以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1は、本実施例におけるパチンコ機の遊技盤8の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
また、窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される第1特別図柄表示装置29、上方右には左と同一部材の第2特別図柄表示装置30と、中央には4個の発光部材で構成される第2特別図柄保留数表示装置30aが設けられており、窓部28a下には同様に4個の発光部材で構成される第1特別図柄保留数表示装置29aが設けられている。
液晶枠飾り28の左右両側又は左側には普通図柄作動ゲート42が設けられており、下側には第1始動口31と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40が第2始動口32として設けられている。また普通電動役物40には、7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置41が配置されている。第2始動口32の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置41aが設けられている。また、大入賞口ユニット33の左右両側には、一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。尚、計4個の一般入賞口35aのそれぞれに配置された一般入賞口スイッチ35b、35c、35d、35eは遊技盤正面から見た一般入賞口35aの位置によって区別され、右側上には一般入賞口スイッチ35b、右側下には一般入賞口スイッチ35c、左側上には一般入賞口スイッチ35d、左側下には一般入賞口スイッチ35e、が配置されている。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ42a(図2参照)が遊技球を検出し入賞と判定)すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、普通電動役物40の羽根部材が駆動して、普通電動役物40への入球が可能となるように構成されている。尚、本実施形態におけるパチンコ機では、普通電動役物40の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時は0.3秒(1回)、時短状態(開放延長状態)では5.0秒(1回)である。尚、遊技球が1個入賞した際に獲得する賞球数は、第1始動口31と第2始動口32は3個、大入賞口33aは14個、一般入賞口35aは10個に設定されている。
第1始動口31に遊技球が入球(第1始動口スイッチ31a(図2参照)が遊技球を検出し入賞と判定)すると、第1特別図柄表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に遊技球が入球(第2始動口スイッチ32a(図2参照)が遊技球を検出し入賞と判定)すると、第2特別図柄表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動停止を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球が可能となるように構成されている。
続いて、図2に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。尚、遊技盤8を装着するパチンコ機本体に関する部品は図示を省略している。
主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ31aと、第2始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35b(右上)、35c(右下)、35d(左上)、35e(左下)とが接続されている。また、裏配線中継端子板を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチと、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチと、が接続されている。なお、主制御装置50の入力端に接続された各種入賞検出スイッチ(第1始動口スイッチ31a、第2始動口スイッチ32a、普通図柄作動スイッチ42a、カウントスイッチ33b、一般入賞口スイッチ35b、35c、35d、35e)は、電波(電磁波)ゴトに有効なスイッチとしてノーマルクローズタイプ(NCタイプ)の近接スイッチ(遊技球通過孔を備えた形状)を用いている。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイドと、普通電動役物40の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイドとが接続されており、図柄表示装置中継端子板を介して第1特別図柄を表示する第1特図表示装置29と、第1特別図柄の保留数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄を表示する第2特図表示装置30と、第2特別図柄の保留数を表示する第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置41と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置41aとが接続されており、裏配線中継端子板及び外部接続端子板を介して図示しないホールコンピュータと、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板を介して球タンク又はタンクレール内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチと、裏配線中継端子板及び払出中継端子板を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ24bと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ13aと、エラー解除スイッチ76と、が接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板及び払出中継端子板を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ24aと、球切れ表示LEDと、下皿満杯表示LEDと、異常状態報知LED75と、エラーNO表示LED74と、が接続されている。
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置とは払出制御装置51から発射制御装置への一方向通信回路として構成されている。
また、払出制御装置51は、外部接続端子板を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置は発射モータを制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置には払出制御装置51以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチからのタッチ信号、発射停止スイッチから発射停止スイッチ信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置51に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプと、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカと、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置とはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置への一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニットの演出図柄制御装置に出力する。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチが備えられ、音量調節スイッチの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカへ送信する内容とを判断し、スピーカから出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置は、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置を制御して、演出図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
次に、図3を用いて、主制御装置50が実行するメインルーチンについて説明する。図3に示すフローチャートは、主制御装置50のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2mS毎のハード割り込みにより定期的に実行される処理である。本実施形態では、S10〜S75までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS80、S85の処理を「残余処理」と称する。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、前記メモリの所定領域に所定値を書き込む特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為され(S13)、残余処理に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、各種乱数についての更新処理が順次行なわれる。まず初期値乱数1の更新処理が実行される(S15)。この処理は、初期値乱数1の値について、この処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数1の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S15の処理後には、初期値乱数2の更新処理が実行される(S20)。この処理はS15の処理と同様に初期値乱数2の値について、実行毎に+1するインクリメント処理である。違いは、初期値乱数1の最大値が「3966」であるのに対して初期値乱数2の最大値が「997」であるということである。よって、この処理を実行する前の初期値乱数2の乱数値が最大値である「997」のときは次回の処理で初期値である「0」に戻る。尚、初期値乱数1は大当り判定(特別図柄の抽選)に使用するものであり、初期値乱数2は当り判定(普通図柄の抽選)に使用するものである。
S20に続く大当り判定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数1、初期値乱数2の更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「3966」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期値乱数1の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期値乱数1の値を初期値とし「0」〜「3966」までの3967個の整数値を繰り返し作成する。
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの整数値とすることは前記初期値乱数1と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、大当り判定用乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの3967個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期値乱数1により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「3966」の3967個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。
尚、通常確率状態時の当選値の数は10で、値は「775」〜「777」、「1775」〜「1777」、「2774」〜「2777」であり、高確率状態時の当選値の数は100で、値は「775」〜「777」、「1314」〜「1333」、「1758」〜「1777」、「2758」〜「2777」、「3314」〜「3333」である。
S25に続く当り判定用乱数更新処理(S30)は、初期値乱数1、初期値乱数2の更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「996」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期値乱数2の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期値乱数2の値を初期値とし「0」〜「996」までの997個の整数値を繰り返し作成する。
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「996」までの整数値とすることは前記初期値乱数2と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、当り判定用乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「996」までの997個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期値乱数1により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「996」の997個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。尚、通常確率状態時の当選値の数は10で、値は「31」〜「40」であり、高確率状態時の当選値の数は966で、値は「31」〜「996」である。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S35)は「0」〜「19」の20個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る構成になっており、この20個の乱数値により20種類の大当り図柄より1つの大当り図柄が決定され、第1特別図柄、第2特別図柄共に同じ大当り図柄を使用する構成になっている。
第1始動口31に入賞したことに起因して行われる大当り抽選(遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かを抽選する)で大当りと判断される確率と第2始動口32に入賞したことに起因して行われる大当り抽選で大当りと判断される確率は、通常遊技状態では1/396.7、高確率遊技状態では1/ 39.67で同じであるが、大当りした際に行われる大当り遊技の内容が第1始動口31に入球して大当りになった場合よりも第2始動口32に入球して大当りになった場合のほうが、大当り遊技中に多く賞球が得られる大当りになる確率が高くなっている。なお、確変大当りになる確率は第1始動口31に入球して抽選が行われた場合と第2始動口32に入球して抽選が行われた場合とで変化はない(同じ確率である)。
小当り図柄決定用乱数更新処理(S40)は「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1されて最大値を超えると初期値である「0」に戻る。小当りを示す図柄は2種類であり、小当り図柄決定用乱数によって、どちらの小当りを示す図柄を選択するか決定する。尚、小当りを示す図柄は、第1特別図柄、第2特別図柄とも同じになっている。また、ハズレを示す特別図柄も第1特別図柄、第2特別図柄で同じになっており、ハズレを示す図柄は「−−」の1種類になっているので外れ図柄を決定するための乱数は備えていない。また、普通図柄の当り図柄もハズレ図柄も共に1種類しか存在しないので当り図柄又はハズレ図柄を決定するための乱数は備えていない。
リーチ判定用乱数更新処理(S45)は「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21個で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5個で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6個で、値は「0」〜「5」である。
変動パターン決定用乱数の更新処理(S50)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。尚、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は第1始動口31又は第2始動口32に遊技球が入賞(第1始動口スイッチ31a又は第2始動スイッチ32aが遊技球を検出し入賞と判定)することで抽出され、当り判定用乱数は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過(普通図柄作動スイッチ42aが遊技球を検出し入賞と判定)することで抽出される。
続く入賞確認処理(S55)では、遊技領域26に設けられた各入賞口へ遊技球が正規に入球したか否か及び普通図柄作動ゲート42を遊技球が正規に通過したか否かを判定する処理である。判定内容の詳細は後述するが、この入賞確認処理において遊技球の正規入賞と判定されることによって、各入賞口への入賞に基づく賞球の払出し及び各種乱数値の抽出等が実施される。また、この入賞確認処理においては、入賞検出スイッチ(近接スイッチ)の検出状態に応じて電波(電磁波)によるゴト行為の可能性が高ければエラー1と判定し、大玉によるゴト行為の可能性が高ければエラー2と判定される。
続いては、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての特図当否判定処理(S60)、普通図柄抽選が当りか否かを判定する普図当否判定処理(S65)行う。この特図当否判定処理(S60)、普図当否判定処理(S65)が終了すると、画像出力処理等の各出力処理(S70)が実行される。
各出力処理(S70)では、遊技の進行に応じて主制御装置50は演出図柄制御装置54a、払出制御装置51、発射制御装置、サブ統合制御装置53、大入賞口ソレノイド、普電役物ソレノイド等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S55)により遊技盤8に設けた各入賞口へ遊技球が入賞したことが確認されたときには、賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置51に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置53に出力する処理を、遊技機に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置54a及びホールコンピュータ等にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
続く不正監視処理(S75)は、一般入賞口に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数1の更新処理(S80)、初期値乱数2の更新処理(S85)から構成されるが、各々前述したS15、S20の処理と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで、時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S75までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行(特別遊技の実行)するか否か、特別図柄(第1又は第2)の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数1、初期値乱数2の更新される(加算される)値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数1が大当り判定用乱数と、初期値乱数2が当り判定用乱数と同期する可能性はなくなる。尚、本実施形態においては、大当り判定用乱数の更新は初期値乱数1の値により変更され、当り判定用乱数は初期値乱数2の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。
次に、本発明の内容と比較するために、従来機における近接スイッチを用いた遊技球の入賞検出と主制御装置50における入賞判定の内容について、図4を用いて説明する。図4の上の図は、入賞口への遊技球入賞を検出するために本実施例におけるパチンコ遊技機を含む多くのパチンコ遊技機で使用される近接スイッチの形状を示す近接スイッチ形状図となる。図に示すように、近接スイッチが備える遊技球通過孔を遊技球が通過すると、近接スイッチの検出部が遊技球を検出し、遊技球の検出を継続する期間において検出状態を示す信号を主制御装置50に送信する構成となっている。
遊技領域26に配置された各入賞口は、そのデザインや機能によって入賞口内の構造が異なるため、入賞口内に組付けられた近接スイッチの遊技球通過孔を遊技球が通過する速度は該構造に依存するが、近接スイッチの検出部を通過する時間は概ね10ms〜14msとなっている。但し、例えば普通図柄作動ゲート42のように、遊技球が転動する勢いを殺す障害物に接触することなく近接スイッチの遊技球通過孔を通過する可能性のある入賞口については、想定外の速度で遊技球が通過する場合もある。
近接スイッチ形状図の下のタイミングチャートは、従来機における近接スイッチの入賞検出時間と主制御装置50の定時割込み時間と入賞処理(入賞判定)との関係を示している。一番上のタイミングチャートは、ノーマルオープンタイプ(NOタイプ)の近接スイッチが遊技球を12ms検出した場合であり、その下のタイミングチャートは、ノーマルクローズタイプ(NCタイプ)の近接スイッチが同様に遊技球を12ms検出した場合である。NOタイプでは、遊技球の非検出時に検出状態が「L」(0)、検出時に検出状態が「H」(1)となり、NCタイプでは、遊技球の非検出時に検出状態が「H」(1)、検出時に検出状態が「L」(0)となる。但し、NCタイプの検出状態信号(スイッチ信号)は、主制御装置50には反転して入力されるため、主制御装置50が受信する内容はNOタイプと同一(遊技球検出状態では「H」(1)、非検出状態では「L」(0))となる。
近接スイッチが遊技球の非検出状態から遊技球を検出すると、主制御装置50の定時割込時間が2msであるため、SW信号の変化から2ms以内に検出状態の変化を検知する。最下部のタイミングチャートに示すように、従来機においては、このスイッチ信号が非検出状態(0)から検出状態(1)に変化(検出信号の立上り又は立下り)したことを定時割込処理で検知した時点で入賞判定を実施し、入賞処理として該入賞判定に基づいて各出力処置(S70)が実施された。
次も本発明の内容と比較するために、図5を用いて従来機における近接スイッチへの電波照射によるゴト行為の内容を説明する。所謂電波ゴトといわれる不正行為は、「L」状態の近接スイッチに電磁波を照射し、該電磁波の周期に合わせて「L」状態の信号を「H」状態に持ち上げることによって偽の入球信号を主制御装置50に送信し、不正に賞球及び乱数を取得する行為である。
タイミングチャートに示すように、NCタイプの近接スイッチが遊技球を検出することによりスイッチ信号が「H」から「L」に変化した期間(図の例では12ms)では、本来ならば6回の定時割込処理中は検出状態の「L」(0)を継続し、主制御装置50にはスイッチ信号として反転した「1」を6回連続して入力するが、この期間において4ms毎に「L」と「H」を繰り返す電磁波が照射されると、電磁波の周期に合わせ4ms毎に近接スイッチの「L」状態の信号が「H」状態に持ち上げられてしまい、この信号が持ち上げられた期間における定時割込処理では、主制御装置50にスイッチ信号として「0」が入力されてしまう。従って、主制御装置50は、近接スイッチの1個の遊技球の検出にも関わらず、該検出に係る定時割込処理時に「0」から「1」への状態変化を2回検知することにより2回の入賞処理を実施してしまう。
図5では、NCタイプの近接スイッチを用いたため、電波ゴトが有効となる期間は、スイッチ信号が「L」となる遊技球検出期間に限定されたが、NOタイプの近接スイッチであれば、遊技球非検出期間がスイッチ信号「L」となるため、電波ゴトによる被害の可能性が格段に大きくなる。これがNCタイプの近接スイッチが電波ゴトに対して有効であるといわれる理由となる。また、電波ゴトの周期を4msとしたが、多くのパチンコ機の制御(定時割込処理の周期が4ms又は2ms)に対して有効な時間として電波ゴトにはこの周期の電磁波が多く使われている。
次も本発明の内容と比較するために、図6を用いて従来機における大玉を使用した電波照射によるゴト行為の内容を説明する。大玉ゴトには、図6の上部に示すように、正規の遊技球よりも大きく、近接スイッチの遊技球検出部に常時検出状態となるように遊技球通過孔に嵌る大きさの不正球(略球状の所謂大玉)が使用される。実際の手順としては、この不正球を遊技領域に発射してから磁石に吸着し、遊技領域26上の任意の入賞口(例えば一般入賞口35a等)に誘導して近接スイッチの遊技球通過孔にはめ込む作業が行われる。このゴト行為によって、NCタイプの近接スイッチは強制的に遊技球の検出状態である「L」状態を保持してしまう。タイミングチャートでは、遊技球の非検出状態「H」において大玉が嵌ると、その時点以降は遊技球の検出状態「L」を保持している。
大玉ゴトによって強制的に「L」状態にされた近接スイッチに、4ms毎に「L」「H」が変化する電磁波を照射すると、図5と同様に電磁波の周期に合わせ4ms毎に「L」状態のスイッチ信号が「H」に持ち上げられてしまい、信号が持ち上げられた期間における定時割込処理では主制御装置50にスイッチ信号として「0」が入力されてしまう。これによりタイミングチャートが示すように、大玉によって近接スイッチの「L」状態が強制的に保持された期間において近接スイッチに電磁波が照射されれば、主制御装置50は定時割込処理で「0」から「1」への変化を電磁波の周期に合わせ繰り返し検知し、該検知に応じて入賞処理を繰り返し実施してしまう。
図5では、電波ゴトに対しては、NCタイプの近接スイッチが有効であることを説明したが、NCタイプの近接スイッチを用いた場合でも、図6で説明した大玉ゴトを実施することにより、電波ゴトに対してはNOタイプと同一条件となってしまう。
次に、本願発明における主制御装置50が備えるスイッチデータバッファの構成と、該スイッチデータバッファにおける入賞処理を実施するスイッチ信号の検出パターン(スイッチデータ検出パターン)と、主制御装置50がエラー判定パターンとして記憶するスイッチ信号の検出パターン(スイッチデータ検出パターン)を、図7を用いて説明する。スイッチデータバッファは、主制御装置50が定時割込処理を実施する毎に検知する入賞口に配置された近接スイッチの非検出状態又は検出状態を、所定期間記憶する一時記憶領域となる。
具体的には、スイッチデータバッファは8bitの記憶領域で構成され、定時割込処理毎に以前に記憶したスイッチデータを上位にシフトしながら下位から新しいデータを書込み更新する構成となっている。但し、上位からデータを書き込む構成も考えられる。また、新しいデータを書き込む際のシフト処理によって記憶領域から消失するデータを所定期間記憶する記憶領域又はカウンタを設ける構成も考えられるし、スイッチデータバッファを16bitとする構成も考えられる。
従来機において、近接スイッチのスイッチデータ(定時割込処理によって検知した近接スイッチの遊技球検出状態(非検出状態「0」又は検出状態「1」))に基づいて遊技球の入賞を判定する場合は、(1)(b)に示すように定時割込処理によってスイッチデータが非検出状態「0」から検出状態「1」に変化した時点(2bit)で入賞と判定し入賞処理を実施したが、本願発明では、(1)(a)の太枠に示すように、スイッチデータバッファの下位3bitが非検出状態「0」から検出状態「1」に変化した後に検出状態「1」を1回維持した状態を示すスイッチデータ検出パターン「011」であった場合に入賞と判定し、入賞処理を実施する構成となっている。
また、(2)(a)(b)の太枠に示すようにスイッチデータバッファの下位3bitが、スイッチデータが非検出状態「0」から検出状態「1」に変化した後に検出状態「1」を維持することなく非検出状態「0」に変化した状態を示すスイッチデータ検出パターン「010」の場合、及びスイッチデータバッファの下位4bitが、スイッチデータが非検出状態「0」から検出状態「1」に変化した後に検出状態「1」を1回維持した後に非検出状態「0」に変化した状態を示すスイッチデータ検出パターン「0110」の場合は、遊技球の検出期間が短すぎ、電波ゴトである可能性が高いためエラー1と判定する。
従って、本発明の「定時割込処理において近接スイッチの非検出状態が検出状態に変化してから該検出状態の維持回数が所定回数に満たない場合にエラー1と判定」という構成における本実施例での所定回数は2回(検出状態「1」を3回連続)となり、この値が電波ゴト回避値(最短検出維持回数)となる。
尚、スイッチデータが非検出状態「0」から検出状態「1」に変化した時点で該非検出状態「0」が維持されていた回数が2回以下であった場合も、正常な遊技球の入賞では考えづらい状況(連続した遊技球の検出において非検出期間が短すぎる)であるため、エラー1と判定するスイッチデータパターンを備えてもよい。従って、本発明における、「主制御装置が所定周期で実行する定時割込処理において、近接スイッチの非検出状態が所定回数連続した後に検出状態に変化し該検出状態を所定回数維持することによって入賞と判定する」という構成は、本実施例では、近接スイッチの非検出状態「0」が最低2回連続後に検出状態「1」に変化し該検出状態「1」を1回維持することによって入賞と判定する構成となる。
(3)(a)の太枠に示すようにスイッチデータバッファに記憶するスイッチデータの8回分の履歴が全て検出状態「1」となった場合、遊技球の検出期間としては長すぎ、大玉ゴト又は玉詰まりである可能性が高いためエラー2と判定する。従って、定時割込処理において近接スイッチの非検出状態が検出状態に変化してから該検出状態の維持回数が所定回数(最長検出維持回数)を超えた場合にエラー2と判定する構成となるが、本実施における該所定回数は7回となり、この値が大玉ゴト回避値(最長検出維持回数)となる。
この様に本実施例では、入賞処理を実施するデータパターン((1)(a)太枠部)と、電磁波ゴトの可能性が高いエラー1と判定するデータパターン((2)(a)(b)太枠部)と、大玉ゴト及び玉詰まりの可能性が高いエラー2と判定するデータパターン((3)(a)太枠部)とを記憶するデータテーブルを備え、定時割込処理を実施するごとにデータ内容が更新されるスイッチデータバッファの記憶内容とデータテーブルに記憶されたデータパターンとを比較し、記憶内容とデータパターンが一致した場合に入賞処理、エラー1又はエラー2を実施する構成となっている。
次に、実施例1において主制御装置50が実行する入賞確認処理1を図8のフローチャートを用いて説明する。入賞確認処理1は、主制御装置50が所定周期で実行する定時割込処理によって近接スイッチの非検出状態が所定回数連続した後に検出状態に変化し、該検出状態を所定回数維持することによって入賞と判定するように構成したうえで、定時割込処理によって近接スイッチの検出状態となってから、該検出状態の維持回数が所定回数に満たない場合にエラー1と判定し、定時割込処理によって近接スイッチの検出状態となってから、該検出状態の維持回数が所定回数を超えた場合にエラー2と判定し、所定期間内にエラーと判定された回数を計数し、該計数値が所定値に達することを条件にエラー1の報知を行い、エラー2と判定された時点でエラー2の報知を行う構成となっている。
また、入賞処理、エラー1、エラー2となるか否かの判定は、図7を用いて説明したように、定時割込処理毎に近接スイッチの非検出状態又は検出状態を所定期間記憶する一時記憶領域(スイッチデータバッファ)の内容と、入賞処理、エラー1及びエラー2となるデータパターンを記憶したデータテーブルとを比較して実施する構成となっている。
図8に示す入賞確認処理1を開始すると、定時割込処理で検知した近接スイッチのスイッチデータが遊技球を検知したことを示す「1」か否か判定する(S100)。肯定判定なら(S100:yes)、スイッチデータバッファのシフト処理として、最も古い記憶内容を消去すると共に残りの記憶内容の記憶位置を1bit繰上げ(S105)、シフト処理によって空いた下位1bit目に「1」を書き込む(S110)。次に、S105とS110の処理によって更新された下位3bitのスイッチデータ検出パターンが、入賞処理を実施するパターンとしてデータテーブルに記憶された「011」と一致するか否か判定する(S115)。肯定判定なら(S115:yes)、入賞処理として、後述する入賞確認バッファの該当するbit位置に「1」を書き込む入力エッジ処理を行い(S120)、後述する入賞判定バッファに入賞判定を示す「0」を書き込み(S123)リターンする。
入賞確認バッファは8bitで構成され、各bitは対応する入賞口への入賞状態を表し、「1」が入賞、「0」が未入賞を示す。例えば、普通図柄作動ゲート42に対応するbitが下位1bit目で、当該処理が普通図柄作動ゲートスイッチ42aへの遊技球入賞を検知したものであれば、入賞処理として入賞確認バッファの下位1bit目に「1」を書き込む。これによって入賞確認バッファは「00000001」となり、第1始動口31に対応するbitが下位2bit目で、当該処理が第1始動口スイッチ31aへの遊技球入賞を検知したものであれば、入賞処理として入賞確認バッファの下位2bit目に「1」が書き込まれ入賞確認バッファは「00000010」となる。この入賞確認バッファの内容に応じて払出し処理が実施される。尚、入賞判定バッファについては図10を用いて後述する。
S100が否定判定なら(S100:no)、S105と同様のスイッチバッファのシフト処理として、最も古い記憶内容を消去すると共に残りの記憶内容の記憶位置を1bit繰上げ(S125)、シフト処理によって空いた下位1bit目に「0」を書き込む(S130)。S130又はS115の否定判定(S115:no)に続いては、更新されたスイッチデータバッファの内容とデータテーブルのエラーパターンとの比較処理を行い(S135)、エラーパターンと一致しているか否か判定する(S140)。否定判定なら(S140:no)リターンし、肯定判定なら(S140:yes)、スイッチデータバッファの8bit全てが「1」か否か判定する(S145)。肯定判定なら(S145:yes)、エラー2報知処理を行って(S150)リターンし、否定判定なら(S145:no)、エラー1報知処理(図9)を行って(S155)リターンする。
次に図9に示したフローチャートを用いて、エラー1報知処理(S155)を説明する。エラー1報知処理を開始すると、入賞判定バッファにエラー1判定を示す「1」を書き込む(S200)。次に8bitで構成された入賞判定バッファ内にエラー1判定を示す「1」が4個あるか否か判定し(S205)、否定判定なら(S205:no)リターンし、肯定判定なら(S205:yes)、エラー1報知処理を行って(S210)リターンする。
次に図10を用いて入賞判定バッファの内容を説明する。入賞判定バッファは8bitで構成された一時記憶領域であり、定時割込処理において入賞判定となると、最も古い記憶内容を消去すると共に残りの記憶内容の記憶位置を1bit繰上げ、シフト処理によって空いた下位1bit目に「0」を書き込む。入賞確認処理1においてエラー1判定となると、上記と同様のシフト処理を行った後に下位1bit目に「1」を書き込む。エラー1報知処理においては、入賞判定バッファに「1」を書き込むと同時に入賞判定バッファ内の「1」の数を確認(計数)し、確認した値が4であればエラー1報知を実施する構成となっている。
上述したエラー1報知処理及びエラー2報知処理は、所定期間内にエラー1と判定された回数を計数し、該計数値が所定値(電波ゴト確認値)に達することを条件にエラー1の報知を行い、エラー2と1回判定されるとエラー2の報知を行う構成となる。尚、エラー1の報知条件となる所定期間は、本実施例においては上述した入力判定バッファに8回の書き込みを実施する期間となるが、定時割込処理の回数を計数することによって、最初のエラー1が発生してからの時間を計測してもよい。
また、エラー1とエラー2とでは、報知を開始するまでのそれぞれの計数値が異なり、エラー1は4回の計数を必要とするが、これは各エラーに対応するゴト行為の性質に基づいた設定である。詳しくは、エラー1は、1回又は2回の定時割込処理時のみの検出という正常な遊技球の検出では極めて可能性の低い短時間に限って近接スイッチが遊技球の検出状態となったことを受けてエラー判定を行うが、この短時間の検出状態はノイズやチャタリング又は想定外の速度で遊技球が近接スイッチを通過した場合でも起こり得る状況であるため、報知条件となる計数回数を増やし電波ゴトである可能性が高いことを確認してから報知することによって、誤報知を極力なくす(報知の信頼性を向上させる)構成となっている。
エラー2は、エラー1とは逆に、正常な遊技球の検出ではほとんど有得ない長時間に亘って近接スイッチが遊技球の検出状態となったことを受けてエラー判定を行うが、この長時間の検出状態は大玉ゴトだけではなく、実際の玉詰まりも考えられるため、直ぐに対処しなければ遊技の進行に支障をきたし遊技者に不利益を与える状況となってしまう。従って、報知条件となるエラー2の計数回数を少なくし、早期に報知することが望ましい。尚、エラー1とエラー2の計数回数を同一値としてもよいし、報知条件となる計数値をどちらも1回としてもよい。
エラー1又はエラー2の報知を実施した場合は、払出し動作を含め遊技の進行を中断した上で演出図柄表示装置54b上や各種LED・ランプを用いてエラー1又はエラー2状態を報知してもよいし、払出し動作を含め遊技の進行をそのままに演出図柄表示装置54b上や各種LED・ランプを用いてエラー1又はエラー2状態を報知してもよい。なお報知の実施中には、ホールコンピュータにもエラー内容を伝える信号が送信される。またエラーNo表示装置74には、エラー1の場合には「1」を、エラー2の場合には「2」を表示する。エラー1及びエラー2の報知は、ホールスタッフによって遊技機裏面に配置されたエラー解除スイッチ76が操作されることによりエラー状態が解除される(エラー2の場合は、大玉の除去が必要)。
次に、図11のタイミングチャートを用いて、本実施例における近接スイッチの遊技球検出状態の変化と入賞処理のタイミングについて説明する。NCタイプの近接スイッチが遊技球の非検出状態「H」で遊技球を検出し、SW信号が検出状態「L」に変化すると、主制御装置50の定時割込時間が2msであるため、SW信号の変化から2ms以内に検出状態の変化を検知する。図4のタイミングチャートを用いて説明したように、従来機においては、定時割込処理でスイッチ信号が非検出状態(0)から検出状態(1)に変化したことを検知したこの時点で入賞処理を実施したが、本発明においては、更に次の定時割込処理においてSW信号が検出状態(1)を維持したことを検知した時点で、スイッチバッファの下位3bitが「011」の入賞処理データパターンと同一となることにより入賞処理を実施する。従って、従来のSW信号の変化から入賞処理のタイミングは、1回の定時割込処理分だけ遅延することになる。
次に、図12のタイミングチャートを用いて本発明における近接スイッチへの電波照射によるゴト行為の判定内容を説明する。図5で説明した内容と同様に、NCタイプの近接スイッチが遊技球を検出することによりスイッチ信号が「H」から「L」に変化した期間(12ms)では、本来ならば6回の定時割込処理中は検出状態の「L」(0)を継続して検知し、主制御装置50にはスイッチ信号として反転した「1」を6回連続して入力するが、この期間において4ms毎に「L」と「H」を繰り返す電磁波が照射されると、電磁波の周期に合わせ4ms毎に「L」状態の信号が持ち上げられてしまい、信号が持ち上げられた期間における定時割込処理では主制御装置50はスイッチ信号として「0」を読込んでしまう。
従って、主制御装置50に入力される偽SW信号が示すタイミングチャートは、実際の遊技球の入球に応じて遊技球の非検出状態「0」から検出状態「1」に変化するが、4ms毎に「L」「H」が変化する電波の照射によって次の定時割込処理時には非検出状態「0」に変化している。この時点でスイッチデータバッファの下位3bitが「010」のエラー1データパターンと同一となることによりエラー1報知処理が実施される(S155)。
引き続き電波照射が行われる中で実施される定時割込処理では、順次非検出状態「0」、検出状態「1」、検出状態「1」、非検出状態「0」を検知するが、この時点でスイッチデータバッファの下位4bitが「0110」のエラー1データパターンと同一となることによりエラー1報知処理が実施される(S155)。但し、その前にスイッチデータバッファの下位3bitが「011」の入賞処理データパターンと同一となるタイミングがあるため、該タイミングで入賞処理が実施される。
本実施例では、スイッチデータパターンの下位3bitが「011」で入賞処理を実施し、次の定時割込処理でエラー1を判定する場合(スイッチデータバッファの下位4bitが「0110」)があるが、スイッチデータバッファの下位4bitが「0111」となった場合に入賞処理を実施する構成とすることで、エラー1判定が実施されないことを条件に入賞処理を実施する構成とし、エラー1判定が実施された場合は、継続する定時割込処理において入賞判定を実施しないことによって賞球を払出さなくすることも可能となる。
次に、図13のタイミングチャートを用いて本発明における大玉を用いたゴト行為の判定内容を説明する。タイミングチャートに示すように、大玉を近接スイッチに嵌めた時点から、SW信号が変化し遊技球の検出状態「L」を保持するが、該変化以降連続した8回の定時割込処理時のスイッチデータが全て検出状態を示す「1」であった場合はエラー2と判定する(S150)。但しSW信号が検出状態「1」に変化してから検出状態「1」を1回維持した時点(データパターン「011」と一致した時点)で入賞処理を1回実施する。
以上が実施例1の説明となる。本実施例では、主制御装置50が2ms毎の定時割込処理で実施するスイッチ信号の検知において、近接スイッチから入力されるスイッチ信号(スイッチデータ)が遊技球の非検出状態「0」から検出状態「1」に変化し、該検出状態「1」を1回維持した場合に遊技球の入賞と判定する構成となっている。そして、非検出状態「0」から検出状態「1」に変化し、該検出状態「1」を維持せずに非検出状態「0」に変化した場合、及び検出状態「1」の維持回数が1回だけで非検出状態「0」に変化した場合は、近接スイッチが遊技球の検出時とは異なる信号、即ち電波ゴトで最も多用される4ms毎に変化する電磁波が近接スイッチに照射されている可能性が高いと判断しエラー1を実施する。
また、非検出状態「0」から検出状態「1」に変化し、検出状態「1」を遊技球の検出時以上に維持した場合も、遊技球の検出時とは異なる信号、即ち大玉ゴト又は玉詰まり状態と判断しエラー2を実施する。尚、本実施例では、主制御装置50が実施する定時割込処理を2ms毎としたが、4ms毎に定時割込処理を実施する構成でも、検出状態「1」の維持回数の設定(スイッチデータ検出パターン)を変更することによって同様の効果が発揮される。
次に実施例2について説明する。本実施例に於いて遊技機を構成する部品とその電気的接続は実施例1と共通である。従って、重複する部分は実施例1を援用して説明を進める。
実施例1では、スイッチデータバッファの内容を参照して入賞判定及びエラー1、2判定を実施したのに対して、本実施例では連続する近接スイッチの検出状態を計数する検出カウンタの内容に応じて入賞判定及びエラー1、2判定を実施する構成となる。
実施例1で説明した図1から図6までと、図9から図13までとは共通内容であるため説明は援用とし、実施例2として上記した検出カウンタの内容と、該検出カウンタの内容に応じて処理を行う入賞確認処理2を説明する。
図14、15を用いて上記した検出カウンタの内容を説明する。検出カウンタは、主制御装置50が2ms周期で実施する定時割込処理時の近接スイッチの検出状態を計数する装置である。具体的には、(1)に示すように、定時割込処理時に近接スイッチから入力されたスイッチデータが非検出状態を示す「0」であれば、検出カウンタの計数は行わず検出カウンタ値は0となる(スイッチデータが「0」となったため、それまでの計数値はクリアされた状態ともいえる)。次の定時割込処理時で(2)に示すように、近接スイッチから入力されているスイッチデータが検出状態を示す「1」であれば、検出カウンタの計数を行い、この時点の検出カウンタ値は1となる。
(2)の次の定時割込処理で近接スイッチから入力されているスイッチデータが検出状態を示す「1」であれば(図3a)、検出カウンタの計数を行い検出カウンタ値が2となる。このように検出カウンタ値が2になると、言い換えれば近接スイッチが非検出状態から検出状態に変化して該検出状態を1回の定時割込処理期間維持すると、入賞処理を実施する。
(2)の次の定時割込処理で近接スイッチから入力されているスイッチデータが非検出状態を示す「0」であれば(図3b)、検出カウンタの計数は行われず、検出カウンタ値は1のままとなるが、定時割込処理で確認したスイッチデータが「0」の場合に検出カウンタ値が1であるということは、非検出状態から検出状態に変化した後に検出状態を1回も維持することなく近接スイッチが非検出状態に変化したことを意味する。従ってこの状態(スイッチデータ「0」のとき検出カウンタ値1)は、電磁波によってスイッチ信号が操作された可能性が高いことを示すため、エラー1判定を実施する。また、エラー1判定の実施後は検出カウンタ値がクリアされる。
(図3a)の次の定時割込処理で近接スイッチから入力されているスイッチデータが検出状態を示す「1」であれば(4a)、検出カウンタの計数を行い検出カウンタ値が3となる。この状態は、入賞処理を実施した後の検出状態維持期間として正常状態と判定する。
(図3a)の次の定時割込処理で近接スイッチから入力されているスイッチデータが非検出状態を示す「0」であれば(図4b)、検出カウンタの計数は行われず、検出カウンタ値は2のままとなるが、定時割込処理で確認したスイッチデータが「0」の場合に検出カウンタ値が2であるということは、非検出状態から検出状態に変化した後に検出状態を1回のみ維持して近接スイッチが非検出状態に変化したことを意味する。従ってこの状態(スイッチデータ「0」のとき検出カウンタ値2)も、電磁波によってスイッチ信号が操作された可能性が高いことを示すため、エラー1判定を実施し、エラー1判定の実施後は検出カウンタ値がクリアされる。
(図4a)の次の定時割込処理で近接スイッチから入力されているスイッチデータが検出状態を示す「1」であれば(図5a)、検出カウンタの計数を行い検出カウンタ値が4となる。この状態も、入賞処理を実施した後の検出状態維持期間として正常状態と判定する。
(図4a)の次の定時割込処理で近接スイッチから入力されているスイッチデータが非検出状態を示す「0」であれば(図5b)、検出カウンタの計数は行われず、検出カウンタ値は3のままとなるが、スイッチデータ「0」のときに検出カウンタ値3という状態は、非検出状態から検出状態に変化してから2回の定時割込処理期間は検出状態を維持していたことを意味する。従って、正常な遊技球の入賞であったと判断し検出カウンタ値をクリアする。
図15に進み、(図5a)の次の定時割込処理で近接スイッチから入力されているスイッチデータが検出状態を示す「1」であれば(図6a)、検出カウンタの計数を行い検出カウンタ値が5となる。この状態も、入賞処理を実施した後の検出状態維持期間として正常状態と判定する。
(図5a)の次の定時割込処理で近接スイッチから入力されているスイッチデータが非検出状態を示す「0」であれば(図6b)、検出カウンタの計数は行われず、検出カウンタ値は4のままとなるが、スイッチデータ「0」のときに検出カウンタ値4という状態は、非検出状態から検出状態に変化してから3回の定時割込処理期間は検出状態を維持していたことを意味する。従って、正常な遊技球の入賞であったと判断し検出カウンタ値をクリアする。
(図6a)の次の定時割込処理で近接スイッチから入力されているスイッチデータが検出状態を示す「1」であれば(図7a)、検出カウンタの計数を行い検出カウンタ値が6となる。この状態も、入賞処理を実施した後の検出状態維持期間として正常状態と判定する。
(図6a)の次の定時割込処理で近接スイッチから入力されているスイッチデータが非検出状態を示す「0」であれば(図7b)、検出カウンタの計数は行われず、検出カウンタ値は5のままとなるが、スイッチデータ「0」のときに検出カウンタ値5という状態は、非検出状態から検出状態に変化してから4回の定時割込処理期間は検出状態を維持していたことを意味する。従って、正常な遊技球の入賞であったと判断し検出カウンタ値をクリアする。
(図7a)の次の定時割込処理で近接スイッチから入力されているスイッチデータが検出状態を示す「1」であれば(図8a)、検出カウンタの計数を行い検出カウンタ値が7となる。この状態も、入賞処理を実施した後の検出状態維持期間として正常状態と判定する。
(図7a)の次の定時割込処理で近接スイッチから入力されているスイッチデータが非検出状態を示す「0」であれば(図8b)、検出カウンタの計数は行われず、検出カウンタ値は6のままとなるが、スイッチデータ「0」のときに検出カウンタ値6という状態は、非検出状態から検出状態に変化してから5回の定時割込処理期間は検出状態を維持していたことを意味する。従って、正常な遊技球の入賞であったと判断し検出カウンタ値をクリアする。
(図8a)の次の定時割込処理で近接スイッチから入力されているスイッチデータが検出状態を示す「1」であれば(図9a)、検出カウンタの計数を行い検出カウンタ値が8となる。この状態は、非検出状態から検出状態に変化した後の検出状態維持期間が、正常に遊技球が入球した場合と比較して長すぎるため、大玉ゴト若しくは玉詰まりの可能性が高いためエラー2と判断する。エラー2の判定後は検出カウンタをクリアする。
(図8a)の次の定時割込処理で近接スイッチから入力されているスイッチデータが非検出状態を示す「0」であれば(図9b)、検出カウンタの計数は行われず、検出カウンタ値は7のままとなるが、スイッチデータ「0」のときに検出カウンタ値7という状態は、非検出状態から検出状態に変化してから6回の定時割込処理期間は検出状態を維持していたことを意味する。7回までは正常な遊技球の入賞であったと判断し検出カウンタ値をクリアする。
上記した内容が、一連の定時割込処理を実施した場合のスイッチデータと検出カウンタ値の状態に応じた入賞判定(入賞確認)内容となるが、入賞処理を実施するのは(図3a)の時点のみとなり、それ以降の一連の定時割込処理では実施した入賞処理が正常な入賞であったか否かを判定する構成となる。
次に、図16を用いて本実施例において主制御装置50が実行する入賞確認処理2を説明する。入賞確認処理2は、主制御装置50が所定周期で実行する定時割込処理時のスイッチデータと、該スイッチデータが非検出状態から検出状態に変化してから連続する検出状態を計数する検出カウンタの値とに応じて遊技球の入賞判定と電波ゴトに対応したエラー1判定と大玉ゴトに対応したエラー2判定を実施する構成となり、定時割込処理においてスイッチデータが検出状態の時に検出カウンタの値が所定値に達したことを条件に入賞と判定し、スイッチデータが非検出状態の時に検出カウンタの値が所定値に達していないことを条件にエラー1と判定し、スイッチデータが検出状態の時に検出カウンタが所定値よりも大きいことを条件にエラー2と判定する。また、検出カウンタの値は、スイッチデータが非検出状態となった場合又はエラー2と判定された場合にクリアされる構成となっている。
入賞確認処理2を開始すると、定時割込処理で検知した近接スイッチのスイッチデータが遊技球を検知したことを示す「1」か否か判定する(S500)。肯定判定なら(S500:yes)、検出カウンタに+1するインクリメント処理を行い(S505)、検出カウンタの値が2か否か判定する(S510)。肯定判定なら、即ち、近接スイッチの非検出状態から検出状態への変化後、検出状態を1回維持していれば(S510:yes)、入賞処理として、入賞確認バッファ(実施例1と同一内容)の該当するbit位置に「1」を書き込む入力エッジ処理を行い(S515)リターンする。
S510が否定判定なら(S510:no)、検出カウンタの値が8か否か判定する(S520)。否定判定なら(S520:no)リターンし、肯定判定なら(S520:yes)、実施例1と同一内容のエラー2報知処理を行い(S525)、検出カウンタをクリアして(S530)リターンする。
S500が否定判定なら(S500:no)、検出カウンタの値が0よりも大きいか否か判定する(S535)。否定判定なら(S535:no)リターンし、肯定判定なら(S535:yes)、検出カウンタの値が3よりも小さいか否か判定する(S540)。肯定判定なら、即ち、近接スイッチの非検出状態から検出状態への変化後、検出状態を1回も維持していないか維持回数が1回のみであった場合は(S540:yes)、実施例1と同一内容のエラー1報知処理を行う(S545)。S545又はS540の否定判定(S545:no)に続いては、検出カウンタをクリアして(S550)リターンする。
以上が実施例2の説明となる。本実施例では、上述したように定時割込処理時のスイッチデータの内容と検出カウンタの値との関係で入賞判定及びエラー1、2の判定を実施したが、スイッチデータバッファを備えスイッチデータの履歴を確認可能な構成としてもよい。該構成により、入賞判定とエラー1、2判定の制度を向上させることが可能となる。
次に実施例3について説明する。本実施例に於いて遊技機を構成する部品とその電気的接続は実施例1と共通である。従って、重複する部分は実施例1を援用して説明を進める。
実施例1では、スイッチデータバッファの内容とデータテーブルに記憶したスイッチデータ検出パターンとを比較して入賞判定及びエラー1、2判定を実施したが、本実施例では各入賞口ごとにスイッチデータバッファを備えた上で、入賞判定及びエラー1、2判定を実施するために比較するスイッチデータ検出パターンも各入賞口毎に異なる内容が設定された構成となる。
異なるスイッチデータ検出パターンが各入賞口毎に設定された構成とは、入賞口内に配置された近接スイッチを遊技球が通過する速度(検出状態維持期間)は、入賞口の構造に依存することから、検出状態維持期間が長くなる構造の入賞口に対しては、維持期間の長いスイッチデータ検出パターンを設定し、検出状態維持期間が短くなる構造の入賞口に対しては、維持状態の短いスイッチデータ検出パターンを設定する構成となる。
具体的な設定内容を図17、図18を用いて説明する。尚、実施例1と異なるのは図17、18を用いて説明する各入賞口毎に設定されたスイッチバッファと判定用に比較するスイッチデータ検出パターンのみとなるため、他の構成については実施例1を援用する。
図17(1)は、普通図柄作動スイッチ42a用スイッチデータバッファに対して設定された入賞及びエラー1、2判定となるスイッチデータ検出パターンであり、実施例1で説明した内容と同一となる。この設定内容は、普通図柄作動ゲート42が、遊技球が入球してから近接スイッチの遊技球通過孔を通過するまでに遊技球の速度を減速させる障害物が無い構造であるため、遊技球の検出状態維持期間が短くなることから検出維持回数の少ないスイッチデータ検出パターン(定時割込処理時の連続した「1」検出回数が少ない)として設定されている。
(2)は、第1始動口スイッチ31a用スイッチデータバッファに対して設定された入賞及びエラー1、2判定となるスイッチデータ検出パターンである。この設定内容は、第1始動口31aが、遊技球が入球してから近接スイッチの遊技球通過孔を通過するまでに、必ず成型樹脂へ接触することによって遊技球の転動速度が減速する構造であることから、遊技球の検出状態維持期間が普通図柄作動ゲート42入球時よりも長くなるため、検出維持回数が普通図柄作動ゲート42よりも多いスイッチデータ検出パターン(定時割込処理時の連続した「1」検出回数が普通図柄作動スイッチ42a用のデータよりも多い)として設定されている。
具体的には、定時割込処理によって検知した第1始動口スイッチ31aの遊技球検出状態(非検出状態「0」又は検出状態「1」)に基づいて遊技球の入賞を判定する場合は、図17(2)(a)の太枠に示すようにスイッチデータバッファの下位4bitが、非検出状態「0」から検出状態「1」に変化した後に検出状態「1」を2回維持した状態を示すスイッチデータ検出パターン「0111」であった場合に入賞と判定し、入賞処理を実施する構成となっている。
従って、第1始動口スイッチ31a用のスイッチデータバッファに対応した入賞判定用のスイッチデータ検出パターンは普通図柄作動スイッチ42a用よりも1bit多い4bitで判定する構成となる。
また、(2)(b)(c)(d)の太枠に示すように、スイッチデータバッファの下位3bitがスイッチデータが非検出状態「0」から検出状態「1」に変化した後に検出状態「1」を1回も維持することなく非検出状態「0」に変化した状態を示すスイッチデータ検出パターン「010」の場合、スイッチデータバッファの下位4bitが、スイッチデータが非検出状態「0」から検出状態「1」に変化した後に検出状態「1」を1回維持した後に非検出状態「0」に変化した状態を示すスイッチデータ検出パターン「0110」の場合、及びスイッチデータバッファの下位5bitが、スイッチデータが非検出状態「0」から検出状態「1」に変化した後に検出状態「1」を2回維持した後に非検出状態「0」に変化した状態を示すスイッチデータ検出パターン「01110」の場合は、遊技球の検出期間が短すぎ、電波ゴトである可能性が高いためエラー1と判定する。
従って、第1始動口スイッチ31a用のスイッチデータバッファに対応したエラー1判定用のスイッチデータ検出パターンは、普通図柄作動スイッチ42a用よりも1bit多い5bitで判定するパターンが含まれた構成となる。
また、(2)(e)の太枠に示すように、第1始動口スイッチ31a用のスイッチデータバッファに記憶するスイッチデータの8回分の履歴が全て検出状態「1」となった場合は、遊技球の検出期間としては長すぎ、大玉ゴト又は玉詰まりである可能性が高いためエラー2と判定する。
図18(3)は、第2始動口スイッチ32a、一般入賞口スイッチ35b、c、d、e及びカウントスイッチ33b用のそれぞれのスイッチデータバッファに対して設定された入賞及びエラー1、2判定となるスイッチデータ検出パターンである。この設定内容は、普通電動役物40からなる第2始動口スイッチ32a、一般入賞口35及び大入賞口33aが、遊技球が各入賞口に入球してから近接スイッチの遊技球通過孔を通過するまでに必ず成型樹脂等へ接触することによって遊技球の転動速度が大きく減速する構造であることから、各検出スイッチにおける遊技球の検出状態維持期間が第1始動口31入球時よりも長くなることによって、検出維持回数が第1始動口31よりも多いスイッチデータパターン(定時割込処理時の連続した「1」検出回数が第1始動口スイッチ31a用のデータよりも多い)として設定されている。
具体的には、定時割込処理によって検知した第2始動口スイッチ32a、一般入賞口スイッチ35b、c、d、e及びカウントスイッチ33bの遊技球検出状態(非検出状態「0」又は検出状態「1」)に基づいて遊技球の入賞を判定する場合は、図18(3)(a)の太枠に示すようにスイッチデータバッファの下位5bitが、非検出状態「0」から検出状態「1」に変化した後に検出状態「1」を3回維持した状態を示すスイッチデータ検出パターン「01111」であった場合に入賞と判定し、入賞処理を実施する構成となっている。
従って、第2始動口スイッチ32a、一般入賞口スイッチ35b、c、d、e及びカウントスイッチ33b用のスイッチデータバッファに対応した入賞判定用のスイッチデータ検出パターンは第1始動口スイッチ31a用よりも1bit多く、普通図柄作動スイッチ42aよりも2bit多い5bitで判定する構成となる。
また、(3)(b)(c)(d)(e)の太枠に示すように、スイッチデータバッファの下位3bitが、スイッチデータが非検出状態「0」から検出状態「1」に変化した後に検出状態「1」を1回も維持することなく非検出状態「0」に変化した状態を示すスイッチデータ検出パターン「010」の場合、スイッチデータバッファの下位4bitが、スイッチデータが非検出状態「0」から検出状態「1」に変化した後に検出状態「1」を1回維持した後に非検出状態「0」に変化した状態を示すスイッチデータ検出パターン「0110」の場合、スイッチデータバッファの下位5bitが、スイッチデータが非検出状態「0」から検出状態「1」に変化した後に検出状態「1」を2回維持した後に非検出状態「0」に変化した状態を示すスイッチデータ検出パターン「01110」の場合、及びスイッチデータバッファの下位6bitが、スイッチデータが非検出状態「0」から検出状態「1」に変化した後に検出状態「1」を3回維持した後に非検出状態「0」に変化した状態を示すスイッチデータ検出パターン「011110」の場合は、遊技球の検出期間が短すぎ、電波ゴトである可能性が高いためエラー1と判定する。
従って、第2始動口スイッチ32a、一般入賞口スイッチb、c、d、e及びカウントスイッチ33b用のスイッチデータバッファに対応したエラー1判定用のスイッチデータ検出パターンは、第1始動口スイッチ31a用よりも1bit多く、普通図柄作動スイッチ42aよりも2bit多い6bitで判定するパターンが含まれた構成となる。
また、(3)(f)の太枠に示すように、第2始動口スイッチ32a、一般入賞口スイッチb、c、d、e及びカウントスイッチ33b用のそれぞれのスイッチデータバッファに記憶するスイッチデータ8回分の履歴が全て検出状態「1」となった場合は、遊技球の検出期間としては長すぎ、大玉ゴト又は玉詰まりである可能性が高いためエラー2と判定する。
この様に本実施例では、各入賞口ごとにスイッチデータバッファを備えた上で、入賞処理を実施する各入賞口毎のスイッチデータ検出パターンと、電磁波ゴトの可能性が高いエラー1と判定する各入賞口毎のスイッチデータ検出パターンと、大玉ゴト及び玉詰まりの可能性が高いエラー2と判定するスイッチデータ検出パターンとを記憶するデータテーブルを備え、定時割込処理を実施するごとに記憶内容が更新されるスイッチデータバッファの内容とデータテーブルに記憶されたスイッチデータ検出パターンとを比較し、記憶内容とスイッチデータ検出パターンが一致した場合に入賞処理、エラー1又はエラー2を実施する構成となっている。
以上が実施例の説明となる。実施例3では、どの入賞口におけるエラー2判定も全て同一のスイッチデータ検出パターン(8bitのスイッチデータバッファの値が全て「1」)を用いて判定したが、スイッチデータバッファを16bitで構成したり、定時割込処理の周期を4msとすることで、内部構造の異なる入賞口毎に検出維持回数の異なるスイッチデータ検出パターンを用いてエラー2の判定を実施する構成も考えられる。
また、エラー1判定となるスイッチデータ検出パターンをbit数の違いにより複数備え、該複数のエラー1判定となるスイッチデータ検出パターンを入賞処理を実施するスイッチデータ検出パターンのbit数と同一のbit数とそれよりも少ないbit数とを含んで設定したことにより、入賞処理を実施する以前にエラー1を判定し、エラー1判定時の賞球払出しを一部回避することが可能な構成となっている。
更に、入賞処理を実施するスイッチデータ検出パターンのbit数とエラー1を判定するスイッチデータ検出パターンの最大のbit数とを同一数とすることで、エラー1判定時に確実に賞球払出しを回避することが可能となる。