JP2012165684A - 蛍の飼育設備、及び蛍の飼育設備の施工方法 - Google Patents

蛍の飼育設備、及び蛍の飼育設備の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自然に近い形で蛍を飼育する技術を提供する。
【解決手段】水源1からの水が所定流量で流れる、蛍の幼虫が生息する水路4を備え、水路4には、流速3〜30cm/secの水が流れ、水路4の水深は、30cm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、蛍の飼育設備、及び蛍の飼育設備の施工方法に関する。
蛍の飼育方法に関する技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。特許文献1では、両側縁に植石を配置し、少なくともその底面をコンクリートによって形成した湛水部分と流水部分を有する単位水路を設けること、湛水部分には底面を平坦に形成するとともに置き石を配置し、流水部分には流れ方向の中央に流水路と、その左右に流水平面部を設け、流水平面部にはホウキ目を入れ、単位水路の接続部には越流堰を設けることが開示されている。
特許第2729156号公報 特許第3732065号公報 特開2005−124464号公報
蛍の生息環境についての研究が従来から行われている。しかしながら、従来の研究成果は、蛍が生息する環境(例えば水路の形状等)について曖昧な表現が多い。そのため、自然に近い形の蛍の飼育設備を施工しようとしても、施工現場での設計変更が繰り返し要求されるなど、蛍の飼育設備を提供することは従来困難であった。
本発明では、上記した背景に鑑み、自然に近い形で蛍を飼育する技術を提供することを課題とする。
本発明では、上述した課題を解決するため、実施した調査や実験から得られた数値データに基づいて蛍の飼育設備を設計・施工することとした。
より詳細には、本発明は、水源からの水が所定流量で流れる、蛍の幼虫が生息する水路を備え、前記水路には、流速3〜30cm/secの水が流れ、前記水路の水深は、30cm以下である蛍の飼育設備である。
本発明に係る蛍の飼育設備では、水路を流れる水の流速を3〜30cm/secとし、かつ、水深を30cm以下とすることで、蛍の餌である例えばカワニナの生息環境を提供することができる。その結果、蛍の生育に最も影響が大きい幼虫時期の餌環境を好適にすることができる。なお、流速は、例えば水路の断面形状に変化をもたせて変化させることが好ましい。これにより、カワニナの生息環境をより好適にすることができる。また、水路の水面幅は、2m以内とすることが好ましい。これにより、水路の観察や維持管理を容易に行うことができる。
ここで、本発明に係る蛍の飼育設備において、前記水路は、水の流れる方向において、水深が10cm以下の浅い領域と、水深10cmを上回る深い領域とを有する構成としてもよい。このように水路の断面形状に変化をもたせることで、カワニナの生息環境をより好適にすることができる。また、浅い領域を設けることで、蛍の幼虫の捕食者の特性に基
づいて、浅い領域に蛍の幼虫の捕食者(例えば、オニヤンマ)を生息させることができる。その結果、蛍以外の生物との共存を可能にすると共に、深い領域に蛍の幼虫を生息させ、浅い領域に蛍の幼虫の捕食者を生息させることができ、蛍の幼虫と蛍の幼虫の捕食者との棲み分けが可能となる。
なお、水路の水深は、10〜30cmとしてもよい。このような水深とすることで、蛍の幼虫の捕食者(例えば、オニヤンマ)の生息を排除し、カワニナの生息環境をより好適にすることができる。蛍の幼虫の捕食者の生息環境は、例えば、別途水路を設けて整えるようにしてもよい。
ここで、本発明に係る蛍の飼育設備は、前記水路近傍に設けられ、前記蛍の蛹が生息する土手を更に備え、前記土手の厚さは、10cm以上であり、前記土手の土壌硬度は、5〜10mmであることが好ましい。これにより、蛍の蛹化環境を好適にすることができる。土手には、既存の土手の他、盛土をすることで人工的に作られたものも含まれる。土壌硬度とは、例えば山中式硬度計による測定硬度である。
また、本発明に係る蛍の飼育設備は、前記水路近傍に設けられ、前記蛍の成虫が飛翔する樹林を更に備え、前記樹林は、前記水路から3m以内に分布することが好ましい。これにより、蛍の成虫の飛翔環境を好適にすることができ、その結果蛍の繁殖環境を好適にすることができる。水路から3m以内とは、水路からの水平距離3m以内を意味する。なお、樹林の高さは、1〜2mとすることが好ましく、このような高さとすることで蛍の繁殖環境を好適にすることができる。また、樹林の高さが1〜2mであれば、メンテナンスも容易である。
また、本発明に係る蛍の飼育設備は、前記水路の上流に、沈砂池を更に備える構成としてもよい。これにより、大雨などの増水によって、上流から土砂が流れ込み、水路が埋まり、水深が単調になるといった弊害を防止することができる。なお、沈砂池の近傍には、沈砂池に溜まった土砂を仮置きする仮置き場を設けることが好ましい。
更に、本発明に係る蛍の飼育設備は、前記沈砂池の近傍に設けられ、該沈砂池に溜まった土砂を仮置きする仮置き場を更に備え、前記仮置き場は、前記沈砂池側が低くなるように10度以内の傾斜を有するようにしてもよい。仮置き場を設けることで、土砂の仮置きが可能となる。また、仮置き場に10度以内の傾斜をつけることで、泥に紛れた水生生物が泥から逃げ出すことができる。
ここで、本発明は、上述した蛍の飼育設備の施工方法として特定することもできる。例えば、本発明は、蛍の飼育設備の施工方法であって、水源からの水が所定流量で流れる、蛍の幼虫が生息する水路を設計・施工する工程を備え、前記水路を設計・施工する工程では、前記水路に流速3〜30cm/secの水が流れ、前記水路の水深が30cm以下になるように、前記水路を設計・施工する、蛍の飼育設備の施工方法である。本発明に係る蛍の飼育設備の施工法によれば、より自然に近い形で蛍の生息環境を造り出すことができる。
また、前記水路を設計・施工する工程は、前記水路に、水の流れる方向において、水深が10cm以下の浅い領域と、水深10cmを上回る深い領域とを設けるようにしてもよい。また、前記水路を設計・施工工程では、前記水路の水深が、10〜30cmとなるように、前記水路を設計・施工するようにしてもよい。また、前記水路近傍に設けられ、前記蛍の蛹が生息する土手を設計・施工する工程を更に備え、前記土手の設計・施工工程では、前記土手の厚さは、10cm以上であり、前記土手の土壌硬度は、5〜10mmとなるように、前記土手を設計・施工するようにしてもよい。また、前記水路近傍に設けられ
、前記蛍の成虫が飛翔する樹林を設計・施工する工程を更に備え、前記樹林の設計・施工工程では、前記樹林は、前記水路から3m以内に分布するよう前記樹林の設計・施工するようにしてもよい。また、蛍の飼育設備の施工方法は、前記水路の上流に、沈砂池を設計・施工する工程を更に備えるようにしてもよい。また、前記沈砂池の近傍に設けられ、該沈砂池に溜まった土砂を仮置きする仮置き場を設計・施工する工程を更に備え、前記仮置き場の設計・施工工程では、前記仮置き場が、前記沈砂池側が低くなるように10度以内の傾斜を有するように設計・施工するようにしてもよい。更に、前記水路を設計・施工工程では、前記水路に、pH調整を行うための中和剤を、前記水路内のpHが、6.57〜7.79となるように混入するようにしてもよい。中和剤には、水路が酸性の場合に酸性水を中和するアルカリ化剤(例えば、石灰石等)、水路がアルカリ性の場合にアルカリ水を中和する酸性化剤(例えば、硫酸等)が含まれる。例えば、水路が酸性の場合には、前記水路を設計・施工工程では、前記水路に、pH調整を行うための石灰石を、前記水路内のpHが、6.57〜7.79となるように敷設するようにしてもよい。上記各工程を行うことで、上述した蛍の飼育設備を設けることができる。
本発明によれば、自然に近い形で蛍を飼育する技術を提供することができる。
実施形態に係る蛍の飼育設備のイメージ図を示す。 実施形態に係る蛍の飼育設備による飼育の流れを示す。 蛍の飼育実験を行った飼育実験設備の平面図を示す。 飼育実験設備における水生生物の種類数変化を示す。 実験設備における水路の水深別カワニナ出現個体数を示す。 水路の水深とオニヤンマの個体数との関係を示す。 水路の水深とオニヤンマの個体数との関係を調査した調査点を示す。 ゲンジボタルの幼虫とpHとの関係を示す。 水路・池を新たに造成する工程のフローを示す。
次に、本発明に係る蛍の飼育設備及び蛍の飼育設備の施工方法の実施形態について図面に基づいて説明する。以下の説明では、ゲンジボタルの屋外飼育設備を例に説明する。なお、以下に説明する実施形態は例示であり、本発明は以下に説明する実施形態に限定されない。
<蛍の飼育設備>
図1は、実施形態に係る蛍の飼育設備100のイメージ図を示す。実施形態に係る蛍の飼育設備100(以下、単に飼育設備100という)は、水源1、バイパス水路2、沈砂池3、水路4、土手5、樹林6を備える。実施形態に係る蛍の飼育設備100は、屋外に設けられているが、ビル内や温室内(例えば、ビニルハウス)に設けることもできる。
水源1は、水路4へ流れる水を供給する。水源1には、溜め池や小川が例示される。また、水源1から供給される水は、湧水や地下水であることがより好ましい。更に、水源1から供給される水量は、年間を通じて変動が少ないことが好ましい。
バイパス水路2は、大雨などの増水時に余浄水を流す。これにより、水路4の崩壊を防止することができる。
沈砂池3は、水源1から水路4への分岐点近傍に設けられ、大雨などの増水時において土砂を溜める。これにより、大雨などの増水によって、上流から土砂が流れ込み、水路が
埋まり、水深が単調になるといった弊害を防止することができる。なお、沈砂池3の北側には、沈砂池3に溜まった土砂を仮置きする仮置き場が設けられている。本実施形態では、仮置き場に10度以内の傾斜がつけられている。これにより、泥に紛れた水生生物が泥から逃げ出すことができる。
水路4は、水源からの水が所定流量で流れ、蛍の幼虫が生息する。水路4を流れる水の流速は、3〜30cm/secである。蛍の餌であるカワニナは、流水環境を好み、また、本発明者らの実験によれば、流速が3cm/sec以下の水路にはカワニナの生息数が少ないという結果が得られた。そこで、水路4を流れる水の流速を上記のようにすることで、カワニナの生息環境を好適にすることができる。
水路4の水深は、30cm以下である。本実施形態では、図1に示すように、水路4は、上流側と下流側に水深30cm程の深い領域が設けられ、中流に水深10cm程の浅い領域が設けられている。ここで、オニヤンマ(蛍の幼虫の捕食者)は水深10cm程度の浅い領域に産卵するといった特性を有する。本実施形態のように、水路4に、水深10cm以下の浅い領域を設けることで、オニヤンマをこの浅い領域に集め、オニヤンマと蛍の棲み分けが実現できる。水路4の一方の岸は凡そ直線状であり、他方の岸は湾曲している。深い領域では、水路4の幅が広く、浅い領域では水路4の幅が狭く形成されている。また、水路4の一方の岸は南側に位置し、できる限り日当たりが確保できるよう樹林が刈り込まれている。土手5は、この南側に位置する一方の岸に設けられている。一方、水路4の他方の岸は北側に位置し、樹林6が設けられている。水路4の幅は、2m以内とすることが好ましい。これにより、水路の観察や維持管理を容易に行うことができる。なお、水路4の水深は、10〜30cmとしてもよい。この場合、蛍の幼虫の捕食者としてのオニヤンマの生息を排除し、カワニナの生息環境をより好適にすることができる。オニヤンマの生息環境を確保する方法としては、別途水路を設ける方法もある。
水路4の底には、砂利や礫が配置されている。これにより、流量が増した際の流出抑止を行うことができる。また、砂利や礫が配置されることで、蛍の幼虫の日中の隠れ家を提供することができる。また、水路4の岸際には、蛍の成虫が産卵するための基盤となるコケや植物の茎、露出した根などが設けられている。産卵用のコケには、ハイゴケ、シノブゴケ、ノコギリゴケ、ナイゴケ、ツヤゴケ等が例示される。
土手5は、水路4の南側に設けられ、少なくとも深さ10cmを有する。蛍の幼虫が蛹になるために潜行する深度はおよそ6cmであることが確認されていることから、このような深さとする。なお、土手5が硬すぎると蛍の幼虫の潜行が妨げられる。そこで、土手5の土壌硬度は、5〜10mmであることが好ましい。土壌硬度とは、山中式硬度計による測定硬度である。土壌硬度5〜10mmの土は、換言すると、耕したばかりのやわらかい土であり、片手で簡単にほぐすことができ、移植ごてで簡単に掘れる程度の土である。なお、土手5にもヤナギなどを植えてもよい。
樹林6は、水路4の北側に設けられ、水路4からの水平距離が3m以内である。これにより、蛍の成虫の飛翔環境を好適にすることができ、その結果蛍の繁殖環境を好適にすることができる。水路4から水平距離3m以内とは、水路4の対岸(土手側)からの水平距離3m以内を意味する。例えば、水路の幅を水路の観察や維持管理上好ましいとされる2mとした場合には、樹林6の幅は1mとなる。但し、樹林6は、対岸から3m以内に存在していればよく、水路4の幅や樹林6の幅は適宜設計することができる。なお、樹林6の高さは、1〜2mとすることが好ましく、このような高さとすることで蛍の繁殖環境を好適にすることができる。また、樹林6の高さが1〜2mであれば、メンテナンスも容易となる。樹林6には、ヤナギ、タネツケバナ(外来種のオランダガラシ:クレソンの仲間の在来種)が例示される。
<蛍の飼育設備の施工方法>
上述した実施形態に係る蛍の飼育設備による飼育は、図2に示す工程を行うことで実現できる。図2は、実施形態に係る蛍の飼育設備による飼育の流れを示す。図2に示す飼育は、設計編、施工編、管理編からなる。以下、設計編及び施工編を中心に、実際に行った実験例も交えて説明する。
図3は蛍の飼育実験を行った蛍の実験飼育設備(以下、単に実験設備ともいう)の平面図を示す。図3に示す実験設備は、屋外に設けられたものである。本実験では、バイパス水路から水路に導水している。水路は、一本の長さが約60mの水路が並行に3本設けられ、全体としてS字状に構成されている。この3本の各水路は、水深が上流側から順に、10cm、20cm、30cmとなっている。水路同士の間には、盛土からなる観察路が設けられている。また、石灰石が敷設されることでpH調整が行われ、また、適宜砂利が敷設されている。この水路は、ゲンジボタルの飼育水路である。なお、水路の下流側には、ヘイケボタルの飼育用の池が3つ設けられている。
(設計編)
[造成場所の決定]
設計編では、蛍の飼育設備の造成場所(造成予定地)が決定される(ステップS01)。具体的には、蛍の飼育設備の造成場所は、水、土、植生、コケ類、飛翔空間が揃えられる場所であるかを基準に決定される。また、幼虫と成虫の両方の育成環境に適しているか、既存の水辺環境から近い場所かどうかを基準に決定される。「水」は水路や池など幼虫の生活場所としての環境条件である。「土」は幼虫が上陸・蛹化するための環境条件である。「植生」は成虫の日中の休息場所としての環境条件である。「コケ類」は産卵場所としての環境条件である。また、「飛翔空間」は成虫の飛翔場所としての環境条件である。蛍の飼育設備の造成場所の決定では、まず、これらの環境条件を揃え易い場所が、造成場所として決定される。
幼虫と成虫の両方の育成環境に適しているかについて、幼虫の育成環境に適した場所としては、年間を通して水量の変動が少ない場所、増水時に余浄水を流すバイパス水路の作ることが出来る場所、湧水のある場所、地下水を導水できる場所が例示される。このような場所は、水中で育つが泳ぎは苦手であり、増水環境では流され易く、また、乾燥に非常に弱いといった特性を有する幼虫の環境条件として適している。一方、成虫は、夜間に行動し光によるコミュニケーションを行うため、人工照明が少なく、また、蛍の自然発生場所では水路の一方の岸が傾斜地の林になっており、他方の岸は開放的な空間になっている場所において飛翔数が多いことが確認された。そこで、成虫の育成環境に適した場所としては、人工照明が少ない又はない場所、日中休息する場としての木陰がある場所、配偶行動のための飛翔空間をある場所、飛翔力がそれほど強くないことから風当たりが強くない場所が例示される。
既存の水辺環境から近い場所とすることで、生物多様性の高い水辺環境を創出することができる。図3に示す実験設備では、完成1年目の秋に29種、2年目の秋に48種、3年目の秋に42種の生き物の生息が確認された。図4は、実験設備における水生生物の種類数変化を示す。実験設備に自然加入した生き物には、オニヤンマ、アオイトトンボ、ミズカマキリ、トビケラ類、ヤマアカガエル、イモリなどが含まれる。
[造成予定地の調査]
蛍の飼育設備の造成場所(造成予定地)が決定されると、次に、造成予定地の地形や環境が調査される(ステップS02)。造成予定地の測量、造成予定地の環境が蛍や餌動物の生息条件を満たすかどうか調査される。具体的には、敷地の形や広さ、起伏状況を調べ
、設備の形状・規模が決定される。また、蛍を中心に、水生生物にとっての生息制限要因が確認される。生息制限要因には、狭すぎて飛翔空間が確保できない、傾斜が急で流速が速すぎる、日当たりが悪く薄暗い、水が涸れるが例示される。なお、これらの生息制限要因が確認される場合、場所を変更する、堰や落差工を造る、周囲の木の剪定・調枝、除草、地下水などの導入又は粘性土を入れた転圧などの対策が施される。
[設計図等の作成]
造成予定地の地形や環境が調査され造成場所が決定されると、次にどのような蛍の飼育設備にするか決定される(ステップS03)。流水環境と止水環境の夫々に適応した生物が存在するので、水路と池を組み合わせることで、より多様性の高いビオトープ創出が実現できる。水路にするか池にするかは、飼育したい蛍の種類、敷地の形状、十分な水量を確保できるか、水質管理ができる等を考慮して決定される。飼育した蛍の種類について、ゲンジボタルを飼育する場合には、流水環境が適しており、餌貝のカワニナにとっても流水環境が適していることから、水路の方が好ましい。一方、ヘイケボタルは、止水環境でも流水環境でも生息できるので、流れを持たせた水路では両方の蛍が飼育可能である。
敷地の形状について、水路は、陸上部分の用地も含めて2m程度の幅があれば、細長い形状の敷地も有効利用することができる。また、流路を折り曲げることで、どのような形状の敷地にも適用することができる。水量の確保について、平常時の水源の水量が少ない場合、水路では渇水時に干上がる虞がある。このような場合、水路で水深と流速を維持するため、ポンプ等を用いて強制的に循環させてもよい。池では干上がる前に地下水などが注入する程度でよく、水路に比べて対処が容易である。水質管理について、水路の方が水の滞留が起こり難いことから、夏季に水温上昇の抑制がし易いといったメリットがある。
[水路の設計]
水路の設計では、流速、水深、水面幅、底質が決定される。流速について、蛍の餌であるカワニナは流水環境を好む。また、実験設備では、流速が3cm/sec以下の30cm水路にはカワニナの生息数が少ないという結果が得られた。図5は、実験設備における水路の水深別カワニナ出現個体数を示す。図5に示すように、流速が遅い水路(流速3cm/sec以下)では、個体数が少なくなっている。
実験設備による実験により、蛍の餌となる貝類の餌料環境(付着藻類の生育)を考えると、水深は30cm以内であることが好ましいことが確認された。また、水深は一定にせず、浅い領域と深い領域を設けることで、流速や底質なども複雑に変化し、多様性に富む生態系を創出できることが確認された。更に、蛍の幼虫を捕食するオニヤンマは、水深数cm程度の流水環境に産卵することから、蛍の幼虫とオニヤンマを棲み分けするため、オニヤンマの好適生息環境である深さ数cmの浅い領域があった方がよいことが確認された。ここで、図6Aは、水路の水深とオニヤンマの個体数との関係を示す。図6Bは、水路の水深とオニヤンマの個体数との関係を調査した調査点を示す。図6Aに示すように、オニヤンマは水深10cmの浅い領域に集中して生息していることが確認された。なお、水質(pH)は、6.57〜7.79が望ましく、7.4が最も望ましいことが確認された。図7は、ゲンジボタルの幼虫とpHとの関係を示す。図7に示すように、水質(pH)が、6.7〜7.79においてゲンジボタルの幼虫が確認され、7.4で最も多く確認された。
水路の設計を含め蛍の飼育設備の概念設計ができたら、それを数値的に具体化させた詳細設計(設計図・施工計画書・安全計画書の作成)が行われる。設計図(例えば、標準断面と平面図)には、水源の水量や造成地の勾配を基に算出した、出水時にも溢れ出させないために必要な水路の幅や深さ、蛍の産卵場所として確保するコケの植栽場所の位置や面積など、具体的な規模が記載される。施工計画書には、整地、造成などの項目ごとに、使
用する重機の種類や作業期間、コケの移植や礫の転圧方法など、具体的な実施方法や手順が記載される。安全計画書には、施工時の事故対策だけでなく、橋からの転落防止策など設備竣工後の使用時に起こりうる危険も包括した内容が記載される。以上により、図2に示す飼育における設計編が終了する。
(造成編)
造成編は、水路・池を新たに造成する工程(ステップS11)と、造成地の環境を整える工程(ステップS12)からなる(図2参照)。ここで、図8は、水路・池を新たに造成する工程のフローを示す。ステップS111では、整地が行われる。整地では、作業スペースの確保、起伏のならし、障害物(例えば、木)が除去される。
整地が完了すると、ステップS112では、水盛り・遣り方が行われる。「水盛り」とは水準器(レベル)を用いて水平面を決めること、「遣り方」とは造成工事に先立ち、杭などで構造物(水路や池)の位置や掘削角度などを表示し、施工の目安にすることをいう。
水盛り・遣り方が完了すると、ステップS113では、造成が行われる。具体的には、水路の掘削、土手の成形(盛土)が重機や人力によって行われる。透水性が高い土地では、水路や池の下に粘性土が30〜40cm投入されて転圧され、また、遮水シートの敷設が行われる。
ステップS113の造成が完了すると、ステップS114では、護岸・護床が行われる。具体的には、水路又は池の取放水路や屈曲部など水流が岸にあたる場所が、洗掘防止のため礫や杭を用いて護岸される。また、ヤナギなど水中に根を張る樹林を植栽することで護岸される。また、敷地の勾配が大きく、水路の傾斜が急になる場合は、堰や落差工を造って水流が制御される。更に、水路の底面が水流により掘れることを防止する為、底面に礫を敷き詰めて護床される。
護岸・護床が完了すると、ステップS115では、水深が調整される。具体的には、環境(水深や流速)に変化をもたせるため、地形に合わせて石や木材又はレンガなどを用いて水をせき止め、水深や流速が調整される。
水深が調整されると、ステップS116では、植栽が行われる。具体的には、造成した水路や池が早く自然状態に近づくよう、又は、水面近くの樹林に沿って飛翔する蛍の飛翔空間の確保、止まり木、光害防止を目的として、現地の植生に合った当該地域産の草木が植生される。
植栽が完了すると、ステップS117では、竣工試験・点検が行われる。具体的には、蛍の飼育設備の形状が設計図通りか確認した上で通水し、流水が安定したら点検が行われる。踏査、目視観察により、「水漏れ」、「水当りの強さ」、「護岸の強度」、「流速」、「床材の移動の有無」が確認される。なお、必要に応じて補修、改善が行われる。以上により、水路・池を新たに造成する工程が終了する。
造成地の環境を整える工程(ステップS12)では、水中環境の調整、陸上環境の調整が行われる。水中環境の調整では、日当たりの向上、水温の上がりすぎの抑制が行われる。日当たりの向上としては、例えば水路内に生い茂った植物の草刈が行われる。また、水温の上がりすぎの抑制では、例えば、南西側に木を植えて日陰を造る、寒冷紗を用いて日射を弱める、低温の地下水を導水するといったことが行われる。
また、陸上環境の調整では、木を植える、コケを移植する、水際を好む植物を移植する
、適当な蛹化場所を作るといった作業が行われる。木を植える作業では、蛍の成虫の休息場所として水辺に低木が植えられる。低木には、ヤナギが例示される。
水路や池の岸際に蛍の成虫が産卵するための基盤となるコケや植物の茎、露出した根が必要である。そこで、コケを移植する作業では、産卵用のコケ等が移植される。コケには、ハイゴケ、シノブゴケ、ノコギリゴケ、ナイゴケ、ツヤゴケ等が例示される。なお、短期間にコケを自生させることは困難である。そこで、他所で採取したものを日陰にある礫の垂直に近い面に貼り付け、定着させることが好ましい。また、礫面とコケの間に水中の柔らかい泥を5mmほど塗ることで、コケの湿度が保持され、コケが枯れるのを抑制することができる。
水際を好む植物を移植する作業では、例えば、タネツケバナ(外来種のオランダガラシ:クレソンの仲間の在来種)など、水際を好むアブラナ科植物を植栽することが好ましい。水際を好む植物は、カワニナの絶好の餌となるうえ、露出した根回りは産卵基盤としての価値も有する。
適当な蛹化場所を作る作業では、極端に踏み固められている場合や完全な粘土質や砂利の場合、置き土(客土や盛土ともいう)がされる。極端に踏み固められている場合には、耕してもよい。極端に踏み固められているかどうか、換言すると土の固さは、山中式土壌硬度計で10mm程度が適していることが確認された。具体的には、硬度5mm、硬度10mm、硬度17mm、硬度25mm、硬度37mm、木屑マット+硬度13mmの6パ
ターンを用意し、潜行した蛍の土繭(抜け殻)の分布を確認した。その結果、硬度5mm(指を容易に差し込むことができる硬さ)の土や木屑マットなど潜りやすい基盤では分布が全域に確認された。一方、硬度17mm(指で強く押すと穴ができる硬さ)以上では、上陸斜路周辺の土が崩れた場所に分布が集中することが確認された。以上より、蛹化場所としての土の硬度は、山中式土壌硬度計で10mm程度とすることが好ましいことが確認された。
(管理編)
管理編は、蛍の生育環境の維持・管理(ステップS21)、経過観察(ステップS22)、改善(ステップS23)からなる。水管理、土砂管理、動物管理、植生管理が行われる。水管理には、水温の管理、溶存酸素の管理、pHの管理、水量の管理などが含まれる。土砂管理には、沈砂池の管理、仮置き場の管理が含まれる。動物管理には、十分な餌の供給を実現する為のカワニナの放流、カワニナの餌の補充、多様でバランスの取れた生態系を実現することを目的とした蛍の捕食生物の駆除が例示される。植生管理には、蛍の生活サイクルの地域差や植生の種類・繁茂状況に応じた除草が例示される。
経過観察(ステップS22)では、定期的なモニタリングが行われる。モニタリングの計画は、蛍の成虫の飛翔や幼虫の成育上だけで判断せず、餌貝や他の生物の生息状況、水質や産卵場など好適環境の維持状況についても逐次状況を把握し検証することが好ましい。その上で、改善(ステップS23)では、維持管理手法や設備自体の改善の必要性を評価し、管理方法に反省させる。
<効果>
以上説明した実施形態に係る蛍の飼育設備によれば、水路4、土手5、及び樹林6を備えることで、より自然に近い形で蛍の生息環境を造り出すことができる。また、水路4を流れる水の流速を3〜30cm/secとし、かつ、水深を30cm以下とすることで、蛍の餌である例えばカワニナの生息環境を提供することができる。その結果、蛍の生育に最も影響が大きい幼虫時期の餌環境を好適にすることができる。
1・・・水源
2・・・バイパス水路
3・・・沈砂池
4・・・水路
5・・・土手
6・・・樹林
100・・・蛍の飼育設備

Claims (16)

  1. 水源からの水が所定流量で流れる、蛍の幼虫が生息する水路を備え、
    前記水路には、流速3〜30cm/secの水が流れ、
    前記水路の水深は、30cm以下である蛍の飼育設備。
  2. 前記水路は、水の流れる方向において、水深が10cm以下の浅い領域と、水深10cmを上回る深い領域とを有する、請求項1に記載の蛍の飼育設備。
  3. 前記水路の水深は、10〜30cmである、請求項1に記載の蛍の飼育設備。
  4. 前記水路近傍に設けられ、前記蛍の蛹が生息する土手を更に備え、
    前記土手の厚さは、10cm以上であり、前記土手の土壌硬度は、5〜10mmである、請求項1から3の何れか1項に記載の蛍の飼育設備。
  5. 前記水路近傍に設けられ、前記蛍の成虫が飛翔する樹林を更に備え、
    前記樹林は、前記水路から3m以内に分布する、請求項1から4の何れか1項に記載の蛍の飼育設備。
  6. 前記水路の上流に沈砂池を更に備える、請求項1から5の何れか1項に記載の蛍の飼育設備。
  7. 前記沈砂池の近傍に設けられ、該沈砂池に溜まった土砂を仮置きする仮置き場を更に備え、
    前記仮置き場は、前記沈砂池側が低くなるように10度以内の傾斜を有する請求項6に記載の蛍の飼育設備。
  8. 前記水路には、pH調整を行うための石灰石が敷設され、
    前記水路内のpHは、6.57〜7.79である請求項1から7の何れか1項に記載の蛍の飼育設備。
  9. 蛍の飼育設備の施工方法であって、
    水源からの水が所定流量で流れる、蛍の幼虫が生息する水路を設計・施工する工程を備え、
    前記水路を設計・施工する工程では、前記水路に流速3〜30cm/secの水が流れ、前記水路の水深が30cm以下になるように、前記水路を設計・施工する、蛍の飼育設備の施工方法。
  10. 前記水路を設計・施工する工程では、前記水路に、水の流れる方向において、水深が10cm以下の浅い領域と、水深10cmを上回る深い領域とを設ける、請求項9に記載の蛍の飼育設備の施工方法。
  11. 前記水路を設計・施工工程では、前記水路の水深が、10〜30cmとなるように、前記水路を設計・施工する請求項9に記載の蛍の飼育設備の施工方法。
  12. 前記水路近傍に設けられ、前記蛍の蛹が生息する土手を設計・施工する工程を更に備え、
    前記土手の設計・施工工程では、前記土手の厚さは、10cm以上であり、前記土手の土壌硬度は、5〜10mmとなるように、前記土手を設計・施工する、請求項9から11の何れか1項に記載の蛍の飼育設備の施工方法。
  13. 前記水路近傍に設けられ、前記蛍の成虫が飛翔する樹林を設計・施工する工程を更に備え、
    前記樹林の設計・施工工程では、前記樹林は、前記水路から3m以内に分布するよう前記樹林の設計・施工する、請求項9から12の何れか1項に記載の蛍の飼育設備の施工方法。
  14. 前記水路の上流に沈砂池を設計・施工する工程を更に備える、請求項9から13の何れか1項に記載の蛍の飼育設備の施工方法。
  15. 前記沈砂池の近傍に設けられ、該沈砂池に溜まった土砂を仮置きする仮置き場を設計・施工する工程を更に備え、
    前記仮置き場の設計・施工工程では、前記仮置き場が、前記沈砂池側が低くなるように10度以内の傾斜を有するように設計・施工する請求項14に記載の蛍の飼育設備の施工方法。
  16. 前記水路を設計・施工工程では、前記水路に、pH調整を行うための中和剤を、前記水路内のpHが、6.57〜7.79となるように混入する請求項9から15の何れか1項に記載の蛍の飼育設備の施工方法。
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