JP2012153736A - 湿潤ワイパー - Google Patents

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Norio Sekiguchi
範夫 関口
Katsuya Shimizu
克也 清水
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Abstract

【課題】身体清拭、特に顔や乳幼児のお尻の清拭に用いた場合の肌荒れの問題がなく、且つ金属、プラスチックス、塗膜等の硬質表面の清拭後に拭き残りが生じにくく清拭性良好な湿潤ワイパーを提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で示される化合物(例えば旭化成ケミカルズ社製ペリセア(登録商標))を含有することを特徴とする湿潤ワイパー。
【化1】
Figure 2012153736

(上記一般式(1)において、R1は炭素数1〜23の炭化水素基を示し、R2は水素又は炭素数1〜3の炭化水素基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基又はそれらの塩を示し、Zは−NR'−(R'は水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−を示し、j、kは0、1、2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではなく、nは2〜20の整数を示す。Xは分子量100万以下の炭化水素鎖を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、身体清拭用、メイク落とし用、乳幼児のお尻拭き用及び硬質面の清拭用等として好適な湿潤ワイパーに関する。
身体清拭、メイク落とし、乳幼児のお尻拭きの他、金属、プラスチックス、塗膜等の硬質表面の清浄や艶出しなどを目的とし、各種湿潤ワイパー(ウエットワイパー、ウエットティッシュなどとも呼ばれる)が用いられている。
例えば、特許文献1には、人体への安全性が高く且つ十分な黄変防止効果を有するウエットティッシュが開示されている。
特開2006−35002号公報
従来技術では、作業の簡便化及び人体に対する安全性は改善されるものの、身体の清拭に用いた場合、特に顔や乳幼児のお尻の清拭等に用いた場合には、皮膚荒れが生じるという問題があった。また、当該技術を金属、プラスチックス、塗膜等の硬質表面の清浄化や艶出しのために用いた場合には、清拭後の硬質表面に、ワイパーから硬質表面に移行した薬液組成物から溶媒が蒸発して生じたとみられるすじ状あるいはスポット状の残渣(以後、拭き残りと称する)が生じるという問題があった。
そこで本発明は、身体清拭、特に顔や乳幼児のお尻の清拭に用いた場合は肌荒れの問題がなく、金属、プラスチックス、塗膜等の硬質表面の清拭に用いた場合は清拭後に拭き残りが生じにくく清拭性良好な、湿潤ワイパーを提供することを目的とする。
本発明者は、薬液組成物を含浸させた湿潤ワイパーについて、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、薬液組成物に特定の化合物を配合することにより、清拭性が高く、かつ皮膚荒れや清拭後の拭き残りが少ない湿潤ワイパーを作成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は以下のとおりである。
[1]下記一般式(1)で示される化合物を含有することを特徴とする湿潤ワイパー。
Figure 2012153736
(上記一般式(1)において、R1は炭素数1〜23の炭化水素基を示し、R2は水素又は炭素数1〜3の炭化水素基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基又はそれらの塩を示し、Zは−NR'−(R'は水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−を示し、j、kは0、1、2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではなく、nは2〜20の整数を示す。Xは置換基を有してもよい分子量100万以下の炭化水素鎖を示す。)
[2]前記一般式(1)で示される化合物が、下記一般式(2)で示される化合物であることを特徴とする[1]に記載の湿潤ワイパー。
Figure 2012153736
(上記一般式(2)において、R1は炭素数1〜23の炭化水素基を示し、R2は水素又は炭素数1〜3の炭化水素基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基又はそれらの塩を示し、Zは−NR'−(R'は水素または炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−を示し、X'は、カルボキシル基又はその塩、−NHR'基(R'は、水素、または炭素数1〜10の炭化水素基)、−OH基、−SH基のうち少なくともいずれか一つを有する炭素数が1〜20の炭化水素鎖を示し、j、kは0、1、2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではない。)
[3]身体清拭用であることを特徴とする[1]又は[2]記載の湿潤ワイパー。
[4]メイク落とし用であることを特徴とする[1]又は[2]記載の湿潤ワイパー。
[5]乳幼児のお尻拭き用であることを特徴とする[1]又は[2]記載の湿潤ワイパー。
[6]硬質面の清拭用であることを特徴とする[1]又は[2]記載の湿潤ワイパー。
本発明により、身体清拭、特に顔や乳幼児のお尻の清拭に用いた場合は肌荒れの問題がなく、金属、プラスチックス、塗膜等の硬質表面の清拭に用いた場合は清拭後に拭き残りが生じにくく清拭性良好な、湿潤ワイパーを提供することが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の湿潤ワイパーは、用途に応じて選定された清浄剤や艶出し剤等からなる配合成分を溶媒に溶解または分散することにより調製した薬液組成物を紙や布等の基材に含浸させたものである。湿潤ワイパーは使用時まで薬液組成物により湿潤状態にあるもので、溶媒を乾燥除去した乾燥ワイパー(ドライワイパー)と区別される。湿潤ワイパーは、拭浄行為による薬液組成物と基材の作用により、清浄および/または艶出し等の目的を達成し、作業が非常に簡便に行えるのがその特徴である。
本発明の湿潤ワイパーに用いられる薬液組成物は、下記一般式(1)で示される化合物を含有する。
[一般式(1)に示す化合物]
下記一般式(1)で示される化合物について説明する。
Figure 2012153736
一般式(1)において、R1は飽和または不飽和の置換基で置換されていてもよい炭素数1〜23の炭化水素基である。好ましくは、炭素数が7から17の炭化水素基である。R1は、直鎖、分岐鎖、又は環状鎖(芳香族炭化水素鎖)のいずれでもよい。
一般式(1)において、R2は水素又は、カルボン酸基或いはスルホン酸基を有してもよい炭素数1〜3の炭化水素基である。
炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ(イソ)プロピル基、ジヒドロキシ(イソ)プロピル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基及びスルホエチル基等を挙げることができる。
2は、好ましくは、水素である。
一般式(1)において、Yは、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、又はそれらの塩である。好ましくは、カルボキシル基又はその塩である。
Yは、種々の塩基性物質との間に塩を形成し得る。塩を形成しうる塩基性物質の具体例を以下に挙げる。
アルカリ金属としては、特に限定されないが、ナトリウム、カリウム及びリチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、カルシウム及びマグネシウム等が挙げられる。上記以外の金属としては、アルミニウム、亜鉛、鉄、コバルト、チタン及びジルコニウム、銀等が挙げられる。
また、その他の塩を形成しうる塩基性物質としては、特に限定されないが、有機アミン、塩基性アミノ酸、アンモニア、多価金属等が挙げられる。
有機アミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びトリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
塩基性アミノ酸としては、アルギニン及びリジンが挙げられる。
その他にも、多価金属が挙げられる。
また、一般式(1)において、Yは、上記の塩基性物質から形成される2種以上の塩を含んでいてもよい。
一般式(1)において、Zは、−NR’−(R’は水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−である。
一般式(1)において、j、kは0、1、2のいずれかであり、且つj、kは同時に0ではなく、nは2〜20の整数を示す。
次に一般式(1)中のXについて説明する。
Xは、置換基を有していてもよい分子量100万以下の炭化水素鎖である。Xは、直鎖でも分枝鎖でも環状鎖でも芳香族炭化水素鎖でもよい。また、Xが置換基を有する場合は、置換基がカルボキシル基であることが好ましい。Xの炭素数は、好ましくは1〜40であり、分子量は28〜2000が好ましい。
また、Xがカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基及びリン酸エステル基等を含む場合は、種々の塩基性物質との間に塩を形成してもよい。塩を形成しうる金属及びその他の塩基性物質としては、上記のものが挙げられる。また、一般式(1)中の括弧内の部分はn個あり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(1)で示される化合物は、親水基であるYを2つ以上有し、疎水基であるアシル基R1COを2つ以上有する、化合物である。
下記一般式(2)で示される化合物は、一般式(1)で示される化合物における、n=2の場合のジェミニ型の界面活性剤の一例である。その化合物を用いた組成物は、特に好ましい。
Figure 2012153736
上記一般式(2)において、X’は、カルボキシル基又はその塩、−NHR’基(R’は、水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−OH基、−SH基のうち少なくともいずれか一つを有する炭素数が1〜20の炭化水素鎖を示す。また、R1、R2、Y、Z、j、kは一般式(1)と同様である。
例えば、このような化合物としては市販品として「ペリセア(登録商標)L−30」(旭化成ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
なお、本発明の組成物を、水を含まずに用いる場合、上記一般式(1)又は(2)で表される化合物は、Yがカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基であることが、溶解性の観点から、好ましい。これらの化合物は例えば、後述の製法において、反応後に中和しないで得ることができる。
[一般式(1)に示す化合物の製法]
前記一般式(1)で示される化合物の製造方法としては、下記一般式(3)で示されるN−アシル酸性アミノ酸無水物と、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる官能基をm個(mはn以上)有する分子量100万以下の化合物(以下、m価の化合物とする)とを反応させて、前記一般式(1)で示される化合物を得る方法が挙げられる。
Figure 2012153736
上記一般式(3)において、R1、R2、j、kは一般式(1)と同様である。
一般式(3)で示されるN−アシル酸性アミノ酸無水物とは、N−アシル化された酸性アミノ酸の無水物である。N−アシル酸性アミノ酸無水物は、光学異性体であるD−体、L−体、ラセミ体のいずれであってもよい。
特に、L−体であるL−酸性アミノ酸が、生分解性に優れることから好ましい。
酸性アミノ酸は、分子中に存在するカルボキシル基の数がアミノ基より多いものである。例えば、カルボキシル基とアミノ基の数がそれぞれ2個と1個であるモノアミノジカルボン酸などが挙げられる。
アミノ基の水素は、炭素数1〜3の炭化水素基で置換されていてもよい。
N−アシル化された酸性アミノ酸の具体例としては、N−アシルグルタミン酸、N−アシルアスパラギン酸が挙げられる。
一般式(3)の具体例としてはN−アシルグルタミン酸、N−アシルアスパラギン酸の無水物が挙げられる。
m価の化合物は、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる官能基をm個(m≧n、かつ、2〜20の整数)有する分子量100万以下の化合物である。ここで、m価の化合物は、m個の官能基に由来する結合を作り得る。つまり、ヒドロキシル基は、エステル結合を作り、アミノ基は酸アミド結合を作り、チオール基はチオエステル結合を作ることができる。また、この化合物は上記の官能基以外の置換基を有していてもよい。
このようなm価の化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。分子内にヒドロキシル基を2個以上有する化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
2価のヒドロキシル化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、イソプレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ソルバイト、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ダイマージオール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、酒石酸、ジヒドロキシ酒石酸、メバロン酸、3,4−ジヒドロキシケイ皮酸、3,4−ジヒドロキシヒドロけい皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシフェニルアラニン等が挙げられる。
3価のヒドロキシル化合物としては、グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びトリヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
4価のヒドロキシル化合物としては、ペンタエリスリトール、エリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン及びソルビタン等が挙げられる。
5価のヒドロキシル化合物としては、アドニトール、アラビトール、キシリトール及びトリグリセリン等が挙げられる。
6価のヒドロキシル化合物としては、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース及びアロース等が挙げられる。
または、上記の2〜6価のヒドロキシル化合物の脱水縮合物やポリグリセリン等が挙げられる。
また、m価のポリヒドロキシル化合物として、糖類も挙げられる。以下にその具体例を挙げる。
テトロースとしては、エリスロース、スレオース及びエリスルロース等が挙げられる。
ペントースとしては、リボース、アラビノース、キシロース、リクソース、キシルロース及びリブロース等が挙げられる。
単糖類としては、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、ギューロース、イドース、ガラクトース、タロース、フラクトース、ソルボース、プシコース及びタガトース等のヘキソース等が挙げられる。
オリゴ糖類としては、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオース、ラクトース、ツラノース、トレハロース、サッカロース、マンニトリオース、セロトリオース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース、セロテトロース及びスタキオース等が挙げられる。
その他の糖類としては、ヘプトース、デオキシ糖、アミノ糖、チオ糖、セレノ糖、アルドン糖、ウロン酸、糖酸、ケトアルドン酸、アンヒドロ糖、不飽和糖、糖エステル、糖エーテル及びグリコシド等の残基でもよく、デンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン及びキトサン等の多糖類又は上記の糖類を加水分解したものでもよい。
分子内にアミノ基を2個以上有する化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
脂肪族ジアミン類としては、N,N’−ジメチルヒドラジン、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン、ジアミノアジピン酸、ジアミノプロパン酸、ジアミノブタン酸等が挙げられる。
脂肪族トリアミン類としては、ジエチレントリアミン、トリアミノヘキサン、トリアミノドデカン、1,8−ジアミノ−4−アミノメチル−オクタン、2,6−ジアミノカプリン酸−2−アミノエチルエステル、1,3,6−トリアミノヘキサン、1,6,11−トリアミノウンデカン、ジ(アミノエチル)アミン等が挙げられる。
脂環族ポリアミン類としては、ジアミノシクロブタン、ジアミノシクロヘキサン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン及びトリアミノシクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族ポリアミン類としては、ジアミノベンゼン、ジアミノトルエン、ジアミノ安息香酸、ジアミノアントラキノン、ジアミノベンゼンスルホン酸、ジアミノ安息香酸等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリアミン類としては、ジアミノキシレン、ジ(アミノメチル)ベンゼン、ジ(アミノメチル)ピリジン、ジ(アミノメチル)ナフタレン等が挙げられる。また、ジアミノヒドロキシプロパンのように、上記のアミン類誘導体にヒドロキシル基が置換したポリアミン類等が挙げられる。
また、アミノ酸類としては、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、シスチンジスルホキシド、シスタチオニン、メチオニン、アルギニン、リジン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン及びオキシプロリン等が挙げられる。これらのアミノ酸は、タンパク質やペプチド等、又はそれらを加水分解したもの等でもよい。
分子内にチオール基を2個以上有する化合物の具体例としては、ジチオエチレングリコール、ジチオエリトリトール及びジチオトレイトール等のジチオール化合物類等を挙げることができる。ここで、m価の化合物は、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる官能基を2種以上有していてもよい。その例を以下で挙げる。
分子内にアミノ基とヒドロキシル基を有する化合物としては、アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、アミノプロパンジオール、アミノエチルエタノールアミン、アミノエチルアミノエタノール、アミノクレゾール、アミノナフトール、アミノナフトールスルホン酸、アミノヒドロキシ安息香酸、アミノヒドロキシブタン酸、アミノフェノール、アミノフェネチルアルコール及びグルコサミン等が挙げられる。
分子内にチオール基とヒドロキシル基を有する化合物としては、メルカプトエタノール、メルカプトフェノール、メルカプトプロパンジオール及びグルコチオース等が挙げられる。
分子内にチオール基とアミノ基を有する化合物としては、アミノチオフェノール及びアミノトリアゾールチオール等が挙げられる。
m価の化合物は、光学異性体であるD−体、L−体、ラセミ体のいずれであってもよく、各異性体であってもよい。
また、m価の化合物の中でも、炭素数1〜40のものが好ましい、さらに好ましくは炭素数1〜20のものである。
また、天然に存在する化合物の方が、生分解性に優れているため、m価の化合物としては、アミノ酸類、ペプチド類、糖類等が好ましい。
N−アシル酸性アミノ酸無水物とm価の化合物とを反応させる際、溶媒を使用してもよい。反応の際に使用する溶媒としては、水、水と有機溶媒との混合溶媒、又はテトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム及びアセトン等の不活性溶媒が挙げられる。反応温度としては、−5℃〜200℃、かつ上記化合物の融点以上の温度で混合し、反応させることが好ましい。
一般式(1)で示される化合物の別の製造方法としては、N−アシル酸性アミノ酸無水物ではなくN−アシル酸性アミノ酸モノ低級エステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル)と、上記のm価の化合物とを反応させて、前記一般式(1)で示される化合物を得る方法が挙げられる。
例えば、N−アシル酸性アミノ酸モノ低級エステルとm価の化合物とを、ジメチルホルムアミド等の適当な溶媒中に溶解し、炭酸カリウム等の触媒を加え、減圧下において−5℃〜250℃で加熱反応させた後、反応溶媒を除去することによって、前記一般式(1)で示される化合物が得られる。また、溶媒を用いずに無溶媒で加熱溶融し、水酸化ナトリウム等の触媒を加えて室温〜250℃でエステル交換反応させることによっても前記一般式(1)で示される化合物を得ることができる。
本発明において、前記式(1)で表される化合物の配合量に制限はないが、清拭性の観点より湿潤ワイパー全体の質量に対し、0.001〜1.0質量%が好ましく、0.001〜0.5質量%がより好ましく、もっとも好ましくは、0.002〜0.3質量%である。
[添加物]
本発明の湿潤ワイパーに含浸させる薬液組成物は、用途に応じて本発明の奏する効果が損なわれない範囲で防菌・防黴剤、清浄剤、艶出し剤、一般式(1)に示す化合物以外の界面活性剤、保湿剤、pH調整剤、キレート剤、溶剤を配合してもよい。以下に、例を挙げる。
○防腐・防黴剤
防腐・防黴剤としては、メチルイソチアゾリノン、クロロメチルイソチアゾリノン、ベンズイソチアゾリノン等のイソチアゾリノン類;
フェノール、パラクロロメタクレゾール、パラクロロメタキシレノール、イソプロピルメチルフェノール、レゾルシン、レソルシンモノアセテート、オルトフェニルフェノール、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、チモール、ポロガロール、クレゾール、ヒノキチオール、ヒドロキシベンゾサチオールなどのフェノール類;
安息香酸、安息香酸塩類、サリチル酸、サリチル酸塩類、デヒドロ酢酸および塩類、ソルビン酸および塩類、ホウ酸などの酸類;
ヘキサクロロフェン、2,4,4’−トリクロロ−2−ハイドロキシジフェニルエーテルなどのハロゲン化ビスフェノール類;
3,4,4’−トリクロロカルバアニリド、3-トリフルオロメチル−4,4’−ジクロロカルバニリド、ウンデシル酸モノエタノールアミド、クロロアセタミドなどのアミド類;
塩化ベンザルコニウム、臭化アルキルイソキノリニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどの4級アンモニウム化合物;
ブロムニトロプロパンジオール、1,3−ブチレングリコールなどのアルコール類;
ビス(パラクロロフェニルビグアニド)ヘキサン、テトラメチルラウジサルファイド、感光素101号等の感光素系、銀イオンを無機物に担持させた銀イオン・無機質系などを挙げることができる。
単独の防腐剤の少量添加において充分な防腐効果の得られない場合は、充分な効果が得られるよう、複数の防腐剤を組み合わせて用いることもできる。
上記のなかでも、比較的刺激性が低く、安価で効果の高く、水に安定に溶解可能な、パラアルキル安息香酸塩類(商品名;パラペン)、安息香酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、CPC(塩化セチルピリジニウム)が好ましく、特にパラアルキル安息香酸塩類、塩化ベンザルコニウムなどがより好ましい。
防腐・防黴剤の配合量に制限はないが、皮膚荒れ防止等の観点より、湿潤ワイパーの総量を基準に0.001〜1.0質量%が好ましく、0.001〜0.5質量%がより好ましく、もっとも好ましくは、0.002〜0.3質量%である。
○清浄剤
清浄剤としては例えば、プルピレングリコール、グリセリン等のポリオール類、
エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、
イミダゾール、ピリジン誘導体、更にはパラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、芳香族炭化水素等の石油系有機溶剤類、
これら清浄剤は単独または2種類以上を併用して、水溶液としてまたは水でエマルジョン化して用いられる。
○艶出し剤
艶出し剤としては、シリコーンオイル、フッ化変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル等のポリオルガノシロキサン、溶剤可溶性シリコーン樹脂のようなシリコーン系艶出し剤、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス等のワックス系艶出し剤が挙げられる。
これら艶出し剤は単独または2種以上の混合物としてエマルジョン化して用いられる。用途に応じて、清浄剤とも併用される。
○一般式(1)に示す化合物以外の界面活性剤
界面活性剤としては例えば、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤を挙げることができる。
ノニオン系界面活性剤の具体例としては、以下のものが挙げられる。
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、アルキルジメチルアミンオキシド、レシチン、高分子乳化剤、グリセリン脂肪酸エステル、親油型モノステアリン酸グリセリン等のグリセリン脂肪酸エステル類、モノオレイン酸ポリグリセリル、ペンタオレイン酸ポリグリセリル、デカオレイン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ等のポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル等のポリオキシエチレンステロール・水素添加ステロール類、
モノステアリン酸エチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド等のポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド類、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等を挙げる事ができる。
この中でも特に好ましいノニオン系界面活性剤としては、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、親油型モノステアリン酸グリセリン等のグリセリン脂肪酸エステル類、モノオレイン酸ポリグリセリル、ペンタオレイン酸ポリグリセリル、デカオレイン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が、挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、以下のものが挙げられる。
ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、ラウリルアミノエチルグリシン、アルキルベタイン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、塩化アルキルジアミノエチルグリシン、ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルエチレンジアミン2ナトリウム等のグリシン型両性界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アシル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のラウリルアミノプロピオン酸塩等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインラウリン酸アミドプロピル酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
この中でも特に好ましい両性界面活性剤としては、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、塩化アルキルジアミノエチルグリシン、ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルエチレンジアミン2ナトリウム等のグリシン型両性界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アシル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のラウリルアミノプロピオン酸塩等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインラウリン酸アミドプロピル酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤等を挙げる事ができる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、以下のものが挙げられる。
ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド等の脂肪族アミン塩、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、アルキルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム等のアルキル4級アンモニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルピジニウム、塩化アルキルジメチル(エチルベンジル)アンモニウム等の環式4級アンモニウム塩等が挙げられる。
この中でも特に好ましいカチオン系界面活性剤としては、塩化長鎖アルキルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、アルキルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム等のアルキル4級アンモニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルピジニウム、塩化アルキルジメチル(エチルベンジル)アンモニウム等の環式4級アンモニウム塩等を挙げる事ができる。
アニオン系界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。
アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸及びその塩等のアルキルエーテルカルボン酸型アニオン系界面活性剤、N−アシルサルコシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルアスパラギン酸塩、N−アシルアルキルタウリン塩等のN−アシル有機酸塩型アニオン系界面活性剤、α―オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のスルホン酸塩型アニオン系界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩等の硫酸塩型アニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等のリン酸塩型アニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類等が挙げられる。
この中でも特に好ましいアニオン系界面活性剤はとしては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸及びその塩等のアルキルエーテルカルボン酸型アニオン系界面活性剤、N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルアスパラギン酸塩、N−アシルアルキルタウリン塩等のN−アシル有機酸塩型アニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類等を挙げる事ができる。
また、高分子系界面活性剤としては、アルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体及びトラガントゴム等が挙げられる。
天然系界面活性剤としては、レシチン、ラノリン、コレステロール、フィトステロール、及びサポニン等が挙げられる。
これらの一般式(1)に示す化合物以外の界面活性剤は単独でも二種類以上組み合わせて用いてもかまわない。
○保湿剤
保湿剤の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、3-メチル-1,3-ブタンジオール等の多価アルコール、トリメチルグリシン、ソルビトール、ラフィノース、ピロリドンカルボン酸塩類、乳酸塩類、ヒアルロン酸塩類及びセラミド類等が挙げられる。
○pH調整剤
pH調整剤としては、クエン酸とクエン酸ナトリウムとの組み合わせ、琥珀酸と琥珀酸ナトリウムとの組み合わせなどを挙げることができる。
○キレート剤
キレート剤の例としては、エチレンジアミン4酢酸およびこの塩などを挙げることができる。
○溶剤
溶剤としては、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル等のエステル類などが挙げられる。
さらに、エチルアルコールやイソプロピルアルコールは揮発性の防腐剤としての効果も期待できることから、アルコール単独あるいは防腐剤とアルコールの併用のかたちで用いられている。しかし、アルコールは揮発性が高いため使用時に刺激臭がしたり、皮膚の油脂性分までふき取ることによる肌荒れを起こすという問題を伴うため、低級アルコールを用いないか、用いるとしても湿潤ワイパー全体の質量に対し、0.5質量%程度未満にすることが好ましい。
その他にも本発明の湿潤ワイパーに含浸させる薬液組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で植物エキス、抗生物質、香料、染料、可溶化剤、酸化防止剤、防錆剤などを有してもよい。これらの添加物は単独で用いてもよいし、併用してもかまわない。
[湿潤ワイパー]
本発明の湿潤ワイパーは、例えば、前記式(1)の化合物を含有する薬液組成物を布帛に含浸させることにより製造することができる。薬液組成物の量が布帛質量に対して少なすぎると清拭効果や艶出し効果等が不足する。一方、薬液組成物の量が多すぎると拭き残りの原因となるだけでなく、製造コスト的にも不利であるので、薬液組成物の総量が布帛質量100質量部に対して50〜400質量部含浸させることが好ましく、80〜300質量部含浸させることが特に好ましい。
上記の製造法において使用する布帛として、親水性繊維、疎水性繊維、及びその混合物が挙げられる。親水性繊維としては例えば綿、綿リンター、パルプ、レーヨン、及びそれらを改質したものが挙げられ、疎水性繊維としては例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル、ナイロン繊維等を挙げることができる。
布帛の種類と湿潤ワイパーの拭き残りの程度については、一般的な傾向として、親水性の布帛を用いた場合に比べ、疎水性の布帛を用いた場合の方が、拭き残りが多い傾向にある。従って、本発明の効果は、疎水性の布帛を用いた場合において特に顕著にあらわれる。
なお、本発明において親水性の布帛とは親水性繊維又は親水性繊維に小割合の疎水性繊維を混紡して得られる水分率が5質量%以上のものを意味し、疎水性の布帛とは疎水性繊維又は疎水性繊維に少割合の親水性繊維を混紡して得られる水分率が5質量%未満のものを意味する。
疎水性の布帛を用いる場合は、布帛に含浸させる薬液組成物の一部として、エチルアルコールやイソプロピルアルコールといった揮発性の高い低級アルコールを加えることで、ある程度の拭き残りの改善ができる。
布帛の目付量は薄すぎても厚すぎても使用しにくいため10〜120g/m2 で使用することが好ましく、更には15〜80g/m2で使用することが好ましい。また、繊維径が10μm以下の極細繊維を10質量%以上含有する布帛であると、表面への接点数が多くなり密着性を高くできるため、清浄効果を高め、拭き残りを減少できるので好ましい。
また布帛として、不織布を使用することが、寸法や目付量等の製造安定性が高いこと、コストの面で優れることから好ましい。
本発明の湿潤ワイパーは、身体清拭、メイク落とし、乳幼児のお尻拭きの他、金属、プラスチックス、塗膜等の硬質表面の清浄化や艶出しなど様々な用途に使用することができる。身体清拭の一例としては、介護用の湿潤ワイパーとして好適に使用することもできる。被介護者には皮脂の分泌量が低下した高齢者が多く、従来のような水系の薬液組成物を含浸させた湿潤ワイパーを用いると、皮膚を保護している皮脂を殆ど除去してしまい、皮膚あれの原因となる。本発明の湿潤ワイパーを用いると、皮膚荒れなどの皮膚トラブルの発生を未然に防止することができる。
本発明の湿潤ワイパーは各種表面、特に拭き残りが目立ちやすい表面平滑な硬質表面、例えば家具や建物の窓ガラス、車両の窓ガラス、テレビやパソコンの画面、化粧鏡あるいは眼鏡レンズ等のような透明なガラスやプラスチックス表面等の清浄に、また、冷蔵庫、塗装家具、自動車ボディーのような光沢表面の清浄および/または艶出しに好適に用いられる。
以下、本実施の形態を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本実施の形態は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1〜3、比較例1〜2]
レーヨン: 親水性ポリエチレンテレフタレート : ポリプロピレン/ポリエチレン= 45:30:25 からなる目付け37g/ m2の不織布に、この不織布100gに対して表1に示す組成の薬液組成物を200gの量で加え、湿潤ワイパーを得た。
得られた湿潤ワイパーを用い、下記の方法に従い、メイク落とし、乳幼児のお尻拭き、拭き残りを評価した。評価結果を表1に示す。なお、表1に示す数字の単位は質量部である。
一般式(1)に示す化合物としてN−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リシンとの縮合物のナトリウム塩、N−ミリストイル−L−グルタミン酸とL−リシンとの縮合物のナトリウム塩、N−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リシンとの縮合物のトリエタノールアミン塩を用いる。
N−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リシンとの縮合物は、結合の仕方によって、4種類の化合物が製造されることになるが、例えば一般式(1)のR1が炭素数11の炭化水素基、R2が水素、Yがカルボキシル基、Zが−NH−、jが0、kが2、nが2、Xがカルボキシル基を有する炭素数5の炭化水素鎖、である化合物が挙げられる。同様にN−ミリストイル−L−グルタミン酸とL−リシンとの縮合物は一般式(1)のR1が炭素数13の炭化水素基、R2が水素、Yがカルボキシル基、Zが−NH−、jが0、kが2、nが2、Xがカルボキシル基を有する炭素数5の炭化水素鎖、である化合物が挙げられる。
表中、ポリエチレングリコール(重合度400)はPEG(400)、ポリエチレングリコール(重合度600)はPEG(600)と略して記載する。
<メイク落とし評価>
マスカラ( メイベリン社製、ダイアルマスカラ) を前腕部に直径約1.5cmに薄く塗り、3時間放置して乾燥させた後、湿潤ワーパーで拭き取った後、マスカラの残り具合を目視で観察し、以下の基準で判定した。
○:メイクの落ちが良好。
△:メイクの落ちがやや不良。
×:メイクの落ちが不良。
<乳幼児のお尻拭き評価>
湿潤ワイパーを用い乳幼児のお尻に付着した便を拭き取った際の清拭性と皮膚荒れの度合いを以下の基準で判定した。
○:清拭性良好で皮膚荒れが感じられない。
△:清拭性良好だが皮膚荒れが感じられる。
×:清拭性不良で皮膚荒れも感じられる。
<拭き残り性評価>
カチオン電着塗装片面メラミン焼き付け塗装板(JIS G 3141(SPCC SD)0.8mm ×70mm×150mm)上を湿潤ワイパーで拭いた後、拭き残りを目視で観察し、以下の基準で判定した。
○ 拭き残りが観察されない。
△ 支障がない程度であるが、拭き残り僅かに観察される。
× 拭き残りが観察される。
Figure 2012153736
本発明により、身体清拭、特に顔や乳幼児のお尻の清拭に用いた場合の肌荒れの問題がなく、且つ金属、プラスチックス、塗膜等の硬質表面の清拭後に拭き残りが生じにくく清拭性良好な湿潤ワイパーを提供することが可能となる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示される化合物を含有することを特徴とする湿潤ワイパー。
    Figure 2012153736
    (上記一般式(1)において、R1は炭素数1〜23の炭化水素基を示し、R2は水素又は炭素数1〜3の炭化水素基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基又はそれらの塩を示し、Zは−NR'−(R'は水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−を示し、j、kは0、1、2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではなく、nは2〜20の整数を示す。Xは置換基を有してもよい分子量100万以下の炭化水素鎖を示す。)
  2. 前記一般式(1)で示される化合物が、下記一般式(2)で示される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の湿潤ワイパー。
    Figure 2012153736
    (上記一般式(2)において、R1は炭素数1〜23の炭化水素基を示し、R2は水素又は炭素数1〜3の炭化水素基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基又はそれらの塩を示し、Zは−NR'−(R'は水素または炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−を示し、X'は、カルボキシル基又はその塩、−NHR'基(R'は、水素、または炭素数1〜10の炭化水素基)、−OH基、−SH基のうち少なくともいずれか一つを有する炭素数が1〜20の炭化水素鎖を示し、j、kは0、1、2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではない。)
  3. 身体清拭用であることを特徴とする請求項1又は2記載の湿潤ワイパー。
  4. メイク落とし用であることを特徴とする請求項1又は2記載の湿潤ワイパー。
  5. 乳幼児のお尻拭き用であることを特徴とする請求項1又は2記載の湿潤ワイパー。
  6. 硬質面の清拭用であることを特徴とする請求項1又は2記載の湿潤ワイパー。
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