JP2012157529A - 遊技機ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】循環する遊技球を洗浄した後の乾燥処理をより確実に行うことが可能な遊技機ユニットを提供する。
【解決手段】パチンコ遊技機で循環する遊技球は、定期的に洗浄部により液体洗浄され、その後の乾燥装置で乾燥され、さらに拭き取り装置で液体や汚れが拭き取られる。この乾燥装置は、遊技球を拭き取り装置へと運ぶための運球部403と、運球部403により運ばれている遊技球に向けて送風する送風装置405と、を備えている。運球部403は、遊技球が自重により転がっていく傾斜面を持つスノコ部材412を備えている。送風装置405は、遊技球を乾燥させるための風をスノコ部材412の傾斜面で遊技球が移動する方向とは反対の方向に送る。
【選択図】図68

Description

本発明は、循環する遊技球が遊技に用いられる遊技機ユニットに関するものである。
従来、始動口に遊技球が入賞することによって大当たりの抽選を行い、大当たりに当選したときに大入賞口の開閉を連続的に繰り返す大当たり遊技状態になり、より多くの賞球が得られる機会を与える遊技機としてのパチンコ遊技機が知られている。
例えば、特許文献1には以下のような技術が記載されている。すなわち、所定数台の遊技機群を備え、各遊技機のアウト口から排出される遊技球を下部タンクに集積し、これを搬送手段によって上部タンクに戻し各遊技機に再供給するように玉循環させる遊技システムである。
特開2002−336528号公報
ここで、繰り返し発射されて遊技領域に送り込まれる遊技球は、循環している間にゴミなどが付着してしまうおそれがある。そして、このゴミは球詰まりなどの不都合を引き起こすおそれがあるため、除去することが望ましい。また、遊技球に付着したゴミをきれいに除去するには、液体で洗浄することが望ましい。
本発明は、循環する遊技球を洗浄した後の乾燥処理をより確実に行うことが可能な遊技機ユニットを提供することを目的とする。
本発明が適用される遊技機ユニットは、遊技盤110の盤面に向けて一の発射台160から発射された遊技球が当該一の発射台160に帰って再び当該盤面に向けて発射可能になるように遊技球を循環して搬送する循環経路1を有する遊技機ユニットPUであって、前記循環経路1により搬送される遊技球を用いる遊技機100と、前記遊技機100に用いられる遊技球を液体で洗浄する洗浄部31と、前記洗浄部31により洗浄された遊技球を一方向に移動するための移動部403と、前記移動部403により前記一方向に移動される遊技球を乾燥させるための風を、遊技球の乾燥度合いが進んでいる当該移動部403の一側から当該一側よりも乾燥度合いが進んでいない当該移動部403の他側に向けて送る送風部405と、を備えることを特徴とするものである。
ここで、前記移動部403は、前記循環経路1に設置されているものではなく、前記遊技機ユニットPUは、前記循環経路1により搬送される遊技球を抜き取る抜き取り手段57と、前記抜き取り手段57により抜き取られて前記移動部403で乾燥された遊技球を前記循環経路1に戻す戻し手段53と、を有することを特徴とすることができる。また、前記移動部403は、前記循環経路1に設置されていることを特徴とすることができる。
さらに、前記送風部405は、前記移動部403に対して吹き下ろすように遊技球を乾燥させるための風を送ることを特徴とすることができる。また、前記移動部403は、遊技球の外径よりも小さい排水部412a,421a,422aを有することを特徴とすることができる。また、前記送風部405は、前記移動部403の上側に風を送ると共に下側に風を送ることを特徴とすることができる。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、循環する遊技球を洗浄した後の乾燥処理をより確実に行うことが可能になる。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機ユニットの斜視図である。 パチンコ遊技機ユニットの筐体内部の概略構成を示す図である。 ユニット本体の斜視図である。 (a)は、本実施形態のパチンコ遊技機の遊技盤の概略正面図であり、(b)は、遊技盤の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図である。 本実施形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。 本実施形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。 本実施形態の遊技制御部の主要動作を示すフローチャートである。 始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。 変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。 停止中処理の内容を示すフローチャートである。 客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。 普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。 遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。 電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図である。 本実施形態の演出制御部の動作を示すフローチャートである。 遊技球を循環させるための循環機構の概略構成を示す図である。 遊技球を循環させるための循環経路を説明する図である。 循環機構を、上皿の斜め上側から見た斜視図である。 球磨き部材の斜視図である。 出球感演出部の概略構成を示す図である。 出球感演出部の回転体を示す斜視図である。 回転体カバーの排出口周辺の概略構成を示す図である。 上部トレイにおける遊技球の排出部位の概略構成を示す図である。 案内部材を示す斜視図である。 貯球感演出部の斜視図である。 貯球感演出部を上方から見た図である。 球挿入部および球排出部の概略構成を示す斜視図である。 上部トレイの下側を上方から見た図である。 球待機部の概略構成を示す図である。 挿入側シリンダーを回転駆動させる部位の概略構成図である。 排出側シリンダーを回転駆動させる部位の概略構成図である。 原点位置から、挿入側シリンダーを角度α正転、および排出側シリンダーを角度β正転させた状態を示す図である。 下から4段目までの陳列棚に遊技球が陳列されている状態から、遊技球が排出される様子を示す図である。 排出側シリンダーを、予め定められた角度βだけ逆転した状態と、予め定められた角度βの2倍の角度分逆転した状態とを比較する図である。 排出側シリンダーを、原点から予め定められた角度γだけ回転する様子を示す図である。 洗浄部の斜視図である。 洗浄部の構成部品を示す分解図である。 洗浄部の構成部品を示す分解図である。 載置ユニットの構成部品を示す分解図である。 外ケースおよび内ケースの拡大断面図である。 洗浄部の断面図である。 内ケースが水切り位置にあるときの断面図である。 内ケースが排出位置にあるときの断面図である。 内ケースが排出位置にあるときの載置ユニットの載置部材と内ケース本体の排出孔との関係を示す図である。 洗浄球案内部の概略構成を示す図である。 洗浄後ストック、案内部材および球搬送装置の一構成例を説明する斜視図である。 乾燥装置の構成部品を示す分解図である。 運球部と送風装置との相対的な位置関係を説明する図である。 乾燥装置の捌き部材の動作を説明する図である。 拭き取り装置を説明する斜視図である。 拭き取り装置の拭き取り部を説明する斜視図である。 拭き取り装置のシリンダーを説明する斜視図である。 球上昇装置の構成部品を示す分解図である。 分配装置の概略構成を後右斜め上から示す斜視図である。 分配装置を上方から見た図である。 パチンコ遊技機ユニットの制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。 ユニット制御部がタッチパネルに表示する画面を例示する図である。 ユニット制御部がタッチパネルに表示する画面を例示する図である。 ユニット制御部が行う基本処理の内容を示すフローチャートである。 ユニット制御部が行う基本処理の内容を示すフローチャートである。 離席処理の内容を示すフローチャートである。 休憩中処理の内容を示すフローチャートである。 サービス処理の内容を示すフローチャートである。 球データ管理部が行う球データ管理処理の内容を示すフローチャートである。 出球・貯球感制御部が行う出球感制御処理の内容を示すフローチャートである。 出球・貯球感制御部が行う貯球感制御処理の内容を示すフローチャートである。 洗浄制御部が行う洗浄管理処理の内容を示すフローチャートである。 洗浄制御部の洗浄処理の内容を示すフローチャートである。 洗浄装置の一変形例に係る乾燥装置の運球部を構成する部品の一部を示す分解図である。 洗浄装置の一変形例に係る乾燥装置の運球部を構成する部品の一部を示す分解図である。 洗浄装置の一変形例に係る乾燥装置の運球部を説明する図である。 洗浄装置の一変形例に係る乾燥装置の運球部と送風装置との相対的な位置関係を説明する図である。 洗浄装置の一変形例に係る乾燥装置の運球部と送風装置との相対的な位置関係を説明する図である。 洗浄装置の一変形例に係る乾燥装置の運球部と送風装置との相対的な位置関係を説明する図である。 洗浄装置の一変形例に係る乾燥装置の運球部と送風装置との相対的な位置関係を説明する図である。 洗浄装置の一変形例に係る乾燥装置の運球部と送風装置との相対的な位置関係を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔パチンコ遊技機ユニットPUの基本構成〕
図1−1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機ユニットPUの斜視図であり、(a)は、主に前面を示す図、(b)は、主に後面を示す図である。図1−2は、パチンコ遊技機ユニットPUの筐体内部の概略構成を示す図であり、(a)は、主に前側から見た図であり、(b)は、主に後側から見た図である。図1−3は、ユニット本体11の斜視図である。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機ユニットPUは、外部から触れられないように複数の遊技球が内部空間に封入されたユニットである。すなわち、パチンコ遊技機ユニットPUは、遊技者が遊技球を触ることができないようにその内部空間に遊技球が封入されている。封入された遊技球は、遊技に用いられるほか、遊技により獲得した遊技球の数や遊技者が保有する遊技球の数を視覚化するのに用いられる。
パチンコ遊技機ユニットPUは、遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100と、パチンコ遊技機100にて遊技球を獲得している感じを視覚的に演出したり、遊技者が遊技に用いることが可能な遊技球の多さを視覚的に演出したりする演出装置20とを、筐体10の内部に備えている。
パチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を獲得させるように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110を備えている。
演出装置20は、遊技中の遊技者が獲得している賞球の多さの感じを視覚的に演出する出球感演出部60と、遊技中の遊技者が遊技に用いることが可能な遊技球の多さの感じを視覚的に演出する貯球感演出部70とを備えている。
そして、封入された遊技球は、遊技のためにパチンコ遊技機100内を循環する循環球と、出球感演出部60および貯球感演出部70にて演出に用いられる演出球とに大別されて活用される。
また、パチンコ遊技機ユニットPUは、封入された遊技球を洗浄する洗浄装置30と、洗浄装置30にて洗浄された遊技球を、上述した循環球と演出球とに分配する分配装置40とを、筐体10内に備えている。また、パチンコ遊技機ユニットPUは、紙幣識別機と、カードから情報を読み取るとともにカードに情報を書き込む2台のカードリーダ/ライタと、を有するCRユニット21を備えている。また、パチンコ遊技機ユニットPUは、例えば、低圧の電界を形成したパネルの表面電荷の変化を検知することで指が触れた位置を電気的に検出する静電容量方式や、互いに離間する電極の指が触れた位置が非通電状態から通電状態に変化することによりその位置を電気的に検出する抵抗膜方式等の周知のタッチパネル22を備えている。また、パチンコ遊技機ユニットPUは、例えば、遊技者のボタン押下により赤色を点灯させたり、パチンコ遊技機100において大当たりが発生した場合に赤、青、黄色などを点滅させたりする表示灯23を備えている。
そして、これらパチンコ遊技機ユニットPUを構成する、遊技盤110、演出装置20、CRユニット21、タッチパネル22、表示灯23、洗浄装置30および分配装置40などは、ユニット本体11に直接的または間接的に取り付けられているとともに、筐体10に収納されている。
また、パチンコ遊技機ユニットPUには、筐体10内に、パチンコ遊技機ユニットPUを統括的に制御するユニット制御基板、パチンコ遊技機100内を循環する遊技球の管理を行う球データ管理基板、演出装置20を制御する出球・貯球感制御基板、洗浄装置30を制御する洗浄制御基板、分配装置40を制御する分配制御基板および遊技球の発射制御を行う発射基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられている。また、パチンコ遊技機ユニットPUには、筐体10内に、供給された24VのAC電源をDC電源に変換するスイッチング電源を有する電源基板(不図示)が配設されている。電源基板は、変換したDC電源を、ユニット制御基板、発射基板、表示灯23および盤電源中継端子板等に出力する。盤電源中継端子板は、遊技盤110にDC電源を出力するとともに、後述するパチンコ遊技機100の遊技制御基板にDC電源を出力する。
〔パチンコ遊技機100の基本構成〕
図2(a)は、本実施形態のパチンコ遊技機100の遊技盤110の概略正面図であり、図2(b)は、遊技盤110の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図である。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動するゲート124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器を作動させることとなる遊技球の入賞に係る入賞口をいう。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開く。
なお、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選において大当たりに当選する大当たり確率が変動する場合(低確状態(例えば300分の1)から高確状態(例えば30分の1)への変動)がある。また、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ123の羽根の開時間が延長されたり、電動チューリップ123の羽根が開く回数が増えたりする場合がある。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が始動しない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
また、遊技盤110は、排出口117から遊技領域111の外に排出された遊技球や、各種入賞口に入賞した遊技球が集まる球集合部を有しており、球集合部に集まった遊技球は、この球集合部の下側端部に形成された下端口118(図21参照)から遊技盤110の外へ排出される。
なお、本実施の形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施の形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、内部抽選および当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。
なお、筐体10の、遊技盤110の前面には、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板24が取り付けられている。
パチンコ遊技機100は、遊技者がハンドル151(図1−1参照)に触れてハンドルレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置160(図53参照)を備えている。ハンドル151には、遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154が取り付けられている。また、パチンコ遊技機100は、遊技者のハンドルレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置160に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置158(図53参照)と、供給装置158が発射装置160に供給する遊技球を一時的に溜めておく上皿153(図1−2、図20参照)と、を備えている。この上皿153には、発射装置160により発射され、遊技領域111に到達しなかった遊技球(ファール球)を、供給装置158の方へ案内する戻し路153a(図20参照)が形成されている。また、上皿153の上部は筐体10にて覆われており、遊技者が上皿153にある遊技球に触れることができないようになっている。ただ、上皿153の上部を覆う筐体10の一部は透明であり、遊技者は、その透明部位10a(図1−1(a)参照)を介して上皿153にある複数個の遊技球の一部を見ることが可能になっている。
これら発射装置160、供給装置158および上皿153は、ユニット本体11に直接的または間接的に取り付けられている。
また、パチンコ遊技機100は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156(図1−1(a)参照)および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
これらスピーカ156および枠ランプ157は、ユニット本体11に直接的または間接的に取り付けられている。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(b)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄や普通図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに他の遊技球による入賞があると、その入賞した遊技球に対する図柄の変動表示動作は、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、規定個数(例えば4個)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
パチンコ遊技機100は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図1−1(a)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162とが、筐体10の表面から突出するように配設されている。筐体10は、この入力装置が配置された部位が開口している。演出キー162は、その中央に1つの中央キーを配置し、また、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。遊技者は、4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能であり、また、中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
〔パチンコ遊技機100の制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行うパチンコ遊技機100の制御ユニットについて説明する。
図3は、パチンコ遊技機100の制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、およびランプ制御部320各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部200の構成・機能〕
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
また、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を獲得した旨を、後述するユニット制御部500(図53参照)に出力する。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ獲得したことを示す情報をユニット制御部500に出力する。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の獲得情報は出力しない。
遊技制御部200には、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(大当たり抽選)の未抽選分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、ゲート124への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した獲得賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。
〔演出制御部300の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン等(演出ボタン161および演出キー162)を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。また、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部310の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。さらには、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
〔ランプ制御部320の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔遊技制御部200の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、特別図柄抽選部231と、普通図柄抽選部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄抽選結果判定部234と、普通図柄制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235と、遊技進行制御部236と、を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
特別図柄抽選部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄の抽選を行う。
普通図柄抽選部232は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄抽選を行う。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
特別図柄抽選結果判定部234は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、特別図柄の変動時間が短縮される時短遊技状態の有無および大当たりの当選確率が高確率に変動した確変遊技状態の有無の組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短遊技状態および確変遊技状態の両方が発生する大当たり、時短遊技状態のみが発生する大当たり、確変遊技状態のみが発生する大当たり、時短遊技状態および確変遊技状態のいずれも発生しない大当たりが有り得る。以下、これらの大当たりを区別する場合は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づき、「時短有り」、「時短無し」、「確変有り」、「確変無し」等と記載して区別する。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば一定時間経過または一定個数の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数繰り返される。通常、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態が発生する(時短有り)大当たりは長当たりとなり、時短遊技状態が発生しない(時短無し)大当たりは短当たりとなる。
なお、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態が発生する(確変有り)大当たりは「確変大当たり」とも呼ばれ、確変遊技状態が発生しない(確変無し)大当たりは「通常大当たり」とも呼ばれる。また、遊技の態様によっては、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態のみが発生し、時短遊技状態が発生しない(確変有り+時短無し)大当たりは「潜伏確変大当たり」、「突然確変(突確)大当たり」等とも呼ばれる。さらに、「確変大当たり」において、大入賞口125が開状態となるラウンド数に基づき、「15ラウンド(15R)確変大当たり」、「2ラウンド(2R)確変大当たり」等のように区別される場合もある。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば大入賞口125の開閉が所定回数行われる小当たり遊技が行われ、終了した後においても小当たり当選時の遊技状態を継続する当たりである。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が確変遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても確変遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が確率変動も時間短縮もしていない通常の遊技状態(通常遊技状態)である場合には、小当たり遊技の終了後においても通常遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「はずれ」では、「大当たり」でも「小当たり」でもなく、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、特別図柄の抽選結果が「大当たり」であった場合に、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。また、「リーチ演出を行うか否か」を判定する。ここでの「リーチ演出」とは、遊技者に大当たりを期待させるための画像表示部114等にて行われる演出である。
遊技進行制御部236は、各遊技状態において遊技の進行を制御する。
普通図柄制御部237は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。また、その抽選結果に応じて普通図柄の変動を制御する。この普通図柄抽選の当選確率は、主に時短遊技状態において行われる、電動チューリップ123の開放による第2始動口122への入賞サポート(いわゆる電チューサポート)がある場合には高くなる。
「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122への遊技球の入賞確率が高まる状態を発生させる。上記の入賞サポート(電チューサポート)時には、この規定回数や規定時間が増える。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態は発生しない。
大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の開放動作を制御する。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理を制御する。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300へ制御用コマンドの出力を制御する。また、出力制御部241は、後述するユニット制御部500への獲得賞球数などの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段やサブ制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
〔パチンコ遊技機100の基本動作〕
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われる。
図5は、遊技制御部200の主要動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。図5を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ501〜506)。
乱数更新処理(ステップ501)では、遊技制御部200の乱数制御部242は、メイン制御手段やサブ制御手段による処理で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(ステップ502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(ステップ503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄抽選結果判定部234、変動パターン選択部235、および遊技進行制御部236により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(ステップ504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(ステップ505)では、遊技制御部200の賞球処理部240は、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の獲得数の管理を行う。
出力処理(ステップ506)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300へ制御用コマンドを出力する。また、出力制御部241は、ユニット制御部500へ獲得賞球数に関連する情報を出力する。制御用コマンドおよび獲得賞球数に関連する情報は、ステップ505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
〔遊技制御部200での始動口スイッチ処理〕
図6は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(ステップ601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に特別図柄抽選部231は、第1始動口121の入賞における未抽選分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップ602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(ステップ602でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップ602でYes)、次に特別図柄抽選部231は、保留数U1の値を1加算する(ステップ603)。そして、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ604)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたはハズレを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短遊技状態の有無、確変遊技状態の有無、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数、リーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、特別図柄抽選部231は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ605)。この事前判定処理は、抽選結果の判定を図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に(すなわちステップ605において)行うものである。なお、抽選結果の予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、特別図柄抽選部231は、ステップ603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数U1増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。ステップ605の事前判定処理が行われた場合は、保留数U1増加コマンドには、ステップ605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次に特別図柄抽選部231は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(ステップ607)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に特別図柄抽選部231は、第2始動口122の入賞における未抽選分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップ608)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(ステップ608でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップ608でYes)、次に特別図柄抽選部231は、保留数U2の値を1加算する(ステップ609)。そして、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のステップ604と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など)が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、特別図柄抽選部231は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ611)。この事前判定処理の内容は、上記のステップ605と同様である。この事前判定処理も、抽選結果の予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、特別図柄抽選部231は、ステップ609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数U2増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。ステップ611の事前判定処理が行われた場合は、保留数U2増加コマンドには、ステップ611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
〔遊技制御部200でのゲートスイッチ処理〕
図7は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちのゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップ701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に普通図柄抽選部232は、未抽選分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップ702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップ702でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップ702でYes)、次に普通図柄抽選部232は、保留数Gの値を1加算する(ステップ703)。そして、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ704)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数など)が取得される。
〔遊技制御部200での特別図柄処理〕
図8は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりまたは小当たりである場合に、これらの当たりに応じた遊技状態であることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ、小当たり遊技フラグのいずれかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は何らかの当たりによる遊技状態(特別図柄が選択されて停止している状態)であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップ801でYes)。一方、当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップ801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(ステップ802)。特別図柄変動中でない場合(ステップ802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未抽選分の保留数U1、U2(図6参照)に関する処理を行う(ステップ803〜806)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(ステップ803)。保留数U2が1以上である場合(ステップ803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(ステップ804)。一方、保留数U2=0である場合は(ステップ803でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(ステップ805)。保留数U1が1以上である場合(ステップ805でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(ステップ806)。一方、保留数U1=0である場合は(ステップ805でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(ステップ816)。
ステップ804またはステップ806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(ステップ807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(ステップ808、809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる設定情報(図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2(b)に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(ステップ810)。そして、この設定内容を示す設定情報(図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(ステップ811)。ステップ811でセットされた変動開始コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
ステップ802で特別図柄変動中と判断された場合(ステップ802でYes)、またはステップ811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ812)。すなわち、ステップ810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ812でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(ステップ812でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動を停止し(ステップ813)、変動停止コマンドをRAM203にセットする(ステップ814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(ステップ815)。停止中処理の内容については後述する。ステップ814でセットされた変動停止コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部200による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のステップ808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄抽選結果判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数の判定を行い(ステップ901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(ステップ902、905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(ステップ902でYes)、次に特別図柄抽選結果判定部234は、大当たり図柄乱数の判定を行う(ステップ903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(確変有り+時短有り、確変有り+時短無し、確変無し+時短有り、確変無し+時短無しのいずれか)が決定される。いずれの大当たりとなるかは、図6のステップ604で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちのいずれと一致したかによって決定される(図17(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄抽選結果判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ904)。
ステップ901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(ステップ902でNo、ステップ905でYes)、次に特別図柄抽選結果判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ906)。
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(ステップ902、ステップ905でNo)、次に特別図柄抽選結果判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ907)。
〔遊技制御部200による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のステップ809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1001)。この判断は、大当たり判定処理(図9)のステップ901、902と同様である(ステップ902の判断結果を用いても良い)。そして、大当たりだった場合(ステップ1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1002)。
一方、大当たりしなかった場合(ステップ1001でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数の判定を行う(ステップ1003)。リーチ演出を行うか否かは、図6のステップ604で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(c)参照)。
乱数を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップ1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップ1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図6のステップ604またはステップ610で取得した変動パターン乱数およびステップ1002、1005、1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数の判定を行う(ステップ1007)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる場合がある。
この後変動パターン選択部235は、ステップ1007で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(ステップ1008)。ステップ1008でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のステップ811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部200による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のステップ815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200の遊技進行制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において時短フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1101)。時短フラグとは、パチンコ遊技機100の遊技状態が時短遊技状態であることを識別するためのフラグである。時短フラグがONである場合(ステップ1101でYes)、遊技進行制御部236は、時短遊技状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップ1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップ1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップ1103でYes)、時短フラグをOFFにする(ステップ1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(ステップ1101でNo)またはステップ1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(ステップ1103でNo)、次に遊技進行制御部236は、RAM203のフラグ設定において確変フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1105)。確変フラグとは、パチンコ遊技機100の遊技状態が確変遊技であることを識別するためのフラグである。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、一般に、長当たりの後に行われるような確変および時短が付いた遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、一般に、短当たりのあとに行われるような確変はしているが時短は付かない遊技状態である。
確変フラグがONである場合(ステップ1105でYes)、遊技進行制御部236は、確変遊技状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(ステップ1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(ステップ1107)。そして、抽選回数X=0であれば(ステップ1107でYes)、確変フラグをOFFにする(ステップ1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(ステップ1105でNo)またはステップ1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(ステップ1107でNo)、次に遊技進行制御部236は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1109)。そして、大当たりだった場合(ステップ1109でYes)、次に遊技進行制御部236は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(ステップ1110)。
これらの判断は、大当たり判定処理(図9)で設定情報にセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄のうち、通常図柄Aまたは確変図柄Aがセットされている場合は、大当たりの種類が長当たりであると判断される。また、通常図柄B、確変図柄Bまたは潜確図柄がセットされている場合は、大当たりの種類が短当たりであると判断される。したがって、設定情報に通常図柄Aまたは確変図柄Aがセットされているならば、ステップ1109、1110の両方でYesである。通常図柄B、確変図柄Bまたは潜確図柄がセットされているならば、ステップ1109でYes、ステップ1110でNoである。はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、ステップ1109でNoである。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、903、905と概ね同様であるので、ステップ902、903、905の判断結果を用いても良い。
大当たりの種類が長当たりであった場合(ステップ1110でYes)、遊技進行制御部236は、長当たり遊技フラグをONにする(ステップ1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、確率変動の有無を区別していない。確率変動の有無は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(ステップ1110でNo)、遊技進行制御部236は、短当たり遊技フラグをONにする(ステップ1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。
ステップ1111またはステップ1112で当たり遊技フラグをONにした後、遊技進行制御部236は、抽選回数J、Xの値を初期化する(ステップ1113)。すなわち、特別図柄抽選で大当たりした(ステップ1109)のであるから、抽選回数J、Xの値を0に戻して新たに数え直す。また、遊技進行制御部236は、ステップ1101において時短フラグがONであって、ステップ1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(ステップ1114)。同様に、ステップ1105において確変フラグがONであって、ステップ1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(ステップ1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(ステップ1109でNo)、次に遊技進行制御部236は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(ステップ1115)。小当たりでなかった場合は(ステップ1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(ステップ1115でYes)、遊技進行制御部236は、小当たり遊技フラグをONにする(ステップ1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。
ステップ1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、またステップ1116で小当たり遊技フラグをONにした後、遊技進行制御部236は、オープニング動作を開始する(ステップ1117)。ここで、オープニング動作の内容は、ステップ1111、1112、1116のいずれで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作のいずれかが行われることとなる。
この後、遊技進行制御部236は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(ステップ1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部200による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のステップ816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200の遊技進行制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(ステップ1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技進行制御部236は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(ステップ1202)、客待ちフラグをONにする(ステップ1203)。ステップ1202でセットされた客待ちコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部200による普通図柄処理〕
図13は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合に、これに応じた遊技状態(補助遊技状態)であることを識別するためにセットされるフラグである。補助遊技状態では、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易くなる(補助される)。
補助遊技フラグがONである場合、既に普通図柄が選択されて停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(ステップ1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(ステップ1301でNo)、次に普通図柄制御部237は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(ステップ1302)。普通図柄変動中でない場合(ステップ1302でNo)、次に普通図柄制御部237は、普通図柄の未抽選分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(ステップ1303)。保留数G=0である場合は(ステップ1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップ1303でYes)、普通図柄制御部237は、保留数Gの値を1減算し(ステップ1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1305)。当選したか否かは、図7のステップ704で取得した当たり乱数の値が当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄制御部237は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(ステップ1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄制御部237は、普通図柄の変動時間の設定を行う(ステップ1307)。この変動時間は、図11におけるステップ1104、1114、後述の図15におけるステップ1506等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、ステップ1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄制御部237は、ステップ1307の設定内容に基づき、図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(ステップ1308)。
ステップ1308で普通図柄の変動を開始した後、またはステップ1302で普通図柄変動中と判断された場合(ステップ1302でYes)、普通図柄制御部237は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ1309)。すなわち、ステップ1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(ステップ1309でYes)、普通図柄制御部237は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(ステップ1310)。そして、普通図柄制御部237は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1311)。当選したならば(ステップ1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(ステップ1312)。一方、抽選にはずれたならば(ステップ1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部200による大入賞口処理〕
図14は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップ1401でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1402)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(ステップ1402でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(ステップ1403でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動設定を行い(ステップ1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(ステップ1405)、大入賞口125の作動ラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(ステップ1406)、大入賞口125を作動開始(開放)する(ステップ1407)。
ステップ1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部238は、ステップ1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(ステップ1408)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(ステップ1408でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(ステップ1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(ステップ1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(ステップ1409でYes)、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(ステップ1410)。
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数Rがステップ1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(ステップ1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(ステップ1411でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(ステップ1411でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング動作を開始する(ステップ1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(ステップ1413)。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(ステップ1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(ステップ1417でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、遊技状態設定処理を行った後(ステップ1418)、当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(ステップ1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
ステップ1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(ステップ1402でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング中か否かを判断する(ステップ1415)。そして、エンディング中であるならば(ステップ1415でYes)、上記ステップ1417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(ステップ1415でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(ステップ1416)。そして、作動中でないならば(ステップ1416でNo)、上記ステップ1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(ステップ1416でYes)、上記ステップ1408以降の動作を実行する。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(ステップ1417でYes)に実行される遊技状態設定処理(ステップ1418)の内容を図15に示す。
図15に示すように、大入賞口動作制御部238は、まず、図14のステップ1401で当たり遊技フラグがONとなっているので、その当たりの種類を判断する(ステップ1501、1502、1503、1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、903、905と概ね同様であるので、ステップ902、903、905の判断結果を用いても良い。
当たりの種類が小当たりである場合(ステップ1501でYes)、遊技状態(パチンコ遊技機100の内部状態)は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
当たりの種類が確変無し+時短有りの大当たりである場合(ステップ1501でNo、ステップ1502、1503でYes)、大入賞口動作制御部238は、時短フラグをONにする(ステップ1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短遊技状態となる。また、大入賞口動作制御部238は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップ1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、時短遊技状態が終了する。
一方、当たりの種類が確変無し+時短無しの大当たりである場合(ステップ1501でNo、1502でYes、ステップ1503でNo)、大入賞口動作制御部238は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、時短遊技状態にも確変遊技状態にもならない。
当たりの種類が確変有り+時短有りの大当たりである場合(ステップ1501、1502でNo、ステップ1506でYes)、大入賞口動作制御部238は、時短フラグをONにし(ステップ1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(ステップ1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、大入賞口動作制御部238は、確変フラグをONにし(ステップ1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(ステップ1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短付き確変遊技状態となる。そして、この時短付き確変遊技状態における抽選が10000回行われたならば、時短付き確変遊技状態は終了する。
一方、当たりの種類が確変有り+時短無しの大当たりである場合(ステップ1501、1502、ステップ1506でNo)、大入賞口動作制御部238は、確変フラグのみをONにし(ステップ1509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(ステップ1510)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短の付かない確変遊技状態となる。そして、この時短無し確変遊技状態における抽選が10000回行われたならば、時短無し確変遊技状態は終了する。
〔遊技制御部200による電動チューリップ処理〕
図16は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップ1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(ステップ1602)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(ステップ1602でNo)、電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(ステップ1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(ステップ1604)。ここで、作動パターンは、図11におけるステップ1104、1114、図15におけるステップ1503、1506等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、ステップ1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短遊技状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
ステップ1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(ステップ1602でYes)、またはステップ1604で電動チューリップを作動させた後、電動チューリップ動作制御部239は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(ステップ1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(ステップ1605でYes)、電動チューリップ動作制御部239は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図である。
図17(a)には大当たり乱数の構成例、図17(b)には大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)にはリーチ乱数の構成例、図17(d)には当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図17(a)を参照すると、大当たり乱数は、パチンコ遊技機100の遊技状態が確変のない通常時の大当たりと確変時の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲はいずれも0〜299の300個である。通常時の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また確変時の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、確変時に始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、通常時に特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、確変か否かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、通常図柄A、通常図柄B、確変図柄A、確変図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、通常図柄Aおよび通常図柄Bは、確変無しの大当たりであることを表す図柄であり、このうち通常図柄Aは長当たり(時短有り)、通常図柄Bは短当たり(時短無し)をそれぞれ表す。確変図柄Aおよび確変図柄Bは、確変有りの大当たりであることを表す図柄であり、このうち確変図柄Aは長当たり(時短有り)、確変図柄Bは短当たり(時短無し)をそれぞれ表す。潜確図柄は、確変有り+時短無しの大当たりであることを表す図柄である。したがって、確変図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、確変潜伏演出を行う条件とするために確変図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
通常図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に通常図柄Aでの当選(確変無し+時短有り)となる確率は、35/250(=7/50)である。
通常図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に通常図柄Bでの当選(確変無し+時短無し)となる確率は、15/250(=3/50)である。
確変図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Aでの当選(確変有り+時短有り)となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Aでの当選(確変有り+時短有り)となる確率は、175/250(=7/10)である。
確変図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Bでの当選(確変有り+時短無し)となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Bでの当選(確変有り+時短無し)となる確率は、25/250(=1/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選(確変有り+時短無し)となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、確変有り+時短無しの大当たり(確変図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、確変有り+時短有りの大当たり(確変図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122のいずれか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短遊技状態が発生していないときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短遊技状態が発生しているときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
これらの乱数値は、所定の初期値から始まって、図5に示す乱数更新処理(ステップ501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当たり乱数では299)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
〔演出制御部300の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図18は、遊技制御部200からコマンドを受信した際の演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図18(a)に示すメイン処理と、図18(b)に示す割り込み処理とからなる。図18(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップ1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップ1802)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップ1803)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、ステップ1802で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図18(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(ステップ1811)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(ステップ1812)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(ステップ1813)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔遊技球の循環機構の基本構成〕
次に、パチンコ遊技機100内に遊技球を循環させるための循環機構について詳述する。
図19−1は、遊技球を循環させるための循環機構の概略構成を示す図であり、後述のカバー52bを破線で示している。図19−2は、遊技球を循環させるための循環経路を説明する図である。図20は、循環機構を上皿153の斜め上側から見た斜視図である。図21は、球磨き部材59の斜視図である。
パチンコ遊技機100は、図19−1に示すように、遊技盤110に設けられた下端口118(図21参照)から排出された遊技球を受ける排出球受皿51と、排出球受皿51に排出された遊技球を上昇させる球上昇装置52と、球上昇装置52にて上昇させられた遊技球を受け、上皿153に供給される前の段階で遊技球を溜めておく循環球ストック53と、を備えている。これら排出球受皿51、球上昇装置52および循環球ストック53は、ユニット本体11に直接的または間接的に取り付けられている。
排出球受皿51は、下端口118の下方に設けられ、下端口118などから供給された遊技球が自重で球上昇装置52の方へ向かうように、球上昇装置52側が最も低くなるように底面が形成された凹状の部材である。
球上昇装置52は、外周に螺旋状の溝52agが形成された円柱状のシリンダー52aと、このシリンダー52aの外側をカバーする薄肉円筒状のカバー52bと、カバー52bを円筒状の中心線を回転軸として回転駆動させる回転モータ52cと、を備えている。カバー52bの内面には、この内面から回転半径方向に突出すると共に回転軸方向の全域に亘って形成されたリブ52brが複数形成されている。そして、球上昇装置52は、カバー52bを回転駆動することで、カバー52b内に導かれた遊技球をその内面に形成されたリブ52brで押し、シリンダー52aの外周に形成された螺旋状の溝52agに沿って下部から上部へと上昇させる。
循環球ストック53は、球上昇装置52の上部に配置され、球上昇装置52にて上昇させられた遊技球を受け入れる凹状の部材である。そして、循環球ストック53の底面は、受け入れた遊技球が自重で後述する第2の案内部材55の方へ向かうように、球上昇装置52が高くて第2の案内部材55側が低くなるように形成されている。
パチンコ遊技機100は、さらに、排出球受皿51から球上昇装置52まで遊技球を案内する第1の案内路54aが形成された第1の案内部材54を備えている。第1の案内路54aは、排出球受皿51側の端部の方が球上昇装置52側の端部よりも高い位置となり、遊技球の自重で排出球受皿51から球上昇装置52へ転がるように傾斜している。この第1の案内部材54には、排出球受皿51から第1の案内路54aを転がってきた遊技球を後述する洗浄前ストック32aまで案内する第3の案内路54bが形成されている。第3の案内路54bは、第1の案内路54aの途中から分岐し、第1の案内路54a側の端部の方が洗浄前ストック32a側の端部よりも高い位置となるように傾斜している。さらに、第1の案内路54aと第3の案内路54bとの接続部位には、排出球受皿51側から転がってきた遊技球を、球上昇装置52の方へ案内するか、洗浄前ストック32a側の方へ案内するかを切り替える切替弁57が設けられている。
また、パチンコ遊技機100は、循環球ストック53から上皿153の方へ遊技球を案内する経路が形成された第2の案内部材55を備えている。そして、この第2の案内部材55下側には、循環球ストック53から第2の案内部材55を通って落下してくる複数の遊技球の内、予め定められた個数(本実施の形態においては1個)の遊技球を順に上皿153へ供給する球切り装置58が設けられている。
また、パチンコ遊技機100は、下端口118と排出球受皿51との間に球磨き部材59を有している。
球磨き部材59は、図21に示すように、すり鉢状であり、下部には、その下方に配置された排出球受皿51に遊技球が落下するように孔59aが形成されており、上部に行くほど径が大きくなっている。また、内面には、凹凸が形成されている。一方、下端口118は、図21に示すように、このすり鉢状の球磨き部材59の円形の開口端の外径側に、円周方向に遊技球を排出するように設けられている。これにより、下端口118から排出された遊技球は、球磨き部材59の内面を回りながら下方に移動し、孔59aから落下して排出球受皿51へ至る。そして、遊技球が球磨き部材59の内面を回る際に、内面に形成された凹凸に、遊技球に付着していたゴミが引っかかり、遊技球が磨かれる。
以上のように構成されたパチンコ遊技機100においては、遊技者によるハンドル151の操作に起因して、上皿153内の遊技球が1つずつ順に供給装置158により発射装置160に供給され、発射装置160により遊技領域111に向けて発射される。そして、発射装置160により発射され、遊技領域111内に到達した遊技球は、排出口117を介して、あるいは各種入賞口を介して下端口118に到達し、下端口118から排出された後に球磨き部材59にて磨かれながら排出球受皿51に至る。その後、第1の案内路54aを通って球上昇装置52へ至り、球上昇装置52にて上昇させられて循環球ストック53に至る。そして、球切り装置58により上皿153へ供給される。このようにして、循環球は、パチンコ遊技機100内を循環する。なお、発射装置160により発射された遊技球が遊技領域111内に到達せずにファール球となった場合には、戻し路153aを介して再度上皿153に戻る。また、循環球は150個であることを例示することができる。
ホール営業時間後など、遊技球を洗浄する際には、第1の案内部材54の切替弁57を遊技球が洗浄前ストック32aの方へ転がるように切り替える。これにより、排出球受皿51に至った遊技球は、第1の案内部材54を介して洗浄前ストック32aに至る。また、ホールが閉店になったときに循環球ストック53、上皿153など、排出球受皿51以外にある遊技球は、発射装置160により発射されて排出球受皿51に至り、第1の案内部材54を介して洗浄前ストック32aに至る。このようにして、ホール営業時間後には、全ての循環球が洗浄前ストック32aに集められ、その後洗浄装置30にて洗浄される。
図19−2を用いて、遊技球の循環経路について説明する。
遊技に用いる遊技球は、パチンコ遊技機ユニットPUにおいて、上皿153から発射装置160を介して遊技領域111に向けて発射される。発射装置160から発射されて遊技領域111に到達した遊技球は、下端口118から排出され、また、発射装置160から発射されたものの遊技領域111に到達しなかった遊技球は、ファール球として上皿153に戻る。下端口118から排出された遊技球は、切替弁57を介して循環路1に進み、循環球ストック53を通って上皿153へ供給される。このように、パチンコ遊技機ユニットPUは、遊技盤110の盤面に向けて一の発射装置160から発射された遊技球が一の発射装置160に帰って再び盤面に向けて発射可能になるように遊技球を循環して搬送する循環路1を有する。このような循環路1は、発射装置160から発射された遊技球が同じ発射装置160に再び帰還するように循環するものである。したがって、一の発射装置160から発射された遊技球が他の発射装置160により発射されるように循環するものは、ここにいう循環路1の概念に含まれない。発射装置160は、発射台の一例である。
また、洗浄時には、遊技に用いる遊技球は、切替弁57を介して案内路2に進み、洗浄装置30へと案内される。また、洗浄装置30により洗浄された遊技球のうち、分配装置40により遊技に用いる遊技球として分配された遊技球は、案内路3に進んで循環球ストック53に案内される。なお、切替弁57は抜き取り手段の一例であり、循環球ストック53は戻し手段の一例である。
また、演出に用いる球技球は、パチンコ遊技機ユニットPUにおいて、演出装置20の出球感演出部60と貯球感演出部70の各々で所定の演出を行う。また、洗浄時には、遊技球が出球感演出部60および貯球感演出部70から案内路4を通じて洗浄装置30に搬送される。洗浄装置30により洗浄された遊技球のうち、分配装置40により演出に用いる遊技球として分配された遊技球は、案内路5を進んで演出装置20に案内される。
なお、遊技球を洗浄するタイミングとしては、ホール営業時間後などを例示しているが、循環路1から分岐する案内路2および循環路1に合流する案内路3を備えていることから、パチンコ遊技機100にて遊技が行われているときに遊技球を洗浄する制御例も考えられる。すなわち、遊技中にもかかわらず循環路1から遊技球を抜いて洗浄するものである。その場合に、洗浄する遊技球は、循環路1により循環される遊技球の全部を洗浄するのではなく、一定割合数を少しずつ循環路1から抜いて洗浄する制御例が考えられる。当然ながら、洗浄後の遊技球は循環路1に戻される。
なお、本実施の形態では、切替弁57にて循環路1から案内路2に分岐することで循環路1とは別に案内路2,3を設けているが、切替弁57を省略すると共に、洗浄装置30および分配装置40を循環路1に配置することで、案内路2,3を循環路1の一部として構成する変形例も考えられる。
〔演出装置20の基本構成〕
次に、演出装置20について詳述する。
演出装置20は、パチンコ遊技機100にて遊技中の遊技者が獲得した遊技球の多さの感じを視覚的に演出する出球感演出部60(図1−1参照)と、遊技中の遊技者が遊技に用いることが可能な遊技球の多さの感じを視覚的に演出する貯球感演出部70(図1−1参照)とを備えている。
以下、演出装置20を構成する出球感演出部60および貯球感演出部70について詳述する。
〔演出装置20の出球感演出部60〕
先ず、出球感演出部60について詳述する。
図22は、出球感演出部60の概略構成を示す図であり、出球感演出部60の概略構成を後方の斜め上から見た図を示している。図23は、出球感演出部60の回転体61aを示す斜視図であり、出球感演出部60の回転体61aを示すために部分的に断面図としている。
出球感演出部60は、実際の遊技球を回転させることで出球感を演出する球回転部61と、この球回転部61へ供給される遊技球を待機させておく上部トレイ62と、を備えている。また、出球感演出部60は、出球感用球案内部材46を介して後述するメインストック41から送られてきた遊技球を溜めておく下部トレイ63と、下部トレイ63に溜められた遊技球を上部トレイ62まで上昇させる球上昇装置64とを備えている。
また、出球感演出部60は、上部トレイ62から供給された遊技球を球回転部61の方へ案内する案内路65aと、この案内路65aの途中から分岐し、遊技球を後述する洗浄前ストック32a(図1−2参照)の方へ案内する分岐路65bと、が形成された案内部材65を備えている。
球回転部61は、図23に示すように、円筒状の部位と、この円筒状の部位の半径方向に伸びて遊技球をかき混ぜる複数(本実施の形態においては2枚)の羽根とを有する回転体61aを備えている。また、球回転部61は、回転体61aを回転駆動する回転体用モータ61b(図22参照)と、回転体61aが固定された回転軸に取り付けられて回転体用モータ61bの駆動力を回転体61aの回転駆動として伝達する伝達ギア(不図示)と、回転体61aをカバーする回転体カバー66とを備えている。
回転体61aは、円筒状の部位の中心線を回転軸として回転する物体であり、その回転軸が出球感演出部60を正面から見た場合に前後方向(本実施の形態においては、遊技盤110の盤面に垂直方向)となるように配置されている。そして、回転体61aの羽根は、回転軸から回転半径方向の先端までの距離が回転軸方向に亘ってほぼ等距離になるように形成されているとともに、その回転半径方向の先端が手前側から奥側にいくにしたがって円周方向に湾曲するように形成されている。
回転体用モータ61bは、後述する制御ユニットにより回転調整されて、回転体61aが、例えば1分間に12回転で回転する低速回転、および例えば1分間に24回転で回転する高速回転の2段階に回転速度が調整される。
回転体カバー66の回転体61aの周囲の基本形状は、円筒形状であり、その内周半径は、回転体61aの羽根の回転半径方向の先端よりも遊技球の直径未満分長い。それゆえ、回転体61aが回転しているとき、回転体61aの羽根と回転体カバー66の内面との間の隙間を遊技球が通過できず、回転体カバー66内の遊技球は回転体61aによりかき混ぜられる。
回転体カバー66には、上部トレイ62から供給された遊技球をこの回転体カバー66内に導く挿入口66aと、内側にある遊技球をこの回転体カバー66の外へ排出する排出口66bとが形成されている。挿入口66aは、回転体61aの回転中心から見て右斜め上方向に形成されている。
図24は、回転体カバー66の排出口66b周辺の概略構成を示す図である。
回転体カバー66の底部には基本形状の内周から凹み、手前側から奥側にいくにしたがって低くなるように傾斜した凹部66cが形成されている。そして、排出口66bは、凹部66cの最後部に形成されている。これにより、回転体カバー66内の遊技球が凹部66cを自重で転がり、排出口66bから回転体カバー66の外に出る。
そして、排出口66bには、この排出口66bを遊技球が通過しないように塞ぐ調整弁67が設けられている。この調整弁67は、後述する出球・貯球感制御部700により制御されることで回転する回転モータ67aにより回転駆動され、排出口66bから遊技球が排出されるのを防ぐ位置と、許容する位置とに移動する。
上部トレイ62は、球上昇装置64から供給された遊技球が自重で案内部材65の方へ向かうように、球上昇装置64側が高くて案内部材65側が低くなるように底面が形成された凹状の部材である。
図25は、上部トレイ62における遊技球の排出部位の概略構成を示す図である。
上部トレイ62には、案内部材65へ遊技球を排出する部位に排出口62aが形成されており、この排出口62aに、遊技球の通過を調整する調整弁62bが取り付けられている。この調整弁62bは、調整弁用モータ62cにより回転させられて、排出口62aを開くことで上部トレイ62から遊技球を排出させる排出位置と、排出口62aを塞ぐことで排出を抑制する抑制位置との間を移動する。調整弁用モータ62cは、後述する出球・貯球感制御部700によりその駆動時間が制御され、調整弁62bを、排出位置から抑制位置へ、抑制位置から排出位置へと移動させる。また、調整弁用モータ62cは、上部トレイ62から案内部材65へ遊技球を排出すべきときに、遊技球の排出を円滑に行うために、調整弁62bを、排出位置から抑制位置へ、抑制位置から排出位置へ一定間隔で繰り返し移動させる。また、上部トレイ62から案内部材65への遊技球の排出は、遊技状況に合わせて行う。
下部トレイ63は、図22に示すように、メインストック41(図1−2参照)から送られてきた遊技球を受け入れる受入口63aと、球上昇装置64へ遊技球を排出する排出口63bと、を有しており、受入口63aから供給された遊技球が自重で排出口63bの方へ向かうように、受入口63a側が高くて球上昇装置64側が低くなるように底面が形成された凹状の部材である。
球上昇装置64は、上述した循環球の循環機構に配置された球上昇装置52と同様の構成および機能であり、その詳細な説明は省略する。
図26は、案内部材65を示す斜視図である。
案内部材65の案内路65aは、上部トレイ62から供給された遊技球が自重で球回転部61へ向かうように、上部トレイ62側が高くて球回転部61側が低くなるように形成されている。案内部材65の分岐路65bは、遊技球が自重で洗浄前ストック32a(図2参照)の方へ向かうように、案内路65a側が高くて洗浄前ストック32a側が低くなるように形成されている。そして、案内部材65における、案内路65aと分岐路65bとの接続部位には、上部トレイ62側から転がってきた遊技球を、球回転部61の方へ案内するか、洗浄前ストック32a側の方へ案内するかを切り替える切替弁65cが設けられている。
以上のように構成された出球感演出部60においては、以下のように作用する。
分配装置40(図1−2参照)から下部トレイ63に送られた遊技球は、球上昇装置64により上部トレイ62まで上昇させられる。
ホールが営業時間内である場合において、パチンコ遊技機ユニットPUにて遊技が行われていないとき、あるいは遊技が行われているときであっても出球感を演出する程の獲得賞球数ではないときには、球回転部61の回転体61aは停止させられる。また、上部トレイ62に取り付けられた調整弁62bは、遊技球の排出を抑制する抑制位置に設定される。
その後、獲得賞球数が増えた場合には演出が行われるが、その演出は、獲得賞球数の増減に応じて、3段階のレベルに設定される。
最もレベルが低いレベル1の演出は、球回転部61の回転体カバー66内に予め定められた第1の球数の遊技球を入れ、入れた遊技球を、低速回転の回転体61aにてかき混ぜる演出である。
中間のレベルであるレベル2の演出は、球回転部61の回転体カバー66内にさらに遊技球を追加して予め定められた第2の球数の遊技球を入れ、入れた遊技球を、低速回転の回転体61aにてかき混ぜる演出である。
最もレベルが高いレベル3の演出は、球回転部61の回転体カバー66内に予め定められた第2の球数の遊技球を入れ、入れた遊技球を、高速回転の回転体61aにてかき混ぜる演出である。
なお、第1の球数は、300球程度、第2の球数は、600球程度であることを例示することができる。また、回転体61aの低速回転は、例えば1分間に12回転、高速回転は、例えば1分間に24回転であることを例示することができる。
そして、予め定められた期間内の獲得賞球の増加数が予め定められた第1の増加数以上となった場合に演出開始となり、獲得賞球の増加数が予め定められた第1の増加数以上第2の増加数未満である場合にはレベル1の演出が行われる。
そして、獲得賞球の増加数が予め定められた第2の増加数以上となったらレベル2の演出に切り替えられる。レベル1の演出からレベル2の演出へ切り替える場合には、回転体61aを低速回転にしたままで、回転体カバー66内の遊技球の数を第1の球数から第2の球数へ増やす。
さらに、獲得賞球の増加数が予め定められた第3の増加数以上となったらレベル3の演出に切り替えられる。レベル2の演出からレベル3の演出へ切り替える場合には、回転体カバー66内に第2の球数の遊技球を入れたままで、回転体61aの回転速度を低速回転から高速回転へ変更する。
一方、演出が行われているときに、予め定められた期間内の獲得賞球の減少数が予め定められた減少数以上となるごとにレベルが1レベルずつダウンさせる。
例えば、レベル3の演出が行われているときに、予め定められた期間内の獲得賞球の減少数が予め定められた減少数以上となった場合には、レベル3からレベル2の演出に切り替えられる。レベル3の演出からレベル2の演出へ切り替える場合には、回転体カバー66内に第2の球数の遊技球を入れたままで、回転体61aの回転速度を高速回転から低速回転へ変更する。
また、レベル2の演出に切り替えられた後、予め定められた期間内の獲得賞球の減少数が予め定められた減少数以上となった場合には、レベル2からレベル1の演出に切り替えられる。レベル2の演出からレベル1の演出へ切り替える場合には、回転体61aを低速回転にしたままで、回転体カバー66内の遊技球の数を第2の球数から第1の球数へ減らす。
また、レベル1の演出に切り替えられた後、予め定められた期間内の獲得賞球の減少数が予め定められた減少数以上となった場合には、演出を終了する。演出を終了する際には、回転体61aの回転を停止するとともに回転体カバー66内の遊技球を全て排出する。
このように、出球感演出部60では、遊技者が獲得した賞球数の増減に応じて回転体カバー66内の遊技球の数および回転体61aの回転速度を切り替えることで、演出レベルを切り替える。
なお、回転体カバー66内に遊技球を入れる際には、案内部材65の切替弁65cを遊技球が回転体カバー66の方へ転がるように設定した状態で、上部トレイ62の排出口62aに取り付けられた調整弁62bを、排出位置に設定する。これにより、上部トレイ62に溜められた遊技球が、上部トレイ62から回転体カバー66内に転がっていく。また、回転体カバー66内に遊技球を入れるべきときには、調整弁62bを、排出位置から抑制位置へ、抑制位置から排出位置へ一定間隔で繰り返し移動させる。これにより、上部トレイ62からの遊技球の排出時に、上部トレイ62において球詰まりが発生することが抑制される。そして、調整弁62bを排出位置にしておく期間を制御することで、回転体カバー66内に供給する遊技球の数を調整する。
また、回転体61aを回転させる際には、回転体カバー66の排出口66bに設けられた調整弁67は遊技球の排出を抑制する位置に設定される。
そして、出球感演出部60での演出を終える場合には、回転体61aの回転を停止させるとともに、回転体カバー66の排出口66bに設けられた調整弁67を、遊技球を排出させる位置に設定する。これにより、回転体カバー66内の遊技球が下部トレイ63へ排出される。
他方、ホール営業時間後など、遊技球を洗浄する際には、案内部材65の切替弁65cを遊技球が洗浄前ストック32aの方へ転がるように設定した状態で、上部トレイ62の排出口62aに取り付けられた調整弁62bを、排出位置に設定する。これにより、上部トレイ62に溜められた遊技球が、上部トレイ62から洗浄前ストック32aの方へ転がっていく。その際、下部トレイ63に遊技球が存在する間、下部トレイ63から上部トレイ62に遊技球を供給するべく、球上昇装置64を駆動させる。
〔演出装置20の貯球感演出部70〕
次に、貯球感演出部70について詳述する。
図27は、貯球感演出部70の斜視図である。図28は、貯球感演出部70を上方から見た図である。図29は、後述する球挿入部72および球排出部73の概略構成を示す斜視図である。図30は、後述する上部トレイ76(図28参照)の下側を上方から見た図である。
貯球感演出部70は、実際の遊技球を陳列する球陳列部71と、球陳列部71に遊技球を挿入する球挿入部72(図29参照)と、球陳列部71に陳列された遊技球を球陳列部71から排出させる球排出部73(図29参照)とを有している。また、貯球感演出部70は、後述する貯球感用球案内部材47(図1−2参照)を介して後述するメインストック41(図1−2参照)から送られてきた遊技球を球陳列部71の下方にて溜めておく下部トレイ74と、下部トレイ74に溜められた遊技球を上部に上昇させる球上昇装置75(図28参照)と、球上昇装置75にて上昇させられた遊技球を球陳列部71の上方にて溜めておく上部トレイ76とを有している。
球陳列部71は、透明に形成され遊技球を収納するケース71aと、このケース71a内に上下方向に並んで複数配置され、遊技球を載せて陳列する陳列棚71bと、を有している。ケース71aは、上方から見た場合には円弧状であり、正面から見た場合には矩形となるように成形されている。また、各陳列棚71bは、上方から見た場合には、図28に示すように円弧状であり、正面から見た場合には、図27に示すように左側から右側に向けて傾斜している。また、本実施の形態に係る球陳列部71においては、15個の陳列棚71bが上下方向に並んで配置されており、これら複数の陳列棚71bの配置間隔は、遊技球の大きさ(1.1mm)よりも若干大きな間隔(例えば1.2mm)である。また、陳列棚71bは、22個の遊技球を陳列可能な長さに設定されている。それゆえ、本実施の形態に係る球陳列部71においては、球陳列部71全体としては、330個の遊技球を陳列可能である。そして、ケース71aの左右方向の両端部は開口しており、これらの開口部から遊技球が出入りする。なお、以下では、図27で見た場合のケース71aの左側端部に形成された開口部を「左側開口部71c」、ケース71aの右側端部に形成された開口部を「右側開口部71d」と称す(図29参照)。
球挿入部72は、円筒状の部材であり、その円筒の中心軸を回転中心として回転するとともに遊技球を通過させることが可能な大きさの孔81aが複数形成された挿入側シリンダー81を備えている。また、球挿入部72は、挿入側シリンダー81の内側で遊技球を待機させておく球待機部82を備えている。
挿入側シリンダー81は、その回転中心の回転軸方向が上下方向となるように配置されている。そして、この挿入側シリンダー81に形成された複数の孔81aは、回転中心の回転軸方向には、球陳列部71のケース71aの左側開口部71cにおける陳列棚71bの配置高さと対応する高さに、陳列棚71bの個数と同数形成されている。また、複数の孔81aは、円周方向には、等間隔に配置されており、その配置間隔は、360度を孔81aの個数で除した角度未満となるように定められているとともに、孔81aの高さが高くなるにしたがって、その孔81aの円周方向の位置が、上方から見た場合に反時計回りに等間隔にずれるように定められている。
また、挿入側シリンダー81の上部には、上面から凹んだ切り欠き81bが形成されている。この切り欠き81bは、この挿入側シリンダー81の回転角度を検知するために用いられる。
図31は、球待機部82の概略構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は、後述する突起部82bcと孔81aとの高さ関係を示す図である。
球待機部82は、挿入側シリンダー81の内側に配置されて、挿入側シリンダー81の内面との間で、遊技球を上下方向に1列に並ばせるような空間を形成する球待機部材82aと、球待機部材82aと挿入側シリンダー81の内面とで形成する空間内に並ぶ遊技球の最小高さを調整する内側シリンダー82bと、を備えている。
球待機部材82aは、上方から見た場合の基本形状がコの字状であり、挿入側シリンダー81とほぼ同じ長さとなるように上下方向に伸びる細長い部材である。そして、球待機部材82aは、そのコの字の内側と挿入側シリンダー81の内周面との間に形成された空間に、挿入側シリンダー81の回転中心方向(上下方向)には複数個の遊技球を、半径方向および円周方向には1つの遊技球を収納可能である。
内側シリンダー82bは、挿入側シリンダー81の内側に配置された円筒状の部材であり、その外周面に、挿入側シリンダー81の内面と球待機部材82aとで形成する空間内に突出する複数の突起部82bcを有している。各突起部82bcは、円周方向の幅が遊技球の直径と同程度であり、回転半径方向の形状が外側にいくにしたがって細くなるように形成されている。そして、複数の突起部82bcは、回転中心方向(上下方向)および円周方向に、挿入側シリンダー81に形成された複数の孔81aと同じ配置間隔で同じ数設けられている。また、複数の突起部82bcの高さは、図31(b)に示すように、各突起部82bcの半径方向の先端の最上部の高さが、挿入側シリンダー81の各孔81aの最下部の高さと同じになるように形成されている。
図32は、挿入側シリンダー81を回転駆動させる部位の概略構成図である。
挿入側シリンダー81には、ギア83が設けられている。そして、球挿入部72は、挿入側シリンダー81に設けられたギア83と噛み合う伝達ギア84と、この伝達ギア84が回転軸に固定された挿入側モータ85とを有している。これにより、挿入側シリンダー81は、挿入側モータ85の回転駆動力が伝達ギア84およびギア83を介して伝達されて回転する。また、内側シリンダー82bは、挿入側シリンダー81と一緒に回転する。その際、内側シリンダー82bの各突起部82baの半径方向の先端の最上部の高さが、挿入側シリンダー81の各孔81aの最下部の高さと同じになるように、内側シリンダー82bと挿入側シリンダー81とが位置決めされる(図31(b)参照)。
球排出部73は、円筒状の部材であり、その円筒の中心軸を回転中心として回転するとともに遊技球を通過させることが可能な大きさの孔87が複数形成された排出側シリンダー86を有している。
排出側シリンダー86は、その回転中心の回転軸方向が上下方向となるように配置されている。そして、排出側シリンダー86に形成された孔87は、球陳列部71のケース71aの右側開口部71dにおける陳列棚71bの配置高さと対応する高さに形成された第1の排出孔87aが陳列棚71bの個数と同数形成された第1の排出孔群と、球陳列部71のケース71aの右側開口部71dと回転軸方向にほぼ同じ長さに亘って形成された第2の排出孔87bとからなる。
各第1の排出孔87aの大きさは以下のように定められている。すなわち、各第1の排出孔87aの回転軸方向(上下方向)の大きさは、遊技球が1球通過するのに十分な大きさであり、陳列棚71bの配置間隔と同程度の大きさに定められている。各第1の排出孔87aの円周方向の大きさは、先ず、最下部の第1の排出孔87aの大きさが最下部の陳列棚71bに陳列されている遊技球が1球通過するのに十分な大きさに設定されている。そして、高さ方向に最下部から2番目の第1の排出孔87aの円周方向の大きさは、最下部の第1の排出孔87aの円周方向の大きさの約2倍に設定されている。そして、最下部から2番目の第1の排出孔87aの円周方向の一方の端部が最下部の第1の排出孔87aの一方の端部とほぼ同じ位置となるように設定されている。高さ方向に最下部から3番目以降の第1の排出孔87aの大きさは、2番目の第1の排出孔87aの大きさと同じに設定されており、その半分がその1つ下(n番目であればn−1番目)に形成された第1の排出孔87aと重複するように形成されている。そして、2番目以降の第1の排出孔87aは、円周方向に等間隔に配置されるとともに、第1の排出孔87aの高さが高くなるにしたがって、上方から見た場合に円周方向の位置が反時計回りに移行するように形成されている。
第2の排出孔87bは、円周方向には、いずれの第1の排出孔87aとも重複しないように形成されるとともに、円周方向における右側の端部は回転軸方向に平行に形成され、左側の端部は、円周方向の長さが下から上に行くにしたがって長くなるように形成されている。
また、排出側シリンダー86の上部には、上面から凹んだ切り欠き86aが形成されている。この切り欠き86aは、この排出側シリンダー86の回転角度を検知するために用いられる。
図33は、排出側シリンダー86を回転駆動させる部位の概略構成図である。
排出側シリンダー86には、ギア88が設けられている。そして、球排出部73は、排出側シリンダー86に設けられたギア88と噛み合う伝達ギア89と、この伝達ギア89が回転軸に固定された排出側モータ90とを有している。これにより、排出側シリンダー86は、排出側モータ90の回転駆動力が伝達ギア89およびギア88を介して伝達されて回転する。
下部トレイ74(図27参照)は、後述するメインストック41(図1−2参照)から送られてきた遊技球を受け入れる受入口74aと、球上昇装置75へ遊技球を排出する排出口(不図示)と、を有する凹状の部材である。そして、底面は、受入口74aから供給された遊技球が自重で排出口の方へ向かうように、受入口74a側が高くて排出口側が低くなるように形成されている。また、下部トレイ74は、排出側シリンダー86の下方に配置されており、後述するようにして、排出側シリンダー86に形成された孔87a,87bを介して球陳列部71から排出された遊技球を受け入れる。
球上昇装置75は、内側シリンダー82bの内側に配置されて、内側シリンダー82b(挿入側シリンダー81)の中心軸を回転中心として回転することで遊技球を下部トレイ74から上部トレイ76まで上昇させる。この球上昇装置75は、上述した球上昇装置52と同様の構成および機能であり、その詳細な説明は省略する。
上部トレイ76は、球上昇装置75にて上昇させられた遊技球を、球待機部82か、あるいは洗浄前ストック32aの方へ導く凹状の部材である。そして、上部トレイ76には、球上昇装置75にて上昇させられた遊技球が自重で球待機部82へ向かうように、球上昇装置75側が高くて球待機部82側が低くなるように形成された案内路76aと、この案内路76aの途中から分岐し自重で洗浄装置30の方へ向かうように、球案内路76a側が高くて洗浄前ストック32a側が低くなるように形成された分岐路76bとが形成されている。そして、案内路76aと分岐路76bとの接続部には、球上昇装置75側から転がってきた遊技球を、球待機部82の方へ導くか、洗浄装置30の方へ導くかを切り替える切替弁76cが設けられている。この切替弁76cは、後述する制御ユニットにより切り替えられる。また、上部トレイ76の底面における、上述した球待機部材82aと挿入側シリンダー81の内面とで形成する空間の上方の部位には、案内路76aを転がってきた遊技球をこの空間内へ落下させる落下孔76dが形成されている。
また、上部トレイ76には、挿入側シリンダー81の上方に配置された挿入側フォトセンサ76eと、排出側シリンダー86の上方に配置された排出側フォトセンサ76fとが取り付けられている。挿入側フォトセンサ76eおよび排出側フォトセンサ76fは、周知のフォトインターラプタセンサであり、センサ本体に下向きに形成された2つの突出部と、突出部のそれぞれに設けられた発光素子(不図示)と受光素子(不図示)とを有する(図35参照)。そして、発光素子から発光された光を受光素子が受けるか否かで、発光素子と受光素子とが対向する部位における物体の通過や存在を読み取る。より具体的には、挿入側フォトセンサ76eの2つの突出部が対向する部位に、挿入側シリンダー81の上部が介在するように配置されており(図35参照)、この対向する部位に、切り欠き81bが介在するときに発光素子から発光された光を受光素子が受けることで挿入側シリンダー81の回転角度を検知する。同様に、排出側フォトセンサ76fの2つの突出部が対向する部位に、排出側シリンダー86の上部が介在するように配置されており(図35参照)、この対向する部位に、切り欠き86aが介在するときに発光素子から発光された光を受光素子が受けることで排出側シリンダー86の回転角度を検知する。
また、上部トレイ76には、案内路76aにおける切替弁76cよりも下流の位置に遊技球が存在するか否かを検知する球検知フォトセンサ76gが取り付けられている。球検知フォトセンサ76gは、周知のフォトインターラプタセンサであり、センサ本体に下向きに形成された2つの突出部と、突出部のそれぞれに設けられた発光素子(不図示)と受光素子(不図示)とを有する。そして、発光素子から発光された光を受光素子が受けるか否かで、発光素子と受光素子とが対向する部位における遊技球の通過や存在を読み取る。より具体的には、球検知フォトセンサ76gが受光から遮光および遮光から受光の切り替わりを検出することで、遊技球の通過を検知し、受光素子が受光しないことで発光素子と受光素子とが対向する部位における遊技球の存在を検知する。
以上のように構成された貯球感演出部70においては、以下のように作用する。
ホールが営業時間内である場合において、パチンコ遊技機ユニットPUにて遊技が行われていないとき、あるいは遊技が行われているときであってもその遊技者に貯球がない場合には、挿入側シリンダー81および排出側シリンダー86は、原点位置に設定される。また、上部トレイ76の切替弁76cは、球待機部82の方へ遊技球を案内する位置に設定された状態で、球検知フォトセンサ76gがその2つの突出部に遊技球が存在していることを検知するまで、球上昇装置75が駆動される。
ここで、挿入側シリンダー81の原点位置は、挿入側シリンダー81を、図30で見た場合の反時計回転方向に回転(以下では、時計回転方向の回転を「正転」、反時計回転方向の回転を「逆転」という。)させた場合に、挿入側フォトセンサ76eが遮光→受光の切り替わりポイントを検出する位置である。また、排出側シリンダー86の原点位置は、排出側シリンダー86を逆転させた場合に、排出側フォトセンサ76fが遮光→受光の切り替わりポイントを検出する位置である。図29は、挿入側シリンダー81および排出側シリンダー86が原点位置に設定されている状態を示している。挿入側シリンダー81が原点位置にいるときには、球陳列部71のケース71aの左側開口部71cは、挿入側シリンダー81により全て塞がれている。また、排出側シリンダー86が原点位置にいるときには、ケース71aの右側開口部71dは、最下部および下から2番目の第1の排出孔87aに対応する部分のみが開放されている。
かかる場合、下部トレイ74の遊技球は、球上昇装置75にて上昇させられて上部トレイ76に至り、案内路76aを転がって球待機部82の方へ移動する。そして、上部トレイ76に早く到達した順に、球待機部材82aと挿入側シリンダー81の内面とで形成する空間内に落下していき、内側シリンダー82bの突起部82bcの上に順に並ぶ。ただし、かかる場合には、図29に示すように、挿入側シリンダー81が球陳列部71の左側開口部71cを塞いでいるので、球陳列部71の陳列棚71bには陳列されない。
また、球上昇装置75にて上部トレイ76に供給された遊技球の内、球待機部82に至らない遊技球は、上部トレイ76の案内路76aに並ぶ。そして、球検知フォトセンサ76gがその2つの突出部に対向する部位に遊技球が存在していることを検知したときに、球上昇装置75の駆動が停止される。
球陳列部71の陳列棚71bに遊技球を陳列する場合は以下の通りである。
先ず、最下部の陳列棚71bに対応する右側開口部71dを塞ぐべく、排出側シリンダー86を予め定められた角度βだけ正転させる。また、最下部の陳列棚71bに対応する左側開口部71cを開口させるべく挿入側シリンダー81を予め定められた角度αだけ正転させる。
図34は、原点位置から、挿入側シリンダー81を角度α正転、および排出側シリンダー86を角度β正転させた状態を示す図である。
原点位置から、排出側シリンダー86を角度β正転させ、挿入側シリンダー81を角度α正転させることにより、球待機部82に待機していた遊技球が、球陳列部71のケース71a内に入り込み、最下部の陳列棚71bの傾斜を利用して正面から見た場合の右側へ移動する。そして、最下部の陳列棚71bに対応する右側開口部71dは塞がれているので、先頭の遊技球は排出側シリンダー86の外周面に突き当たり停止し、後続する遊技球は先行する遊技球に突き当たって停止する。このようにして、最下部の陳列棚71bに遊技球が陳列されることとなる。また、球待機部82に待機していた遊技球が球陳列部71のケース71a内に入り込んだ分、上部トレイ76から球待機部82へ遊技球が移動する。そして、球検知フォトセンサ76gが、その2つの突出部が対向する部位に遊技球が存在しなくなったことを検出することで、球上昇装置75の駆動が再開されて、下部トレイ74から上部トレイ76へ遊技球が供給される。その後、球検知フォトセンサ76gが、その2つの突出部が対向する部位に遊技球が存在していることを検知したときに、球上昇装置75の駆動が停止される。
なお、予め定められた角度αは、挿入側シリンダー81に形成された複数の孔81aの円周方向の配置間隔(例えば、20度)である。予め定められた角度βは、排出側シリンダー86に形成された下から2番目以降の第1の排出孔87aの円周方向の配置間隔(例えば、20度)である。
その後、さらに、排出側シリンダー86を予め定められた角度β正転させるとともに挿入側シリンダー81を予め定められた角度α正転させることで、下から2番目の陳列棚71bに対応する右側開口部71dが塞ぎ、左側開口部71cが開口する。これにより、下から2番目の陳列棚71bに遊技球が陳列されることとなる。以降、排出側シリンダー86を予め定められた角度α正転するとともに挿入側シリンダー81を予め定められた角度β正転させることを繰り返すことで、下から3番目以降の陳列棚71bに遊技球が陳列されることとなる。
次に、球陳列部71に陳列された遊技球を排出する場合について説明する。
図35は、下から4段目までの陳列棚71bに遊技球が陳列されている状態から、遊技球が排出される様子を示す図である。
先ず、複数の陳列棚71bに陳列された遊技球を1つの陳列棚71b毎に球陳列部71外へ排出する場合について述べる。
現在陳列させている陳列棚71bの内、一番高い陳列棚71b(図35においては4段目の陳列棚71b)に対応する左側開口部71cを塞ぐべく挿入側シリンダー81を予め定められた角度αだけ逆転させる。また、その陳列棚71b(図35においては4段目の陳列棚71b)に対応する右側開口部71dを開口するべく、排出側シリンダー86を予め定められた角度βだけ逆転させる。これにより、球待機部82からこの陳列棚71b(図35においては4段目の陳列棚71b)の方へ遊技球が向かうのが抑制された状態で、この陳列棚71bに陳列されていた遊技球が右側開口部71dからケース71a外へ出て行き、排出側シリンダー86の下方に配置された下部トレイ74に落下していく。
以降、挿入側シリンダー81を予め定められた角度α逆転させるとともに排出側シリンダー86を予め定められた角度β逆転することを繰り返すことで、上位にある陳列棚71bに陳列された遊技球から順にケース71a外へ排出されていく。
このようにして、陳列棚71bに陳列された遊技球が1つの陳列棚71b毎に球陳列部71外へ排出されていく。
次に、複数の陳列棚71bに陳列された遊技球を、2つの陳列棚71b毎に球陳列部71の外へ排出する場合について述べる。
現在陳列させている陳列棚71bの内、1番目および2番目に高い陳列棚71b(図35においては4段目および3段目の陳列棚71b)に対応する左側開口部71cを塞ぐべく挿入側シリンダー81を予め定められた角度αの2倍の角度だけ逆転させる。また、それらの陳列棚71b(図35においては4段目および3段目の陳列棚71b)に対応する右側開口部71dを開放するべく、排出側シリンダー86を予め定められた角度βの2倍の角度だけ逆転させる。
図36は、排出側シリンダー86を、予め定められた角度βだけ逆転した状態と、予め定められた角度βの2倍の角度分逆転した状態とを比較する図である。
図36に示すように、排出側シリンダー86に形成された、上下方向に連続する2つの第1の排出孔87aは、円周方向に重複している。これにより、球待機部82からこれら上下方向に連続する2つの第1の排出孔87aに対応する陳列棚71b(図35においては下から4段目および3段目の陳列棚71b)の方へ遊技球が向かうのが抑制された状態で、これら上下方向に連続する2つの陳列棚71bに陳列されていた遊技球が右側開口部71dからケース71aの外へ出て行き、排出側シリンダー86の下方に配置された下部トレイ74に落下する。その際、排出側シリンダー86を角度βの2倍の角度逆転させる過程で、上下方向に連続する2つの第1の排出孔87aの内、上位の第1の排出孔87aが、先に、上位の陳列棚71b(図35においては4段目の陳列棚71b)に対応する右側開口部71dを開放させる(図36(a)参照)。それゆえ、上下方向に連続する2つの陳列棚71bの内、上位の陳列棚71bに陳列されていた遊技球が先に右側開口部71dからケース71aの外へ出始める。
以降、挿入側シリンダー81を予め定められた角度αの2倍の角度分逆転させるとともに排出側シリンダー86を予め定められた角度βの2倍の角度分逆転させることを繰り返すことで、上位の2つの陳列棚71bに陳列された遊技球から順にケース71aの外へ排出されていく。
このようにして、陳列棚71bに陳列された遊技球が2つの陳列棚71b毎に球陳列部71外へ排出されていく。
次に、複数の陳列棚71bに陳列された遊技球を、全ての陳列棚71bからほぼ同時に球陳列部71の外へ排出する場合について述べる。言い換えれば、複数の陳列棚71bに陳列された遊技球を、一気に球陳列部71の外へ排出する場合について述べる。
先ず、全ての陳列棚71bに対応する左側開口部71cを塞ぐべく挿入側シリンダー81を逆転させて原点位置まで戻す。その後、全ての陳列棚71bに対応する右側開口部71dを開口するべく、排出側シリンダー86を原点位置から予め定められた角度γ正転させる。予め定められた角度γは、原点位置から排出側シリンダー86正転させて、排出側シリンダー86の第2の排出孔87bがケース71aの右側開口部71d全てと対向する位置となるまでの角度である。本実施の形態に係る貯球感演出部70においては、予め定められた角度γは、320度である。
図37は、排出側シリンダー86を、原点から予め定められた角度γだけ回転する様子を示す図である。
図37に示すように、第2の排出孔87bは、円周方向における右側の端部が回転軸方向に平行に形成され、左側の端部が円周方向の長さが上から下に行くにしたがって短くなるように形成されている。それゆえ、排出側シリンダー86を、原点から予め定められた角度γだけ回転、つまり、第2の排出孔87bがケース71aの右側開口部71d全てと対向する位置まで回転する過程で、右側開口部71dは、高位置側から順に第2の排出孔87bと対向していく。これにより、球待機部82から全ての陳列棚71bの方へ遊技球が向かうのが抑制された状態で、高い位置にある陳列棚71bに陳列された遊技球から先にケース71aの外へ出て行き、下部トレイ74に落下していく。そして、最終的に第2の排出孔87bがケース71aの右側開口部71d全てと対向することで、全ての陳列棚71bに陳列された遊技球がケース71aの外へ排出されることとなる。
このようにして、複数の陳列棚71bに陳列された遊技球が一気に球陳列部71外へ排出される。
次に、貯球感演出部70の遊技球を洗浄する場合について説明する。
ホール営業時間後など、遊技球を洗浄する際には、上部トレイ76の切替弁76cを遊技球が洗浄装置30の方へ転がるように設定した状態で、下部トレイ74に遊技球が存在しなくなるまで球上昇装置75を駆動させる。これにより、下部トレイ74に溜まった遊技球が、球上昇装置75により上昇させられて上部トレイ76に至り、分岐路76bを介して洗浄装置30の洗浄前ストック32aへ至る。
〔洗浄装置30〕
次に、洗浄装置30について説明する。この洗浄装置30は、後述するように、遊技球を液体により洗浄すると共に洗浄後に液体が残らないようにしている。
洗浄装置30は、図1−2に示すように、遊技球を液体で洗浄する洗浄部31と、パチンコ遊技機100および演出装置20に分配されている遊技球を収集する球収集部32と、球収集部32が収集した遊技球を洗浄部31へ案内する洗浄球案内部33と、を備えている。また、図1−2に示すように、洗浄装置30は、洗浄部31にて洗浄した後の遊技球を溜めておく洗浄後ストック34と、洗浄部31にて洗浄した後の遊技球を洗浄部31から洗浄後ストック34まで案内する案内部材35と、洗浄後ストック34からメインストック41まで遊技球を送る球搬送装置36と、を備えている。
なお、本実施の形態での洗浄部31は、液体(洗浄液)で遊技球を洗浄しているが(液体洗浄)、液体をミスト状にする機構(不図示)を備え、その機構により生成したそのミストにより遊技球を洗浄すること(噴霧洗浄)も考えられる。すなわち、洗浄部31を、液体を用いて洗浄するように構成するものである。
〔洗浄装置30の洗浄部31〕
先ずは、洗浄部31について説明する。
図38−1は、洗浄部31の斜視図である。図38−2は、洗浄部31の構成部品を示す分解図である。図38−3は、洗浄部31の構成部品を示す分解図である。図38−4は、載置ユニット381の構成部品を示す分解図である。図38−5は、外ケース37および内ケース38の拡大断面図である。図39は、洗浄部31の断面図である。
洗浄部31は、内側に液体が貯められる外ケース37と、外ケース37の内側に配置され、内側に遊技球を収納可能な内ケース38と、内ケース38を外ケース37に対して昇降させる内ケース昇降装置360と、内ケース38を外ケース37に対して回転させる内ケース回転装置370と、を備えている。なお、本実施形態においては、遊技球を洗浄する液体として水を用いる場合を例示する。
外ケース37は、薄肉有底円筒状の部材であり、上部には内側に水を挿入する水挿入部(不図示)と、底部には、貯められた水を排出する水排出部37aと、後述する載置ユニット381の軸部材397が嵌まり込む軸受け部37bと、が設けられている。この軸受け部37bの上面には、複数(本実施は形態においては3つ)のピン37cが、ネジ結合あるいは圧入により、円周方向に等間隔に上下方向に伸びるように固定されている。また、外ケース37の上側には、上面が開口している外ケース37の上面の一部を覆う外ケース蓋39と、外ケース蓋39の上面の中央部の一部を覆う蓋カバー379と、が配置されている。外ケース蓋39には、内ケース38が挿入される挿入孔39aが形成されており、外周部には、上面から上下方向の上側に伸びる側壁39bが形成されている。また、外ケース蓋39の上面は、内ケース38から排出された遊技球が、内ケース38側から側壁39b側へ転がるように傾斜している。また、外ケース蓋39の外周部における側壁39bよりも内側の部位には、上下方向に貫通されてその上面に載った遊技球を下方へ落下させる複数(本実施は形態においては3つ)の貫通孔39cが円周方向に等間隔に形成されている。そして、外ケース蓋39の上面は、貫通孔39cの開口部の縁部が最も低い高さとなるように傾斜している。
なお、外ケース37は洗浄部31のメインフレーム31aに固定され、外ケース蓋39は外ケース37に固定され、蓋カバー379は外ケース蓋39に固定されている。
内ケース38は、遊技球を載せる載置ユニット381と、載置ユニット381を支持する内ケース本体380と、を有している。
載置ユニット381は、基本的には円盤状の部材であり、その上面に遊技球を載せる載置部材395と、載置部材395を支持する支持部材396と、支持部材396に固定される棒状の軸部材397と、を有している。また、載置ユニット381は、軸部材397を支持部材396に固定する段付ボルト398と、支持部材396に対する、載置部材395の上下方向の移動を制限するキャップ399と、を有している。
段付ボルト398は、フランジ部398aと、フランジ部398aの一方の側に設けられた第1のネジ398bと、フランジ部398aの他方の側に設けられた第2のネジ398cと、を有している。
載置部材395は、遊技球を載せる側の面である上面の形状が中央部側から外周側へ傾斜するように形成されている。また、載置部材395の遊技球を載せる側の面には凹凸が形成されている。より具体的には、載置部材395の遊技球を載せる側の面には、円周方向に複数の凸部と凹部とが交互に形成されている。すなわち、載置部材395は、遊技球を載せる側の部位に、回転軸方向に平行に形成された複数(本実施は形態においては3つ)の壁面395bと、円周方向に高さが壁面395bの上端に向けて徐々に高くなるように形成された複数(本実施は形態においては3つ)の斜面395cと、を有する。本実施の形態に係る載置部材395においては、洗浄部31を上方から見た場合に、斜面395cの高さが時計回転方向に徐々に高くなるように形成されている。そして、これら複数の壁面395bと斜面395cとはそれぞれ、円周方向に等間隔に形成されている。そして、壁面395bと、この壁面395bの下端に連続するように形成された斜面395cとで凹部を構成し、壁面395bと、この壁面395bの上端に連続するように形成された斜面395cとで凸部を構成する。また、載置部材395の中央部には、上面から下面まで貫通された貫通孔395aが形成されており、この貫通孔395aに、段付ボルト398の第1のネジ398bが通される。そして、その第1のネジ398bに、貫通孔395aの孔径よりも大きな外形のキャップ399が嵌め込まれることで、載置部材395は、段付ボルト398に固定される。
また、支持部材396の中央部には、上面から下面まで貫通された貫通孔396aが形成されており、この貫通孔396aに、ワッシャを介して段付ボルト398の第2のネジ398cが通される。軸部材397は、外径が支持部材396の中央部に形成された貫通孔396aの孔径よりも大きく形成され、中央部には、第2のネジ398cと嵌り合う雌ネジが形成されている。そして、第2のネジ398cに、軸部材397が嵌め込まれることで、軸部材397が支持部材396に固定される。また、支持部材396の下面には、その下面から凹み、上述した外ケース37の軸受け部37bに固定された複数のピン37cそれぞれが嵌まり込む複数の凹部396bが円周方向に等間隔に形成されている。
内ケース本体380は、円筒状の円筒部380aと、円筒部380aの下部に円筒部380aの内周面から回転半径方向の内側に突出するように形成された内側突出部380bと、円筒部380aの上部に円筒部380aの外周面から回転半径方向の外側に突出したフランジ380cと、を有している。円筒部380aは、その内周面で載置部材395の外周を囲み、載置部材395に載せられた遊技球の横方向への移動を制限する。この円筒部380aには、外ケース37に貯められた水を内側に挿入するための複数の挿入孔38aと、載置部材395に載せられた遊技球を外側に排出する複数の排出孔38bと、が形成されている。挿入孔38aは、遊技球の大きさより小さく形成されており、排出孔38bは、遊技球の大きさより大きく形成されている。また、複数の排出孔38bは、本実施の形態においては、上下方向には同じ高さとなるように、円周方向には等間隔となるように3つ形成されている。内側突出部380bは、中央部に設けられて上述した支持部材396が嵌まり込む円筒状の軸受け部38cと、後述する開閉部材支持部材391がネジ止めされるネジ孔が形成されたボス38dと、円筒部380aと軸受け部38cとの間に設けられて載置部材395を支持する凸部38eと、を有している。凸部38eは、円周方向に山と谷が連続するように形成されている。そして、内側突出部380bは、軸受け部38cの上面が載置部材395の下面に接触したり、凸部38eの山の頂部が載置部材395の下面に接触したりすることなどで、載置ユニット381が下方向へ移動するのを規制する。
また、内ケース38の内ケース本体380には、排出孔38bを開閉する開閉部材390が、複数(本実施の形態においては3つ)の排出孔38bにそれぞれ対応するように設けられている。開閉部材390は、内ケース本体380の外側の下部に固定された開閉部材支持部材391により支持される。開閉部材支持部材391には、開閉部材390を昇降させるためのレール391aが、開閉部材390それぞれ対応するように複数(本実施の形態においては3つ)形成されている。開閉部材支持部材391は、下側からボルトなどにて内ケース本体380の内側突出部380bに固定される。そして、開閉部材支持部材391には、開閉部材390の下側への移動を規制する規制部材392が、開閉部材390それぞれ対応するように複数(本実施の形態においては3つ)ボルトなどにて固定されている。この規制部材392と開閉部材390との間にはコイルばね393が介在しており、このコイルばね393が開閉部材390を上方向に押す。ここで、開閉部材390は、開閉部材支持部材391のレール391aに嵌め込まれる被嵌合部390aと、この被嵌合部390aから外側に突出した突出部390bとを有している。そして、開閉部材390は、突出部390bの上面が外ケース蓋39に固定された蓋カバー379から下方向の力を受けることにより、被嵌合部390aがレール391aを滑りながらコイルばね393の押圧力に抗して開閉部材支持部材391に対して下方向へ移動する。このように、開閉部材390が、内ケース38に対して相対的に移動し、排出孔38bを開くことで遊技球の排出を許容したり、排出孔38bを閉じることで遊技球の排出を抑制したりする。
また、洗浄部31は、内ケース38を支持する内ケース支持部材350と、内ケース支持部材350を支持して内ケース支持部材350を上下方向に案内する複数(本実施の形態においては3つ)の案内棒352と、を有している。
内ケース支持部材350には、内ケース本体380の円筒部380aの外径よりも大きく、フランジ380cの外径よりも小さい径で形成され、フランジ380cよりも下方に位置する部位が嵌め込まれる内ケース用孔350aが形成されている。また、内ケース支持部材350には、案内棒352が挿入される案内棒用孔350bが複数(本実施の形態においては3つ)形成されている。また、内ケース支持部材350の上面には、ボールが組み込まれたボール軸受け353が嵌め込まれる凹部である軸受け用凹部350cが複数形成されている。そして、洗浄部31は、内ケース支持部材350の上面に形成された複数の軸受け用凹部350cに嵌めこまれた複数のボール軸受け353の上下方向への移動を規制する軸受け規制板354を有している。
また、洗浄部31は、内ケース38のフランジ380cに固定されるとともに外周部に歯が形成された伝達ギア382と、内ケース38の上部の開口部の一部を覆う内ケース蓋383と、フランジ380cを介して内ケース蓋383を固定する蓋支持部材384と、を有している。内ケース蓋383には、中央部においてその上面から凹んだ凹部383aが形成されている。そして、洗浄部31は、内ケース蓋383の凹部383aに嵌合されるボールベアリング385と、このボールベアリング385の内側に嵌合されて内ケース38を内ケース支持部材350に対して回転可能に支持するためのベース386と、を有している。また、洗浄部31は、内ケース38のケース本体380の上下方向の移動を規制するケース規制板387と、この規制板387を内ケース支持部材350に固定するための複数(本実施の形態においては3つ)の台座388と、を有している。ケース規制板387は、伝達ギア382、蓋支持部材384、内ケース蓋383、ボールベアリング385およびベース386が装着された内ケース38が、その下部側から、内ケース支持部材350の内ケース用孔350aに挿入された後、ベース386に固定されるとともに、複数の台座388を介して内ケース支持部材350に固定される。内ケース38が、内ケース支持部材350の内ケース用孔350aに挿入される際には、内ケース支持部材350には、複数のボール軸受け353と、軸受け規制板354とが装着されており、伝達ギア382の下面が複数のボール軸受け353に接触した状態で、ケース規制板387が内ケース支持部材350に固定される。
かかる構成により、内ケース支持部材350は、内ケース38を回転可能に支持する。
なお、ベース386には、上部がすり鉢状に形成され、遊技球を内ケース38の内部に導入する導入部材389が取り付けられている。
複数の案内棒352は、洗浄部31のメインフレーム31aに対して回転可能に装着されるとともに外周面に螺旋状の溝が形成された第1の案内棒352aと、メインフレーム31aに装着されるとともに外周面に螺旋状の溝が形成されていない第2の案内棒352bと、から構成される。本実施の形態においては、複数の案内棒352は、1本の第1の案内棒352aと、2本の第2の案内棒352bとから構成される。
第1の案内棒352aは、内ケース支持部材350に固定された第1の軸受け351aを介して内ケース支持部材350の案内棒用孔350bに嵌合される。つまり、第1の軸受け351aの内周面には螺旋状の溝が形成されており、この内周面に第1の案内棒352aの外周面が嵌め込まれている。また、第2の案内棒352bは、内ケース支持部材350に固定される第2の軸受け351bを介して内ケース支持部材350の案内棒用孔350bに嵌合される。つまり、第2の軸受け351bの内周面と第2の案内棒352bの外周面とが嵌め合わされている。
次に、内ケース昇降装置360について説明する。
内ケース昇降装置360は、内ケース支持部材350を上下方向に移動させる力を与える昇降用モータ362と、第1の案内棒352aに装着される伝達ギア363と、昇降用モータ362に装着される伝達ギア362aと伝達ギア363とに掛け合わされたベルト364と、を有している。そして、第1の案内棒352aは、伝達ギア362a、363、ベルト364により、昇降用モータ362の回転駆動力が伝達されて回転する。そして、第1の案内棒352aが回転することにより、その回転方向に応じて第1の軸受け351aが上昇したり下降したりする。これにより、第1の軸受け351aが固定された内ケース支持部材350および内ケース支持部材350に支持された内ケース38などが、昇降用モータ362の回転方向に応じて上昇したり下降したりする。
次に、内ケース回転装置370について説明する。
内ケース回転装置370は、内ケース38に回転駆動力を与えるための回転用モータ371と、回転用モータ371に装着される伝達ギア371aと、伝達ギア371aおよび内ケース38に固定される伝達ギア382と噛み合う伝達ギア372と、を有している。また、内ケース回転装置370は、回転用モータ371を内ケース支持部材350に支持するためのブラケット373と、内ケース支持部材350に固定されて伝達ギア372の回転軸となる回転軸374と、伝達ギア372の上下方向の移動を規制するカバー375と、を有している。回転用モータ371は、ブラケット373に固定され、ブラケット373は、内ケース支持部材350に固定される。これにより、回転用モータ371は内ケース支持部材350に固定され、伝達ギア371aは内ケース支持部材350に対して回転可能となる。伝達ギア372は、内ケース支持部材350に固定される回転軸374を介して内ケース支持部材350に回転可能に支持される。カバー375は、伝達ギア372および伝達ギア371aの上側に跨るように内ケース支持部材350に固定され、伝達ギア372の上下方向の移動を規制する。
このように構成された内ケース回転装置370により、回転用モータ371の回転駆動力が伝達ギア371aおよび伝達ギア372を介して、内ケース38に固定された伝達ギア382に伝達される。これにより、内ケース38は、複数のボール軸受け353およびボールベアリング385により、内ケース支持部材350に対して回転する。ただし、内ケース38が後述する洗浄位置にあるときであって、載置ユニット381の支持部材396の凹部396bが外ケース37の軸受け部37bに固定されたピン37cに嵌まり込んでいる場合には、内ケース38の内、載置ユニット381は回転せず、内ケース本体380のみが回転する。
以上のように構成された洗浄部31において、洗浄制御部800は、内ケース昇降装置360を制御することにより、内ケース38を、高さが異なる3つの位置に移動させる。最も低い位置は、内ケース38の内側に収納した遊技球を外ケース37に貯められた水に浸す位置である。最も高い位置は、内ケース38の内側に収納した遊技球を、内ケース本体380に形成された排出孔38bを介して外ケース蓋39の上面に排出させる位置である。中間の位置は、内ケース38の内側に収納した遊技球を外ケース37に貯められた水に浸さない位置である。
そして、洗浄制御部800は、内ケース38を上述した最も低い位置に移動させた状態で、内ケース回転装置370を制御することにより、内ケース38を回転させ、内ケース38に収納した遊技球を洗浄する。以下では、この最も低い位置を「洗浄位置」と称す。図39は、内ケース38が洗浄位置にあるときの断面図である。また、洗浄制御部800は、内ケース38に収納した遊技球を洗浄した後、内ケース38を上述した中間の位置に移動させた状態で、内ケース回転装置370を制御することにより、内ケース38を回転させ、洗浄された遊技球の水切りを行う。以下では、この中間の位置を「水切り位置」と称す。また、洗浄制御部800は、内ケース38に収納した遊技球の水切りを行った後、内ケース昇降装置360を制御することにより、内ケース38を上述した最も高い位置に移動させることで、遊技球の排出を行う。以下では、この最も高い位置を「排出位置」と称す。
内ケース38が洗浄位置に存在する状態では、載置ユニット381の支持部材396の凹部396bが外ケース37の軸受け部37bに固定されたピン37cに嵌まり込んでいるので、回転用モータ371が駆動すると、内ケース38の内、載置ユニット381は回転せず、内ケース本体380のみが回転する。
ここで、載置ユニット381の載置部材395は、遊技球を載せる側の部位に、回転軸方向に平行に形成された壁面395bと、円周方向に高さが壁面395bに向けて徐々に高くなるように形成された斜面395cと、を有する。そこで、内ケース38の回転方向を、載置ユニット381に対する内ケース本体380の回転方向が、載置部材395に形成された斜面395cの高さが徐々に高くなる方向とする。つまり、洗浄部31を上方から見た場合に、載置ユニット381に対する内ケース本体380の回転方向が時計回転方向となるように内ケース38を回転させる。言い換えれば、内ケース38が洗浄位置に存在する状態で内ケース38を回転させた場合に、載置ユニット381に対して内ケース本体380を相対的に一方方向に回転する構成にし、載置ユニット381に対する内ケース本体380の回転方向に載置部材395に形成された斜面395cの高さが壁面395bの上端に向けて徐々に高くなるように形成する。
そして、載置部材395の最外周部にある遊技球は、載置部材395の上面は中央部側から外周側へ傾斜しているために載置部材395の中央部側にある遊技球から外向きの力を受ける一方で、内ケース本体380の円筒部380aの内周面により回転半径方向の移動が制限される。そのため、載置部材395の最外周部にある遊技球と、内ケース本体380の円筒部380aの内周面あるいは開閉部材390との間には摩擦力が生じる。その結果、載置ユニット381に対して内ケース本体380が回転すると、載置ユニット381に載せられた遊技球は、内ケース本体380の円筒部380aの内周面あるいは開閉部材390との間に生じる摩擦力により内ケース本体380の回転に従って内ケース本体380の回転方向に移動する。つまり、載置部材395に形成された斜面395cを上り、壁面395bの上端に到達した後、落下する。また、載置ユニット381に載せられた遊技球の内、内ケース本体380の円筒部380aの内周面あるいは開閉部材390と接触していない遊技球は、円筒部380aの内周面などと接触することで生じる摩擦力により移動する遊技球が移動するのに応じて移動する。これらにより、内ケース38に収納された遊技球は、外ケース37に貯められた液体に対して、円周方向にも上下方向にも移動する。そして、その移動は、個々の遊技球が転がりながら移動する場合もあるため、複数個の遊技球が固まって移動するのと比較すると、個々の遊技球のより多くの表面が液体に触れることとなる。その結果、遊技球に付着したゴミが落ち易くなる。
そして、洗浄制御部800は、内ケース38が洗浄位置に存在する状態で内ケース38を回転させた後に回転を停止させる際には、載置部材395の、壁面395bとこの壁面395bの下端に連続するように形成された斜面395cとで構成された凹部が内ケース本体380の排出孔38bと対向する位置に停止させる。例えば、後述する図41−2に示すように、壁面395bと、排出孔38bの円周方向の端部とが回転半径方向に一直線を描く位置に、内ケース本体380を停止させる。
ここで、洗浄部31は、内ケース38の回転方向の位置(回転角度)を検知する内ケース位置検知センサ(不図示)を備えている。内ケース位置検知センサは、周知のフォトインターラプタセンサであり、発光素子から発光された光を受光素子が受けるか否かで、発光素子と受光素子とが対向する部位における部材の存在を読み取る。より具体的には、内ケース位置検知センサの受光素子が受光しないことで発光素子と受光素子とが対向する部位における部材の存在を検知する。本実施の形態においては、この内ケース位置検知センサを、内ケース支持部材350あるいはケース規制板387に固定する。そして、図38−3に示すように、ギア支持部材383の外周部に、回転半径方向に突出する突出部383bを設け、この突出部383bが、内ケース位置検知センサの発光素子と受光素子とが対向する部位を通過するようにする。また、洗浄制御部800が、内ケース位置検知センサがこの突出部383bを検出して回転用モータ371を停止させると、載置部材395の凹部それぞれが内ケース本体380の排出孔38bそれぞれと対向する位置に停止するように、ギア支持部材383の突出部383bの位置を設定する。かかる構成にすることで、洗浄制御部800は、内ケース38が洗浄位置に存在する状態で内ケース38を回転させた後に回転を停止させる際に、内ケース位置検知センサが受光から遮光への切り替わりポイントを検出して内ケース38の回転を停止することで、載置部材395の壁面395bと斜面395cとで構成された凹部が内ケース本体380の排出孔38bと対向する位置に停止する。
また、内ケース38が水切り位置に存在する状態で回転用モータ371が駆動すると、内ケース本体380と載置ユニット381とが一体となって内ケース38が回転することにより、遊技球に付着した液体が飛ばされるので、洗浄後に付着した液体がなくなり易くなる。そして、洗浄制御部800は、内ケース38が水切り位置に存在する状態で内ケース38を回転させた後に回転を停止させる際に、内ケース位置検知センサが受光から遮光への切り替わりポイントを検出したら内ケース38の回転を停止させる。これにより、内ケース38は、水切り処理後も、洗浄処理後と同じ回転方向の位置(回転角度)となる。
図40は、内ケース38が水切り位置にあるときの断面図である。図41−1は、内ケース38が排出位置にあるときの断面図である。図41−2は、内ケース38が排出位置にあるときの載置ユニット381の載置部材395と内ケース本体380の排出孔38bとの関係を示す図である。
内ケース38の下部における外側に配置された開閉部材390は、図39および図40に示すように、内ケース38が洗浄位置および水切り位置に存在するなど、突出部390bの上面が外ケース蓋39に固定された蓋カバー379に接触するまでは、コイルばね393に押されて排出孔38bを閉じる位置に存在する。そして、開閉部材390は、図41−1に示すように、内ケース38が水切り位置から排出位置まで上昇する過程で、外ケース蓋39に固定された蓋カバー379により押されて、内ケース38が排出位置に存在するときには、排出孔38bを開く。また、上述したように、載置部材395の上面は中央部側から外周側へ傾斜していると共に、内ケース38が排出位置に存在するときには、載置部材395の壁面395bと斜面395cとで構成された凹部が内ケース本体380の排出孔38bと対向する位置に停止させられている。これらにより、図41−2に示すように、内ケース38に収納された遊技球が、排出孔38bを介して内ケース38の外に飛び出て、外ケース蓋39の上面に流れ出る。
そして、外ケース蓋39の上面に流れ出た遊技球は、その後、貫通孔39cおよび案内部材35を介して洗浄後ストック34まで到達する。
〔洗浄装置30の球収集部32〕
次に、球収集部32について説明する。
球収集部32は、収集した遊技球を、洗浄部31へ送る前に溜めておく洗浄前ストック32aを有している。また、球収集部32は、出球感演出部60の案内部材65と洗浄前ストック32aとに連結され、出球感演出部60にて演出に用いられている遊技球を洗浄前ストック32aまで導く第1の導入部材32bと、貯球感演出部70の上部トレイ76と洗浄前ストック32aとに連結され、貯球感演出部70にて演出に用いられている遊技球を洗浄前ストック32aまで導く第2の導入部材32cと、を備えている。
洗浄前ストック32aは、内側の凹みの容積が、パチンコ遊技機ユニットPUに封入された遊技球の全てを溜めることが可能な大きさとなるように形成されており、その底部には遊技球を通過させることが可能な大きさの貫通孔32ahが形成されている。そして、洗浄前ストック32aの底面は、貫通孔32ahが形成された部位が最も低く、遊技球が貫通孔32ahの方へ転がるように傾斜している。
第1の導入部材32bは、一端側には、出球感演出部60の案内部材65の分岐路65bから遊技球を受け取る受取口を、他端側には、洗浄前ストック32aに遊技球を排出する排出口を、有している。そして、第1の導入部材32bは、一端側から他端側へ遊技球が自重で転がるように、一端側の方が他端側よりも高位置となるように配置されている。
第2の導入部材32cは、一端側には、貯球感演出部70の上部トレイ76の分岐路76bから遊技球を受け取る受取口を、他端側には、洗浄前ストック32aに遊技球を排出する排出口を、有している。そして、第2の導入部材32cは、一端側から他端側へ遊技球が自重で転がるように、一端側の方が他端側よりも高位置となるように配置されている。
〔洗浄装置30の洗浄球案内部33〕
図42は、洗浄球案内部33の概略構成を示す図である。
洗浄球案内部33は、洗浄前ストック32aの下側に配置され、洗浄前ストック32aから落下してきた遊技球を受け入れるとともに1球ずつ送る球送り装置33aと、球送り装置33aが送った遊技球を受け取るとともに内ケース38の導入部材389(図39参照)の方へ案内するノズル33bとを備えている。
球送り装置33aは、ステッピングモータ33amを有しており、このステッピングモータ33amの回転に伴い、遊技球を1球ずつ排出口から送り出す。ノズル33bは、中を1個の遊技球が通過可能な空洞の部材であり、球送り装置33aの排出口の下側に配置されるとともに上を向いて開口した受け入れ部33baと、横方向に伸び、かつ排出口33beが形成された先端に行くに従って低くなるように形成された横部位33bsとを有する。このノズル33bには、回転モータ(不図示)が連結されており、ノズル33bは、この回転モータにより駆動されて、上下方向に伸びる回転軸を回転中心として、横部位33bsの先端に形成された排出口33beが内ケース38の導入部材389の上方に存在する位置と、上方には存在しない位置と、の間を回転する。
以上のように構成された洗浄球案内部33においては、ノズル33bの横部位33bsの排出口33beが内ケース38の導入部材389の上方に存在するときに、球送り装置33aにより送られた遊技球は、ノズル33bの受け入れ部33baからノズル33b内に入り、横部位33bsの排出口33beから排出されて導入部材389に入る。
〔洗浄装置30の洗浄後ストック34、案内部材35および球搬送装置36〕
例えば図1−2や図38−1に示すように、洗浄後ストック34は、パチンコ遊技機ユニットPUに封入された遊技球全てを収納可能な容積を有する箱状の部材であり、その上面には、案内部材35が嵌め込まれる孔が案内部材35と同数形成されている。そして、洗浄後ストック34の側面には、遊技球を排出する排出口が形成されており、底面は、遊技球がこの排出口の方へ向かうように傾斜している。
案内部材35は、薄肉円筒状の部材であり、その一端が外ケース蓋39に形成された貫通孔39cに、他端が洗浄後ストック34にそれぞれ連結され、貫通孔39cと同数設けられている。案内部材35の構成例については後述する。
球搬送装置36は、洗浄後ストック34の排出口から排出された遊技球を後述するメインストック41まで上昇させる装置である。球搬送装置36の構成例については後述する。
〔洗浄装置30の作用〕
以上のように構成された洗浄装置30においては、以下のように作用する。すなわち、洗浄部31の内ケース38が洗浄位置にあり、かつノズル33bの横部位33bsの排出口33beが導入部材389の上にあるときに、球送り装置33aが、予め定められた数の遊技球を送る。これにより、内ケース38内に、予め定められた数の遊技球が溜められる。その後、内ケース回転装置370が、予め定められた回転速度で予め定められた期間、内ケース38を回転させる。これにより、予め定められた数の遊技球が洗浄される。
その後、ノズル33bを回転駆動する回転モータが、ノズル33bの横部位33bsを、導入部材389が上昇しても、この導入部材389と干渉しない位置まで回転させ、内ケース昇降装置360が、内ケース38を水切り位置まで上昇させる。そして、内ケース回転装置370が、予め定められた回転速度で予め定められた期間、内ケース38を回転させる。これにより、予め定められた数の遊技球が水切りされる。
その後、内ケース昇降装置360が、内ケース38を排出位置まで上昇させる。その過程で、開閉部材390が内ケース38に対して下降し、内ケース38が排出位置まで到達したときには、排出孔38bが遊技球を通過させることが可能な大きさまで開放する。これにより、内ケース38内の遊技球が外ケース蓋39の上面に排出される。その後、遊技球は、外ケース蓋39の上面を転がり、貫通孔39cから落下する。そして、貫通孔39cから落下した遊技球は、案内部材35を通過して洗浄後ストック34へ至る。
パチンコ遊技機ユニットPUに封入された遊技球全てが洗浄後ストック34に到達するまで、以上の処理が繰り返される。その後、球搬送装置36が、洗浄後ストック34内の遊技球を全てメインストック41まで上昇させる。
なお、上述した実施の形態に係る洗浄装置30において、洗浄部31の内ケース本体380の内側突出部380bの上面に形成された凸部38eの形状を以下に示す形状としてもよい。すなわち、円周方向に連続するように形成された山と谷の複数の山の頂部の高さを均一にせずに、一部の山の頂部の高さを他の山の頂部の高さよりも高くするとよい。内ケース38が洗浄位置に存在する状態では、載置ユニット381の支持部材396の凹部396bが外ケース37の軸受け部37bに固定されたピン37cに嵌まり込んでいるので、回転用モータ371が駆動したとしても載置ユニット381は回転しない。一方、載置ユニット381の上下方向の移動に関して言えば、載置部材395に載せられた遊技球の重さにより下方向に作用する力を、載置部材395が内側突出部380bの軸受け部38cの上面および/または凸部38eの山の頂部で支えているだけで上下方向への移動は制限されていない。そのため、内ケース本体380の内側突出部380bの凸部38eの一部の山の頂部の高さを他の山の頂部の高さよりも高くすることで、洗浄時に載置ユニット381に対して内ケース本体380が回転する場合に、載置ユニット381が凸部38eの山の頂部の高さに応じて上下方向に振動する。これにより、載置部材395に載せられた遊技球の上下方向の動きが大きくなり、個々の遊技球のより多くの表面が液体に触れることとなる。その結果、遊技球に付着したゴミが落ち易くなる。
また、上述した実施の形態に係る洗浄装置30においては、載置部材395の遊技球を載せる側の面に、複数の壁面395bと斜面395cとを円周方向に等間隔に形成しているが、特にかかる態様には限定されない。ただし、等間隔に形成した方が、不等間隔である場合よりも、載置部材395に載せられた複数の遊技球が平等に上下方向に移動し、複数の遊技球が平等にきれいになり易くなる。
また、上述した実施の形態に係る洗浄装置30においては、載置部材395の遊技球を載せる側の面に、壁面395bと斜面395cとを複数形成し、複数の凹部と凸部とを形成しているが、これらは単数であってもよい。ただし、より多く形成した方が、載置部材395に載せられた遊技球の上下方向への移動が活発になり、付着したゴミが落ち易くなる。
また、上述した実施の形態に係る洗浄装置30においては、洗浄部31の内ケース本体380の円筒部380aに形成された排出孔38bの数を、載置部材395の壁面395bと斜面395cとで構成された凹部の数と同じにし、円周方向に3つ形成した例を示しているが、特にかかる態様には限定されない。載置部材395の壁面395bと斜面395cとで構成された凹部全てが内ケース本体380の排出孔38bと対向する位置に停止するのであれば、内ケース本体380の排出孔38bの数を、載置部材395の凹部の数の整数倍としてもよい。
また、上述した実施の形態に係る洗浄装置30においては、遊技球を洗浄する際に、洗浄部31の内ケース38の内、載置ユニット381を回転させず、内ケース本体380のみを回転させているが、載置ユニット381と内ケース本体380とが相対的に移動するのであればかかる態様に限定されない。例えば、内ケース38の内、内ケース本体380を回転させずに、載置ユニット381のみを回転させてもよい。
また、案内部材35を以下のように構成するとよい。つまり、案内部材35の内側のスペースを遊技球が1個通るくらいのスペースにするとともに、内側に吸水性がある部材を設ける。これにより、洗浄後に内ケース38から排出された遊技球に液体が付着していたとしても、案内部材35を通過する間にその液体が拭き取られるので、洗浄後ストック34に濡れた遊技球が溜まり難くなる。さらに、案内部材35を螺旋状にすることで、個々の遊技球のより多くの表面が、吸水性がある部材に触れるので、さらに濡れた遊技球が洗浄後ストック34に溜まり難くなる。
〔洗浄装置30を構成する部品等の構成例について〕
本実施の形態の洗浄装置30において、上述した洗浄後ストック34、案内部材35および球搬送装置36の一構成例について説明する。より具体的には、洗浄装置30は、洗浄後ストック34(図1−2参照)の一構成例である洗浄後第1ストック部341(図43参照)および洗浄後第2ストック部342(同図参照)を備えている。また、洗浄装置30は、案内部材35(図1−2参照)の一構成例である乾燥装置91(図43参照)を備えている。また、洗浄装置30は、球搬送装置36(図1−2参照)の一構成例としての拭き取り装置92(図43参照)および球上昇装置93(図50参照)を備えている。すなわち、洗浄装置30は、洗浄後第1ストック部341、洗浄後第2ストック部342、乾燥装置91、拭き取り装置92および球上昇装置93を備えている。以下、洗浄後第1ストック部341、洗浄後第2ストック部342、乾燥装置91、拭き取り装置92および球上昇装置93の各々の構成について説明する。
ここで、本実施の形態では、洗浄後の遊技球を上昇搬送するために、拭き取り装置92と球上昇装置93とを直列的に接続し、二段階にて上昇搬送している。後述するように、拭き取り装置92には一列に整列させて遊技球が供給される。そして、拭き取り装置92および球上昇装置93は、供給された遊技球を一列のまま上昇搬送するための螺旋状の搬送路を備えている。その変形例を付言すると、拭き取り装置92と球上昇装置93のいずれか一方に、螺旋状の搬送路を備え、他方に螺旋状の搬送路以外の形式の搬送路を備えるように構成することも考えられる。
詳細に説明すると、拭き取り装置92(図43参照)について、単位時間当たりに搬送する遊技球の数である搬送数が予め設定され、また、球上昇装置93(図43参照)について、単位時間当たりに搬送する遊技球の数である搬送数が予め設定される。ここにいう「予め設定され」とは、遊技機ユニットPU(例えば図1−1参照)を開発設計する際に設定する場合(変更不可の設定)のほか、設置した遊技機ユニットPUを動作させる際ないし動作中に設定する場合(可変設定)も含まれる概念をいう。拭き取り装置92について予め設定される搬送数は、第1の搬送数の一例であり、球上昇装置93について予め設定される搬送数は、第2の搬送数の一例である。
さらに説明すると、第2の上昇搬送手段の一例としての球上昇装置93について予め設定される搬送数は、第1の上昇搬送手段の一例としての拭き取り装置92について予め設定される搬送数以上の値である。すなわち、球上昇装置93の搬送数は、拭き取り装置92の搬送数と同じ値に設定され、または拭き取り装置92の搬送数よりも大きい値に設定される。このような設定を行うことにより、上昇搬送される遊技球が途中で球詰まりが発生する事態を防止することが可能である。
また、第1の上昇搬送手段の一例としての拭き取り装置92について予め設定される搬送数は、第2の上昇搬送手段の一例としての球上昇装置93について予め設定される搬送数よりも小さい値にすることも考えられる。このような設定を行うことにより、上昇搬送される遊技球が途中で球詰まりが発生する事態をより確実に防止することが可能である。
洗浄装置30ないし洗浄装置30の洗浄部31は洗浄手段の一例であり、乾燥装置91は乾燥手段の一例であり、拭き取り装置92は拭き手段ないし拭き取り手段の一例である。また、拭き取り装置92および球上昇装置93は上昇搬送手段の一例であり、より具体的には、シリンダー451の溝451aおよび駆動部443並びに球上昇装置93が上昇搬送手段の一例である。また、拭き取り装置92は第1の上昇搬送手段の一例であり、球上昇装置93は第2の上昇搬送手段の一例である。また、拭き取り装置92は拭き装置の一例である。また、シリンダー451の溝451aは、搬送路の一例であり、螺旋状の搬送路の一例である。
ここで、本実施の形態の洗浄装置30では、乾燥装置91ないし拭き取り装置92を備えていることから、上述した洗浄部31で行われる洗浄後の遊技球の水切り処理を省略する構成・制御も考えられる。
また、本実施の形態の洗浄装置30について、洗浄装置30が乾燥装置91と拭き取り装置92のいずれも備えている構成を説明するが、いずれか一方を備え他方を備えていない構成例も考えられる。すなわち、洗浄装置30が乾燥装置91を備えているものの拭き取り装置92を備えていない構成例や、洗浄装置30が拭き取り装置92を備えているものの乾燥装置91を備えていない構成例である。前者の場合には、構成を簡素化することが可能になり、また、後者の場合には、搬送路を短くすることで洗浄装置30の小型化を実現することが可能になる。
付言すると、本実施の形態の洗浄装置30では、洗浄部31による洗浄工程の次に乾燥装置91による乾燥工程を行い、その後に拭き取り装置92による拭き取り工程を行うという好ましい洗浄手順について説明するが、他の工程例えば、洗浄部31による洗浄工程の次に拭き取り装置92による拭き取り工程を行い、その後に乾燥装置91による乾燥工程を行うという洗浄手順も考えられる。また、拭き取り工程を乾燥工程の前後にそれぞれ行う洗浄手順も考えられる。すなわち、洗浄工程の次に拭き取り工程(第1の拭き取り工程、仮拭き工程)を行い、その後に乾燥工程を行い、さらに拭き取り工程(第2の拭き取り工程)を行う洗浄手順である。その場合には、第1の拭き取り工程と第2の拭き取り工程を同じ拭き取り装置で行う構成のほかに、2つの拭き取り装置を備えることで第1の拭き取り工程と第2の拭き取り工程を互いに異なる拭き取り装置で行う構成も考えられる。
なお、乾燥工程は、洗浄工程により付着した液体(水)を除去させるようにするためのものであり、温風による場合のほかに、風圧のある冷風による場合も含まれる。
図43は、洗浄後ストック34、案内部材35および球搬送装置36の一構成例を説明する斜視図である。なお、同図は、図38−1に対応する図であると言うことができる。
図43に示す洗浄装置30では、洗浄後の濡れている遊技球が洗浄部31から排出される洗浄後第1ストック部341と、洗浄後第1ストック部341で溜められた遊技球を乾燥する乾燥装置91と、を備えている。また、洗浄装置30は、洗浄後の遊技球が乾燥装置91から排出される洗浄後第2ストック部342と、洗浄後第2ストック部342で溜められた遊技球に付着する汚れを拭き取る拭き取り装置92と、を備えている。洗浄後第1ストック部341は、遊技球搬送経路における洗浄部31と乾燥装置91との間に位置し、また、洗浄後第2ストック部342は、遊技球搬送経路における乾燥装置91と拭き取り装置92との間に位置する。なお、図43では、洗浄部31の外ケース37を図示し、例えば内ケース38等の他の部材の図示を省略している。
このように、遊技球は、洗浄装置30において、洗浄部31により洗浄されて洗浄後第1ストック部341に一時的に溜められ、順次、乾燥装置91により乾燥されて洗浄後第2ストック部342に一時的に溜められた後に、拭き取り装置92により汚れや洗浄液が拭き取られる。
付言すると、拭き取り装置92は、遊技球を移動させながら拭き取る方法を採用する。すなわち、拭き取り装置92は、遊技球の汚れや洗浄液を拭き取りながら上昇させるための上昇機構を有する。また、拭き取り装置92の遊技球搬送方向下流側には、拭き取り装置92により汚れや洗浄液が拭き取られた遊技球をメインストック41(図1−2参照)まで上昇搬送する球上昇装置93(図50参照)が配設されている。上述したように、メインストック41まで搬送された遊技球は、分配装置40(図1−2参照)により「遊技に用いる遊技球」と「演出に用いる球技球」とに分配される。
なお、遊技球を移動させながら拭き取る方法ではなく、遊技球を止めて拭き取る方法を採用することも考えられる。そのような遊技球を止めて拭き取る場合には、時間をかけて汚れや液体を確実に拭き取ることが可能になる。さらに説明すると、遊技球を止めて拭き取る方法を採用する際には、搬送されている複数個の遊技球をまとめて取り出して拭いて拭き終わったら戻し、また別の複数個の遊技球をまとめて取り出して拭くというやり方も考えられる。
〔乾燥装置91の構成〕
図44は、乾燥装置91の構成部品を示す分解図である。
同図に示すように、乾燥装置91は、ベース部材401と、ベース部材401に載置固定される本体部402と、を備えている。また、乾燥装置91は、遊技球を運ぶための運球部403と、運球部403の上側にて外部との空間を仕切るカバー部材404と、運球部403とカバー部材404との間に乾燥用の空気を送る送風装置405と、を備えている。送風装置405は送風部の一例であり、乾燥部の一例である。
これら運球部403、カバー部材404および送風装置405は、本体部402に取り付けられている。すなわち、乾燥装置91では、運球部403により遊技球が一方向に運ばれる際に送風装置405のエア(風)で乾燥させている。言い換えると、乾燥装置91は、遊技球をいったん止めて乾燥するのではなく、遊技球を一方向に運びながら乾燥するように構成されている。このように、乾燥装置91は、洗浄部31から拭き取り装置92へと遊技球を搬送する通路(経路)上に設けられている。このため、長い通路を設定することで乾燥の時間を長く確保することが可能になり、乾燥装置91でより確実に遊技球を乾燥させることが可能になる。
運球部403は、上面が一方向に傾斜している傾斜部材411と、複数の細長い板材を一列に互いに間をあけて並べたスノコ部材412と、スノコ部材412を傾斜部材411に取り付けるための取り付け部材413,414と、を備えている。運球部403は移動部の一例であり、また、スノコ部材412は傾斜転がり部の一例である。また、スノコ部材412は移動部の一例である。
傾斜部材411の本体部402への組み付けは、傾斜部材411にスノコ部材412等の部品を取り付けた後に本体部402に下方から挿入されてねじ固定される。取り付け部材413は、スノコ部材412の上流端に配置されるものであり、また、取り付け部材414は、スノコ部材412の下流端に配置されるものである。なお、上側の取り付け部413,414は一対の爪形状部を有し、この一対の爪形状部によって下側の取り付け部413と係合する。
スノコ部材412は、ベース部材401に対して傾斜している。すなわち、スノコ部材412は、上端(上流端)から下端(下流端)まで略一定の角度で傾斜している。
遊技球は自重によりスノコ部材412を転がって上流端から下流端へ進む。したがって、遊技球を下流端に進めるための駆動源を省略することができ、構成の簡略化やコスト低減を実現することが可能になる。また、スノコ部材412には、列状の複数の溝ないし隙間412a(図46参照)を有することから、洗浄後の遊技球に付いている洗浄液の滴は、スノコ部材412の隙間412a(図46参照)から落下するので、スノコ部材412の上に溜まらず、遊技球の転がりを妨げない。すなわち、スノコ部材412の隙間412a(図46参照)は水抜き穴として機能するものである。隙間412aは排水部ないし開口の一例である。
なお、スノコ部材412の細長い板材の間隔は、遊技球の直径よりも小さいことから、遊技球は、スノコ部材412の間から落下せずに上流端から下流端まで運ばれる。すなわち、遊技球は、スノコ部材412の隙間412a(図46参照)に沿って下流端に転がる。隙間412aは遊技球を案内する案内部の一例である。
また、運球部403は、スノコ部材412を転がる際に遊技球からスノコ部材412の隙間を通って落ちた洗浄液のしずくを受ける面(受け皿)に貯められる洗浄液を排出するドレン(drain)415を備えている。
また、運球部403は、スノコ部材412の下流端の側に配置されて遊技球を整列させるように捌く捌き部材416を備えている。この捌き部材416は、揺動軸416aに対して交差するように延びる互いに平行な4枚の羽根部材416bを有する。羽根部材416bの離間距離は、遊技球の直径よりも小さい。
なお、本体部402には複数のスリット402aが形成されており、捌き部材416は、本体部402のスリット402aの位置に配設される。捌き部材416の羽根部材416bは、本体部402のスリット402aを通過可能な大きさである。
また、運球部403は、捌き部材416を動作させるための駆動部を備えている。具体的には、運球部403は、捌き部材416を駆動するための駆動源(モータ)417と、駆動源417と捌き部材416とを互いに連結して駆動力を伝達する伝達部材418と、駆動源417を本体部402に取り付けるブラケット(bracket)419と、ブラケット419を覆う覆い部材420と、を備えている。
捌き部材416の動作については後述する。なお、捌き部材416および駆動源417は、遊技球を整列させるための整列手段の一例である。
送風装置405は、例えばフィン(不図示)が回転することにより風を送るファン431と、ファン431を本体部402に取り付けるブラケット432と、を備えている。また、送風装置405は、ブラケット432を介してファン431に接して配置され、ファン431からの風が通る通路が徐々に狭くなるようにする内面を有する管部材433を備えている。
管部材433からのファン431の風は、本体部402、カバー部材404およびスノコ部材412により断面が画定される空間(ダクト)に送られる。すなわち、スノコ部材412上の遊技球にファン431のエアが吹き付けられ、これにより遊技球の乾燥が行われる。このため、簡易かつ的確に遊技球を乾燥させることが可能になる。
付言すると、遊技球は、スノコ部材412を転がる際に隙間から洗浄液の滴が落下すると共に、ファン431のエアが吹き付けられることによって、洗浄液で濡れている状態から濡れていない状態になる。
なお、本実施の形態に係る乾燥装置91では、送風(エア)による乾燥方法を採用しているが、例えば球技球を加熱することによる乾燥方法や遊技球を振動させることで遊技球に付着している液体を除去する乾燥方法など、他の乾燥方法を採用することも考えられる。
図45は、運球部403と送風装置405との相対的な位置関係を説明する図である。
同図に示すように、送風装置405は、運球部403の上流側に位置し、運球部403により遊技球が運ばれる方向(遊技球の進行方向。上流側から下流側への方向)に沿って送風する。すなわち、送風装置405は、遊技球の移動方向(同図の左側から右側への方向)に沿って順方向に送風するものである。言い換えると、送風装置405は、スノコ部材412を転がる遊技球を乾燥させるための風を、一方向の一例としての遊技球の移動方向と略同一の方向に送る。したがって、1つの送風装置405を用いるという簡素な構成を採用しても、乾燥の期間を長くすることが可能になる。
なお、本体部402は、送風装置405からのエアの向きを変えるルーバー402b(図44参照)を備えている。このルーバー402bの作用により、送風装置405からのエア(同図の白抜きの矢印を参照)は、運球部403のスノコ部材412に沿って流れるようになる。このため、スノコ部材412の上を転がっている遊技球に向けてエアが送られる。
付言すると、送風装置405が配置されている側とは反対側の本体部402の端部(同図の右端)は開口しており、送風装置405からのエアは本体部402の外に流れ出る。
図46は、乾燥装置91の捌き部材416の動作を説明する図であり、(a)は、捌き部材416が本体部402から突出していない状態(未突出状態)を示し、(b)は、捌き部材416が本体部402のスリット402aから突出している状態(突出状態)を示している。
捌き部材416に駆動源417から駆動力が供給されると、捌き部材416は、本体部402に対して揺動運動を開始し、図46(a)に示す未突出状態と同図(b)に示す突出状態とを繰り返す。このような捌き部材416の動作により、スノコ部材412を転がってくる遊技球を列状に整わせることが可能になる。例えば、遊技球の上に他の遊技球が積み上がっているときには、捌き部材416の羽根部材416bが本体部402のスリット402aから突出することで、例えば積み上がっている遊技球が下から持ち上げられて遊技球のない場所に落ちる。こうして、積み上がっている遊技球を均して整列することが可能になり、拭き取り装置92に供給される遊技球が拭き取り装置92の入り口部444で球詰まりしてしまうことを防止することが可能である。
〔拭き取り装置92の構成〕
図47は、拭き取り装置92を説明する斜視図である。
同図に示すように、拭き取り装置92は、ベース部材441と、ベース部材441に載置固定される本体部442と、ベース部材441に取り付けられる駆動部443と、を備えている。
この本体部442には、拭き取り装置92に入る遊技球の入り口部444と、拭き取り装置92から出る遊技球の出口部445と、を備えている。この入り口部444は本体部442の下側に位置し、また、出口部445は本体部442の上側に位置する。すなわち、入り口部444から拭き取り装置92に入った遊技球は、持ち上げられて出口部445から出る。
なお、拭き取り装置92における遊技球の持ち上げは、駆動部443からの駆動力を用いて、本体部442の中心軸周りを回転するシリンダー451(図49参照)の作用により実現される。シリンダー451については後述する。また、拭き取り装置92の出口部445から出た遊技球は、球上昇装置93(図50参照)によりさらに上昇し、メインストック41(図1−2参照)へと搬送される。球上昇装置93については後述する。
また、本体部442には、本体部442の下半分の外装の一部をなす複数枚(本実施の形態では4枚)の円弧部材446と、本体部442の上半分の外装の一部をなす円筒部材447と、を備えている。これら円弧部材446および円筒部材447を透明な部材により構成することが考えられる。複数枚の円弧部材446は、互いに離間して本体部442に固定されている。複数枚の円弧部材446が本体部442に固定されることで、略円筒形状の外筒が形成される。
そして、互いに隣り合う円弧部材446の間には、本体部442に対して着脱自在に取り付けられる拭き取り部448が配置されている。この拭き取り部448は、遊技球に付着した汚れや洗浄液を拭き取るためのものである。拭き取り部448は、円弧部材446の外側を囲むように巻き付けられるコイルばね状の2本の押付部材(弾性部材)449によって、本体部442の中心軸に向けて内方に押し付けられる。すなわち、押付部材449は、拭き取り部材448を外側から付勢する。言い換えると、押付部材449は、遊技球の搬送経路に交差する方向に付勢する。このような押付部材449により、拭き取り部448を遊技球に接触し易くなり、より確実に遊技球の拭き取りを行うことが可能になる。
2本の押付部材449は、一方が上寄りに配置され、他方が下寄りに配置される。2本の押付部材449を保持するために、押付部材449が通り抜ける穴を有する2つの保持部450が本体部442に取り付けられると共に、拭き取り部448に押付部材449が通り抜ける穴を形成している。
押付部材449は付勢部材の一例である。
図48は、拭き取り装置92の拭き取り部448を説明する斜視図である。なお、同図では、押付部材449の図示を省略している。
同図に示すように、拭き取り装置92の拭き取り部448は、遊技球に接触して汚れや洗浄液を拭き取る拭き取り材448aと、拭き取り材448aを保持すると共に覆うためのカバー448bと、を備えている。この拭き取り部448の拭き取り材448aとしては、例えば布や脱脂綿等を用いることが考えられる。言い換えると、拭き取り材448aは、遊技球に接触することにより液体を吸収する吸収材であるということができる。拭き取り材448aは拭き取り部の一例であり、カバー448bは装着部材の一例である。
さらに説明すると、拭き取り部448は、複数枚の円弧部材446により構成される外筒の、中心軸方向から中心軸に離れる方向に開く。言い換えると、拭き取り部448は、拭き取り装置92の外周面に配設されている。そして、拭き取り部448は、シリンダー451の螺旋状の溝451a(図49参照)における螺旋の曲率半径の方向に移動可能である。したがって、拭き取り装置92を分解することなく、拭き取り部448を取り外したり取り付けたりすることが可能なように構成されている。
ここで、拭き取り装置92の稼働により拭き取り材448aが汚れることから、定期的に拭き取り材448aを新しいものに交換するメンテナンス作業を行う必要がある。この点において、拭き取り部448を本体部442から容易に取り外すことが可能であるので、メンテナンス作業を容易に行うことが可能である。
なお、図48には、拭き取り部448が螺旋の曲率半径の方向の外方に取り外される構成例を示しているが、拭き取り部448を螺旋の曲率半径の方向の内方(螺旋の中心方向)に取り外す構成例も考えられる。
図49は、拭き取り装置92のシリンダー451を説明する斜視図である。なお、同図では、円弧部材446、円筒部材447、押付部材449および保持部450の図示を省略している。
同図に示すように、拭き取り装置92は、外周に螺旋状(スパイラル状)の溝451aが一端から他端に向けて形成された1つのシリンダー451を備えている。この螺旋状の溝451aは、曲率半径が一定となるように形成されている。
このシリンダー451は、本体部442の下側から上側に延びる円柱形である。シリンダー451は、本体部442に対して相対的に回転可能であり、駆動部443により発生された駆動力を受けることで一方向に回転する。
本体部442の下半分では、シリンダー451の溝451aと円弧部材446および拭き取り部448との間に遊技球が保持される。また、本体部442の上半分では、シリンダー451の溝451aと円筒部材447との間に遊技球が保持される。すなわち、シリンダー451の溝451aと円筒部材447の内面とにより、遊技球が通る螺旋状の通路が形成される。したがって、駆動部443の駆動力によりシリンダー451が本体部442に対して回転すると、遊技球は、入り口部444から出口部445に向かって一列で溝451aに沿って強制的に螺旋状に搬送され、上昇していく。さらに説明すると、遊技球が本体部442を上昇する際に、本体部442の下半分で拭き取り部448の拭き取り材448aと接触するので、遊技球に付着している汚れ等が拭き取り材448aにより拭き取られる。このように、本実施の形態では、上昇する遊技球が通る経路上に、遊技球の汚れや洗浄液を拭き取る拭き取り部448を配置している。
拭き取り装置92では、遊技球が列状(本実施の形態では一列)に整列された後に、遊技球の汚れや洗浄液が拭き取られる。付言すると、拭き取り装置92において、遊技球の通り道が所定の幅をもって形成されて通り道のいずれの場所を通っても拭き取り材448aにより拭き取られるように構成することで、遊技球を列状に整列させることなく汚れや洗浄液を拭き取る仕方も考えられる。
なお、拭き取り装置92のシリンダー451の回転速度は、洗浄制御部800(図53参照)により制御されており、予め定められた速度で回転する。
〔球上昇装置93の構成〕
図50は、球上昇装置93の構成部品を示す分解図である。
同図に示すように、球上昇装置93は、ベース部材461と、ベース部材461に載置固定される円筒形状のカバー462と、カバー462内に配置され、回転可能にベース部材461に取り付けられるシリンダー463と、シリンダー463に駆動力を供給する駆動源(モータ)464と、を備えている。カバー462は、その下端に開口部462aを有すると共に、上端に開口部462bを有する。
なお、図50には、シリンダー463をベース部材461に対して回動可能に保持するための部品例えばベアリング等が図示されているが、これらはいずれも周知慣用の技術ゆえ、符号を用いず、かつ説明を省略する。
また、球上昇装置93は、カバー462の下側に配設される入り口部465を備えている。この入り口部465は、拭き取り装置92の出口部445から出た遊技球を受け入れるものである。また、入り口部465は、カバー462の下端の開口部462aに接続されている。したがって、入り口部465は、拭き取り装置92により汚れが拭き取られた遊技球を受け入れて、カバー462の開口部462aに案内する。
カバー462の上端の開口部462bは、分配装置40のメインストック41に接続されている。
さらに説明すると、シリンダー463は、円柱形状であり、その外周に螺旋状の溝463aを有する。そして、シリンダー463の溝463aとカバー462の内面との間に球技球が収容される空間が形成される。
ここにいう空間は、遊技球の通路であり、遊技球を強制的に搬送される螺旋状の経路ということができる。そして、シリンダー463に駆動源464から駆動力が供給されると、シリンダー463は、固定のカバー462に対して一方向に回転し、溝463aとカバー462の内面との間の空間に収容される遊技球を溝463aに沿って一列の状態で上昇させていく。
なお、球上昇装置93のシリンダー463の回転速度は、洗浄制御部800(図53参照)により制御されており、予め定められた速度で回転する。より詳細には、球上昇装置93のシリンダー463は、洗浄制御部800(図53参照)によって拭き取り装置92のシリンダー451と同じ回転速度に制御されることが考えられ、また、拭き取り装置92のシリンダー451とは異なる回転速度に制御されることも考えられる。球上昇装置93のシリンダー463が拭き取り装置92のシリンダー451と外径が異なる場合も考慮すると、洗浄制御部800(図53参照)は、単位時間当たりに搬送される遊技球の数を基に制御する方法が考えられる。より具体的には、洗浄制御部800(図53参照)は、球上昇装置93により単位時間当たりに搬送される遊技球の数が、拭き取り装置92により単位時間当たりに搬送される遊技球の数と同じ値またはそれよりも多い値になるように、拭き取り装置92のシリンダー451および球上昇装置93のシリンダー463の回転を制御する。このような制御を行うことにより、球上昇装置93での球詰まりを生じさせることなく、遊技球を搬送することが可能になる。
さらに説明すると、上述したように、洗浄して乾燥された遊技球を分配装置40のメインストック41まで上昇させるのは、拭き取り装置92および球上昇装置93である。すなわち、本実施の形態では、遊技球を2段階で押し上げている。したがって、第1段目の上昇手段である拭き取り装置92では、比較的低速で上昇させることでより確実に遊技球の汚れを拭き取る一方で、その後の第2段目の上昇手段である球上昇装置93では、比較的高速に上昇させることでより迅速に分配装置40のメインストック41に遊技球を供給することが可能になる。
なお、本実施の形態では、拭き取り装置92および球上昇装置93による2段階上昇の構成を採用しているが、球上昇装置93を省略して拭き取り装置92のみによる1段階上昇の構成を採用することも考えられる。
〔分配装置40〕
次に、分配装置40について詳述する。
図51は、分配装置40の概略構成を後右斜め上から示す斜視図である。図52は、分配装置40を上方から見た図である。
分配装置40は、洗浄装置30の球搬送装置36(図1−2(a)参照)により搬送された遊技球を溜めるメインストック41と、メインストック41に溜められた遊技球を後述する球切り装置43まで案内する案内部材42と、案内部材42を介してメインストック41から落下してくる遊技球を1個ずつ順に下方へ供給する周知の球切り装置43と、を備えている。なお、メインストック41に溜められた遊技球は、パチンコ遊技機ユニットPUに封入されたものである。
ここで、分配装置40は、洗浄された遊技球を「遊技に用いる遊技球」と「演出に用いる球技球」とに分ける。図1−2を参照して説明すると、「遊技に用いる球技球」は、循環球ストック53に導くように分配装置40により分配され、また、「演出に用いる遊技球」は、演出装置20に導くように分配装置40により分配される。より具体的には、「演出に用いる遊技球」は、出球感演出部60と貯球感演出部70の各々に分配装置40により分配される。したがって、図51に示すように、分配装置40は、球切り装置43から供給された遊技球を、循環球ストック53(図1−2参照)か、出球感演出部60の下部トレイ63(図22参照)か、貯球感演出部70の下部トレイ74(図27参照)か、に分配する分配ノズル44を備えている。
また、分配装置40は、分配ノズル44から受け取った遊技球を、循環球ストック53まで案内する循環球案内部材45と、出球感演出部60の下部トレイ63まで案内する出球感用球案内部材46と、貯球感演出部70の下部トレイ74まで案内する貯球感用球案内部材47と、を備えている。また、分配装置40は、これら循環球案内部材45、出球感用球案内部材46および貯球感用球案内部材47の分配ノズル44側の端部を支持する支持部材48を備えている。
また、分配装置40は、分配ノズル44の位置を検知する複数(本実施の形態においては3個)のノズル位置検知センサ49を備えており、これら複数のノズル位置検知センサ49は、支持部材48に取り付けられている。
メインストック41は、内側の凹みの容積が、パチンコ遊技機ユニットPUに封入された遊技球の全てを溜めることが可能な大きさとなるように形成された凹状の部材であり、球搬送装置36を介して洗浄後ストック34から送られてきた遊技球を受け取る受取口と、遊技球を排出する排出口41aと、が形成されている。そして、メインストック41の底部は、排出口41aが最も低く、遊技球が排出口41aに転がるように傾斜している。
案内部材42は、中を1個の遊技球が通過可能な空洞の部材であり、その一端がメインストック41の排出口41aに連結され、他端は下を向いて開口するとともに球切り装置43に連結されている。
分配ノズル44は、中を1個の遊技球が通過可能な空洞の部材であり、案内部材42の下を向いた開口部の下側に配置されるとともに上を向いて開口した受け入れ部44aと、横方向に伸び、かつ排出口44baが形成された先端に行くに従って低くなるように形成された横部位44bと、を有する。この分配ノズル44には、回転モータ(不図示)が連結されており、分配ノズル44は、この回転モータにより駆動されて、上下方向に伸びる回転軸を回転中心として、排出口44baが形成された横部位44bの先端が回転する。また、分配ノズル44は、横部位44bよりも下側でありかつ回転方向に突出した突出部44cを有している。
循環球案内部材45、出球感用球案内部材46および貯球感用球案内部材47は、一端側に分配ノズル44の先端の排出口44baの下方に遊技球を受け入れる受入口が形成されており、他端は、それぞれ循環球ストック53、出球感演出部60の下部トレイ63、貯球感演出部70の下部トレイ74に連結されている。そして、一端側から他端側へ遊技球が自重で転がるように、一端側の方が他端側よりも高位置となるように配置されている。
支持部材48は、有底円筒状の部材であり、側面にそれぞれ循環球案内部材45、出球感用球案内部材46および貯球感用球案内部材47を支持するための切り欠きが形成されている。また、支持部材48の底部であって円筒の中心線上には分配ノズル44の回転軸が嵌合される軸受け48aが設けられている。そして、支持部材48の底部の下方には分配ノズル44を回転させる回転モータ(不図示)が配置されている。
なお、図52に示すように、循環球案内部材45、出球感用球案内部材46および貯球感用球案内部材47の一端は、上方から見た場合に、反時計回転方向に、循環球案内部材45、貯球感用球案内部材47、出球感用球案内部材46の順に支持部材48に支持されている。
ノズル位置検知センサ49は、周知のフォトインターラプタセンサであり、センサ本体から水平方向に突出するように形成された2つの突出部と、突出部のそれぞれに設けられた発光素子(不図示)と受光素子(不図示)とを有する。そして、発光素子から発光された光を受光素子が受けるか否かで、発光素子と受光素子とが対向する部位における分配ノズル44の存在を読み取る。より具体的には、ノズル位置検知センサ49の受光素子が受光しないことで発光素子と受光素子とが対向する部位における分配ノズル44の突出部44cの存在を検知する。
そして、本実施の形態においては、3個のノズル位置検知センサ49が設けられており、その内の1個のセンサであるノズル位置検知センサ49aの受光素子が受光しないことで、分配ノズル44の横部位44bの排出口44baが循環球案内部材45の受入口の上方に存在することを検知する。また、3個の内の1個のセンサであるノズル位置検知センサ49bの受光素子が受光しないことで、分配ノズル44の横部位44bの排出口44baが貯球感用球案内部材47の受入口の上方に存在することを検知し、ノズル位置検知センサ49cの受光素子が受光しないことで、分配ノズル44の横部位44bの排出口44baが出球感用球案内部材46の受入口の上方に存在することを検知する。そして、図52に示すように、これら3個のノズル位置検知センサ49は、上方から見た場合に、反時計回転方向に、ノズル位置検知センサ49a,49b,49cの順に支持部材48に取り付けられている。
以上のように構成された分配装置40においては、以下のように作用する。すなわち、分配装置40は、ホールの営業開始前に、パチンコ遊技機ユニットPUに封入された全ての遊技球を、遊技のためにパチンコ遊技機100内を循環する循環球と、出球感演出部60にて出球感演出に用いられる演出球と、貯球感演出部70にて貯球感演出に用いられる演出球と、に分配する。そのために、分配装置40は、メインストック41に溜められた遊技球を、分配ノズル44を介して、循環球ストック53と、出球感演出部60の下部トレイ63と、貯球感演出部70の下部トレイ74と、に分配する。
分配装置40が循環球ストック53に遊技球を送る際には、先ず、分配ノズル44の横部位44bの排出口44baを循環球案内部材45の受入口の上方に存在させるべく、ノズル位置検知センサ49aが受光から遮光へ切り替わるまで分配ノズル44を回転させる。その後、予め定められた数の遊技球を、球切り装置43にて、メインストック41から送る。これにより、予め定められた数の遊技球が、循環球案内部材45を介して循環球ストック53に送られる。
また、分配装置40が出球感演出部60の下部トレイ63に遊技球を送る際には、先ず、分配ノズル44の横部位44bの排出口44baを出球感用球案内部材46の受入口の上方に存在させるべく、ノズル位置検知センサ49cが受光から遮光へ切り替わるまで分配ノズル44を回転させる。その後、予め定められた数の遊技球を、球切り装置43にて、メインストック41から送る。これにより、予め定められた数の遊技球が、出球感用球案内部材46を介して出球感演出部60の下部トレイ63に送られる。
また、分配装置40が貯球感演出部70の下部トレイ74に遊技球を送る際には、先ず、分配ノズル44の横部位44bの排出口44baを貯球感用球案内部材47の受入口の上方に存在させるべく、ノズル位置検知センサ49bが受光から遮光へ切り替わるまで分配ノズル44回転させる。その後、予め定められた数の遊技球を、球切り装置43にて、メインストック41から送る。これにより、予め定められた数の遊技球が、貯球感用球案内部材47を介して貯球感演出部70の下部トレイ74に送られる。
なお、上述のようにして、ホールの営業開始前に、遊技のためにパチンコ遊技機100内を循環する循環球、出球感演出部60にて出球感演出に用いられる演出球および貯球感演出部70にて貯球感演出に用いられる演出球に分配された遊技球は、ホールの営業時間中は、それぞれ循環球、出球感演出に用いられる演出球、貯球感演出に用いられる演出球として活用される。
〔パチンコ遊技機ユニットPUの制御ユニットの構成〕
図53は、パチンコ遊技機ユニットPUの制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。
同図に示すように、パチンコ遊技機ユニットPUの制御ユニットは、遊技者の残金、出球数および貯球数の表示等、パチンコ遊技機ユニットPUを統括的に制御するユニット制御部500を備えている。また、パチンコ遊技機ユニットPU内に封入された遊技球のデータを管理する球データ管理部600と、出球感演出部60および貯球感演出部70における演出を制御する出球・貯球感制御部700と、洗浄装置30による遊技球の洗浄を制御する洗浄制御部800と、分配装置40による遊技球の分配を制御する分配制御部900と、を備えている。
ユニット制御部500、球データ管理部600、出球・貯球感制御部700、洗浄制御部800、分配制御部900各々は、パチンコ遊技機ユニットPUの後面に配設された上述したユニット制御基板、球データ管理基板、出球・貯球感制御基板、洗浄制御基板および分配制御基板において個別に構成されている。
〔ユニット制御部500の構成・機能〕
ユニット制御部500は、パチンコ遊技機ユニットPUの統括に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU501と、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM502と、CPU501の作業用メモリ等として用いられるRAM503と、を備えている。
図53に示すように、ユニット制御部500には、球データ管理部600、洗浄制御部800、CRユニット21およびタッチパネル22が接続されている。また、ユニット制御部500には、盤電源中継端子板を介してパチンコ遊技機100の遊技制御部200と接続されている。また、ユニット制御部500には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信するユニット用外部情報端子基板400が接続されている。
ユニット制御部500は、パチンコ遊技機100から、パチンコ遊技機100の第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞したことに起因して遊技者が獲得した賞球の情報を取得する。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ獲得した旨の情報を、遊技制御部200から取得する。
ユニット制御部500は、遊技制御部200から取得した獲得した賞球数に関する情報等を、ユニット用外部情報端子基板400を介してホストコンピュータに送信する。
また、ユニット制御部500は、球データ管理部600から、遊技球が発射されたとの情報、ファール球の情報を取得する。また、ユニット制御部500は、CRユニット21に挿入されたカードに記憶された情報、遊技球を借りるべく投入された現金の額の情報などをCRユニット21から、貸球ボタンが押されたとの情報および貯球を遊技球として払い出すとの情報などをタッチパネル22から取得する。
そして、ユニット制御部500は、このようにして取得した情報に基づいて、残金・貯球数の管理を行う。また、ユニット制御部500は、これら残金・貯球数の情報を、CRユニット21に挿入されたカードに記憶すべき情報としてCRユニット21に送信する。
また、ユニット制御部500は、ホールの営業が終了した場合には、洗浄装置30を制御して、パチンコ遊技機ユニットPUに封入された全ての遊技球の洗浄を指示する。
また、ユニット制御部500は、分配装置40を制御して、パチンコ遊技機ユニットPUに封入された全ての遊技球を、遊技のためにパチンコ遊技機100内を循環する循環球と、出球感演出部60にて出球感演出に用いられる演出球と、貯球感演出部70にて貯球感演出に用いられる演出球と、に分配する。
また、ユニット制御部500は、タッチパネル22にメニュー画面などの表示を行うとともに、メニュー画面などタッチパネル22に表示されたボタンが押された旨の情報をタッチパネル22から取得する。
図54−1および図54−2は、ユニット制御部500がタッチパネル22に表示する画面を例示する図である。
ユニット制御部500は、CRユニット21にカードも現金も挿入されておらず、遊技中ではない場合には、図54−1(a)の画面Aを表示する。そして、ユニット制御部500は、図54−1(a)の画面Aを表示しているときに、現金あるいはカードが挿入された場合には図54−1(b)の画面Bを表示する。画面Bには、「貸球」、「払出し」、「サービス」、「離席」と示された選択ボタンと、出球数(獲得賞球数)、貯球数、残金額が表示されている。なお、残金がある場合にのみ「貸球」と示されたボタンが点灯され、遊技者が押すことが可能となっており、貯球がある場合に「払出し」と示されたボタンが点灯され、遊技者が押すことが可能となっている。なお、出球数(獲得賞球数)とは、遊技者がこのパチンコ遊技機ユニットPUで獲得した遊技球の総数である。貯球数とは、遊技者がこのパチンコ遊技機ユニットPUにおいて遊技に使用可能な(発射装置160にて遊技盤110に向けて発射可能な)遊技球の数である。残金額とは、未使用のお金の額である。本実施の形態にかかるパチンコ遊技機ユニットPUにおいては、貯球数が1以上であり、かつ残金額が遊技球1個に相当する金額以上ある場合に、発射装置160が遊技球を1個発射したら、ユニット制御部500は、貯球数を1個減算し、残金額は減らさない。また、発射された遊技球が入賞口に入賞することに起因して賞球を獲得した場合には、ユニット制御部500は、獲得賞球数の分貯球数を増やし、残金額は増やさない。また、貯球数が零であり、かつ残金額が遊技球1個に相当する金額以上ある場合には、発射装置160にて遊技球が1個発射されたら、ユニット制御部500は、残金額を減らし、その発射された遊技球がファール球となった場合には貯球数を、ファール球となった分増やす。
また、ユニット制御部500は、画面B上の「サービス」と示された選択ボタンが押された場合には、図54−1(c)の画面Cを表示する。画面Cにおいては、サービスを受けたい物の選択ボタン、サービスを受ける場合の支払い方法の選択ボタンおよび「キャンセル」と示された選択ボタンが表示されている。
また、ユニット制御部500は、画面B上の「離席」と示された選択ボタンが押された場合には、図54−2(a)の画面Dを表示する。画面Dにおいては、「食事」、「トイレ」と示された選択ボタン、「遊技終了」と示された選択ボタン、および「キャンセル」と示された選択ボタンが表示されている。
また、ユニット制御部500は、画面D上の「食事」あるいは「トイレ」と示された選択ボタンが押された場合には、図54−2(b)の画面Eを表示する。そして、ユニット制御部500は、画面Eが表示されているときに、食事休憩あるいはトイレ休憩として予め定められた時間内に遊技者が戻った場合には、画面Bを表示し、予め定められた時間内に遊技者が戻らなかった場合には、図54−2(c)の画面Fを表示する。
また、ユニット制御部500は、画面D上の「遊技終了」と示された選択ボタンが押された場合には、画面Aを表示する。また、ユニット制御部500は、画面Cあるいは画面D上の「キャンセル」と示された選択ボタンが押された場合には、画面Bを再度表示する。
なお、ユニット制御部500が行うタッチパネル22への画面表示および遷移のタイミングについては後述する。
〔球データ管理部600の構成・機能〕
球データ管理部600は、循環球の管理に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU601と、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM602と、CPU601の作業用メモリ等として用いられるRAM603と、を備えている。
球データ管理部600には、図53に示すように、発射装置160により発射された遊技球を検出する発射検出部(発射スイッチ(SW))611(図2(a)参照)と、遊技盤110の下端口118を通過する遊技球を検出する下端口検出部(下端口スイッチ(SW))612(図21参照)と、ファール球を検出するファール球検出部(ファール球スイッチ(SW))613(図2(a)参照)と、が接続されている。
球データ管理部600は、発射検出部(発射スイッチ(SW))611から発射装置160により遊技球が発射されたとの情報や、下端口検出部(下端口スイッチ(SW))612から遊技盤110の下端口118を遊技球が通過したとの情報や、ファール球検出部(ファール球スイッチ(SW))613からファール球となった旨の情報を取得するとともに、これらの情報をユニット制御部500に送信する。
また、球データ管理部600は、ユニット制御部500から獲得賞球数、貯球数の情報を取得する。そして、球データ管理部600は、獲得賞球数、貯球数の管理を行うとともに、出球・貯球感制御部700に、獲得賞球数、貯球数を送信する。
球データ管理部600には、上述した発射装置160と、発射装置160に遊技球を供給する供給装置158と、球切り装置58と、が接続されており、球データ管理部600がこれらの駆動を制御する。
〔出球・貯球感制御部700の構成・機能〕
出球・貯球感制御部700は、出球感演出および貯球感演出に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU701と、CPU701にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM702と、CPU701の作業用メモリ等として用いられるRAM703と、を備えている。
出球・貯球感制御部700には、図53に示すように、上述した挿入側フォトセンサ76e、排出側フォトセンサ76fおよび球検知フォトセンサ76gが接続されている。
また、出球・貯球感制御部700には、出球感演出部60に設けられた、回転体用モータ61b、調整弁用モータ62cなどの各駆動部と、貯球感演出部70に設けられた、挿入側モータ85、排出側モータ90などの各駆動部と、が接続されている。
そして、出球・貯球感制御部700は、球データ管理部600から取得した獲得賞球数、貯球数に基づいて出球感演出部60および貯球感演出部70を制御する。
〔洗浄制御部800の構成・機能〕
洗浄制御部800は、遊技球の洗浄に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU801と、CPU801にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM802と、CPU801の作業用メモリ等として用いられるRAM803と、を備えている。
洗浄制御部800には、洗浄前ストック32aから内ケース38に供給される遊技球を検出する洗浄前球検出部(洗浄前球スイッチ(SW))811と、洗浄装置30からメインストック41に供給される遊技球を検出する洗浄後球検出部(洗浄後球スイッチ(SW))812と、が接続されている。
また、洗浄制御部800には、洗浄装置30に設けられた、内ケース38を上下動させる上下動装置や回転装置、球送り装置33aを駆動するステッピングモータ33am、ノズル33bを回転させる回転モータなどの各駆動部が接続されている。
そして、洗浄制御部800は、ユニット制御部500から取得したコマンドに基づいて、パチンコ遊技機ユニットPUに封入された全ての遊技球の洗浄を行うように洗浄装置30を制御する。
〔分配制御部900の構成・機能〕
分配制御部900は、遊技球の分配に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU901と、CPU901にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM902と、CPU901の作業用メモリ等として用いられるRAM903と、を備えている。
分配制御部900には、上述したノズル位置検知センサ49が接続されている。また、分配制御部900には、分配装置40に設けられた、球切り装置43、分配ノズル44を回転駆動する回転モータなどの各駆動部が接続されている。
そして、分配制御部900は、ユニット制御部500からのコマンドに基づいて分配装置40を制御する。すなわち、分配制御部900は、分配装置40を制御して、パチンコ遊技機ユニットPUに封入された全ての遊技球を、遊技のためにパチンコ遊技機100内を循環する循環球と、出球感演出部60にて出球感演出に用いられる演出球と、貯球感演出部70にて貯球感演出に用いられる演出球と、に分配する。
〔パチンコ遊技機ユニットPUの基本動作〕
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機ユニットPUの基本動作を説明する。
パチンコ遊技機ユニットPUの基本的な動作は、ユニット制御部500により行われる。そして、このユニット制御部500の制御の下、球データ管理部600により遊技球のデータの管理が行われ、出球・貯球感制御部700により出球感演出部60および貯球感演出部70の制御が行われる。また、ユニット制御部500の制御の下、洗浄制御部800により洗浄装置30の制御が行われ、分配制御部900により分配装置40の制御が行われる。
〔ユニット制御部500の初期処理〕
ユニット制御部500は、電源投入時の初期処理として、パチンコ遊技機ユニットPUの番号として予め設定されている番号を読み込み、表示する。また、ユニット制御部500は、パチンコ遊技機100に対して予め設定されている、遊技球1球当たりの金額(例えば、1円/1球、4円/1球)を読み込む。また、ユニット制御部500は、タッチパネル22に画面Aを表示する。
〔ユニット制御部500による基本処理〕
また、ユニット制御部500は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、基本処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。
図55−1および図55−2は、ユニット制御部500が行う基本処理の内容を示すフローチャートである。
図55−1を参照すると、ユニット制御部500は、まず、RAM503においてセットされるフラグ設定において遊技中フラグがOFFになっているか否かを判別する(ステップ5501)。ここで、遊技中フラグは、後述するように、タッチパネル22に表示された画面Bの「貸球」ボタンあるいは「払出し」ボタンが押下されたときにセットされるフラグである。
そして、遊技中フラグがOFFである場合(ステップ5501でYes)、タッチパネル22に画面Bを表示しているか否かを判別する(ステップ5502)。そして、画面Bを表示していない場合(ステップ5502でNo)、閉店であるか否かを判別する(ステップ5503)。これは、現在の時刻が、閉店時刻として予め定められた時刻になったか否かを判別する処理である。そして、閉店である場合(ステップ5503でYes)、洗浄処理についてのコマンドを洗浄制御部800に送信し(ステップ5504)、本基本処理を終了する。他方、閉店ではない場合(ステップ5503でNo)、CRユニット21にカードが挿入されたか否かを判別する(ステップ5505)。そして、CRユニット21へカードが挿入された場合(ステップ5505でYes)、カードエラーであるか否かを判別する(ステップ5506)。これは、挿入されたカードの識別情報が読み取り可能であるか否かを判別し、読み取り不可能である場合にカードエラーと判定する処理である。あるいは、挿入されたカードが、このパチンコ遊技機ユニットPUが配置されたホールで使用可能であるか、つまりそのカードの識別情報が予めROM502に記憶された識別情報と一致するか否かを判別し、一致しない場合に使用不可能としてカードエラーと判定する処理である。なお、カードの識別情報としては、カードの製造番号であることを例示することができる。
そして、カードエラーである場合(ステップ5506でYes)、カードエラーである旨をタッチパネル22に表示させる(ステップ5507)。他方、カードエラーではない場合(ステップ5506でNo)、挿入されたカードがホールカードであるか否かを判別する(ステップ5508)。これは、挿入されたカードの識別情報が、予めホールの従業員用のカードとしてROM502に記憶された識別情報と一致するか否かを判別する処理である。そして、挿入されたカードがホールカードである場合(ステップ5508でYes)、パチンコ遊技機100の扉を開放する(ステップ5509)。他方、ホールカードではない場合(ステップ5508でNo)、挿入されたカードはこのホールで遊技に使用可能なカードであるので、タッチパネル22に画面Bを表示する(ステップ5510)。
他方、CRユニット21へカードが挿入されていない場合(ステップ5505でNo)、CRユニット21に紙幣が挿入されたか否かを判別する(ステップ5511)。そして、紙幣が挿入された場合(ステップ5511でYes)も、タッチパネル22に画面Bを表示する(ステップ5510)。
また、ステップ5510にてタッチパネル22に画面Bを表示した後、およびステップ5502にてタッチパネル22に画面Bを表示していると判定された場合(ステップ5502でYes)、画面Bに表示されている「貸球」と示されたボタン、あるいは「払出し」と示されたボタンが押されたか否かを判別する(ステップ5512)。そして、「貸球」あるいは「払出し」と示されたボタンが押された場合(ステップ5512でYes)、RAM503のフラグ設定においてセットされた遊技中フラグをONとする(ステップ5513)。
そして、ステップ5513にて遊技中フラグをONとした後、ステップ5512にて「貸球」あるいは「払出し」と示されたボタンが押されていないと判定された場合(ステップ5512でNo)およびステップ5501にて遊技中フラグがOFFではないと判定された場合(ステップ5501でNo)、ホールの従業員を呼び出すために設けられた呼び出しボタン(不図示)が押されたか否かを判別する(ステップ5514)。そして、呼び出しボタンが押された場合(ステップ5514でYes)、表示灯23を赤色点灯する(ステップ5515)。呼び出しボタンが押されていない場合(ステップ5514でNo)、およびステップ5515にて表示灯23を赤色点灯した後、タッチパネル22に表示された画面Bの「離席」と示されたボタンが押されたか否かを判別する(ステップ5516)。そして、「離席」と示されたボタンが押された場合(ステップ5516でYes)、タッチパネル22に画面Dを表示し(ステップ5517)、別ルーチンの離席処理を実行する(ステップ5518)。離席処理の内容については後述する。
他方、「離席」と示されたボタンが押されていない場合(ステップ5516でNo)、タッチパネル22に表示された画面Bの「サービス」と示されたボタンが押されたか否かを判別する(ステップ5519)。そして、「サービス」と示されたボタンが押された場合(ステップ5519でYes)、タッチパネル22に画面Cを表示し(ステップ5520)、別ルーチンのサービス処理を実行する(ステップ5521)。サービス処理の内容については後述する。
その後、球データ管理部600および遊技制御部200から情報を取得する(ステップ5522)。その後、球データ管理部600から取得した情報に基づいて遊技球が発射されたか否かを判別する(ステップ5523)。そして、遊技球が発射されていない場合(ステップ5523でNo)、遊技制御部200から取得した情報に基づいて賞球を獲得したか否かを判別する(ステップ5524)。そして、賞球を獲得していない場合(ステップ5524でNo)、CRユニット21に紙幣が挿入されたか否かを判別する(ステップ5525)。
そして、遊技球が発射された場合(ステップ5523でYes)、賞球を獲得した場合(ステップ5524でYes)、および紙幣が挿入された場合(ステップ5525でYes)は、残金、出球数、貯球数に関するデータを更新する(ステップ5526)。出球数の更新は、これまでの累積出球数に、今回獲得した賞球数を加算する処理である。貯球数の更新は、前回のフローにおける貯球数から発射した遊技球の数を減算する処理、あるいは前回のフローにおける貯球数に、今回獲得した賞球数を加算する処理である。残金の更新は、前回のフローにおける残金に、今回挿入された金額を加算する処理である。その後、これらのデータを、CRユニット21に挿入されたカードに記憶する(ステップ5527)とともに、出球・貯球感制御部700に送信する(ステップ5528)。
〔ユニット制御部500による離席処理〕
図56は、離席処理(図55−2のステップ5518)の内容を示すフローチャートである。
この離席処理において、ユニット制御部500は、まず、タッチパネル22に画面Dを表示しているか否かを判別する(ステップ5601)。そして、画面Dを表示している場合(ステップ5601でYes)、タッチパネル22に表示された画面Dの「遊技終了」と示されたボタンが押されたか否かを判別する(ステップ5602)。そして、「遊技終了」のボタンが押された場合(ステップ5602でYes)、残金あるいは貯球が有るか否かを判別する(ステップ5603)。そして、残金あるいは貯球が有る場合(ステップ5603でYes)、カードにこれらの情報を記録し、カードを排出する(ステップ5604)。その後、遊技中フラグをOFFにし(ステップ5605)、タッチパネル22に画面Aを表示する(ステップ5606)。
他方、「遊技終了」のボタンが押されていない場合(ステップ5602でNo)、タッチパネル22に表示された画面Dの「食事」と示されたボタンが押されたか否かを判別する(ステップ5607)。そして、「食事」と示されたボタンが押された場合(ステップ5607でYes)、食事休憩用の時間として予め定められた時間をROM502から読み出してRAM503にセットする(ステップ5608)。他方、「食事」と示されたボタンが押されていない場合(ステップ5607でNo)、タッチパネル22に表示された画面Dの「トイレ」と示されたボタンが押されたか否かを判別する(ステップ5609)。そして、「トイレ」と示されたボタンが押された場合(ステップ5609でYes)、トイレ休憩用の時間として予め定められた時間をROM502から読み出してRAM503にセットする(ステップ5610)。
ステップ5608にて食事休憩時間がセット、あるいはステップ5610にてトイレ休憩時間がセットされた場合、残金あるいは貯球が有るか否かを判別する(ステップ5611)。そして、残金あるいは貯球が有る場合(ステップ5611でYes)、カードにこれらの情報を記録し、カードを排出する(ステップ5612)。その後、RAM503のフラグ設定においてセットされた休憩フラグをONとし(ステップ5613)、タッチパネル22に画面Eを表示する(ステップ5614)。その後、別ルーチンの休憩中処理を実行する(ステップ5615)。休憩中処理の内容については後述する。
他方、「トイレ」のボタンが押されていない場合(ステップ5609でNo)、タッチパネル22に表示された画面Dの「キャンセル」と示されたボタンが押されたか否かを判別する(ステップ5616)。そして、「キャンセル」と示されたボタンが押された場合(ステップ5616でYes)、タッチパネル22に画面Bを表示する(ステップ5617)。
〔ユニット制御部による休憩中処理〕
図57は、休憩中処理(図56のステップ5615)の内容を示すフローチャートである。
この休憩中処理において、ユニット制御部500は、まず、休憩フラグがONであるか否かを判別する(ステップ5701)。そして、休憩フラグがONである場合(ステップ5701でYes)、CRユニット21にカードが挿入されたか否かを判別する(ステップ5702)。そして、カードが挿入された場合(ステップ5702でYes)、挿入されたカードが、「食事」あるいは「トイレ」と示されたボタンが押されたときのカードと同一のカードであるか否かを判別する(ステップ5703)。これは、カードの識別情報を照合することにより判別する処理である。そして、同一のカードである場合(ステップ5703でYes)、休憩フラグをOFFにし(ステップ5704)、タッチパネル22に画面Bを表示する(ステップ5705)。他方、同一のカードである場合(ステップ5703でNo)、カードエラーである旨をタッチパネル22に表示させる(ステップ5706)。
一方、ステップ5702にてCRユニット21にカードが挿入されていないと判定された場合(ステップ5702でNo)、タイムアウトであるか否かを判別する(ステップ5707)。これは、休憩フラグがONとなってからの経過時間が、図56のステップ5608あるいはステップ5610でセットされた休憩時間以上となったか否かを判別する処理である。そして、タイムアウトである場合(ステップ5707でYes)、タッチパネル22に画面Fを表示する(ステップ5708)。
〔ユニット制御部500によるサービス処理〕
図58は、サービス処理(図55−2のステップ5521)の内容を示すフローチャートである。
このサービス処理において、ユニット制御部500は、まず、タッチパネル22に画面Cを表示しているか否かを判別する(ステップ5801)。そして、画面Cを表示している場合(ステップ5801でYes)、サービス内容が確定したか否かを判別する(ステップ5802)。これは、画面Cに表示された、サービスを受けたい物の選択ボタンおよび支払い方法の選択ボタンが押されたか否かを判別する処理であり、両方の選択ボタンが押された場合にはサービス内容が確定したと判定し、いずれかの選択ボタンが押されていない場合にはサービス内容が確定していないと判定する。そして、サービス内容が確定した場合(ステップ5802でYes)、確定したサービス内容についての情報を、ユニット用外部情報端子基板400を介してホストコンピュータに送信する(ステップ5803)。他方、サービス内容が確定していない場合(ステップ5802でNo)、タッチパネル22に表示した画面Cの「キャンセル」と示されたボタンが押されたか否かを判別する(ステップ5804)。
そして、ステップ5803にて確定したサービス内容を送信した後、あるいは画面Cの「キャンセル」と示されたボタンが押された場合(ステップ5804でYes)、タッチパネル22に画面Bを表示する(ステップ5805)。
〔球データ管理部600による球データ管理処理〕
球データ管理部600は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、球データ管理処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。
図59は、球データ管理部600が行う球データ管理処理の内容を示すフローチャートである。
同図を参照すると、球データ管理部600は、まず、タッチパネル22に表示された画面Bの「貸球」ボタンが押されたか否かを判別する(ステップ5901)。そして、「貸球」ボタンが押された場合(ステップ5901でYes)、「貸球」ボタンが押されたことに起因して上皿153に供給すべき個数として予め定められた所定数(例えば、125球)を、上皿153に供給すべき球数として設定する(ステップ5902)。
他方、「貸球」ボタンが押されていない場合(ステップ5901でNo)、タッチパネル22に表示された画面Bの「払出し」ボタンが押されたか否かを判別する(ステップ5903)。そして、「払出し」ボタンが押された場合(ステップ5903でYes)、貯球数が予め定められた所定数(例えば、125球)以上であるか否かを判別する(ステップ5904)。そして、貯球数が所定数以上である場合(ステップ5904でYes)、この所定数を、上皿153に供給すべき球数として設定する(ステップ5905)。他方、貯球数が所定数未満である場合(ステップ5904でNo)、貯球数を、上皿153に供給すべき球数として設定する(ステップ5906)。その後、ステップ5902、ステップ5905あるいはステップ5906でセットされた球数を上皿153に供給する(ステップ5907)。
ステップ5907にて上皿153に遊技球を供給した後、あるいはタッチパネル22に表示された画面Bの「貸球」、「払出し」ボタンが押されていない場合(ステップ5901および5903でNo)、上皿153に遊技球が残っているか否かを判別する(ステップ5908)。そして、上皿153に遊技球が残っている場合(ステップ5908でYes)、サービス球ボタンが押されたか否かを判別する(ステップ5909)。このサービス球ボタンは、遊技者に与える遊技球として、ホールの従業員が押すボタンであり、ここでは、このサービス球ボタンが押されたか否かを判別する処理である。そして、サービス球ボタンが押された場合(ステップ5909でYes)、循環球ストック53から上皿153へ遊技球を1球補充する(ステップ5910)。
その後、遊技球が発射されたか否かを判別する(ステップ5911)。そして、遊技球が発射されたと判定された場合(ステップ5911でYes)、ファール球があるか否かを判別する(ステップ5912)。これは、ファール球検出部613からファール球を検出した旨の信号を受信しているか否かを判別する処理である。そして、ファール球がない場合(ステップ5912でNo)、ユニット制御部500へ遊技球が発射された旨を送信する(ステップ5913)。
〔出球・貯球感制御部700による出球感制御処理〕
出球・貯球感制御部700は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、球データ管理処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。
図60は、出球・貯球感制御部700が行う出球感制御処理の内容を示すフローチャートである。
同図を参照すると、出球・貯球感制御部700は、まず、遊技中フラグがONであるか否かを判別する(ステップ6001)。そして、遊技中フラグがONである場合(ステップ6001でYes)、予め定められた所定期間内に獲得した賞球数が増加したか否かを判別する(ステップ6002)。これは、ユニット制御部500から取得した獲得賞球数に基づいて判別する処理であり、例えば、現時点から遡って30分間以内に獲得賞球の合計数が、現時点より1分前から遡って30分間以内に払い出された獲得賞球の合計数よりも多いか否かを判別する処理である。
そして、所定期間内の獲得賞球数が増加した場合(ステップ6002でYes)、予め定められた特定期間内の獲得賞球の増加数が予め定められた第1の増加数以上であるか否かを判別する(ステップ6003)。これは、例えば、前回の大当たり発生時点からこれまでに獲得した賞球数が、第1の増加数以上であるか否かを判別する処理である。そして、獲得賞球の増加数が第1の増加数未満である場合(ステップ6003でNo)、出球感演出部60で行う演出のレベルを現在行われているレベルに維持する(ステップ6004)。他方、獲得賞球の増加数が第1の増加数以上である場合(ステップ6003でYes)、獲得賞球の増加数が予め定められた第2の増加数以上であるか否かを判別する(ステップ6005)。そして、獲得賞球の増加数が第2の増加数未満である場合(ステップ6005でNo)、出球感演出部60で行う演出のレベルをレベル1に設定する(ステップ6006)。他方、獲得賞球の増加数が第2の増加数以上である場合(ステップ6005でYes)、獲得賞球の増加数が予め定められた第3の増加数以上であるか否かを判別する(ステップ6007)。そして、獲得賞球の増加数が予め定められた第3の増加数未満である場合(ステップ6007でNo)、出球感演出部60で行う演出のレベルをレベル2に設定する(ステップ6008)。他方、獲得賞球の増加数が第3の増加数以上である場合(ステップ6007でYes)、出球感演出部60で行う演出のレベルをレベル3に設定する(ステップ6009)。
一方、所定期間内の獲得賞球数が増加していない場合(ステップ6002でNo)、予め定められた基準期間内の獲得賞球の減少数が予め定められた減少数以上であるか否かを判別する(ステップ6010)。これは、例えば、現時点から遡って30分間以内に獲得賞球の合計数と、現時点より1分前から遡って30分間以内に払い出された獲得賞球の合計数との差が予め定められた減少数以上であるか否かを判別する処理である。そして、減少数が予め定められた減少数以上である場合(ステップ6010でYes)、出球感演出部60で行う演出のレベルを1レベルダウンする設定を行う(ステップ6011)。他方、減少数が予め定められた減少数未満である場合(ステップ6010でNo)、出球感演出部60で行う演出のレベルを維持する(ステップ6012)。
そして、球回転部61の回転体カバー66内の遊技球の数を、上述のようにして設定したレベルに応じた遊技球の数に設定し(ステップ6013)、回転体61aの回転速度を、設定したレベルに応じた回転速度に設定する(ステップ6014)。つまり、設定レベルを変更する場合には、そのレベルに合うように、回転体カバー66内の遊技球の数を変更および/または回転体61aの回転速度を変更する。他方、設定レベルを維持する場合には、回転体カバー66内の遊技球の数および回転体61aの回転速度を維持したままとする。
一方、そして、遊技中フラグがONではない場合(ステップ6001でNo)、演出中であるか否かを判別する(ステップ6015)。そして、演出中である場合(ステップ6015でYes)、回転体カバー66内から遊技球を抜き(ステップ6016)、回転体61aの回転を停止する(ステップ6017)。
なお、上述した予め定められた第1の増加数、第2の増加数、第3の増加数は、例えば、それぞれ1000個、5000個、10000個であることを例示することができる。また、予め定められた減少数は、例えば、2000個であることを例示することができる。
〔出球・貯球感制御部700による貯球感制御処理〕
出球・貯球感制御部700は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、球データ管理処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。
図61は、出球・貯球感制御部700が行う貯球感制御処理の内容を示すフローチャートである。
同図を参照すると、出球・貯球感制御部700は、まず、遊技中フラグがONであるか否かを判別する(ステップ6101)。そして、遊技中フラグがONである場合(ステップ6101でYes)、球陳列部71に陳列する遊技球の数として貯球数に応じた数を設定する(ステップ6102)。これは、ユニット制御部500から取得した貯球数に基づいて、陳列数として予め定められた個数(陳列する陳列棚71bの数として予め定められた数)をROM702から読み出してRAM703にセットする処理である。そして、設定された数の遊技球が陳列されるように挿入側シリンダー81および排出側シリンダー86を回転させる(ステップ6103)。なお、貯球数と陳列する陳列棚71bの数との関係としては、例えば、貯球数が1000個である場合は、下から1列目の陳列棚71bが満杯となるように陳列し、貯球数が2000個である場合は、下から1列目および2列目の陳列棚が満杯となるように陳列する、というように、貯球数が1000個増える毎に陳列する陳列棚71bの数を下から1列ずつ増やすことを例示できる。
一方、遊技中フラグがONではない場合(ステップ6101でNo)、演出中であるか否かを判別する(ステップ6104)。そして、演出中である場合(ステップ6104でYes)、球陳列部71から遊技球を一気に排出するべく挿入側シリンダー81および排出側シリンダー86を回転させる(ステップ6105)。
なお、上述では、球陳列部71に遊技球を陳列する際に、貯球数に応じた数の陳列棚71bに陳列するように制御しているが、特にかかる態様には限定されず、貯球数に応じた数の遊技球を陳列してもよい。例えば、貯球数が1000個である場合は陳列数が15個、貯球数が2000個である場合は陳列数が30個となるように、貯球数が1000個増える毎に15個ずつ増やしてもよい。
〔洗浄制御部800による洗浄管理処理〕
洗浄制御部800は、ユニット制御部500から洗浄管理処理を実行すべき旨のコマンドを取得したときに、洗浄管理処理を実行する。
図62は、洗浄制御部800が行う洗浄管理処理の内容を示すフローチャートである。
同図を参照すると、洗浄制御部800は、まず、洗浄前ストック32aに、パチンコ遊技機ユニットPUに封入された遊技球全てを集める(ステップ6201)。これは、循環球および演出球を洗浄前ストック32aに集めるべく、遊技球の経路を司る各種弁、駆動装置を制御する処理であり、例えば、パチンコ遊技機100の循環機構の第1の案内路54aと第3の案内路54bとの接続部位に設けられた切替弁57を、遊技球が洗浄前ストック32aの方へ転がるように切り替える。また、出球感演出部60の案内部材65の切替弁65cを遊技球が洗浄前ストック32aの方へ転がるように切り替えるとともに、球上昇装置64を駆動させる。また、貯球感演出部70の上部トレイ76の切替弁76cを遊技球が洗浄前ストック32aの方へ転がるように切り替えるとともに、球上昇装置75を駆動させる。
その後、パチンコ遊技機ユニットPU内の全ての遊技球を洗浄したか否かを判別する(ステップ6202)。これは、洗浄後球検出部812が検出した遊技球の数がパチンコ遊技機ユニットPUに封入された遊技球の数と一致したか否かを判別する処理である。そして、全ての遊技球を洗浄していない場合(ステップ6202でNo)、後述する洗浄処理を実行中であるか否かを判別する(ステップ6203)。そして、洗浄処理を実行中である場合(ステップ6203でYes)、洗浄処理が終了するまで待機する。他方、洗浄処理を実行中ではない場合(ステップ6203でNo)、洗浄前ストック32aに遊技球が有るか否かを判別する(ステップ6204)。そして、洗浄前ストック32aに遊技球が有る場合(ステップ6204でYes)、洗浄前ストック32aから内ケース38へ遊技球を供給する(ステップ6205)。これは、洗浄前ストック32aから予め定められた数の遊技球を供給することを例示することができる。その際、洗浄前球検出部811にて、洗浄前ストック32aから内ケース38へ供給される遊技球の数をカウントし、予め定められた数がカウントされたら供給を停止するとよい。その後、別ルーチンの洗浄処理を実行する(ステップ6206)。洗浄処理の内容については後述する。
一方、全ての遊技球を洗浄した場合(ステップ6202でYes)、終了処理を実行する(ステップ6207)。終了処理とは、洗浄後ストック35に溜められた洗浄後の遊技球を全て球搬送装置36にて分配装置40のメインストック41送るとともに、ステップ6201にて、洗浄前ストック32aに集めるべく切り替えた切替弁65c,76cを元に戻し、球上昇装置64,75の駆動を停止する処理である。
〔洗浄制御部800による洗浄処理〕
図63は、洗浄制御部800の洗浄処理の内容を示すフローチャートである。
この洗浄処理において、洗浄制御部800は、内ケース38内の遊技球を水洗浄するために、内ケース38を予め定められた回転速度で回転させる(ステップ6301)。そして、洗浄タイムアウトか否かを判別する(ステップ6302)。これは、水洗浄のために内ケース38を回転開始してから予め定められた時間が経過したか否かを判別する処理である。そして、タイムアウトではない場合(ステップ6302でNo)、タイムアウトとなるまで待機する。他方、タイムアウトである場合(ステップ6302でYes)、内ケース38の回転を停止させる(ステップ6303)。これは、上述したように、内ケース位置検知センサが受光から遮光への切り替わりポイントを検出したら回転用モータ371の回転を停止させる処理である。
その後、内ケース38を水切り位置まで上昇させる(ステップ6304)。これは、洗浄制御部800が、昇降用モータ362を一方の方向に予め定められた回転数だけ回転させる処理であることを例示することができる。または、水切り位置における、例えば導入部材389の存在を検知する周知の反射型フォトセンサをメインフレーム31aに固定しておき、洗浄制御部800が、この反射型フォトセンサが導入部材389を検知したら昇降用モータ362の回転を停止するようにしてもよい。
そして、内ケース38を水切り位置まで上昇させた後、内ケース38を予め定められた回転速度で回転させる(ステップ6305)。その後、水切りタイムアウトか否かを判別する(ステップ6306)。これは、水切りのために内ケース38を回転開始してから予め定められた時間が経過したか否かを判別する処理である。そして、水切りタイムアウトではない場合(ステップ6306でNo)、水切りタイムアウトとなるまで待機する。他方、タイムアウトである場合(ステップ6306でYes)、内ケース38の回転を停止させる(ステップ6307)。これは、上述したように、内ケース位置検知センサが受光から遮光への切り替わりポイントを検出したら回転用モータ371の回転を停止させる処理である。
その後、遊技球を排出するために、内ケース38を排出位置まで上昇させる(ステップ6308)。これは、洗浄制御部800が、昇降用モータ362を一方の方向に予め定められた回転数だけ回転させる処理であることを例示することができる。または、排出位置における、例えば導入部材389の存在を検知する周知の反射型フォトセンサをメインフレーム31aに固定しておき、洗浄制御部800が、この反射型フォトセンサが導入部材389を検知したら昇降用モータ362の回転を停止するようにしてもよい。
そして、内ケース38を排出位置まで上昇させた後、排出タイムアウトか否かを判別する(ステップ6309)。これは、遊技球を排出するために内ケース38を上昇させてから予め定められた時間が経過したか否かを判別する処理である。そして、排出タイムアウトではない場合(ステップ6309でNo)、排出タイムアウトとなるまで待機する。他方、排出タイムアウトである場合(ステップ6309でYes)、内ケース38を洗浄位置まで下降させる(ステップ6310)。これは、洗浄制御部800が、昇降用モータ362を他方の方向に予め定められた回転数だけ回転させる処理であることを例示することができる。または、洗浄位置における、例えば導入部材389の存在を検知する周知の反射型フォトセンサをメインフレーム31aに固定しておき、洗浄制御部800が、この反射型フォトセンサが導入部材389を検知したら昇降用モータ362の回転を停止するようにしてもよい。なお、内ケース38が洗浄位置まで下降する過程で、載置ユニット381の支持部材396の凹部396bが外ケース37の軸受け部37bに固定されたピン37cに嵌まり込む。
以上のように構成されたパチンコ遊技機ユニットPUにおいては、出球感演出部60が、パチンコ遊技機100にて遊技中の遊技者が獲得している遊技球の多さの感じを視覚的に演出するので、賞球を獲得している感じを味わえるようにすることができる。そして、その演出を、遊技に用いられる実際の遊技球を用いて行うので、実際の遊技球を用いない場合に比べて、より臨場感が増す。また、貯球感演出部70が、遊技者が獲得した賞球の多さの感じを、言い換えれば、遊技者が所持している遊技に用いることが可能な遊技球の多さの感じを視覚的に演出するので、獲得した賞球の多さによる優越感を味わえるようにすることができる。そして、その演出を、遊技に用いられる実際の遊技球を用いて行うので、実際の遊技球を用いない場合に比べて、より臨場感が増す。また、本実施の形態に係る貯球感演出部70においては、球陳列部71に陳列した状態で遊技が終了されたときには、排出側シリンダー86に形成された第2の排出孔87bを介して陳列した遊技球を一気に排出するので、次の遊技者の遊技に迅速に備えることができる。
また、出球感演出部60および貯球感演出部70にて演出に用いられた遊技球は、パチンコ遊技機100にて遊技に用いられた遊技球とともに洗浄前ストック32に集められ、洗浄部31にて洗浄される。その後、洗浄部31にて洗浄された遊技球は、分配装置40にて、再度パチンコ遊技機100、出球感演出部60および貯球感演出部70に分配される。それゆえ、パチンコ遊技機100内を循環し、遊技に用いられた循環球が、繰り返し循環球として用いられることが抑制される。例えば、本実施の形態に係るパチンコ遊技機ユニットPUのように、封入された遊技球全てをホール閉店後に集めて洗浄し、次回の開店までに再度分配する構成においては、特定の遊技球が数日連続して循環球として用いられることを抑制することができる。したがって、本実施の形態に係るパチンコ遊技機ユニットPUによれば、封入された全ての遊技球を循環させて遊技に用いる封入式の遊技機に比べて、遊技球の汚れをより少なくすることができる。また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機ユニットPUのように、パチンコ遊技機100内を循環する遊技球の個数を150個、出球感演出部60にて演出に用いられる遊技球の個数を600個、貯球感演出部70にて演出に用いられる遊技球の個数を330個というように、循環球の個数より多い個数の遊技球を演出球として用いることで、繰り返し循環球として用いられる確率を小さくすることができる。さらに、本実施の形態に係るパチンコ遊技機ユニットPUにおいては、パチンコ遊技機100における循環経路上に球磨き部材59を有しているので、循環球にゴミが付着した場合でも付着したゴミを除去することができる。それゆえ、循環球にゴミが付着することに起因して球詰まりなどが生じることを抑制することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機ユニットPUにおいては、内部に封入された遊技球を液体で洗浄する洗浄装置30を備えている。そして、その洗浄装置30においては、内ケース38に収納した遊技球を液体に浸した状態で内ケース38を回転させる。その際、遊技球を載せた載置ユニット381に対して内ケース本体380が回転するので、個々の遊技球のより多くの表面が液体に触れ、遊技球に付着したゴミが除去され易い。そして、洗浄された遊技球を液体に浸らせない状態で内ケース38を回転させることで遊技球に付着した液体を飛ばす処理を行う。これにより、洗浄後ストック34に濡れた遊技球が溜まり難くなる。また、洗浄するために遊技球を載せた載置ユニット381に対して内ケース本体380が回転させた後、載置部材395の壁面395bと斜面395cとで構成された凹部が内ケース本体380の排出孔38bと対向する位置に停止させられるので、洗浄後の遊技球は、内ケース38が排出位置まで上昇するだけで、外ケース蓋39の上面に流れ出る。そして、その後、貫通孔39c、案内部材35を介して洗浄後ストック34へ至る。これにより、洗浄後の遊技球を洗浄後ストック34に溜めるのを、簡易な構成で実現している。
なお、上述した実施の形態においては、球磨き部材59を、演出装置20などとともにパチンコ遊技機ユニットPUを構成するパチンコ遊技機100に適用した場合について述べたが、特に限定されない。例えば、演出装置20を備えずに、外部から触れられないように内部空間に封入された複数の遊技球を遊技のためだけに循環させる封入式のパチンコ遊技機に適用してもよい。また、外部から触れられないように内部空間に封入された複数の遊技球を1台のパチンコ遊技機のみで循環させるのではなく、1つの筐体に収納された複数台のパチンコ遊技機で循環させるように構成されたパチンコ遊技機群の中のパチンコ遊技機に適用してもよい。また、複数台のパチンコ遊技機が連なって島設備を構成し、この島設備において遊技球が循環されるように構成され、遊技者には外部から遊技球を触れられないようにしているが、例えばホールの従業員は外部から遊技球を触れられるように構成された島設備の中のパチンコ遊技機に適用してもよい。
言い換えれば、本実施の形態に係る球磨き部材59を、外部から触れられないように複数の遊技球が内部空間に封入された遊技機全てに適用することができる。そして、遊技球が封入される内部空間とは、本実施の形態に係るパチンコ遊技機ユニットPUにおいては、筐体10により囲まれた空間を示し、1つの筐体に複数台のパチンコ遊技機が収納されたパチンコ遊技機群においては、その1つの筐体により囲まれた空間を示す。また、演出装置20を備えずに、封入された複数の遊技球を遊技のためだけに循環させる封入式のパチンコ遊技機においては、このパチンコ遊技機の筐体により囲まれた空間を示す。また、複数台のパチンコ遊技機が連なって構成された島設備においては、遊技者により外部から触れられない空間を示す。
また、上述した実施の形態においては、パチンコ遊技機100、演出装置20、洗浄装置30などでパチンコ遊技機ユニットPUを構成しているが、特に限定されない。例えば、演出装置20を備えずに、パチンコ遊技機100と洗浄装置30とでパチンコ遊技機ユニットPUを構成してもよい。かかる場合には、パチンコ遊技機100を循環する遊技球を洗浄装置30にて洗浄し、洗浄した遊技球を再度パチンコ遊技機100に戻して循環すればよい。
〔洗浄装置30の乾燥装置91についての各種の変形例〕
ここで、洗浄装置30が備える乾燥装置91について各種の変形例を説明する。以下、乾燥装置91の運球部403についての各種の変形例を図64および図65を用いて説明し、また、乾燥装置91における運球部403と送風装置405との相対的な位置関係についての各種の変形例を図66ないし図71を用いて説明する。なお、各種の変形例に係る乾燥装置91は、本実施の形態と共通する構成・機能を有することから、共通する構成には、同じ符号を用い、また、共通する構成・機能の説明および図示を省略することがある。
図64は、洗浄装置30の一変形例に係る乾燥装置91の運球部403を構成する部品の一部を示す分解図である。なお、同図は、図44に対応する図であり、より詳細には図44の運球部403の一部を拡大して示したものである。
図64に示す運球部403は、スノコ部材412(図44参照)の代わりに、1枚の板状部材421を備えている。このように、1枚の板状部材421で遊技球を転がる面を形成しているので、簡易に構成することが可能になる。運球部403は移動部の一例であり、また、板状部材421は傾斜転がり部の一例であり、移動部の一例である。
また、板状部材421は、上端から下端まで略一定の角度で傾斜している。板状部材421の傾斜角度を略一定ではなく、板状部材421を傾斜角度が位置によって異なるような例えば曲面をもって形成することも考えられる。
板状部材421には、遊技球に付着している洗浄液を板状部材421の下に落とすための水抜き穴(貫通孔)421aが複数形成されている。この水抜き穴421aは、遊技球よりも小さく、かつ板状部材421の上面を転がる際の遊技球の転がりを妨げずに遊技球の渋滞を生じさせないような大きさである。水抜き穴421aは排水部ないし開口の一例である。
板状部材421の上流端および下流端には、幅方向に延びる段形状部421bが形成されている。この段形状部421bは、上側の取り付け部材413,414を受け入れるためのものであり、これによって遊技球が転がる面が平たんになり、円滑な遊技球の転がりを実現している。
なお、この変形例では、板状部材421に複数の水抜き穴421aを形成しているが、このような水抜き穴421aのない構成も考えられる。
図65は、洗浄装置30の一変形例に係る乾燥装置91の運球部403を構成する部品の一部を示す分解図である。同図は、図64とは別の変形例を示すものである。
図65に示す運球部403は、スノコ部材412(図44参照)や板状部材421(図64参照)ではなく、平ベルト状のベルトコンベア422を備えている。このベルトコンベア422は、搬送方向下流端(搬送下流端)の高さが搬送方向上流端(搬送上流端)とは異なるように傾斜している。より具体的には、ベルトコンベア422は、遊技球を搬送する搬送方向が下向きであるように傾斜して配設されている。ベルトコンベア422は、例えばゴム製の幅広部材であり、遊技球に付着している洗浄液を下に落とすための水抜き穴(貫通孔)422aが複数形成されている。運球部403は移動部の一例である。また、ベルトコンベア422は傾斜転がり部ないし搬送部の一例であり、水抜き穴422aは排水部ないし開口の一例である。また、ベルトコンベア422は、駆動搬送部の一例であり、移動部の一例である。
ベルトコンベア422は、駆動軸423および従動軸424に所定の張力をもたせるように巻き掛けられている。駆動軸423と従動軸424との間には、4本の中間軸425が配設されている。さらに説明すると、傾斜部材411の互いに対向する立て壁の内面にリブ状の支え部411aが形成されている。そして、この支え部411aにより、従動軸424および中間軸425が支えられる。なお、従動軸424は回転自在に支えられる。
付言すると、ベルトコンベア422の搬送方向上流端には、駆動軸423が巻き掛けられており、また、搬送方向下流端には、従動軸424が巻き掛けられている。
なお、この変形例では、ベルトコンベア422に複数の水抜き穴422aを形成しているが、このような水抜き穴422aのない構成も考えられる。
ベルトコンベア422の駆動軸423には、カップリング426を介して駆動源(モータ)427が連結されている。したがって、ベルトコンベア422は、駆動源427からカップリング426を介して駆動軸423に伝達される駆動力により、上面において傾斜を下る方向に回転する。駆動源427は、洗浄制御部800(図53参照)により制御される。
このため、遊技球は、ベルトコンベア422を転がることもあり得るが、主にベルトコンベア422の回転によって上流側から下流側への方向(同図の左から右の方向)に移動する。洗浄制御部800(図53参照)による駆動源427の駆動力を制御することで、遊技球の移動速度を調節することができる。すなわち、本変形例の場合には、乾燥する際の時間を任意に調整することが可能になる。
なお、駆動源427は、覆い部材428により傾斜部材411に固定され、かつ覆われる。
付言すると、平ベルト状のベルトコンベア422の代わりに、平ベルトの外周面に幅方向に延びるリブが所定間隔に複数に配置されたベルトコンベア(不図示)を用いることが考えられる。ここにいうリブの高さとしては、例えば遊技球の直径の約半分の値を採用することが考えられる。このような不図示のベルトコンベアを用いると、駆動源427を制御することで、単位時間当たりに搬送する遊技球の数をより正確に調節することが可能になる。
また、遊技球が落下することなく自重で転がるように構成したローラーコンベア(不図示)を用いることも考えられる。このようなローラーコンベアを用いると、駆動源を必要としないことから構成の簡素化を図ることが可能になる。
図66は、洗浄装置30の一変形例に係る乾燥装置91の運球部403を説明する図であり、(a)は一変形例の場合であり、(b)は他の変形例の場合であり、(c)はまた別の変形例の場合である。運球部403は移動部の一例である。
る。同図は、図65の構成とは別の変形例を示すものである。
図66(a)に示す運球部403は、遊技球を搬送する搬送方向が略水平方向であるように傾斜させずに配設されているベルトコンベア422を備えている。すなわち、遊技球の高さ位置を変えずに搬送するものである。付言すると、図66(a)に示すベルトコンベア422は、搬送方向下流端の高さが搬送方向上流端と同じになるように不傾斜にて設置されている。なお、図65に示す運球部403では、搬送方向が下向きであり、遊技球が搬送されるに従って次第に低い位置になるように搬送するものである。
このように構成することにより、乾燥装置91の下流側にて遊技球を上昇させる長さを短くすることが可能になる。なお、ベルトコンベア422の搬送方向上流端には、駆動軸423が巻き掛けられており、また、搬送方向下流端には、従動軸424が巻き掛けられている。
図66(b)に示す運球部403は、遊技球を搬送する搬送方向が上向きであるように傾斜して配設されているベルトコンベア422を備えている。すなわち、遊技球が搬送されるに従って次第に高い位置になるように搬送するものである。付言すると、図66(b)に示すベルトコンベア422は、搬送方向下流端の高さが搬送方向上流端とは異なるように傾斜している。
このように構成することにより、乾燥装置91の下流側にて遊技球を上昇させる長さをさらに短くすることが可能になる。なお、ベルトコンベア422の搬送方向上流端には、駆動軸423が巻き掛けられており、また、搬送方向下流端には、従動軸424が巻き掛けられている。
ここで、運球部403と送風装置405との相対的な位置関係についてさらに説明する。図66(b)に示す上向きに遊技球を搬送するベルトコンベア522の場合については、送風装置405が遊技球の移動方向に沿って順方向に送風する構成(図45参照)を採用すると、遊技球の乾燥という観点でより効果的である。
図66(c)に示す運球部403は、ベルトコンベア422に複数の水抜き穴422aを有する。これら複数の水抜き穴422aは、遊技球の外径dよりも小さい内径の丸穴であり、遊技球は水抜き穴422aに入って保持され得る。さらに説明すると、互いに隣り合う水抜き穴422a同士の距離である穴間隔(穴ピッチ)Lは、所定の値に設定されている。すなわち水抜き穴422a同士の穴間隔Lは、遊技球の外径dよりも小さい(L<d)。このため、隣り合う水抜き穴422aの各々に遊技球が入ってしまうという事態を防止できる。遊技球が入っている状態では、水抜き穴422aが遊技球により塞がれてしまい、水抜き穴422aは、水抜きの機能を果たすことが難しくなる。仮に、複数の水抜き穴422aのほぼすべてに遊技球が入ると、ベルトコンベア422から水の排出が困難になり、ベルトコンベア422の表面に水が溜まってしまうという事態が発生しうる。
このような事態に対して、水抜き穴422aを円形以外の形状例えば矩形形状にすることも考えられるが、そのような形状にすると、ベルトコンベア422の耐久性が低下してしまう。このように、図66(c)に示す変形例では、ベルトコンベア422の耐久性を低下させることなく、水抜き穴422aの機能を発揮させることが可能になる。
図67は、洗浄装置30の一変形例に係る乾燥装置91の運球部403と送風装置405との相対的な位置関係を説明する図であり、図45に対応する図である。
図67に示す変形例は、本実施の形態の場合(図45参照)と同じく、送風装置405のエアが遊技球の移動方向に対して順方向に吹き出すように配置されている。さらに説明すると、この変形例では、本実施の形態の場合(図45参照)よりも送風装置405が運球部403に対して下方寄りに配置されている。より具体的には、送風装置405のファン431の回転軸が運球部403のスノコ部材412に位置するように、送風装置405が運球部403に対して配置されている。このため、送風装置405からのエアは、運球部403のスノコ部材412の上面側(上段)に流れると共に、スノコ部材412の下面側(下段)にも流れる(同図の白抜きの矢印を参照)。したがって、このような構成を採用することにより、遊技球をより確実に乾燥させることが可能になる。付言すると、スノコ部材412の下段に流れるエアによってスノコ部材412の下面を乾燥させることができ、スノコ部材412の隙間412a(図46参照)による水抜き効果を向上させることが可能になる。
この変形例の場合には、スノコ部材412の隙間412a(図46参照)は、水抜き穴と機能するほかに、送風装置405からスノコ部材412の下段に流れるエアが上段に流れるための通風口として機能する。
なお、図67に示す変形例を、上述した板状部材421を用いる場合(図64参照)やベルトコンベア422を用いる場合(図65参照)にも適用することが考えられる。
図68は、洗浄装置30の一変形例に係る乾燥装置91の運球部403と送風装置405との相対的な位置関係を説明する図であり、(a)は一変形例の場合であり、(b)は他の変形例の場合である。同図は、図45および図67に対応する図である。
図68(a)に示す変形例では、送風装置405は、運球部403のスノコ部材412の下流端寄りに位置し、運球部403の進行方向とは逆の方向に沿って送風する(同図の白抜きの矢印を参照)。より具体的には、送風装置405は、スノコ部材412を転がり降りて捌き部材416(図44参照)により捌かれた遊技球の進行を妨げない位置に配置されている。
したがって、この変形例の場合には、本実施の形態の場合(図45参照)や上述の変形例の場合(図67参照)とは異なり、送風装置405のエアが遊技球の移動方向に対して逆方向に吹き出す。このような構成を採用することにより、遊技球が風向きに逆らう形で移動するので、乾燥の効率をより向上させることが可能になる。また、スノコ部材412の上流側では、遊技球が転がる際に遊技球に付いている洗浄液の滴がスノコ部材412の隙間412a(図46参照)から下に落ち、かつ、スノコ部材412の下流側では送風装置405のエアにより乾燥されることから、より効果的な遊技球の乾燥工程を実現することが可能になる。
なお、送風装置405によるエアが洗浄後第2ストック部342の遊技球にも風が当たるように送風装置405を配置すると、スノコ部材412を転がり降りて洗浄後第2ストック部342にて一時的に溜められている遊技球を乾燥させることが可能になり、次工程である拭き取り装置92による拭き取り工程の前の段階で、より確実に乾燥させることが可能になる。
また、図68に示す変形例を、上述した板状部材421を用いる場合(図64参照)やベルトコンベア422を用いる場合(図65参照)にも適用することが考えられる。
図68(b)に示す変形例は、同図(a)の場合と同じく、送風装置405のエアが遊技球の移動方向に対して逆方向に吹き出すように配置されている(同図の白抜きの矢印を参照)。そして、この変形例では、同図(a)の場合よりも送風装置405が運球部403に対して下方寄りに配置されている。このような下方寄りの配置構成による効果は、図67の場合と同様である。
図69は、洗浄装置30の一変形例に係る乾燥装置91の運球部403と送風装置405との相対的な位置関係を説明する図であり、図45、図67および図68に対応する図である。
図69(a)に示す変形例では、送風装置405は、運球部403のスノコ部材412の上に位置する。より具体的には、送風装置405は、カバー部材404(図44参照)の下面に取り付けられ、スノコ部材412に向かって下方向に吹き下ろすように送風する(同図の白抜きの矢印を参照)。これにより、送風装置405は、スノコ部材412の上面を転がっている遊技球に向かって全体的に送風することになるので、送風装置405のエアにより乾燥が行われる範囲が広くなり、比較的長い時間にわたって遊技球を乾燥させる乾燥工程を行うことが可能になる。
なお、図69(a)に示す変形例を、上述した板状部材421を用いる場合(図64参照)やベルトコンベア422を用いる場合(図65参照)にも適用することが考えられる。
また、図69(b)に示す変形例では、運球部403のスノコ部材412の上に位置する送風装置405(図69(a)参照)に加えて、運球部403のスノコ部材412の下に位置する別の送風装置405を備えている。すなわち、送風装置405は、運球部403のスノコ部材412の下に位置し、スノコ部材412に向かって上方向に吹き上げるように送風する(同図の白抜きの矢印を参照)。この変形例の場合には、スノコ部材412の下に位置する送風装置405として防水仕様のものを用いることが必要になる。
なお、図69(b)に示す変形例を、上述した板状部材421を用いる場合(図64参照)やベルトコンベア422を用いる場合(図65参照)にも適用することが考えられる。
図70は、洗浄装置30の一変形例に係る乾燥装置91の運球部403と送風装置405との相対的な位置関係を説明する図であり、下側の図は、上側の図の矢印Xの矢視図である。図70は、図45、図67、図68および図69に対応する図である。
図70に示す変形例では、送風装置405は、運球部403のスノコ部材412の側方に位置する。すなわち、送風装置405は、遊技球の進行方向に対して横方向に配置されている。より具体的には、送風装置405は、傾斜しているスノコ部材412の上側にてスノコ部材412の上面に向かって送風する。このため、送風装置405からのエア(図70の白抜きの矢印を参照)は、スノコ部材412を横切る方向に流れる。したがって、スノコ部材412を転がり降りる遊技球にエアをより確実に当てることが可能になり、遊技球の乾燥度合いを均一化することが可能になる。
なお、図70に示す変形例を、上述した板状部材421を用いる場合(図64参照)やベルトコンベア422を用いる場合(図65参照)にも適用することが考えられる。
図71は、洗浄装置30の一変形例に係る乾燥装置91の運球部403と送風装置405との相対的な位置関係を説明する図であり、下側の図は、上側の図の矢印Xの矢視図である。図71は、図45、図67、図68、図69および図70に対応する図である。
図71に示す変形例は、図70の場合と同じく、送風装置405のエア(図71の白抜きの矢印を参照)がスノコ部材412を横切る方向(横断方向)に吹き出すように配置されている。そして、この変形例では、図70の場合よりも送風装置405が運球部403に対して下方寄りに配置されている。このような下方寄りの配置構成による効果は、図67の場合または図68(b)の場合と同様である。
なお、上述した実施の形態においては、パチンコ遊技機100の循環機構の構成を、演出装置20などとともにパチンコ遊技機ユニットPUを構成するパチンコ遊技機100に適用した場合について述べたが、特に限定されない。例えば、演出装置20を備えずに、外部から触れられないように内部空間に封入された複数の遊技球を遊技のためだけに循環させる封入式のパチンコ遊技機に適用してもよい。かかる場合には、ユニット制御部500、球データ管理部600および発射制御部550などを有する制御ユニット、タッチパネル22などを、パチンコ遊技機100が備えるようにすればよい。そして、ユニット制御部500および球データ管理部600などを有する制御ユニット、タッチパネル22および本実施の形態に係るパチンコ遊技機100から構成される物を遊技機として捉えてもよいし、遊技機ユニットとして捉えてもよい。また、さらに演出装置20および/またはCRユニット21、およびこれらを制御する制御部(装置)を含めて遊技機として捉えてもよいし、遊技機ユニットとして捉えてもよい。また、さらに、洗浄装置30および/または分配装置40、およびこれらを制御する制御部(装置)を含めて遊技機として捉えてもよいし、遊技機ユニットとして捉えてもよい。
また、上述した実施の形態に係るパチンコ遊技機100の循環機構の構成を、外部から触れられないように内部空間に封入された複数の遊技球を1台のパチンコ遊技機のみで循環させるのではなく、1つの筐体に収納された複数台のパチンコ遊技機で循環させるように構成されたパチンコ遊技機群の中のパチンコ遊技機に適用してもよい。また、複数台のパチンコ遊技機が連なって島設備を構成し、この島設備において遊技球が循環されるように構成され、遊技者には外部から遊技球を触れられないようにしているが、例えばホールの従業員は外部から遊技球を触れられるように構成された島設備の中のパチンコ遊技機に適用してもよい。
言い換えれば、本実施の形態に係る上皿153の構成を、外部から触れられないように複数の遊技球が内部空間に封入された遊技機全てに適用することができる。そして、遊技球が封入される内部空間とは、本実施の形態に係るパチンコ遊技機ユニットPUにおいては、筐体10により囲まれた空間を示し、1つの筐体に複数台のパチンコ遊技機が収納されたパチンコ遊技機群においては、その1つの筐体により囲まれた空間を示す。また、演出装置20を備えずに、封入された複数の遊技球を遊技のためだけに循環させる封入式のパチンコ遊技機においては、このパチンコ遊技機の筐体により囲まれた空間を示す。また、複数台のパチンコ遊技機が連なって構成された島設備においては、遊技者により外部から触れられない空間を示す。
PU…パチンコ遊技機ユニット、1…循環路、2,3…案内路、30…洗浄装置、31…洗浄部、40…分配装置、91…乾燥装置、92…拭き取り装置、93…球上昇装置、100…パチンコ遊技機、110…遊技盤、160…発射装置、403…運球部、405…送風装置、412…スノコ部材、412a…隙間、416…捌き部材、417,427…駆動源、421…板状部材、421a…水抜き穴、422…ベルトコンベア、422a…水抜き穴、443…駆動部、448…拭き取り部、448a…拭き取り材、448b…カバー、449…押付部材、451…シリンダー、451a…溝

Claims (6)

  1. 遊技盤の盤面に向けて一の発射台から発射された遊技球が当該一の発射台に帰って再び当該盤面に向けて発射可能になるように遊技球を循環して搬送する循環経路を有する遊技機ユニットであって、
    前記循環経路により搬送される遊技球を用いる遊技機と、
    前記遊技機に用いられる遊技球を液体で洗浄する洗浄部と、
    前記洗浄部により洗浄された遊技球を一方向に移動するための移動部と、
    前記移動部により前記一方向に移動される遊技球を乾燥させるための風を、遊技球の乾燥度合いが進んでいる当該移動部の一側から当該一側よりも乾燥度合いが進んでいない当該移動部の他側に向けて送る送風部と、
    を備えることを特徴とする遊技機ユニット。
  2. 前記移動部は、前記循環経路に設置されているものではなく、
    前記遊技機ユニットは、
    前記循環経路により搬送される遊技球を抜き取る抜き取り手段と、
    前記抜き取り手段により抜き取られて前記移動部で乾燥された遊技球を前記循環経路に戻す戻し手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機ユニット。
  3. 前記移動部は、前記循環経路に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機ユニット。
  4. 前記送風部は、前記移動部に対して吹き下ろすように遊技球を乾燥させるための風を送ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遊技機ユニット。
  5. 前記移動部は、遊技球の外径よりも小さい排水部を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の遊技機ユニット。
  6. 前記送風部は、前記移動部の上側に風を送ると共に下側に風を送ることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の遊技機ユニット。
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