JP2012165596A - 非接触動力伝達遮断装置 - Google Patents

非接触動力伝達遮断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】衝撃や摩耗がなく、しかも、伝達損失がない非接触動力伝達遮断装置を提供する。
【解決手段】入力軸2に取り付けられた入力軸コイル4と、入力軸2と同軸に配置された出力軸3に取り付けられた出力軸コイル5と、入力軸コイル4及び出力軸コイル5のいずれか一方に電流を印加する給電回路6と、入力軸コイル4及び出力軸コイル5の残りの一方から誘導電力を取り出す取出回路7と、入力軸コイル4に磁力線を導くよう入力軸2に取り付けられて出力軸3の外周を覆う外側ヨーク8と、出力軸コイル5に磁力線を導くよう出力軸3に取り付けられて外側ヨーク8に対して内周から臨む内側ヨーク9とを備え、内側ヨーク9は、一部が出力軸3の回転速度の上昇に応じて外側ヨーク8とのギャップが狭まるよう可動に構成された。
【選択図】図1

Description

本発明は、衝撃や摩耗がなく、しかも、伝達損失がない非接触動力伝達遮断装置に関する。
車両やその他の機械において、エンジン(内燃機関)やモータ等の回転力を発生する原動機からその回転力で回転される負荷まで動力を伝達する経路には、動力伝達を入り切りできる動力伝達遮断装置が介在する。特に、エンジンを原動機とする車両では動力伝達遮断装置は必要不可欠であり、重要である。
動力伝達遮断装置には、入力軸に取り付けられたクラッチ板と出力軸に取り付けられたクラッチ板とが機械的に押し付けられることにより回転の動力が伝達される機械式クラッチ、入力側の回転体の回転に連れ回る作動流体の流動が出力側の回転体を回転させる流体継ぎ手などが知られている。
特開2005−143185号公報 特開平11−278076号公報
機械式クラッチは、クラッチ板同士が繋がる際に回転の急激な伝達による衝撃が発生しやすく、この衝撃を緩和するための制御が複雑である。また、機械式クラッチは、クラッチ板同士に滑りがあるためクラッチ板に摩耗が発生し、メンテナンスが煩雑となる。
一方、流体継ぎ手は、回転が伝わり始めるときの衝撃が少なく、部材の摩耗も少ないが、作動流体での内部摩擦により、伝達損失が発生する。伝達損失が発生することは、省エネルギの観点から好ましくない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、衝撃や摩耗がなく、しかも、伝達損失がない非接触動力伝達遮断装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の非接触動力伝達遮断装置は、入力軸に取り付けられた入力軸コイルと、前記入力軸と同軸に配置された出力軸に取り付けられた出力軸コイルと、前記入力軸コイル及び前記出力軸コイルのいずれか一方に電流を印加する給電回路と、前記入力軸コイル及び前記出力軸コイルの残りの一方から誘導電力を取り出す取出回路と、前記入力軸コイルに磁力線を導くよう前記入力軸に取り付けられて前記出力軸の外周を覆う外側ヨークと、前記出力軸コイルに磁力線を導くよう前記出力軸に取り付けられて前記外側ヨークに対して内周から臨む内側ヨークとを備え、前記内側ヨークの少なくとも一部が前記出力軸の回転速度の上昇に応じて前記外側ヨークとのギャップが狭まるよう可動に構成されたものである。
前記入力軸と前記出力軸とをロックアップするロック部材を備えてもよい。
前記入力軸と前記出力軸間の動力伝達を遮断するときは、前記ロック部材をロックアップ解除にし、前記給電回路からの電流印加を停止し、前記出力軸を加速させるために前記入力軸と前記出力軸間で動力を伝達させるときには、前記入力軸と前記出力軸との回転速度差が所定値以上であれば、前記ロック部材をロックアップ解除にし、前記給電回路からの電流印加を行うと共に前記取出回路への電力取出を行い、前記入力軸と前記出力軸との回転速度差が所定値未満であれば、前記ロック部材をロックアップにし、前記給電回路からの電流印加を停止する制御回路を備えてもよい。
前記制御回路は、前記出力軸を減速させるために前記入力軸と前記出力軸間で動力を伝達させるときには、前記出力軸の回転速度が第一所定値以上であれば、前記ロック部材をロックアップにし、前記給電回路からの電流印加を停止し、前記出力軸の回転速度が第一所定値未満で第二所定値(第二所定値<第一所定値)以上であれば、前記ロック部材をロックアップ解除にし、前記給電回路からの電流印加を行うと共に前記取出回路への電力取出を行い、前記出力軸の回転速度が第二所定値未満であれば、前記ロック部材をロックアップにし、前記給電回路からの電流印加を停止してもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)衝撃や摩耗がない。
(2)伝達損失がない。
本発明の一実施形態を示す非接触動力伝達遮断装置の構成図である。 図1の非接触動力伝達遮断装置の給電時に軸方向から見た電磁石と内側ヨークのイメージ図である。 図1の非接触動力伝達遮断装置の給電回路と取出回路のモデル回路図である。 図1の非接触動力伝達遮断装置の車両停止エンジンアイドリング時の制御状態を示す図である。 図1の非接触動力伝達遮断装置の発進加速時の制御状態を示す図である。 図1の非接触動力伝達遮断装置の加速中の制御状態を示す図である。 図1の非接触動力伝達遮断装置の定速走行時の制御状態を示す図である。 図1の非接触動力伝達遮断装置の減速時の制御状態を示す図である。 出力軸の振動の波形図である。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に示した非接触動力伝達遮断装置1は、エンジン(図示せず)を原動機とする車両に適用される。すなわち、エンジンの出力軸が非接触動力伝達遮断装置1の入力軸2に相当し、非接触動力伝達遮断装置1の出力軸3が変速機(図示せず)の入力軸に相当する。
非接触動力伝達遮断装置1は、入力軸2に取り付けられた入力軸コイル4と、入力軸2と同軸に配置された出力軸3に取り付けられた出力軸コイル5と、入力軸コイル4に電流を印加する給電回路6と、出力軸コイル5から誘導電力を取り出す取出回路7と、入力軸コイル4に磁力線を導くよう入力軸2に取り付けられて出力軸3の外周を覆う外側ヨーク8と、出力軸コイル5に磁力線を導くよう出力軸3に取り付けられて外側ヨーク8に対して内周から臨む内側ヨーク9とを備える。
内側ヨーク9は、一部が出力軸3の回転速度の上昇に応じて外側ヨーク8とのギャップが狭まるよう可動に構成される。
非接触動力伝達遮断装置1は、入力軸2と出力軸3をロックアップするロック部材10を備える。
非接触動力伝達遮断装置1は、入力軸2と出力軸3間の動力伝達を遮断するときは、ロック部材10をロックアップ解除にし、給電回路6から入力軸コイル4への電流印加を停止し、出力軸3を加速させるために入力軸2と出力軸3間で動力を伝達させるときには、入力軸2と出力軸3との回転速度差が所定値以上であれば、ロック部材10をロックアップ解除にし、給電回路6から入力軸コイル4への電流印加を行うと共に出力軸コイル5から取出回路7への電力取出を行い、入力軸2と出力軸3との回転速度差が所定値未満であれば、ロック部材10をロックアップにし、給電回路6からの電流印加を停止する制御回路11を備える。
制御回路11は、出力軸3を減速させるために入力軸2と出力軸3間で動力を伝達させるときには、出力軸3の回転速度が第一所定値以上であれば、ロック部材10をロックアップにし、給電回路6から入力軸コイル4への電流印加を停止し、出力軸3の回転速度が第一所定値未満で第二所定値(第二所定値<第一所定値)以上であれば、ロック部材10をロックアップ解除にし、給電回路から入力軸コイル4への電流印加を行うと共に出力軸コイル5から取出回路7への電力取出を行い、出力軸3の回転速度が第二所定値未満であれば、ロック部材10をロックアップにし、給電回路6から入力軸コイル4への電流印加を停止するようになっている。ここで、出力軸3の回転速度が第一所定値以上とは車両が高速で走行していることを意味し、出力軸3の回転速度が第一所定値未満で第二所定値以上とは車両が中速で走行していることを意味し、出力軸3の回転速度が第二所定値未満とは車両が低速で走行していることを意味する。
本実施形態では、入力軸2の端部に出力軸3の端部の外周を覆う外側ヨーク8が設けられ、外側ヨーク8の内周には径方向内方に突き出た複数の突起12が形成される。入力軸コイル4は、これらの突起12に電線が巻かれたものである。一方、出力軸3の端部に内側ヨーク9が設けられる。内側ヨーク9には、外側ヨーク8の突起12に対向して径方向外方に突き出た複数の可動片13が形成される。図中、可動片13は、最も内周に位置し外側ヨーク8の突起12とのギャップが最も広い状態が示され、外側ヨーク8の突起12とのギャップが最も狭まったときは可動片13が破線の位置に来る。出力軸コイル5は、これらの可動片13に電線が巻かれたものである。
入力軸コイル4は、入力軸2に設けられたスリップリング14を介して給電回路6に接続される。出力軸コイル5は、出力軸3に設けられたスリップリング15を介して取出回路7に接続される。
給電回路6は、バッテリ(図示せず)からの直流電流を入力軸コイル4に印加するようになっている。入力軸コイル4は、給電回路6から直流電流が印加されると直流電磁石を形成するものである。
図2に示されるように、本実施形態では、外側ヨーク8の突起12は、周方向に一定のピッチで12個設けられる。各突起12の電線(図示せず)は、給電回路6から直流電流が印加されたとき各突起12の先端に現れる直流電磁石の極性が周方向に交互に逆極性となるよう配線される。このようにして各突起12に電線が巻かれることで入力軸コイル4が形成される。
内側ヨーク9の可動片13は、周方向に一定のピッチで12個設けられる。各可動片13の電線(図示せず)は、各可動片13の電線ごとの誘導電力が重畳して取り出されるよう配線される。このようにして各可動片13に電線が巻かれることで出力軸コイル5が形成される。
この構成により、入力軸2と出力軸3の回転速度が異なるときに、入力軸コイル4が直流電磁石を形成していると、出力軸コイル5に誘導電力が発生することになる。出力軸コイル5から取り出される誘導電力は交流である。
可動片13と内側ヨーク9は、弾性変形部材16を介して連結される。弾性変形部材16は、可動片13が外力によって内側ヨーク9の径方向外方に移動したとき付勢され、外力が解放されると可動片13を径方向内方に引き戻す働きをする。外力とは、具体的には、出力軸3の回転により可動片13に働く遠心力である。すなわち、出力軸3の回転速度が低いときには、可動片13に働く遠心力が小さく、弾性変形部材16の変形が小さいので、可動片13は径方向内方に位置する。出力軸3の回転速度が高くなると、可動片13に働く遠心力が大きくなって弾性変形部材16の変形が大きくなり、可動片13は径方向外方に移動する。なお、可動片13が径方向以外の方向に移動することを規制し径方向に案内する部材、可動片13が径方向外方に所定距離以上移動することを規制する部材などが設けられてもよい。
図1の取出回路7には、誘導電力を直流に整流する整流回路(図示せず)と、直流として取り出された電力をバッテリに充電する充電回路(図示せず)が含まれる。
図3に、給電回路6と取出回路7のモデルを示す。
給電回路6は、バッテリから入力軸コイル4に直流電流を流す回路である。図示しないが、給電を停止するためのスイッチ素子が挿入される。取出回路7は、出力軸コイル5含む発電機Gから取り出し先に電力が取り出されるように構成された回路である。取り出し先としては、整流したものを充電するバッテリ、あるいは電力を消費する何かの負荷などがある。
図1のロック部材10は、従来からある機械式クラッチと同様に、入力軸2に取り付けられたクラッチ板(図示せず)と出力軸3に取り付けられたクラッチ板(図示せず)が機械的に押し付けられることによりロックアップし、回転の動力が伝達されるよう構成される。
制御回路11は、電子制御装置(Electronical Control Unit;以下、ECUという)が実行するソフトウェア及びECU内部のメモリに記憶された数値、マップ、テーブルで実現される。入力軸2及び出力軸3との回転速度は、従来公知の回転速度センサで検出され、ECUに通知されている。エンジンの状態や車両の運転状況は、従来公知の通り、常時ECUによって把握されている。
以下、制御回路11による制御とギャップの変化を制御状態ごとに説明する。
図4に示されるように、車両停止(エンジンアイドリング)時は、制御回路11は、入力軸2と出力軸3間の動力伝達を遮断するべく、ロック部材10をロックアップ解除にし、給電回路6から入力軸コイル4への電流印加を停止させる。入力軸コイル4が直流電磁石とならないため、入力軸2が回転しても出力軸コイル5には磁力線の変化が生じず、誘導電力は発生しない。これにより、入力軸2はアイドリング回転速度で回転するが、出力軸3は停止したままとなる。
出力軸3が回転していないため、可動片13は径方向内方に位置し、ギャップは広い。
図5に示されるように、車両の発進加速時は、入力軸2はアイドリング回転速度からそれより高い回転速度へと制御される。車両が発進する当初は出力軸3は停止している。制御回路11は、入力軸2と出力軸3との回転速度差が所定値以上であるので、ロック部材10をロックアップ解除にしたまま、給電回路6から入力軸コイル4への電流印加を行うと共に出力軸コイル5から取出回路7への電力取出を行う。入力軸コイル4への電流印加により入力軸2の外側ヨーク8の各突起12の先端に磁極を有する直流電磁石が形成される。この直流電磁石が入力軸2と共に回転するので、回転磁界が生じる。この回転磁界により出力軸コイル5に誘導電力が発生する。この誘導電力が取出回路7に取り出されると、入力軸2と出力軸3との間に伝達トルクが発生し、出力軸3が回転磁界に対して連れ回るようになる。
このような動力の伝達と電力の取り出しの原理は、大型車両に採用されている補助ブレーキのひとつである電磁式リターダと似ている。電磁式リターダでは、制動対象となるシャフトに繋がるリターダドラムで渦電流が発生することで制動が生じ、その渦電流によりリターダドラムに熱が生じる。すなわち、制動エネルギが熱として放出される。本発明では、誘導電力が内部抵抗で消費されずに、取出回路7により取り出される。
この間、出力軸3の回転速度は、十分に高くないので、可動片13はあまり径方向外方に移動しておらず、ギャップは広い。
入力軸2と出力軸3との回転速度差が十分に大きいときには、ある程度の大きい電力が取出回路7により取り出される。出力軸3の回転速度が高まって入力軸2と出力軸3との回転速度差が減少するに連れて、取り出される電力の大きさも減少する。また、入力軸2と出力軸3との回転速度差が大きいときは、入力軸2と出力軸3との結合力が大きいが、入力軸2と出力軸3との回転速度差が減少してくると、入力軸2と出力軸3との結合力が弱まる。
しかし、その反面で出力軸3の回転速度が高まるため、可動片13が径方向外方に移動する。すなわち、図6に示されるように、発進加速から定速運転に移行する加速中に、出力軸3の回転速度の上昇に応じてギャップが狭くなる。ギャップが狭くなることで入力軸2と出力軸3との結合力が強まる。よって、入力軸2と出力軸3との回転速度差が減少しても、ある程度の高い伝達トルクが保持され、電力の大きさもある程度に保持される。
入力軸2と出力軸3との回転速度差がさらに減少してくると、ギャップが狭くなっていても、入力軸2と出力軸3との結合力が弱まる。そこで、入力軸2と出力軸3との回転速度差が所定値未満になると制御の切替を行う。判定に用いる所定値は、入力軸2と出力軸3との結合力や取り出される電力を考慮して実験等により設定するのが好ましい。
図7に示されるように、定速運転時は、入力軸2と出力軸3との回転速度差が小さい。制御回路11は、入力軸2と出力軸3との回転速度差が所定値未満であれば、ロック部材10をロックアップにし、給電回路6からの電流印加を停止する。ロック部材10では機械的なロックアップを行うが、入力軸2と出力軸3との回転速度差が小さいときにロックアップを行うので、衝撃や摩耗は生じない。
車両の減速運転時には、車両の速度(出力軸3の回転速度)に応じて3段階で異なる制御が行われる。
車両が高速のとき、すなわち出力軸3の回転速度が第一所定値以上のとき、可動片13が径方向外方に移動しているので、ギャップが狭い。このとき仮にロック部材10をロックアップ解除にすると、出力軸3の振動の振幅が大きくなるので好ましくない。これを避けるために、制御回路11は、ロック部材10をロックアップに維持し、給電回路6からの電流印加を停止のままとする。車両の減速運転時には、入力軸2はアイドリング回転速度に制御されるので、エンジンブレーキの作用によって出力軸3が減速される。
車両が中速になると、すなわち出力軸3の回転速度が第一所定値未満で第二所定値以上になると、可動片13が径方向内方に移動し、ギャップが広くなる。後に詳しく述べる出力軸3のクリアランスが確保されるので、制御回路11は、ロック部材10をロックアップ解除にし、給電回路6から入力軸コイル4への電流印加を行うと共に出力軸コイル5から取出回路7への電力取出を行う。
図8に示されるように、入力軸2はアイドリング回転速度に制御される。一方、出力軸3の回転速度は中速である。入力軸コイル4への電流印加により発進加速時と同様、各突起12の先端に磁極を有する直流電磁石が形成される。発進加速時とは異なり、入力軸2の回転速度がアイドリング回転速度であるのに対し、出力軸3の回転速度がそれより高速であるので、入力軸2と出力軸3との間には出力軸3を制動させる伝達トルクが発生する。このようにして、負荷がエンジンにより制動されるエンジンブレーキの状態となり、出力軸3が減速される。減速運転時においても、発進加速時と同様、入力軸2と出力軸3との回転速度差が十分に大きいときには、ある程度の大きい電力が取出回路7により取り出される。
車両が低速になると、すなわち出力軸3の回転速度が第二所定値未満になると、入力軸2と出力軸3との回転速度差が小さく、しかも、ギャップが広くなる。このため動力の伝達と電力の取り出しが難しくなる。そこで、制御回路11は、ロック部材10をロックアップにし、給電回路6からの電流印加を停止する。
車両停止時、発進加速時、定速走行時、減速時(3段階)について、給電、電力取出、ロックアップの各制御状態を表1にまとめる。
一方、ギャップの変化は次のようになる。
入力軸2の回転速度が高く、出力軸3の回転速度が低いとき、入力軸2と出力軸3の回転速度差が大きいので、発電電力の周波数が高く電力の大きさも大きい。このとき、入力軸2から出力軸3に高い伝達トルクで動力伝達が行われるが、これに伴い、出力軸3の振動の振幅が大きい。すなわち、図9に一点鎖線で示されるように、出力軸3は高い周波数、かつ、大きな振幅で振動する。このように、出力軸3の振動の振幅が大きいため、入力軸2に対する出力軸3のクリアランスを確保するには広いギャップが必要となる。したがって、仮に、ギャップが固定であると、回転速度差が大きいときの出力軸3の振幅から限界が規定される(固定ギャップの限界)。
ギャップが固定のままで、出力軸3の回転速度が高くなると、入力軸2と出力軸3との回転速度差が小さくなり、発電電力の周波数が低くなると同時に電力の大きさが小さくなると共に、入力軸2から出力軸3への伝達トルクも低下する。このとき、図9に破線で示されるように、出力軸3は低い周波数、かつ、非常に小さな振幅で振動する。
これに対し、出力軸3の回転速度が高くなるにつれてギャップが狭くなるようにすると、出力軸3の回転速度が高くなって入力軸2と出力軸3との回転速度差が小さくなるほどギャップが狭くなり、回転速度差が小さいため発電電力の周波数は低くなるが、ギャップが狭いので電力の大きさはある程度の大きさに確保され、伝達トルクもある程度の大きさに確保される。ただし、ギャップが固定の場合より、伝達トルクが増加した分、出力軸3の振動の振幅が増大するので、図9に実線で示されるように、出力軸3は低い周波数、かつ、やや大きな振幅で振動する。このとき入力軸2に対する出力軸3のクリアランスを確保するには、実線で示したやや大きな振幅を考慮すればよい。これには、固定の場合より狭いギャップで十分であり、出力軸3の振幅からギャップを狭くする限界が規定される(可変ギャップの限界)。よって、可動片13の可動幅が決まる。
以上説明したように、本発明の非接触動力伝達遮断装置1によれば、入力軸2に取り付けられた入力軸コイル4と、入力軸2と同軸に配置された出力軸3に取り付けられた出力軸コイル5と、入力軸コイル4に電流を印加する給電回路6と、出力軸コイル5から誘導電力を取り出す取出回路7とを備えたので、入力軸2と出力軸3とに回転速度差がありさえすれば、入力軸コイル4への電流印加を行うと共に出力軸コイル5から取出回路7への電力取出を行うことで、入力軸2と出力軸3間で動力を伝達させることができる。このように、非接触動力伝達遮断装置1は、電磁誘導により入力軸2と出力軸3との間の伝達トルクを得ながら、一部の電力を回収することができる。このとき、非接触動力伝達遮断装置1は、入力軸2と出力軸3とが非接触であるため、衝撃や摩耗がなく、しかも、作動流体が介在しないので伝達損失がない。
本発明の非接触動力伝達遮断装置1によれば、給電回路6から入力軸コイル4への電流印加を停止しておきさえすれば入力軸2と出力軸3間の動力伝達を遮断することができるので、従来の機械式クラッチのようにクラッチ板をクラッチ断の状態にホールドするためのアクチュエータが不要であり、構成が簡素となる。
本発明の非接触動力伝達遮断装置1によれば、入力軸コイル4に磁力線を導くよう入力軸2に取り付けられて出力軸3の外周を覆う外側ヨーク8と、出力軸コイル5に磁力線を導くよう出力軸3に取り付けられて外側ヨーク8に対して内周から臨む内側ヨーク9とを備え、内側ヨーク9は、一部が出力軸3の回転速度の上昇に応じて外側ヨーク8とのギャップが狭まるよう可動に構成される。したがって、車両の発進加速から定速運転に至る過程で、入力軸2と出力軸3の回転速度が近づいたとき、出力軸3の回転速度が高まったことによりギャップが狭くなるので、伝達トルクと電力が維持できる。これにより、出力軸3の振動のクリアランスを確保しつつ、非接触での動力伝達と発電を継続することができる。また、ロック部材10によりロックアップを行う際に、ギャップが固定の場合に比べて入力軸2と出力軸3の回転速度差が極力小さくできるので、衝撃や摩擦を極力小さくすることができる。
本発明の非接触動力伝達遮断装置1によれば、入力軸2と出力軸3をロックアップするロック部材10を備えたので、入力軸2と出力軸3との回転速度差が小さく、入力軸2と出力軸3との結合力が弱いときには、入力軸2と出力軸3とをロックアップして動力伝達を継続することができる。このとき、ロック部材10による結合は、従来の機械式クラッチと同様、機械的結合であるが、入力軸2と出力軸3との回転速度差が小さいときにロックアップするので、衝撃や摩擦がない。また、ロック部材10は、衝撃を緩和するための複雑な構成や制御が必要なく、従来の機械式クラッチより簡素な構成及び制御とすることができる。
本発明の非接触動力伝達遮断装置1によれば、制御回路11は、出力軸3を加速させる際に、入力軸2と出力軸3との回転速度差が所定値以上であれば、ロック部材10をロックアップ解除にし、給電回路6から入力軸コイル4への電流印加を行うと共に出力軸コイル5から取出回路7への電力取出を行い、入力軸2と出力軸3との回転速度差が所定値未満であれば、ロック部材10をロックアップにし、給電回路6からの電流印加を停止するようになっているので、電磁誘導による動力伝達とロックアップによる動力伝達とを、それぞれの利点が活用されるよう切り替えて入力軸2と出力軸3間の動力伝達を図ることができる。
本発明の非接触動力伝達遮断装置1によれば、制御回路11は、出力軸3を減速させる際に、出力軸3の回転速度に応じて異なる動力伝達制御を行うので、出力軸3の回転速度が第一所定値から第二所定値に至る間は電力取出を行うことができる。
本実施形態では、減速運転時にエンジンがアイドリング回転速度に制御されたが、減速運転時にエンジンが停止されてもよい。このようにしても、給電回路6から入力軸コイル4への電流印加を行うと共に出力軸コイル5から取出回路7への電力取出を行うことで、制動が行われる。
本実施形態では、非接触動力伝達遮断装置1は、エンジンを原動機とする車両に適用されたが、モータを原動機とする車両にも適用できる。また、非接触動力伝達遮断装置1は、車両に限らず、あらゆる機械の原動機から負荷まで動力を伝達する経路に設置することができる。
本実施形態では、入力軸コイル4において、巻線が巻かれる突起12が12箇所に配置されて電磁石のN極とS極が6個ずつ交互に並ぶように構成されたが、入力軸コイル4の個数はいくつでもよい。
本実施形態では、出力軸コイル5において、巻線が巻かれる可動片13が入力軸コイル4の突起12と同じく12箇所に配置されたが、出力軸コイル5の可動片13の個数はいくつでもよく、入力軸コイル4の突起12と同じ個数でなくともよい。
本実施形態では、給電回路6から入力軸コイル4へ電流が印加され、出力軸コイル5から取出回路7へ電力が取り出されるよう構成されたが、給電回路6から出力軸コイル5へ電流が印加され、入力軸コイル4から取出回路7へ電力が取り出されるよう構成されても本発明の効果が得られる。
1 非接触動力伝達遮断装置
2 入力軸
3 出力軸
4 入力軸コイル
5 出力軸コイル
6 給電回路
7 取出回路
8 外側ヨーク
9 内側ヨーク
10 ロック部材
11 制御回路
12 突起
13 可動片

Claims (4)

  1. 入力軸に取り付けられた入力軸コイルと、
    前記入力軸と同軸に配置された出力軸に取り付けられた出力軸コイルと、
    前記入力軸コイル及び前記出力軸コイルのいずれか一方に電流を印加する給電回路と、 前記入力軸コイル及び前記出力軸コイルの残りの一方から誘導電力を取り出す取出回路と、
    前記入力軸コイルに磁力線を導くよう前記入力軸に取り付けられて前記出力軸の外周を覆う外側ヨークと、
    前記出力軸コイルに磁力線を導くよう前記出力軸に取り付けられて前記外側ヨークに対して内周から臨む内側ヨークとを備え、
    前記内側ヨークの少なくとも一部が前記出力軸の回転速度の上昇に応じて前記外側ヨークとのギャップが狭まるよう可動に構成されたことを特徴とする非接触動力伝達遮断装置。
  2. 前記入力軸と前記出力軸とをロックアップするロック部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の非接触動力伝達遮断装置。
  3. 前記入力軸と前記出力軸間の動力伝達を遮断するときは、前記ロック部材をロックアップ解除にし、前記給電回路からの電流印加を停止し、
    前記出力軸を加速させるために前記入力軸と前記出力軸間で動力を伝達させるときには、
    前記入力軸と前記出力軸との回転速度差が所定値以上であれば、前記ロック部材をロックアップ解除にし、前記給電回路からの電流印加を行うと共に前記取出回路への電力取出を行い、
    前記入力軸と前記出力軸との回転速度差が所定値未満であれば、前記ロック部材をロックアップにし、前記給電回路からの電流印加を停止する制御回路を備えたことを特徴とする請求項2記載の非接触動力伝達遮断装置。
  4. 前記制御回路は、前記出力軸を減速させるために前記入力軸と前記出力軸間で動力を伝達させるときには、
    前記出力軸の回転速度が第一所定値以上であれば、前記ロック部材をロックアップにし、前記給電回路からの電流印加を停止し、
    前記出力軸の回転速度が第一所定値未満で第二所定値(第二所定値<第一所定値)以上であれば、前記ロック部材をロックアップ解除にし、前記給電回路からの電流印加を行うと共に前記取出回路への電力取出を行い、
    前記出力軸の回転速度が第二所定値未満であれば、前記ロック部材をロックアップにし、前記給電回路からの電流印加を停止することを特徴とする請求項3記載の非接触動力伝達遮断装置。
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