JP2012158304A - 剛体ボックス及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】剛体ボックス1は、車両衝突時における衝突荷重を受けて、車両における所定のスペースを維持するために用いる。剛体ボックス1は、互いに平行に配置した一対の平行プレート部2と、一対の平行プレート部2の間において一対の平行プレート部2に対して垂直に配置した垂直プレート部3とを備えている。一対の平行プレート部2の内側面201と垂直プレート部3の端面301とは、垂直プレート部3の端面301の伸びる方向の複数箇所において局所的に溶融させて接合されている。剛体ボックス1は、一対の平行プレート部2の外側面202に加わる衝突荷重を、垂直プレート部3によって受け止めることにより、所定のスペースを維持するよう構成してある。
【選択図】図1
Description
また、車両の構成部品において、スポット溶接を行う以外に、加圧力を加えて接触部分の抵抗溶接を行ったものとしては、例えば、特許文献1、2に開示されたものがある。
互いに平行に配置した一対の平行プレート部と、
該一対の平行プレート部の間において該一対の平行プレート部に対して垂直に配置して、該一対の平行プレート部の間隔を複数箇所において維持する垂直プレート部とを備えており、
上記一対の平行プレート部の内側面と上記垂直プレート部の端面とを、該垂直プレート部の端面の長手方向の複数箇所において局所的に溶融させて接合しており、
上記一対の平行プレート部の外側面に加わる上記衝突荷重を、上記垂直プレート部によって受け止めることにより、上記所定のスペースを維持するよう構成してあることを特徴とする剛体ボックスにある(請求項1)。
上記一対の平行プレート部を互いに平行に配置するとともに、上記垂直プレート部を、上記一対の平行プレート部の間に該一対の平行プレート部に対して垂直に配置し、
上記一対の平行プレート部の外側面に配置した一対の電極から、荷重を加えるとともに上記一対の平行プレート部及び上記垂直プレート部に通電を行い、上記一対の平行プレート部の内側面と上記垂直プレート部の端面との接触部分の全体を同時に溶融させて、上記一対の平行プレート部と上記垂直プレート部とを接合することを特徴とする剛体ボックスの製造方法にある(請求項6)。
これにより、一対の平行プレート部と垂直プレート部との接合を、一対の電極を互いに接近させる1ストロークの動作によって1回で行うことができ、剛体ボックスの生産性を飛躍的に向上させることができる。
それ故、第2の発明の剛体ボックスの製造方法によれば、耐荷重に優れた剛体ボックスを極めて短時間に製造することができる。
第1の発明において、上記剛体ボックスは、上記一対の平行プレート部を上記車両の左右方向に位置させて、該車両のボディにおける運転席と助手席との間に位置するコンソールボックスの下方に配置し、上記所定のスペースとしての上記運転席と上記助手席との間のスペースを維持するよう構成することが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記耐荷重に優れた剛体ボックスによって、運転席と助手席との間のスペースを維持して、車両衝突時に、運転席に着座した乗員と助手席に着座した乗員との接近を防いで、これらの乗員を保護することができる。
この場合には、車両衝突時に、剛体ボックスによって電池が破損しないよう保護することができる。
この場合には、垂直プレート部を蛇行形状に加工することにより、その加工が容易であり、垂直プレート部の端面が、一対の平行プレート部の内側面に対する複数箇所に接触する状態を容易に形成することができる。
この場合には、一対の平行プレート部の内側面と垂直プレート部の端面とを、容易に局所的に溶融させて接合することができる。
本例の剛体ボックス1は、図7に示すごとく、車両衝突時における衝突荷重を受けて、車両4における所定のスペースSを維持するために用いる。剛体ボックス1は、図1に示すごとく、互いに平行に配置した一対の平行プレート部2と、一対の平行プレート部2の間において一対の平行プレート部2に対して垂直に配置した垂直プレート部3とを備えている。垂直プレート部3は、一対の平行プレート部2の間隔を複数箇所において維持するよう構成されている。
図7には、本例の剛体ボックス1を、車両4のフロアに設置した状態を、車両4の前後方向から見た断面にして示す。同図に示すごとく、本例の剛体ボックス1は、一対の平行プレート部2を車両4の左右方向Wに位置させて、車両4のボディにおける運転席Dと助手席Nとの間に位置するセンターコンソールボックス41の下方に配置して、所定のスペースSとしての運転席Dと助手席Nとの間のスペースSを維持するものである。
剛体ボックス1は、車両衝突時に、運転席Dと助手席Nとの間のスペースSであるセンターコンソールボックス41の配置スペースSを維持して、運転席Dに着座した乗員と助手席Nに着座した乗員との接近を防いで、これらの乗員を保護することができる。
図4に示すごとく、蛇行リンホース部31は、車両4の前後方向Lに板面を向けた上下中間部分311と、上下中間部分311の上方端に繋がり車両4の上下方向Hに板面を向けた上部分312と、上下中間部分311の下方端に繋がり車両4の上下方向Hに板面を向けた下部分313とが、蛇行して繋がるように折り曲げられている。
なお、図3は、平行プレート部2を示し、図4は、蛇行リンホース部31を示し、図5は、上面取付部32を示す。
図1〜図3に示すごとく、本例の各平行プレート部2の内側面201には、蛇行リンホース部31の端面301及び上面取付部32の端面301が対向する位置の複数箇所に、突起21が形成してある。突起21は、平行プレート部2の一部を内側に突出させるよう変形させて形成してある。また、突起21は、垂直プレート部3の端面301の伸びる方向に対して交差する方向に長い形状に形成してある。より具体的には、突起21は、蛇行リンホース部31の上下中間部分311の端面301に対向する位置において前後方向Lに長く形成してあり、蛇行リンホース部31の上部分312の端面301及び上面取付部32の端面301に対向する位置において上下方向Hに長く形成してある。
図9に示すごとく、プロジェクション溶接を行う際には、被溶接物を所定の荷重を加えて挟持するとともに被溶接物に対して所定の電流を流す一対の電極51を備えたプロジェクション溶接機5を用いる。このプロジェクション溶接機5は、10万〜30万Aの大電流を流すことが可能であるとともに、10〜30kNの大荷重を加えることが可能である大容量のものである。符号52は、一方の電極51を可動させる可動部を示し、符号53は、他方の電極51を配設したテーブルを示し、符号54は、一対の電極51に電流を流すための電源を示す。
それ故、本例の剛体ボックス1によれば、その構造を簡単にし、耐荷重及び生産性を向上させることができる。また、耐荷重が向上することにより、剛体ボックス1の軽量化を図ることもできる。
本確認試験においては、剛体ボックス1(発明品)による優れた耐荷重性能(反力)、衝撃吸収性能を確認する試験を行った。
具体的には、剛体ボックス1における一対の平行プレート部2の外側面202から加え、剛体ボックス1が押し潰された変形量を変位(mm)として測定し、また、剛体ボックス1に作用した反力(kN)及び衝撃吸収エネルギー(J)を測定した。
また、垂直プレート部3の端部を直角に折り曲げて形成したフランジ部を、スポット溶接によって平行プレート部2に接合する剛体ボックス(比較品)についても同様に測定を行った。
比較品については、変位(変形)が小さい時点から大きくなるに連れて、緩やかに反力が増加していった。これに対し、発明品については、ほとんど変位が変化しない時点で大きな反力が生じ、その後、反力が一定に近い状態で推移した。この結果より、発明品によれば、大きな反力が作用することにより、耐荷重性能が高いことがわかった。
また、衝撃吸収エネルギーについては、発明品は、比較品に比べて変位が小さい段階で多くの衝撃を吸収できることがわかった。この結果より、発明品によれば、大きな衝撃吸収エネルギーにより、衝撃吸収性能が高いことがわかった。
2 平行プレート部
201 内側面
202 外側面
21 突起
3 垂直プレート部
301 端面
4 車両
S 所定のスペース
D 運転席
N 助手席
Claims (6)
- 車両衝突時における衝突荷重を受けて、車両における所定のスペースを維持するために用いる剛体ボックスであって、
互いに平行に配置した一対の平行プレート部と、
該一対の平行プレート部の間において該一対の平行プレート部に対して垂直に配置して、該一対の平行プレート部の間隔を複数箇所において維持する垂直プレート部と、を備えており、
上記一対の平行プレート部の内側面と上記垂直プレート部の端面とを、該垂直プレート部の端面の長手方向の複数箇所において局所的に溶融させて接合しており、
上記一対の平行プレート部の外側面に加わる上記衝突荷重を、上記垂直プレート部によって受け止めることにより、上記所定のスペースを維持するよう構成してあることを特徴とする剛体ボックス。 - 請求項1に記載の剛体ボックスにおいて、該剛体ボックスは、上記一対の平行プレート部を上記車両の左右方向に位置させて、該車両のボディにおける運転席と助手席との間に位置するコンソールボックスの下方に配置し、上記所定のスペースとしての上記運転席と上記助手席との間のスペースを維持するよう構成してあることを特徴とする剛体ボックス。
- 請求項1又は2に記載の剛体ボックスにおいて、上記一対の平行プレート部と上記垂直プレート部とによって囲まれた空間には、電池が収納してあることを特徴とする剛体ボックス。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の剛体ボックスにおいて、上記垂直プレート部は、上記一対の平行プレート部の間隔を形成する幅の平板を複数回折り返して、蛇行形状に形成してあることを特徴とする剛体ボックス。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の剛体ボックスにおいて、上記平行プレート部と上記垂直プレート部とは、上記平行プレート部の内側面から突出させて形成した複数の突起と上記垂直プレート部の端面とを当接させた第1の当接関係と、上記平行プレート部の内側面と上記垂直プレート部の端面から突出させて形成した複数の突起とを当接させた第2の当接関係とのいずれかを用いて、接合してあることを特徴とする剛体ボックス。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の剛体ボックスを製造する方法において、
上記一対の平行プレート部を互いに平行に配置するとともに、上記垂直プレート部を、上記一対の平行プレート部の間に該一対の平行プレート部に対して垂直に配置し、
上記一対の平行プレート部の外側面に配置した一対の電極から、荷重を加えるとともに上記一対の平行プレート部及び上記垂直プレート部に通電を行い、上記一対の平行プレート部の内側面と上記垂直プレート部の端面との接触部分の全体を同時に溶融させて、上記一対の平行プレート部と上記垂直プレート部とを接合することを特徴とする剛体ボックスの製造方法。
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