JP2012149275A - 高比強度を有する純チタン構造材料 - Google Patents

高比強度を有する純チタン構造材料 Download PDF

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Abstract

【課題】純チタンの強度をチタン合金と同等レベルまで引き上げた新規な純チタン、及びこの純チタンを用いた合金からなるチタン合金と比較して硬度が高い新規な純チタン焼結体の提供。
【解決手段】粉状の純チタンにステアリン酸を添加した後、メカニカルミリングして得られることを特徴とするビッカース硬度が330から530HVであり、表面にステアリン酸が付着した微粉状Ti及び粉状の純チタンにステアリン酸を添加してメカニカルミリングして表面にステアリン酸が付着した微粉状Tiを製造した後、放電プラズマ焼結することにより得られることを特徴とするビッカース硬度が600から1250HVであり、セラミックス粒子を含む微粉状Ti粉末焼結体。
【選択図】図3

Description

本発明は高比強度を有する純チタン構造材料に関するものである。
チタンはその特性から注目されている材料である。アルミニウムと比較した場合、約60%程度重いものの、約2倍の強度を持っている。これらの特性の影響により、チタンは他の金属よりも金属疲労が起こり難いとされている。
工業用純チタンの強度は不純物元素の酸素、鉄、窒素及び炭素量に大きく依存し、日本工業規格ではそれらの量と機械的性質は規定されている。
チタンを製造するに際しては、チタン鉄鉱やルチルなどの鉄分を含む鉱石を原料とし、炭素と熱して鉄を除いた後、さらに炭素と熱しながら塩素を通じて4塩化チタンとし蒸留により精製する。これをアルゴン中約900℃でマグネシウムと反応させた後、塩化マグネシウムを真空分離して多孔質の金属チタンを得る方法(クロル法)、又は、前記マグネシウムの代りにナトリウムを使用し、金属チタンを得ると同時に塩化ナトリウムを生成する方法(ハンター法)を通常用いる。
これらの方法ではチタンは溶融塩化マグネシウム(又は、ナトリウム)を若干内包して塊となった融合塊はチタンスポンジと呼ばれる。金属製レトルトを冷却した後、凝固した金属チタンスポンジを粉砕して精製した後、熱窒素気流中で乾燥させる。粉末チタンは、通常、粉砕、ショットキャスティング若しくは遠心法により行われる。粉砕を促進するため、最初にチタンに水素を吸着させてスポンジを脆くするのが一般的技術である。そこで、粉末水素化チタンの生成後、粒子を脱水素して使用可能な製品とする発明(特許文献1 特許第3391461号公報。特表平10−502418号公報)が知られている。
高純度チタンインゴットの製造方法は、この知見を基礎として完成されたものであり、クロル法により製造されたスポンジチタン粒を圧縮加工により成形体にし、複数の圧縮成形体を溶接して棒状溶解原料とした後に溶解する高純度チタンインゴットの製造方法において、前記圧縮加工により温度上昇した圧縮成形体を、減圧容器内で減圧処理した後に低湿度雰囲気中に保持して冷却する方法(特許文献2 特開2008−231509号公報)が知られている。又、スポンジチタンに残る鉄分やニッケルの除去など多くの発明が見られるが不純物を取り除くための具体的な手段がとられが、その実行には技術的に解決することが困難な問題が多いことがわかる(特許文献3 特開2008−274406号公報)。不純物の除去は技術的に困難であることがわかる。
製造された純チタンでは、不純物元素量は不可避的に存在した状態として利用される。純チタンを純粋なチタンとして輸送機器をはじめとする構造部材に用いることは困難であることがわかる。
また、粉末を固化成形する際に、従来から用いられてきた粉末冶金法を採用することはその工程数が多く、比較的高い温度で加工することが必要となる。このため、優れた粉末を作製しても固化成形する際に、その特性は変化する結果となる。
この事情を反映して、工業用チタンの強度を向上させるために、純チタンに対して種々の元素を適宜添加して、加工や熱処理によって材料特性を最大限に引き出すための合金開発及び詳細に組織制御する加工プロセス条件の確立に努力が払われてきた(例えば、特許文献4 特開2005−298855号公報)。チタンスポンジをチタンとして利用して、チタン(Ti)、チタン合金、又はチタンコンポジット材料物質(チタン複合材料物質)から成る成形体(成形品)又は成形構成部品(Ti−6Al−4V(Ti−6−4) 合金)などとして成形体又は成形構成部品として利用する発明(特許文献5 特表2008−528813号公報)などが知られている。
しかしながら、これらの発明に見られる添加元素の組合せ加工や熱処理の組合せも頭打ちの状態が続いている。
このことを解決するために、従来から純チタンに対して高価なセラミックス粉末やセラミック繊維を分散又は配向させた複合材料の開発が行なわれてきた。セラミックス粒子や繊維の分散状態、さらにはポロシティなど複合化する過程でのプロセス上の問題ばかりでなく、セラミックス自体の価格やプロセス工程の複雑さに加え、加工時間が長時間に及ぶことによる高コスト化などの問題がある。このことから、複合材料は広範囲に適用されていないという現状にある。
粉末からバルク材を作製する際に粉末を冷間や熱間で予備成形する必要があること、又は比較的高温で熱間押出加工する必要があることなど、工程の煩雑さや加工温度等の制御などの点に問題点が残されている。
この状況下にあってチタン材料を用いる場合には合金化やセラミックとの複合化によって解決していくことには限界があり、従来全く検討されてこなかった純チタンの強度をチタン合金と同等レベルまで引き上げることに向けて努力することが必要であること、又このようにして得られる純チタンを用いることにより、従来のチタン合金と比較して強度が高い純チタン焼結体の開発が可能となるという考え方のもとに、研究を進めることとした。
特許第3391461号公報、特表平10−502418号公報 特開2008−231509号公報 特開2008−274406号公報 特開2005−298855号公報 特表2008−528813号公報
本発明が解決しようとする課題は、純チタンの強度をチタン合金の強度以上のレベルまで引き上げた新規な純チタン、及びこの新規な純チタンを焼結することにより、従来知られていたチタン合金より強度が高い新規な純チタン焼結体を提供することである。
本発明者らは鋭意前記課題を解決すべく、研究を進め、以下の新しいことを見出して、前記課題を解決した。
1.工業用レベルの純度である純チタン粉末(JIS3グレード ビッカース硬度が200未満)に、助剤としてステアリン酸を添加して4時間及び8時間にわたり、メカニカルミリングを行った。このときステアリン酸は機械的混合粉砕処理中で焼き付きを防止する作用を果たす。純チタンをステアリン酸の存在下にメカニカルミリングを行うことにより、微粉状の純チタンを得る。これはステアリン酸が表面に付着した微粉状Tiとして得られる。
この微粉状の純チタンの硬度は、処理前の値から上昇し、8時間の処理後のビッカース硬度は330から530HVとなる(図1)。これは当初の純チタン粉末のビッカース硬度以上の硬度であり、粉末状の合金であるTi−6Al−4Vのビッカース硬度を、凌ぐ結果を得た。硬度はステアリン酸の添加量に依存すること、特に添加量は少ない場合の方が良好な結果を得ることができることがわかった。
2.工業用レベルの純度である純チタン粉末(JIS3グレード、ビッカース硬度が200未満)に助剤としてステアリン酸を添加して、メカニカルミリングを行わずに放電プラズマ焼結法により焼結した焼結体、及び4時間及び8時間にわたりメカニカルミリングを行った後に放電プラズマ焼結した焼結体のビッカース硬度を比較すると、4時間、及び8時間焼結を行った各焼結体のビッカース硬度は高い結果を得ることができることを見出した。
このことから、純チタンでは焼結する前にステアリン酸を添加してメカニカルミリングを行い、放電プラズマ焼結を行って得られる焼結体では、焼結体の硬度を向上させることができることがわかった。硬度を向上させるにしても、硬度が高いとして知られているチタン合金Ti−6Al−4Vのビッカース硬度をはるかに超える結果である(1250HV(10gの純チタンにステアリン酸0.50gを添加した場合)、600HV(10gの純チタンにステアリン酸0.25を添加した場合))。なお、チタン合金Ti−6Al−4Vのビッカース硬度は320HVである(以上は図3に示されている。)。
本発明で得られる純チタンの焼結体は、ステリン酸を含む微粉状の純チタンを得た後、引き続き放電プラズマ焼結法を行い、比較的低温及び短時間で固化成形を行ない、この加工の際の加熱によって純チタンとステアリン酸が反応し、反応生成物であるセラミックス粒子を含む新たなチタン構造材料を得ているものである。
3.本発明は、以下の通りである。
(1)粉状のJIS3グレードの純チタンにステアリン酸を添加した後、メカニカルミリングして得られることを特徴とするビッカース硬度が330から530HVであり、表面にステアリン酸が付着した微粉状Ti。
(2)粉状のJIS3グレードの純チタンにステアリン酸を添加した後、メカニカルミリングすることを特徴とするビッカース硬度が330から530HVである、表面にステアリン酸が付着した微粉状Tiの製造方法。
(3)粉状のJIS3グレードの純チタンにステアリン酸を添加してメカニカルミリングして表面にステアリン酸が付着した微粉状Tiを製造した後、放電プラズマ焼結することにより得られることを特徴とするビッカース硬度が600から1250HVであり、セラミックス粒子を含む微粉状Ti粉末焼結体。
(4)粉状のJIS3グレードの純チタンにステアリン酸を添加してメカニカルミリングして微粉状のTiを製造した後、放電プラズマ焼結することを特徴とするビッカース硬度が600から1250HVであり、表面にセラミックス粒子が付着した微粉状Ti粉末焼結体の製造方法。
本発明によれば、粉状のJIS3グレードの純チタンにステアリン酸を添加した後、メカニカルミリングすることによりビッカース硬度が330から530HVである微粉状Ti粉末及び粉状のチタンにステアリン酸を添加してメカニカルアロイングして微粉状のTiを製造した後、放電プラズマ焼結することによりビッカース硬度が600から1250HVである微粉状Ti粉末焼結体を得ることができる。
本発明は、粉状のJIS3グレードの純チタンにステアリン酸を添加した後、メカニカルミリングして得られるビッカース硬度が330から530HVである微粉状Ti粉末である。
本発明で用いた被加工材は粉状の純チタンである。粉状の純チタンの純度は99.5%,平均粒子径は44μm以下であった。分析値は表1に示すとおりである。これは一般にJIS3グレードと呼ばれている。
JIS3グレードのチタンの分析値は以下の表1に示すとおりである。
被加工材であるチタンはステアリン酸と共に処理される。ステアリン酸は高級脂肪酸として知られており常温で固体状である。
ステアリン酸とチタン微粉末の割合はチタン微粉末が重量比で2重量%から10%の範囲とする。
これらを合わせるだけでは、ステアリン酸やチタン微粉末が偏在することが観察される。この場合には十分に混ぜ合わせることにより、均一に混ざり合っている状態とすることが必要である。
粉状のJIS3グレードの純チタンとステアリン酸を撹拌混合粉砕処理手段により微粉状のチタン中にステアリン酸を均一に分散させて微細状のチタンを製造する。
メカニカルミリングは、遊星ボールミル、振動ボールミル、高速回転ボールミルなどを用いた機械的な手段による微粉末化すると同時にメカノケミカル反応させる処理である。なお、本発明ではアメリカのSPEX社で8000型振動型のボールミルを採用した。操作ではカタログ記載の回転数である1425rpmを採用した。この条件は通常の操作条件である。他の機種を用いる場合にも各機種の通常の操作条件により行うことができる。
メカニカルミリングを行う時間は4時間から8時間行ってその効果を確認している。上限いついては8時間を越える処理を行うことができる。
ステンレス製のポットに、前記のチタンの微粒子とステアリン酸と、ステンレス球を入れ、高純度アルゴンガスを注入後、密閉する。
メカニカルミリングにより微粉化するとともに組成を均一にすることができる。
メカニカルミリングを行った時間当たりの、得られた微粉末のビッカース硬度を測定した結果を図1は示している。
ステアリン酸はTi粉末10gに対して、ステアリン酸0.25gを添加した場合(図中、○で示す。)。同じく、ステアリン酸0.50gを添加した場合のビッカース硬度を示している(図中、△で示す。)。
4時間処理した場合の結果は、ステアリン酸0.25gを用いた場合ではビッカース硬度は上昇することがわかる。又、ステアリン酸0.50gを添加した場合のビッカース硬度は減少する。
8時間処理した場合の結果は、ステアリン酸0.25gを用いた場合では
硬度を有する合金として知られるTi−6Al−4Vを超えるビッカース硬度が530HVのものが得られる。
テアリン酸0.50gを用いた場合では、硬度を有する合金として知られるTi−6Al−4Vを超えるビッカース硬度が330HVのものが得られる。
上記のようにして得られた微粉状Ti粉末を放電プラズマ焼結法により微粉状Ti粉末焼結体を製造するための装置を図2に示す。
微粉状Ti粉末(ステアリン酸を含む)1を成形用型21内に充填し、放電プラズマ焼結装置にセットした後、放電プラズマ焼結法により焼結する。
放電プラズマ焼結装置は、真空チャンバー20と、上下一対の加圧ラム24、25と、パルス電圧を発生させる焼結用電源32と、加圧ラム24、25を昇降駆動する油圧式の加圧駆動機構33と、これらを制御する制御部31とを有している。
粉状のJIS3グレードの純チタン粉末(ステアリン酸を含む)1を装入した成形用型21は、真空チャンバー20内の加圧ラム24、25間にセットされる。真空チャンバー20内を真空ポンプ22により脱気し、真空状態(減圧状)とする。又は真空チャンバー20内を不活性ガスによる雰囲気とする。その後焼結を行う。
制御部31は、成形用型21に設置された図示しない温度センサー(熱電対)により検出される材料温度が予め設定された昇温曲線と一致するように焼結用電源32の出力を制御する。また、制御部31は、加圧駆動機構33及び真空ポンプ22の駆動を制御する。
上下一対の第1の押圧子26、第2の押圧子27は、各々加圧ラム24及び25に固定されており、加圧ラム24、25内に設けられた給電端子(図示せず)により焼結用電源32と電気的に接続されている。加圧駆動機構33の作動により、加圧ラム24、25を互いに接近する方向に移動し、これらに固定された第1の押圧子26、第2の押圧子27により純チタン粉末1を圧縮して圧縮体を得る。
純チタン粉末1を圧縮する際には、純チタン粉末1と第1の押圧子26及び第2の押圧子27との間には、各々断熱材28、29を介在させることが好ましい。これにより、電流が第1の押圧子26又は押圧子27に集中した場合、加熱された状態にある第1の押圧子26又は第2の押圧子27から微粉状Ti圧粉体への熱の拡散が遮断され、局所的な加熱および高温化を防止する。したがって、微粉状Ti圧粉体の焼結時の温度が均一化され、均質で高品位な焼結体を得ることができる。
さらに、断熱材28及び断熱材29と、純チタン粉末1および第1の押圧子26、第2の押圧子27の間には各々カーボンシート(図示せず)を介在させることが好ましい。
放電プラズマ焼結は、第1の押圧子26、第2の押圧子27及び成形用型21を通してパルス電圧を印加し、圧縮通電系を加熱する。焼結系の温度が所定温度に達したら、かかる温度で一定時間保持し、複合体を形成する。
焼結温度としては特に限定されないが、焼結温度は700Kから1200Kの範囲の温度が採用される。本発明の実施例では1073Kまで焼結温度を上げて焼結を行った。焼結温度1200Kを超える場合には焼結温度が高すぎることがあり、過焼結状態となって分解する、又は複合体にクラック等が発生することにより強度が著しく低下するおそれがある。700未満である場合には焼結がうまく進行しない場合がある。
また、焼結時間は20分より1時間を超える範囲、およそ30分程度は必要とされる。そのときの圧力は40から60MPaの範囲であり、本発明の実施例では49MPaで行った。
具体的にはボールミル中で4時間又8時間処理したチタン粉末を黒鉛型に装入し、1073Kまで焼結温度を上げ、49MPaで30分間保持してチタン焼結体(SPS材)を作製した。
放電プラズマ焼結法は、圧粉体粒子間隙に直接パルス状の電気エネルギーを投入し、火花放電により瞬時に発生する高温プラズマの高エネルギーを熱拡散・電界拡散等へ効果的に応用することで、ホットプレス法等に比べ、昇温、保持時間を含め、数分〜数十分の短時間で焼結あるいは焼結接合を可能とする。また、放電点の分散による均等加熱により、均質で接合強度に優れた高品位の複合体を容易かつ高効率で製造することができる。
放電プラズマ焼結法によれば、材料の充填、必要に応じて行う圧粉体化及び焼結の各工程を1つの成形用型21内で行うことが可能であり、製造コストの低減を図ることも可能である。
上記の焼結温度で所定時間保持した後放冷し、成形用型21から微粉状Ti粉末焼結体を取出す。
放冷の際には、複合体の加圧状態を解除して放冷することが好ましい。通常、焼結後、焼結体は加圧状態で成形パンチ等を介して水冷される。
図3は、前記放電プラズマ焼結装置を用いて、粉状のJIS3グレードの純チタンに、ステアリン酸を0.25g添加した場合(○で示す)、又、粉状のJIS3グレードの純チタンに、ステアリン酸を0.50g添加した場合(△で示す)について、メカニカルミリングを行っていない場合、4時間メカニカルミリングを行った場合、8時間メカニカルミリングを行った場合について、プラズマ放電焼結を行った結果を示している(カッコ内は密度を示している)。
上記の図3は、4時間のメカニカルミリングを行った後に焼結した場合のビッカース硬度は700HV(純チタン10gに対して、ステアリン酸を0.25g添加した場合)及び740HV(純チタン10gに対してステアリン酸0.50gを添加した場合)を示している。
又、8時間のメカニカルミリングを行った後に焼結した場合のビッカース硬度は、1250HV(10gの純チタンにステアリン酸0.50gを添加した場合)、600HV(10gの純チタンにステアリン酸0.25を添加した場合)を示している。
いずれにしても、4時間メカニカルミリングすることは有効であリ、又、8時間メカニカルミリングすることは、ステアリン酸0.50gを添加した場合にはきわめて有効であることを示している。
以上の結果、本発明者らは粉状の純チタンの焼結体を得る場合には、予めステリン酸の存在下にメカニカルミリングを行った後に焼結を行うと、ビッカース硬度が高い焼結体を得ることができることを見出した。本発明で得られる純チタンの焼結体は、ステリン酸を含む微粉状の純チタンを得た後、引き続き放電プラズマ焼結法を行い、比較的低温及び短時間で固化成形を行ない、この加工の際の加熱によって純チタンとステアリン酸が反応し、反応生成物であるセラミックス粒子を含む新たなチタン構造材料を得ているものである。
硬度が高い合金として知られているTi−6Al−4Vの硬度をはるかに凌ぐ結果であった。
以下に本発明の具体例を実施例として示す。本発明はこの実施例により限定されるものではない。
本発明で得られる微粉状Ti及びセラミックス粒子を含む微粉状Ti粉末焼結体であるビッカース硬度の測定法は以下の通りである。
ビッカース硬度の測定法は、固化成形した材料の表面を研磨後、ビッカース硬度計を用いて、試験荷重1kg、保持時間15秒、測定を7回行い、それらの平均値を求めた。
原料物質及び被加工材の調整について
純チタンは、工業用レベルの純度である純チタン粉末(JIS3グレード ビッカース硬度が200未満)を用いる。
用いた純チタン粉末の純度は99.5%,平均粒子径は44μm以下であった。
ステアリン酸は室温で固体状であり、(関東化学株式会社製)のものを使用した。
メカニカルミリング工程は以下の通りである。
ステアリン酸はTi粉末10gに対して、ステアリン酸0.25g、同じく、ステアリン酸0.50gを添加した場合の実験を行った。
両者を4時間及び8時間ボールミル中でメカニカルミリングした粉末の硬さを図1に示した。
8時間、カニカルミリングした微細粉末のビッカース硬度が330(ステアリン酸0.50g場合の結果については△で示す)、及び530HV(ステアリン酸0.25g場合の結果については○で示す)であった。
いずれも硬度が高い合金として知られるTi−6Al−4Vを超える結果になっている。
メカニカルミリングの工程のあと焼結処理を行う工程は以下の通りである。
(1)メカニカルミリング工程
ステアリン酸はTi粉末10gに対して、ステアリン酸0.25g、同じくステアリン酸0.50gを添加した。両者を4時間及び8時間にボールミル中でメカニカルミリングした。
(2)焼結処理の工程
得られた焼結体の硬度は以下の通りであった。
4時間メカニカルミリングした微粉末を焼結した結果の硬度は以下の通り。700HV(ステアリン酸0.25gを添加した場合)、740HV(ステアリン酸0.50添加した場合)であった。
8時間メカニカルミリングした微粉末を焼結した結果の硬度は以下の通り。600HV(ステアリン酸0.25g添加した場合)、1250HV(ステアリン酸を0.50添加した場合)であった。
いずれも、Ti−Al−4Vの硬度を超える結果であった。
比較例としてステリン酸を添加して、メカニカルミリングを行わない場合を示した。
これらの結果を対比すると、メカニカルミリングを行ったあとに焼結を行って得られる焼結体のビッカース硬度は極めて高くなることを確認できた。
図中( )内は相対密度を表している。
チタン粉末をメカニカルミリングした結果、硬度を向上させることができることを示している図 焼結装置を示す図 メカニカルミリングを行わない場合、4時間のメカニカリミリングを行った場合及び8時間のメカニカリミリングを行った場合の各焼結体のビッカース硬度を示す図
1:微粉状Ti粉末(ステアリン酸を含む)
20:真空チャンバー
21:成形用型
22:真空ポンプ
24:加圧ラム
25:加圧ラム
26:第1の押圧子
27:第2の押圧子
28:断熱材
29:断熱材
31:制御部
32:焼結用電源
33:加圧駆動機構

Claims (4)

  1. 粉状のJIS3グレードの純チタンにステアリン酸を添加した後、メカニカルミリングして得られることを特徴とするビッカース硬度が330から530HVであり、表面にステアリン酸が付着した微粉状Ti。
  2. 粉状のJIS3グレードの純チタンにステアリン酸を添加した後、メカニカルミリングすることを特徴とするビッカース硬度が330から530HVである、表面にステアリン酸が付着した微粉状Tiの製造方法。
  3. 粉状のJIS3グレードの純チタンにステアリン酸を添加してメカニカルミリングして表面にステアリン酸が付着した微粉状Tiを製造した後、放電プラズマ焼結することにより得られることを特徴とするビッカース硬度が600から1250HVであり、セラミックス粒子を含む微粉状Ti粉末焼結体。
  4. 粉状のJIS3のチタンにステアリン酸を添加してメカニカルミリングして微粉状のTiを製造した後、放電プラズマ焼結することを特徴とするビッカース硬度が600から1250HVであり、表面にセラミックス粒子が付着した微粉状Ti粉末焼結体の製造方法。
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