインにおいて、賦形型材ロール及び熱可塑性樹脂基材ロールを繰出部にセットするとともに、各保護用金属箔ロールとして銅箔のロール(古河電工(株)製、GTS18μm)を繰出部にセットして反射防止物品のロールを製造した。製造条件を表4及び表5に示す。上側及び下側温度調節装置の圧力条件は、2N/mmである。
(比較例3)
図8に示される製造ラインで反射防止物品を製造した。このダブルベルトプレス装置101は、上下一対の誘導加熱ローラー102が搬送方向に沿って4箇所に設けられている。各誘導加熱ローラーの直径は、100mmである。上下一対の誘導加熱ローラーは、ローラー間の線圧を120N/cmとして各ベルトを加圧している。また、搬送方向における誘導加熱ローラー102の間隔は、150mmに設定されている。
上下一対の誘導加熱ローラー102は、搬送方向の上流側から順に、第1温度部、第2温度部、第3温度部、及び第4温度部として構成されている。第1温度部、第2温度部、及び第3温度部を構成する誘導加熱ローラー102は、110℃の温度に設定されている。第4温度部を構成する各誘導加熱ローラーは、90℃の温度に設定されている。
この製造ラインにおいて、賦形型材Aのロール及び熱可塑性樹脂基材として上記アクリルフィルムを用いるとともに、各保護用金属箔ロールとして銅箔のロール(古河電工(株)製、GTS18μm)を用いて、搬送速度1m/minの条件で、反射防止物品のロールを製造した。すなわち、各温度部間の搬送時間が9秒となるように設定されている。
(凹凸パターンの転写精度の評価1)
各例の反射防止物品を幅方向に3箇所(例えば、300mm幅の場合では、75mm間隔で3箇所)、長手方向に3m間隔で3箇所の合計9箇所において、20×20mmのサンプルを切り出した。そのサンプルを原子間力顕微鏡(株式会社キーエンス製、VN−8010、測定モード:DFM)を用いて、サンプルの中心付近で5μm×5μmの領域の画像を得た。その画像について、同原子間力顕微鏡に付属の解析ソフト(VN ANALYZER)を用いて、面傾き補正を行い、次いで振動除去フィルタを「強」とする処理を行った後、表面粗さ(JIS B 0601:1994に準拠)測定を「全領域」で実施することで、十点平均粗さ(Rz)を算出した。十点平均粗さ(Rz)の平均値とその標準偏差(σ)を以下の式に代入することで、変動率(CV値)を算出した。
CV値(%)=標準偏差(σ)/十点平均粗さ(Rz)の平均値×100
このCV値が小さいほど、得られた反射防止物品において凹凸パターンのばらつきが抑制され、転写精度が高まることになる。算出したCV値に基づいて以下の判定基準により凹凸パターンの転写精度を判定した。CV値と判定結果を表6に示す。
CV値≦4:凹凸パターンの転写精度に優れる(表6では“◎”で示す)
4<CV値≦8:凹凸パターンの転写精度が良好である(表6では“○”で示す)
8<CV値≦12:凹凸パターンの転写精度にやや劣る(表6では“△”で示す)
12<CV値:凹凸パターンの転写精度に劣る(表6では“×”で示す)
(凹凸パターンの転写精度の評価2)
各例の反射防止物品を幅方向に3箇所(例えば、300mm幅の場合では、75mm間隔で3箇所)、長手方向に3m間隔で3箇所の合計9箇所において、20×20mmのサンプルを切り出した。走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JSM−6700F)により、サンプルの中心付近を5万倍の倍率で観察した。観察される凹凸パターンの状態に基づいて以下の判定基準により凹凸パターンの転写精度を判定した。その結果を表6に示す。
判定基準としては、図6(a)に一例として示すように、熱可塑性樹脂が硬化する前に流動した痕跡が無く、賦形型材の凹凸パターンが忠実に転写されていると認められるものを転写精度に優れると判定した(表6では“○”で示す)。これに対して、図6(b)に一例として示すように、賦形型材の凹凸パターンが転写されていないか、又は、熱可塑性樹脂が硬化する前に流動した痕跡が認められるものを転写精度に劣ると判定した(表6では“×”で示す)。
(しわの評価)
各例の反射防止物品を目視で観察し、しわの発生について判定した。表6には、しわが発生していないものを“○”で示し、しわが発生していたものを“×”で示している。
各実施例では、転写精度の評価1について、優れる又は良好な結果が得られた。転写精度の評価2についても、精度に優れていた。これに対して、各比較例では、各実施例よりも劣る結果となっている。比較例1では、加熱が十分ではないため、凹凸パターンの転写精度が得られていない。
また、比較例2及び3の結果から、加熱部より搬出されてから冷却部に搬入する時間に応じて転写精度が得られなくなることが分かる。
また、各実施例では、しわの発生も確認されないため、生産性を高めることが容易となることが分かる。
図7には、実施例1で得られた反射防止物品について、凹凸パターンを転写した面と反対側の面に艶消し黒色塗料を塗布する前処理をした後、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V−670)を用いて、光の入射角5°の条件で、反射率を測定した結果を示している。この結果から、反射防止物品として十分な性能を有していることが分かる。
11…賦形型材、11R…賦形型材ロール、21…熱可塑性樹脂基材、21R…熱可塑性樹脂基材ロール、22…反射防止物品(成形品)、31…成形用基材、54…上側ベルト(第1ベルト)、55…下側ベルト(第2ベルト)、72,84…加熱部、73,85…冷却部。

Claims (6)

  1. 対向して配置された第1ベルトと第2ベルトとの間で、賦形型材と熱可塑性樹脂基材とを重ね合わせてなる成形用基材を搬送するとともに、
    前記第1ベルト及び第2ベルトを通じて前記成形用基材が加熱及び加圧されることで、前記賦形型材の有する凹凸パターンを前記熱可塑性樹脂基材に転写した成形品を製造する成形品の製造方法であって、
    前記搬送の方向に延在するとともに前記凹凸パターンを転写し得る温度まで前記熱可塑性樹脂基材を加熱する加熱部と、
    前記加熱部よりも下流側で前記搬送の方向に延在するとともに前記熱可塑性樹脂基材を冷却する冷却部とにより、前記成形用基材を加圧しながら、その成形用基材を加熱及び冷却するに際して、
    前記加熱部より搬出されてから前記冷却部に搬入されるまでに要する時間が5秒以下となるように、前記加熱部から前記冷却部へ前記成形用基材を搬送することを特徴とする成形品の製造方法。
  2. 前記加熱部及び前記冷却部により、前記搬送の方向に沿って連続した加圧領域を形成し、前記加熱部に搬入されてから前記冷却部から搬出されるまで、前記成形用基材の加圧を継続させることを特徴とする請求項1に記載の成形品の製造方法。
  3. 前記賦形型材及び前記熱可塑性樹脂基材はシート状をなし、
    前記賦形型材及び熱可塑性樹脂基材は、各別に巻き取られたロールから繰り出されるとともに、前記成形用基材として前記第1ベルトと前記第2ベルトとの間に連続して供給されることで、前記成形品を連続して製造するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成形品の製造方法。
  4. 前記加熱部は、前記熱可塑性樹脂基材の軟化温度に対して−20℃以上、+20℃以下の範囲に温度調節されるとともに、前記冷却部は、前記熱可塑性樹脂基材の軟化温度に対して−25℃以下に温度調節されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の成形品の製造方法。
  5. 前記賦形型材は、前記加熱に耐え得る耐熱性を有した型基材に無機酸化物微粒子が金属アルコキシドの縮合物により固定されてなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の成形品の製造方法。
  6. 前記無機酸化物微粒子の平均一次粒子径が、個数平均において、20〜500nmの範囲であり、前記成形品が反射防止物品であることを特徴とする請求項5に記載の成形品の製造方法。
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