JP2012143705A - 汚泥処理装置、汚水処理システム、および汚泥処理方法 - Google Patents

汚泥処理装置、汚水処理システム、および汚泥処理方法 Download PDF

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勝也 山本
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卓巳 小原
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Abstract

【課題】余剰汚泥の減容化の向上を図ることができる汚泥処理装置、汚水処理システム、および汚泥処理方法を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る汚泥処理装置は、微生物処理によって発生した汚泥を処理する汚泥処理装置であって、前記汚泥を含む液体が供給される処理槽と、前記処理槽に供給された液体にキャビテーションを発生させるキャビテーション発生部と、前記キャビテーションを発生させる領域に供給される前記液体に気体を溶解させる気体溶解部と、を備えている。
【選択図】図1

Description

後述する実施形態は、概ね、汚泥処理装置、汚水処理システム、および汚泥処理方法に関する。
微生物により汚水を浄化処理する技術が知られている。この様な技術においては、微生物処理によって発生した汚泥(以後、余剰汚泥と称する)を脱水し、焼却した後に埋立て処分するようにしている。そのため、多大なエネルギーや経費などを必要としていた。
そこで、余剰汚泥を含む水に超音波を照射し、いわゆる余剰汚泥の可溶化(減容化)を図る技術が提案されている。
しかしながら、余剰汚泥を含む水に超音波を照射するだけでは効率的な余剰汚泥の減容化を行うことが困難であった。そのため、余剰汚泥の減容化の向上を図ることができる技術の開発が望まれていた。
特開平11−128975号公報
本発明が解決しようとする課題は、余剰汚泥の減容化の向上を図ることができる汚泥処理装置、汚水処理システム、および汚泥処理方法を提供することである。
実施形態に係る汚泥処理装置は、微生物処理によって発生した汚泥を処理する汚泥処理装置であって、前記汚泥を含む液体が供給される処理槽と、前記処理槽に供給された液体にキャビテーションを発生させるキャビテーション発生部と、前記キャビテーションを発生させる領域に供給される前記液体に気体を溶解させる気体溶解部と、を備えている。
第1の実施形態に係る汚泥処理装置について例示をするための模式図である。 余剰汚泥を含む水に気体を溶解させる効果を例示するための模式グラフ図である。 余剰汚泥を含む水における固形分の占める割合の変化を例示するための模式グラフ図である。 気体の種類とOHラジカルの生成量との関係を例示するための模式グラフ図である。 超音波の周波数が与える影響を例示するための模式グラフ図である。 汚泥処理装置により処理された余剰汚泥を嫌気性微生物により処理した場合の効果を例示するための模式グラフ図である。 第2の実施形態に係る汚水処理システムについて例示をするための模式図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る汚泥処理装置について例示をするための模式図である。 図1に示すように、汚泥処理装置1には、処理槽2、キャビテーション発生部3、反射部4、温度制御部5、気体溶解部6が設けられている。
処理槽2には、余剰汚泥を含む水Waが供給される。処理槽2は、側壁の底部近傍に設けられた流入口2aと、側壁の天井近傍に設けられた流出口2bとを有している。処理槽2の内部には、相互に平行な複数の板状体2cが設けられ、板状体2c同士の間が流路2dとなっている。そして、上下方向に隣接する2つの流路2dは、左右方向のいずれか一方の端部において連通するようになっている。また、最下部の流路2dの端部は流入口2aに開口し、最上部の流路2dの端部は流出口2bに開口している。すなわち、流入口2aから流出口2bまでを連通する蛇行形状の流路2dが処理槽2の内部に設けられている。
キャビテーション発生部3は、処理槽2に供給された余剰汚泥を含む水Waにキャビテーションを発生させる。本実施の形態においては、一例として、キャビテーション発生部3が超音波発生装置である場合を例に挙げて説明する。
キャビテーション発生部3は、処理槽2の内部に向けて超音波を照射する。キャビテーション発生部3は、処理槽2の一方の側壁に設けられている。なお、処理槽2の内部に設けられた流路2dの形状が図1に例示をしたもののような場合には、キャビテーション発生部3を処理槽2の側壁に設けることで、流路2d内にある余剰汚泥を含む水Waに超音波を照射することが容易となる。
この場合、キャビテーション発生部3の配設位置は、流路2dの有無や形状などに応じて適宜変更することができる。ただし、処理槽2の底部にキャビテーション発生部3を設けるようにすると、キャビテーション発生部3の照射面3aに汚泥が堆積して、超音波の照射が阻害されるおそれがある。そのため、キャビテーション発生部3は、処理槽2の側壁または天井部分に設けるようにすることが好ましい。
キャビテーション発生部3に設けられた図示しない超音波振動子は、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛などの圧電材料から形成されたものとすることができる。そのため、図示しない超音波振動子は、入力された電気信号に基づいて所望の周波数と出力とを有する超音波を発生させることができる。
この場合、キャビテーション発生部3により照射される超音波の周波数は、100kHz未満とされる。なお、キャビテーション発生部3により照射される超音波の周波数に関する詳細は後述する。
反射部4は、処理槽2のキャビテーション発生部3が設けられた側とは反対側の側壁に設けられている。また、キャビテーション発生部3の照射面3aと、反射部4の反射面4aとが対峙するように設けられている。反射部4は、キャビテーション発生部3により照射された超音波を反射させる。そして、キャビテーション発生部3により照射された超音波(進行波)と、反射部4により反射された反射波とを干渉させることで超音波を増幅させる。超音波を増幅させることができればキャビテーションの発生を容易とすることができるので、OHラジカル(ヒドロキシラジカル、水酸化ラジカル、水酸基ラジカルなどとも称される)の生成効率を向上させることができる。
この場合、照射面3aと反射面4aとの間の寸法Lがn・λ/2となるようにすると増幅率を高めることができる。なお、nは正の整数、λは超音波の波長である。
また、nは処理槽2の大きさなどに基づいて適宜決定するようにすることができる。ただし、到達距離が長くなると超音波の減衰が大きくなるので、nの値が大きくなりすぎると反射部4の効果が低下するおそれがある。そのため、nの値がなるべく小さくなるようにすることが好ましい。
なお、図1に例示をしたものは、一対のキャビテーション発生部3、反射部4が設けられた場合であるが、キャビテーション発生部3、反射部4の数は適宜変更することができる。例えば、2つの板状体2cにより仕切られた領域毎に一対のキャビテーション発生部3、反射部4を設けるようにすることもできる。
また、キャビテーション発生部3の出力などによっては、反射部4を省略することもできる。ただし、反射部4を設けるようにすれば、キャビテーション発生部3の出力の低減や小型化などを図ることができる。
温度制御部5は、処理槽2内にある余剰汚泥を含む水Waの温度を制御する。余剰汚泥を含む水Waの温度が所定の範囲内となるようにすれば、加水分解反応や熱分解反応などにより余剰汚泥の処理を行うことができる。この場合、余剰汚泥を含む水Waの温度が100℃以上、200℃以下となるようにすることができる。
この様にすれば、キャビテーション発生部3から照射された超音波により生成されたOHラジカルによる余剰汚泥の処理と、温度制御部5による余剰汚泥の処理とを併せて行うようにすることができる。
この場合、余り高い温度で余剰汚泥の処理を行うようにすると余剰汚泥の性質が変化し、その後に行われる嫌気性微生物による処理が困難になるおそれがある。また、エネルギー消費量が増大するという問題もある。
そのため、温度制御部5は、必要に応じて適宜設けるようにすればよい。
気体溶解部6は、キャビテーションを発生させる領域に供給される余剰汚泥を含む水Waに気体を溶解させる。
気体溶解部6には、放出部6a、気体供給部6b、配管6cが設けられている。
放出部6aは、キャビテーション発生部3により超音波が照射される領域(キャビテーションを発生させる領域)の少なくとも上流側に設けられている。すなわち、余剰汚泥を含む水Waに気体を溶解させ、気体が溶解された余剰汚泥を含む水Waがキャビテーション発生部3により超音波が照射される領域に供給されるようになっている。なお、キャビテーション発生部3により超音波が照射される領域にも放出部6aが設けられるようにすることもできる。
放出部6aは、配管6cを介して気体供給部6bから供給された気体を余剰汚泥を含む水Waの中に放出する。
ここで、放出された気体と余剰汚泥を含む水Waとの接触面積を大きくすれば、気体の溶解量を増加させることができる。そのため、余剰汚泥を含む水Waの中に気体が放出された際に気泡が形成されるようにすることが好ましい。また、形成される気泡の大きさが小さくなるほど気体と余剰汚泥を含む水Waとの接触面積が大きくなるので、気体の溶解を容易とすることができる。
そのため、放出部6aには図示しない複数の放出孔が設けられ、余剰汚泥を含む水Waの中に気体を放出した際に気泡が形成されるようになっている。この場合、例えば、放出部6aを多孔質材料から形成するようにしてもよい。そして、図示しない放出孔や多孔質材料の孔などを小さくすることで、小さな気泡(例えば、いわゆるマイクロバルブ)が形成されるようにすることができる。
気体供給部6bは、配管6cを介して放出部6aに気体を供給する。気体供給部6bは、例えば、供給される気体が収納された圧力ボンベなどとすることができる。また、供給される気体が空気などの場合には、例えば、ブロアなどの送風装置などとすることができる。なお、供給される気体に関する詳細は後述する。
配管6cは、放出部6aと気体供給部6bとの間に設けられ、気体供給部6bから供給された気体を放出部6aに導く。配管6cは必ずしも必要ではなく、放出部6aと気体供給部6bとの配置関係などに応じて適宜設けるようにすることができる。
なお、気体の供給、供給の停止、供給される気体の流量や圧力などの制御を行う図示しない制御弁などを適宜設けるようにすることもできる。
次に、キャビテーション発生部3の作用、効果に関してさらに例示をする。
キャビテーション発生部3により余剰汚泥を含む水Waにキャビテーションを発生させると、水からOHラジカルを生成することができる。
ここで、余剰汚泥の成分の大部分は好気性微生物およびその死骸となっており、好気性微生物の細胞内には多量の水分が蓄えられている。そのため、余剰汚泥は質的に脱水性が悪く、減容化が困難な要因となっている。
この場合、余剰汚泥に含まれる好気性微生物の細胞内から水分を放出させれば余剰汚泥の減容化を図ることができる。
一方、OHラジカルは、タンパク質などの有機物に対する反応性が高く、好気性微生物の細胞膜に損傷を与えることができる。そして、好気性微生物の細胞膜に損傷を与えることができれば、細胞内から水分を放出させることができる。
すなわち、余剰汚泥を含む水Waに超音波を照射するなどして、OHラジカルを生成すれば余剰汚泥の減容化を図ることができる。
ところが、後述するように、余剰汚泥を含む水Waにおける気体の溶存量が低くなるとOHラジカルの生成量が低下することが判明した。
この場合、余剰汚泥を含む水Waには好気性微生物が含まれているため、気体の溶存量が低くなるおそれがある。例えば、余剰汚泥を含む水Waに溶存している気体が好気性微生物により消費され、気体の溶存量が低くなるおそれがある。
そのため、単に、余剰汚泥を含む水Waにキャビテーションを発生させるだけでは充分なOHラジカルが得られなくなるおそれがある。
本実施の形態においては、気体溶解部6により余剰汚泥を含む水Waに気体を溶解させ、気体が溶解された余剰汚泥を含む水Waがキャビテーションを発生させる領域に供給されるようになっている。そのため、キャビテーションを発生させる領域においてより多くのOHラジカルを生成することができる。
次に、気体溶解部6の作用、効果に関してさらに例示をする。
図2は、余剰汚泥を含む水に気体を溶解させる効果を例示するための模式グラフ図である。
なお、図2は、余剰汚泥を含む水Waに周波数が45kHzの超音波を照射した場合である。
また、図2の横軸は超音波エネルギーを表し、縦軸は余剰汚泥を含む水Waにおいて水分が占める体積を表している。図2中のAは酸素の溶存濃度が2ppm程度の場合(酸素の溶解を行った場合)、Bは酸素の溶存濃度が1ppmの場合(酸素の溶解を行わなかった場合)である。
図2から分かるように、酸素の溶存濃度が高いAの場合の方が、酸素の溶存濃度が低いBの場合よりも水分が占める体積を多くすることができる。このことは、酸素の溶存濃度が高いAの場合の方が、余剰汚泥を含む水Waにおける固形分の占める体積を少なくすることができることを意味する。すなわち、酸素の溶存濃度が高いAの場合の方が、余剰汚泥の減容化を図ることができることを意味する。
図3は、余剰汚泥を含む水における固形分の占める割合の変化を例示するための模式グラフ図である。
なお、図3は、図2に例示をしたAの場合における固形分が占める体積の変化を例示するものである。
また、図3の横軸は超音波エネルギーを表し、縦軸は余剰汚泥を含む水Waにおいて固形分が占める体積を表している。
超音波エネルギーを増加させるとOHラジカルの生成量を増加させることができるので、好気性微生物の細胞内から水分をより多く放出させることができる。そのため、図3に示すように、酸素の溶存量を多くするとともに、超音波エネルギーを増加させるようにすれば、余剰汚泥の減容化を図ることができる。図3に例示をしたものの場合には、固形分の占める体積を25%程度少なくすることができた。
図4は、気体の種類とOHラジカルの生成量との関係を例示するための模式グラフ図である。
なお、図4は水に水素、酸素、窒素を溶存させ、これに超音波を照射してOHラジカルを生成した場合である。
図4中のC1は水素、C2は酸素、C3は窒素の場合である。
また、図4の横軸は気体の溶存濃度を表し、縦軸はOHラジカルの生成量を表している。なお、横軸の0(零)にあるものは脱気水である。
図4から分かるように、気体の種類にかかわらず気体の溶存濃度を高くすれば、OHラジカルの生成量を増加させることができる。
この場合、気体の溶存濃度が1ppm(大気圧(1atm)、20℃)を超えるように気体を溶解させるようにすることができる。
また、水素は水に溶解させにくいがOHラジカルの生成量を多くすることができる。
酸素は水に溶解させやすく、酸素と窒素とは、同程度の溶存濃度において同程度のOHラジカルを生成することができる。このことは、コストの安い空気を用いても酸素、窒素と同程度のOHラジカルを生成することができることを意味する。
ここで、大気圧(1atm)、20℃における水に対する各気体の溶存濃度の上限値を例示すれば、水素が14.64ppm、窒素が12.44ppm、空気が15.06ppm、酸素が24.94ppmなどとすることができる。
図5は、超音波の周波数が与える影響を例示するための模式グラフ図である。
なお、横軸は余剰汚泥を含む水Waに照射する超音波の周波数を表し、左側の縦軸は余剰汚泥を含む水Waにおいて水分が占める体積を表し、右側の縦軸はOHラジカルの生成量を表している。
図5に示すように、超音波の周波数を100kHz以上とすれば、OHラジカルの生成量が大幅に減少する。また、余剰汚泥を含む水Waにおいて水分が占める体積も大幅に減少する。このことより、余剰汚泥を含む水Waに照射する超音波の周波数は、100kHz未満とすることが好ましい。
ここで、余剰汚泥の成分の大部分は好気性微生物およびその死骸となっている。そのため、加熱により余剰汚泥を処理し余剰汚泥の減容化を行うと、好気性微生物の細胞が変質してその後に行われる嫌気性微生物による処理が困難になるおそれがある。例えば、余剰汚泥を嫌気性微生物により処理し、メタンガスを生成することが困難になるおそれがある。
図6は、汚泥処理装置1により処理された余剰汚泥を嫌気性微生物により処理した場合の効果を例示するための模式グラフ図である。
なお、図6は、余剰汚泥を含む水Waに周波数が45kHzの超音波を照射した場合である。
また、図6の横軸は超音波エネルギーを表し、縦軸はメタンガスの発生量を表している。
図6から分かるように、余剰汚泥を含む水Waに超音波を照射してOHラジカルを生成し好気性微生物の細胞膜に損傷を与えるようにすれば、余剰汚泥の減容化を図れるだけでなく、嫌気性微生物による余剰汚泥に対する消化効率をも向上させることができる。そして、嫌気性微生物による余剰汚泥に対する消化効率を向上させることでメタンガスの発生量を増加させることができる。そのため、資源の有効利用に資することができるようになる。
次に、汚泥処理装置1の作用について例示をする。
まず、後述する生物処理槽102などにおいて発生した余剰汚泥を含む水Waが、流入口2aを介して流路2d内に供給される。
この際、気体溶解部6により所望の気体が余剰汚泥を含む水Waに溶解される。すなわち、所望の気体が気体供給部6bから配管6cを介して放出部6aに供給され、放出部6aから余剰汚泥を含む水Waの中に気泡として放出される。そして、気泡として放出された気体は、余剰汚泥を含む水Waの中に溶解される。
この場合、余剰汚泥を含む水Waにおける気体の濃度が1ppmを超えるように気体を溶解させるようにすることができる。
気体が溶解された余剰汚泥を含む水Waは、流出口2bに向けて蛇行形状の流路2d内を流通する。
一方、キャビテーション発生部3から所定の周波数を有する超音波が気体が溶解された余剰汚泥を含む水Waに照射される。照射された超音波は、液中を伝播して反射部4により反射される。そして、キャビテーション発生部3により照射された超音波(進行波)と、反射部4により反射された反射波とが干渉することで増幅される。
このようにして増幅された超音波により、気体が溶解された余剰汚泥を含む水Waにキャビテーションが発生し、OHラジカルが生成される。
この場合、余剰汚泥を含む水Waには気体を溶解させるようにしているので、OHラジカルの生成効率を向上させることができる。そのため、余剰汚泥の減容化の向上を図ることができる。また、後述する嫌気性微生物による処理において、余剰汚泥に対する消化効率を向上させることができるようになる。
また、必要に応じて、温度制御部5により処理槽2内にある気体が溶解された余剰汚泥を含む水Waの温度が制御される。そして、例えば、加水分解反応や熱分解反応などを生じさせることにより余剰汚泥の処理を併せて行うようにすることができる。
処理が終了した余剰汚泥を含む水Waは、流出口2bを介して外部に排出される。
なお、一例として、キャビテーション発生部3が超音波発生装置である場合を例示したがこれに限定されるわけではない。液体中にキャビテーションを発生させることができるものを適宜選択することができる。
例えば、液中に設けられた旋回翼などによりキャビテーションを発生させるもの、液中に噴流を生じさせてキャビテーションを発生させるものなどとすることもできる。
また、キャビテーションの発生を容易とするために、処理槽2内部の圧力を減圧させる図示しない減圧部を設けるようにすることもできる。
本実施の形態によれば、余剰汚泥の減容化の向上を図ることができる。また、嫌気性微生物による処理を行いやすい余剰汚泥とすることもできる。
[第2の実施形態]
図7は、第2の実施形態に係る汚水処理システムについて例示をするための模式図である。
図7に示すように、汚水処理システム100には、第1の沈降槽101、第1の生物処理槽102、第2の沈降槽103、濃縮槽104、貯留槽105、汚泥処理装置1、第2の生物処理槽106、脱水装置107が設けられている。
第1の沈降槽101には、有機物などからなる汚泥が含まれた汚水が供給される。第1の沈降槽101においては流速が減速されるので、汚泥が第1の沈降槽101の下部に沈降する。そして、上方にある汚水が第1の生物処理槽102に供給される。すなわち、汚泥のうち沈降させやすいものが除去されるとともに、残余の汚泥が含まれた汚水が第1の生物処理槽102に供給される。
第1の生物処理槽102は、汚水の微生物処理を行う。
第1の生物処理槽102においては、供給された汚水に含まれている汚泥が好気性微生物により処理される。なお、供給された汚水に空気(酸素)を導入して、好気性微生物による処理を促進させる図示しない曝気装置を設けるようにすることもできる。好気性微生物により処理されることで発生した余剰汚泥を含む汚水は第2の沈降槽103に供給される。この場合、余剰汚泥の成分の大部分は好気性微生物およびその死骸となる。
第2の沈降槽103においては、好気性微生物により処理されることで発生した余剰汚泥を沈降させて余剰汚泥と上澄水とに分離する。上澄水は、汚水処理された水として汚水処理システム100の外部に排出される。一方、沈降させた余剰汚泥は濃縮槽104に供給される。なお、沈降させた余剰汚泥の一部を第1の生物処理槽102に戻すようにすることもできる。
濃縮槽104においては、余剰汚泥が濃縮される。濃縮された余剰汚泥は貯留槽105に供給される。
貯留槽105においては、余剰汚泥が貯留される。そして、余剰汚泥を含む水Waが前述した汚泥処理装置1に供給される。
汚泥処理装置1は、第1の生物処理槽102において発生した汚泥(余剰汚泥)を処理する。
すなわち、汚泥処理装置1においては、前述した余剰汚泥の減容化が行われる。
ここで、余剰汚泥の成分の大部分は好気性微生物およびその死骸となっているので、汚泥処理装置1に供給されるまでの間に溶存酸素が消費されてしまうおそれがある。すなわち、汚泥処理装置1に供給される余剰汚泥を含む水Waに溶存している気体の量が少なくなり、OHラジカルの生成効率が低下してしまうおそれがある。
しかしながら、汚泥処理装置1には気体溶解部6が設けられているので、余剰汚泥を含む水Waに気体を溶存させることができる。そのため、OHラジカルの生成効率を向上させることができるので、余剰汚泥の減容化の向上を図ることができる。
減容化された余剰汚泥は、第2の生物処理槽106や脱水装置107に供給される。なお、減容化された余剰汚泥の一部を第1の沈降槽101に戻すようにすることもできる。
第2の生物処理槽106においては、供給された余剰汚泥が嫌気性微生物により処理される。
前述したように、汚泥処理装置1により余剰汚泥の減容化を行うようにすれば、好気性微生物の細胞が変質することを抑制することができる。そのため、嫌気性微生物による処理を容易とすることができる。この場合、余剰汚泥を嫌気性微生物により処理した際に発生するメタンガスの生成効率などを向上させることができる。
嫌気性微生物により処理された汚泥は脱水装置107に供給される。
脱水装置107においては、汚泥処理装置1から供給された余剰汚泥が脱水される。また、第2の生物処理槽106から供給された汚泥を脱水することもできる。
余剰汚泥や嫌気性微生物により処理された汚泥は、焼却されて埋立て処分されることになる。また、余剰汚泥や嫌気性微生物により処理された汚泥から、窒素やリンなどの資源を回収する場合もある。そのため、焼却、窒素やリンなどの資源回収を行う前に水分の除去が行われる。
ここで、余剰汚泥の成分の大部分を占める好気性微生物やその死骸の細胞内には多量の水分が蓄えられている。そのため、一般的には、余剰汚泥は質的に脱水性が悪くなる。
しかしながら、汚泥処理装置1には気体溶解部6が設けられているので、OHラジカルの生成効率を向上させることができる。そのため、より多くの好気性微生物の細胞を損傷させることができるので、細胞内からより多くの水分を放出させることができる。その結果、脱水装置107における脱水が容易となり、また、その後に行われる焼却におけるエネルギー消費を低減させることができる。また、窒素やリンなどの資源回収も容易とすることができる。
本実施の形態によれば、余剰汚泥の減容化の向上を図ることができる。また、嫌気性微生物による処理効率の向上、メタンガスなどの副生成物の生産効率の向上、焼却におけるエネルギー消費の低減、窒素やリンなどの資源回収の容易化なども図ることができる。
[第3の実施形態]
次に、本実施の形態に係る汚泥処理方法について例示する。
本実施の形態に係る汚泥処理方法は、微生物処理によって発生した汚泥を処理する汚泥処理方法であって、発生した汚泥を含む液体(例えば、前述した余剰汚泥を含む水Wa)に気体を溶解させる工程と、気体を溶解させた液体にキャビテーションを発生させる工程と、を備えている。
この場合、発生した汚泥には好気性微生物が含まれたものとすることができる。
また、気体を溶解させる工程において、液体における気体の濃度が1ppmを超えるように気体を溶解させるようにすることができる。
また、気体を溶解させる工程において、水素、酸素、窒素、空気からなる群より選択された少なくとも1種を含む気体を溶解させるようにすることができる。
なお、各工程の内容の詳細は、前述した汚泥処理装置や汚水処理システムなどにおいて例示をしたものと同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
以上に例示をした実施形態によれば、余剰汚泥の減容化の向上を図ることができる汚泥処理装置、汚水処理システム、および汚泥処理方法を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
例えば、汚泥処理装置1、汚水処理システム100が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、数などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
1 汚泥処理装置、2 処理槽、2d 流路、3 キャビテーション発生部、3a 照射面、4 反射部、5 温度制御部、6 気体溶解部、6a 放出部、6b 気体供給部、6c 配管、100 汚水処理システム、101 第1の沈降槽、102 第1の生物処理槽、103 第2の沈降槽、104 濃縮槽、105 貯留槽、106 第2の生物処理槽、107 脱水装置、Wa 余剰汚泥を含む水

Claims (10)

  1. 微生物処理によって発生した汚泥を処理する汚泥処理装置であって、
    前記汚泥を含む液体が供給される処理槽と、
    前記処理槽に供給された液体にキャビテーションを発生させるキャビテーション発生部と、
    前記キャビテーションを発生させる領域に供給される前記液体に気体を溶解させる気体溶解部と、
    を備えたことを特徴とする汚泥処理装置。
  2. 前記汚泥には好気性微生物が含まれることを特徴とする請求項1記載の汚泥処理装置。
  3. 前記気体溶解部は、前記液体における前記気体の濃度が1ppmを超えるように前記気体を溶解させること、を特徴とする請求項1または2に記載の汚泥処理装置。
  4. 前記気体は、水素、酸素、窒素、空気からなる群より選択された少なくとも1種を含むこと、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の汚泥処理装置。
  5. 前記キャビテーション発生部は、前記処理槽に供給された前記液体に超音波を照射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の汚泥処理装置。
  6. 汚水の微生物処理を行う生物処理槽と、
    前記生物処理槽において発生した汚泥を処理する請求項1〜5のいずれか1つに記載の汚泥処理装置と、
    を備えたことを特徴とする汚水処理システム。
  7. 微生物処理によって発生した汚泥を処理する汚泥処理方法であって、
    前記汚泥を含む液体に気体を溶解させる工程と、
    前記気体を溶解させた液体にキャビテーションを発生させる工程と、
    を備えたことを特徴とする汚泥処理方法。
  8. 前記汚泥には好気性微生物が含まれることを特徴とする請求項7記載の汚泥処理方法。
  9. 前記気体を溶解させる工程において、前記液体における前記気体の濃度が1ppmを超えるように前記気体を溶解させること、を特徴とする請求項7または8に記載の汚泥処理方法。
  10. 前記気体を溶解させる工程において、水素、酸素、窒素、空気からなる群より選択された少なくとも1種を含む前記気体を溶解させること、を特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の汚泥処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015142092A1 (ko) * 2014-03-20 2015-09-24 (주)바이오토피아 축산폐수 무악취 퇴비화 처리장치
JP2017221882A (ja) * 2016-06-14 2017-12-21 国立大学法人長岡技術科学大学 土壌浄化装置
KR102601671B1 (ko) * 2023-03-13 2023-11-14 주식회사 선일인터내셔널 슬러지 가용화 장치

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