JP2012147856A - 過酸化水素ガスを使用した除染方法及び除染システム - Google Patents

過酸化水素ガスを使用した除染方法及び除染システム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、比較的短時間の間に効果的な滅菌処理を行うことができ、また比較的限られた範囲の量の過酸化水素ガスを使用することで、効率的かつ効果的な除染方法を提供するものである。また、本発明は、該方法を、例えばアイソレータに採用する等、効率的かつ効果的な例えば除染システムを提供するものである。
【解決手段】本発明は、過酸化水素ガスによる除染方法において、除染対象エリア内に、発生させた過酸化水素ガスを供給し、該除染対象エリアの温度を、過酸化水素ガスから凝縮化する温度に調整することを特徴とする過酸化水素ガスによる除染方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、過酸化水素ガスを使用した除染方法及び除染システムに関する。詳細には、本発明は、過酸化水素ガスを使用したアイソレータをはじめとする医薬品製造環境内、病室、診察室、待合室、手術室等の医療施設、調理場等の食品製造施設、公共施設等の除染方法に関するものである。また、本発明は、過酸化水素ガスを使用した除染システム、とりわけ過酸化水素ガスを使用したアイソレータをはじめとした医薬品製造環境内の除染システムに関するものである。
なお、除染対象区域としては、上記に限られるものではなく、本発明の趣旨を超えない範囲で、実験・研究施設、交通機関等に具備される各施設等、様々な区域を想定することができるものである。
従来、医薬品製造における主な除染方法としては、例えばオートクレーブを用いる高圧蒸気滅菌等の滅菌法、例えば紫外線、ガンマ線等を用いる照射滅菌法、例えばろ過フィルターを用いるろ過滅菌法、例えばホルムアルデヒド燻蒸、エチレンオキサイドガス、過酸化水素ガス等を用いるガス滅菌法等の方法が知られている。該方法より、除染対象物の材質、形状により、適した滅菌方法が採用されているが、装置設備が大型化したり、透過力が不十分であったり、材料が適当でなかったり、対象物の処理方法にバッチ式あるいは連続式等の制限があったり、除染中から除染後(残留ガス抜き)の処理時間にかなりの長い時間がかかったりする等、問題があるといわれている。例えば、医薬品製造施設における除染方法のうち、過酸化水素ガスを用いた除染方法についても、過酸化水素ガスをプラズマ化して、濃度約60%の過酸化水素カプセルを用いたガス滅菌方法や、低圧力放電プラズマを用いた方法、大気圧放電プラズマを用いた除染方法も提案されている(非特許文献1、および非特許文献2参照)。
ところで、過酸化水素ガスは、固体との接触により自然分解するものであり、容器内壁面等に容易に吸着し、分解することから、処理容器内における過酸化水素ガス濃度は短時間で急激に減少する。また、滅菌されるのに要する時間は過酸化水素ガス濃度と密接な関係があり、過酸化水素ガス濃度が低くなるに従い滅菌時間は長くなる。これを解決するために、処理容器内に、該容器の排気口から余剰ガスを排出させつつ、過酸化水素ガスを連続的に供給させるようにすると共に、処理容器内における過酸化水素ガス濃度を予め設定された一定範囲に保持すべく、過酸化水素ガスの供給量を制御するような滅菌方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、過酸化水素ガスによる除染は環境条件の影響を受けやすく、効果的な滅菌方法を行うには、必要以上に大量の過酸化水素を使用することになる。したがって、除染中の医薬品製造環境への影響、あるいは除染後の残留過酸化水素ガス濃度を低減させる等、環境に与える影響に鑑み、過酸化水素ガスを使用した効果的な除染方法及び過酸化水素ガスを使用した除染システムについて、更なる検討が必要である。
特開平9−131390号公報
P. T. Jacobs and S. M. Lin, Disinfection.Sterilization and Preservation, Ed. S.S. Block, 5th ed. (LippincorttWilliams & Wilkins, 2000) Chap. 38, p.747 M. Morisan, J. Barbeau, S. Moreau, J. Pellettier,M. Tabrizian and L’H. Yahia,Int. J. Pharm., 226, 1 (2001)
本発明は、上記課題を解決することにある。
つまり本発明は、比較的短時間の間に効果的な滅菌処理を行うことができ、また比較的限られた範囲の量の過酸化水素ガスを使用することで、効率的かつ効果的な除染方法を提供する。また、本発明は、該方法を、例えばアイソレータに採用する等、効率的かつ効果的な例えば除染システムを提供する。
本発明者らは、過酸化水素ガスの使用量に着目して、温度や時間等のファクターについて検討を行った結果、(1)過酸化水素除染は環境条件の影響を受けやすく、温度が高温になると除染効果が減少すること、(2)必要以上に大量の過酸化水素水を使用するのは、除染工程後の残留過酸化水素ガス濃度を減少させるエアレーション工程の時間を長くすることに加え、環境負荷を低減させるため、例えば除染を実施したい個所、例えばアイソレータ内で無菌的な操作が実施される個所を低温にすることによって、効率的かつ環境負荷の少ない除染を遂行することが出来ること、(3)過酸化水素ガスをアイソレータ内に投入する方法は、同濃度の過酸化水素水溶液(35wt%)に浸漬させるよりも除染効果が高いこと、等を知見して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、過酸化水素ガスによる除染方法において、除染対象エリア内に、発生させた過酸化水素ガスを供給し、該除染対象エリアの温度を、過酸化水素ガスから凝縮化する温度に調整することを特徴とする過酸化水素ガスを使用した除染方法に関するものである。
また、本発明は、供給前の過酸化水素水をストックするための過酸化水素水供給容器と、過酸化水素水をガス化する過酸化水素ガス化装置と、前記過酸化水素水供給容器から前記過酸化水素ガス化装置まで過酸化水素水を搬送する搬送手段と、除染対象エリア内の温度調整を行い、過酸化水素ガスを凝縮化する除染対象領域内温度制御装置と、を少なくとも備え、前記搬送手段を経て、前記過酸化水素ガス供給容器から前記過酸化水素ガス化装置へ過酸化水素水を搬送し、前記過酸化水素ガス化装置に搬送された過酸化水素水をガス化して得た過酸化水素ガスを前記除染対象エリア内に供給するとともに、前記除染対象領域内温度制御装置により、前記除染対象エリアの温度を、過酸化水素ガスから凝縮化する温度に調整することを特徴とする過酸化水素ガスを使用した除染システムに関するものである。
具体的には、前記除染対象エリアが、医薬品製造施設、食品製造施設、医療施設、または公共施設であると好適であり、前記除染対象エリアが、医薬品製造施設であればなお好適である。
また、前記医薬品製造施設が、無菌医薬品が製造される施設であると更に好適である。
また更に、前記無菌医薬品が製造される施設が、アイソレータまたはアイソレータ内の特定区域であると好適である。
なお、前記除染対象エリア内の過酸化水素ガスの濃度が、300〜2000ppmであるとよい。
更に、過酸化水素ガスを使用した除染システムとして、具体的には、前記搬送手段には、前記過酸化水素水供給容器から過酸化水素ガス化装置への過酸化水素水の搬送量を制御するための過酸化水素供給量制御装置が備えられていると好適であり、前記過酸化水素供給量制御装置は、流量調整機能を有するポンプとして構成されていると好適である。
本発明にかかる過酸化水素ガスを使用した除染方法及び除染システムによれば、比較的短時間の間に効果的な滅菌処理を行うことができる。
また比較的限られた範囲の量の過酸化水素ガスを使用することで、効率的かつ効果的な除染方法を提供することが可能となる。
更に、本発明によれば、該方法を、例えばアイソレータに採用する等、効率的かつ効果的な例えば除染システムを提供することが可能となる。
本発明に係る過酸化水素ガスによる除染システムの一例を示す系統図である。 微生物学的指標(BI:バイオロジカルインジケータ、菌種G. stearothermophilus)を利用した過酸化水素ガス除染強度の温度依存性を示す関係図である。 過酸化水素水溶液にG. stearothermophilusを浸漬させた際のD値(D値:微生物を1/10に減少させるのに必要な時間)を示す関係図である。 種々のキャリアにG. stearothermophilusを塗布し、アイソレータ内での過酸化水素除染した場合のキャリア別D値を示す模式図である。
本発明の特徴のひとつとして、例えば医薬品製造施設(例えば、医薬品を製造するために使用する装置及び/または該装置を取り囲むアイソレータの内表面など)において、ガス化した過酸化水素に、温度調整(例えば20℃以下、他の態様としては15℃以下)を施すことにより、過酸化水素ガスを凝縮させることができる点が挙げられる。
本明細書において「効果的、効率的」とは、従来の除染方法に比べ、より少ない過酸化水素の量で同等以上の除染効果が達成されることを意味する。例えば、後述する実施例の項において実験方法として記載した除染方法により確認することができる。
本明細書において「除染」とは、化学的除染、無菌、殺菌、滅菌をも含む意味で用いられる。
以下、本発明の除染方法の一実施形態について詳細に説明する。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本発明に用いられる過酸化水素水としては、製薬学的に許容されるものであれば特に制限されない。過酸化水素水は通常30%過酸化水素水として市販されているが、他に90w/v%〜2.5w/v%、60w/v%〜2.5w/v%が挙げられる。過酸化水素水は、製薬学的に許容される溶媒に希釈して使用することもできる。溶媒としては、例えば、具体的には、水、有機溶媒などが挙げられる。他の態様としては、市販の滅菌用調整済過酸化水素水が挙げられる(日本薬局方「オキシドール」2.5〜3.5wt%の過酸化水素水)。希釈する場合、水による希釈が挙げられ、濃度としては、除染を行い本発明の所望の効果が達成される範囲であれば特に制限されない。例えば、具体的には、2.5wt%〜90wt%、2.5w/v%〜60w/v%が挙げられる。他の態様として、30wt%〜35.5wt%が挙げられる。
過酸化水素のガス化条件としては、過酸化水素の供給量に応じて、濃度、温度、時間等が適宜設定されれば特に制限されない。具体的には、例えば、0.1〜10分が挙げられる。他の態様として、瞬間的に完全気化(所謂「フラッシュ蒸発」)される状態が挙げられる。
ガス濃度は、除染処理条件に応じて適宜選択されるが、本発明の所望の効果が達成される範囲であれば特に制限されない。例えば、具体的には、300〜2000ppmが挙げられる。
温度としては、原料に使用する過酸化水素水の濃度にも依るが、過酸化水素水がガス化する温度条件であれば特に制限されない。具体的には、例えば、過酸化水素水の共沸点付近に加温するとよい。他の態様として共沸点以上に加温することもできる。具体的には、例えば、30〜35w%の場合、106℃以上、或いは108℃以上が挙げられる。他の態様として35wt%の場合、約110℃または110℃以上が挙げられる。
過酸化水素ガスは、除染対象物の表層に凝縮化(マイクロコンデンス)される。マイクロコンデンス化条件としては、過酸化水素ガスの沸点以下で、過酸化水素ガスの濃度にも依るが、除染対象物の表層にマイクロコンデンスされる条件であれば特に制限されない。35wt%〜90wt%の場合、例えば、35wt%の場合、108℃未満の条件が挙げられ、90w%の場合、141℃未満の条件が挙げられる。
時間は、マイクロコンデンス後の除染時間としては、対象物の面積、区域の容積等にも依るが、本発明の所望の効果が達成され、除染できる時間であれば特に制限されない。具体的には、例えば、30分以上1時間以下が挙げられる。
以下に、本発明の方法を実施するための、本発明の過酸化水素ガスを用いた除染システムの一実施形態について詳細に説明する。
なお、本構成は、本発明を実施するための一例であり、これに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜改変することができるものである。
本実施形態の除染システムは、図1に示すように、過酸化水素水供給容器1、過酸化水素ガス化(ガス供給)装置2、除染対象領域3(例えばアイソレータ)、除染対象領域内温度制御装置4からなる構成を具備するものである。
過酸化水素水供給容器1は、過酸化水素水が供給される前にストックされる処理容器である。この過酸化水素水供給容器1は、過酸化水素水がストックされるものであれば形状等特に制限されるものではない。またストックされる処理容器の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ガラスなどが挙げられる。
なお、過酸化水素水供給容器1には、過酸化水素投入量を計測するためのスケール33が備えられている。
過酸化水素ガス化(ガス供給)装置2は、過酸化水素水をガス化できる装置であり、本機能を具備する装置であれば特に制限されるものではない。過酸化水素ガス化(ガス供給)装置2としては、例えば、エバポレータが挙げられる。温度は、過酸化水素水溶液の濃度により適宜設定されれば特に制限されない。例えば、過酸化水素溶液の共沸点より若干高い温度に加温(例えば35wt%過酸化水素水溶液の場合、共沸点より若干高い温度の110℃に加温)することが例示される。
すなわち、過酸化水素ガス化(ガス供給)装置2は、加熱体(エバポレータ等)を具備するものであり、過酸化水素水が、供給ラインより加熱体(エバポレータ等)上に滴下されることにより、瞬間的に完全気化(所謂「フラッシュ蒸発」)されて過酸化水素ガスを発生する機能を有するものである。
除染対象領域3としては、医薬品製造施設内の除染対象エリアであれば特に制限されない。例えば、注射剤等の無菌医薬品が製造される施設、アイソレータが挙げられる。他の態様としては、アイソレータ内の特定区域(クリティカルコアという)が挙げられる。
本実施形態においては、HEPAフィルター31及びCGメンブラン32を介して過酸化水素ガスが供給されるように構成される。
除染対象領域内温度制御装置4は、除染対象領域3内に配設されて除染対象領域3の温度調整を行い、過酸化水素ガスを凝縮化(マイクロコンデンス)する機能を有する装置であり、本機能を有する装置であれば特に制限されない。温度・時間条件等は、前記の通りである。
過酸化水素水供給量制御装置11は、過酸化水素水供給容器1から過酸化水素ガス化(ガス供給)装置2への過酸化水素水搬送量を制御するための装置である。この過酸化水素供給量制御装置11としては、過酸化水素水の濃度や、過酸化水素ガス化(ガス供給)装置2における例えばエバポレータの加熱温度にも依るが、過酸化水素水が供給され一定量の過酸化ガスが供給される量の範囲で、過酸化水素水の供給量が制御されれば特に制限されない。本装置としては、例えば、ペリスターポンプなどのポンプが挙げられる。供給速度としては、一定量の過酸化水素(態様として水溶液を含む)が供給されれば特に制限されない。例えば1〜20g/分が挙げられる。他の態様として5〜10g/分が挙げられる。
搬送手段としての供給ライン12は、過酸化水素水供給容器1から過酸化水素ガス化(ガス供給)装置2へ過酸化水を搬送するための経路であり、過酸化水素水が供給できれば特に制限されない。例えば、シリコンホース、ポリエチレンチューブ、ポリプロピレンチューブなどが挙げられる。
過酸化水素ガス移送用装置13は、過酸化水素ガス化(ガス供給)装置2で気化された過酸化水素をラミナーフローにのせて除染対象領域3(特に、除染対象領域内温度制御装置4)に供給するための装置である。なお、除染対象領域3を、クリティカルコアに限定する場合、過酸化水素ガス移送用装置13として、例えばファンを用いて、除染対象領域3からクリティカルコアに、強制的に過酸化水素ガスを移送するよう構成することもできる。
以下、実施例または実験例を用いて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例または実験例に限定されるものではない。
(実施例1)BI殺滅温度依存性
(方法)
1)図1のようにアイソレータ内で温度調節機上、またその近隣にBIを3枚ずつ設置する。なお、温度調節機の設定温度は15℃及び20℃、30℃、35℃、及び40℃とした。
2)以下の表1の条件に基づき除染を実施した(n=2)。
3)除染後BIを取り出し、培養を実施し、低温域でのBI殺滅温度依存性を確認する。
Figure 2012147856
(結果)
微生物学的指標を利用した過酸化水素ガス除染強度および温度との関係を図2に示す。凝縮(マイクロコンデンス)により除染が行なわれる理論に基づき、低温域での滅菌効果が高いことを確認した。一方、過酸化水素水溶液中に菌を分散させた場合、実際のアイソレータの除染工程(マイクロコンデンセーションを発生)より滅菌効果が小さいことが示唆された。
以上の結果より、表層に均一にマイクロコンデンスが起きるような条件が最も好ましく効果的であることが示唆された。
(実施例2)
(方法)
35wt%と3wt%の過酸化水素水溶液に菌(G. stearothermophilus)を浸漬させ継時的な菌の減少を確認した。
(結果)
過酸化水素水溶液にG. stearothermophilus を浸漬させた際のD値の関係を図3に示す。
35wt%過酸化水素水溶液浸漬時のG. stearothermophilusに対するD値を計算した結果、約7分であった(初期菌数:2,093、10分間混和後の菌数:83)。以下の表2に、35wt%過酸化水素水溶液浸漬時の結果数値を示す。
なお、3wt%溶液は180分経過後も菌数が1/10にならなかったのでD値の計算は不能であった。
Figure 2012147856
上記、結果及び図3により、D値が1/10になるのに要する時間を計算すると下記のように約7分となった。
T[log10(菌数)=3]−T[log10(菌数)=2]≒7(min)
なお、片対数グラフにより直線回帰させた回帰式は、
Y=−0.140x+3.320
であり、T[log10(菌数)=3]は、菌数が10となる時間(分)を示す。
今回得られたD値(7分後)は大きく、微細な凝縮(マイクロコンデンセーション)を起こさせることによる除染方法に比べ、除染強度は強くないことが分かった。図4のグラフに基づき、図3のD値の7分が、マイクロコンデンセーションさせた除染よりも長いこと(除染されにくいこと)を示唆する。D値は菌を担持させる各キャリアによって異なり、その理由としてキャリアの表面状態等の要因が挙げられている(図4参照)。ここに記述のある各材質上のD値と比べても直接菌を過酸化水素水溶液に混和させる方法の方が、D値が大きくなった原因として、過酸化水素の供給法が関係していると考えられた。キャリア担持の場合、マイクロコンデンセーションで菌表面まで効率的に過酸化水素が供給され、かつ(35wt%過酸化水溶液の供給)→(水分の蒸発)→(過酸化水素の濃縮)のサイクルを繰り返すことにより、高濃度過酸化水素への曝露も繰り返し起こり滅菌効果が高くなると推察された。すなわち、除染対象物の表層にマイクロコンデンセーションをさせることが最も除染には効率的であることが示唆された。
1…過酸化水素水供給容器、2…過酸化水素ガス化(ガス供給)装置、3…除染対象領域(例えばアイソレータ)、4…除染対象領域内温度制御装置、11…過酸化水素水供給量制御装置、12…供給ライン、13…過酸化水素ガス移送用装置、31…HEPAフィルタ、32…CGメンブラン、33…スケール

Claims (16)

  1. 過酸化水素ガスによる除染方法において、除染対象エリア内に、発生させた過酸化水素ガスを供給し、前記除染対象エリアの温度を、過酸化水素ガスから凝縮化する温度に調整することを特徴とする過酸化水素ガスを使用した除染方法。
  2. 前記除染対象エリアが、医薬品製造施設、食品製造施設、医療施設、または公共施設である請求項1に記載の過酸化水素ガスを使用した除染方法。
  3. 前記除染対象エリアが、医薬品製造施設である請求項2に記載の過酸化水素ガスを使用した除染方法。
  4. 前記医薬品製造施設が、無菌医薬品が製造される施設である請求項3に記載の過酸化水素ガスを使用した除染方法。
  5. 前記無菌医薬品が製造される施設が、アイソレータまたはアイソレータ内の特定区域である請求項4に記載の過酸化水素ガスを使用した除染方法。
  6. 前記除染対象エリア内の過酸化水素ガスの濃度が、300〜2000ppmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の過酸化水素ガスを使用した除染方法。
  7. 過酸化水素ガスから凝縮化する温度が、141℃未満である請求項1に記載の過酸化水素ガスを使用した除染方法。
  8. 過酸化水素ガスによる除染システムにおいて、
    該除染システムは、
    供給前の過酸化水素水をストックするための過酸化水素水供給容器と、
    過酸化水素水をガス化する過酸化水素ガス化装置と、
    前記過酸化水素水供給容器から前記過酸化水素ガス化装置まで過酸化水素水を搬送する搬送手段と、
    除染対象エリア内の温度調整を行い、過酸化水素ガスを凝縮化する除染対象領域内温度制御装置と、を少なくとも備え、
    前記搬送手段を経て、前記過酸化水素ガス供給容器から前記過酸化水素ガス化装置へ過酸化水素水を搬送し、前記過酸化水素ガス化装置に搬送された過酸化水素水をガス化して得た過酸化水素ガスを前記除染対象エリア内に供給するとともに、前記除染対象領域内温度制御装置により、前記除染対象エリアの温度を、過酸化水素ガスから凝縮化する温度に調整することを特徴とする過酸化水素ガスを使用した除染システム。
  9. 前記除染対象エリアが、医薬品製造施設、食品製造施設、医療施設、または公共施設である請求項8に記載の過酸化水素ガスを使用した除染システム。
  10. 前記除染エリアが、医薬品製造施設であることを特徴とする請求項9に記載の過酸化水素ガスを使用した除染システム。
  11. 前記医薬品製造施設が、無菌医薬品が製造される施設であることを特徴とする請求項10に記載の過酸化水素ガスを使用した除染システム。
  12. 前記無菌医薬品が製造される施設が、アイソレータまたはアイソレータ内の特定区域である請求項11に記載の過酸化水素ガスを使用した除染システム。
  13. 前記除染対象エリア内の過酸化水素ガスの濃度が、300〜2000ppmとなるように調整される請求項8〜12のいずれか1項に記載の過酸化水素ガスを使用した除染システム。
  14. 過酸化水素ガスから凝縮化する温度が、141℃未満である請求項8に記載の過酸化水素ガスを使用した除染システム。
  15. 前記搬送手段には、前記過酸化水素水供給容器から過酸化水素ガス化装置への過酸化水素水の搬送量を制御するための過酸化水素供給量制御装置が備えられていることを特徴とする請求項8に記載の過酸化水素ガスを使用した除染システム。
  16. 前記過酸化水素供給量制御装置は、流量調整機能を有するポンプであることを特徴とする請求項15に記載の過酸化水素ガスを使用した除染システム。
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