JP2012154584A - 乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】乾燥装置1は、遠赤外線IRを発生する遠赤外線ヒーター10を含む加熱層5と、加熱層5に対して独立して設けられる防爆層7と、を備え、防爆層7に加熱層5で発生させた遠赤外線IRを導入して、油系溶媒を含むペースト3を乾燥させる乾燥装置である。加熱層5と防爆層7との間に、加熱層5の熱が防爆層7に伝達されることを防止するとともに、遠赤外線IRを透過する断熱層6を備え、防爆層7内の加熱層5側と反対側に、防爆層7内の雰囲気を換気する給排気システム30が設けられ、給排気システム30は、防爆層7内でペースト3の塗工面と平行に空気を流す。
【選択図】図2
Description
特許文献1の乾燥装置は、乾燥炉内に配置された遠赤外線ヒーターに通電することによって遠赤外線を発生させて、箔上に塗工されたペーストを乾燥する。この遠赤外線ヒーターは、セラミックコーティングされた金属の内部にシーズヒーターを配置し、シーズヒーターを加熱して金属を内部から熱することにより、セラミックを加熱して遠赤外線を発生させる構成であり、シーズヒーターの通電端子を乾燥炉外の独立した領域に設けることによって乾燥炉の防爆構造を実現している。
このような乾燥装置を用いて油系の溶媒を含むペースト乾燥する場合は、乾燥炉内を換気して、油雰囲気を排気する必要がある。また、気化油を含んだ排気は冷却され、油分を分離した後に、換気として再利用又は大気開放される。
さらには、防爆層として構成される乾燥炉内の温度の上昇を抑制する必要があるため、換気時に供給する空気の温度、風量等を厳密に管理する必要が生じ、装置構成及び制御構成が煩雑になってしまう。
乾燥装置1は、上方から順に加熱層5、断熱層6、防爆層7を備える三層構造に構成される。加熱層5、断熱層6及び防爆層7は、それぞれ隔離され、独立した空間(領域)として形成されている。ペースト3が上面に塗工された箔2は防爆層7に搬送され、防爆層7内でペースト3の乾燥が行われる。
本実施形態のペースト3は、例えば電池の電極材料等の油系溶媒を含むペースト材料であり、乾燥炉として構成される防爆層7は、火種を含まない、換気設備を有する、溶媒の発火温度以上に昇温させない等、適宜の防爆構造を有する。
通電端子11・11、シーズヒーター12、発熱体13は、加熱層5内に配置され、セラミック14は、加熱層5から断熱層6に臨んで配置される。つまり、加熱層5から断熱層6内にセラミック14の下面の一部が突出した状態で固定されている。
遠赤外線ヒーター10では、通電端子11・11に通電することによりシーズヒーター12が熱せられ、シーズヒーター12によって発熱体13が加熱されてセラミック14が加熱されることによって、セラミック14から遠赤外線IRが放射される。なお、セラミック14は、ペースト3の塗工幅と同等の幅を有するように形成されており、乾燥装置1内においては、セラミック14とペースト3とが略全域において対向し、遠赤外線IRを良好にペースト3に伝達可能に構成される。
また、発熱体13とセラミック14とを一体的に構成しても良い。すなわち、発熱体13の下面にセラミックコーティングすることによって、発熱体13の下面にセラミック14をコーティング層として存在させる構成としても良く、遠赤外線ヒーター10の下面から遠赤外線IRが放射される構成であれば採用可能である。
断熱層6の内部には空気が流通されており、層内が換気されている。つまり、断熱層6の内部に熱伝達率の小さい空気を充填することによって、加熱層5から受ける熱影響を低減し、断熱層6内の温度が所定温度以上に上昇しないように調整している。また、加熱層5と防爆層7との間に断熱層6を設けることによって、加熱層5の熱が防爆層7に伝達されることを抑制し、防爆層7の昇温を防止している。
また、断熱層6には空気が充填されているため、遠赤外線IRは、断熱層6内では吸収されにくく、加熱層5での強度を保持したまま、防爆層7に導入される。防爆層7に導入された遠赤外線IRは、ペースト3に吸収される。これにより、ペースト3が内部から暖められて乾燥する。
上述のように、防爆層7内には、遠赤外線ヒーター10にて発生する遠赤外線IRが導入されており、防爆層7内に搬送される箔2上のペースト3に遠赤外線IRを照射することによって、ペースト3に遠赤外線IRを吸収させて内側から暖めている。ペースト3を暖めることによって溶媒等が蒸発(気化)し、ペースト3の乾燥が行われる。
給排気システム30は、給気ダクト31及び排気ダクト32を含む。給気ダクト31から空気を供給し、排気ダクト32から排気することによって、防爆層7内を換気する。給気ダクト31及び排気ダクト32は、防爆層7の下部(乾燥装置1の底部)に配置されており、乾燥装置1の長手方向に沿って設けられている。言い換えれば、給気ダクト31と排気ダクト32は、防爆層7内において加熱層5及び断熱層6と反対側に設けられ、その延出長は防爆層7の長手方向略全域に及んでいる。
また、給気ダクト31は、乾燥装置1の外部まで延出され、空気を供給するための適宜の送風装置(不図示)と接続される。排気ダクト32は、乾燥装置1の外部まで延出され、空気を排出するための適宜の吸引装置(不図示)と接続される。
給気口群33は、給気ダクト31の長手方向に沿って形成される開口群であり、排気口群34は、排気ダクト32の長手方向に沿って形成される開口群である。給気口群33を介して、給気ダクト31と防爆層7の内部が連通し、排気口群34を介して、排気ダクト32と防爆層7の内部が連通している。
また、ペースト3からの気化油分を含む排気が流通する排気ダクト32を、乾燥装置1の底部に設け、乾燥装置1の中で最も昇温される加熱層5と最大限に離れた位置に配置することにより、防爆層7(特に排気ダクト32内の油分を含んだ排気)の昇温を抑制でき、乾燥装置1の防爆性をより確実なものにできる。
また、排気ダクト32から排出される排気は、ペースト3の油分を含んでいるため、一度20℃程度まで冷却して油分を凝縮させて回収した後に、給気として再利用又は大気開放される。このように、給排気システム30では、十分に乾燥した状態(100℃程度に熱せられた状態)の空気を給気として用い、排気後に油分の凝縮温度(20℃程度)にまで冷却するサイクルを経ることから、乾燥エネルギーを最大限に利用でき、効率的な乾燥を実現できる。
すなわち、防爆層7内での換気用空気が、箔2におけるペースト3の塗工面と平行の流れとなるように設定され、ペースト3の塗工表面に対して大きい角度で吹き当たる(衝突する)ことがないように設定されている。このように、防爆層7において、換気用空気をペースト3の塗工面と平行な方向に流すことによって、ペースト3の表面での乾燥を促進することを抑制し、ペースト3内でのマイグレーションの発生を防止している。
また、乾燥装置1は遠赤外線式の乾燥炉として構成されることから、ペースト3を内部から暖めて乾燥させることができ、ペースト3内のマイグレーションの発生をより確実に防止できる。
具体的には、断熱層6内に供給される空気を排気するための排気通路40を給排気システム30の給気ダクト31に連結することによって、給排気システム30の給気の一部又は全部として利用することが好ましい。
温度上昇した空気を給排気システム30の給気の一部又は全部として利用することによって、給排気システム30の給気昇温時にかかるエネルギーコストを低減できる。
例えば、図4に描かれる実施形態は、二列の箔2・2を防爆層7に搬送し、箔2・2上に塗工されたペースト3・3を乾燥する乾燥装置1を示している。乾燥装置1では、遠赤外線ヒーター10を含む加熱層5、並びに、窓20を含む断熱層6を乾燥装置1の長手方向に沿って並列し、それぞれの箔2(ペースト3)と対向するように遠赤外線ヒーター10を用意するとともに、ペースト3がそれぞれ上面に塗工された箔2・2を共通の防爆層7に搬送している。つまり、図4に示す乾燥装置1は、搬送される箔2の列数に応じた二つの加熱層5・5及び断熱層6・6と、一つの防爆層7とを備える構造である。
すなわち、本実施形態の乾燥装置1においても、防爆層7を、通電端子を含む加熱層5・5から離れた位置に配置することで、防爆層7から通電端子の火種を排除して引火性を考慮するとともに、防爆層7内の過剰な昇温を防止して発火性に配慮することができる。
このように、複数列搬送の乾燥装置1においても同様に、給排気システム30によって形成される防爆層7内の空気の流れをペースト3・3・・・の塗工面と平行に流すことによって、換気用空気による衝突流によるペースト3のマイグレーションの発生を抑制でき、塗工品質を担保できる。
2 箔
3 ペースト
5 加熱層
6 断熱層
7 防爆層
10 遠赤外線ヒーター
20 窓
30 給排気システム
Claims (3)
- 遠赤外線を発生する遠赤外線ヒーターを含む加熱層と、前記加熱層に対して独立して設けられる防爆層と、を備え、前記防爆層に前記加熱層で発生させた遠赤外線を導入して、油系溶媒を含むペーストを乾燥させる乾燥装置であって、
前記加熱層と防爆層との間に、前記加熱層の熱が防爆層に伝達されることを防止するとともに、前記遠赤外線を透過する断熱層を備え、
前記防爆層内の加熱層側と反対側に、当該防爆層内の雰囲気を換気する給排気システムが設けられ、前記給排気システムは、前記防爆層内でペースト塗工面と平行に空気を流す乾燥装置。 - 前記断熱層の内部には、当該断熱層内を換気するための空気が流通され、
前記断熱層内を通過した後の空気は、前記給排気システムの給気側に用いられる請求項1に記載の乾燥装置。 - 上方から加熱層、断熱層、防爆層の順に位置する請求項1又は2に記載の乾燥装置。
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DE102015102085A1 (de) * | 2014-09-22 | 2016-03-24 | Alpha-Tec Krimpmann Gmbh | Trocknungsvorrichtung |
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