JP2012163743A - 遮光部材、遮光部材の製造方法、当該遮光部材を有する結像光学素子および画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度な非遮光部を有する遮光部材、その製造方法、ならびに遮光部材を用いる結像光学素子および画像読取装置を提供する。
【解決手段】透明基材11の一方主面11aに感光材料を塗布して塗布膜12を形成する第1工程と、集光光学系LSの光路内に透明基材11を位置決めする第2工程と、集光光学系LSにより集光される光により塗布膜12を露光して感光部12aと非感光部12bとを形成する第3工程と、感光部12aが形成された位置に非遮光部10aを形成するとともに、非感光部12bが形成された位置に光を遮光する遮光部10bを形成する第4工程とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】透明基材11の一方主面11aに感光材料を塗布して塗布膜12を形成する第1工程と、集光光学系LSの光路内に透明基材11を位置決めする第2工程と、集光光学系LSにより集光される光により塗布膜12を露光して感光部12aと非感光部12bとを形成する第3工程と、感光部12aが形成された位置に非遮光部10aを形成するとともに、非感光部12bが形成された位置に光を遮光する遮光部10bを形成する第4工程とを備えている。
【選択図】図1
Description
この発明は、集光光学系の光路内に配置されて当該集光光学系から出力される光を通過させる非遮光部を有する遮光部材および当該遮光部材の製造方法、ならび当該遮光部材を有する結像光学素子および画像読取装置に関するものである。
イメージスキャナー、ファクシミリ、複写機、金融端末装置等では、コンタクトイメージセンサー(Contact Image Sensor)モジュール(以下、「CISモジュール」と略する)が画像読取装置として用いられている。このCISモジュールは、読取対象物に光を照射するとともに、このときの反射光を光学センサーで検出することで、読取対象物の画像を読み取る。また、読取対象物からの反射光を光学センサーに適切に導くために、正立等倍の結像倍率を有する結像光学素子を用いることが一般的である。つまり、この結像光学素子は、読取対象物で反射された光を正立等倍で結像して、読取対象物の正立等倍像を光学センサーに向けて結像するものである。そして、光学センサーは、結像光学素子によって結像された正立等倍像を検出することで、読取対象物の画像を読み取ることができる。
ところで、特許文献1では、CISモジュール内でのレイアウトの自由度向上やCISモジュールの薄型化等を目的として、ルーフプリズムおよび反射平面のそれぞれで光を反射して、光軸の向きを変える(光軸を折り曲げる)結像光学素子が提案されている。この結像光学素子では、読取対象物に対向して配置された物体側レンズと、当該物体側レンズと協働して読取対象物の像を結像面に結ぶ結像側レンズとが設けられている。そして、物体側レンズから結像側レンズへ向かう光路中にルーフプリズムが配置されるとともに、各レンズに対応して絞り板などの遮光部材が配置されている。各遮光部材の略中央部には開口、つまり非遮光部が設けられており、非遮光部を介して光を透光させる一方、迷光を遮光する。さらに、結像側レンズから結像面(光学センサー)に向かう光路中に反射平面が配置されている。したがって、読取対象物で反射されて物体側レンズを透過した光はルーフプリズムレンズで反射されて、その進行方向を変えるとともに、結像側レンズを透過した光は反射平面で反射されて、その進行方向を変える。
このように構成された結像光学素子では、遮光部材に設けられる開口、つまり非遮光部が画像読取の解像度に大きな影響を与える。したがって、解像度の向上を図るためには、非遮光部の精度を高めることが非常に重要である。
この発明にかかるいくつかの態様は、高精度な非遮光部を有する遮光部材、その製造方法、ならびに遮光部材を用いる結像光学素子および画像読取装置を提供することを目的とする。
この発明の第1の態様は、光を集光する集光光学系の光路内に配置されて集光光学系から出力される光を通過させる非遮光部を有する遮光部材の製造方法であって、透明基材の表面に感光材料を塗布して塗布膜を形成する第1工程と、集光光学系の光路内に透明基材を位置決めする第2工程と、集光光学系により集光される光により塗布膜を露光して感光部と非感光部とを形成する第3工程と、感光部が形成された位置に非遮光部を形成するとともに、非感光部が形成された位置に光を遮光する遮光部を形成する第4工程とを備えることを特徴としている。
このように構成された発明(遮光部材の製造方法)では、集光光学系により集光される光により感光材料の塗布膜が露光されて感光部と非感光部とが形成される。そして、感光部の位置に非遮光部が形成されるとともに、非感光部の位置に光を遮光する遮光部が形成される。このように遮光部材では、集光光学系により集光される光を通過させるための非遮光部が、同集光光学系により集光される光を用いて形成される、いわゆるセルフアライメント(自己整合)により形成される。そのため、優れた位置精度で非遮光部を遮光部材に設けることができる。
ここで、感光材料として、例えば非感光状態で粘着性を有する一方、感光されることで粘着性が低下する材料を用いることができる。この場合、露光された塗布膜の表面全体に遮光性材料を供給した後、感光部に供給された遮光性材料を選択的に除去することで非遮光部が形成される。一方、除去されずに残った部分は遮光部として機能する。より具体的には、例えば遮光性材料の供給により塗布膜の表面全体に遮光膜を形成した後、感光部上に形成された遮光膜領域を剥ぎ取ることで非遮光部を形成することができる。また、別の具体例として、遮光性粒子の供給により遮光性材料の粒子層を形成した後、感光部上に形成された遮光性粒子を吹き飛ばすことで非遮光部を形成してもよい。さらに、別の具体例として、非感光部を除去して透明基材の表面に露出部を形成する工程と、透明基材の露出部および感光部に遮光膜を形成する工程と、感光部を透明基材の表面から除去することで感光部上に形成された遮光膜領域を取り除いて非遮光部を形成する工程とを実行してもよい。このように、いわゆるリフトオフ法により感光部が形成されていた透明基材の表面領域を露出させることで非遮光部を形成することができる。このようにセルフアライメントとリフトオフとを組み合わせているので、高精度な非遮光部を形成することができる。
また、この発明の第2の態様は、光を集光する集光光学系の光路内に配置されて集光光学系から出力される光を通過させる非遮光部を有する遮光部材の製造方法であって、未感光時には遮光性を有し、感光により透過性を発現する感光材料を透明基材の表面に塗布して塗布膜を形成する第1工程と、集光光学系の光路内に透明基材を位置決めする第2工程と、集光光学系により集光される光により塗布膜を露光して非遮光部を形成する第3工程とを備えることを特徴としている。
このように構成された(遮光部材の製造方法)では、未感光時には遮光性を有し、感光により透過性を発現する感光材料により塗布膜が形成されており、集光光学系により集光される光により露光された塗布膜の感光部がそのまま非遮光部となる。一方、露光されない塗布膜の感光部は遮光部となる。したがって、第1の態様と同様に、非遮光部がセルフアライメント(自己整合)により形成されるため、優れた位置精度で非遮光部を遮光部材に設けることができる。
また、本発明の第3の態様は、光を集光する集光光学系の光路内に配置されて集光光学系から出力される光を通過させる非遮光部を有する遮光部材であって、集光光学系の光路内に設けられる透明基材と、集光光学系により集光される光を通過させる非遮光部が中央部に形成されるとともに非遮光部の周辺で光を遮光する遮光膜とを備え、非遮光部は、集光光学系に対して透明基材を位置決めした状態で集光光学系により集光される光を用いたセルフアライメントにより形成されていることを特徴としている。
このように構成された第3の態様にかかる発明(遮光部材)では、集光光学系により集光される光を通過させるための非遮光部が、同集光光学系により集光される光を用いて形成される、いわゆるセルフアライメント(自己整合)により形成される。そのため、優れた位置精度で非遮光部を遮光部材に設けることができる。
また、本発明の第4の態様は、結像光学素子に関するものであって、第1透明基材と、第1透明基材の物体側端面に形成されて物体から出射される光線が入射される第1レンズ面と、第1透明基材の像側端面に形成されて第1レンズ面により集光される光を通過させる非遮光部を有する遮光部材とを含む第1構造体と、物体側端面が遮光部材に対向するように配置される第2透明基材と、第2透明基材の像側端面に形成されて非遮光部を通過した光を導光して物体の像を結像する第2レンズ面とを含む第2構造体とを備え、非遮光部は、第1レンズ面により集光される光を用いたセルフアライメントにより形成されていることを特徴としている。
また、本発明の第5の態様は、結像光学素子に関するものであって、物体から出射される光線が入射される第1レンズ面を有する入射部、光線を出射する第2レンズ面を有する出射部、ならびに入射部および出射部を連結する連結部が一体成形される透明基材と、連結部の外周面に対向して配置されて第1レンズ面に入射された入射光線を反射させて第2レンズ面に導光する反射部材と、連結部と反射部材との間に配置される遮光部材とを備え、第1レンズ面は入射光を集光させ、遮光部材は第1レンズ面により集光される光を反射部材に透光させるとともに反射部材により反射された光を第2レンズ面に透光させる非遮光部を有し、第2レンズ面は非遮光部を通過した光を導光して物体の像を結像し、非遮光部は、第1レンズ面により集光される光を用いたセルフアライメントにより形成されていることを特徴としている。
さらに、本発明の第6の態様は、画像読取装置に関するものであって、物体に光を照射する光源部と、請求項9または10に記載の結像光学素子と、結像光学素子により結像される像を読み取る読取部とを備えることを特徴としている。
このように構成された第4の態様ないし第6の態様にかかる発明(遮光部材を用いる結像光学素子および画像読取装置)では、第1レンズ面により集光される光を通過させるための非遮光部が、同集光光学系により集光される光を用いて形成される、いわゆるセルフアライメント(自己整合)により形成される。そのため、優れた位置精度で非遮光部を遮光部材に設けることができる。
本発明は、光を集光する集光光学系(レンズ面のみで構成される集光光学系も含む)の光路内に配置されて集光光学系から出力される光を通過させる非遮光部を有する遮光部材、その製造方法、ならびに遮光部材を有する結像光学素子、結像光学アレイおよび画像読取装置に関するものである。そこで、以下においては、遮光部材およびその製造方法について説明した後、当該遮光部材を用いる装置としてCISモジュールを例示して説明する。
A.遮光部材およびその製造方法
図1は本発明にかかる遮光部材の製造方法の第1実施形態を示す図である。この第1実施形態にかかる遮光部材10は集光光学系LSの光路内、つまり像側の所定位置(本実施形態では集光光学系LSから出力される光の集光点)に配置される光学部品であり、集光光学系LSから出力される光を通過させる非遮光部10aと、非遮光部10aの周囲で遮光する遮光部10bとを有しており、次のようにして製造される。
図1は本発明にかかる遮光部材の製造方法の第1実施形態を示す図である。この第1実施形態にかかる遮光部材10は集光光学系LSの光路内、つまり像側の所定位置(本実施形態では集光光学系LSから出力される光の集光点)に配置される光学部品であり、集光光学系LSから出力される光を通過させる非遮光部10aと、非遮光部10aの周囲で遮光する遮光部10bとを有しており、次のようにして製造される。
まず最初に、遮光部材10の基台となる透明基材11を準備するとともに、この透明基材11の一方主面11aに感光材料を塗布して塗布膜12を形成する(図1(a))。ここで、感光材料として光透過性を有するとともに、非感光状態で粘着性を有する一方、感光されることで粘着性が低下する材料を用いている。したがって、塗布膜12を形成した時点では、塗布膜12全体は粘着性を有している。このように透明基材11の一方主面11aが本発明の「透明基材の表面」に相当する。
次に、同図(b)に示すように、上記のように塗布膜12が形成された透明基材11を上記所定位置に位置決めする。より詳しくは、集光光学系LSから出力される光Lが集光する集光点Pまたは近傍位置に塗布膜12が位置するように透明基材11を位置決めする。それに続いて、集光光学系LSから出力される光Lを塗布膜12に照射して塗布膜12を部分的に露光する。こうして塗布膜12の一部が露光されて感光部12aとなる。その結果、感光部12aでは粘着性が低下する。なお、塗布膜12のうち感光部12aを除く領域、つまり非感光部12bでは粘着性が維持されている。
こうした露光処理が完了すると、塗布膜12の上に遮光性材料からなる遮光膜13を形成する(同図(c))。この遮光膜13は、塗布膜12の非感光部12bと強固に粘着される一方、感光部12aとは非粘着状態となっている。そして、遮光膜13のうち感光部12a上に位置している膜領域13aを除去して非遮光部10aを形成する。例えば、表面に粘着物質が塗布された粘着ローラーRLを遮光膜13上に転動させる。この粘着物質の遮光膜13に対する粘着力は、非感光部12bと遮光膜13との粘着力よりも低く設定されている。このため、粘着ローラーRLの転動により、同図(d)に示すように、遮光膜13のうち非感光部12b上に位置する遮光膜領域は塗布膜12に粘着されたまま残存しているのに対し、感光部12a上に位置している膜領域13aのみが粘着ローラーRLの表面に粘着されて塗布膜12から剥ぎ取られる。その結果、感光部12aが露出して光を透過可能となり、非遮光部10aとして機能する一方、この非遮光部10aの周囲では遮光膜13が残存しており、集光光学系LS側(同図の上側)から進んでくる光を遮光する遮光部10bとして機能する。
以上のように、本実施形態によれば、集光光学系LSにより集光される光Lにより感光材料の塗布膜12が露光されて感光部12aと非感光部12bとが形成される。そして、感光部12aに非遮光部10aが形成されるとともに、非感光部12bに遮光部10bが形成される。このように、集光光学系LSにより集光される光Lを通過させるための非遮光部10aが集光光学系LSにより集光される光Lを用いて形成される、いわゆるセルフアライメント(自己整合)により形成されている。したがって、優れた位置精度で遮光部材10に対して非遮光部10aを形成することが可能となっている。
この実施形態では、露光処理された塗布膜12上に遮光膜13を形成し、感光部12aと非感光部12bとの粘着性の違いを利用して遮光膜13をパターニングしているが、例えば図2に示すように、遮光膜13の代わりに遮光性粒子を用いて非遮光部10aおよび遮光部10bを形成してもよい。
図2は本発明にかかる遮光部材の製造方法の第2実施形態を示す図である。この第2実施形態では、第1実施形態と同様にして透明基材11の一方主面11aに塗布膜12を形成する(同図(a))とともに、塗布膜12が形成された透明基材11を集光光学系LSに対して位置決めした後、集光光学系LSから出力される光Lを塗布膜12に照射して塗布膜12を部分的に露光し、塗布膜12に感光部12aと非感光部12bとを形成する(同図(b))。
こうした露光処理が完了すると、塗布膜12の上に遮光性粒子14aを吹き付けて遮光性を有する粒子層14を形成する(同図(c))。この粒子層14のうち塗布膜12の非感光部12b上に付着した遮光性粒子14aは塗布膜12と強固に粘着されるが、感光部12a上の遮光性粒子14aの付着力は弱くなっている。これに続いて、同図(d)に示すように、粒子層14に向けてエアーなどの気体を吹き掛ける。これにより塗布膜12の非感光部12bから遮光性粒子14aが吹き飛ばされて感光部12aが露出して光を透過可能となり、非遮光部10aとして機能する一方、この非遮光部10aの周囲では遮光性粒子が残存しており、集光光学系LS側(同図の上側)から進んでくる光を遮光する遮光部10bとして機能する。
以上のように、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、集光光学系LSにより集光される光Lを通過させるための非遮光部10aが集光光学系LSにより集光される光Lを用いて形成される、いわゆるセルフアライメント(自己整合)により形成されているため、優れた位置精度で遮光部材10に対して非遮光部10aを形成することが可能となっている。
図3は本発明にかかる遮光部材の製造方法の第3実施形態を示す図である。この第3実施形態では、透明基材11の一方主面11a上にパターニングされた遮光膜15を形成することで遮光部材10を構成しており、以下に説明するようにセルフアライメントとリフトオフとを利用している。
この第3実施形態では、第1実施形態と同様にして透明基材11の一方主面11aに塗布膜12を形成する(同図(a))とともに、塗布膜12が形成された透明基材11を集光光学系LSに対して位置決めした後、集光光学系LSから出力される光Lを塗布膜12に照射して塗布膜12を部分的に露光し、塗布膜12に感光部12aと非感光部12bとを形成する(同図(b))。なお、本実施形態では、塗布膜12は次に説明するように遮光膜をパターニングするために用いられ、最終的に透明基材11から除去されて遮光部材10の構成要素とはならないため、第1実施形態や第2実施形態で要求される機能を有する必要がなく、半導体装置や液晶装置などの製造工程で使用される一般的な感光材料を使用することができる。
こうした露光処理が完了すると、現像処理により非感光部12bを除去して透明基材11の一方主面11a上に感光部12aのみを残し、その他の表面領域11bを露出させる。この表面領域11bは本発明の「露出部」に相当する(同図(c))。その後、露出部11bおよび感光部12aに対して蒸着処理やスパッタリング処理などにより遮光膜15を成膜する(同図(d))。そして、感光部12aをエッチング除去することで感光部12aに積層されていた膜部分15aを感光部12aとともに除去する(同図(e))。これにより、透明基材11の一方主面11aのうち感光部12aを形成していた領域が露出して光を透過可能となり、非遮光部10aとして機能する一方、この非遮光部10aの周囲では遮光膜15が残存しており、遮光部10bとして機能する。
以上のように、第3実施形態では、第1実施形態および第2実施形態と同様に、集光光学系LSにより集光される光Lを用いて感光部12aを形成するとともに、いわゆるリフトオフ法により感光部12aが形成されていた透明基材11の表面領域を露出させて非遮光部10aを形成している。このようにセルフアライメントとリフトオフとを組み合わせて遮光部材10を製造しているので、優れた位置精度で遮光部材10に対して非遮光部10aを形成することが可能となっている。
図4は本発明にかかる遮光部材の製造方法の第4実施形態を示す図である。この第4実施形態は、未感光時には遮光性を有し、感光により透過性を発現する感光材料を用いて遮光部材10を製造するものであり、次のようにして製造される。
この第4実施形態では、遮光部材10の基台となる透明基材11を準備するとともに、この透明基材11の一方主面11aに、上記特性を有する感光材料を塗布して塗布膜12を形成する(同図(a))。したがって、塗布膜12を形成した時点では、塗布膜12全体は遮光性を有している。
次に、同図(b)に示すように、上記のようにして塗布膜12が形成された透明基材11を上記所定位置に位置決めした後、集光光学系LSから出力される光Lを塗布膜12に照射して塗布膜12を部分的に露光する。こうして塗布膜12の一部が露光されて感光部12aとなり、当該感光部12aでは透過性が発現されて非遮光部10aとして機能する。一方、非感光部12bでは遮光性がそのまま残存しており、遮光部10bとして機能する。
以上のように、第4実施形態では、第1実施形態ないし第3実施形態に比べて少ない製造工程で遮光部材10を製造することができる。もちろん、集光光学系LSにより集光される光Lを通過させるための非遮光部10aが集光光学系LSにより集光される光Lを用いて形成される、いわゆるセルフアライメント(自己整合)により形成されているため、上記実施形態と同様に、優れた位置精度で遮光部材10に対して非遮光部10aを形成することが可能となっている。
なお、上記第1実施形態ないし第4実施形態では、集光光学系LSと遮光部材10とは互いに分離しているが、次に説明するCISモジュールを採用されているように集光光学系LSと遮光部材10と一体化した構造体として設けてもよく、次に詳述するように、上記実施形態と同様にして非遮光部を形成することで同様の作用効果が得られる。
B.遮光部材を有するCISモジュール
図5は本発明にかかる画像読取装置の一実施形態であるCISモジュールの概略構成を示す部分断面斜視図である。図6は入射側アパーチャー部材、レンズアレイおよび射出側アパーチャー部材を示す斜視図である。図7は図6の部分組立斜視図である。これら図5、図6、図7および以下で説明する図では、各部材の位置関係を示すために、XYZ直交座標を適宜示すものとする。また、座標軸の矢印側を正側とするとともに座標軸の矢印反対側を負側とする。さらに、以下の説明では、Z方向の負側を上側と、Z方向の正側を下側と、Y方向の負側を左側と、Y方向の正側を右側と、X方向の負側を前側と、X方向の正側を後側として適宜取り扱う。
図5は本発明にかかる画像読取装置の一実施形態であるCISモジュールの概略構成を示す部分断面斜視図である。図6は入射側アパーチャー部材、レンズアレイおよび射出側アパーチャー部材を示す斜視図である。図7は図6の部分組立斜視図である。これら図5、図6、図7および以下で説明する図では、各部材の位置関係を示すために、XYZ直交座標を適宜示すものとする。また、座標軸の矢印側を正側とするとともに座標軸の矢印反対側を負側とする。さらに、以下の説明では、Z方向の負側を上側と、Z方向の正側を下側と、Y方向の負側を左側と、Y方向の正側を右側と、X方向の負側を前側と、X方向の正側を後側として適宜取り扱う。
このCISモジュール1は、原稿ガラスGL上に載置された原稿OBを読取対象物として原稿OBに印刷された画像を読み取る装置であり、原稿ガラスGLの直下に配置されている。CISモジュール1は、X方向における最大読取範囲より長く延びる略直方体状のフレーム2を有しており、同フレーム2内に光源部3、入射側アパーチャー部材4、レンズアレイ5、射出側アパーチャー部材6、光センサー7およびプリント回路基板8が配置されている。
このフレーム2内には、原稿OBに照明を照らす光源部3を収容する第1収容空間SP1と、原稿OBの画像を読み取るための各機能部4、5、6,7、8を収容する第2収容空間SP2とがセパレーター21によって区分けされている。第1収容空間SP1は、フレーム2内の上方の位置に設けられている。一方、第2収容空間SP2は、YZ平面を含む断面(以下「副走査断面」という)において、第1収容空間SP1に対して、左側から下方に潜り込むようにして設けられている。より具体的には、第2収容空間SP2は、第1収容空間SP1の左側でZ方向(上下方向)に延びる上部垂直空間SP2aと、第1収容空間SP2の下側でZ方向(上下方向)に延びる下部垂直空間SP2bと、上部垂直空間SP2aの下端と下部垂直空間の上端SP2bとを連結するようにY方向(左右方向)に延びる左右空間SP2cとで構成されている。こうして、上部垂直空間SP2aから直角に湾曲して左右空間SP2cに到るとともに、さらに左右空間SP2cから直角に湾曲して下部垂直空間SP2bに到る第2収容空間SP2が形成される。
光源部3は、図示を省略するLED(Light Emitting Diode)を光源としている。このLEDはライトガイド31のX方向の一方端から、ライトガイド31の内部に向けて照明光を射出する。このライトガイド31は、図5に示すように、セパレーター21の上面で最大読取範囲とほぼ同じ長さだけX方向に延設されている。そして、照明光はライトガイド31の一方端に入射すると、ライトガイド31の他方端に向けてライトガイド31中を伝播しながらライトガイド31の各部で部分的に先端部32(光出射面)を介して原稿ガラスGLに向けて射出して、原稿ガラスGL上の原稿OBに照射される。こうして、X方向に延びる帯状の照明光が原稿OBに照射され、原稿OBで反射される。
照明光の照射位置の直下には、上記した上部垂直空間SP2aが設けられており、その上端部に入射側アパーチャー部材4が配置されている。この入射側アパーチャー部材4は最大読取範囲とほぼ同じ長さだけX方向に延設されている。この入射側アパーチャー部材4には、複数の貫通孔41がX方向に所定ピッチで一列に並べられており、それぞれレンズアレイ5に設けられる複数の第1レンズLS1に対する入射側アパーチャーとして機能する。
レンズアレイ5は、最大読取範囲とほぼ同じ長さだけX方向に延設された2つの構造体5A、5Bを有しており、これら2つの構造体5A、5Bを一体化させた状態で、レンズアレイ5全体がすっぽりと第2収容空間SP2に挿入可能となっている。これら2つの構造体5A、5Bのうち原稿ガラスGL側の構造体5Aは次のように構成されている。
構造体5Aは、図7に示すように、副走査断面で略L字形状を有する透明基材51Aと、レンズ面LS1と、反射膜RF1と、遮光部材52とを備えている。この透明基材51Aは、副走査断面において、Z方向に伸びる垂直部51aと、垂直部51aの下端から直角に湾曲して右側に延びる左右部51bとで構成されている。このように透明基材51Aは、垂直部51aから左右部51bに到る第1曲部CV1で直角に湾曲した形状を有している。なお、本実施形態では、透明基材51Aの左右部51bの右面が、レンズ面LS1により光が集光される集光点、つまり原稿OBの中間像を形成する位置となるように構成されている。
透明基材51Aの垂直部51aの上面には、入射側アパーチャー部材4の複数の貫通孔41に一対一で対応して、複数の第1レンズ面LS1がX方向に所定ピッチで一列に並んで設けられている。そして、各レンズ面LS1を介して入射された光は垂直部51a内を伝播して反射膜RF1に反射されて透明基材51Aの左右部51bの右面に進む。この第1反射膜RF1は、透明基材51の垂直部51aから左右部51bにかけて曲がる第1曲部CV1の外周面に蒸着された金属膜であり、第1レンズ面LS1から入射した光を左右部51bの右面に向けて反射する。
この左右部51bの右面(像側端面)には、遮光部材52が設けられている。この遮光部材52には、複数の第1レンズ面LS1に一対一で対応して、複数の非遮光部521がX方向に所定ピッチで一列に並んで設けられており、それぞれ対応する第1レンズ面LS1により集光される光のみを構造体5Bに出力させるように構成されている。このように構成された遮光部材52は、構造体5A、5Bを第2収容空間SP2に挿入する前に、例えば上記した製造方法の第1実施形態により製造される。すなわち、透明基材51Aの左右部51bの右面に感光材料を塗布して塗布膜を形成する。したがって、塗布膜はレンズ面LS1により光が集光される集光点(原稿OBの中間像の形成位置)に位置しており、塗布膜の形成と同時に塗布膜は本発明の「集光光学系」に相当するレンズ面LS1に対して位置決めされる。なお、感光材料として光透過性を有するとともに、非感光状態で粘着性を有する一方、感光されることで粘着性が低下する材料を用いる。
そして、各レンズ面LS1から出力される光を塗布膜に照射して塗布膜を部分的に露光する。こうして塗布膜には、複数の第1レンズ面LS1に一対一で対応して、複数の感光部がX方向に所定ピッチで一列に並んで形成される。こうした露光処理が完了すると、塗布膜の上に遮光性材料からなる遮光膜522を形成する。その後、粘着ローラーを遮光膜522上に転動させて遮光膜522のうち非感光部上に位置する遮光膜領域を塗布膜に残存させつつ感光部上に位置している膜領域のみを塗布膜から剥ぎ取って非遮光部521を形成する。そして、こうして形成された構造体5Aの遮光部材52に対して構造体5Bを接合して一体化する。
構造体5Bは、副走査断面で略L字形状を有する透明基材51Bと、レンズ面LS2と、反射膜RF2とを備えている。この透明基材51Bは、副走査断面において、Z方向に伸びる垂直部51cと、垂直部51cの上端から直角に湾曲して左側に延びる左右部51dとで構成されている。このように構成された透明基材51Bの左右部51dの左面(物体側端面)が構造体5Aの遮光部材52に対向するように配置されて接合され、これによって構造体5A、5Bが一体化される。また、垂直部51cの下面には、複数の第1レンズ面LS1に一対一で対応して、複数の第2レンズ面LS2がX方向に所定ピッチで一列に並んでいる。このため、レンズ面LS1に入射された光はレンズ面LS1および反射膜RF1を介して非遮光部521で集光され、さらに非遮光部521を通過した後、反射膜RF2を介してレンズ面LS2に導光される。
この反射膜RF2は、透明基材51Bの左右部51dから垂直部51cにかけて曲がる第2曲部CV2の外周面に蒸着された金属膜であり、非遮光部521を通過した光を第2レンズ面LS2に向けて反射する。こうして、第1レンズ面LS1から入射した光は、第1反射膜RF1で反射され、遮光部材52の非遮光部521を通過し、さらに第2反射膜RF2で反射されて第2レンズ面LS2に導かれる。
そして、このように構成されたレンズアレイ5を透過した光は、第2レンズLS2から射出された後に、正立等倍の倍率で結像される。なお、構造体5Aについては、レンズ面LS1および透明基材51Aをそれぞれ別体で形成した後にこれらを接着して一体化し、それに対して遮光部材52を形成してもよい。また、レンズ面LS1および透明基材51Aを別体で形成することなく一体的に形成しても良い。なお、これらの点については、構造体5Bについても同様である。
このように構成されたレンズアレイ5が、第2収容空間SP2の上部垂直空間SP2aの途中から左右空間SP2cを経由して下部垂直空間SP2bにまで配置されている。一方、下部垂直空間SP2bでは、レンズアレイ5と光センサー7とに挟まれるように射出側アパーチャー部材6が配置されている。この射出側アパーチャー部材6も、入射側アパーチャー部材4と同様に、最大読取範囲とほぼ同じ長さだけX方向に延設されるとともに、複数の貫通孔61がX方向に一列で並んでいる。これら複数の貫通孔61は、複数の第2レンズLS2に対して一対一で対応して設けられており、各貫通孔61は対応する第2レンズLS2の射出側アパーチャーとして機能する。
また、下部垂直空間SP2cの下面には、光センサー7およびこれを搭載するプリント回路基板8が配置されている。そして、光センサー7は、レンズアレイ5が結像して正立等倍像を検出して原稿OBの画像を読み取る。こうして、原稿OBの画像に関連する信号が、光センサー7より出力されることとなる。
以上のように、本実施形態では、第1実施形態と同様に、第1レンズ面LS1により集光される光を通過させるための非遮光部521が第1レンズ面LS1により集光される光を用いて形成される、いわゆるセルフアライメント(自己整合)により形成されているため、上記第1実施形態と同様に、優れた位置精度で遮光部材52に対して非遮光部521を形成することが可能となっている。その結果、迷光が第2レンズ面LS2に達するのを効果的に防止して画像読取の解像度を高めることができる。
なお、本実施形態では、構造体5A、5Bを一体化しているが、構造体5Aの遮光部材52に対して構造体5Bの左右部51dの左面が対向するように構造体5A、5Bを配置するのみでもよい。
また、本実施形態では、第1実施形態にかかる遮光部材の製造方法を用いて遮光部材52を形成しているが、遮光部材の形成方法はこれに限定されるものではなく、第2実施形態ないし第4実施形態にかかる遮光部材の製造方法を用いてもよい。
このように本実施形態では、レンズアレイ5が本発明の「結像光学素子」に相当している。また、構造体5A、5Bがそれぞれ本発明の「第1構造体」および「第2構造体」に相当し、透明基材51A、51Bがそれぞれ本発明の「第1透明基材」および「第2透明基材」に相当している。
図8は本発明にかかる画像読取装置の他の実施形態であるCISモジュールの概略構成を示す部分断面斜視図である。この実施形態が図5ないし図7に示す実施形態と大きく相違する点は、レンズアレイ5の構成である。つまり、本実施形態では、レンズアレイ5は1つの透明基材51の両端面にレンズ面LS1、LS2が形成されており、第1反射面RF1と透明基材51との間に遮光部材52が設けられている。なお、その他の構成は基本的に同一であるため、相違点を中心に説明する一方、同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、レンズアレイ5は、最大読取範囲とほぼ同じ長さだけX方向に延設されており、レンズアレイ5全体がすっぽりと第2収容空間SP2に挿入可能となっている。このレンズアレイ5は、透明基材53と、透明基材53の物体側端面に形成された第1レンズ面LS1(入射側レンズ面)と、透明基材53の像側端面に形成された第2レンズ面LS2とを有している。
副走査断面において、透明基材53は、Z方向に伸びる上部垂直部53aと、上部垂直部53aの下端から直角に湾曲して右側に延びる左右部53cと、左右部の右端から直角に湾曲して下側に延びる下部垂直部53bとで構成されている。このように、透明基材53は、上部垂直部53aから左右部53cに到る第1曲部CV1で直角に湾曲するとともに、左右部53cから下部垂直部53bに到る第2曲部CV2で直角に湾曲した形状を有している。透明基材53の上部垂直部53aの上面には、入射側アパーチャー部材4の複数の貫通孔41に一対一で対応して、複数の第1レンズ面LS1がX方向に所定ピッチで一列に並んでいる。また、透明基材53の下部垂直部53bの下面には、複数の第1レンズ面LS1に一対一で対応して、複数の第2レンズ面LS2がX方向に所定ピッチで一列に並んでいる。そして、第1レンズ面LS1に入射した光は、透明基材53により第2レンズ面LS2にまで導かれる。このように、本実施形態では、上部垂直部53a、左右部53cおよび下部垂直部53bがそれぞれ本発明の「入射部」、「連結部」および「出射部」に相当している。
また、透明基材53に対しては、第1レンズ面LS1からの入射光を第2レンズ面LS2に導くために、第1反射膜RF1および第2反射膜RF2が形成されている。第1反射膜RF1は、透明基材53の上部垂直部53aから左右部53cにかけて曲がる第1曲部CV1の外周面に蒸着された金属膜であり、第1レンズ面LS1から入射した光を第2曲部CV2に向けて反射する。また、第2反射膜RF2は、透明基材53の左右部から下部垂直部53bにかけて曲がる第2曲部CV2の外周面に蒸着された金属膜であり、第1反射膜RF1で反射された光を第2レンズ面LS2に向けて反射する。こうして、第1レンズ面LS1から入射した光は、第1・第2反射膜RF1、RF2それぞれで反射されて第2レンズ面LS2に導かれる。
ここで、第1反射膜RF1に迷光が入射されると、当該迷光がそのまま第2反射膜RF2を介して第2レンズ面LS2に導光されてしまう。そこで、本実施形態では、レンズアレイ5を第2収容空間SP2に挿入する前に、第1実施形態ないし第4実施形態にかかる遮光部材の製造方法のいずれかを用いて遮光部材52を透明基材53第1曲部CV1に形成するとともに、当該遮光部材52を覆うように金属膜を第1曲部CV1に蒸着して第1反射膜RF1を形成している。ここで、例えば第1実施形態により遮光部材52を設ける場合には、次の製造工程が実行される。すなわち、透明基材53の第1曲部CV1に感光材料を塗布して塗布膜を形成する。したがって、塗布膜はレンズ面LS1により光が集光される集光点(原稿OBの中間像の形成位置)よりも物体側に位置しており、塗布膜の形成と同時に塗布膜は本発明の「集光光学系」に相当するレンズ面LS1に対して位置決めされる。なお、感光材料として光透過性を有するとともに、非感光状態で粘着性を有する一方、感光されることで粘着性が低下する材料を用いる。
そして、各レンズ面LS1から出力される光を塗布膜に照射して塗布膜を部分的に露光する。こうして塗布膜には、複数の第1レンズ面LS1に一対一で対応して、複数の感光部がX方向に所定ピッチで一列に並んで形成される。こうした露光処理が完了すると、塗布膜の上に遮光性材料からなる遮光膜522を形成する。その後、粘着ローラーを遮光膜522上に転動させて遮光膜522のうち非感光部上に位置する遮光膜領域を塗布膜に残存させつつ感光部上に位置している膜領域のみを塗布膜から剥ぎ取って非遮光部521を形成する。そして、こうして形成された遮光部材52上に金属膜を蒸着して第1反射膜RF1を形成する。したがって、第1反射膜RF1は遮光部材52によりマスクされており、第1レンズ面LS1に入射して集光される光のうち遮光部材52の非遮光部521を通過する光のみが第1反射膜RF1により反射されて第2反射膜RF2に導光され、さらに第2反射膜RF2で反射されて第2レンズ面LS2に到る。こうしてレンズアレイ5を透過した光は、第2レンズ面LS2から射出された後に、正立等倍の倍率で結像される。なお、レンズアレイ5を一体的に形成するにあたっては、各部毎(例えば、第1レンズ面LS1、透明基材53、第2レンズ面LS2)をそれぞれ別体で形成した後にこれらを接着して一体化しても良いし、各部を別体で形成することなくレンズアレイ5全体を一体的に形成しても良い。
以上のように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、第1レンズ面LS1により集光される光を通過させるための非遮光部521が第1レンズ面LS1により集光される光を用いて形成される、いわゆるセルフアライメント(自己整合)により形成されているため、上記第1実施形態と同様に、優れた位置精度で遮光部材52に対して非遮光部521を形成することが可能となっている。その結果、迷光が第2レンズ面LS2に達するのを効果的に防止して画像読取の解像度を高めることができる。この実施形態では、第1反射膜RF1側にのみ遮光部材52を設けているが、第2反射膜RF2側にも遮光部材を設けてもよい。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、単一のレンズやレンズ面で集光光学系が形成される場合について説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、複数のレンズやレンズ面などの光学部品により集光光学系を構成してもよい。
また、図5ないし図8に示す実施形態では、レンズアレイ5を第2収容空間SP2に挿入する前に、遮光部材52を製造しており、遮光部材52の塗布膜を露光する際に使用する光の波長は任意であるが、CISモジュールで光源として使用するLEDの発光波長と同じまたは近似した波長の光を用いるのが望ましい。
また、図5ないし図8に示す実施形態では、上記第1実施形態ないし第4実施形態にかかる遮光部材の製造方法により製造される遮光部材を画像読取装置に適用しているが、この適用範囲はこれに限定されるものではなく、集光光学系により集光される光を制限するために遮光部材を設ける装置全般に適用することができる。
また、図5ないし図8に示す実施形態では、透明基材51Aの物体側端面に複数のレンズ面LS1が形成されるレンズアレイ5に対して遮光部材52を設けているが、透明基材51Aの物体側端面に単一のレンズ面LS1が形成される結像光学素子に対しても上記実施形態と同様にして遮光部材52を設けることができ、同様の作用効果が得られる。
さらに、上記第1実施形態ないし第4実施形態にかかる遮光部材の製造方法では、集光光学系LSにより光が集光される位置またはその近傍に塗布膜12が位置するように遮光部材10を位置決めしているが、遮光部材の位置はこれに限定されるものではなく、集光位置から離れた位置に塗布膜が位置決めされるように構成してもよい。ただし、集光位置から離れるにしたがって塗布膜に照射される単位面積当たりの露光量が少なくなるため、感光材料の感度や集光光学系LSの集光性などを考慮すれば、集光光学系の主点と集光点との中間位置よりも集光点側に遮光部材を配置するのが望ましい。
1…CISモジュール(画像読取装置)、 5…レンズアレイ(結像光学素子)、 5A…(第1)構造体、 5B…(第2)構造体、 7…光センサー(読取部)、 10…遮光部材、 10a…非遮光部、 10b…遮光部、 11…透明基材、 12…塗布膜、 12a…感光部、 12b…非感光部、 13、15…遮光膜、 14…粒子層、 51、53…透明基材、 52…遮光部材、 53a…上部垂直部(入射部)、 53b…下部垂直部(出射部)、 53c…左右部(連結部)、 LS1…(第1)レンズ面(集光光学系)、 LS2…(第2)レンズ面、 LS…集光光学系、 P…集光点、 RF1、RF2…反射膜(反射部材)
Claims (11)
- 光を集光する集光光学系の光路内に配置されて前記集光光学系から出力される光を通過させる非遮光部を有する遮光部材の製造方法であって、
透明基材の表面に感光材料を塗布して塗布膜を形成する第1工程と、
前記集光光学系の光路内に前記透明基材を位置決めする第2工程と、
前記集光光学系により集光される光により前記塗布膜を露光して感光部と非感光部とを形成する第3工程と、
前記感光部が形成された位置に前記非遮光部を形成するとともに、前記非感光部が形成された位置に光を遮光する遮光部を形成する第4工程と
を備えることを特徴とする遮光部材の製造方法。 - 前記感光材料は非感光状態で粘着性を有する一方、感光することで粘着性が低下する材料であり、
前記第4工程は、露光された前記塗布膜の表面全体に遮光性材料を供給する供給工程と、前記感光部に供給された前記遮光性材料を除去する除去工程とを有する請求項1に記載の遮光部材の製造方法。 - 前記供給工程は前記遮光性材料の遮光膜を形成する工程であり、
前記除去工程は前記感光部上に形成された遮光膜領域を剥ぎ取る工程である請求項2に記載の遮光部材の製造方法。 - 前記供給工程は前記遮光性材料の粒子により粒子層を形成する工程であり、
前記除去工程は前記感光部上に形成された前記遮光性材料の粒子を吹き飛ばす工程である請求項2に記載の遮光部材の製造方法。 - 前記第4工程は、
前記非感光部を除去して前記透明基材の表面に露出部を形成する工程と、
前記透明基材の露光部および前記感光部上に遮光膜を形成する工程と、
前記感光部を前記透明基材の表面から除去することで前記感光部上に形成された遮光膜領域を取り除く工程とを有する請求項1に記載の遮光部材の製造方法。 - 光を集光する集光光学系の光路内に配置されて前記集光光学系から出力される光を通過させる非遮光部を有する遮光部材の製造方法であって、
未感光時には遮光性を有し、感光により透過性を発現する感光材料を透明基材の表面に塗布して塗布膜を形成する第1工程と、
前記集光光学系の光路内に前記透明基材を位置決めする第2工程と、
前記集光光学系により集光される光により前記塗布膜を露光して非遮光部を形成する第3工程と
を備えることを特徴とする遮光部材の製造方法。 - 前記第2工程は、光が集光する集光点または前記集光点の近傍に前記塗布膜が位置するように前記透明基材を位置決めする工程である請求項1ないし6のいずれか一項に記載の遮光部材の製造方法。
- 光を集光する集光光学系の光路内に配置されて前記集光光学系から出力される光を通過させる非遮光部を有する遮光部材であって、
前記集光光学系の光路内に設けられる透明基材と、
前記集光光学系により集光される光を通過させる非遮光部が中央部に形成されるとともに前記非遮光部の周辺で光を遮光する遮光膜とを備え、
前記非遮光部は、前記集光光学系に対して前記透明基材を位置決めした状態で前記集光光学系により集光される光を用いたセルフアライメントにより形成されていることを特徴とする遮光部材。 - 第1透明基材と、前記第1透明基材の物体側端面に形成されて物体から出射される光線が入射される第1レンズ面と、前記第1透明基材の像側端面に形成された前記第1レンズ面により集光される光を通過させる非遮光部を有する遮光部材とを含む第1構造体と、
物体側端面が前記遮光部材に対向するように配置される第2透明基材と、前記第2透明基材の像側端面に形成されて前記非遮光部を通過した光を導光して前記物体の像を結像する第2レンズ面とを含む第2構造体とを備え、
前記非遮光部は、前記第1レンズ面により集光される光を用いたセルフアライメントにより形成されていることを特徴とする結像光学素子。 - 物体から出射される光線が入射される第1レンズ面を有する入射部、光線を出射する第2レンズ面を有する出射部、ならびに前記入射部および前記出射部を連結する連結部が一体成形される透明基材と、
前記連結部の外周面に対向して配置されて前記第1レンズ面に入射された入射光線を反射させて前記第2レンズ面に導光する反射部材と、
前記連結部と前記反射部材との間に配置される遮光部材とを備え、
前記第1レンズ面は入射光を集光させ、
前記遮光部材は前記第1レンズ面により集光される光を前記反射部材に透光させるとともに前記反射部材により反射された光を前記第2レンズ面に透光させる非遮光部を有し、
前記第2レンズ面は前記非遮光部を通過した光を導光して前記物体の像を結像し、
前記非遮光部は、前記第1レンズ面により集光される光を用いたセルフアライメントにより形成されていることを特徴とする結像光学素子。 - 物体に光を照射する光源部と、
請求項9または10に記載の結像光学素子と、
前記結像光学素子により結像される像を読み取る読取部と
を備えることを特徴とする画像読取装置。
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JP2011023648A JP2012163743A (ja) | 2011-02-07 | 2011-02-07 | 遮光部材、遮光部材の製造方法、当該遮光部材を有する結像光学素子および画像読取装置 |
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JP2011023648A JP2012163743A (ja) | 2011-02-07 | 2011-02-07 | 遮光部材、遮光部材の製造方法、当該遮光部材を有する結像光学素子および画像読取装置 |
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Cited By (1)
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CN104181621A (zh) * | 2013-05-27 | 2014-12-03 | 日东电工株式会社 | 光学膜辊状物的制造系统及光学膜辊状物的制造方法 |
-
2011
- 2011-02-07 JP JP2011023648A patent/JP2012163743A/ja not_active Withdrawn
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CN104181621A (zh) * | 2013-05-27 | 2014-12-03 | 日东电工株式会社 | 光学膜辊状物的制造系统及光学膜辊状物的制造方法 |
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