JP2012144808A - 金属表面処理剤、金属表面処理鋼材及びその処理方法、並びに塗装鋼材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の1級アミノ基と加水分解性シリル基及び/又はシラノール基とを有する含ケイ素水溶性化合物の1種又は2種以上を水及び/又は有機溶媒に溶解したものと、水分散性シリカとを含む金属表面処理剤。
【選択図】なし
Description
〔1〕 下記一般式(4)
で表される繰り返し単位を有する、複数の1級アミノ基と加水分解性シリル基及び/又はシラノール基とを有する含ケイ素水溶性高分子化合物、下記一般式(5)
で表される繰り返し単位を有する、複数の1級アミノ基と加水分解性シリル基及び/又はシラノール基とを有する含ケイ素水溶性高分子化合物、及び下記一般式(6)
で表される繰り返し単位を有する、複数の1級アミノ基と加水分解性シリル基及び/又はシラノール基とを有する含ケイ素水溶性高分子化合物
からなる群より選択される重量平均分子量が300〜3000である化合物及び/又はその(部分)加水分解縮合物の1種又は2種以上を金属表面処理剤中に0.01〜200g/L含まれるように水及び/又は有機溶媒に溶解してなり、更に、金属表面処理剤中に、水分散性シリカを固形分で0.05〜100g/L含むことを特徴とする金属表面処理剤。
〔2〕 更に、金属表面処理剤中に、ジルコニウム化合物をジルコニウムイオンとして0.01〜50g/L及び/又はチタニウム化合物をチタニウムイオンとして0.01〜50g/L含むことを特徴とする〔1〕記載の金属表面処理剤。
〔3〕 更に、金属表面処理剤中に、チオカルボニル基含有化合物を0.01〜100g/L及び/又は水溶性アクリル樹脂を0.1〜100g/L含むことを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の金属表面処理剤。
〔4〕 更に、金属表面処理剤中に、リン酸イオンを0.01〜100g/L含むことを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の金属表面処理剤。
〔5〕 〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の金属表面処理剤で表面処理することを特徴とする鋼材の金属表面処理方法。
〔6〕 鋼材が金属被覆鋼材である〔5〕記載の金属表面処理方法。
〔7〕 〔5〕又は〔6〕記載の方法で得られる表面処理鋼材。
〔8〕 〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の金属表面処理剤で鋼材を処理した後、更に上層被膜層を設けることを特徴とする塗装鋼材の製造方法。
〔9〕 鋼材が金属被覆鋼材である〔8〕記載の塗装鋼材の製造方法。
〔10〕 〔8〕又は〔9〕に記載の方法で得られる塗装鋼材。
本発明の金属表面処理剤は、必須成分として、以下に示す(a)〜(c)構造を一分子中に全て含有する化合物及び/又はその(部分)加水分解縮合物を含み、これを水及び/又は有機溶媒に溶解してなるものである。
(a)炭素−炭素結合で形成され、窒素原子が挿入されてもよい直鎖状及び/又は分岐状の有機ポリマー骨格。
(b)第1級、第2級又は第3級アミノ基。
(c)ケイ素−炭素結合で結合された加水分解性基及び/又は水酸基を有するシリル基。
−SiRxZ3-x
(式中、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であり、Zは塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基、又はアセトキシ基であり、xは0〜2の整数である。)
Xは、置換基を有してもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、へプチレン基、オクチレン基等の炭素数1〜10のアルキレン基であり、置換基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、i−ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基である。
Yは直接結合、酸素原子又はCHR5基を表し、R2,R3,R4及びR5は、水素原子又はメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、i−ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基を表すが、R3又はR4とR5が結合してこれらが結合する炭素原子及び(CH2)bと共に(R3とR5が結合する場合は更にCR4OHと共に)炭素数3〜7の飽和炭素環を形成してもよい。
a及びbは1〜3の整数である。
なお、上記式(1)〜(6)の高分子化合物において、その末端は水素原子である。
上記プライマーの塗布膜厚は、乾燥膜厚で1〜20μmであることが好ましい。1μm未満では耐食性が不足する場合があり、20μmを超えると加工密着性が低下する場合がある。
上記ノンクロメートプライマーの焼き付け乾燥条件は、例えば金属表面温度で150〜250℃、時間を10秒〜5分とすることができる。
15質量%ポリアリルアミン水溶液〔日東紡績(株)製、PAA−01型、平均分子量1000〕500.0質量部を減圧下で水分を除去し、メタノールを加えて溶媒交換し、15質量%メタノール溶液とした。この中に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン77.9質量部(0.33モル)を加えて、60℃〜70℃で5時間撹拌した。反応が進行することで原料の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランは消費される。そこで、この溶液をガスクロマトグラフィーで測定したところ、原料の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのピークは検出されなかった。また、ケイ素のNMRを測定したところ、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのシグナルはなく、新たに目的化合物由来と思われるシグナルを確認した。以上より、反応は完了したと判断し、溶液をメタノールで希釈して有効成分が15質量%となるように調整し、プライマー組成物を得た。この組成物は水と速やかに混和する黄色透明の溶液で、pH11.7、粘度2.7mPa・sであり、基体ポリマー部分の重合度は約17であり、平均構造式は下記に示すものであった。
20質量%ポリアリルアミン水溶液〔平均分子量2500〕500.0質量部を減圧下で水分を除去し、メタノールを加えて溶媒交換し、15質量%メタノール溶液とした。この中に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン101.5質量部(0.43モル)を加えて、60℃〜70℃で5時間撹拌した。反応が進行することで原料の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランは消費される。そこで、この溶液をガスクロマトグラフィーで測定したところ、原料の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのピークは検出されなかった。また、ケイ素のNMRを測定したところ、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのシグナルはなく、新たに目的化合物由来と思われるシグナルを確認した。以上より、反応は完了したと判断し、溶液をメタノールで希釈して有効成分が15質量%となるように調整し、プライマー組成物を得た。この組成物は水と速やかに混和する黄色透明の溶液で、pH11.6、粘度15.1mPa・sであり、基体ポリマー部分の重合度は約44であり、平均構造式は下記に示すものであった。
20質量%ポリアリルアミン水溶液〔平均分子量700〕500.0質量部を減圧下で水分を除去し、メタノールを加えて溶媒交換し、15質量%メタノール溶液とした。この中に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン99.1質量部(0.42モル)を加えて、60℃〜70℃で5時間撹拌した。反応が進行することで原料の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランは消費される。そこで、この溶液をガスクロマトグラフィーで測定したところ、原料の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのピークは検出されなかった。また、ケイ素のNMRを測定したところ、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのシグナルはなく、新たに目的化合物由来と思われるシグナルを確認した。以上より、反応は完了したと判断し、溶液をメタノールで希釈して有効成分が15質量%となるように調整し、プライマー組成物を得た。この組成物は水と速やかに混和する黄色透明の溶液で、pH11.8、粘度1.9mPa・sであり、基体ポリマー部分の重合度は約12であり、平均構造式は下記に示すものであった。
15質量%ポリアリルアミン水溶液〔日東紡績(株)製、PAA−01型、平均分子量1000〕500.0質量部を減圧下で水分を除去し、メタノールを加えて溶媒交換し、15質量%メタノール溶液とした。この中に2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン81.2質量部(0.33モル)を加えて、60℃〜70℃で5時間撹拌した。反応が進行することで原料の2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランは消費される。そこで、この溶液をガスクロマトグラフィーで測定したところ、原料の2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランのピークは検出されなかった。また、ケイ素のNMRを測定したところ、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランのシグナルはなく、新たに目的化合物由来と思われるシグナルを確認した。以上より、反応は完了したと判断し、溶液をメタノールで希釈して有効成分が15質量%となるように調整し、プライマー組成物を得た。この組成物は水と速やかに混和する黄色透明の溶液で、pH11.5、粘度3.5mPa・sであり、基体ポリマー部分の重合度は約17であり、平均構造式は下記に示すものであった。
15質量%ポリアリルアミン水溶液〔日東紡績(株)製、PAA−01型、平均分子量1000〕500.0質量部を減圧下で水分を除去し、メタノールを加えて溶媒交換し、15質量%メタノール溶液とした。この中に3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン77.2質量部(0.33モル)を加えて、60℃〜70℃で5時間撹拌した。反応が進行することで原料の3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランは消費される。そこで、この溶液をガスクロマトグラフィーで測定したところ、原料の3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランのピークが検出されなかった。また、ケイ素のNMRを測定したところ、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランのシグナルはなく、新たに目的化合物由来と思われるシグナルを確認した。以上より、反応は完了したと判断し、溶液をメタノールで希釈して有効成分が15質量%となるように調整した。この溶液は、水と速やかに混和する黄色透明の溶液で、pH11.7、粘度2.7mPa・sであり、基体ポリマー部分の重合度は約17であり、平均構造式は下記に示すものであった。
15質量%ポリアリルアミン水溶液〔日東紡績(株)製、PAA−01型、平均分子量1000〕500.0質量部を減圧下で水分を除去し、メタノールを加えて溶媒交換し、15質量%メタノール溶液とした。この中に3−クロロプロピルトリメトキシシラン65.5質量部(0.33モル)を加えて、60℃〜70℃で40時間撹拌した。反応が進行することで生成する塩酸により反応溶液中のクロルイオン含有量は増加する。そこで、この溶液のクロルイオン含有量を硝酸銀を用いた電位差滴定により測定したところ、溶液中のクロルイオン含有量は2.0質量%であり、反応が完了した場合に発生するクロルイオン量と同じ量であることから、反応が完結したことを確認した。また、この溶液をガスクロマトグラフィーで測定したところ、原料の3−クロロプロピルトリメトキシシランのピークが検出されなかった。また、ケイ素のNMRを測定したところ、3−クロロプロピルトリメトキシシランのシグナルはなく、新たに目的化合物由来と思われるシグナルを確認した。以上より、反応は完了したと判断し、この溶液に更にソディウムメチラート17.82質量部(0.33モル)を加えて、60℃〜70℃で1時間撹拌し、溶液中のアミン塩酸塩を塩化ナトリウムへと変換した。その後、析出した塩化ナトリウムを濾過し、メタノールで希釈して有効成分が15質量%となるように調整した。この溶液は、水と速やかに混和する黄色透明の溶液で、pH12.2、粘度8.6mPa・sであり、塩化ナトリウム由来のクロルイオンを0.5質量%含有しており、基体ポリマー部分の重合度は約17であり、平均構造式は下記に示すものであった。
15質量%ポリアリルアミン水溶液〔日東紡績(株)製、PAA−01型、平均分子量1000〕500.0質量部を減圧下で水分を除去し、メタノールを加えて溶媒交換し、15質量%メタノール溶液とした。この中に3−クロロプロピルトリメトキシシラン32.8質量部(0.17モル)を加えて、60℃〜70℃で40時間撹拌した。反応が進行することで生成する塩酸により反応溶液中のクロルイオン含有量は増加する。そこで、この溶液のクロルイオン含有量を硝酸銀を用いた電位差滴定により測定したところ、溶液中のクロルイオン含有量は1.0質量%であり、反応が完了した場合に発生するクロルイオン量と同じ量であることから、反応が完結したことを確認した。また、この溶液をガスクロマトグラフィーで測定したところ、原料の3−クロロプロピルトリメトキシシランのピークが検出されなかった。また、ケイ素のNMRを測定したところ、3−クロロプロピルトリメトキシシランのシグナルはなく、新たに目的化合物由来と思われるシグナルを確認した。以上より、反応は完了したと判断し、この溶液に更にソディウムメチラート8.9質量部(0.17モル)を加えて、60℃〜70℃で1時間撹拌し、溶液中のアミン塩酸塩を塩化ナトリウムへと変換した。その後、析出した塩化ナトリウムを濾過し、メタノールで希釈して有効成分が15質量%となるように調整した。この溶液は、水と速やかに混和する黄色透明の溶液で、pH12.3、粘度2.1mPa・sであり、塩化ナトリウム由来のクロルイオンを0.4質量%含有しており、基体ポリマー部分の重合度は約17であり、平均構造式は下記に示すものであった。
ポリエチレンイミン〔平均分子量1000〕75.0質量部をメタノールで溶解させ、15質量%メタノール溶液とした。この中に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン77.9質量部(0.33モル)を加えて、60℃〜70℃で5時間撹拌した。反応が進行することで原料の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランは消費される。そこで、この溶液をガスクロマトグラフィーで測定したところ、原料の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのピークは検出されなかった。また、ケイ素のNMRを測定したところ、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのシグナルはなく、新たに目的化合物由来と思われるシグナルを確認した。以上より、反応は完了したと判断し、溶液をメタノールで希釈して有効成分が15質量%となるように調整し、プライマー組成物を得た。この組成物は水と速やかに混和する黄色透明の溶液で、pH11.1、粘度2.1mPa・sであり、基体ポリマー部分の重合度は約23であり、平均構造式は下記に示すものであった。
ポリエチレンイミン〔平均分子量1000〕75.0質量部をメタノールで溶解させ、15質量%メタノール溶液とした。この中に3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン77.9質量部(0.33モル)を加えて、60℃〜70℃で5時間撹拌した。反応が進行することで原料の3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランは消費される。そこで、この溶液をガスクロマトグラフィーで測定したところ、原料の3−アクリロキシシプロピルトリメトキシシランのピークは検出されなかった。また、ケイ素のNMRを測定したところ、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランのシグナルはなく、新たに目的化合物由来と思われるシグナルを確認した。以上より、反応は完了したと判断し、溶液をメタノールで希釈して有効成分が15質量%となるように調整し、プライマー組成物を得た。この組成物は水と速やかに混和する黄色透明の溶液で、pH10.9、粘度1.8mPa・sであり、基体ポリマー部分の重合度は約23であり、平均構造式は下記に示すものであった。
ポリエチレンイミン〔平均分子量1000〕75.0質量部をメタノールで溶解させ、15質量%メタノール溶液とした。この中に3−クロロプロピルトリメトキシシラン65.5質量部(0.33モル)を加えて、60℃〜70℃で40時間撹拌した。反応が進行することで生成する塩酸により反応溶液中のクロルイオン含有量は増加する。そこで、この溶液のクロルイオン含有量を硝酸銀を用いた電位差滴定により測定したところ、溶液中のクロルイオン含有量は2.0質量%であり、反応が完了した場合に発生するクロルイオン量と同じ量であることから、反応が完結したことを確認した。また、この溶液をガスクロマトグラフィーで測定したところ、原料の3−クロロプロピルトリメトキシシランのピークが検出されなかった。また、ケイ素のNMRを測定したところ、3−クロロプロピルトリメトキシシランのシグナルはなく、新たに目的化合物由来と思われるシグナルを確認した。以上より、反応は完了したと判断し、この溶液に更にソディウムメチラート17.82質量部(0.33モル)を加えて、60℃〜70℃で1時間撹拌し、溶液中のアミン塩酸塩を塩化ナトリウムへと変換した。その後、析出した塩化ナトリウムを濾過し、メタノールで希釈して有効成分が15質量%となるように調整した。この溶液は、水と速やかに混和する黄色透明の溶液で、pH11.2、粘度5.6mPa・sであり、塩化ナトリウム由来のクロルイオンを0.1質量%含有しており、基体ポリマー部分の重合度は約23であり、平均構造式は下記に示すものであった。
純水1リットルに合成例1で得た高分子化合物を不揮発分として10g添加し、室温で5分間撹拌することで金属表面処理剤を得た。得られた金属表面処理剤を脱脂乾燥した市販の溶融亜鉛めっき鋼板(日本テストパネル社製;70×150×0.4mm)にバーコーターNo.20で塗布し、金属表面温度105℃で10分間乾燥させた。その後V/P顔料含有のノンクロメートプライマーをバーコーターNo.16で乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、金属表面温度215℃で5分間乾燥した。更にトップコートとしてフレキコート1060(ポリエステル系上塗り塗料;日本ペイント社製)をバーコーターNo.36で乾燥膜厚が15μmとなるように塗布し、金属表面温度を230℃で乾燥させて試験板を得た。得られた試験板の折り曲げ密着性、耐食性を下記の評価方法に従って評価し、その結果を表1に記載した。
合成例で得られた化合物、シラン系化合物の種類と濃度、水分散性シリカ、ジルコニウムイオン、チオカルボニル基含有化合物、水溶性アクリル樹脂、並びにリン酸イオンの濃度をそれぞれ表1に記載したように変更した以外は、参考例1と同様にして金属表面処理剤を調製した。これらの金属表面処理剤を用いて、参考例1と同様にして試験板を作製し、これらの評価を行った。得られた結果を表1に記載した。
金属表面処理剤に代えて、市販の塗布型クロメート処理剤(樹脂含有タイプ)をクロム付着量が20mg/m2となるように塗布、乾燥したこと、及びクロム含有プライマー(ストロンチウムクロメート顔料含有プライマー)を用いたこと以外は、参考例1と同様にして試験板を作製及び評価し、得られた結果を表1に記載した。
参考例1と同様にして処理板を作製し、プライマー及びトップコートの代わりに、機能コーティングとして耐指紋性コーティング(フッ化アルキル系熱可塑性樹脂)をバーコーターNo.5で乾燥膜厚が1μmになるように塗布し、金属表面温度120℃で乾燥し、試験板を作製した。これらの試験板の評価結果を表2に記載した。
参考例1と同様にして処理板を作製し、プライマー及びトップコートの代わりに、機能コーティングとして潤滑性コーティング(ポリエーテル系熱硬化性樹脂)をバーコーターNo.5で乾燥膜厚が1μmになるように塗布し、金属表面温度120℃で乾燥し、試験板を作製した。これらの試験板の評価結果を表2に記載した。
金属表面処理剤に代えて、市販の塗布型クロメート処理剤(樹脂含有タイプ)をクロム付着量が20mg/m2となるように塗布、乾燥したこと及びクロム含有プライマー(ストロンチウムクロメート顔料含有プライマー)を用いたこと以外は、参考例13及び16と同様にして試験板を作製及び評価し、得られた結果を表2に記載した。
合成例1〜10:合成例1〜10記載の高分子化合物
1:KBM−903(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン;信越化学工業社製)
[水分散性シリカ]
スノーテックスN(日産化学工業社製)
[ジルコニウムイオンを形成する化合物]
ジルコノゾールAC−7(炭酸ジルコニルアンモニウム;第一稀元素社製)
[チオカルボニル基含有化合物]
チオ尿素(試薬)
[水溶性アクリル樹脂]
ポリアクリル酸(試薬)重量平均分子量100万
[リン酸イオンを形成する化合物]
リン酸(試薬)
上記実施例1〜3、参考例1〜12及び比較例1〜4における折り曲げ密着性、深絞り性、耐食性(1)の評価、また上記参考例13〜18及び比較例5〜7における塗料密着性、耐食性(2)、耐指紋性、潤滑性の評価は、以下の方法、評価基準に基づいて行った。
20℃の環境下、コニカルマンドレル試験機を用いて試験板を2mmφのスペーサーを挟んで180℃折り曲げ加工し、折り曲げ加工部を3回テープ剥離して、剥離度合いを20倍ルーペで観察し、下記の基準で評価した。
A:クラック無し
B:加工部前面にクラック
C:剥離面積が加工部の20%未満
D:剥離面積が加工部の20%以上、80%未満
E:剥離面積が加工部の80%以上
20℃の環境下で絞り比:2.3、シワ抑え圧:2t、ポンチR:5mm、ダイス肩R:5mm、無塗油、の条件で円筒絞り試験を行った。その後、クロスカット部から塗膜の剥離幅を測定し、下記の基準で評価した。
A:ふくれ幅が1mm未満
B:ふくれ幅が1mm以上、2mm未満
C:ふくれ幅が2mm以上、3mm未満
D:ふくれ幅が3mm以上、5mm未満
E:ふくれ幅が5mm以上
(カット部)
試験板にクロスカットを入れ、JIS Z 2371に基づく塩水噴霧試験を500時間行った後、カット部片側のふくれ幅を測定し、下記の基準で評価した。
A:ふくれ幅が0mm
B:ふくれ幅が1mm未満
C:ふくれ幅が1mm以上、3mm未満
D:ふくれ幅が3mm以上、5mm未満
E:ふくれ幅が5mm以上
(端面)
試験板をJIS Z 2371に基づく塩水噴霧試験を500時間行った後、上バリ端面からのふくれ幅をカット部と同一基準で評価した。
参考例及び比較例で製作したプレコート鋼板に、更にバーコーターを用いてメラミンアルキッド樹脂塗料(関西ペイント(株)製、アミラックNo.1000)を、乾燥膜厚30μmになるように塗布し、炉温130℃で20分間焼き付けた。次に、一晩放置した後、7mmのエリクセン加工を施した。その加工部に粘着テープを貼り付け、速やかに斜め45°の方向に引っ張って剥離させて、剥離面積率により、以下の評価を行った。
A:剥離無し
B:剥離面積率 5%未満
C:剥離面積率 5%以上、30%未満
D:剥離面積率 30%以上、50%未満
E:剥離面積率 50%以上
(平面部)
参考例及び比較例で製作したプレコート鋼板をJIS Z 2371に記載されている塩水噴霧試験方法に準じて、雰囲気温度35℃で、5%の食塩水を試験板に吹き付け、240時間後の白錆発生率により以下の評価を行った。
A:白錆発生無し
B:白錆発生率 10%未満
C:白錆発生率 10%以上、20%未満
D:白錆発生率 20%以上、30%未満
E:白錆発生率 30%以上
(加工部)
参考例及び比較例で製作したプレコート鋼板に7mmのエリクセン加工を施し、JIS Z 2371に記載されている塩水噴霧試験方法に準じて、雰囲気温度35℃で、5%の食塩水を試験板に吹き付け、72時間後の加工部における白錆発生率により平面部と同一の基準で評価を行った。
参考例13〜15、比較例5,7で製作したプレコート鋼板の皮膜に指紋を付着させ、指紋の見えやすさを目視で判定し、以下の評価をした。
A:指紋跡が見えない
B:極わずかに指紋跡が見える
C:指紋跡が見える
D:指紋跡が目立つ
E:指紋跡が非常に目立つ
参考例16〜18、比較例6,7で製作したプレコート鋼板に対して、円筒ポンチの油圧成形試験機により、下記条件で室温にて成形試験を行い、型かじり性を潤滑性の指標として評価した。
ポンチ径:70mmφ
ブランク径:150mm
押付荷重:5kgf/cm2
成形速度:3.3×10-2m/s
工具条件:FCD−500
なお、全て最大成形高さの80%まで成形した。型かじり性を目視で判定し、以下の評価をした。
A:成形可能で、鋼板表面の欠陥なし
B:成形可能で、鋼板表面の欠陥なし、摺動面わずかに変色
C:成形可能で、鋼板表面にわずかなかじり跡発生
D:成形可能で、鋼板表面にわずかな線状かじり跡多数発生
E:成形不可能
Claims (10)
- 下記一般式(4)
で表される繰り返し単位を有する、複数の1級アミノ基と加水分解性シリル基及び/又はシラノール基とを有する含ケイ素水溶性高分子化合物、下記一般式(5)
で表される繰り返し単位を有する、複数の1級アミノ基と加水分解性シリル基及び/又はシラノール基とを有する含ケイ素水溶性高分子化合物、及び下記一般式(6)
で表される繰り返し単位を有する、複数の1級アミノ基と加水分解性シリル基及び/又はシラノール基とを有する含ケイ素水溶性高分子化合物
からなる群より選択される重量平均分子量が300〜3000である化合物及び/又はその(部分)加水分解縮合物の1種又は2種以上を金属表面処理剤中に0.01〜200g/L含まれるように水及び/又は有機溶媒に溶解してなり、更に、金属表面処理剤中に、水分散性シリカを固形分で0.05〜100g/L含むことを特徴とする金属表面処理剤。 - 更に、金属表面処理剤中に、ジルコニウム化合物をジルコニウムイオンとして0.01〜50g/L及び/又はチタニウム化合物をチタニウムイオンとして0.01〜50g/L含むことを特徴とする請求項1記載の金属表面処理剤。
- 更に、金属表面処理剤中に、チオカルボニル基含有化合物を0.01〜100g/L及び/又は水溶性アクリル樹脂を0.1〜100g/L含むことを特徴とする請求項1又は2記載の金属表面処理剤。
- 更に、金属表面処理剤中に、リン酸イオンを0.01〜100g/L含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の金属表面処理剤。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の金属表面処理剤で表面処理することを特徴とする鋼材の金属表面処理方法。
- 鋼材が金属被覆鋼材である請求項5記載の金属表面処理方法。
- 請求項5又は6記載の方法で得られる表面処理鋼材。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の金属表面処理剤で鋼材を処理した後、更に上層被膜層を設けることを特徴とする塗装鋼材の製造方法。
- 鋼材が金属被覆鋼材である請求項8記載の塗装鋼材の製造方法。
- 請求項8又は9に記載の方法で得られる塗装鋼材。
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