JP2012152304A - X線検出器及びそれを備えたx線ct装置 - Google Patents

X線検出器及びそれを備えたx線ct装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 無効被曝を増加させることなく、X線発生点の移動に起因するアーチファクトの発生を抑制できるX線検出器を提供すること、またそのようなX線検出器を搭載したX線CT装置を提供することである。
【解決手段】 本発明は、X線発生点から照射されたX線を検出し、チャンネル方向とスライス方向にそれぞれ複数配列された検出素子と、前記検出素子をスライス方向に分離する分離部と、前記分離部のX線入射面側に配置され、前記分離部のスライス方向の幅以上の幅を有し前記検出素子に入射するX線の一部を遮蔽するX線遮蔽体と、前記X線遮蔽体のX線入射面側に配置され、散乱線を除去する散乱線除去コリメータと、を備えたX線検出器であって、前記分離部は、前記X線発生点が移動する範囲において、前記X線遮蔽部あるいは前記散乱線除去コリメータによってX線の影になる位置に配置されることを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、X線を検出するX線検出器及びそれを備えたX線CT装置に関する。
医用画像診断装置の一つであるX線CT(Computed Tomography)装置とは、被検体にX線を照射するX線管装置と、被検体を透過したX線量を投影データとして検出するX線検出器と、を被検体の周囲で回転させることにより得られる複数角度からの投影データを用いて被検体の断層画像を再構成し、再構成された断層画像を表示するものである。X線CT装置で表示される画像は、被検体の中の臓器の形状を描写するものであり、画像診断に使用される。
X線CT装置で使用されるX線検出器には、セラミックシンチレータなどの蛍光体素子と、フォトダイオードなどの光検出素子とを組み合わせた検出素子を備えた間接変換型検出器、または半導体素子を検出素子として備えた直接変換型検出器が用いられる。検出素子のX線入射側には、散乱線を除去するための散乱線除去コリメータが配置される。散乱線除去コリメータは複数の金属板で構成される。各金属板は検出素子を分離する分離部からX線発生点に向かって配置される。各金属板がX線発生点に向かって配置されることにより、X線発生点と各検出素子とを結ぶ直線に対し傾きを有する散乱線が除去される。
ところで、X線発生点はX線管装置で生じる熱膨張や回転による遠心力等により、いわゆるスライス方向である被検体の体軸方向に移動する。X線発生点が移動すると、移動前の状態では検出素子のスライス方向のエッジ部分に入射していたX線が散乱線除去コリメータにより除去されることにより、感度変化が起き、断層画像にアーチファクトを発生させる。
このようなアーチファクトの発生を低減するために、例えば特許文献1では検出素子のスライス方向のエッジ部分をX線遮蔽体で覆うことにより、X線発生点が移動したときの感度変化を抑制している。
特開2000-193750号公報
しかしながら、特許文献1では、X線発生点の移動量に応じてX線遮蔽体を大きくする必要がある。X線遮蔽体を大きくすることにより、X線発生点の移動量が大きくなっても感度変化を抑制できるものの、各検出素子に入射するX線量が小さくなり、結果として無効被曝が増加することになる。
そこで本発明の目的は、無効被曝を増加させることなく、X線発生点の移動に起因するアーチファクトの発生を抑制できるX線検出器を提供すること、またそのようなX線検出器を搭載したX線CT装置を提供することである。
上記目的を達成するために本発明は、想定されるX線発生点の移動量に応じて、散乱線除去コリメータと、X線遮蔽体と、検出素子間の分離部との位置関係を規定することを特徴とするものである。
具体的には、本発明は、X線発生点から照射されたX線を検出し、チャンネル方向とスライス方向にそれぞれ複数配列された検出素子と、前記検出素子をスライス方向に分離する分離部と、前記分離部のX線入射面側に配置され、前記分離部のスライス方向の幅以上の幅を有し前記検出素子に入射するX線の一部を遮蔽するX線遮蔽体と、前記X線遮蔽体のX線入射面側に配置され、散乱線を除去する散乱線除去コリメータと、を備えたX線検出器であって、前記分離部は、前記X線発生点が移動する範囲において、前記X線遮蔽部あるいは前記散乱線除去コリメータによってX線の影になる位置に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、無効被曝を増加させることなく、X線発生点の移動に起因するアーチファクトの発生を抑制できるX線検出器を提供することができ、またそのようなX線検出器を搭載したX線CT装置を提供することができる。
本発明のX線CT装置1の全体構成を示すブロック図 X線検出器106の構造の一例を説明する図 X線発生点201が第一の方向に移動した場合に、各検出素子に入射するX線を説明する図 検出素子間の分離部を移動させた場合に、検出素子に入射するX線を説明する図 分離部の具体的な位置に関して説明する図 X線発生点201が第二の方向に移動した場合に、各検出素子に入射するX線を説明する図 スライス方向遮蔽板を移動させた場合に、検出素子に入射するX線を説明する図 スライス方向遮蔽板の具体的な位置に関して説明する図
以下、添付図面に従って本発明に係る医用画像診断装置の好ましい実施形態について説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
(第一の実施形態)
まず、図1を用いて本実施形態の医用画像診断装置の一例であるX線CT装置の全体構成を説明する。図1は、X線CT装置1の全体構成を示すブロック図である。図1に示すようにX線CT装置1は、スキャンガントリ部100と操作ユニット120とを備える。
スキャンガントリ部100は、X線管装置101と、回転円盤102と、コリメータ103と、X線検出器106と、データ収集装置107と、寝台装置105と、ガントリ制御装置108と、寝台制御装置109と、X線制御装置110と、を備えている。X線管装置101は寝台装置105上に載置された被検体にX線を照射する装置である。コリメータ103はX線管装置101から照射されるX線の放射範囲を制限する装置である。回転円盤102は、寝台装置105上に載置された被検体が入る開口部104を備えるとともに、X線管装置101とX線検出器106を搭載し、被検体の周囲を回転するものである。X線検出器106は、X線管装置101と対向配置され被検体を透過したX線を検出することにより透過X線の空間的な分布を計測する装置であり、多数の検出素子を回転円盤102の回転方向と回転軸方向との2次元に配列したものである。なお、X線検出器106の詳細については後述する。
データ収集装置107は、X線検出器106で検出されたX線量をデジタルデータとして収集する装置である。ガントリ制御装置108は回転円盤102の回転及び傾斜を制御する装置である。寝台制御装置109は、寝台装置105の上下前後左右動を制御する装置である。X線制御装置110はX線管装置101に入力される電力を制御する装置である。
操作卓120は、入力装置121と、画像演算装置122と、表示装置125と、記憶装置123と、システム制御装置124とを備えている。入力装置121は、被検体氏名、検査日時、撮影条件などを入力するための装置であり、具体的にはキーボードやポインティングデバイス等である。画像演算装置122は、データ収集装置107から送出される計測データを演算処理してCT画像の再構成を行う装置である。表示装置125は、画像演算装置122で作成されたCT画像を表示する装置であり、具体的にはCRT(Cathode-Ray Tube)や液晶ディスプレイ等である。記憶装置123は、データ収集装置107で収集したデータ及び画像演算装置122で作成されたCT画像の画像データを記憶する装置であり、具体的にはHDD(Hard Disk Drive)等である。システム制御装置124は、これらの装置及びガントリ制御装置108と寝台制御装置109とX線制御装置110を制御する装置である。
入力装置121から入力された撮影条件、特にX線管電圧やX線管電流などに基づきX線制御装置110がX線管装置101に入力される電力を制御することにより、X線管装置101は撮影条件に応じたX線を被検体に照射する。X線検出器106は、X線管装置101から照射され被検体を透過したX線を多数のX線検出素子で検出し、透過X線の分布を計測する。回転円盤102はガントリ制御装置108により制御され、入力装置121から入力された撮影条件、特に回転速度などに基づいて回転する。寝台装置105は寝台制御装置109によって制御され、入力装置121から入力された撮影条件、特にらせんピッチなどに基づいて動作する。
X線管装置101からのX線照射とX線検出器106による透過X線分布の計測が回転円盤102の回転とともに繰り返されることにより、様々な角度からの投影データが取得される。取得された様々な角度からの投影データは画像演算装置122に送信される。画像演算装置122は送信された様々な角度からの投影データを逆投影処理することによりCT画像を再構成する。再構成して得られたCT画像は表示装置125に表示される。
図2を用いてX線検出器106の構造の一例について説明する。X線検出器106は、散乱線除去コリメータ202と検出素子モジュール203とを備えた複数の検出器ブロックからなる。散乱線除去コリメータ202は被検体等で発生した散乱線を除去するためものであり、検出素子モジュール203に対し、X線発生点201側に配置される。検出素子モジュール203は被検体を透過したX線量を検出するためのものである。
各検出器ブロックは、回転円盤102と平行でX線発生点201を中心とする円弧にそって、図2(a)に示されるように配列される。円弧の方向がX線検出器106のチャンネル方向である。なお、図2(a)では検出器ブロックを7個としているが、検出器ブロックの数は7個に限定されない。
散乱線除去コリメータ202と検出素子モジュール203の構成について、図2(b)と図2(c)とを用いて説明する。図2(b)は図2(a)のA-A断面図であり、図2(c)は検出器ブロックをX線発生点201側から見た平面図である。
検出素子モジュール203は、基板203aと検出素子203bとX線遮蔽体203cとを有する。検出素子203bは基板203a上に配置される。検出素子203bは、間接変換型検出素子または直接変換型検出素子である。間接変換型検出素子とは、X線を可視光に変換した後、可視光をさらに電気信号に変換する検出素子であり、具体的にはX線を吸収して可視光を発光するシンチレータ素子と、シンチレータ素子の発光を受光して電気信号を出力する光検出素子とを組み合わせたものである。直接変換型検出素子とは、X線を直接電気信号に変換する検出素子であり、具体的にはX線を吸収して電気信号を出力するCdTeに代表される半導体素子である。いずれの型の検出素子203bであっても、入射したX線量に応じた電気信号が出力される。検出素子203bはチャンネル方向とスライス方向とにそれぞれ複数配列される。なお、図2では1つの検出素子モジュール203上の検出素子203bが、スライス方向に4スライス、チャンネル方向に5チャンネル並んでいるが、検出素子203bの数はこれに限定されない。
検出素子203bの間には、分離部203dが設けられる。分離部203dはある検出素子から隣接する検出素子への信号の漏洩を防止するためのものである。例えば間接変換型検出素子のシンチレータ素子間には、白色粉末を樹脂で固めた光反射層が分離部203dとして設けられ、シンチレータ素子の発光を当該シンチレータ素子へ反射することで、光の漏洩を防止する。
検出素子203b間のスライス方向の分離部203dのX線入射面側には、X線遮蔽体203cが配置される。X線遮蔽体203cはX線発生点201から照射されたX線の一部が検出素子203bに入射しないように遮蔽するものであり、例えばタングステン等の金属製の板や、タングステン等の金属粉を樹脂で固めた成型体である。X線遮蔽体203cはチャンネル方向に延在し、X線を遮蔽可能な厚さを有する。X線遮蔽体203cのスライス方向の幅は、分離部203dを覆うことができるように、分離部203dのスライス方向の幅よりも大きく設定される。
散乱線除去コリメータ202は、複数のスライス方向遮蔽板202aと複数のチャンネル方向遮蔽板202bとを有する。なお、図2(b)の断面上にはチャンネル方向遮蔽板202bが存在しないので、図2(b)ではチャンネル方向遮蔽板202bを点線で示している。スライス方向遮蔽板202aとチャンネル方向遮蔽板202bは、例えばタングステンやモリブデン等の金属製の板である。スライス方向遮蔽板202a及びチャンネル方向遮蔽板202bは格子状に組まれており、その全てがX線発生点201に向かって配置される。なお、図2(c)は平面図であるので、図2(c)ではスライス方向遮蔽板202aの斜面にハッチングを施して示している。また、図2(b)及び図2(c)では、スライス方向遮蔽板202aがチャンネル方向遮蔽板202bより高いが、両者の高さが同じでも良いし、スライス方向遮蔽板202aがチャンネル方向遮蔽板202bよりも低くても良い。
スライス方向遮蔽板202a及びチャンネル方向遮蔽板202bがX線発生点201に向かって配置されることにより、X線発生点201が移動しない限りにおいては、X線発生点201と各検出素子203bとを結ぶ直線に対し傾きを有する散乱線が除去されることになる。
しかしながら、X線発生点はX線管装置101内で生じる熱膨張や回転円盤102の回転による遠心力等により、スライス方向に移動する。X線発生点の移動量が大きくなると、各検出素子203bに入射するX線量が減少し、断層画像にアーチファクトを発生させる原因となる。X線発生点の移動にともなうX線量の減少について以下説明する。
図3に、X線発生点201が第一の方向に移動し、X線発生点201Rとなったときの各検出素子203bに入射するX線の例を示す。ここで第一の方向とは、検出素子203bのX線入射面に対するX線の入射角度が、X線入射面に対するスライス方向遮蔽板202aの傾きよりも小さくなる方向とする。すなわち、図3において、X線発生点201が右側に移動する方向である。なお図3には、検出器ブロックのスライス方向左半分を図示している。また、分離部203dを位置によって区分けするため、右側から分離部203d-1、203d-2、203d-3、203d-4とし、各分離部203d-1、203d-2、203d-3、203d-4の間の検出素子203bを検出素子203b-12、203b-23、203b-34としている。
図3において、X線発生点203Rから照射され検出素子203b-12に入射するX線204Rが検出素子203b-12内に収まっているのに対し、検出素子203b-23、及び検出素子203b-34に入射するX線204Rは、それぞれ、分離部203d-3及び分離部203d-4にまで入射している。分離部203dに入射したX線は検出素子203bに検出されずに感度変化を引き起こし、断層画像のアーチファクトの原因となる。
そこで本実施形態では図4(a)に示すように、X線発生点201の移動方向とは逆方向に分離部203dをシフトさせ、X線発生点201Rから照射されるX線204Rが分離部203dに入射することを防止する。図4(a)にはシフトさせる前の分離部203dを点線で示した。分離部203dをシフトさせることにより、分離部203dはX線遮蔽体203cのスライス方向の中心よりもX線発生点201から遠い位置に配置される。
なお、分離部203dをシフトさせずに、X線遮蔽体203cのスライス方向の幅を大きくすることにより分離部203dへのX線204Rの入射を防止することもできるが、検出素子203bに入射するX線204Rのスライス方向幅が狭くなるので無効被曝が大きくなり好ましくない。
本実施形態では、スライス方向遮蔽板202a及びX線遮蔽体203cの形状は、図4(a)に示したものに限定されない。例えば図4(b)に示すようなX線遮蔽体を兼用するスライス方向遮蔽板205、すなわち断面が台形形状のスライス方向遮蔽板205としてもよい。断面が台形形状のスライス方向遮蔽板205は図4(a)に示したスライス方向遮蔽板202aに比べ、剛性が高く、振動に対して有利である。また台形の上底の中心と下底の中心とを結ぶ線がX線発生点201に向かうように、スライス方向遮蔽板205が形成されることが望ましい。
なお、全ての検出素子203bのスライス方向長さを一定に保つために、全ての分離部203dを同量シフトさせることが好ましい。図3の場合では分離部203d-1、203d-2、203d-3、203d-4を左側に同量シフトさせることになる。
図5を用いて分離部203dのシフト後の位置について具体的に説明する。X線204Rの中で、検出素子203bのX線入射面に対する入射角が最も小さいX線は、X線発生点201Rからスライス方向に最も離れた検出素子203bに入射するX線であり、図3の場合には検出素子203b-34の左端に入射するX線である。入射角が最も小さいX線が分離部203dに入射しなければ、他のX線も分離部203dに入射しない。入射角が最も小さいX線204RminがX線遮蔽体203cのスライス方向におけるX線発生点側端部を通ったときに、X線204Rminが検出素子203b内をスライス方向に進む距離w1を数式で表すと次式のようになる。
Figure 2012152304
ここで、Sは移動前のX線発生点201から最も離れたX線遮蔽体203cのX線発生点側端部までのスライス方向の距離、FsはX線発生点の移動量、tは検出素子の厚さ、LはX線発生点201から検出素子までの距離、である。{数1}に用いられる変数のうち、S、t、LはX線CT装置の仕様により定められるので、Fsの想定量に応じてw1の値を算出することができる。
分離部203dのX線発生点側端部がX線遮蔽体203cのX線発生点側端部からw1の距離内にあれば、X線204Rminが分離部203d内に入射する。そこで本実施形態では、X線遮蔽体203cのX線発生点側端部から分離部203dのX線発生点側端部までの距離を、{数1}を用いて算出されるw1以上とする。こうすることにより、X線遮蔽体203cのスライス方向幅を大きくすることなく、感度変化を抑制できるので、結果として無効被曝を増加させずに、アーチファクトの発生を防止することができる。
なお、検出素子に検出されるX線量がX線入射面から深くなるほど小さくなることを考慮して、tの値を実質的に感度変化に影響を与えない深さである実効深さとしても良い。
(第二の実施形態)
図6に、X線発生点201が第二の方向に移動し、X線発生点201Lとなったときの各検出素子203bに入射するX線の例を示す。ここで第二の方向とは、検出素子203bのX線入射面に対するX線の入射角度が、X線入射面に対するスライス方向遮蔽板202aの傾きよりも大きくなる方向とする。すなわち、図6において、X線発生点201が左側に移動する方向である。なお図6には、検出器ブロックのスライス方向左半分を図示している。また、分離部203dを位置によって区分けするため、図3と同様に、各分離部及び各検出素子に符号を付けている。
図6において、X線発生点201Lから照射され検出素子203b-12及び検出素子203b-23、検出素子203b-34に入射するX線204Lは、それぞれ、右側ではX線遮蔽体203cの端部で検出素子203bに入射しているのに対し、左側ではスライス方向遮蔽板202aに遮られており、X線遮蔽体203cの端部よりも右側で検出素子203bに入射している。すなわち、検出素子203bに入射するX線204Lのスライス方向幅は狭くなっており、X線204Lの中心が右側にシフトしている。X線204Lのスライス方向幅が狭くなると各検出素子に入射するX線量が小さくなるので、結果として無効被曝が増加することになる。またX線204Lの中心がシフトすると、計測位置に誤差が含まれることになり、断層画像のアーチファクトの原因となる。
そこで本実施形態では図7(a)に示すように、X線発生点201の移動方向と同方向にスライス方向遮蔽板202aをシフトさせ、X線発生点201Lから照射されるX線204LがX線遮蔽体203cの端部で検出素子203bに入射するようにする。図7(a)にはシフトさせる前のスライス方向遮蔽板202a及びシフトさせる前のスライス方向遮蔽板202aに遮られたX線を点線で示した。スライス方向遮蔽板202aをシフトさせることにより、スライス方向遮蔽板202aのX線入射方向における検出素子側の端部は、X線遮蔽体203cのスライス方向の中心よりもX線発生点から遠い位置に配置される。
本実施形態では、スライス方向遮蔽板202a及びX線遮蔽体203cの形状は、図7(a)に示したものに限定されない。例えば図7(b)に示すようなX線遮蔽体を兼用するスライス方向遮蔽板205、すなわち断面が台形形状のスライス方向遮蔽板205としてもよい。断面が台形形状のスライス方向遮蔽板205は図4(a)に示したスライス方向遮蔽板202aに比べ、剛性が高く、振動に対して有利である。また台形の上底の中心と下底の中心とを結ぶ線がX線発生点201に向かうように、スライス方向遮蔽板205が形成されることが望ましい。
図8を用いてスライス方向遮蔽板202aのシフト後の位置について具体的に説明する。ある検出素子203bに入射するX線204Lが、X線遮蔽体203cの端部で検出素子203bに入射する場合、図8に示すように、X線遮蔽体203cのスライス方向におけるX線発生点側端部とスライス方向遮蔽板202aのスライス方向におけるX線発生点側端部とを結んだ直線上に、移動後のX線発生点201Lが存在することになる。X線遮蔽体203cのスライス方向におけるX線発生点側端部とスライス方向遮蔽板202aのスライス方向におけるX線発生点側端部とのスライス方向の距離w2を数式で表すと次式のようになる。
Figure 2012152304
ここで、Sは移動前のX線発生点201からX線遮蔽体203cのX線発生点側端部までのスライス方向の距離、FsはX線発生点の移動量、hはスライス方向遮蔽板202aの高さ、LはX線発生点201から検出素子203bまでの距離、である。{数2}に用いられる変数のうち、S、h、LはX線CT装置の仕様により定められるので、Fsの想定量に応じてw2の値を算出することができる。なお、{数2}から、w2の値が最大になるのはSが最大値となる検出素子203bであることがわかる。
スライス方向遮蔽板202aのスライス方向のX線発生点側端部がX線遮蔽体203cのX線発生点側端部からw2の距離外にあれば、X線204LがX線遮蔽体203cの端部よりもX線発生点側で検出素子203bに入射する。そこで本実施形態では、X線遮蔽体203cのX線発生点側端部からスライス方向遮蔽板202aのX線発生点側端部までの距離を、{数2}を用いて算出されるw2以下とする。こうすることにより、各検出素子203bに入射するX線204Lのスライス方向幅が狭くなることを抑制でき、その結果、無効被曝の増加を防止することができる。また各検出素子203bに入射するX線204Lの中心がシフトすることも防止できるので計測位置の誤差を低減できる。すなわち、無効被曝を増加させることなく、X線発生点の移動に起因するアーチファクトの発生を抑制できる。
なお、同様の効果を得るために、スライス方向遮蔽板202aをスライス方向にシフトさせるのではなく、X線入射面に対するスライス方向遮蔽板202aの角度を大きくするように変更しても良い。
なお、上述した実施形態は適時組み合わせて用いても良い。例えば、第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせて本発明のX線検出器を構成しても良い。すなわち、第1の実施形態のように分離部203dをシフトさせたX線検出器において、第2の実施形態のようにスライス方向遮蔽板202aをシフトさせる、若しくはスライス方向遮蔽板202aの傾きを変えても良い。X線発生点201の移動は一方向に限られないので、第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせることにより、いずれの方向にX線発生点が移動しても、無効被曝を増加させることなくアーチファクトの発生を抑制できる。
また、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態ではX線発生点がスライス方向に移動する場合について説明したが、X線発生点がチャンネル方向に移動した場合についてもスライス方向をチャンネル方向と読み替えることにより適用可能である。
1 X線CT装置、100 スキャンガントリ部、101 X線管装置、102 回転円盤、103 コリメータ、104 開口部、105 寝台装置、106 X線検出器、107 データ収集装置、108 ガントリ制御装置、109 寝台制御装置、110 X線制御装置、120 操作卓、121 入力装置、122 画像演算装置、123 記憶装置、124 システム制御装置、125 表示装置、201 X線発生点、201R 第一の方向に移動したX線発生点、、201L 第二の方向に移動したX線発生点、202 散乱線除去コリメータ、202a スライス方向遮蔽板、202b チャンネル方向遮蔽板、203 検出素子モジュール、203a 基板、203b 検出素子、203c X線遮蔽体、203d 分離部、204 X線発生点201からのX線、204R X線発生点201RからのX線、204L X線発生点201LからのX線、205 スライス方向遮蔽板

Claims (9)

  1. X線発生点から照射されたX線を検出し、チャンネル方向とスライス方向にそれぞれ複数配列された検出素子と、
    前記検出素子をスライス方向に分離する分離部と、
    前記分離部のX線入射面側に配置され、前記分離部のスライス方向の幅以上の幅を有し前記検出素子に入射するX線の一部を遮蔽するX線遮蔽体と、
    前記X線遮蔽体のX線入射面側に配置され、散乱線を除去する散乱線除去コリメータと、を備えたX線検出器であって、
    前記分離部は、前記X線発生点が移動する範囲において、前記X線遮蔽部あるいは前記散乱線除去コリメータによってX線の影になる位置に配置されることを特徴とするX線検出器。
  2. 請求項1に記載のX線検出器において、
    前記X線遮蔽体のスライス方向の中心よりも、前記X線発生点から遠い位置に前記分離部が配置されることを特徴とするX線検出器。
  3. 請求項2に記載のX線検出器において、
    SがX線発生点からスライス方向において最も離れたX線遮蔽体のX線発生点側の端部から移動前のX線発生点までの距離であり、FsがX線発生点の移動量であり、tが検出素子の厚さであり、LがX線発生点から検出素子までの距離であるとき、
    前記分離部のスライス方向におけるX線発生点側端部から前記X線遮蔽体のスライス方向におけるX線発生点側端部までの距離wが
    w≧(S+Fs)t/L
    の範囲にあることを特徴とするX線検出器。
  4. 請求項2に記載のX線検出器において、
    前記散乱線除去コリメータは、前記X線発生点に向かって配置される複数のスライス方向遮蔽板を有し、
    前記スライス方向遮蔽板のX線入射方向における検出素子側の端部は、前記X線遮蔽体のスライス方向幅の中心よりも前記X線発生点から遠い位置に配置されることを特徴とするX線検出器。
  5. 請求項4に記載のX線検出器において、
    SがX線発生点から最も離れたX線遮蔽体のX線発生点側の端部から移動前のX線発生点までのスライス方向の距離であり、FsがX線発生点の移動量であり、hがスライス方向遮蔽板の高さであり、LがX線発生点から検出素子までの距離であるとき、
    前記スライス方向遮蔽板のスライス方向におけるX線発生点側端部から前記X線遮蔽体のスライス方向におけるX線発生点側端部までの距離wが
    w≦(S−Fs)h/L
    の範囲にあることを特徴とするX線検出器。
  6. 請求項1に記載のX線検出器において、
    前記散乱線除去コリメータは、前記X線発生点に向かって配置される複数のスライス方向遮蔽板を有し、
    前記スライス方向遮蔽板のX線入射方向における検出素子側の端部は、前記X線遮蔽体のスライス方向幅の中心よりも前記X線発生点から遠い位置に配置されることを特徴とするX線検出器。
  7. 請求項6に記載のX線検出器において、
    SがX線発生点から最も離れたX線遮蔽体のX線発生点側の端部から移動前のX線発生点までのスライス方向の距離であり、FsがX線発生点の移動量であり、hがスライス方向遮蔽板の高さであり、LがX線発生点から検出素子までの距離であるとき、
    前記スライス方向遮蔽板のスライス方向におけるX線発生点側端部から前記X線遮蔽体のスライス方向におけるX線発生点側端部までの距離wが
    w≦(S−Fs)h/L
    の範囲にあることを特徴とするX線検出器。
  8. 請求項1に記載のX線検出器において、
    前記散乱線除去コリメータは断面形状が台形であり、台形の下底の中心と上底の中心とを結ぶ線が前記X線発生点に向かっていることを特徴とするX線検出器。
  9. 前記X線発生点を有するX線源と、前記X線源に対向配置され被検体を透過したX線を検出する請求項1に記載のX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器を搭載し前記被検体の周囲を回転する回転円盤と、前記X線検出器により検出された複数角度からの透過X線量に基づき前記被検体の断層画像を再構成する画像再構成装置と、前記画像再構成装置により再構成された断層画像を表示する画像表示装置と、を備えたことを特徴とするX線CT装置。
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