JP2012152676A - 洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置全体での熱消費量を抑えた洗浄装置を実現することを目的とする。
【解決手段】
外部の給水箇所から水を供給する水供給ラインと、水供給ラインから供給された水を加熱して温水を生成する加熱手段と、加熱手段により生成された温水を第二洗浄手段に供給する第二供給ラインと、第一洗浄手段及び第二洗浄手段から噴射された温水を回収する回収タンクと、回収タンクに回収された温水を第一洗浄手段に供給する第一供給ラインと、回収タンクに溜まった温水を排出する排水ラインと排水ラインを流れる温水と加熱手段より上流において水供給ラインを流れる水との間で熱交換させる熱交換器とを備えた洗浄装置。
【選択図】図1
【解決手段】
外部の給水箇所から水を供給する水供給ラインと、水供給ラインから供給された水を加熱して温水を生成する加熱手段と、加熱手段により生成された温水を第二洗浄手段に供給する第二供給ラインと、第一洗浄手段及び第二洗浄手段から噴射された温水を回収する回収タンクと、回収タンクに回収された温水を第一洗浄手段に供給する第一供給ラインと、回収タンクに溜まった温水を排出する排水ラインと排水ラインを流れる温水と加熱手段より上流において水供給ラインを流れる水との間で熱交換させる熱交換器とを備えた洗浄装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、温水によって洗浄される被洗浄物を搬送する搬送装置と、前記搬送装置によって運ばれる前記被洗浄物に温水を噴射して前記被洗浄物を洗浄する第一洗浄手段と、前記第一洗浄手段により洗浄された前記被洗浄物に温水を噴射して前記被洗浄物をさらに洗浄又はすすぐ第二洗浄手段とを備えた洗浄装置に関する。
上記のように構成された洗浄装置に関連する技術として、特許文献1には、オーブンなどで食パン、スポンジケーキ、クッキーなどの食品を焼き上げるときに、これら食品を載せるための下敷きとして使用する天板を洗浄する天板洗浄機が開示されている。このような天板洗浄機は、製パン工場に設置されている。製パン工場においては、ライン上を流れる天板から焼き上がったパンを掬い出し、使用済みの天板が天板洗浄機へと送られ再度利用可能とするため、洗浄される。その他、この様な洗浄機における被洗浄物の例としては、コンテナ、ビンがある。
ここで、特許文献1においては、第二洗浄手段(すすぎ)に用いる約70℃の温水を、高温の排水に蓄えられた熱を用いることなく水道水を直接加温することで供給しており、この際必要なエネルギー量は少なくない。また、熱交換器を介して高温の排水に蓄えられた熱を利用しようとしても、上記洗浄装置における排水には不純物が多量に含まれており、長時間の使用により不純物が熱交換器内に堆積し、熱交換器の効率が低下するおそれがあった。
本発明は、上記実情に鑑み、装置内において用いられる温水を有効利用し、装置の運転に必要なエネルギー量を抑えた洗浄装置を実現することを目的とする。
本発明に係る温水によって洗浄される被洗浄物を搬送する搬送装置と、前記搬送装置によって運ばれる前記被洗浄物に温水を噴射して前記被洗浄物を洗浄する第一洗浄手段と、前記第一洗浄手段により洗浄された前記被洗浄物に温水を噴射して前記被洗浄物をすすぐ第二洗浄手段とを備えた洗浄装置の特徴構成は、外部の給水箇所から水を供給する水供給ラインと、前記水供給ラインから供給された前記水を加熱して温水を生成する加熱手段と、前記加熱手段により生成された前記温水を前記第二洗浄手段に供給する第二供給ラインと、前記第一洗浄手段及び前記第二洗浄手段から噴射された温水を回収する回収タンクと、前記回収タンクに回収された前記温水を前記第一洗浄手段に供給する第一供給ラインと、前記回収タンクに溜まった前記温水を排出する排水ラインと前記排水ラインを流れる前記温水と前記加熱手段より上流において前記水供給ラインを流れる前記水との間で熱交換させる熱交換器とを備えた点にある。
この構成によれば、第二供給ラインから供給された温水は、第二洗浄手段で利用された後、第一洗浄手段で有効利用され、さらに熱交換器を介して水供給ラインを流れる水と熱交換した後に、排出される。すなわち、水供給ラインを流れる水は、加熱手段によって加熱される前に、排水ラインを流れる比較的高温の水により、加温されるので、水供給ラインにより供給される水を加熱手段により所定の温度まで加熱するために必要なエネルギー量を抑えることが出来る。よって、水供給ラインから供給された温水の熱量をより有効に活用でき、装置の運転に必要なエネルギー量を抑えた洗浄装置を実現できる。
また、前記水供給ラインから分岐し、前記排水ラインにおいて前記熱交換器よりも前記回収タンク側に接続される第三供給ラインをさらに備え、前記第三供給ラインが前記排水ラインに接続される接続部の上流で、当該接続部に近接して、水が通過することで生じる剥離現象によって、前記第三供給ラインからの水を、前記排水ラインにおいて前記回収タンク側への逆流を防止して、前記熱交換器側へ流通させるオリフィスを備えると好適である。
この構成によれば、水供給ラインから第三供給ラインを介して、熱交換器側のみに水を流すことができる。これにより、排水ラインを流れる排水により汚れた熱交換器を効果的に洗浄することができ、熱交換器の効率の低下を防ぐことが出来る。また、接続部に可動部材を設けないので、装置の運転に必要なエネルギー量を抑えられるとともに、耐久性に優れた洗浄装置を実現できる。
さらに、前記第三供給ラインが制御弁を備え、前記制御弁を開弁させて前記熱交換器への水の供給を行う洗浄運転を実行可能な洗浄手段が備えられ、前記洗浄手段は、前記第一洗浄手段と前記第二洗浄手段とが停止している場合に、洗浄運転を実行すると好適である。
この構成によれば、前記第一洗浄手段と前記第二洗浄手段とが停止しているときに、第三供給ラインを介して、熱交換器が洗浄される。このように洗浄装置が停止しているときに洗浄を行うので、装置の稼動効率を落とすことなく、熱交換器の効率の低下を防ぐことが出来る洗浄装置を実現できる。
また、前記被洗浄物が、食品工場において食品の加工に使用される食品加工用板状体であると好適である。
このような洗浄装置で、食品の加工に使用される食品加工用板状体を洗浄する場合、排水ラインには、食品加工用板状体を洗浄した際に流れる食品の切れ端などの有機物が含まれる。このような排水が流れる場合には、洗浄装置が停止している間に排水ラインに設けられた熱交換器内で有機物が固着し、熱交換器の熱交換効率が低下する。
この構成によれば、熱交換器が詰り易いタイミングで熱交換器を洗浄するため、熱交換器の効率低下を効果的に抑えることが出来る。よって、熱消費量を抑えた洗浄装置の性能維持をより効果的に行うことが出来る。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
1.装置構成
1−1.全体構成
本発明に係る洗浄装置1は、食品工場において食品の加工に使用される食品加工用板状体を洗浄、乾燥する装置である。本実施形態においては、食品加工用板状体として、オーブンで食パンなどの食品を焼き上げるときに、これら食品を載せるための下敷きとなる天板2を扱う。この天板2は、洗浄装置1に搬送されてくる段階では、パン材料の焼き残りや食用加工油脂が付着している。
本実施形態においては、天板2が本発明における「被洗浄物」に相当する。
1−1.全体構成
本発明に係る洗浄装置1は、食品工場において食品の加工に使用される食品加工用板状体を洗浄、乾燥する装置である。本実施形態においては、食品加工用板状体として、オーブンで食パンなどの食品を焼き上げるときに、これら食品を載せるための下敷きとなる天板2を扱う。この天板2は、洗浄装置1に搬送されてくる段階では、パン材料の焼き残りや食用加工油脂が付着している。
本実施形態においては、天板2が本発明における「被洗浄物」に相当する。
図1に示すように、洗浄装置1は、筐体5と、天板2を筐体5外から筐体5を貫通して一方向へ水平搬送(図1において左から右へ搬送)するベルトコンベア3とを備えている。さらに、筐体5内には、ベルトコンベア3によって運ばれる天板2に対し、垂直上方から温水を噴射して天板2を洗浄する洗浄ノズル11と、洗浄ノズル11により洗浄された天板2に対し、垂直上方から温水を噴射して天板2をさらに洗浄又はすすぐ、すすぎノズル21とを備えている。加えて、これら洗浄ノズル11、すすぎノズル21により洗浄された天板2を、乾燥させるために熱風を天板2の垂直上方から吹きつける、乾燥用ファン4が備えられている。このような構成により、洗浄装置1に搬送された天板2は、洗浄ノズル11とすすぎノズル21とにより洗浄された後、乾燥用ファン4により乾燥され、再びオーブンで食パンなどを焼き上げるために利用される。
本実施形態においては、ベルトコンベア3が本発明における「搬送装置」に相当し、洗浄ノズル11が「第一洗浄手段」に相当し、すすぎノズル21が「第二洗浄手段」に相当する。
1−2.第一供給ライン及び第二供給ライン
本実施形態において、洗浄装置1は、外部の給水箇所から水道水を取り込み、後述する多管式熱交換器32を介して、洗浄装置1に水を供給する補給水ライン26を備えている。補給水ライン26は、洗浄装置1内に設けられたすすぎタンク23の側面上部に接続されている。
本実施形態において、洗浄装置1は、外部の給水箇所から水道水を取り込み、後述する多管式熱交換器32を介して、洗浄装置1に水を供給する補給水ライン26を備えている。補給水ライン26は、洗浄装置1内に設けられたすすぎタンク23の側面上部に接続されている。
本実施形態においては、補給水ライン26が本発明における「水供給ライン」に相当し、熱交換器洗浄ライン41が本発明における「第三供給ライン」に相当する。
すすぎタンク23には、補給水ライン26から供給された水を加熱して温水を生成するすすぎ用蒸気供給ノズル24が備えられている。具体的には、補給水ライン26が接続された箇所よりも下部にすすぎ用蒸気供給ノズル24が設けられており、すすぎタンク23内に溜められた水は、すすぎ用蒸気供給ノズル24から供給される高温の蒸気によって、所定の温度(本実施形態においては70℃)に加温される。
本実施形態においては、すすぎ用蒸気供給ノズル24が本発明における「加熱手段」に相当する。
さらに、すすぎタンク23には、すすぎ用蒸気供給ノズル24により生成された温水をすすぎノズル21に供給するすすぎライン22が備えられている。すすぎタンク23内にはすすぎポンプ25が設けられており、このすすぎポンプ25は、すすぎライン22を介してすすぎノズル21に温水を供給する。本実施形態においては、すすぎライン22は、すすぎタンク23内のすすぎポンプ25に接続され、すすぎポンプ25から垂直上方に伸び、上部でベルトコンベア3にオーバーハングするよう水平方向に伸びた概略L字状のパイプによって形成されている。このパイプには、ベルトコンベア3を搬送される天板2の垂直上方に当たる位置に、すすぎノズル21が設けられている。
本実施形態においては、すすぎライン22が本発明における「第二供給ライン」に相当する。
また、洗浄装置1は、洗浄ノズル11及びすすぎノズル21から噴射された温水を、筐体5下部で回収する洗浄タンク13を備えている。洗浄タンク13は、タンク上部に、図示しないフィルターを備えており、このフィルターにより洗浄タンク13に回収される温水はろ過される。これにより、後述の多管式熱交換器32の熱交換効率を低下させる可能性が高い比較的大きな汚れは、回収される温水から取り除かれる。洗浄タンク13は、水位が一定量以上になるとタンク上部から一定量を越えた水が溢れ出すオーバーフロータンクである。また、洗浄タンク13は、洗浄タンク13に溜まり溢れ出した温水を排出するための排水ライン31に接続されている。ここで、排水ライン31は、排水ライン31を流れる温水とすすぎ用蒸気供給ノズル24及びすすぎタンク23より上流において補給水ライン26を流れる水との間で熱交換させる多管式熱交換器32を備えている。ここで、多管式熱交換器32は、すすぎ用蒸気供給ノズル24及びすすぎタンク23より上流、すなわち、すすぎ用蒸気供給ノズル24とは異なる位置に備えられている。
本実施形態においては、洗浄タンク13が本発明における「回収タンク」に相当する。
洗浄タンク13の側面には、回収された温水を、高温の蒸気により所定の温度(本実施形態においては70℃)に加温する洗浄用蒸気供給ノズル14が備えられている。これにより、洗浄ノズル11から噴射される温水による洗浄効果を一層高めることが出来る。
さらに、洗浄タンク13には、回収された温水を洗浄ノズル11に供給する洗浄ライン12が備えられている。洗浄タンク13内には、洗浄ポンプ15が設けられており、この洗浄ポンプ15は、洗浄ライン12を介して洗浄ノズル11に温水を供給する。本実施形態においては、洗浄ライン12は、洗浄タンク13内の洗浄ポンプ15に接続され、洗浄ポンプ15から垂直上方に伸び、上部でベルトコンベア3にオーバーハングするように水平方向に伸びた概略L字状のパイプによって形成されている。このパイプには、ベルトコンベア3を搬送される天板2の垂直上方に当たる位置に、洗浄ノズル11が設けられている。
本実施形態においては、洗浄ライン12が本発明における「第一供給ライン」に相当する。
1−3.洗浄手段
次に、多管式熱交換器32周辺の構造について、図1及び図2を用いて説明する。
次に、多管式熱交換器32周辺の構造について、図1及び図2を用いて説明する。
本実施形態では、食品を載せるための下敷きとなる天板2を洗浄するため、排水ライン31を流れる温水は、上述の洗浄タンク13に設けられたフィルターを通り抜けた細かな汚れなどにより白濁している。この白濁した状態の温水が排水ライン31を流れると、次第に多管式熱交換器32内に汚れが蓄積し、多管式熱交換器32の性能が低下する。このため、本実施形態においては、多管式熱交換器32を洗浄するための洗浄手段を備えている。
洗浄装置1は、図1に示すように、多管式熱交換器32の洗浄の際用いられる熱交換器洗浄ライン41を備えている。熱交換器洗浄ライン41は、補給水ライン26において多管式熱交換器32よりも上流の位置から分岐し、排水ライン31において多管式熱交換器32よりも洗浄タンク13側に接続されるラインである。
本実施形態においては、熱交換器洗浄ライン41が本発明における「第三供給ライン」に相当する。
熱交換器洗浄ライン41は、補給水ライン26と接続される側に制御弁42を備え、排水ライン31と接続される側にオリフィス43を備えている。ここで、洗浄装置1は、制御弁42の開閉、と洗浄ポンプ15及びすすぎポンプ25の動作(動作開始又は動作停止)を制御する制御手段6を備えている。このように構成されているため、制御手段6は、制御弁42を開弁させるとともに、洗浄ポンプ15及びすすぎポンプ25を停止させることで、補給水ライン26を流れる水を多管式熱交換器32へ供給する洗浄運転を実行できる。
本実施形態においては、制御手段6が本発明におけるこれまで説明してきた第一洗浄手段、第二洗浄手段とは別の第三の「洗浄手段」に相当する。
排水ライン31と熱交換器洗浄ライン41との接続部44の詳細を、図2に示す。図2において、上下方向は垂直方向と一致している。すなわち、接続部44においては、垂直方向に伸びる排水ライン31が水平方向に90°で曲がる箇所に、熱交換器洗浄ライン41が接続されている。ここで、熱交換器洗浄ライン41は、熱交換器洗浄ライン41と排水ライン31の水平方向に伸びる部分とが水平方向に一直線に並ぶように接続されている。そして、熱交換器洗浄ライン41が排水ライン31に接続される接続部44において、熱交換器洗浄ライン41側の上流には、当該接続部44に近接して、オリフィス43が備えられている。
次に、上述のオリフィス43の働きについて説明する。オリフィス43は、上流側(図2において右側、接続部44における熱交換器洗浄ライン41側)にナイフエッジを備え、下流側(図2において左側)には開き角が90°の広がり孔を備えた板である。熱交換器洗浄ライン41を流れる水がオリフィス43を通過すると、図2に示すように、オリフィス43の下流側では水は縮流となり、一時的に壁から剥離する剥離現象が起きる。このような構成により、図示するように、縮流の管内壁への付着点は、排水ライン31の開口部より下流側となる。本実施形態においては、前述のように熱交換器洗浄ライン41から流れる水が、排水ライン31の垂直方向に延びる部分に接触することなく、排水ライン31の水平方向に伸びる部分へと流通するように、オリフィス43の穴径及び熱交換器洗浄ライン41を流れる流量を実験的に決定している。これにより、熱交換器洗浄ライン41から供給される水は、オリフィス43による剥離現象によって、排水ライン31において洗浄タンク13側へ逆流することが防止され、排水ライン31において多管式熱交換器32へ流通することが可能となっている。
2.洗浄運転
次に、洗浄装置1の洗浄運転について説明する。上述のように、制御手段6は、洗浄ポンプ15とすすぎポンプ25とを停止させ、洗浄ノズル11とすすぎノズル21とが停止している場合に洗浄運転を実行する。本実施形態においては、制御手段6は、洗浄ノズル11とすすぎノズル21とが停止する度に、一定時間、洗浄運転を実行するように構成されている。
次に、洗浄装置1の洗浄運転について説明する。上述のように、制御手段6は、洗浄ポンプ15とすすぎポンプ25とを停止させ、洗浄ノズル11とすすぎノズル21とが停止している場合に洗浄運転を実行する。本実施形態においては、制御手段6は、洗浄ノズル11とすすぎノズル21とが停止する度に、一定時間、洗浄運転を実行するように構成されている。
3.性能テスト
多管式熱交換器32を設けたことによる効果を確認するため、まず多管式熱交換器32の性能テストを行った。その結果、多管式熱交換器32を設けたことにより、補給水ライン26に供給される水(28℃)を15℃程度加熱できることが確認できた。
多管式熱交換器32を設けたことによる効果を確認するため、まず多管式熱交換器32の性能テストを行った。その結果、多管式熱交換器32を設けたことにより、補給水ライン26に供給される水(28℃)を15℃程度加熱できることが確認できた。
この試験において、洗浄運転を行わずに洗浄装置1を80時間運転した。この試験において、排水ライン31において多管式熱交換器32に入る排水の温度及び、補給水ライン26において多管式熱交換器32に入る水の温度はほぼ一定であった。図3に、80時間連続運転した際の補給水ライン26において、多管式熱交換器32によって加熱された直後の平均水温を示す。図3から分かるように、洗浄装置1の運転を一旦停止後、再運転する度に、多管式熱交換器32の熱交換性能が低下していることが確認できた。また、80時間運転した後に多管式熱交換器32の内部を観察したところ、ヘドロ状の汚れが管内にこびりついていることが確認できた。このことから、排水ライン31を流れる排水に僅かに含まれているパン材料の焼き残りや食用加工油脂などの残滓が、洗浄装置1の運転を停止する度に多管式熱交換器32管内に蓄積、固着していると推測される。そのため、洗浄装置1に多管式熱交換器32を設けた場合、洗浄装置1の運転停止の度に洗浄する必要があると考えられる。
そこで、次に、多管式熱交換器32を洗浄するために実装した洗浄装置1の洗浄運転による効果を確認するため、洗浄装置1を24時間運転した後、洗浄運転を行った。24時間の運転後、多管式熱交換器32の管内を確認すると、管軸方向の断面積において3/4が上述の残滓により詰まっていた。確認後、10秒間洗浄運転を行ったところ、汚れが1/2程度まで減ったことを確認できた。さらに50秒間洗浄運転を行うことで、管内の汚れをほぼ除去できることが確認できた。
以上の結果から、本発明に係る洗浄装置1の洗浄運転により多管式熱交換器32の性能を維持できることが確認できた。また、この結果から、本発明に係る洗浄装置1を用いれば、装置全体での熱消費量を抑えることができることを実証できたと考えられる。
〔その他の実施例〕
(1)上記の実施形態では、熱交換器洗浄ライン41から供給される水が、排水ライン31において洗浄タンク13側へ逆流することを防止するため、オリフィス43を備える構成の一例を説明した。しかし、本発明の適用範囲はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、例えば、接続部44において、オリフィス43を備えず、排水ライン31側の上流、及び熱交換器洗浄ライン41の上流に空圧弁を備え、排水ライン31又は熱交換器洗浄ライン41のいずれかからのみ多管式熱交換器32に水を流せるように洗浄装置1を構成してもよい。
(2)上記の実施形態では、洗浄ノズル11とすすぎノズル21とが停止する度に、洗浄運転を自動実行する洗浄装置1の構成の一例について説明した。しかし、本発明の適用範囲はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、例えば、洗浄装置1の使用者が任意のタイミングで制御弁42を開き、洗浄運転を実行できるよう洗浄装置1を構成してもよい。
(3)上記の実施形態では、洗浄ノズル11とすすぎノズル21とが停止する度に、一定時間、洗浄運転を実行する洗浄装置1の構成の一例について説明した。しかし、本発明の適用範囲はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、多管式熱交換器32の詰りを軽減できる程度に洗浄運転を行えればよい。例えば、10時間に一度の割合になるように、洗浄ノズル11とすすぎノズル21とが停止するタイミングで間欠的に洗浄運転を実行してもよい。
(4)上記の実施形態では、被洗浄物として、食品工場において食品の加工に使用される食品加工用板状体、特にオーブンで食パンなどの食品を焼き上げるときに、これら食品を載せるための下敷きとなる天板2を洗浄する洗浄装置1の構成の一例を説明した。しかし、本発明の適用範囲はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、例えば、被洗浄物としては、コンテナ、パレット、及び食器など温水による洗浄を行えるものであれば如何なるものでもよく、それら被洗浄物を洗浄する洗浄装置1としてもよい。
温水によって洗浄される被洗浄物を搬送する搬送装置と、前記搬送装置によって運ばれる前記被洗浄物に温水を噴射して前記被洗浄物を洗浄する第一洗浄手段と、前記第一洗浄手段により洗浄された前記被洗浄物に温水を噴射して前記被洗浄物をすすぐ第二洗浄手段とを備えた洗浄装置として用いることができる。
1 :洗浄装置
2 :天板(被洗浄物)
3 :ベルトコンベア(搬送装置)
6 :制御手段(洗浄手段)
11 :洗浄ノズル(第一洗浄手段)
12 :洗浄ライン(第一供給ライン)
13 :洗浄タンク(回収タンク)
21 :すすぎノズル(第二洗浄手段)
22 :すすぎライン(第二供給ライン)
24 :すすぎ用蒸気供給ノズル(加熱手段)
26 :補給水ライン(水供給ライン)
31 :排水ライン
32 :多管式熱交換器
41 :熱交換器洗浄ライン(第三供給ライン)
42 :制御弁
43 :オリフィス
44 :接続部
2 :天板(被洗浄物)
3 :ベルトコンベア(搬送装置)
6 :制御手段(洗浄手段)
11 :洗浄ノズル(第一洗浄手段)
12 :洗浄ライン(第一供給ライン)
13 :洗浄タンク(回収タンク)
21 :すすぎノズル(第二洗浄手段)
22 :すすぎライン(第二供給ライン)
24 :すすぎ用蒸気供給ノズル(加熱手段)
26 :補給水ライン(水供給ライン)
31 :排水ライン
32 :多管式熱交換器
41 :熱交換器洗浄ライン(第三供給ライン)
42 :制御弁
43 :オリフィス
44 :接続部
Claims (4)
- 温水によって洗浄される被洗浄物を搬送する搬送装置と、前記搬送装置によって運ばれる前記被洗浄物に温水を噴射して前記被洗浄物を洗浄する第一洗浄手段と、前記第一洗浄手段により洗浄された前記被洗浄物に温水を噴射して前記被洗浄物をすすぐ第二洗浄手段とを備えた洗浄装置であって、
外部の給水箇所から水を供給する水供給ラインと、
前記水供給ラインから供給された前記水を加熱して温水を生成する加熱手段と、
前記加熱手段により生成された前記温水を前記第二洗浄手段に供給する第二供給ラインと、
前記第一洗浄手段及び前記第二洗浄手段から噴射された温水を回収する回収タンクと、
前記回収タンクに回収された前記温水を前記第一洗浄手段に供給する第一供給ラインと、
前記回収タンクに溜まった前記温水を排出する排水ラインと
前記排水ラインを流れる前記温水と前記加熱手段より上流において前記水供給ラインを流れる前記水との間で熱交換させる熱交換器とを備えた洗浄装置。 - 前記水供給ラインから分岐し、前記排水ラインにおいて前記熱交換器よりも前記回収タンク側に接続される第三供給ラインをさらに備え、
前記第三供給ラインが前記排水ラインに接続される接続部の上流で、当該接続部に近接して、水が通過することで生じる剥離現象によって、前記第三供給ラインからの水を、前記排水ラインにおいて前記回収タンク側への逆流を防止して、前記熱交換器側へ流通させるオリフィスを備えることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。 - 前記第三供給ラインが制御弁を備え、
前記制御弁を開弁させて前記熱交換器への水の供給を行う洗浄運転を実行可能な洗浄手段が備えられ、
前記洗浄手段は、前記第一洗浄手段と前記第二洗浄手段とが停止している場合に、洗浄運転を実行する請求項2に記載の洗浄装置。 - 前記被洗浄物が、食品工場において食品の加工に使用される食品加工用板状体である請求項3に記載の洗浄装置。
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CN105080879A (zh) * | 2015-08-04 | 2015-11-25 | 苏州好洁清洁器具有限公司 | 一种用于切割生肉平板的清洗机 |
JP2019147626A (ja) * | 2016-04-07 | 2019-09-05 | 大日本印刷株式会社 | 飲料充填装置の洗浄・殺菌方法及び装置 |
US11034566B2 (en) | 2015-12-22 | 2021-06-15 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Sterilization process transition method, product filling apparatus, and method and apparatus of cleaning and sterilizing the product filling apparatus |
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