JP2012154587A - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

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Abstract

【課題】整流板を内筒および/または外筒に対して溶接により接合した場合でも、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができるガスタービン燃焼器を提供すること。
【解決手段】外径側通路壁の内周面と内径側通路壁の外周面との間に形成された圧縮空気流路を遮るようにして設けられた整流板61に、当該整流板61を挟んで前記圧縮空気流路の上流側と下流側とを連通する多数の孔67が設けられているとともに、前記整流板61の内周面側には、半径方向内側に向かって突出する複数の凸部62が、周方向に沿って、所定の間隔をあけて、所定の幅および高さを有するようにして設けられており、これら凸部62の内周面63と、内筒の外周面とが、溶接により接合されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧縮した圧縮空気に燃料を供給して燃焼し、発生した燃焼ガスをタービンに供給して回転動力を得るガスタービンにおいて、低NOx化を図るためにメイン燃料ラインに対して、トップハット燃料ラインを設けて均一な燃料混合気を生成可能としたガスタービン燃焼器に関するものである。
メイン燃料ラインに対して、トップハット燃料ラインを設けて均一な燃料混合気を生成可能としたガスタービン燃焼器としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
特開2009−192175号公報
さて、上記特許文献1に開示されている(ガスタービン)燃焼器1では、外筒2cと内筒2aとの間に形成される圧縮空気流路6の入口部に、リブ52を介して整流板51が設置されている。
また、近年では、燃焼器のさらなる軽量化を図るため、リブ52を省略し、整流板51の内周面と内筒2aの外周面とを溶接により直接接合したり、整流板51の外周面と外筒2cの内周面とを溶接により直接接合することも考えられている。
しかしながら、整流板51の内周面と内筒2aの外周面とを溶接により接合したり、整流板51の外周面と外筒2cの内周面とを溶接により接合する場合、整流板51の内周面や外周面に溶接しろを確保しなければならない。そのため、溶接しろとなる部分(領域)、すなわち、整流板51の内周縁部(端部)や外周縁部(端部)には、孔を設けることができず、整流板51の内周縁部や外周縁部に圧縮空気の流速が遅くなる低速領域(あるいは淀み領域)が形成され、半径方向における圧縮空気の流速が不均一になり、それによりフラッシュバックが発生したり、NOxが増加してしまうおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、整流板を内筒および/または外筒に対して溶接により接合した場合でも、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができるガスタービン燃焼器を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係るガスタービン燃焼器は、外径側通路壁と、内径側通路壁と、前記外径側通路壁の内周面と前記内径側通路壁の外周面との間に形成された圧縮空気流路を遮るようにして設けられた整流板と、を備え、前記整流板には、当該整流板を挟んで前記圧縮空気流路の上流側と下流側とを連通する多数の孔が設けられているとともに、前記整流板の内周面側には、半径方向内側に向かって突出する複数の凸部が、周方向に沿って、所定の間隔をあけて、所定の幅および高さを有するようにして設けられており、これら凸部の内周面と、前記内径側通路壁の外周面とが、溶接により接合されている。
本発明に係るガスタービン燃焼器によれば、凸部と凸部との間に、周方向に沿って、所定の幅および高さを有する凹所が形成され、この凹所を通って圧縮空気が流通することになる。すなわち、内径側通路壁(内筒または燃料ノズル)に溶接接合される整流板の内周縁部に、圧縮空気を流通させるための隙間が形成されることになる。
これにより、整流板を内径側通路壁に対して溶接により接合した場合でも、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができる。
上記ガスタービン燃焼器において、前記整流板の外周面側には、半径方向外側に向かって突出する複数の凸部が、周方向に沿って、所定の間隔をあけて、所定の幅および高さを有するようにして設けられており、これら凸部の外周面と、前記外径側通路壁の内周面とが、溶接により接合されているとさらに好適である。
このようなガスタービン燃焼器によれば、整流板の外周面側に設けられた凸部と凸部との間にも、周方向に沿って、所定の幅および高さを有する凹所が形成され、この凹所を通って圧縮空気が流通することになる。すなわち、外径側通路壁(外筒またはバーナ筒もしくは内筒)に溶接接合される整流板の外周縁部にも、圧縮空気を流通させるための隙間が形成されることになる。
これにより、整流板を外径側通路壁に対して溶接により接合した場合でも、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができる。
本発明に係るガスタービン燃焼器は、外径側通路壁と、内径側通路壁と、前記外径側通路壁の内周面と前記内径側通路壁の外周面との間に形成された圧縮空気流路を遮るようにして設けられた整流板と、を備え、前記整流板には、当該整流板を挟んで前記圧縮空気流路の上流側と下流側とを連通する多数の孔が設けられているとともに、前記整流板の外周面側には、半径方向外側に向かって突出する複数の凸部が、周方向に沿って、所定の間隔をあけて、所定の幅および高さを有するようにして設けられており、これら凸部の外周面と、前記外径側通路壁の内周面とが、溶接により接合されている。
本発明に係るガスタービン燃焼器によれば、整流板の外周面側に設けられた凸部と凸部との間にも、周方向に沿って、所定の幅および高さを有する凹所が形成され、この凹所を通って圧縮空気が流通することになる。すなわち、外径側通路壁(外筒またはバーナ筒もしくは内筒)に溶接接合される整流板の外周縁部にも、圧縮空気を流通させるための隙間が形成されることになる。
これにより、整流板を外径側通路壁に対して溶接により接合した場合でも、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができる。
上記ガスタービン燃焼器において、前記内径側通路壁は、少なくとも一つの燃料ノズルの半径方向外側を取り囲むようにして配置された一つの内筒であり、前記外径側通路壁は、前記内筒の軸心と略同心とされ、前記内筒の半径方向外側を取り囲むようにして配置されて、その内周面と前記内筒の外周面との間に環状の圧縮空気流路を形成する外筒であり、前記圧縮空気流路を流れる圧縮空気が、前記燃料ノズルに導入されるように構成するとさらに好適である。
このようなガスタービン燃焼器によれば、内筒に溶接接合される整流板の内周縁部および/または外筒に溶接接合される整流板の外周縁部に、圧縮空気を流通させるための隙間が形成されることになる。
これにより、整流板を内筒および/または外筒に対して溶接により接合した場合でも、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができる。
上記ガスタービン燃焼器において、前記内径側通路壁は、燃料ノズルの外周面であり、前記外径側通路壁は、前記燃料ノズル燃料ノズルの軸心と略同心とされ、前記燃料ノズルの半径方向外側を取り囲むようにして配置されて、その内周面と前記燃料ノズルの外周面との間に環状の圧縮空気流路を形成するバーナ筒であり、前記圧縮空気流路を流れる圧縮空気が、前記燃料ノズルに導入されるように構成するとさらに好適である。
このようなガスタービン燃焼器によれば、燃料ノズルに溶接接合される整流板の内周縁部および/またはバーナ筒および/または内筒に溶接接合される整流板の外周縁部に、圧縮空気を流通させるための隙間が形成されることになる。
これにより、整流板を燃料ノズルおよび/またはバーナ筒および/または内筒に対して溶接により接合した場合でも、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができる。
本発明に係るガスタービンは、上記いずれかのガスタービン燃焼器を具備している。
本発明に係るガスタービンによれば、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができるガスタービン燃焼器を具備しているので、当該ガスタービンの性能および信頼性を向上させることができる。
本発明に係るガスタービン燃焼器によれば、整流板を内筒および/または外筒あるいは燃料ノズルおよび/またはバーナ筒に対して溶接により接合した場合でも、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができるという効果を奏する。
本発明に係るガスタービン燃焼器を具備したガスタービンの概略構成図である。 本発明に係るガスタービン燃焼器の概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係るガスタービン燃焼器の要部断面図である。 図3に示す整流板を図3において右下から見た正面図である。 本発明の第2実施形態に係るガスタービン燃焼器に適用される整流板の正面図である。 本発明の第3実施形態に係るガスタービン燃焼器に適用される整流板の正面図である。 本発明の第4実施形態に係るガスタービン燃焼器の要部断面図である。 本発明の第5実施形態に係るガスタービン燃焼器の要部断面図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係るガスタービン燃焼器について、図1から図4を参照しながら説明する。
図1は本発明に係るガスタービン燃焼器を具備したガスタービンの概略構成図、図2は本発明に係るガスタービン燃焼器の概略構成図、図3は本実施形態に係るガスタービン燃焼器の要部断面図、図4は図3に示す整流板を図3において右下から見た正面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るガスタービン10は、圧縮機11と、ガスタービン燃焼器12と、タービン13と、排気室14とを備えており、ロータ24には、図示しない発電機が連結されている。
圧縮機11は、空気を取り込む空気取入口15を有し、圧縮機車室16内に複数の静翼17と動翼18とが交互に配設されており、その外側に抽気マニホールド19が設けられている。
ガスタービン燃焼器12は、圧縮機11で圧縮された圧縮空気に対して燃料を供給し、バーナで点火することで燃焼可能となっている。
タービン13は、タービン車室20内に複数の静翼21と動翼22とが交互に配設されている。
排気室14は、タービン13に連続する排気ディフューザ23を有している。また、圧縮機11、ガスタービン燃焼器12、タービン13、排気室14の中心部を貫通するようにロータ(タービン軸)24が位置しており、圧縮機11側の端部が軸受部25により回転自在に支持されるとともに、排気室14側の端部が軸受部26により回転自在に支持されている。そして、ロータ24には、複数のディスクプレートが固定され、ディスクプレートには、動翼18,22が連結されるとともに、ロータ24の空気取入口15側の端部には、図示しない発電機の駆動軸が連結されている。
このように構成されたガスタービン10では、圧縮機11の空気取入口15から取り込まれた空気が、複数の静翼17と動翼18とを通過して圧縮されることで高温・高圧の圧縮空気となり、ガスタービン燃焼器12にて、この圧縮空気に対して所定の燃料が供給されることで燃焼する。そして、このガスタービン燃焼器12で生成された作動流体である高温・高圧の燃焼ガスが、タービン13を構成する複数の静翼21と動翼22を通過することでロータ24を駆動回転し、このロータ24に連結された発電機を駆動する一方、排気ガスは排気室14の排気ディフューザ23で静圧に変換されてから大気に放出される。
図2に示すように、ガスタービン燃焼器12においては、燃焼器外筒(外径側通路壁)31の内部に所定間隔をあけて燃焼器内筒(内筒:内径側通路壁:外径側通路壁)32が支持され、この燃焼器内筒32の先端部に燃焼器尾筒33が連結されて燃焼器ケーシングが構成されている。燃焼器内筒32内には、その中心部にパイロットノズル(燃料ノズル:内径側通路壁)34が配設されるとともに、燃焼器内筒32の内周面に周方向に沿ってパイロットノズル34を取り囲むように複数のメインノズル(燃料ノズル:内径側通路壁)35が配設されており、パイロットノズル34の先端部にはパイロットコーン36が装着されている。また、燃焼器外筒31の内周面に周方向に沿って複数のトップハットノズル37が配設されている。
図3を用いて詳細に説明すると、燃焼器外筒31は、外筒本体41の基端部に外筒蓋部(外筒:外径側通路壁)42が密着し、複数の締結ボルト43により締結されて構成されており、この外筒蓋部42に燃焼器内筒32の基端部が嵌着され、外筒蓋部42と燃焼器内筒32との間に圧縮空気流路44が形成されている。そして、燃焼器内筒32内にて、その中心部にパイロットノズル34が配設され、パイロットノズル34と略同心になるようにしてパイロットバーナ筒(バーナ筒:外径側通路壁)38が配設されており、パイロットバーナ筒38の先端部には、パイロットコーン36が接続されている。パイロットノズル34とパイロットバーナ筒38との間に環状の圧縮空気流路が形成されている。また、このパイロットノズル34を取り囲むようにして複数のメインノズル35が配設され、各メインノズル35の先端部がメインバーナ45に連通している。メインノズル35と略同心になるようにしてメインバーナ筒(バーナ筒:外径側通路壁)46が配設されており、メインノズル35とメインバーナ筒46との間に環状の圧縮空気流路が形成されている。
また、外筒蓋部42には、トップハット部47が嵌合し、複数の締結ボルト48により締結されており、上述したトップハットノズル37は、このトップハット部47に設けられている。すなわち、トップハット部47の基端部に周方向に沿って燃料キャビティ49が形成され、この燃料キャビティ49から先端側に向けて複数の燃料通路50が形成されており、この各燃料通路50の先端部にペグ52が連結されている。
そして、図示しないパイロット燃料ラインがパイロットノズル34の燃料ポート53に連結され、メイン燃料ラインがメインノズル35の燃料ポート54連結され、トップハット燃料ラインがトップハットノズル37の燃料ポート55に連結されている。
そして、このように構成されたガスタービン燃焼器12では、図2および図3に示すように、高温・高圧の圧縮空気の空気流が圧縮空気流路44に流れこむと、この圧縮空気がトップハットノズル37から噴射された燃料と混合され、この燃料混合気が燃焼器内筒32内に流れ込む。燃焼器内筒32内では、この燃料混合気がメインノズル35から噴射された燃料とメインバーナ45により混合され、予混合気の旋回流となって燃焼器尾筒33内に流れ込む。また、燃料混合気は、パイロットノズル34から噴射された燃料と混合され、図示しない種火により着火されて燃焼し、燃焼ガスとなって燃焼器尾筒33内に噴出する。このとき、燃焼ガスの一部が燃焼器尾筒33内に火炎を伴って周囲に拡散するように噴出することで、各メインノズル35から燃焼器尾筒33内に流れ込んだ予混合気に着火されて燃焼する。すなわち、パイロットノズル34から噴射したパイロット燃料による拡散火炎により、メインノズル35からの希薄予混合燃料の安定燃焼を行うための保炎を行うことができる。
さて、図3に示すように、外筒蓋部42と燃焼器内筒32との間に形成される圧縮空気流路44の入口部には、整流板(多孔板)61が設けられている。
整流板61は、図4に示すように、正面視(背面視)輪形状(ドーナツ形状)を呈する板状の部材である。
整流板61の内周面側には、半径方向内側に向かって突出する複数個(本実施形態では3個)の凸部62が、周方向に沿って、所定(一定)の間隔をあけて(本実施形態では120度毎に)、所定(一定)の幅および高さを有するようにして設けられている。凸部62の内周面63は、ガスタービン10の運転が停止されている状態(冷態)、すなわち、外筒蓋部42と燃焼器内筒32との間に熱伸び差がない状態で、燃焼器内筒32の外周面と合致する(接する)ようにして形成されている。そして、凸部62の内周面63と、燃焼器内筒32の外周面とは、溶接により接合されている。また、凸部62と凸部62との間には、周方向に沿って、所定(一定)の幅および高さを有する凹所64が形成され、凹所64の内周面65と、燃焼器内筒32の外周面との間には、隙間が形成されることになる。
一方、整流板61の外周面66は、ガスタービン10の運転が停止されている状態(冷態)、すなわち、外筒蓋部42と燃焼器内筒32との間に熱伸び差がない状態で、外筒蓋部42の内周面との間に所定(若干)の隙間が形成され、ガスタービン10が運転されている状態(温態)、すなわち、外筒蓋部42と燃焼器内筒32との間に熱伸び差がある状態で、外筒蓋部42の内周面と合致する(接する)ようにして形成されている。また、整流板61には、周方向および径方向に沿って、板厚方向に貫通する多数の孔67が設けられている。
なお、本実施形態において整流板61の外周面66と、外筒蓋部42の内周面とは、何ら接合されておらず、互いにフリーな状態になっている。
本実施形態に係るガスタービン燃焼器12によれば、凸部62と凸部62との間に、周方向に沿って、所定の幅および高さを有する凹所64が形成され、この凹所64を通って圧縮空気が流通することになる。すなわち、燃焼器内筒32に溶接接合される整流板61の内周縁部に、圧縮空気を流通させるための隙間が形成されることになる。
これにより、整流板61を燃焼器内筒32に対して溶接により接合した場合でも、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができる。
また、本実施形態に係るガスタービン燃焼器12によれば、凸部62の内周面63は、ガスタービン10の運転が停止されている状態(冷態)、すなわち、外筒蓋部42と燃焼器内筒32との間に熱伸び差がない状態で、燃焼器内筒32の外周面と合致する(接する)ようにして形成されている。言い換えれば、凸部62の内周面63と、燃焼器内筒32の外周面が、同一の半径を有する円上に形成されることになる。
これにより、整流板61を燃焼器内筒32に取り付ける際の作業性を向上させることができ、ガスタービン燃焼器12の組立性を向上させることができる。
また、燃焼器内筒32と外筒蓋部42との間に整流板61を介在させることにより、燃焼器内筒32と外筒蓋部42との芯出し作業を容易なものとすることができ、ガスタービン燃焼器12の組立性を向上させることができる。
さらに、燃焼器内筒32と外筒蓋部42との芯出しがより正確に行われることにより、ガスタービン燃焼器12の性能および信頼性を向上させることができる。
本実施形態に係るガスタービン燃焼器12を具備したガスタービン10によれば、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができるガスタービン燃焼器12を具備しているので、当該ガスタービン10の性能および信頼性を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係るガスタービン燃焼器について、図5を参照しながら説明する。図5は本実施形態に係るガスタービン燃焼器に適用される整流板の正面図である。
本実施形態に係るガスタービン燃焼器は、整流板61の代わりに整流板71が設けられているという点で上述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図5に示すように、整流板71は、正面視(背面視)輪形状(ドーナツ形状)を呈する板状の部材である。
整流板71の外周面側には、半径方向外側に向かって突出する複数個(本実施形態では3個)の凸部72が、周方向に沿って、所定(一定)の間隔をあけて(本実施形態では120度毎に)、所定(一定)の幅および高さを有するようにして設けられている。凸部72の外周面73は、ガスタービン10の運転が停止されている状態(冷態)、すなわち、外筒蓋部42と燃焼器内筒32との間に熱伸び差がない状態で、外筒蓋部42の内周面と合致する(接する)ようにして形成されている。そして、凸部72の外周面73と、外筒蓋部42の内周面とは、溶接により接合されている。また、凸部72と凸部72との間には、周方向に沿って、所定(一定)の幅および高さを有する凹所74が形成され、凹所74の外周面75と、外筒蓋部42の内周面との間には、隙間が形成されることになる。
一方、整流板71の内周面76は、ガスタービン10の運転が停止されている状態(冷態)、すなわち、外筒蓋部42と燃焼器内筒32との間に熱伸び差がない状態で、燃焼器内筒32の外周面との間に所定(若干)の隙間が形成され、ガスタービン10が運転されている状態(温態)、すなわち、外筒蓋部42と燃焼器内筒32との間に熱伸び差がある状態で、燃焼器内筒32の外周面と合致する(接する)ようにして形成されている。
なお、本実施形態において、整流板71の内周面76と、燃焼器内筒32の外周面とは、何ら接合されておらず、互いにフリーな状態になっている。
本実施形態に係るガスタービン燃焼器によれば、凸部72と凸部72との間に、周方向に沿って、所定の幅および高さを有する凹所74が形成され、この凹所74を通って圧縮空気が流通することになる。すなわち、外筒蓋部42に溶接接合される整流板71の外周縁部に、圧縮空気を流通させるための隙間が形成されることになる。
これにより、整流板71を外筒蓋部42に対して溶接により接合した場合でも、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができる。
また、本実施形態に係るガスタービン燃焼器によれば、凸部72の外周面73は、ガスタービン10の運転が停止されている状態(冷態)、すなわち、外筒蓋部42と燃焼器内筒32との間に熱伸び差がない状態で、外筒蓋部42の内周面と合致する(接する)ようにして形成されている。言い換えれば、凸部72の外周面73と、外筒蓋部42の内周面が、同一の半径を有する円上に形成されることになる。
これにより、整流板71を外筒蓋部42に取り付ける際の作業性を向上させることができ、ガスタービン燃焼器12の組立性を向上させることができる。
また、燃焼器内筒32と外筒蓋部42との間に整流板71を介在させることにより、燃焼器内筒32と外筒蓋部42との芯出し作業を容易なものとすることができ、ガスタービン燃焼器12の組立性を向上させることができる。
さらに、燃焼器内筒32と外筒蓋部42との芯出しがより正確に行われることにより、ガスタービン燃焼器12の性能および信頼性を向上させることができる。
本実施形態に係るガスタービン燃焼器12を具備したガスタービン10によれば、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができるガスタービン燃焼器12を具備しているので、当該ガスタービン10の性能および信頼性を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
本発明の第3実施形態に係るガスタービン燃焼器について、図6を参照しながら説明する。図6は本実施形態に係るガスタービン燃焼器に適用される整流板の正面図である。
本実施形態に係るガスタービン燃焼器は、整流板61,71の代わりに整流板81が設けられているという点で上述した実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、上述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
整流板81は、図6に示すように、正面視(背面視)輪形状(ドーナツ形状)を呈する板状の部材である。
整流板81の内周面側には、半径方向内側に向かって突出する複数個(本実施形態では3個)の凸部82が、周方向に沿って、所定(一定)の間隔をあけて(本実施形態では120度毎に)、所定(一定)の幅および高さを有するようにして設けられている。凸部82の内周面83は、ガスタービン10の運転が停止されている状態(冷態)、すなわち、外筒蓋部42と燃焼器内筒32との間に熱伸び差がない状態で、燃焼器内筒32の外周面と合致する(接する)ようにして形成されている。そして、凸部82の内周面83と、燃焼器内筒32の外周面とは、溶接により接合されている。また、凸部82と凸部82との間には、周方向に沿って、所定(一定)の幅および高さを有する凹所84が形成され、凹所84の内周面85と、燃焼器内筒32の外周面との間には、隙間が形成されることになる。
一方、整流板81の外周面側には、半径方向外側に向かって突出する複数個(本実施形態では3個)の凸部92が、周方向に沿って、所定(一定)の間隔をあけて(本実施形態では120度毎に)、所定(一定)の幅および高さを有するようにして設けられている。凸部92の外周面93は、ガスタービン10の運転が停止されている状態(冷態)、すなわち、外筒蓋部42と燃焼器内筒32との間に熱伸び差がない状態で、外筒蓋部42の内周面と合致する(接する)ようにして形成されている。また、凸部92と凸部92との間には、周方向に沿って、所定(一定)の幅および高さを有する凹所94が形成され、凹所94の外周面95と、外筒蓋部42の内周面との間には、隙間が形成されることになる。
なお、本実施形態において、凸部92の外周面93と、外筒蓋部42の内周面とは、何ら接合されておらず、互いにフリーな状態になっている。
本実施形態に係るガスタービン燃焼器によれば、凸部82と凸部82との間に、周方向に沿って、所定の幅および高さを有する凹所84が形成され、この凹所84を通って圧縮空気が流通することになる。すなわち、燃焼器内筒32に溶接接合される整流板81の内周縁部に、圧縮空気を流通させるための隙間が形成されることになる。
これにより、整流板81を燃焼器内筒32に対して溶接により接合した場合でも、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができる。
また、本実施形態に係るガスタービン燃焼器によれば、凸部82の内周面83は、ガスタービン10の運転が停止されている状態(冷態)、すなわち、外筒蓋部42と燃焼器内筒32との間に熱伸び差がない状態で、燃焼器内筒32の外周面と合致する(接する)ようにして形成されている。言い換えれば、凸部82の内周面83と、燃焼器内筒32の外周面が、同一の半径を有する円上に形成されることになる。
これにより、整流板81を燃焼器内筒32に取り付ける際の作業性を向上させることができ、ガスタービン燃焼器の組立性を向上させることができる。
また、燃焼器内筒32と外筒蓋部42との間に整流板81を介在させることにより、燃焼器内筒32と外筒蓋部42との芯出し作業を容易なものとすることができ、ガスタービン燃焼器の組立性を向上させることができる。
さらに、燃焼器内筒32と外筒蓋部42との芯出しがより正確に行われることにより、ガスタービン燃焼器の性能および信頼性を向上させることができる。
本実施形態に係るガスタービン燃焼器を具備したガスタービン10によれば、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができるガスタービン燃焼器を具備しているので、当該ガスタービン10の性能および信頼性を向上させることができる。
〔第4実施形態〕
本発明の第4実施形態に係るガスタービン燃焼器について、図7を参照しながら説明する。
本実施形態に係るガスタービン燃焼器は、内筒32と外筒43との間に整流板61が設けられている代わりに、パイロットバーナ筒(バーナ筒:外径側通路壁)38とパイロットノズル(燃料ノズル:内径側通路壁)34あるいはメインバーナ筒(バーナ筒:外径側通路壁)46とメインノズル(燃料ノズル:内径側通路壁)35との間にそれぞれ整流板68,69が設けられているという点で上述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図7に示すように、パイロットバーナ筒38とパイロットノズル34との間に形成される圧縮空気流路の入口部には、整流板68が設けられ、メインバーナ筒46とメインノズル35との間に形成される圧縮空気流路の入口部には、整流板69が設けられている。
なお、整流板68,69は、図4に示す整流板61、図5に示す整流板71、または図6に示す整流板81と同様の形状を有する部材であるので、ここでは整流板68,69についての説明は省略する。
また、本実施形態ではパイロットバーナ筒38とパイロットノズル34との間に形成される圧縮空気流路の入口部に整流板68が設けられ、メインバーナ筒46とメインノズル35との間に形成される圧縮空気流路の入口部に整流板69が設けられている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、整流板68または整流板69のいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。
本実施形態に係るガスタービン燃焼器の作用効果は、上述した実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
〔第5実施形態〕
本発明の第5実施形態に係るガスタービン燃焼器について、図8を参照しながら説明する。
本実施形態に係るガスタービン燃焼器は、内筒32と外筒43との間に整流板61が設けられている代わりに、内筒32の入口部に整流板91が設けられており、パイロットノズル(燃料ノズル:内径側通路壁)34およびメインノズル(燃料ノズル:内径側通路壁)35が整流板91を貫通するようにして配置されているという点で上述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
図8に示すように、内筒32の入口部には整流板91が設けられている。また、パイロットノズル34およびメインノズル35が整流板91を貫通している。
整流板91に設けられた、パイロットノズル34および/またはメインノズル35が挿通される貫通部の内周面側には、半径方向内側に向かって突出する複数個の凸部(図示せず)が、周方向に沿って、所定(一定)の間隔をあけて、所定(一定)の幅および高さを有するようにして設けられている。凸部の内周面は、ガスタービン10の運転が停止されている状態(冷態)、すなわち、内筒32とパイロットノズル34および/またはメインノズル35との間に熱伸び差がない状態で、燃焼器内筒32の内周面と合致する(接する)ようにして形成されている。そして、凸部の内周面と、パイロットノズル34および/またはメインノズル35の外周面とは、溶接により接合されている。また、凸部と凸部との間には、周方向に沿って、所定(一定)の幅および高さを有する凹所が形成され、凹所の内周面と、パイロットノズル34および/またはメインノズル35の外周面との間には、隙間が形成されることになる。
一方、整流板91の外周面は、ガスタービン10の運転が停止されている状態(冷態)、すなわち、内筒32とパイロットノズル34および/またはメインノズル35との間に熱伸び差がない状態で、内筒32の内周面との間に所定(若干)の隙間が形成され、ガスタービン10が運転されている状態(温態)、すなわち、内筒32とパイロットノズル34および/またはメインノズル35との間に熱伸び差がある状態で、内筒32の内周面と合致する(接する)ようにして形成されている。また、整流板91には、周方向および径方向に沿って、板厚方向に貫通する多数の孔(図示せず)が設けられている。
なお、本実施形態において整流板91の外周面と、内筒32の内周面とは、何ら接合されておらず、互いにフリーな状態になっている。
本実施形態に係るガスタービン燃焼器12によれば、凸部と凸部との間に、周方向に沿って、所定の幅および高さを有する凹所が形成され、この凹所を通って圧縮空気が流通することになる。すなわち、燃焼器内筒32に溶接接合される整流板91の内周縁部に、圧縮空気を流通させるための隙間が形成されることになる。
これにより、整流板91を燃焼器内筒32に対して溶接により接合した場合でも、半径方向における圧縮空気の流速の均一化を図ることができ、それによりフラッシュバックの発生およびNOxの増加を防止することができる。
なお、整流板91には前述した第2実施形態と同様に、外周側に凸部を設ける構成としてもよいし、第3実施形態と同様に、内周側と外周側の両方に凸部を設ける構成としてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜必要に応じて変形・変更実施可能である。
例えば、上述した第3実施形態では、凸部82の内周面83と、燃焼器内筒32の外周面とを溶接により接合し、凸部92の外周面93と、外筒蓋部42の内周面とを何ら接合せず、互いにフリーな状態にしていたが、上述した第2実施形態と同様の考え方を用いて、凸部82の内周面83と、燃焼器内筒32の外周面とを何ら接合せず、互いにフリーな状態にし、凸部92の外周面93と、外筒蓋部42の内周面とを溶接により接合するようにしてもよい。
また、上述した第3実施形態では、凸部82の内周面83と、燃焼器内筒32の外周面とを溶接により接合し、凸部92の外周面93と、外筒蓋部42の内周面とを何ら接合せず、互いにフリーな状態にしていたが、凸部82の内周面83と、燃焼器内筒32の外周面とを溶接により接合し、凸部92の外周面93と、外筒蓋部42の内周面とを溶接により接合するようにしてもよい。
10 ガスタービン
12 ガスタービン燃焼器
32 燃焼器内筒(内筒:内径側通路壁:外径側通路壁)
34 パイロットノズル(燃料ノズル:内径側通路壁)
35 メインノズル(燃料ノズル:内径側通路壁)
38 パイロットバーナ筒(バーナ筒:外径側通路壁)
42 外筒蓋部(外筒:外径側通路壁)
44 圧縮空気流路
46 メインバーナ筒(バーナ筒:外径側通路壁)
61 整流板
62 凸部
63 内周面
67 孔
68 整流板
69 整流板
71 整流板
72 凸部
73 外周面
81 整流板
82 凸部
83 内周面
91 整流板
92 凸部
93 外周面

Claims (6)

  1. 外径側通路壁と、
    内径側通路壁と、
    前記外径側通路壁の内周面と前記内径側通路壁の外周面との間に形成された圧縮空気流路を遮るようにして設けられた整流板と、を備え、
    前記整流板には、当該整流板を挟んで前記圧縮空気流路の上流側と下流側とを連通する多数の孔が設けられているとともに、
    前記整流板の内周面側には、半径方向内側に向かって突出する複数の凸部が、周方向に沿って、所定の間隔をあけて、所定の幅および高さを有するようにして設けられており、
    これら凸部の内周面と、前記内径側通路壁の外周面とが、溶接により接合されていることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 前記整流板の外周面側には、半径方向外側に向かって突出する複数の凸部が、周方向に沿って、所定の間隔をあけて、所定の幅および高さを有するようにして設けられており、
    これら凸部の外周面と、前記外径側通路壁の内周面とが、溶接により接合されていることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
  3. 外径側通路壁と、
    内径側通路壁と、
    前記外径側通路壁の内周面と前記内径側通路壁の外周面との間に形成された圧縮空気流路を遮るようにして設けられた整流板と、を備え、
    前記整流板には、当該整流板を挟んで前記圧縮空気流路の上流側と下流側とを連通する多数の孔が設けられているとともに、
    前記整流板の外周面側には、半径方向外側に向かって突出する複数の凸部が、周方向に沿って、所定の間隔をあけて、所定の幅および高さを有するようにして設けられており、
    これら凸部の外周面と、前記外径側通路壁の内周面とが、溶接により接合されていることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  4. 前記内径側通路壁は、少なくとも一つの燃料ノズルの半径方向外側を取り囲むようにして配置された一つの内筒であり、
    前記外径側通路壁は、前記内筒の軸心と略同心とされ、前記内筒の半径方向外側を取り囲むようにして配置されて、その内周面と前記内筒の外周面との間に環状の圧縮空気流路を形成する外筒であり、
    前記圧縮空気流路を流れる圧縮空気が、前記燃料ノズルに導入されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のガスタービン燃焼器。
  5. 前記内径側通路壁は、燃料ノズルの外周面であり、
    前記外径側通路壁は、前記燃料ノズル燃料ノズルの軸心と略同心とされ、前記燃料ノズルの半径方向外側を取り囲むようにして配置されて、その内周面と前記燃料ノズルの外周面との間に環状の圧縮空気流路を形成するバーナ筒であり、
    前記圧縮空気流路を流れる圧縮空気が、前記燃料ノズルに導入されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のガスタービン燃焼器。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のガスタービン燃焼器を備えていることを特徴とするガスタービン。
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