JP2012156063A - 集光照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】集光型LED光源の発光効率を制限している、放熱の問題点と光の取り出し効率を制限している問題点を同時に解決して、高性能な集光型LED光源を提供することにある。
【解決手段】 1個ないし複数個の発光ダイオードを備える照明器具において、光源としてのLEDチップを搭載した配線基板を兼ねた放熱板を含むヒートシンク容器の上部に集光用のレンズを具備する。その容器内に液体ないしジェルを充填することによって、冷却効果を高める。また、レンズと液体ないしジェルの屈折率がほぼ等しいことによる光の取り出し効率を高める。
【選択図】 図1
【解決手段】 1個ないし複数個の発光ダイオードを備える照明器具において、光源としてのLEDチップを搭載した配線基板を兼ねた放熱板を含むヒートシンク容器の上部に集光用のレンズを具備する。その容器内に液体ないしジェルを充填することによって、冷却効果を高める。また、レンズと液体ないしジェルの屈折率がほぼ等しいことによる光の取り出し効率を高める。
【選択図】 図1
Description
本発明は、集光機能を備え、光源としてLED(発光ダイオード)を用いた照明用器具に関する。
特許文献1に述べられるように、LEDを光源とする照明器具は白熱電球や蛍光灯に対する優位性から広く一般に使用され始めている。最も一般的な白色LED光源は、青色LEDの光を利用して黄色の蛍光体を励起し、青色と黄色によって擬似白色光を得るものである。白色LED光源では通常、LEDチップとその周囲に黄色蛍光体を配置した白色LEDパッケージを用い、これを単数あるいは複数個器具の中に配置することで実現している。このような白色LED光源の発光効率を高めるためには、極めて小型のLEDチップに投入される電気的エネルギーのうち、発光に使われずに熱として放出されるエネルギーを効率良く器具から外気に逃がす工夫が重要である。また、白色LEDパッケージから放出される白色光を器具から外部に取り出す効率を高める必要がある。
LEDチップから放出される熱は、通常チップ裏面から配線基板を通してヒートシンクに伝導され、ヒートシンクから外気に放出される。ここで配線基板には電気的絶縁のために絶縁体層が存在するため、その部分の熱抵抗が高くなりチップの温度上昇を来すことになる。
LEDパッケージから発生する白色光がパッケージ表面から外部に放出される割合は、パッケージ内部に蛍光体を含有する樹脂の屈折率と、樹脂表面に接触している媒質の屈折率の違いによって決定され、屈折率の違いが少ないほど光の取り出し効率が高くなる。ところで、スポットライトやダウンライトのような集光型光源ではパッケージの上部に正確にレンズを配置する必要があるため、空気層を介して、レンズを配置する構造をとることが多い。その結果、LEDパッケージ表面は空気層と接することになり、屈折率差が大きくなるため、光と取り出し効率を高められないという問題点があった。
以上は、白色LED光源についての問題点であるが、同様の問題点はLEDチップからの光のみを利用する光源においてもしょうじていることは明らかである。この場合における光の取り出し効率は、LEDチップの半導体材料の屈折率とチップ表面に接している媒質の屈折率の違いによって制限を受けることになる。
本発明の目的は、集光型LED光源の発光効率を制限している、放熱の問題点と光の取り出し効率を制限している問題点を同時に解決して、高性能な集光型LED光源を提供することにある。
本発明によれば、1個ないし複数個の発光ダイオードを備える照明器具において、光源としてのLEDチップを搭載した配線基板を兼ねた放熱板を含むヒートシンク容器の上部に集光用のレンズを具備した照明器具であって、その容器内に液体ないしジェルを充填することによって、冷却効果を高めるとともに、レンズと液体ないしジェルの屈折率がほぼ等しいことによる光の取り出し効率を高めた集光照明器具が提供される。本発明の異なる形態としては、1個ないし複数個の発光ダイオードを備える照明器具において、光源としてのLEDチップを搭載したパッケージと、パッケージを搭載した配線基板を兼ねた放熱板を含むヒートシンク容器の上部に集光用のレンズを具備した照明器具であって、その容器内に液体ないしジェルを充填することによって、冷却効果を高めるとともに、レンズと液体ないしジェルの屈折率がほぼ等しいことによる光の取り出し効率を高めた集光照明器具であってもよい。さらに本発明の異なる形態としては、1個ないし複数個の発光ダイオードを備える照明器具において、光源としての白色LEDパッケージと、パッケージを搭載した配線基板を兼ねた放熱板を含むヒートシンク容器の上部に集光用のレンズを具備した照明器具であって、その容器内に液体ないしジェルを充填することによって、冷却効果を高めるとともに、レンズと液体ないしジェルの屈折率がほぼ等しいことによる光の取り出し効率を高めた集光照明器具であってもよい。加えて本発明の異なる形態としては、1個ないし複数個の発光ダイオードを備える照明器具において、光源としての青色ないし紫外光LEDチップを搭載したパッケージと、パッケージを搭載した配線基板を兼ねた放熱板を含むヒートシンク容器の上部に蛍光体膜と集光用のレンズを具備した白色照明器具であって、その容器内に液体ないしジェルを充填することによって、冷却効果を高めるとともに、レンズと液体ないしジェルの屈折率がほぼ等しいことによる光の取り出し効率を高めた集光照明器具であってもよい。
本照明器具を構成するLEDチップ、LEDパッケージ、ヒートシンク、光学レンズにおいて、本発明では、LEDチップあるいはLEDパッケージと光学レンズの間の空隙に液体ないしジェルを封止することで、熱的問題点と光学的問題点を同時に解決している。すなわち、熱的問題点の解決に関しては、LEDチップあるいはLEDパッケージとヒートシンクの間に液体ないしジェルを充填することで、熱伝導ないしは対流が生じて、LEDチップからの発熱を直接、あるいはパッケージを介してヒートシンクに効率的に逃がす手段を生じ、従来からのチップ裏面からの熱の放散に加えて新たな熱放散の通路を形成することができる。
加えて、対流による放熱をさらに効率良く行うためには、器具内に小型の攪拌装置を付けて、強制対流を起こさせることが効果的である。
また、光学的問題点の解決に関しては、屈折率が1.3ないしはそれ以上の液体ないしはジェルを充填することでLEDチップ表面あるいはLEDパッケージ表面に接する媒質の屈折率を空気層の1より大きくすることで、LEDチップあるいはLEDパッケージからの光の取り出し効率を高めることができる。
以上述べたように、本発明に係る集光型LED照明器具においては、光源と光学レンズの間の空隙に透明で屈折率が1.3以上の液体を充填することで、チップの冷却効果と光源からの光取り出し効率の改善を同時に達成できる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る集光照明器具を概念的に示す説明図である。以下には白色LED集光照明器具について説明するが、LED光のみを用いる単色LED照明器具についても同様の構成となっている。
白色LED集光照明器具は、光源としてのLEDチップ1と、LEDチップを搭載したLEDパッケージ2と、パッケージ内の空隙3と照明器具内部に設けられた空隙4と、ヒートシンク5と、照明器具上部に設けられた光学レンズ6を備えている。白色LED照明器具の場合には、LEDチップは青色ないしは紫外光LEDであり、パッケージ内の空隙3には蛍光体を含有した透明樹脂が充填されている。
照明器具内に設けられた空隙4には液体として、フロリナートないしはシリコーンオイルを充填する。ジェルの一例としては、オプトシールが推奨される。
青色LEDチップとしては、発光面が約1mmx1mmで定格電流350mAのものを用いる。
熱特性評価を行うために、チップ直下の放熱板上にサーミスタを固定して基板温度を測定した。また、チップの温度(接合温度)は、チップの電流−電圧特性の温度依存性を利用して評価した。
空隙4が空気層の場合、350mAの定格電流におけるチップへの投入電力は1.05Wであった。この時のサーミスタ温度は76.3℃、接合温度は102℃であった。
空隙4にフロリナートを充填すると、350mAの定格電流におけるチップへの投入電力はほぼ等しい1.06Wで、サーミスタ温度は75.5℃であったが、接合温度は約94℃となり、約8℃の温度低下が確認できた。
光学的評価を全光束測定の相対評価で行った。空隙4が空気層の場合とフロリナートを充填した場合を比較したところ、定格電流350mAのもとで、フロリナート充填によって約61%という大幅な取り出し効率の改善が見られた。250mAのもとでは、フロリナート充填による効率改善は約24%であったので、大電流動作時には接合温度の低減も全光束の改善に寄与している可能性が高い。
充填する液体としてはフロリナート以外にもシリコーンオイルを用いてもほぼ同様の結果が得られた。屈折率はフロリナートの約1.3よりシリコーンオイルの約1.4の方が若干高いので、光の取り出し効率の観点からはシリコーンオイルの方が優れているが光の透過率の観点からはフロリナートの方が若干優れている。
1:LEDチップ
2:LEDパッケージ
3:LEDパッケージ内の空隙
4:照明器具内部に設けられた空隙
5:ヒートシンク
6:照明器具上部に設けられた光学レンズ
2:LEDパッケージ
3:LEDパッケージ内の空隙
4:照明器具内部に設けられた空隙
5:ヒートシンク
6:照明器具上部に設けられた光学レンズ
Claims (3)
- 1個ないし複数個の発光ダイオードを光源とする照明器具において、これら発光ダイオードを搭載した配線基板を兼ねた放熱板を含むヒートシンク容器の上部に集光用のレンズを具備した照明器具であって、その容器内に沸点が50℃以上200℃以下の液体ないしジェルを充填することによって、冷却効果を高めた集光照明器具。
- 請求項1に記載の集光照明器具において、
上記レンズ、液体ないしジェルの屈折率が1.3以上2.0以下の範囲にある光の取り出し効率を高めた集光照明器具。 - 請求項1または2に記載の集光照明器具において、
上記発光ダイオードが365nmから4701nmの範囲内にピーク波長を有するLEDチップと蛍光体で構成される白色LEDパッケージである集光照明器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011015577A JP2012156063A (ja) | 2011-01-27 | 2011-01-27 | 集光照明器具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011015577A JP2012156063A (ja) | 2011-01-27 | 2011-01-27 | 集光照明器具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012156063A true JP2012156063A (ja) | 2012-08-16 |
Family
ID=46837574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011015577A Withdrawn JP2012156063A (ja) | 2011-01-27 | 2011-01-27 | 集光照明器具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2012156063A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101731160B1 (ko) * | 2015-02-27 | 2017-04-28 | 한국광기술원 | 복사 건조장치 |
-
2011
- 2011-01-27 JP JP2011015577A patent/JP2012156063A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101731160B1 (ko) * | 2015-02-27 | 2017-04-28 | 한국광기술원 | 복사 건조장치 |
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Legal Events
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