JP2012164589A - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】滑石押圧工程において、絶縁碍子や主体金具の径方向に沿った移動を抑制し、絶縁碍子の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれ等を効果的に抑制する。
【解決手段】スパークプラグ1は、絶縁碍子2と、鍔部16を有する主体金具3と、絶縁碍子2及び主体金具3間に充填された滑石25とを備える。スパークプラグ1の製造方法は、滑石押圧工程を含み、滑石押圧工程では、受台31と、絶縁体ガイド35と、金具ガイド33と、滑石プレス治具42と、プレス治具ガイド43とを備えた滑石プレス装置51が用いられる。前記滑石押圧工程では、金具ガイド33により鍔部16の先端面を受台31から浮かせた状態で、滑石プレス治具42を主体金具3側へと移動させ、プレス治具ガイド43の先端部と主体金具3の後端部との接触、鍔部16の先端面と受台31との接触、及び、滑石プレス治具42による滑石25の押圧をこの順序で行う。
【選択図】 図8

Description

本発明は、内燃機関等に使用されるスパークプラグの製造方法に関する。
スパークプラグは、例えば、内燃機関(エンジン)に取付けられ、燃焼室内の混合気への着火のために用いられる。一般的にスパークプラグは、軸線方向に延びる筒状の絶縁体と、絶縁体の内部に挿通される中心電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具と、主体金具の先端部に設けられ、中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極とを備える。また、主体金具と絶縁体とは、主体金具に絶縁体を挿入した上で、主体金具の後端側開口部を径方向内側に向けて屈曲させることで固定される。
さらに、主体金具と絶縁体との間における気密性を向上させるべく、主体金具と絶縁体との間に滑石を設ける技術が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
特開2006−92955号公報
ところで、滑石を設けるにあたっては、気密性をより確実に向上させるべく、滑石を押圧し、滑石の充填密度を高めることが好ましい。ここで、滑石の押圧手法としては、絶縁体が挿通された主体金具を筒状の受台に挿通した上で、主体金具と絶縁体との間に滑石を配置し、次いで、絶縁体の軸線を筒状の滑石プレス治具の中心軸に一致させた上で、前記滑石プレス治具を軸線方向に沿って下方へと移動させ、滑石プレス治具の先端部により滑石を押圧する手法が考えられる。
しかしながら、絶縁体の軸線と滑石プレス治具の中心軸とに微小ながらも軸ずれが生じていたり、絶縁体自身に僅かな曲がりが生じていたり、周方向に沿って滑石の充填密度に差が生じていたりする等の要因により、滑石の押圧時に、主体金具や絶縁体が径方向に移動してしまうおそれがある。この場合には、絶縁体の軸線が主体金具の中心軸に対してずれてしまったり、傾いてしまったりするため、絶縁体に過度の応力が加わって絶縁体の破損(割れ等)が生じてしまうおそれがある。また、絶縁体の軸ずれ等に伴いこれに保持される中心電極にも軸ずれ等が生じてしまい、中心電極と主体金具との間で横飛火等の異常な火花放電が生じやすくなってしまうおそれがある。特に、小径化の要求に応えるべく、中心電極と主体金具との間の径方向に沿った距離が比較的小さく設定されたスパークプラグにおいては、軸ずれや傾きが軽微なものであっても、異常な火花放電の発生が懸念される。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、滑石押圧工程において、絶縁体や主体金具の径方向に沿った移動を抑制することができ、ひいては絶縁体の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれ等を効果的に抑制することができるスパークプラグの製造方法を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグの製造方法は、軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられ、外周に径方向外側に膨出する鍔部を有する筒状の主体金具と、
前記絶縁体と前記主体金具との間に充填された滑石とを備えたスパークプラグの製造方法であって、
前記主体金具が挿通される筒状の受台と、
前記絶縁体の先端部を保持することで、前記受台に対する前記絶縁体の先端部の径方向に沿った相対移動を規制する絶縁体ガイドと、
前記絶縁体ガイドの外周に設けられるとともに、第1の弾性部材により前記軸線方向後端側に向けて付勢され、前記主体金具の先端部を保持する筒状の金具ガイドと、
前記軸線方向に沿って移動可能な筒状の滑石プレス治具と、
自身の先端部に対して前記滑石プレス治具の先端部が前記軸線方向先端側に相対移動可能な筒状のプレス治具ガイドとを備えた滑石プレス装置を用いて、
前記絶縁体が挿通された前記主体金具を前記受台に挿通した上で、前記滑石プレス治具を移動させることにより前記滑石を押圧する滑石押圧工程を含み、
前記滑石押圧工程では、
前記金具ガイドにより前記鍔部の先端面を前記受台から浮かせた状態で、前記滑石プレス治具を前記主体金具側へと移動させ、
前記プレス治具ガイドの先端部と前記主体金具の後端部との接触、前記鍔部の先端面と前記受台との接触、及び、前記滑石プレス治具による前記滑石の押圧をこの順序で行うことを特徴とする。
上記構成1によれば、絶縁体ガイドにより絶縁体の先端部が保持されるとともに、金具ガイドにより主体金具の先端部が保持される。従って、絶縁体の先端部や主体金具の先端部における径方向に沿った移動を抑制することができ、絶縁体の先端部と主体金具の先端部との軸ずれ(偏心)をより確実に抑制することができる。
また、主体金具が受台に挿通されたとき、鍔部の先端面が受台に接触することなく、受台から浮いた状態となるように構成されている。従って、金具ガイドや絶縁体ガイドに対してより確実に主体金具の先端部や絶縁体の先端部を接触させることができる。その結果、上述した先端部における軸ずれの抑制効果をより確実に発揮させることができる。
一方で、鍔部の先端面が受台から浮いた状態のままで滑石を押圧すると、主体金具の後端側が径方向に移動してしまい、絶縁体の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれや傾きが生じてしまうおそれがある。この点、上記構成1によれば、滑石を押圧する前の段階で、鍔部の先端面と受台とを接触させるように構成されている。従って、滑石を押圧する際に、径方向に沿った主体金具の移動を抑制することができ、絶縁体の先端部と主体金具の先端部との軸ずれを抑制できることと相俟って、絶縁体の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれや傾きを効果的に抑制することができる。その結果、絶縁体の破損防止や異常放電の発生抑制を図ることができる。
構成2.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1において、前記プレス治具ガイドは、自身の先端部が前記滑石プレス治具の先端部よりも前記軸線方向後端側に位置する状態で、第2の弾性部材を介して前記滑石プレス治具に対して取付けられており、前記第2の弾性部材が圧縮されることで、自身の先端部に対して前記滑石プレス治具の先端部が前記軸線方向先端側に相対移動可能となっており、
前記滑石プレス治具により前記滑石を押圧しているときにおいて、前記第2の弾性部材の反力が、前記第1の弾性部材の反力よりも大きいことを特徴とする。
上記構成2によれば、滑石プレス治具により滑石を押圧しているとき(すなわち、滑石押圧工程において、第1の弾性部材及び第2の弾性部材が最も圧縮されたとき)に、第2の弾性部材の反力が、第1の弾性部材の反力よりも大きくなるように構成されている。従って、プレス治具ガイドの先端部が主体金具の後端部に接触した状態から滑石プレス治具を主体金具側へとさらに移動させたときに、滑石プレス治具の先端部が滑石を押圧する前に、鍔部の先端面を受台に対してより確実に接触させることができる。すなわち、上記構成2によれば、複雑な制御や装置を用いることなく、上記構成1をより容易に、かつ、より確実に実現することができる。
尚、弾性部材の反力は、バネ定数や、滑石を押圧している際の弾性部材の圧縮量を調節することで変更することができる。
構成3.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成2において、前記絶縁体ガイドは、第3の弾性部材により前記軸線方向後端側に向けて付勢されるとともに、
前記金具ガイドに挿通される筒状部と、
前記筒状部の前記軸線方向後端側に形成され、前記金具ガイドの内径よりも外径が大きい鍔状の突出部とを備え、
前記滑石プレス治具により前記滑石を押圧しているときに、前記第2の弾性部材の反力が、前記第1の弾性部材の反力、及び、前記第3の弾性部材の反力の合計よりも大きいことを特徴とする。
上記構成3によれば、絶縁体ガイド(筒状部)の後端部に、金具ガイドの内径よりも外径の大きい鍔状の突出部が設けられている。従って、金具ガイドに対する絶縁体ガイドの上限位置が設定されることとなり、金具ガイドに対して絶縁体ガイドが過度に突出してしまうという事態をより確実に防止できる。その結果、金具ガイド及び絶縁体ガイドによって、主体金具の先端部及び絶縁体の先端部をより安定した状態で保持することができる。
尚、絶縁体ガイドに突出部を形成することで、絶縁体ガイドに付勢する第3の弾性部材の弾性力は金具ガイドにも加わることとなり、プレス治具ガイドが主体金具に接触した状態から滑石プレス治具を主体金具側へとさらに移動させたときに、主体金具に対して、第1の弾性部材の反力と第3の弾性部材の反力との合計が加わる場合がある。この点を考慮して、上記構成3によれば、滑石プレス治具により滑石を押圧しているときにおいて、第2の弾性部材の反力が、第1の弾性部材の反力、及び、第3の弾性部材の反力の合計よりも大きくなるように構成されている。従って、滑石を押圧する前に、鍔部の先端面を受台に対してより一層確実に接触させることができ、上記構成1をより一層確実に実現することができる。
構成4.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成3において、前記滑石プレス治具により前記滑石を押圧しているときに、前記第1の弾性部材の反力が、前記第3の弾性部材の反力よりも大きいことを特徴とする。
上記構成4によれば、滑石を押圧しているときに、第1の弾性部材の反力が、第3の弾性部材の反力よりも大きくなるように構成されている。そのため、滑石の押圧時において、絶縁体ガイドが軸線方向後端側へと移動して突出部が金具ガイドから離間したときに、突出部による支えを失う形で金具ガイドが軸線方向後端側へと移動してしまうという事態をより確実に防止することができる。従って、金具ガイドによって主体金具の先端部をより安定した状態で保持することができ、主体金具の先端部の径方向に沿った移動を一層確実に抑制することができる。
構成5.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記絶縁体ガイドは、筒状をなすとともに、上端部内周に下方側に向けて内径が縮径するテーパ部を備え、
前記絶縁体ガイドの中心軸を含む断面において、前記中心軸に直交する直線と前記テーパ部の外形線とのなす角のうち鋭角の角度が45°以上80°以下とされることを特徴とする。
上記構成5によれば、滑石の押圧や絶縁体の自重により絶縁体ガイドに加えられる軸線方向後端側への力を、絶縁体の先端部の径方向に沿った移動を抑制する力へと効率よく変換することができる。その結果、絶縁体の先端部の径方向に沿った移動を一層確実に抑制することができ、絶縁体の軸線と主体金具の中心軸とを一層精度よく合わせることができる。
構成6.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1乃至5のいずれかにおいて、前記スパークプラグにおいては、前記主体金具の先端部に棒状の接地電極が溶接されており、
前記金具ガイドは、
前記接地電極を挿通可能な電極挿通部と、
前記主体金具に対する前記接地電極の溶接により生じた溶接ダレとの接触を回避するための凹部とを備えることを特徴とする。
上記構成6によれば、金具ガイドは電極挿通部を備えているため、主体金具に接地電極が溶接した後に滑石押圧工程を行う場合であっても、金具ガイドにより主体金具の先端部を安定した状態で保持することができる。
また、上記構成6によれば、金具ガイドに凹部が形成されており、接地電極の溶接に伴い生じた溶接ダレが金具ガイドに接触しないように構成されている。従って、溶接ダレの存在により主体金具が傾いた状態で保持されてしまうという事態をより確実に防止することができる。その結果、絶縁体の軸線と主体金具の中心軸とをより一層精度よく合わせることができる。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 受台や絶縁体ガイド等の構成を示す一部破断正面図である。 金具ガイドの構成を示す斜視図である。 絶縁体ガイドの構成を示す拡大断面図である。 滑石押圧工程における一工程を説明するための一部破断正面図である。 滑石押圧工程における一工程を説明するための一部破断正面図である。 滑石押圧工程における一工程を説明するための一部破断正面図である。 滑石押圧工程における一工程を説明するための一部破断正面図である。 滑石押圧工程における一工程を説明するための一部破断正面図である。 ケース1〜3における、ずれ量と破損割合とを示すグラフである。 角度αを種々変更したサンプルにおける、ずれ量を示すグラフである。 ケース4,5における、ずれ量を示すグラフである。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って延びる軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bとを備えている。また、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端部分が絶縁碍子2の先端から突出している。
加えて、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を内燃機関や燃料電池改質器等の燃焼装置に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側には鍔部16が外周側に向けて膨出形成されており、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられている。また、主体金具3の後端部には、径方向内側に向けて屈曲する加締め部20が設けられている。尚、本実施形態においては、スパークプラグ1の小径化を図るべく、主体金具3が小径化されている。そのため、ねじ部15のねじ径は比較的小径(例えば、M12以下)とされており、その結果、主体金具3の先端内周面と絶縁碍子2の先端部との間の軸線CL1と直交する方向に沿った距離Lが比較的小さなもの(例えば、1.0mm以下)とされている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって主体金具3に固定されている。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間には滑石(タルク)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及び滑石25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、略中間部分が曲げ返されて、その先端側側面が中心電極5の先端部と対向する接地電極27が接合されている。中心電極5の先端部と接地電極27の先端部との間には、火花放電間隙28が形成されており、当該火花放電間隙28において、軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。
まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えば、鉄系素材やステンレス素材)に冷間鍛造加工等を施すことで概形を形成するとともに、貫通孔を形成する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金からなる直棒状の接地電極27が抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる溶接ダレが生じるため、その溶接ダレのうち少なくとも主体金具中間体の内周面から突出する部位を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。これにより、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。尚、接地電極27の溶接に伴い生じた溶接ダレは、主体金具3の先端面から軸線CL1方向先端側へと突出する形で若干ながらも残存している。
次いで、接地電極27の溶接された主体金具3に、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用いて、成形用素地造粒物を調製するとともに、当該成形用素地造粒物を用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。そして、得られた成形体に対し、研削加工が施され整形されるとともに、整形されたものが焼成炉で焼成されることにより、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金等を配置したNi合金に鍛造加工を施すことで中心電極5を作製する。
次に、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9は、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されたものが、抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6で押圧しつつ、焼成炉内にて加熱されることで焼成される。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
次いで、滑石押圧工程において、それぞれ後述する受台31と、金具ガイド33と、絶縁体ガイド35と、押圧治具41とを備える滑石プレス装置51(図7等参照)により、絶縁碍子2と主体金具3との間に滑石25が充填される。
滑石押圧工程においては、図2に示すように、まず、主体金具3に絶縁碍子2を挿入した上で、金属製で筒状をなす受台31に対して、軸線CL1が鉛直方向にほぼ沿って延びるようにして主体金具3を挿通する。このとき、主体金具3は、自身の中心軸が受台31の中心軸と一致するようにして配置される。
尚、受台31は、搬送台32の孔部に挿通された状態で配置されており、前記搬送台32は、所定の搬送方向に沿って移動可能とされている。さらに、受台31の内周下方側には、それぞれ筒状をなす金具ガイド33と絶縁体ガイド35とが取付けられている。
金具ガイド33は、所定の金属材料により形成されるとともに、自身の下方に設けられた鉛直方向に沿って伸縮可能な第1の弾性部材34により軸線CL1方向後端側(上方)へと付勢された状態となっている。また、金具ガイド33の上面33Aのうち少なくとも内周側は、外周側に向けて徐々に低くなるテーパ状となっており、受台31に主体金具3が挿通された際には、前記上面33Aのテーパ状部分に対して主体金具3の先端部内周が接触する。主体金具3の先端部が、上方に向けて付勢された金具ガイド33の上面33A(テーパ状部分)に接触することで、受台31に対する主体金具3の先端部の径方向に沿った相対移動が規制される。
加えて、図3に示すように、金具ガイド33には、接地電極27を挿通可能な空間である電極挿通部33Sが設けられており、金具ガイド33により主体金具3を保持する際には、前記電極挿通部33Sに接地電極27が収容される。さらに、電極挿通部33Sと前記上面33Aとの間には、切り欠き状の凹部33Hが設けられている。そして、金具ガイド33により主体金具3を保持する際には、凹部33Hにより、接地電極27の溶接により生じた溶接ダレと金具ガイド33との接触が回避されるようになっている。
図2に戻り、絶縁体ガイド35は、自身の中心軸と金具ガイド33の中心軸とが一致した状態で金具ガイド33の内周側に配置されるとともに、所定の樹脂材料により形成されている。また、絶縁体ガイド35の下方には、鉛直方向に沿って伸縮可能な第3の弾性部材36が設けられており、当該第3の弾性部材36により絶縁体ガイド35は軸線CL1方向後端側(上方)へと付勢された状態となっている。さらに、絶縁体ガイド35の上端部内周には、下方側に向けて内径が徐々に縮径するテーパ部35Aが形成されており、受台31に主体金具3が挿通された際には、前記テーパ部35Aに対して絶縁碍子2の先端部外周が接触する。絶縁碍子2の先端部が、上方に向けて付勢された絶縁体ガイド35のテーパ部35Aに接触することで、受台31に対する絶縁碍子2の先端部の径方向に沿った相対移動が規制される。
尚、本実施形態では、図4に示すように、絶縁体ガイド35の中心軸を含む断面において、前記中心軸に直交する直線L1とテーパ部35Aの外形線とのなす角度のうち鋭角の角度αが45°以上80°以下とされている。
図2に戻り、絶縁体ガイド35は、金具ガイド33に挿通される円筒状の筒状部35Cと、筒状部35Cの先端側に形成された鍔状の突出部35Pとを備えている。突出部35Pは、金具ガイド33から露出するとともに、金具ガイド33の内径よりも外径の大きくなるように構成されている。また、突出部35Pは、金具ガイド33の下端面に接触可能に構成されており、突出部35Pにより、金具ガイド33に対する絶縁体ガイド35の上限位置が設定されている。一方で、金具ガイド33に対する絶縁体ガイド35の下限位置はある程度調節可能となるため、主体金具3の先端に対する絶縁碍子2の先端の突出量が異なるスパークプラグ1を製造する場合であっても、金具ガイド33及び絶縁体ガイド35を共通に利用可能となっている。尚、金具ガイド33の外周面は、受台31に対してほぼ隙間なく接触しており、金具ガイド33及び絶縁体ガイド35は、受台31に対して自身の径方向に沿って相対移動不能となっている。
製造方法の説明に戻り、主体金具3を受台31に挿通した際には、金具ガイド33により、鍔部16の先端面が受台31から浮いた状態となっている。この状態において、図5に示すように、絶縁碍子2(後端側胴部10及び大径部11)と主体金具3との間に形成された環状の空間40に、リング部材23、及び、滑石25をこの順序で配置する。
次いで、搬送台32を移動させることにより、図6に示すように、押圧装置41の下方へと主体金具3を搬送し、押圧装置41の中心軸CL2と受台31の中心軸(軸線CL1と一致する)とがほぼ一致した状態で搬送台32を停止させる。
尚、押圧装置41は、筒状の滑石プレス治具42と、滑石プレス治具42の外周に配置された筒状のプレス治具ガイド43とを備えている。
滑石プレス治具42は、軸線CL1方向に沿って移動することで、自身の先端部にて滑石25を押圧するものであり、その先端部は、プレス治具ガイド43の内部に配置されている。
プレス治具ガイド43は、第2の弾性部材44を介して滑石プレス治具42に取付けられている。そして、滑石25を押圧する際には、第2の弾性部材44が圧縮されることで、滑石プレス治具42の先端部がプレス治具ガイド43の先端部に対して軸線CL1方向先端側に相対移動するように構成されている。また、プレス治具ガイド43の先端部内周には、下方側に向けて内径が拡径する拡径部43Aが設けられている。そして、滑石プレス治具42により滑石25を押圧する際には、拡径部43Aが主体金具3の工具係合部19に対して接触するようになっている。
さらに、滑石プレス治具42の先端とプレス治具ガイド43の先端との間の軸線CL1に沿った距離Xが十分に大きなものとされている。これにより、拡径部43Aが主体金具3に接触したときに(図7参照)、滑石プレス治具42の先端と滑石25との間の軸線CL1に沿った距離が、鍔部16の先端面と受台31との間の軸線CL1に沿った距離よりも大きくなるように構成されている。
また、前記距離Xを上述のように設定するとともに、各弾性部材34,36,44のばね定数を調節することで、滑石プレス治具42により滑石25を押圧しているときの前記各弾性部材34,36,44の反力が、次の関係を満たすように設定されている。すなわち、滑石25を押圧しているときに、第2の弾性部材44の反力が、第1の弾性部材34の反力よりも大きくなり、第1の弾性部材34の反力が、第3の弾性部材36の反力よりも大きくなるように設定されている。また、滑石25を押圧しているときにおいて、第2の弾性部材44の反力が、第1の弾性部材34の反力、及び、第3の弾性部材36の反力の合計よりも大きくなるように設定されている。
滑石プレス治具42により滑石25を押圧するにあたっては、滑石プレス治具42を軸線CL1方向に沿って主体金具3側へと移動させる。これにより、図7に示すように、滑石プレス治具42とともにプレス治具ガイド43が下方へと移動し、プレス支持ガイド43の拡径部43Aが工具係合部19に接触する。さらに、滑石プレス治具42を下方側へと移動させ続けると、各弾性部材34,36,44が圧縮され、図8に示すように、鍔部16の先端面が受台31に対して接触する。そして、滑石プレス治具42をさらに下方へと移動させることで第2の弾性部材44が一層圧縮され、図9に示すように、滑石プレス治具42の先端部によって滑石25が押圧される。
滑石押圧工程の後、滑石25の軸線CL1方向後端側に位置する部位が削られた上で、滑石25上にリング部材24が配置される。次いで、絶縁碍子2と主体金具3とが固定される。より詳しくは、主体金具3の後端側の開口部に対して軸線CL1方向先端側に向けた荷重を加えて、当該開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって絶縁碍子2と主体金具3とが固定される。
そして最後に、接地電極27を中心電極5側に屈曲させるとともに、中心電極5及び接地電極27間の火花放電間隙28の大きさを調節することで、上述したスパークプラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、滑石押圧工程において、絶縁体ガイド35により絶縁碍子2の先端部が保持されるとともに、金具ガイド33により主体金具3の先端部が保持されている。従って、絶縁碍子2の先端部や主体金具3の先端部における径方向に沿った移動を抑制することができ、絶縁碍子2の先端部と主体金具3の先端部との軸ずれ(偏心)をより確実に抑制することができる。
また、主体金具3が受台31に挿通されたとき、鍔部16の先端面が受台31に接触することなく、受台31から浮いた状態となるように構成されており、金具ガイド33や絶縁体ガイド35に対してより確実に主体金具3や絶縁碍子2を接触させることができる。そのため、上述した先端部における軸ずれの抑制効果をより確実に発揮させることができる。
さらに、本実施形態においては、滑石25を押圧する前の段階で、鍔部16の先端面と受台31とを接触させるように構成されている。従って、滑石25を押圧する際に、径方向に沿った主体金具3の移動を抑制することができ、絶縁碍子2の先端部と主体金具3の先端部との軸ずれを抑制できることと相俟って、絶縁碍子2の軸線CL1と主体金具3の中心軸との軸ずれや傾きを効果的に抑制することができる。その結果、絶縁碍子2の破損防止や異常放電の発生抑制を図ることができる。
加えて、絶縁体ガイド35に設けられた突出部35Pにより、金具ガイド33に対する絶縁体ガイド35の上限位置が設定されることとなり、金具ガイド33に対して絶縁体ガイド35が過度に突出してしまうという事態をより確実に防止できる。その結果、金具ガイド33及び絶縁体ガイド35によって、主体金具3及び絶縁碍子2をより安定した状態で保持することができる。
併せて、滑石25を押圧しているときにおいて、第2の弾性部材44の反力が、第1の弾性部材34の反力、及び、第3の弾性部材36の反力の合計よりも大きくなるように構成されている。従って、滑石25の押圧時において、鍔部16の先端面と受台31とを接触させた後に、滑石プレス治具42により滑石25を押圧するという工程順をより確実に実現することができる。
また、本実施形態においては、滑石25を押圧しているときにおいて、第1の弾性部材34の反力が、第3の弾性部材36の反力よりも大きくなるように構成されている。そのため、滑石25の押圧時に、突出部35Pによる支えを失う形で金具ガイド33が下方へと移動してしまい、金具ガイド33による主体金具3の保持力が低下してしまうという事態をより確実に防止できる。その結果、金具ガイド33によって主体金具3の先端部をより安定した状態で保持することができ、主体金具3の先端部の径方向に沿った移動をより確実に抑制することができる。
さらに、テーパ部35Aの角度αが45°以上80°以下とされているため、滑石25の押圧や絶縁碍子2の自重により絶縁体ガイド35に加えられる下方側への力を、絶縁碍子2の先端部の径方向に沿った移動を抑制する力へと効率よく変換することができる。これにより、絶縁碍子2の先端部の径方向に沿った移動を一層確実に抑制でき、絶縁碍子2の軸線CL1と主体金具3の中心軸との軸ずれや傾きを一層効果的に抑制できる。
加えて、金具ガイド33には凹部33Hが形成されており、溶接ダレが金具ガイド33に接触しないように構成されている。従って、溶接ダレの存在により主体金具3が傾いた状態で保持されてしまうという事態をより確実に防止でき、絶縁碍子2の軸線CL1と主体金具3の中心軸とを一層精度よく合わせることができる。
次いで、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、滑石押圧工程において、プレス治具ガイドの先端部と工具係合部との接触(A)、鍔部の先端面と受台との接触(B)、及び、滑石プレス治具による滑石の押圧(C)を、(A)、(B)、(C)の順序で行ったとき(ケース1;本発明に相当する)と、(A)、(C)、(B)の順序で行ったとき(ケース2;比較例に相当する)と、(C)、(A)、(B)の順序で行ったとき(ケース3;比較例に相当する)とで、得られたスパークプラグを軸線方向先端側から見たときにおける絶縁碍子の軸線と主体金具の中心軸とのずれ量を測定した。
加えて、滑石押圧工程を上述した各ケースごとに100回ずつ行った。そして、得られたスパークプラグを観察し、滑石の押圧に伴う絶縁碍子における破損の有無を確認するとともに、破損の発生割合(破損割合)を算出した。
尚、両試験ともに、滑石の押圧は、金具ガイドや絶縁体ガイドにより主体金具の先端部や絶縁碍子の先端部の径方向に沿った相対移動を規制した上で行った。また、絶縁体ガイドのテーパ部の角度αを60°とするとともに、金具ガイドに凹部を設け、溶接ダレが金具ガイドに接触しないようにした。
図10に、各ケースにおける、ずれ量と破損割合とをそれぞれ示す。尚、図10においては、ずれ量を丸印で示し、破算割合を四角で示す。
図10に示すように、プレス治具ガイドの先端部と主体金具との接触(A)、鍔部の先端面と受台との接触(B)、滑石プレス治具による滑石の押圧(C)の順序で滑石押圧工程を行ったとき(ケース1)には、ずれ量を十分に小さくできることが明らかとなった。これは、滑石を押圧する際に、受台に対して鍔部の先端面が既に接触していたため、滑石の押圧に伴う主体金具の径方向に沿った移動が効果的に抑制されたことに起因すると考えられる。
また、前記ケース1では、滑石の押圧による絶縁碍子の破損をより確実に防止できることが確認された。これは、絶縁碍子と主体金具との軸ずれ等が抑制されたことで、絶縁碍子に過度の応力が加わってしまうことを防止できたためであると考えられる。
以上の試験結果より、絶縁碍子の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれや傾きを抑制するためには、滑石押圧工程において、プレス治具ガイドの先端部と主体金具との接触、鍔部の先端面と受台との接触、及び、滑石プレス治具による滑石の押圧をこの順序で行うことが好ましいといえる。
次に、テーパ部の角度αを種々変更した絶縁体ガイドを用いた上で、滑石押圧工程において、プレス治具ガイドの先端部と主体金具との接触、鍔部の先端面と受台との接触、及び、滑石プレス治具による滑石の押圧をこの順序で行った。そして、得られたスパークプラグを軸線方向先端側から見たときにおける絶縁碍子の軸線と主体金具の中心軸とのずれ量を測定した。図11に、角度αとずれ量との関係を表すグラフを示す。尚、滑石の押圧は、金具ガイド等により主体金具等の先端部の径方向に沿った相対移動を規制した上で行うとともに、金具ガイドに凹部を設け、溶接ダレが金具ガイドに接触しないようにした。
図11に示すように、角度αを45°以上80°以下とした絶縁体ガイドを用いた場合には、ずれ量をより確実に小さくできることが分かった。これは、角度αを上述の数値範囲としたことで、滑石の押圧や絶縁碍子の自重により絶縁体ガイドに加えられた軸線方向先端側への力が、絶縁碍子の先端部の径方向に沿った移動を抑制する力へと効率よく変換されたためであると考えられる。
上記試験の結果より、絶縁碍子の軸線と主体金具の中心軸とをより精度よく合わせるためには、テーパ部の角度αを45°以上80°以下とすることが好ましいといえる。
次いで、金具ガイドに凹部を設け、溶接ダレが金具ガイドに接触しないようにした上で滑石を押圧した場合(ケース4)と、金具ガイドに凹部を設けることなく、溶接ダレが金具ガイドに接触可能な状態で滑石を押圧した場合(ケース5)とで、得られたスパークプラグにおける絶縁碍子の軸線と主体金具の中心軸とのずれ量をそれぞれ測定した。図12に、両ケースにおけるずれ量をそれぞれ示す。尚、滑石の押圧は、絶縁体ガイドにより絶縁碍子の先端部を保持した上で行い、絶縁体ガイドのテーパ部の角度αを60°とした。
図12に示すように、金具ガイドに凹部を設けることで、ずれ量を一層確実に小さくできることが明らかとなった。これは、溶接ダレの存在により主体金具が傾いてしまうという事態が防止され、主体金具をより安定した状態で保持できたためであると考えられる。
上記試験の結果より、絶縁碍子の軸線と主体金具の中心軸とを一層精度よく合わせるという観点から、金具ガイドに凹部を設け、金具ガイドに対する溶接ダレの接触を回避することが好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態におけるスパークプラグ1は、主体金具3が比較的小径化され、前記距離Lが比較的小さなものとされているが、本発明を用いて製造可能なスパークプラグは、特に限定されるものではない。従って、例えば、主体金具3のねじ径がM12を超え、前記距離Lが比較的大きなスパークプラグを製造する際に、本発明を採用することとしてもよい。
(b)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(c)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1…スパークプラグ
2…絶縁碍子(絶縁体)
3…主体金具
4…軸孔
5…中心電極
16…鍔部
25…滑石
27…接地電極
31…受台
33…金具ガイド
33H…凹部
33S…電極挿通部
34…第1の弾性部材
35…絶縁体ガイド
35A…テーパ部
35C…筒状部
35P…突出部
36…第3の弾性部材
42…滑石プレス治具
43…プレス治具ガイド
44…第2の弾性部材
51…滑石プレス装置
CL1…軸線

Claims (6)

  1. 軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
    前記絶縁体の外周に設けられ、外周に径方向外側に膨出する鍔部を有する筒状の主体金具と、
    前記絶縁体と前記主体金具との間に充填された滑石とを備えたスパークプラグの製造方法であって、
    前記主体金具が挿通される筒状の受台と、
    前記絶縁体の先端部を保持することで、前記受台に対する前記絶縁体の先端部の径方向に沿った相対移動を規制する絶縁体ガイドと、
    前記絶縁体ガイドの外周に設けられるとともに、第1の弾性部材により前記軸線方向後端側に向けて付勢され、前記主体金具の先端部を保持する筒状の金具ガイドと、
    前記軸線方向に沿って移動可能な筒状の滑石プレス治具と、
    自身の先端部に対して前記滑石プレス治具の先端部が前記軸線方向先端側に相対移動可能な筒状のプレス治具ガイドとを備えた滑石プレス装置を用いて、
    前記絶縁体が挿通された前記主体金具を前記受台に挿通した上で、前記滑石プレス治具を移動させることにより前記滑石を押圧する滑石押圧工程を含み、
    前記滑石押圧工程では、
    前記金具ガイドにより前記鍔部の先端面を前記受台から浮かせた状態で、前記滑石プレス治具を前記主体金具側へと移動させ、
    前記プレス治具ガイドの先端部と前記主体金具の後端部との接触、前記鍔部の先端面と前記受台との接触、及び、前記滑石プレス治具による前記滑石の押圧をこの順序で行うことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  2. 前記プレス治具ガイドは、自身の先端部が前記滑石プレス治具の先端部よりも前記軸線方向後端側に位置する状態で、第2の弾性部材を介して前記滑石プレス治具に対して取付けられており、前記第2の弾性部材が圧縮されることで、自身の先端部に対して前記滑石プレス治具の先端部が前記軸線方向先端側に相対移動可能となっており、
    前記滑石プレス治具により前記滑石を押圧しているときにおいて、前記第2の弾性部材の反力が、前記第1の弾性部材の反力よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグの製造方法。
  3. 前記絶縁体ガイドは、第3の弾性部材により前記軸線方向後端側に向けて付勢されるとともに、
    前記金具ガイドに挿通される筒状部と、
    前記筒状部の前記軸線方向後端側に形成され、前記金具ガイドの内径よりも外径が大きい鍔状の突出部とを備え、
    前記滑石プレス治具により前記滑石を押圧しているときに、前記第2の弾性部材の反力が、前記第1の弾性部材の反力、及び、前記第3の弾性部材の反力の合計よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のスパークプラグの製造方法。
  4. 前記滑石プレス治具により前記滑石を押圧しているときに、前記第1の弾性部材の反力が、前記第3の弾性部材の反力よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載のスパークプラグの製造方法。
  5. 前記絶縁体ガイドは、筒状をなすとともに、上端部内周に下方側に向けて内径が縮径するテーパ部を備え、
    前記絶縁体ガイドの中心軸を含む断面において、前記中心軸に直交する直線と前記テーパ部の外形線とのなす角のうち鋭角の角度が45°以上80°以下とされることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
  6. 前記スパークプラグにおいては、前記主体金具の先端部に棒状の接地電極が溶接されており、
    前記金具ガイドは、
    前記接地電極を挿通可能な電極挿通部と、
    前記主体金具に対する前記接地電極の溶接により生じた溶接ダレとの接触を回避するための凹部とを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
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