JP2012152750A - ハニカム構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多孔質の隔壁で仕切られた複数の流路を有し、所望の前記流路の端部または内部を封止したハニカム構造体であって、PMの捕集効率が高く、隔壁にPMが捕集堆積された状態でも、圧力損失の上昇が低く、しかも高強度を維持できるハニカム構造体を得ることにある。
【解決手段】 隔壁(2)の交点部位(2p)を除く少なくとも一部に幅が0.05〜1mm、長さが10mm以上の通気孔(9)が形成されており、前記通気孔が流路方向垂直断面において平均で0.003〜0.07個/cm存在している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジンから排出される排気ガス中の微粒子状物質(パティキュレート・マター、以下「PM」という)を除去するのに使用されるフィルタに用いられるハニカム構造体に関する。
ディーゼルエンジンなどの排気ガス中には黒煙を主体とするPMが多量に含まれており、これが大気中に放出されると、人体や環境に悪影響を与える。このため、ディーゼルエンジンなどの排気ガス系には、PMを捕集するためのフィルタが搭載されている。図3は、自動車の排気ガス中のPMを捕集、浄化する、フィルタに用いられる従来のハニカム構造体の一例を示したものであり、(a)は正面模式図、(b)は側断面模式図である。図3(a)(b)において、ハニカム構造体30は、多孔質セラミックからなり、外周壁1と、この外周壁1の内側に各々直交する隔壁2で仕切られた複数の流路3、4を有しており、流路3、4は、排気ガスの流入側端面7と流出側端面8において交互に封止部5、6で封止されている。また、外周壁1は、金属メッシュあるいはセラミックス製のマットなどで形成された把持部材(図示せず)で使用中に動かないように把持され、金属製の収納容器(図示せず)に配置されている。
図3に示すハニカム構造体30からなるフィルタにおいて、排気ガスの浄化は以下の通り行われる。排気ガス(点線矢印で示す)は、流入側端面7に開口している流路3から流入する。そして、排気ガス中に含まれるPMは、隔壁2を通過する際に捕集され、浄化された排気ガスは、流出側端面8に開口している流路4から流出、大気中に放出される。一方、隔壁2に補集されたPMが一定量以上になると、目詰まりにより、ハニカム構造体30の圧力損失が上昇するため、バーナーや電気ヒーターによりこれを燃焼させ、フィルタの再生が行われる。
バーナーや電気ヒーターによりハニカム構造体30に捕集されたPMを燃焼除去しようとすると、多量の燃料及びバーナー等の駆動エネルギが必要となることから、特許文献1では、図4に断面図を示すようなハニカム構造体40からなるフィルタが提案されている。図4に示すハニカム構造体40は、排気ガスの流入側端面7または流出側端面8の隔壁2の一壁面2aを、封止部5の長さL1より長い流路方向長さL2だけ除去することにより、隔壁2と封止部5との間に、流路3と隣接する流路4とを連通させる開口部49を形成している。なお、図4で前述した図3と同じ構成は同符号で示している。特許文献1に記載されたハニカム構造体40によれば、隔壁2に捕集されるPM量が増加して目詰まりを起こして圧力損失が上昇しようとしても、排気ガスの一部が開口部49を介し流路4から大気に流出するので、圧力損失の上昇率が大幅に低下するという効果を有するとしている。このため、捕集されたPMの燃焼除去の頻度が少なくても、エンジン出力の低下および燃費の悪化を防止できるとしている。また、隔壁2の一壁面2aの除去は、成形時に切り欠けば良いので容易であり、封止部5で封止するときも特別な工程を必要とせず、簡単に実施できるとしている。
一方、特許文献2及び3によれば、フィルタに捕集したPMを燃焼除去する際に残留するアッシュ(灰分)がフィルタ内に堆積することによって実質的にフィルタ容積が減少して、圧力損失が上昇したり、捕集できるPM量の減少を防ぐために、隔壁に開口部を設けることによって、アッシュを容易に除去できるようにしたハニカム構造体が提案されている。特許文献2に記載のハニカム構造体は、図5に示すように、隔壁と隔壁が交わる隔壁の少なくとも一部において、当該隔壁交点部位に相当する部分の隔壁が存在しない交点なし部59が形成されており、特許文献3に記載のハニカム構造体は、図6に示すように、各流通孔を囲む隔壁の目封止部近傍に、流通孔1つ当たり少なくとも1つのスリット69を有している。いずれものハニカム構造体も、使用開始直後は交点なし部59或いはスリット69等の隔壁に形成された開口部を、排気ガス中の一部のPMが通過するため、従来の交点なし部59或いはスリット69を持たないハニカム構造体に比して捕集効率は低下するが、捕集されたPMの堆積によって短時間のうちに交点なし部59或いはスリット69が実質的に塞がれた状態となり、それ以降は従来のハニカム構造体と同程度の捕集効率を発揮できるとしている。更に、PMの堆積で塞がれた交点なし部59或いはスリット69は、再生時の加熱によりPMが燃焼することによって、実質的に開き、この交点なし部59或いはスリット69が開いた時の含塵流体の流れにより、ハニカム構造体内に堆積していたアッシュ(灰分)等の未燃物の少なくとも一部がハニカム構造体から排出されるため、アッシュ堆積による圧力損失上昇や捕集できるPM量が減少するといった問題を解決できるとしている。
実開昭60−112618号公報 特開2004−132266号公報 特開2004−130231号公報
しかしながら、特許文献1で提案される図4に示すハニカム構造体40は、開口部49の開口面積が大きいことから、近年規制が強化されつつあるPM捕集効率が達成できないという問題があった。すなわち、図4に示すハニカム構造体において、開口部の長さ(L2−L1)は、封止部の長さL1と同程度であり、封止部の長さは通常5〜15mm程度であることから、開口部の長さも5〜15mmとなり、開口部を通じて有害なPMが多量に排出されることになるからである。
また、特許文献1において、本開口部49を形成するには、隔壁2の一壁面2aの除去を成形時に切り欠けば良いので容易であるとされているが、成形体は非常に柔らかい状態であるため、切り欠いた際に、隔壁2が変形して隣接する隔壁と接触して流路を閉塞させることもある。
特許文献2に提案される図5に示すハニカム構造体50では、隔壁2と隔壁2とが交わる隔壁交点部位がハニカム構造体の強度を担う重要な部位であるにも関わらず、交点なし部59が形成されている(交点部位が存在しない)ため、ハニカム構造体の強度、特にアイソスタティック強度が弱くなり、金属容器に収納の際に破損したり、ハニカムフィルタとして使用した際に、機械的振動や熱応力によって破損することがあった。このため、特許文献2によれば、アイソスタティック強度を向上させるため、ハニカム構造体の長さ方向に直交する断面において、交点なし部が形成されずに所定方向に連続している隔壁の厚さが、交点なし部が形成され、当該交点なし部によって不連続に途切れている隔壁の厚さの1.05〜1.5倍にするといった、複雑な構成にする必要があった。また、特許文献2の別の発明であるハニカム構造体の製造方法によれば、押出成形時に交点なし部を形成するようにしているため、可塑性を有するハニカム構造の成形体隔壁に変形が発生し、所望の隔壁ピッチを有するハニカム構造体が得られないと言う問題の発生することもあった。
また、特許文献3に提案される図6に示すハニカム構造体60では、流通孔1つあたり少なくとも1つのスリット69を有しており、すなわち流通孔には必ずスリットを存在させていることから、圧力損失の上昇は小さいが、スリット数が多いため、初期のPM捕集効率が低くなり、有害なPMが多量に排出される問題があった。また、スリット数が多いことと、スリットが目封止部近傍に集中して存在していることから、ハニカム構造体のアイソスタティック強度が低下するという問題を有していた。
したがって、本発明の課題は、多孔質の隔壁で仕切られた複数の流路を有し、所望の前記流路の端部または内部を封止したハニカム構造体であって、PMの捕集効率が高く、隔壁にPMが捕集堆積された状態でも、圧力損失の上昇が低く、しかも高強度を維持できるハニカム構造体を得ることにある。
本発明者らは、ハニカム構造体において、隔壁の交点部位を除く少なくとも一部に通気孔を、所定の数だけ形成させれば、上記課題が解決できるとの知見を得、本発明に想到した。
本発明のハニカム構造体は、多孔質の隔壁で仕切られた複数の流路を有し、所望の前記流路の端部または内部を封止したハニカム構造体であって、前記隔壁の交点部位を除く少なくとも一部に幅が0.05〜1mm、長さが10mm以上の通気孔が形成されており、前記通気孔が流路方向垂直断面において平均で0.003〜0.07個/cm存在していることを特徴とする。上記構成のように、隔壁の交点部位を除く少なくとも一部に幅が0.05〜1mm、長さが10mm以上の通気孔が形成されており、前記通気孔が流路方向垂直断面において平均で、0.003〜0.07個/cmの所定数存在させているため、PM捕集効率が高く、隔壁に捕集されるPMが増加して目詰まりを起こして圧力損失が上昇しようとしても、流入した排気ガスの一部が、通気孔を介して、隣接する流路に排出され、圧力損失の上昇を大幅に低減することが可能となる。
しかも、通気孔が、隔壁の交点部位ではなく、隔壁の交点部位を除く少なくとも一部に通気孔が形成されていることから、通気孔の存在によるハニカム構造体の強度への悪影響を小さくできるため、ハニカムフィルタとして使用する際に必要な強度を維持することができる。
ここで、隔壁の交点部位を除く少なくとも一部に形成される通気孔は、図1に示すようなハニカム構造体の一方の端面から他方の端面に貫通している通気口9、図2に示すようなハニカム構造体の端面から流路方向内部に連通して流路内部で閉塞している通気口9a、端面には現れず内部で閉塞している通気口9bなどの形態があるが、これらは単独で存在しても良いし、複数の形態が混在しても良い。そしてこの通気孔の流路方向の長さは少なくとも10mm以上、より好ましくは30mm以上あれば、本発明のハニカム構造体における、隔壁に捕集されるPMが増加して目詰まりを起こして圧力損失が上昇しようとしても、流入した排気ガスの一部が、通気孔を介して、隣接する流路に排出され、圧力損失の上昇を大幅に低減するという効果を発揮しうる。
本発明のハニカム構造体において、流路方向垂直断面において前記通気孔を平均で0.003〜0.07個/cmの所定数存在させているのは、0.003個/cm未満の場合、通気孔の数が少ないため、隔壁にPMが捕集された際に、圧力損失の上昇を低減する効果が小さいからであり、0.07個/cmを超えると、通気孔の数が多いため、PMの捕集効率が低減するからであり、強度も低下するからである。
本発明のハニカム構造体において、隔壁の交点部位を除く少なくとも一部に形成された通気孔の幅が、0.05〜1mmであるのは、0.05mm未満の場合は、通気孔の幅が小さいため、隔壁に捕集されるPMが増加して目詰まりを起こした際に、流入した排気ガスの一部が、通気孔を介して、隣接する流路に排出されにくくなり、圧力損失の上昇を低減する効果が小さくなるからであり、1mmを超える場合は、通気孔の幅が大きいため、通気孔から隣接する流路に流れる排気ガスの量が多くなって、PMの補集効率が低下するからである。同様の観点から、隔壁の交点部位を除く少なくとも一部に形成された通気孔の幅の、より好ましい範囲は、0.1〜0.4mmである。
本発明のハニカム構造体において、流路方向垂直断面において前記通気孔を平均で0.007〜0.035個/cm存在させていることが好ましい。前記通気孔を、平均で0.007〜0.035個/cmの好ましい範囲とすることにより、隔壁にPMが捕集された際の圧力損失の上昇を低減する効果、及び、PMの捕集効率を、より確実に両立させることが可能となるからである。さらに好ましい範囲は0.007〜0.017個/cmである。
また、本発明のハニカム構造体が、コージェライト、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、アルミナ、ムライト、チタン酸アルミ、LASから選ばれた何れか1種を主結晶相とするセラミックスからなることが好ましい。本発明のハニカム構造体では、捕集されたPMが一定量以上になると、これを燃焼させて、フィルタの再生が行われるため、前記のような耐熱性を有するセラミックスであれば、再生の際に、溶融などの損傷を受けないからである。特に、耐熱衝撃性が要求される、外径150mm、全長150mm以上の大型ハニカムフィルタの場合は、コージェライト、チタン酸アルミ、LASなどの低熱膨張特性を有するセラミックスが好ましく。また、PMを多量に補足、堆積させた状態で燃焼させたい場合には、炭化珪素、窒化珪素などの超耐熱セラミックスが好ましい。また、これらのセラミックスを適宜組み合わせても良いし、焼成助剤などを含有しても良い。
本発明のハニカム構造体において、流路の断面形状は、特に制限されるものではないが、三角形、四角形、六角形及び円形のうちの何れか形状とすることが好ましい。
また本発明のハニカム構造体において、隔壁2の厚さは0.1〜0.5mmが好ましく、隔壁2のピッチは1.0mm以上が好ましい。隔壁2の厚さが0.1mm未満では、隔壁2が多孔質であることからハニカム構造体10の強度が低下し、好ましくない。一方、隔壁2の厚さが0.5mmを超えると、排気ガスに対する隔壁2の通気抵抗が大きくなって、ハニカム構造体10の圧力損失が大きくなる。より好ましい隔壁2の厚さは、0.2〜0.4mmである。また、隔壁2のピッチが1.0mm未満であると、ハニカム構造体10の流入側端面7の開口面積が小さくなることから、ハニカム構造体10の圧力損失が大きくなる。
また、本発明のハニカム構造体において、隔壁2の気孔率は50〜80%であることが好ましい。排気ガスが隔壁2に形成された細孔を通過することから、隔壁2の気孔率が50%未満であると、ハニカム構造体10の圧力損失が上昇し、エンジンの出力低下につながるからであり、一方、隔壁2の気孔率が80%を超えると、隔壁2の強度が低下するため、使用時の熱衝撃や機械的振動により破損することがあるからである。平均細孔径は10〜40μmであることが好ましい。平均細孔径が10μm未満だと、ハニカム構造体10の圧力損失が上昇するからであり、一方、平均細孔径が40μmを超えると、隔壁2の強度が低下し、PMの捕集率が低下するからである。
また、本発明のハニカム構造体10において、封止部5、6の材質は、隔壁2と同一にすると、両者の熱膨張率が一致するため好ましい。また、封止部5、6の気孔率は、隔壁2の気孔率に比べて低い場合、同程度の場合、或いは高い場合いずれの場合でも良いが、隔壁2の気孔率より高い場合は、排気ガスが封止部5、6の細孔を通過することも可能となるため、PMの堆積が起こりにくくなることから好ましい。
本発明のハニカム構造体10の隔壁表面および細孔内には、Pt、Pd、Ru、Rh等の白金族金属、Ag、Cuや酸化チタニウム、酸化バナジウム、ゼオライト、などの触媒成分を担持しても良く、更に触媒成分と排気ガスの接触面積を大きくするため、公知のγアルミナ等の活性アルミナからなる高比表面積材料を担持しても良い。この触媒成分の効果により、炭化水素類、一酸化炭素、窒素酸化物を浄化したり、フィルタ内に堆積したPMを燃焼除去する際に、燃焼を促進させることができ、PMの浄化が容易になる。
本発明のハニカム構造体によれば、PMの捕集効率が高く、隔壁にPMが捕集堆積された状態でも、圧力損失の上昇が低く、しかも高強度を維持できるハニカム構造体を得ることができる。
実施の形態1に係るハニカム構造体10であり、(a)は、ハニカム構造体の端面模式図(矢視A)、(b)はハニカム構造体断面模式図(矢視B)、(c)は、(a)におけるC部拡大図である。 、実施の形態2に係るハニカムフィルタ20であり、(a)は、ハニカム構造体の一方の端面から見た模式図、(b)はハニカム構造体断面模式図、(c)は、(a)におけるE部拡大図である。 自動車の排気ガス中のPMを捕集、浄化する、従来のハニカムフィルタの一例を示し、(a)は正面模式図、(b)は側断面模式図である。 特許文献1に記載されるフィルタ40の断面図である。 特許文献2に記載されるハニカム構造体50の正面図である。 特許文献3に記載されるハニカム成形体60の側断面図である。 実施の形態2のハニカム構造体を得るための成形用口金70の断面模式図である。 公知のハニカム構造体押出成形用口金80の断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態の数例を、図面に基づき詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るハニカム構造体10であり、(a)は、ハニカム構造体の端面模式図(矢視A)、(b)はハニカム構造体断面模式図(矢視B)、(c)は、(a)におけるC部拡大図である。図1に示すハニカム構造体10は、外径が267mm、長さが304mm、壁厚0.3mm、隔壁ピッチ1.5mmで、気孔率60%、平均細孔径20μmであるコージェライトからなる多孔質の隔壁2により仕切られて軸方向に貫通する複数の排気ガスの流路3、4を有し、排気ガス流入側端面7及び排気ガス流出側端面8において、所定の流路3及び4が封止部5、6で封止されており、さらに隔壁2の交点部位2pを除く、流路3、4内にある隔壁2の一部に、幅(t)が0.3mmの通気孔9がハニカム構造体の全長に亘って形成されている。そして、ハニカム構造体10の端面7及び8において、この通気孔が各種形成されたハニカム構造体からなる試験NO.1〜8のフィルタを作成した。
得られた試験NO.1〜8のセラミックハニカムフィルタに対して、捕集率、圧力損失上昇率、及びアイソスタティック強度の評価を行った。結果を表1に示す。
ここで、捕集率は、圧力損失テストスタンドにて、フィルタに空気流量7.5Nm/minで、粒径0.042μmのカーボン粉を3g/hの投入速度で2時間投入した後の捕集率(%)を測定し、捕集率85%以上であれば合格(△)とし、より好ましい90%以上であれば(○)、更に好ましい95%以上であれば(◎)とし、85%未満の場合は不合格(×)として評価した。
また、圧力損失上昇率は、捕集率と同様、圧力損失テストスタンドにて、セラミックハニカムフィルタに空気流量7.5Nm/minで、粒径0.042μmのカーボン粉を3g/hの投入速度で投入し、17g(カーボン粉1g/フィルタ容積1L)投入した後の流入側と流出側の差圧を圧力損失(mmAq)として測定して、カーボン粉投入前の圧力損失に対する上昇率を算出した。圧力損失上昇率=100×{(カーボン1g/L投入後の圧力損失)−(カーボン投入前の圧力損失)}/(カーボン投入前の圧力損失)(%)。その結果、圧力損失上昇率25%以下であれば合格(△)とし、より好ましい20%以下であれば(○)とし、更に好ましい15%以下を(◎)、25%を越える場合を不合格(×)として圧力損失を評価した。
また、アイソスタティック強度試験は、社団法人自動車技術会発行の自動車規格(JASO)M505−87に基づき、セラミックハニカム構造体の軸方向両端面に厚さ20mmのアルミ板を当接して両端を密閉するとともに、外壁部表面を厚さ2mmのゴムで密着したものを、圧力容器に入れ、圧力容器内に水を導入して、外壁部表面から静水圧を加え、破壊したときの圧力を測定して、アイソスタティック強度とした。そして、アイソスタティック強度が1.5MPa以上の場合を合格(△)とし、さらに1.8MPa以上の好ましい場合を(○)、さらに2MPa以上の好ましい場合を(◎)とし、1.5MPa未満の場合を不合格(×)で示した。
そして、総合判定として、捕集率、圧力損失、アイソスタティック強度のいずれも判定が(○)または(◎)であるものを(○)、いずれかに(△)があるものを(△)、いずれかに(×)があるものを(×)で評価した。
Figure 2012152750
表1に示すように、本発明例である、試験NO.2〜7のフィルタは、隔壁の交点部位を除く箇所に幅0.3mmの通気孔9が形成されており、かつハニカム構造体の端面(流路方向垂直断面)における通気孔数が0.003〜0.07個/cmであることから、捕集率、圧力損失上昇率、及びアイソスタティック強度の判定が合格以上の(△)〜(◎)となり、総合判定も(△)または(○)となった。更に、通気孔数が好ましい範囲の0.007〜0.035個/cmである試験NO.3〜5のフィルタは総合判定が(○)となった。以上説明したように、本発明例である試験NO.2〜7のフィルタは、所定のPM捕集効率を確保できると共に、隔壁2に捕集されるPMの量が増加し、隔壁2が目詰まりを起こしても、流路3に流入した排気ガスの一部が通気孔9を介して、隣接する流路4に排出されるため、圧力損失の上昇率が、通気孔のない従来のハニカム構造体に比べて大幅に低下し、かつ、通気孔は隔壁の交点部位を除く箇所に形成されていることから、高強度を維持することができる。
図1に示す本発明のハニカム構造体10の製造方法について、隔壁の交点部位を除く部位に形成される通気孔に注目して説明する。本発明のハニカム構造体を構成するハニカム構造体を製造するにあたり、公知のハニカム構造体押出成形用口金の、隔壁を形成するための成形溝を塞ぐことにより、ハニカム構造体の押出成形時に、ハニカム構造体の両端面に連通した通気孔を形成することができる。このような、通気孔を有するハニカム構造の成形体を、焼成後、封止部を形成することにより、本発明のハニカム構造体を得ることができる。本方法によれば、押出成形時に容易に通気孔を形成できるが、通気孔を有さない従来技術のハニカム構造体を作製した後、通常の機械加工、レーザ加工や、電子ビーム加工等等の高エネルギー密度加工等の手段により、通気孔を形成しても良い。
(実施の形態2)
図2は、実施の形態2に係るハニカムフィルタ20であり、(a)は、ハニカム構造体の一方の端面から見た模式図、(b)はハニカム構造体断面模式図、(c)は、(a)におけるE部拡大図である。図2に示すハニカム構造体20は、外径が267mm、長さが300mm、隔壁厚さ0.3mm、隔壁ピッチ1.5mmで、気孔率60%、平均細孔径20μmであるコージェライトからなる多孔質の隔壁2により仕切られて軸方向に貫通する複数の排気ガスの流路3、4を有し、排気ガス流入側端面7及び排気ガス流出側端面8において、所定の流路3及び4が封止部5、6で封止されており、さらに隔壁2の交点部位2pを除く、流路3、4内にある隔壁2の一部に、幅(t)が0.2mm、長さ10mm以上の通気孔がハニカム構造体の端面から流路方向内部に連通して流路内部で閉塞9a、或いは、端面には現れず内部で閉塞した形態9bで形成されている。そして、ハニカム構造体10の流路方向断面において、この通気孔が各種形成されたハニカム構造体からなる試験NO.9〜14のフィルタを作成した。
Figure 2012152750
得られた試験NO.9〜14のセラミックハニカムフィルタに対して、実施の形態1と同様、捕集率、圧力損失上昇率、及びアイソスタティック強度の評価を行った。結果を表2に示す。なお、流路方向垂直断面における通気孔数の測定は、アイソスタティック試験終了後のフィルタの任意断面3箇所で行い、平均値で算出した。本発明例である、試験NO.10〜13のフィルタは、隔壁の交点部位を除く箇所に幅0.2mmの通気孔9a、9bが形成されており、かつハニカム構造体の流路方向垂直断面における通気孔数が0.003〜0.07個/cmであることから、捕集率、圧力損失上昇率、及びアイソスタティック強度の判定が合格以上の(△)〜(◎)となり、総合判定も(△)または(○)となった。以上説明したように、本発明例である試験NO.10〜13のフィルタは、所定のPM捕集効率を確保できると共に、隔壁2に捕集されるPMの量が増加し、隔壁2が目詰まりを起こしても、流路3に流入した排気ガスの一部が通気孔9a、9bを介して、隣接する流路4に排出されるため、圧力損失の上昇率が、通気孔のない従来のハニカム構造体に比べて大幅に低下し、かつ、通気孔は隔壁の交点部位を除く箇所に形成されていることから、高強度を維持することができる。
図2に示す本発明のハニカム構造体20の製造方法について、隔壁の交点部位を除く部位に形成される通気孔に注目して説明する。本発明のハニカム構造体を構成するハニカム構造体を製造するにあたり、公知のハニカム構造体押出成形用口金の、隔壁を形成するための成形溝を所定のタイミングで塞ぐことにより、ハニカム構造体の押出成形時に、通気孔を断続的に形成することができる。
また、公知のハニカム構造体押出成形用口金の少なくとも1ケ所の坏土供給孔において、坏土供給孔と成形溝の重複部分の長さを隣接する坏土供給孔に対して0.1〜5mmの範囲で異ならせることにより、通気孔を形成することができる。この理由について図7及び図8を用いて説明する。図8は、公知のハニカム構造体押出成形用口金80の断面図を示したものであり、この口金80は、一方の面にセラミック坏土を供給する坏土供給孔81が開口し、他方の面にはセラミックハニカム構造体の断面形状に対応する成形溝82が開口し、坏土供給孔と成形溝の重複部分Lbを備えている。この口金80によれば、口金80に供給された坏土は、供給孔81から重複部分Lbを経た後に、成形溝82において、隣接する供給孔81から供給する坏土同士が圧着、一体化されることにより、ハニカム構造の成形体として押し出される。一方、本件発明のハニカム構造体を構成するハニカム構造体を製造する、図7に示す口金70は、特定の坏土供給孔71aにおいて、坏土供給孔と成形溝の重複部分の長さLaを、隣接する坏土供給孔71に対して0.1〜5mmの範囲で異ならせることにより、隣接する成形溝72同士の押出方向長さが異なるため、成形溝における、坏土圧着が不十分となる場合が発生し、図2に示す通気孔9a、9bが流路方向に断続的に形成されたハニカム構造体20を得ることができる。
本方法によれば、押出成形時に容易に通気孔を形成できるが、通気孔を有さない従来技術のハニカム構造体を作製した後、通常の機械加工、レーザ加工や、電子ビーム加工等等の高エネルギー密度加工等の手段により、通気孔を形成しても良い。
(比較例)
特許文献2及び3の記載に基づき図5及び図6に示す形態のハニカム構造体からなる試験NO.15及び16のフィルタを作製した。フィルタの寸法、フィルタの材質等は実施の形態1及び2と同様とした。試験NO.15のフィルタは、図5に示す形態の隔壁の交点部位に隔壁が存在しない交点なし部が、ギャップ幅0.6mmで全長にわたって形成されており、交点なし部は20個形成されている。一方、試験NO.16のフィルタは、図6に示す形態の目封止部近傍に、流路一つ当たり一つのスリットが、幅0.6mm、長さ10mmの大きさで、形成されている。これらのフィルタに対して、実施の形態と同様の評価を行った結果を表3に示す。試験NO.15のフィルタは、隔壁の交点部位が欠落しているところが有るため、アイソスタティック強度の判定が(×)となり、試験NO.16のフィルタは、各流路に幅0.6mm、長さ10mmのスリットが形成されていたことから、捕集率の判定が(×)となった。
Figure 2012152750
10、20、30、40、50、60:ハニカムフィルタ(ハニカム構造体、フィルタ、ハニカム構造体)
1:外周壁
2:隔壁
2a:一壁面
2p:隔壁の交点部位
3、4:流路
5、6:封止部
7:流入側端面
8:流出側端面
9、9a、9b:通気孔
49:開口部
59:交点なし部
69:スリット
70、80:ハニカム構造体押出成形用口金
71、71a、81:坏土供給孔
72、82:成形溝
L1:封止部の長さ
L2:封止部の長さより深い長さ
La、Lb:重複部分の長さ

Claims (4)

  1. 多孔質の隔壁で仕切られた複数の流路を有し、所望の前記流路の端部または内部を封止したハニカム構造体であって、前記隔壁の交点部位を除く少なくとも一部に幅が0.05〜1mm、長さが10mm以上の通気孔が形成されており、前記通気孔が流路方向垂直断面において平均で0.003〜0.07個/cm存在していることを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記通気孔の幅が0.1〜0.4mmであることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記通気孔が流路方向垂直断面において平均で0.007〜0.035個/cm存在していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記ハニカム構造体が、コージェライト、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、アルミナ、ムライト、チタン酸アルミ、LASから選ばれた何れか1種を主結晶相とするセラミックスからなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のハニカム構造体。

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