JP2012166141A - 平膜ろ過装置及び平膜ろ過方法 - Google Patents

平膜ろ過装置及び平膜ろ過方法 Download PDF

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Abstract

【課題】膜面洗浄効果が効果的に得られる平膜ろ過装置及び平膜ろ過方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の平膜ろ過装置10は、被処理水の処理槽12と、前記処理槽12内に並列配置した複数の平膜の側面をケーシングで囲った膜モジュール24と、前記平膜間の流路に前記被処理水の上向流を発生させる散気手段30と、前記上向流によって前記処理槽内を流動可能とし、密度が水よりも高い担体40と、を備えたことを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、下水や工業排水などの被処理水を満たした処理槽内に膜ユニットを浸漬し、槽内に上向流を発生させて固液分離して、ろ過水を取り出す平膜ろ過装置及び平膜ろ過方法に関する。
下水や工業排水中に含まれる夾雑物を除去する平膜式のろ過装置がある。平膜ろ過装置は、被処理水で満たされた処理槽内に複数の膜エレメントを浸漬した状態で配列されており、膜エレメントの集合体となる膜モジュールの内部から被処理水を吸引ろ過することにより、ろ過水が得られる。各膜エレメントは、処理槽内に所定の間隔を開けて垂直に設置されて、下方に散気を行うための散気手段が設けられている。
散気を行う目的としては、ろ過吸引時に膜面に堆積するゴミなどの固形物を除去して膜の閉塞を抑制する洗浄効果を得ることが挙げられる。また、処理槽内の被処理水に旋回流を起こして膜表面近傍に水流を与えると共に、処理槽内を撹拌することが挙げられる。
これにより、膜モジュールによるろ過処理を効率的に行うことができる。このような平膜ろ過装置の一例として特許文献1を挙げることができる。
特開2007−136389号公報
図9は単一の膜モジュールの上向流の説明図である。図示のように、複数の膜エレメント200を所定の間隔を開けて並列に配置して側面をケーシング(不図示)で覆った膜モジュール202に対して、膜モジュール202の下方に配置した散気管204から吐出する気泡は、矢印Aのような上昇に伴って中心部へ集中する。これは、ケーシングの壁付近では、壁面摩擦によって流速が減少するためである。そのため、膜モジュール202の側部206では、気泡の上昇に伴って生じるクロスフロー流が生じ難く、クロスフロー流により膜面洗浄効果が低下し、部分的に膜面が閉塞することになる。膜面の閉塞は、有効膜面積を減少させるため、ろ過圧力の早期上昇を招くことがあった。
図10は被処理水の処理槽内で上下方向に積層配置した膜モジュールの上向流の説明図である。図示のように散気管204の直後では、気泡205が一斉に噴出されており、ケーシング207の外側の液相もここに吸い込まれる(矢印a)。このとき、被処理水と気泡からなる気液二相流は比較的均一な分布を形成している。しかしながら、ケーシング207の壁付近では、前述の壁面摩擦によって流速が減少するため、上方に行くに従って流速の分布が発達する。膜モジュール202の上段ではクロスフロー流により矢印bのような放物線状の流速分布が形成される。この場合、水平幅方向の中央部(矢印c)に流速の速い場所が集中し、両端部に近い場所(矢印d)では流速が遅くなる。
そのため中央部以外の領域では、膜表面が目詰まりし易くなる。このような目詰まりし易くなった箇所を解消するためには、散気量を増やす必要がある。しかしながら、膜エレメントの中央部のように目詰まりしていない場所がある一方で、部分的に目詰まりした膜表面領域に対して、洗浄再生するために散気量を増やすことは効率的ではない。また、汚れや目詰まりの進行した箇所のみに集中的に散気を行うことは不可能である。仮に目詰まりの進行した箇所のみに散気量を増やしたとしても、壁付近の側面摩擦の傾向は変わることがないため、中央部と側部との間で流速差が生じるだけであり、放物線状の流速分布が形成され易く目詰まりが促進するおそれがある。
従って、従来のろ過装置では、このような箇所が生じた場合、汚れの少ない箇所も含めて全膜表面を一斉に散気量を上げて洗浄しているため、散気が非効率化するという問題が生じていた。
一方、膜間流路内において、水平幅方向に関して流速分布の中央の偏りを解消する別の手段として、整流板を取り付ける方法がある。しかし、膜エレメント間隔、即ち膜間流路の幅は通常数mmから数十mmであり、このような狭隘な場所に整流板を設けることは困難である。また膜モジュールを多段に積層した場合には、整流板も膜モジュール毎に鉛直方向に他段に配置する必要があり、実用的でない。
そこで本発明は、上記従来技術の問題点を解決するため、膜面洗浄効果が効果的に得られる平膜ろ過装置及び平膜ろ過方法を提供することを目的とする。
本発明の平膜ろ過装置は、被処理水の処理槽内に並列配置した複数の平膜の側面をケーシングで囲った膜モジュールを浸漬して、複数の平膜の膜間に前記被処理水の上向流を生じさせながら固液分離する平膜ろ過装置において、前記上向流によって前記処理槽内を流動可能とし、密度が水よりも高い担体を前記処理槽内に添加したことを特徴としている。
本発明の平膜ろ過装置は、被処理水の処理槽と、前記処理槽内に並列配置した複数の平膜の側面をケーシングで囲った膜モジュールと、前記平膜間の流路に散気して前記被処理水の上向流を発生させる散気手段と、前記上向流によって前記処理槽内を流動可能とし、密度が水よりも高い担体と、を備えたことを特徴としている。
この場合において、前記担体は、多面体であるとよい。
前記担体は、前記平膜間の流路幅に対する一辺の長さの比が0.5以上から0.9以下であるとよい。
前記膜モジュールは、前記処理槽内の垂直方向に多段に積層配置しているとよい。
本発明の平膜ろ過方法は、被処理水の処理槽内に並列配置した複数の平膜の側面をケーシングで囲った膜モジュールを浸漬して、複数の平膜の膜間に前記被処理水の上向流を生じさせながら固液分離する平膜ろ過方法において、前記被処理水に対して前記上向流による速度差を持たせた担体を前記処理槽内に添加して、膜間流路で前記担体を分散させながら前記被処理水を固液分離することを特徴としている。
上記構成による本発明の平膜ろ過装置及び平膜ろ過方法によれば、前記被処理水に対して前記上向流による速度差を持たせた担体を用いているため、被処理水と気泡からなる気液二相流体から抗力を受けて上向流の流れに随伴して移動し難くなる。
具体的に担体は、上向流で前記処理槽内を流動可能とし、密度が水よりも高いため気液二相流体から抗力を受け易くなり、上向流の流れよりも遅い流れで移動する。また、担体は、多面体であるため気液二相流体から抗力を受け易くなり、上向流の流れよりも遅い流れで移動する。
このため、膜間流路の水平幅方向に関して、ケーシング周辺に存在する担体が中央部に移動し難くなり、分散した状態で略均一に存在することになる。よって、膜間流路の散気手段がある入口部から上部出口部まで移動する間に、横幅方向に分散しながら上昇移動することが可能となる。
このように本発明の担体は、膜間流路を分散しながら移動する整流器として機能することにより、流路中央部に流速の速い箇所が生じる気液二相流速分布を平坦化することができる。よって、膜面に対して速度差に基づくせん断力が生じて、膜面全体を均等に洗浄することができ、従来のように散気量を増加させて目詰まりを防止する必要がなく、通常の散気量で洗浄効果を向上させることができる。
また、気泡の周囲に生じる乱れがせん断力を誘導して膜面洗浄に寄与するのと同様に、密度が水よりも高く、多面体の担体の周囲にも、流体の渦や剥離による乱れが生じて、それらの乱れが誘導するせん断力も発生する。そのため、従来の気液二相流の状態よりも、せん断力が発生する箇所が増加することになり、従来の平膜式のろ過装置に比べて膜面洗浄の効果を高くすることができる。
また、処理槽内に膜モジュールを多段に積層配置した構成であっても、下段の膜モジュールにおいて膜間流路の水平幅方向に略均一化された担体が、そのまま維持された状態で上段の膜モジュールに順次供給される。このため、従来、上段の膜モジュールで顕著に生じていた流速分布の差がなくなり、膜モジュールの全範囲の膜面を均等に洗浄することができる。
本発明の平膜ろ過装置の構成概略図である。 膜間流路幅と膜エレメントの水平方向の長さのパラメータの説明図である。 混相流体中を上昇移動する担体の説明図である。 比流速差とサイズ比の関係を示すグラフである。 膜間流路の上向流の説明図である。 本発明の平膜ろ過装置の処理システム全体を模式的に示した図である。 本発明の平膜ろ過装置の変形例の説明図である。 変形例の平膜ろ過装置の上向流の説明図である。 単一の膜モジュールの上向流の説明図である。 膜モジュールを複数多段に積層させた上向流の説明図である。
本発明の平膜ろ過装置及び平膜ろ過方法の実施形態を添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
まず、始めに本発明の平膜ろ過装置を適用可能な処理システムの全体構成について説明する。図6は本発明の平膜ろ過装置の処理システム全体を模式的に示した図である。図示のように、排水処理システム50は、下水や工業排水などを引き込む原水配管52と、排水を引き込む原水ポンプ54と、前処理槽56と、平膜ろ過装置が実装されている処理槽12と、ろ過水を取り出すろ過ポンプ58と、を主な基本構成としている。
前処理槽56には、原水に含まれる大型の固形物やごみを取り除くためのストレーナー装置が設置されている。また原水の生物処理が必要な場合には、生物反応処理槽を適用する構成としてもよい。これにより、後段の平膜ろ過装置による固液分離の負担を軽減することができる。このような前処理槽56において大型の固形物等が除去された原水は、後段の平膜ろ過装置が実装された処理槽12へ導入される。
図1は本発明の平膜ろ過装置の構成概略図である。図示のように本発明の平膜ろ過装置10は、下水や工業排水などの被処理水を満たした処理槽12と、膜ユニット20と、担体40とを主な基本構成としている。
膜ユニット20は、膜モジュール24と散気手段30から構成されている。膜モジュール24は、複数の平膜となる膜エレメント22から構成されている。膜エレメント22は、平板状のろ過膜である。複数枚の膜エレメント22は、膜面が互いに平行となるように所定の間隔を開けて並列に配置され、側面をケーシング26で囲った膜モジュール24を形成している。膜モジュール24は、上面及び下面を開口させて、膜エレメント22の膜間を被処理水が垂直方向に通過する流路が形成されている。この膜モジュール24に、後述する散気手段30と、ろ過ポンプ58と、配管28を組み合わせて膜ユニット20が形成される。膜モジュール24は、配管28を介してろ過ポンプ58に接続している。ろ過ポンプ58を駆動させることにより、膜エレメント22の膜表面からろ過されたろ過水(処理水)が配管28を通過して外部に排出される。
散気手段30は、処理槽12内に気泡を発生させている。散気手段30は、ケーシング26を平面視して囲まれた領域内となる膜モジュール24の下方に取り付けられ、膜モジュール24の膜間流路内に気泡を滞留浮上させている。これにより、被処理水と気泡の気液混相の状態である膜間流路内と、被処理水の単相の状態である処理槽内であって膜モジュール24の外側との間で密度差が生じる。このような膜間流路内では、上向きの流れとなる上向流が発生する。散気手段30は、一例として、並列配置した膜エレメント22に沿って複数の散気管を並列に配置した構成を適用することができる。また散気手段30は、散気孔を散気管の下部に設けて、散気ポンプ(不図示)と接続して散気空気量を任意に調整するように構成している。
担体40は、処理槽12内の被処理水に添加して、被処理水に対して上向流による速度差を持たせている。
具体的に本実施形態の担体は、上向流で処理槽内を流動可能とし、密度が水よりも高くなるように設定している。担体の密度が水よりも高いと、膜間流路を移動する被処理水中では、担体が被処理水よりも遅い流れで移動する。よって、膜間流路の幅方向に均一に導入された担体は、上向流の流れで中央部に被処理水が移動しようとすると、速度の差が抗力となって、被処理水の中央部の移動を抑える作用をする。このため、担体は、膜間流路の導入時の均一分散を維持した状態で移動することになる。従って、気液二相流速分布を平坦化して膜エレメントの膜面を均等に洗浄することができる。
なお、本実施形態の担体の材質としては、膜エレメントの膜面に損傷を与えることがない材質であることが望ましい。このような担体の一例として、含水率の高い高分子ゲル材料、ゴム樹脂等を適用することができる。その他、被処理水中で水を吸収することにより水と密度が近似し、且つ、密度が高くなるような空隙率が高い素材となるウレタンフォームのような多孔性材料を適用することもできる。
また本実施形態の担体は、多面体となるように形成している。担体は一例として立方体に形成している。立方形状の担体であれば、容易に加工することができる。このような立方形状の担体は、球形状に比べて約2倍の抵抗係数を備えている。多面体に形成された担体は、膜間流路を移動する被処理水中で、被処理水の流れが角部によって妨げられ易くなり、被処理水よりも遅い流れで移動する。よって、膜間流路の幅方向に均一に導入された担体は、上向流の流れで中央部に被処理水が移動しようとすると、多面体の形状が抗力となって、被処理水の移動を抑える作用をする。このため、担体は、膜間流路の導入時の均一分散を維持した状態で移動することになる。従って、気液二相流速分布を平坦化して膜エレメントの膜面を均等に洗浄することができる。
担体の密度に関しては、基本的には水よりも高く、実用上は、2.5g/cmよりも低いことが望ましい。実用面において、膜間流路の平均流速は、0.1m/sから0.4m/s程度である。仮に3mm角の担体の密度が2.5g/cmを越える場合、終端沈降速度が0.2m/s以上になり流動状態が悪くなることが予想される。流速の低い領域では、膜間流路を上昇移動せずに、膜分離槽内の底部等のよどみ部に滞留し、本発明の効果を得ることが難しくなる。そのため、担体の密度は1g/cmよりも高く、2.5g/cm以下であることが望ましい。
なお、担体40は、処理槽12内で被処理水に添加するほか、予め被処理水中に添加させて、処理槽12内に導入する構成とすることもできる。
また、本発明の担体は、処理槽内の被処理水の数十%となる体積充填率を維持するように設定している。平膜分離装置の運転では、ろ過水の取り出しによって、処理槽内の原水固形物濃度が高くなる。そこで、定期的に固形物汚泥を引き抜くことにより、原水固形物濃度を調整することができる。この引き抜き工程によって処理槽内の担体も引き抜かれることになる。前述の体積充填率を維持するため、固形物汚泥の引き抜きと同時に所定量の担体を添加している。
次に、図2〜図5を用いて担体40の形状の条件についてより詳しく説明する。図2は膜間流路幅と膜エレメントの水平方向の長さのパラメータの説明図である。図3は混相流体中を上昇移動する担体の説明図である。
図2に示すように、膜エレメント22の水平方向の幅長さをLとし、膜エレメント22間の距離(流路幅)をWとする。一般の平膜ろ過装置は、流路幅Wが幅長さLに対して十分小さく、一例として数mmから十数mmの範囲に設定されている。
次に、図3に示すように、水平断面方向の流路幅W×Wの範囲となる直方体に関して、水平方向には担体が一つしか存在せず、垂直方向には複数の担体が分布して存在すると仮定する。
そして、このようなW×Wの流路が、幅長さLとなる水平方向に連なって膜間流路が構成されていると想定して、担体の物質収支と運動量収支について以下検討する。
まず、担体の直径をdとし、それと同体積球の直径を用いた等価直径deは、数式1で表すことができる。
ここで、担体は、前述のように水平断面方向の流路幅W×Wの範囲で一定量(一定添加率)となるように調整されていると仮定している。また、液体についても、当該流路内にて一定流量で流れていると仮定している。さらに、散気手段から生成される気泡についても一定流量で散気されていると仮定している。
そうすると、流路内には、これら担体、液体、及び気体の吸い込みや湧き出しが存在しないことから、物質量は保存されていると考えることができる。
そこで、液体と気体の二相流体相について、この混相流体(液相と気相の混合流体をいう。)の流速をu とし、担体の速度をuとすると、担体のボイド率(断面積比率)αPを用いて、物質収支の関係式は数式2で表すことができる。
なお、Jは、担体と混相流体全体の体積フラックス(等価速度)であり、上記の通り一定流量で与えられるものであるから一定値をとっている。
次に、運動量の収支、すなわち担体に係る重力と流体から受ける抗力の釣り合いを考える。担体の体積をVol、断面積をA(等価直径deで与えられる面積で、この径の円面積とする。)、混相流の密度をρ、担体と混相流体の密度差をΔρ、更に、担体の抗力係数をCで与えると、釣り合いの式は数式3のように表すことができる。
なお、本来、重力加速度gはベクトルであり、速度もベクトルであるが、本実施形態では一次元的な上昇運動のみを扱うことから、これらの物理量は鉛直成分のみで示している。
また、数式3の右辺の速度の二乗に関する項は、担体の密度が混相流密度より高いことから正の値として表現し、かつ重力加速度gについても絶対値(正の値)として扱うものとする。
次に、数式2と数式3を連立させて式を変形することで、担体の速度uは、数式4のように表すことができる。
ここで、担体の抗力係数CはRe数(レイノルズ数)の関数であるが、混相流体と担体の密度差は小さい。
従って、流速差も小さいのでRe数は大きくなく、Re数に反比例する式で表すことができる。これは層流と仮定できるためである。
Re数は数式5で、抗力係数Cは数式6で表すことができる。
なお、νは、混相流体の動粘性を示し、係数Kは45程度の値で与えられる。
次に、数式1、数式2、数式4、数式5及び数式6を用いると、数式7のように表すことができる。
ここで、担体のボイド率(断面積比率)αPは、その定義から数式8のように表すことができる。
このため、数式7は、数式8を用いて数式9のように表すことができる。
得られた数式9は、担体と混相流体の速度の差を示すものである。この速度差が大きいほど担体が作用する抗力が高くなり、前述のように渦や剥離等から誘導するせん断力が高くなる。
また、前述のように担体は、混相流体に随伴して動きにくくなるので、混相流体が膜間流路の水平幅方向に関して中心部に流速が集中する傾向に対して抵抗する運動をする。このため、本実施形態の担体は、当該幅方向に分散して、混相流体の整流器として作用し、上述の効果を高めることができる。
そこで、数式9において、当該流速差が極大化するのは数式9の右辺の次式(数式10)が最小化すれば、これらの効果が極大化すると考えることができる。
この数式10は比速度差に相当するものである。このサイズ比(担体の等価直径deと流路幅Wの比)に関して、図4のようにグラフ化することができる。図4は比流速差とサイズ比の関係を示すグラフである。同図縦軸は比流速差を示し、横軸はサイズ比(流路幅に対する担体の一辺の長さの比)を示している。
ここで、この比流速差は、数式10を微分することで、次のサイズ比において極大化する。
図4に示すように、比流速差とサイズ比(担体/流路幅)の関係は下向きに凸な放物線状に表され、数式11に示すようにサイズ比が約0.71のとき、比流速差が最も大きくなる。担体が流体から受ける抗力が最大となる一方で、担体が作用反作用の法則により、流体にもたらす仕事も最大となり、担体近傍での流体の乱れの効果も最大となる。従って渦や乱れの誘導が最大化し、膜面洗浄に必要な流体のせん断力も最大化することができる。
次に、膜間流路の幅に対して担体の適切なサイズを与えるサイズ比について検討する。担体の直径サイズが膜間流路の幅の半分よりも小さい場合、膜間に2つ以上の担体が同時に通過することが可能となる。このとき、多面体形状の担体の向きによって、少なくとも2個の担体が架橋して膜間流路内に閉塞して留まってしまう可能性がある。そこで、担体のサイズ比の下限値としては、0.5以上であることが望ましい。このサイズ比0.5のときの比流速差は−0.19である。図4に示すように比流速差とサイズ比の関係は、サイズ比0.71を最下点とする下向きに凸な放物線状に表されており、サイズ比0.5以上0.71の範囲では比流速差が大きくなる。一方、サイズ比0.71を超えて、更に0.9を超える場合、サイズ比が0.5のときの比流速差(−0.19)よりも絶対値が小さくなってしまい、流速差に基づく乱れの効果が得られにくくなる。そこでサイズ比の上限値としては0.9以下であることが望ましい。
以上より、サイズ比の範囲は、数式12のように表すことができる。
なお、担体の直径dについては、数式1に基づいて、数式13の範囲が有効であると考えられる。
次に、上記構成による平膜ろ過装置を用いた平膜ろ過方法について以下説明する。
処理槽12内に下水及び工業排水などの被処理水が導入される。なお被処理水は、予め、前処理槽56で大型の夾雑物を除去する前処理を行うように構成してもよい。
担体は、予め被処理水に添加されて被処理水に導入される。または処理槽内の被処理水に担体を添加するようにしてもよい。
処理槽12内では、膜モジュール24の下方に取り付けた散気手段30により散気が行われている。
図5は膜間流路の上向流の説明図である。図示のように膜モジュール24の下方から膜間流路に導入された被処理水は、担体と共に散気の上向流によって膜間を上昇する。本実施形態の担体は、上向流で処理槽12内を流動可能とし、密度が水よりも高く、また多面体であるため、被処理水と気泡の気液二相流体から抗力を受け易くなり、上向流の流れよりも遅い流れで移動する。このため、膜間流路の水平幅方向に関して、ケーシング周辺に存在する担体が中央部に移動し難くなり、分散した状態で略均一に存在することになる。よって、膜間流路の散気手段がある入口部から上部出口部まで移動する間に、横幅方向に分散しながら上昇移動することが可能となる。
担体は、膜間流路を分散しながら移動する整流器として機能することにより、流路中央部に流速の速い箇所が生じる気液二相流速分布を平坦化することができる。よって、膜面に対して速度差に基づくせん断力が生じて、膜面全体を均等に洗浄することができ、通常の散気量で洗浄効果を向上させることができる。
また、気泡の周囲に生じる乱れがせん断力を誘導して膜面洗浄に寄与するのと同様に、密度が水よりも高く、多面体の担体の周囲にも、流体の渦や剥離による乱れが生じて、それらの乱れが誘導するせん断力も発生する。そのため、せん断力が発生する箇所が増加することになり、従来の平膜式のろ過装置に比べて膜面洗浄の効果を高くすることができる。
処理槽12内に浸漬配置された膜ユニット20では、ろ過ポンプ58が可動することにより、固液分離されたろ過水(処理水)が膜エレメント22の膜面を通過して配管を介して外部に排出される。
図7は本発明の平膜ろ過装置の変形例の説明図である。図8は変形例の平膜ろ過装置の上向流の説明図である。図示のように変形例の平膜ろ過装置100は、複数の膜モジュール24a,24b,24cを処理槽内の上下方向に多段に積層させている。その他の構成は図1に示す装置と同様の構成であり、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。このような変形例の平膜ろ過装置100であっても、図8に示すように、下段の膜モジュール24cにおいて膜間流路の水平幅方向に略均一化された担体が、そのまま維持された状態で上段の膜モジュール24b,24aに順次供給される。このため、従来、最上段の膜モジュール24aで顕著に生じていた流速分布の差がなくなり、膜モジュール24a,24b,24cの全範囲の膜面を均等に洗浄することができる。
本発明の平膜ろ過装置及び平膜ろ過方法は、膜分離活性汚泥装置のほか、平膜エレメントを用いた固液分離を行う各種の膜処理分野において幅広く適用することが可能である。
10、100………平膜ろ過装置、12………処理槽、20………膜ユニット、22………膜エレメント、24………膜モジュール、26………ケーシング、28………配管、30………散気手段、40………担体、50………排水処理システム、52………原水配管、54………原水ポンプ、56………前処理槽、58………ろ過ポンプ、200………膜エレメント、202………膜モジュール、204………散気管、205………気泡、206………側部、207………ケーシング。

Claims (6)

  1. 被処理水の処理槽内に並列配置した複数の平膜の側面をケーシングで囲った膜モジュールを浸漬して、複数の平膜の膜間に前記被処理水の上向流を生じさせながら固液分離する平膜ろ過装置において、
    前記上向流によって前記処理槽内を流動可能とし、密度が水よりも高い担体を前記処理槽内に添加したことを特徴とする平膜ろ過装置。
  2. 被処理水の処理槽と、
    前記処理槽内に並列配置した複数の平膜の側面をケーシングで囲った膜モジュールと、
    前記平膜間の流路に散気して前記被処理水の上向流を発生させる散気手段と、
    前記上向流によって前記処理槽内を流動可能とし、密度が水よりも高い担体と、
    を備えたことを特徴とする平膜ろ過装置。
  3. 前記担体は、多面体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の平膜ろ過装置。
  4. 前記担体は、前記平膜間の流路幅に対する一辺の長さの比が0.5以上から0.9以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の平膜ろ過装置。
  5. 前記膜モジュールは、前記処理槽内の垂直方向に多段に積層配置したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の平膜ろ過装置。
  6. 被処理水の処理槽内に並列配置した複数の平膜の側面をケーシングで囲った膜モジュールを浸漬して、複数の平膜の膜間に前記被処理水の上向流を生じさせながら固液分離する平膜ろ過方法において、
    前記被処理水に対して前記上向流による速度差を持たせた担体を前記処理槽内に添加して、膜間流路で前記担体を分散させながら前記被処理水を固液分離することを特徴とする平膜ろ過方法。
JP2011029072A 2011-02-14 2011-02-14 平膜ろ過装置及び平膜ろ過方法 Expired - Fee Related JP5605802B2 (ja)

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