JP2012163001A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】筒内圧センサによる測定データを用いて精度良く空燃比または/およびEGR率を計算することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】演算処理装置20が、筒内圧センサ5の出力に基づいて、上記列挙した燃焼状態量のうちから、空燃比またはEGR率についての感度が異なる少なくとも2種類の燃焼状態量を算出する。その一方で、算出対象とする少なくとも2種類の燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係を、予め実験等を行うことにより特定しておき、この関係を参照できるように演算処理装置20内のメモリに記憶しておく。次いで、演算処理装置20が、予め記憶した燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係に基づいて、算出した燃焼状態量の値から、筒内圧センサ5が取り付けられた気筒における空燃比または/およびEGR率を計算する。
【選択図】図6

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、筒内圧センサによる測定データを用いて各種制御を行う内燃機関の制御装置が知られている。例えば、特開平4−81557号公報に開示されているように、EGR装置を備えた内燃機関において、筒内圧センサの測定データから気筒における発生熱量を求めて、その発生熱量を監視して、EGR装置に関する制御の内容を設定する技術が知られている。
特開平4−81557号公報
内燃機関の各気筒の燃焼の状態を表す量(以下、「燃焼状態量」とも称す)として種々の量があり、筒内圧センサによればその種々の燃焼状態量を気筒ごとに測定することができる。このような筒内圧センサの測定データを内燃機関の制御に利用する技術の開発が進められている。そのなかの一つとして、筒内圧センサの測定データを用いて燃焼状態量としての発生熱量等を検出し、空燃比やEGR率の計算に役立てる技術の開発が行われてきている。筒内圧センサの測定データを利用した空燃比等の高精度な検出手法が確立できれば、筒内圧センサが設けられた内燃機関において、各気筒の燃焼に関する情報を個別かつ正確に把握することができるようになる。
筒内圧センサの測定データを用いる空燃比やEGRに関する計算においては、例えば燃焼状態量の1つである発生熱量を筒内圧センサの測定データとして求めたうえで、この発生熱量に含まれる種々の影響(例えば、燃料性状、水温、EGR等)を補正しながら、空燃比を検出するといった手法が考えられる。その補正を行うにあたっては、例えば、発生熱量に対してEGR率(EGR濃度、EGRガスの量)が影響を及ぼす点を考慮して、燃焼速度を用いてEGR率を検出しこのEGR率から発生熱量を補正することにより最終的に空燃比を計算するという手法が考えられる。この手法のように、空燃比やEGR率といった算出対象の値を精度良く計算するためには、筒内圧センサの測定データとして得た燃焼状態量に含まれる各種影響の補正を行うことが好ましい。
上記のごとく筒内圧センサから得た燃焼状態量を利用して空燃比等の算出、補正を行うに当たって、留意しなければならない点がある。すなわち、例えば燃焼状態量の1つに挙げられる燃焼速度は、EGRからの影響のみならず空燃比からも影響を受ける。燃焼速度以外の燃焼状態量についても、空燃比に影響を受ける燃焼状態量は、空燃比のみならずEGRの影響をも受けてしまう。それらの複数の影響が燃焼状態量に作用することを無視しては、良好な精度での空燃比、EGR率等の計算は困難である。また、補正を試みたとしても、空燃比およびEGRの双方の影響を受ける燃焼状態量を用いるのであれば、1つの燃焼状態量に対する空燃比やEGR率の影響を他の燃焼状態量を利用して補正する補正手法は成り立たない。従来の技術水準においては、筒内圧センサ測定データを用いた空燃比やEGR率の計算について、上記のような事情が考慮された計算手法が見出されていなかった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、筒内圧センサによる測定データを用いて精度良く空燃比または/およびEGR率を計算することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
少なくとも1つの気筒に筒内圧センサが取り付けられている内燃機関の制御装置であって、
前記筒内圧センサが取り付けられた前記気筒の燃焼の状態を表す量である燃焼状態量のうち空燃比またはEGR率についての感度が異なる少なくとも2種類の燃焼状態量を、前記筒内圧センサの出力に基づいて算出する算出手段と、
前記少なくとも2種類の燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係に基づいて、前記算出手段で算出された前記燃焼状態量の値から前記筒内圧センサが取り付けられた前記気筒における空燃比または/およびEGR率を計算する計算手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記少なくとも2種類の前記燃焼状態量は、前記少なくとも1つの前記気筒における発生熱量又は熱発生量と相関を有するパラメータである発生熱量関連パラメータと、前記少なくとも1つの前記気筒における燃焼速度と、を含むことを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記計算手段で計算された前記空燃比に基づいて、前記気筒について設けられた燃料噴射弁の燃料噴射量を算出する噴射量算出手段を備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れか1つにおいて、
前記内燃機関は複数の気筒を備え、かつ前記複数の気筒のうち少なくとも2つの気筒に対して筒内圧センサが取り付けられており、
前記算出手段は、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれについて、前記2種類の前記燃焼状態量を算出する気筒毎算出手段を含み、
前記計算手段は、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれについてEGR率を算出する気筒毎EGR率計算手段を含み、
前記少なくとも2つの気筒のそれぞれについて前記気筒毎EGR率計算手段で算出された前記EGR率の相違に基づいて、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれの制御内容の算定を行い又は算定された制御内容の補正を行う気筒毎制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、
前記内燃機関は、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれについて設けられかつ互いに異なる燃料噴射量を設定可能な複数の燃料噴射弁を備え、
前記気筒毎制御手段が、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれについての前記燃料噴射弁の燃料噴射量を、前記気筒毎EGR率計算手段で算出された前記EGR率の相違に基づいて設定する設定手段を含むことを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れか1つにおいて、
前記内燃機関は複数の気筒を備え、かつ前記複数の気筒のうち少なくとも2つの気筒に対して筒内圧センサが取り付けられており、
前記算出手段は、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれについて、前記2種類の前記燃焼状態量を算出する気筒毎算出手段を含み、
前記計算手段は、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれについてEGR率を算出する気筒毎EGR率計算手段を含み、
前記内燃機関の排気通路に排気側端部が接続し、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれの吸気通路にそれぞれ接続する複数の吸気側端部を備えるEGR分配通路と、
前記少なくとも2つの気筒それぞれについて前記気筒毎EGR率計算手段で計算された前記EGR率に基づいて、前記EGR分配通路における異常を検出する検出手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第7の発明は、第1乃至第6の発明の何れか1つにおいて、
前記計算手段は、
前記少なくとも2種類の燃焼状態量のうち一つを第1燃焼状態量とし、空燃比とEGR率の少なくとも一方について前記第1燃焼状態量とは異なる感度を有する燃焼状態量を第2燃焼状態量とした場合において、
前記第1燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係を定めた第1の式と、前記第2燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係を定めた第2の式と、を記憶した記憶手段と、
前記第1の式および前記第2の式の連立方程式の解を、前記空燃比または/および前記EGR率として計算する手段と、
を含むことを特徴とする。
本願発明者は、複数種類の燃焼状態量が空燃比やEGR率の変化に対して異なる感度を有するという点を見出し、さらに、この感度の相違を空燃比やEGR率の計算に利用するという技術を見出した。第1の発明によれば、空燃比やEGR率についての感度が相違する複数の燃焼状態量の存在に着目し、その複数の燃焼状態量と空燃比、EGR率との間の関係を利用することにより、筒内圧センサの出力から空燃比やEGR率を精度良く求めることができる。
第2の発明によれば、熱発生量等および燃焼速度という比較的感度の相違が大きいと認められる2つの燃焼状態量を利用することによって、筒内圧センサの出力から空燃比やEGR率を精度良く求めることができる。
第3の発明によれば、筒内圧センサの測定データから把握した気筒の燃焼状態に応じて、燃料噴射量を内燃機関制御上の適切量に精度良く設定することができる。
第4の発明によれば、気筒毎EGR率計算手段により気筒毎のEGR率を求めることにより、制御内容を気筒毎に適正化することができる。
第5の発明によれば、気筒毎EGR率計算手段により気筒毎のEGR率を求めることにより、燃料噴射量を気筒毎に適正化することができる。
第6の発明によれば、気筒毎EGR率計算手段により気筒毎のEGR率を求めることにより、その気筒毎のEGR率がどのように分配されているのかに基づいて、EGR分配通路を介したEGRの分配についての異常検出を行うことができる。
第7の発明によれば、感度の相違を把握して特定した相関を予め数式の形で記憶しておくことにより、この数式に従って計算を行うことにより空燃比または/およびEGR率を求めることができる。
本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置の構成を、これが適用される内燃機関の構成とともに示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置の動作について説明するための図である。 本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置の動作について説明するための図である。 本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置の動作について説明するための図である。 本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置の動作について説明するための図である。 本発明の実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置において演算処理装置が実行するルーチンのフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置の構成を、これが適用される内燃機関(以下、単にエンジンという)の構成とともに示す図である。車両等の移動体に搭載される内燃機関に好適に用いることができる。図1に示すエンジンは、スパークプラグ6を備えた火花点火式の4ストロークレシプロエンジンである。また、筒内に燃料を直接噴射する燃料直噴インジェクタ7を備えた筒内直噴エンジンでもある。図1では1つの気筒のみが描かれているが、一般的な車両用のエンジンは複数の気筒から構成されている。そのうち少なくとも1つの気筒には筒内圧を測定するための筒内圧センサ5が取り付けられており、本実施形態では好ましい形態として複数の気筒すべてに対してそれぞれ筒内圧センサ5が取り付けられているものとする。
また、このエンジンには、クランク軸の回転角に応じて信号を出力するクランク角度センサ8と、ノックの発生を検出するためのノックセンサ9とが取り付けられている。クランク角度センサ8の信号CAからは、エンジン回転数(単位時間当たり回転数)や、ピストンの位置によって決まる筒内容積を計算することができる。気筒に接続された吸気通路の入口にはエアクリーナ1が設けられ、エアクリーナ1の下流にスロットルバルブ2が配置されている。スロットルバルブ2の下流にはサージタンク4が設けられていて、サージタンク4には吸気圧を測定するための吸気圧センサ3が取り付けられている。
一方、気筒に接続された排気通路には2つの触媒10,11が配置されている。また、このエンジンの排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路にはEGRクーラ13とEGRバルブ12とが設けられている。EGRクーラ13にはその冷却水温を測定するための水温センサ14が取り付けられている。また、このエンジンは制御装置としての演算処理装置20を備えている。演算処理装置20は各センサ3,5,8,9,14からの信号を処理し、その処理結果を各アクチュエータ2,6,7,12の操作に反映させている。
図2は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置の動作について説明するための図であり、空燃比に対する各燃焼状態量(燃焼の状態を表す量)の感度(Sensitivity)を示す図である。図2には、(i)Pmax(最大筒内圧)、(ii)Ingition Delay(着火遅れ)、(iii)Heat Release(発生熱量)、(iv)Combustion Speed(燃焼速度)、(v)Specific Heat Ratio(比熱比)という5つの燃焼状態量についての感度の相違が示されている。
図2における上段には、空燃比A/Fが14.6から13へと変化した場合、つまりストイキからリッチへと変化した場合における感度が示されている。この場合、例えば、(iv)Combustion Speed(燃焼速度)は、他の燃焼状態量との比較では、相対的に、空燃比のリッチ側変化に対する感度が高いという結果が示されている。
図2における下段には、空燃比A/Fが14.6から18へと変化した場合、つまりストイキからリーンへと変化した場合における感度が示されている。この場合、例えば、(iii)Ingition Delay(着火遅れ)は、他の燃焼状態量との比較では、相対的に、空燃比のリーン側変化に対する感度が高いという結果が示されている。
図2における上段と下段とを合わせて観察すると、例えば(iii)Heat Release(発生熱量)および(iv)Combustion Speed(燃焼速度)はともに、空燃比のリッチ側変化およびリーン側変化について比較的高い感度を示すことがわかる。
図3および図4は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置の動作について説明するための図であり、EGRに対する各燃焼状態量(燃焼の状態を表す量)の感度(Sensitivity)を示す図である。図3には、図2と同様に(i)〜(v)の5つの燃焼状態量についての感度の相違が示されている。
図3によれば、EGRに対して、(iv)Combustion Speed(燃焼速度)が相対的に高い感度を示し、(ii)Ingition Delay(着火遅れ)もそれに続いて高い感度を示していることがわかる。
図3からは、図4において矢印で示すように、EGRに対する感度が各燃焼状態量ごとに相違していること、特に、(i)Pmax(最大筒内圧)および(ii)Ingition Delay(着火遅れ)と、(iii)Heat Release(発生熱量)および(iv)Combustion Speed(燃焼速度)との間で、感度の相違が顕著に認められる。
なお、図2乃至図4において、5つの燃焼状態量を列挙しているが、本実施形態では、それらのうち(i)Pmax(最大筒内圧)および(ii)Ingition Delay(着火遅れ)をGroup(1)として、(iii)Heat Release(発生熱量)、(iv)Combustion Speed(燃焼速度)および(v)Specific Heat Ratio(比熱比)をGroup(2)として分類している。
図2乃至図4を用いて説明したように、本願発明者は、複数種類の燃焼状態量が空燃比やEGR率の変化に対して異なる感度を有するという点を見出した。本願発明者は、さらに、この感度の相違を、空燃比やEGR率の計算に利用するという技術を見出した。なお、ここでいうEGR率とは、EGRガスの筒内ガスに対する比率を意味する。
すなわち、演算処理装置20が、筒内圧センサ5の出力に基づいて、上記列挙した燃焼状態量のうちから、空燃比またはEGR率についての感度が異なる少なくとも2種類の燃焼状態量を算出する。また、その一方で、算出対象とする少なくとも2種類の燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係を、予め実験等を行うことにより特定しておき、この関係を参照できるように演算処理装置20内のメモリに記憶しておく。次いで、演算処理装置20が、予め記憶した燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係に基づいて、算出した燃焼状態量の値から、筒内圧センサ5が取り付けられた気筒における空燃比または/およびEGR率を計算する。
より具体的に述べれば、算出対象とする少なくとも2種類の燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の相関関係を、数式(例えば連立方程式)として整理したうえで、演算処理装置20に記憶してもよい。この数式に対して、筒内圧センサ5の出力に基づき計測データとして求めた燃焼状態量を代入し、その解を求めることによって、空燃比または/およびEGR率を計算してもよい。
この手法によれば、空燃比やEGR率についての感度が相違する複数の燃焼状態量の存在に着目し、その複数の燃焼状態量と空燃比、EGR率との間の関係を利用することにより、筒内圧センサの出力から空燃比やEGR率を精度良く求めることができる。
なお、実施の形態1においては、上記の計算結果のうち、特に空燃比の計算結果に基づいて燃料直噴インジェクタ7の燃料噴射量を決定するものとする。
図5は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置における実施例を説明するための図である。以下、図5を用いて、上述した実施の形態1における計算手法を実際に内燃機関の制御装置に適用する場合の実施例の1つを、具体的に説明する。この実施例では、「空燃比またはEGRに対する感度が異なる少なくとも2種類の燃焼状態量」として、発生熱量および燃焼速度という2つの燃焼状態量を選択している。
先ず、熱発生量と燃焼速度について、空燃比とEGRに対する相関関係を予め把握する。具体的には、図5に示すように、熱発生量と空燃比の関係、熱発生量とEGRとの関係、燃焼速度と空燃比との関係、燃焼速度とEGRとの関係について、それぞれ計測或いは計算による検討をしておく。この実施例では、エンジン回転数NEについて1200rpmと2000rpmの2つの条件を設定し、吸入空気量GAについて10g/sと20g/sの2つの条件を設定している。これらの組み合わせにより、図5に示すように3つのエンジン回転数・吸入空気量の条件を設定して、各関係について検討を行っている。
図5に示すごとき検討を行って、空燃比、EGR、熱発生量、および燃焼速度の間にある相関関係を把握して数式(相関式)にまとめることにより、本願発明者は下記の式を導出した。
Figure 2012163001
但し、上記の式において、「Q」は熱発生量であり、「ηc」は充填効率であり、「AF」は空燃比であり、「EGR」はEGR率であり、「CS」は燃焼速度であり、「NE」はエンジン回転数であり、「Pθcomp」は圧縮圧である。α〜αは、把握した相関関係に基づいて定めた所定の係数である。
上記の式の連立解として得られる空燃比AFとEGR率とを、筒内圧センサ5が測定する気筒における空燃比とEGR率の検出値として取り扱うことができる。
以上説明した実施の形態1にかかる上記実施例によれば、熱発生量等および燃焼速度という比較的感度の相違が大きいと認められる2つの燃焼状態量を利用することによって、筒内圧センサ5の出力から空燃比やEGR率を精度良く求めることができる。
特に、実施の形態1によれば、筒内圧センサ5の測定データを用いているので筒内の燃焼状態に基づいてリアルタイムでのA/F制御が可能となる。この点は、既存の排気によるA/F制御(排気空燃比を空燃比センサで検出することによるA/F制御)では得られない優れた特徴である。
また、実施の形態1によれば、筒内圧センサの測定データから把握した気筒の燃焼状態に応じて、燃料噴射量を、内燃機関制御上の適切量に精度良く設定することができる。
なお、上記の実施の形態1において、エンジンの複数の気筒にそれぞれ取り付けられた筒内圧センサ5に基づいて、それら複数の気筒について、気筒毎に空燃比を求めたり、EGR率を求めたりしてもよい。その場合には、演算処理装置20は、各気筒について、2種類の燃焼状態量(例えば上記実施例のように発生熱量と燃焼速度)を算出し、さらに、各気筒のそれぞれについて空燃比やEGR率を算出してもよい。
さらに、各気筒について算出されたEGR率の相違に基づいて、各気筒のそれぞれの制御内容の算定を行ったり、または既に算定された制御内容の補正を行ったりしてもよい。これにより、気筒毎のEGR率を求めて、内燃機関の制御内容を適正化することができる。
具体的には、例えば、演算処理装置20が、各気筒の燃料直噴インジェクタ7のそれぞれの燃料噴射量を、EGR率の相違に基づいて設定してもよい。これによれば、気筒毎のEGR率を求めて、燃料噴射量を気筒毎に適正化することができる。
なお、上述した実施の形態1の実施例では、発生熱量および燃焼速度という2種類の燃焼状態量を用いた。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。発生熱量および燃焼速度という組に限られず、「空燃比またはEGRに対する感度が異なる燃焼状態量」のなかから少なくとも2種類の燃焼状態量を選択して、上述した実施例において発生熱量および燃焼速度について行ったのと同様の手法、つまり、相関関係の把握およびその相関を数式等にまとめて演算処理装置20に記憶して筒内圧センサ5の出力値から計算を行うようにしてもよい。図2乃至図4で挙げたように、少なくとも、(i)Pmax(最大筒内圧)、(ii)Ingition Delay(着火遅れ)、(iii)Heat Release(発生熱量)、(iv)Combustion Speed(燃焼速度)、(v)Specific Heat Ratio(比熱比)という5つの燃焼状態量について、空燃比またはEGRに対する感度の相違が認められる。これらのなかから適宜に少なくとも2種類の燃焼状態量を選択して実施の形態1の実施例と同様の手法を適用してもよい。
なお、熱発生量そのものに代えて、熱発生量と相関を有するパラメータ(発生熱量関連パラメータ)を用いても良い。熱発生量関連パラメータとしては、例えば、「PVκ」が知られている。すなわち、クランク角度がθであるタイミングに筒内圧センサ50により検出あるいは推定される筒内圧力をP(θ)とし、クランク角度がθであるタイミング(当該筒内圧力P(θ)の検出時あるいは推定時)の筒内容積をV(θ)とし、比熱比をκとする。「PVκ」とは、この筒内圧力P(θ)と、筒内容積V(θ)を比熱比(所定の指数)κで累乗した値V(θ)との積値P(θ)・Vκ(θ)である。このPVκも、気筒内で発生する熱量を反映する状態量である。
なお、現在の技術水準において構築されているEGR検出手法は、吸気圧とEGRバルブ開度からの推定を行うなどのようにあくまでも限定された環境下で得られたデータからEGR率等を推定する技術(推定モデル)に留まっている。このようなEGR検出手法は、機差ばらつきやデポジット堆積などの影響で検出精度が担保されなくなってしまうという欠点を有している。また、このようなEGR検出手法では、気筒毎のEGR率を検出することは困難である。
この点、実施の形態1にかかる計算手法によれば、空燃比とEGRによって決定される燃焼状態を筒内圧センサにより直接に検出することができる。このため、従来構築されているEGR検出手法と比べて、機差ばらつきやデポジットの影響を受けることなしに、精度良くEGR率および空燃比を検出することができる。また、既に説明したように、気筒毎のEGR率および空燃比を検出することもできる。
さらに、上記の実施の形態1にかかる構成は、筒内圧センサ5の計測データのみから、空燃比およびEGR量を精度良く求めることができるという特徴も有している。つまり、空燃比センサ、吸気圧センサ3、エアフローメータ、EGR弁開度などの情報を用いなくとも、筒内圧センサ5の計測データのみから空燃比およびEGR量を精度良く求めることができる。但し、それらの情報を用いて補正演算などを行うことで一層精度良くEGR率や空燃比を求めてもよく、その様な実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置について説明する。実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置およびこれが適用される内燃機関(エンジン)のハードウェア構成は、実施の形態1のハードウェア構成と同様である。以下、重複を避けるために、実施の形態1で述べた構成と同一あるいは相当する構成には同じ符号を付して説明をし、適宜に説明を省略ないしは簡略化する。
実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置は、上記の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置に搭載された気筒別の空燃比、EGR率の計算機能を、「燃料噴射量算出」および「EGRに関する故障検出」に利用するものである。
(燃料噴射量算出)
以下、実施の形態2における燃料噴射量に関する制御内容を説明する。先ず、実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置においても、演算処理装置20が、実施の形態1にかかる空燃比およびEGR率の計算手法を用いて、各気筒のEGR率を算出する。実施の形態2においては、この算出した各気筒のEGR率に基づいて、各気筒にそれぞれ導入されるEGRのばらつき(分配特性)を把握した上で、「各気筒の新気量」を算出する。このようにして精度良く算出された各気筒の新気量に応じて、燃料直噴インジェクタ7についての最適な基本燃料噴射量を設定するものとする。
さらに、実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置において、演算処理装置20は、実施の形態1にかかる空燃比およびEGR率の計算手法を用いて各気筒の空燃比を算出する。その上で、「各気筒の空燃比と目標空燃比との間の偏差」および上記で算出した「各気筒の新気量」に基づいて、各気筒の燃料噴射量についてそれぞれ補正量を設定するものとする。
(EGRに関する故障検出)
実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置では、以下に述べる2種類の故障検出が行われる。
第1の故障検出として、EGR分配通路における分配異常の検出が行われる。すなわち、実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置では、演算処理装置20が、まず、気筒毎のEGR率を比較することで「各気筒のEGR率のばらつき」を求める。このばらつきが予め設定した許容範囲以上のばらつきを有している場合には、EGR分配通路において分配異常が生じていると判定するものとする。
第2の故障検出として、EGR通路についての異常検出が行われる。すなわち、実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置では、演算処理装置20が、まず、実施の形態1にかかる構成によって算出された気筒毎のEGR率と、各気筒の圧縮圧から算出される各気筒の吸入ガス量とから、各気筒に流入したEGR流量を算出する。次いで、演算処理装置20が、全気筒のEGR流量(各気筒のEGR量の合計値)とEGRバルブ開度との間の相関が、予め設定した所定範囲から外れているか否かを判定する。この判定は、例えば、EGRバルブ開度に応じた全気筒のEGR流量の値が正常な範囲内に収まっているかどうかを、予め定めたいくつかのEGRバルブ開度について診断することにより行えばよい。この相関が予め設定した所定範囲から外れている場合には、EGRバルブ12またはEGR通路における分配位置より上流の通路部に異常があると判定する。
図6は、本発明の実施の形態2にかかる内燃機関の制御装置において演算処理装置20が実行するルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、所定周期時間毎に繰り返し実行されるものとする。
図6に示すルーチンでは、先ず、演算処理装置20が、気筒内に導入された新気量・EGR量を検出する処理を実行する(ステップS100)。このステップでは、先ず、吸気圧センサ3の出力値や筒内圧センサ5の出力値など必要なセンサ値が取得され、演算処理装置20上において、実施の形態1で既に説明した空燃比およびEGR率の計算処理が実行される。
次に、演算処理装置20が、気筒別のEGR流入特性を把握するための処理を実行する(ステップS102)。
このステップでは、具体的には、ステップS100で得られたEGR率の値(検出値)から、各気筒へのEGRの分配特性(各気筒のうちどの気筒で相対的にEGR量が多くなりがちであるとか、逆に、どの気筒では相対的にEGR量が少なくなりがちであるか等の傾向)を把握するための処理を実行する。把握した分配特性を利用して、燃料噴射弁(本実施形態においては燃料直噴インジェクタ7)の噴射量の決定の際に次のサイクルでの各気筒のEGR率を予測する。ステップS102における具体的手法として、次に掲げる手法(A1)乃至(A4)の1つ以上を適用することができる。
(A1)演算処理装置20が、各運転条件下における各気筒のEGR率を学習値としてRAM(記憶装置)に保存する処理を実行する。
(A2)演算処理装置20が、全運転条件での気筒間におけるEGR率の比を算出して記憶し、この比と同様の比となる前提で各運転条件についてEGR率を推定する処理を実行する。
(A3)演算処理装置20が、各運転条件で予測されるEGR率と、各気筒のEGR率の比を全運転条件で平均した値をRAMに保存し、次回の予測EGR率に各気筒の比のRAM保存値を積算して各気筒のEGR率を推定する処理を実行する。
(A4)演算処理装置20が、各運転条件で予測されるEGR率と各気筒のEGR率の比を全運転条件で平均した値からEGR分配通路(分配配管)の開口面積を算出し、算出した値をRAMに保存する処理を実行する。
なお、「EGR分配通路」とは、排気通路からのEGRガスが各気筒へと分配される通路を指し、「EGR通路がエンジンの排気通路および吸気通路と接続し、このEGR通路が各気筒の吸気ポートを介して各気筒内へと連通するまでの一連の分配通路」を含む。つまり、EGR分配通路の具体的構成としては、「EGR通路自体が吸気通路の一部(例えばサージタンク、吸気マニホールド)と連通する一本の通路であり、その連通位置の下流で各気筒へと分配される構成」も含まれ、また、「EGR通路自体が枝分かれした部分を有し、その枝分かれの部分がそれぞれの気筒の所定吸気通路位置にそれぞれ連通している構成」も含まれる。
次に、演算処理装置20が、気筒別の推定EGR率(先読み値)から気筒別の新気量を推定する処理を実行する(ステップS104)。
このステップは、次回に各気筒に導入される新気量を推定した上で、気筒毎の適切な燃料噴射量を決定することを目的としている。このステップでは、具体的には、下記の2つの手法のいずれかを適用することにより、気筒別の新気量を推定するものとする。
(B1)上記の(A1)乃至(A3)のいずれかの計算処理(推定演算処理)によって各気筒のEGR率を求めたうえで、この各気筒のEGR率に予測流入総ガス量を乗ずることにより、各気筒の新気量を求めることができる。予測流入総ガス量は、吸気圧センサ3の測定データあるいはエアモデルを用いて求める。
(B2)上記の(A4)の計算処理(推定演算処理)により求めた、EGR分配配管における個々の配管の開口面積から、EGR流入量を算出すると同時に新気量を算出する。これはエアモデルの手法を応用したものである。
次に、演算処理装置20が、気筒別の新気量と目標空燃比から、基本噴射量Qbを算出する処理を実行するする処理を実行する(ステップS106)。
また、ステップS104の処理の実行後、ステップS106の処理とは別に、演算処理装置20が、検出した気筒別空燃比と目標空燃比の偏差、および上記新気量から、噴射量補正値Qdを算出する処理を実行する(ステップS108)。なお、気筒別空燃比は、ステップS102、S104における気筒別のEGR率、気筒別の新気量、および各気筒の燃料噴射量などの情報から求めることができる。
次いで、演算処理装置20が、ステップS106の処理で算出した基本噴射量QbとステップS108で算出した噴射量補正値Qdとの合計を、最終噴射量として算出する処理を実行する(ステップS110)。その後、処理はリターンする。
以上のステップS100、S102、S104、S106、S108およびS110の一連の処理によって、気筒別の燃料噴射量の適正化を行うことができる。
一方、図6のルーチンでは、ステップS100の処理の後、ステップS102の処理とは別に、演算処理装置20が、全気筒のEGR総量(検出値)を算出する処理を実行する(ステップS120)。
次に、演算処理装置20が、EGR開度とエンジン条件とから予想されるEGR量推定値を算出する処理を実行する(ステップS122)。このステップでは、例えば、EGRバルブ12の開度およびエンジン運転条件とに応じてEGR量の推定値を算出する処理(予め記憶したマップ参照或いは数式に従った計算)を演算処理装置20に行わせればよい。
次に、演算処理装置20が、ステップS120のEGR総量の検出値とステップS122のEGR量推定値との間の乖離が所定値より大きいか否かを判定する処理を実行する(ステップS124)。このステップにおける判定結果がNoである場合には、EGR総量検出値とEGR量推定値との乖離は適正範囲にあると判断することができる。このため、処理はリターンする。
一方、ステップS124における判定結果がYesである場合には、EGR総量検出値とEGR量推定値との乖離は適正な範囲を超えていると判断することができる。この場合には、演算処理装置20が、EGRバルブ12もしくは分配前のEGR通路の構成(例えば、EGRクーラ13や、図示しないEGR触媒が取り付けられている場合にはこのEGR触媒も含む)に、異常が発生しているとの判定を下す処理を実行する(ステップS126)。このステップにおいて、例えばエンジンの制御処理内容に種々の対応措置を取ったり、或いは、外部への報知(例えば警告ランプ点灯等)を行っても良い。
以上のステップS100、S120、S122、S124、およびS126の一連の処理によって、EGR分配通路に異常が発生しているか否かの判定(つまり故障検出)を行うことができる。
また、図6のルーチンでは、ステップS100の後、ステップS102およびS120の処理とは別に、演算処理装置20が、各気筒のEGR率のばらつき度合を算出する処理を実行する(ステップS130)。このステップでは、例えば、各気筒のEGR率の値を用いて、標準偏差を求めたり、平均値に対する各EGR率の乖離の度合(大きさ)を求める。
次に、演算処理装置20が、ステップS130で求めたばらつき度合が、所定ばらつき度合よりも大きいか否かを判定する処理を実行する(ステップS132)。このステップでは、ステップS130との関係で、標準偏差や、平均値との乖離の大きさが、予め定めた範囲以内に収まっているかを判定する。なお、上記以外の統計的ばらつき評価手法を採用しても良く、例えば分散が所定範囲内にあるか否かを判定しても良い。
ステップS132の判定結果がNoである場合には、ばらつき度合が所定ばらつき度合以内に収まっていると判断することができる。そこで、この場合には、図6のルーチンでは、演算処理装置20は今回のルーチンを終了する。
一方、ステップS132の判定結果がYesである場合には、ばらつき度合が所定ばらつき度合よりも大きいと判断することができる。この場合には、図6のルーチンでは、演算処理装置20が、分配後のEGR通路に異常が発生していると判定する処理を実行する(ステップS134)。その後、今回のルーチンを終了する。
以上のステップS100、S130、S132およびS134の一連の処理によって、EGR分配通路において、分配のばらつき異常が発生しているか否かの判定(つまり故障検出)を行うことができる。
なお、図6のルーチンにおける、「ステップS100、S102、S104、S106、S108およびS110の一連の処理」と、「ステップS100、S120、S122、S124、およびS126の一連の処理」と、「ステップS100、S130、S132およびS134の一連の処理」とは、必ずしも全てを実行しなくてもよい。それら3つの一連の処理のうち、1つのみ又は2つのみを演算処理装置20に実行させても良い。
1 エアクリーナ
2 スロットルバルブ
3 吸気圧センサ
4 サージタンク
5 筒内圧センサ
6 スパークプラグ
7 燃料直噴インジェクタ
8 クランク角センサ
9 ノックセンサ
10,11 触媒
12 EGRバルブ
13 EGRクーラ
14 水温センサ
20 演算処理装置

Claims (7)

  1. 少なくとも1つの気筒に筒内圧センサが取り付けられている内燃機関の制御装置であって、
    前記筒内圧センサが取り付けられた前記気筒の燃焼の状態を表す量である燃焼状態量のうち空燃比またはEGR率についての感度が異なる少なくとも2種類の燃焼状態量を、前記筒内圧センサの出力に基づいて算出する算出手段と、
    前記少なくとも2種類の燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係に基づいて、前記算出手段で算出された前記燃焼状態量の値から前記筒内圧センサが取り付けられた前記気筒における空燃比または/およびEGR率を計算する計算手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記少なくとも2種類の前記燃焼状態量は、前記少なくとも1つの前記気筒における発生熱量又は熱発生量と相関を有するパラメータである発生熱量関連パラメータと、前記少なくとも1つの前記気筒における燃焼速度と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記計算手段で計算された前記空燃比に基づいて、前記気筒について設けられた燃料噴射弁の燃料噴射量を算出する噴射量算出手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記内燃機関は複数の気筒を備え、かつ前記複数の気筒のうち少なくとも2つの気筒に対して筒内圧センサが取り付けられており、
    前記算出手段は、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれについて、前記2種類の前記燃焼状態量を算出する気筒毎算出手段を含み、
    前記計算手段は、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれについてEGR率を算出する気筒毎EGR率計算手段を含み、
    前記少なくとも2つの気筒のそれぞれについて前記気筒毎EGR率計算手段で算出された前記EGR率の相違に基づいて、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれの制御内容の算定を行い又は算定された制御内容の補正を行う気筒毎制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記内燃機関は、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれについて設けられかつ互いに異なる燃料噴射量を設定可能な複数の燃料噴射弁を備え、
    前記気筒毎制御手段が、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれについての前記燃料噴射弁の燃料噴射量を、前記気筒毎EGR率計算手段で算出された前記EGR率の相違に基づいて設定する設定手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記内燃機関は複数の気筒を備え、かつ前記複数の気筒のうち少なくとも2つの気筒に対して筒内圧センサが取り付けられており、
    前記算出手段は、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれについて、前記2種類の前記燃焼状態量を算出する気筒毎算出手段を含み、
    前記計算手段は、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれについてEGR率を算出する気筒毎EGR率計算手段を含み、
    前記内燃機関の排気通路に排気側端部が接続し、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれの吸気通路にそれぞれ接続する複数の吸気側端部を備えるEGR分配通路と、
    前記少なくとも2つの気筒それぞれについて前記気筒毎EGR率計算手段で計算された前記EGR率に基づいて、前記EGR分配通路における異常を検出する検出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記計算手段は、
    前記少なくとも2種類の燃焼状態量のうち一つを第1燃焼状態量とし、空燃比とEGR率の少なくとも一方について前記第1燃焼状態量とは異なる感度を有する燃焼状態量を第2燃焼状態量とした場合において、
    前記第1燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係を定めた第1の式と、前記第2燃焼状態量と空燃比およびEGR率との間の関係を定めた第2の式と、を記憶した記憶手段と、
    前記第1の式および前記第2の式の連立方程式の解を、前記空燃比または/および前記EGR率として計算する手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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