JP2012163009A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加速要求時に高圧ループEGR装置のEGR弁を開弁することによる過渡応答の遅れを緩和ないし解消する。
【解決手段】低圧ループ式EGR装置及び高圧ループ式EGR装置を両備する内燃機関0にあって、平時に電動ウェイストゲート弁44を敢えて開いておき、高圧EGRから低圧EGRへと切り替える際、低圧EGR通路2上のEGR弁22とともに高圧EGR通路7上のEGR弁72をも開弁する期間を設けつつ、同時に開いていたバイパス弁44の開度を一時的に全閉近くまで絞ることで過給圧の衰えを抑制する。
【選択図】図1
【解決手段】低圧ループ式EGR装置及び高圧ループ式EGR装置を両備する内燃機関0にあって、平時に電動ウェイストゲート弁44を敢えて開いておき、高圧EGRから低圧EGRへと切り替える際、低圧EGR通路2上のEGR弁22とともに高圧EGR通路7上のEGR弁72をも開弁する期間を設けつつ、同時に開いていたバイパス弁44の開度を一時的に全閉近くまで絞ることで過給圧の衰えを抑制する。
【選択図】図1
Description
本発明は、排気ターボ過給機及び排気ガス再循環装置が付帯した内燃機関の制御装置に関する。
気筒内の燃焼温度を低下させ、以て有害物質であるNOxの排出量を削減する排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置が知られている。EGR装置は、燃焼により発生した排気ガスの一部を吸気に混入するものである。
気筒から排出された直後の高温高圧の排気ガスを吸気通路に還流するものが高圧ループEGR、排気ターボ過給機のタービン及び排気ガス浄化用の触媒を通過した低温低圧の排気ガスを吸気通路に還流するものが低圧ループEGRである。
低圧ループEGRは、大量のEGRガスを吸気に混入できる点で有利である。一方で、EGR率(または、EGR量)の制御の即応性は、高圧ループEGRの方が高い。低圧ループEGRでは、大気圧に近いEGRガスを還流させる都合上、EGR通路の出口を排気ターボ過給機のコンプレッサの上流側に接続しており、EGR通路から吸気通路へと合流したEGRガスはコンプレッサ、スロットル弁、サージタンク及び吸気マニホルドを経由する長い経路を通って気筒に到達するためである。
運転者がアクセルペダルを強く踏み込む加速要求を行ったときには、吸気量とともに、吸気に混入するEGRガス量を速やかに増加させる必要がある。そのためには、高圧ループEGR装置のEGR弁を開弁し、当該EGR通路経由にてEGRガスを吸気通路に還流させることが好ましい。しかしながら、高圧ループEGR通路を経由するEGRガスの増大は、タービンに流れ込む排気ガスの減少につながり、コンプレッサによる過給が衰えて加速要求に対する過渡応答の遅れを招くこととなっていた。
本発明は、加速要求時に高圧ループEGR装置のEGR弁を開弁することによる過渡応答の遅れを緩和ないし解消することを所期の目的としている。
本発明では、排気通路に設けられたタービンと、吸気通路に設けられ前記タービンにより駆動されるコンプレッサと、前記排気通路における前記タービンの上流側と前記吸気通路における前記コンプレッサの下流側とを接続するEGR通路にEGR弁が設けられてなる高圧ループ式の排気ガス再循環装置と、前記排気通路における前記タービンの上流側と下流側とを接続するバイパス通路と、前記バイパス通路に設けられ電気的に開度制御可能なバイパス弁とを備えた内燃機関を制御する制御装置であって、平時に前記バイパス弁を全閉せずに開いておき、加速する過渡期に当該バイパス弁を一旦全閉または全閉に近い所定開度まで絞り、しかる後に当該バイパス弁を再度開く操作を行うことを特徴とする内燃機関の制御装置を構成した。
つまり、平時に敢えて排気ガスの一部をバイパス通路経由でタービンを迂回させておき、加速要求時に高圧ループEGR装置のEGR弁を開弁しつつバイパス通路上のバイパス弁を閉弁することとして、タービンに流れ込む排気ガスの減少を補うようにしたのである。これにより、過給圧の衰えを抑制でき、加速の過渡応答を良化することが可能となる。
本発明は特に、前記排気通路における前記タービンの下流側と前記吸気通路における前記コンプレッサの上流側とを接続するEGR通路にEGR弁が設けられてなる低圧ループ式の排気ガス再循環装置をも備えた内燃機関に適用することができる。一般に、高圧ループEGRと低圧ループEGRとを併用するシステムでは、低回転低負荷域において応答性のよい高圧EGRを実施し、中回転中負荷ないし高回転高負荷域においてEGRガス量を増すことのできる低圧EGRを実施する。加速要求時には、高圧EGRから低圧EGRへの切り替えが必要となるが、低圧EGRではEGR弁を開弁しても即座にEGRガスが気筒に到達するわけではない(吸気通路上のコンプレッサからサージタンクまでの範囲に新気が充満していることによる)。そこで、高圧EGRから低圧EGRへと切り替える際に、低圧EGR通路上のEGR弁とともに高圧EGR通路上のEGR弁をも開弁する期間を設けておき、低圧EGRの遅れを高圧EGRによってカバーしながら、同時にバイパス弁を絞ることで過給圧の衰えを抑制する。さすれば、吸気のEGR率を適正な目標EGR率に遅れなく追従させることができ、燃費の向上に資する。
本発明によれば、加速要求時に高圧ループEGR装置のEGR弁を開弁することによる過渡応答の遅れを緩和ないし解消し得る。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関0の概要を示す。本実施形態の内燃機関0は、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)と、各気筒1内に燃料を噴射するインジェクタ11と、各気筒1に吸気を供給するための吸気通路3と、各気筒1から排気を排出するための排気通路4と、吸気通路3を流通する吸気を過給する排気ターボ過給機5と、排気通路4から吸気通路3に向けてEGRガスを還流させる外部EGR通路2、7とを備えている。
本実施形態における内燃機関0は、二気筒の4サイクルエンジンであり、第一気筒1の行程と第二気筒1の行程との間には360°CA(クランク角度)の位相差が存在する。つまり、第一気筒1のピストン12と第二気筒1のピストン12とは同時に上昇し、また同時に下降する。
吸気通路3は、外部から空気を取り入れて気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、吸気絞り弁35、過給機5のコンプレッサ51、インタクーラ32、電子スロットル弁33、サージタンク34、吸気マニホルド36を、上流からこの順序に配置している。
排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42、過給機5の駆動タービン52及び三元触媒41を配置している。加えて、タービン52を迂回する排気バイパス通路43、及びこのバイパス通路43の入口を開閉するバイパス弁であるウェイストゲート弁44を設けてある。ウェイストゲート弁44は、アクチュエータに制御信号lを入力することで開閉操作することが可能な電動ウェイストゲート弁であり、そのアクチュエータとしてサーボモータを用いている。
排気ターボ過給機5は、駆動タービン52とコンプレッサ51とを同軸で連結し連動するように構成したものである。そして、駆動タービン52を排気のエネルギを利用して回転駆動し、その回転力を以てコンプレッサ51にポンプ作用を営ませることにより、吸入空気を加圧圧縮(過給)して気筒1に送り込む。
外部EGR通路2は、いわゆる低圧ループEGRを実現するものである。低圧ループEGR通路2の圧力損失は、数百Pa程度と非常に小さい。外部EGR通路2の入口は、排気通路4における三元触媒41の下流の所定箇所に接続している。外部EGR通路2の出口は、吸気通路3における吸気絞り弁35の下流、かつコンプレッサ51の上流の所定箇所に接続している。外部EGR通路2上には、EGRクーラ21及びEGR弁22を設けてある。
低圧ループEGRでは、大気圧に近い低圧の排気ガスをEGR通路2を通じて吸気通路3に還流する。そのために、EGR通路2の出口の上流にある吸気絞り弁35を絞ることで、EGR通路2の出口の周囲を負圧化する。なお、吸気通路3における、吸気絞り弁35よりも上流側の圧力は略大気圧、またはコンプレッサ51の稼働によって幾分負圧となる。
並びに、外部EGR通路7は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものである。外部EGR通路7の入口は、排気通路4におけるタービン52の上流の所定箇所に接続している。外部EGR通路7の出口は、吸気通路3におけるスロットル弁33の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク34に接続している。外部EGR通路7上にも、EGRクーラ71及びEGR弁72を設けてある。
内燃機関0の運転制御を司るECU(電子制御装置)6は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。入力インタフェースには、車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、エンジン回転数を検出する回転数センサから出力される回転数信号b、アクセルペダルの踏込量を検出するアクセルセンサから出力されるアクセル開度要求信号c、サージタンク34内の吸気圧(過給圧)を検出する圧力センサから出力される吸気圧信号d、サージタンク34の吸気温を検出する温度センサから出力される吸気温信号e等が入力される。出力インタフェースからは、インジェクタ11に対して燃料噴射信号f、点火プラグ(のイグニッションコイル)に対して点火信号g、EGR弁22に対して開度操作信号h、吸気絞り弁35に対して開度操作信号i、スロットル弁33に対して開度操作信号j、EGR弁72に対して開度操作信号k、ウェイストゲート弁44に対して開度操作信号l等を出力する。アクセルペダルの踏込量は、運転者が指令する要求負荷(エンジン出力)と捉えることができる。
ECU6のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行して、内燃機関0の運転を制御する。ECU6は、内燃機関0の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、eを入力インタフェースを介して取得し、それらに基づいて吸気量や要求燃料噴射量、点火時期、要求EGR量等を演算する。そして、演算結果に対応した各種制御信号f、g、h、i、j、kを出力インタフェースを介して印加する。
本実施形態におけるバイパス弁たるウェイストゲート弁44は、高負荷時に過過給を防止する役割を担うだけではなく、高負荷時以外の平時にも開度を全閉せずに幾分開いておくものである。
本実施形態では、運転者によってアクセルペダルが踏み込まれる加速要求を検知したとき、低要求負荷領域において高圧EGRを行い、中〜高要求負荷領域において低圧EGRを行う。目標EGR率は、低〜中負荷域にて、要求負荷が大きくなるほど高くなる傾向を有する。故に、要求負荷が増大してゆく過程で、高圧EGRから、大量EGRが可能な低圧EGRへと切り替える、即ち高圧EGR弁72を閉止して低圧EGR弁22を開放する必要がある。その際、高圧EGR弁72が完全に閉じてから低圧EGR弁22を開き始めるのではなく、高圧EGR弁72と低圧EGR弁22とがともに開いているオーバーラップ期間を設ける。
その上で、上記のオーバーラップ期間において、開いていたウェイストゲート弁44を一旦全閉または全閉に近い所定開度まで絞り、その後に再度開度を開く操作を行う。
図2に、制御装置たるECU6が加速過渡期に実行する処理の手順を示している。ECU6は、アイドル運転中またはアイドルに近い低負荷域から加速要求がなされたとき(ステップS1)、要求負荷の大きさに応じて高圧EGR弁72を開弁し、EGRを開始する(ステップS2)。そして、要求負荷がさらに大きくなり、高圧EGRから低圧EGRへと移行する必要が生じた暁には(ステップS3)、要求負荷の大きさに応じて高圧EGR弁72を徐々に閉弁する(ステップS4)とともに閉止していた低圧EGR弁22を徐々に開弁する(ステップS5)。同時に、開いていたウェイストゲート弁44を一時的に絞り(ステップS6)、高圧EGR弁72の開度が所定以下かつ低圧EGR弁22の開度が所定以上となった後、またはウェイストゲート弁44の開度を絞ってから所定時間経過した後に(ステップS7)ウェイストゲート弁44を再度開く(ステップS8)。
本実施形態では、排気通路4に設けられたタービン52と、吸気通路3に設けられ前記タービン52により駆動されるコンプレッサ51と、前記排気通路4における前記タービン51の上流側と前記吸気通路3における前記コンプレッサ51の下流側とを接続するEGR通路7にEGR弁72が設けられてなる高圧ループ式のEGR装置と、前記排気通路4における前記タービン52の上流側と下流側とを接続するバイパス通路43と、前記バイパス通路43に設けられ電気的に開度制御可能なバイパス弁44とを備えた内燃機関0を制御するものであって、平時に前記バイパス弁44を全閉せずに開いておき、加速する過渡期に当該バイパス弁44を一旦全閉または全閉に近い所定開度まで絞り、しかる後に当該バイパス弁44を再度開く操作を行う制御装置6を構成した。
本実施形態によれば、加速過渡期以外の平時に敢えて排気ガスの一部をバイパス通路43経由でタービン52を迂回させておき、加速要求時に高圧ループEGR装置のEGR弁72を開弁しつつバイパス通路43上のバイパス弁44を閉弁することとして、タービン52に流れ込む排気ガスの減少を補うことができる。従って、加速過渡期における過給圧の衰えを抑制でき、過渡応答を良化することが可能となる。
特に、前記排気通路4における前記タービン52の下流側と前記吸気通路3における前記コンプレッサ51の上流側とを接続するEGR通路2にEGR弁22が設けられてなる低圧ループ式のEGR装置をも備えた高圧ループEGR、低圧ループEGR併用の内燃機関0の制御において、高圧EGRから低圧EGRへと切り替える際に、低圧EGR通路2上のEGR弁22とともに高圧EGR通路7上のEGR弁72をも開弁する期間を設け、低圧EGRの遅れを高圧EGRによってカバーしながら、同時にバイパス弁44を全閉しまたは全閉近くまで絞ることで過給圧の衰えを抑制するため、吸気のEGR率を適正な目標EGR率に遅れなく追従させることができ、燃費の向上に資する。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。上記実施形態における制御対象の内燃機関は、低圧EGR装置及び高圧EGR装置を両備するものであったが、低圧EGR装置を備えず高圧EGR装置のみを備える内燃機関の制御についても、本発明を適用することができることは言うまでもない。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される過給機付きの内燃機関に適用することができる。
0…内燃機関
2…低圧EGR通路
22…低圧EGR弁
3…吸気通路
33…スロットル弁
35…吸気絞り弁
4…排気通路
5…排気ターボ過給機
51…コンプレッサ
52…タービン
6…制御装置(ECU)
7…高圧EGR通路
72…高圧EGR弁
2…低圧EGR通路
22…低圧EGR弁
3…吸気通路
33…スロットル弁
35…吸気絞り弁
4…排気通路
5…排気ターボ過給機
51…コンプレッサ
52…タービン
6…制御装置(ECU)
7…高圧EGR通路
72…高圧EGR弁
Claims (2)
- 排気通路に設けられたタービンと、
吸気通路に設けられ前記タービンにより駆動されるコンプレッサと、
前記排気通路における前記タービンの上流側と前記吸気通路における前記コンプレッサの下流側とを接続するEGR通路にEGR弁が設けられてなる高圧ループ式の排気ガス再循環装置と、
前記排気通路における前記タービンの上流側と下流側とを接続するバイパス通路と、
前記バイパス通路に設けられ電気的に開度制御可能なバイパス弁とを備えた内燃機関を制御する制御装置であって、
平時に前記バイパス弁を全閉せずに開いておき、加速する過渡期に当該バイパス弁を一旦全閉または全閉に近い所定開度まで絞り、しかる後に当該バイパス弁を再度開く操作を行うことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記内燃機関は、
前記排気通路における前記タービンの下流側と前記吸気通路における前記コンプレッサの上流側とを接続するEGR通路にEGR弁が設けられてなる低圧ループ式の排気ガス再循環装置をも備えており、
加速する過渡期に低圧ループ式排気ガス再循環装置のEGR弁とともに高圧ループ式排気ガス再循環装置のEGR弁をも開き、同時にバイパス弁を一旦全閉または全閉に近い所定開度まで絞る請求項1記載の内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011022667A JP2012163009A (ja) | 2011-02-04 | 2011-02-04 | 内燃機関の制御装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014114788A (ja) * | 2012-12-12 | 2014-06-26 | Mazda Motor Corp | ターボ過給エンジン |
JP2014190339A (ja) * | 2013-12-19 | 2014-10-06 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
-
2011
- 2011-02-04 JP JP2011022667A patent/JP2012163009A/ja not_active Withdrawn
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JP2014190339A (ja) * | 2013-12-19 | 2014-10-06 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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