JP2011072939A - 膜処理設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原水W0をRO膜処理装置1へ送水する高圧ポンプ2と、RO膜処理装置1で原水W0から分離される濃縮水W2が流れる濃縮水流路11と、濃縮水流路11に備わって濃縮水W2にオゾンガスを混合するオゾン混合器3と、オゾンガスが溶解した濃縮水W2を所定の設定圧力で排出する圧力調整装置4と、圧力調整装置4から排出された濃縮水W2を反応槽5に減圧放出してマイクロバブルを発生するマイクロバブル発生ノズル6と、を備えて構成され、マイクロバブルによって、濃縮水W2に含まれる被分離物質の濁質成分を濃縮水W2から分離する膜処理設備とする。そして、圧力調整装置4では、オゾンガスを濃縮水W2に溶解するとともに、濃縮水流路11を流れる濃縮水W2の圧力を一定に保持する。
【選択図】図1
Description
また、非特許文献2には、海水を淡水化する典型的なフローが示されている。
RO膜モジュールでは、クロスフロー方式で原水(海水)の一部がRO膜を透過して淡水として回収される。
例えば、畜産によって生ずる下水(畜産排水)が、生物処理、精密ろ過膜(MF膜)からなる前処理設備を通った後にRO膜を透過する処理水とRO膜を透過しない濃縮水に分離された後、濃縮水は醗酵処理後に堆肥として環境に戻される。
そこで、特許文献2には、原水中の微生物(細菌等)、有機物等を除去するため、海水の淡水化に用いられるRO膜モジュールの前段、または下水の再生処理における前処理のMF膜の前段に、空気、オゾンガスの微細気泡を発生する微細気泡発生装置を配設する技術が開示されている。
この微細気泡発生装置として、散気管と攪拌翼を組み合わせたものや、超音波を用いるものが記載され、直径が100μm以下の微細気泡を発生する。
また、非特許文献4に示されるように、マイクロバブルは、気泡の上昇と気泡界面が物質を吸着する特性による浮上分離効果を有する。
そこで、例えば、濃縮水に含まれて濁質成分となる固形浮遊物をRO膜によって濃縮水から分離するとともに、濃縮水から分離した固形浮遊物をマイクロバブルの浮上分離効果で水面に浮上させ、例えば、特許文献5に示されるホッパで除去することが実施されている。
以下、本発明の第1の実施形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。
図1に示す、第1の実施形態に係る膜処理設備100は、例えば、海水を淡水化する淡水化装置を構成する。
原水W0となる海水は、前処理装置16Aにおいて、塩素や凝集剤が添加されて砂ろ過される前処理が施された後に高圧ポンプ(ポンプ)2の上流に備わる混合器(上流混合器9)を経由して原水流路35を流れ、高圧ポンプ2で5.5〜7.0MPaに加圧されてRO膜処理装置(膜処理装置)1に送水(圧送)される。
RO膜処理装置1に送水された原水W0の一部はRO膜処理装置1に備わるRO膜を透過して被分離物質が除去され、被分離物質を含まない処理水W1が生成される。
この処理水W1は、処理水流路10を介して膜処理設備100から淡水として取り出される。
なお、RO膜処理装置1のRO膜を透過するときに原水W0から除去される被分離物質は、塩分、有機物、微生物、菌類、ホウ素、濁質成分となる固形浮遊物など、原水W0である海水に含まれる物質である。
濃縮水W2は、RO膜処理装置1での圧力損失が最大0.3MPa程度であることから、5.2〜6.7MPaの圧力でRO膜処理装置1から排出され、その圧力の一部が高圧ポンプ2の駆動に利用される。そして濃縮水W2は、0.5〜0.3MPaの圧力がかかった状態で濃縮水流路11を流れてガス混合器(オゾン混合器3)に流入し、オゾン発生器7で発生したオゾンガスが混合される。オゾン混合器3は、例えば、濃縮水W2の圧力でオゾンガスを混合するエゼクタ形式のものが好ましい。
この構成によってオゾン混合器3は、濃縮水W2が濃縮水流路11を流れるときの圧力で、オゾンガスを濃縮水W2に混合することができる。又は、ブロアを増設してオゾンガスを加圧して混合することも可能である。
圧力調整装置4には、濃縮水W2にオゾンガスを溶解するための溶解水槽4aが備わる。濃縮水W2は溶解水槽4aに流入して、濃縮水流路11を流れるときの圧力で溶解水槽4aの内部圧力が加圧される。
なお、濃縮水W2の圧力の一部を高圧ポンプ2の駆動に利用する方法は、例えば、前記した非特許文献2に示される技術を利用すればよい。
第1の実施形態に係る圧力調整装置4は、溶解水槽4aの内部圧力を、ポンプ等の動力を使用せず、濃縮水W2が濃縮水流路11を流れるときの圧力(残圧)で加圧し、オゾンガスが濃縮水W2に溶解するように構成されている。
さらに圧力調整装置4は、オゾンガスが溶解した濃縮水W2を溶解水槽4aの内部圧力で排出するように構成されている。
調圧器4bには、液相部4Lの水位下降で開弁するエアベント14と気相部4Gの圧力上昇で開弁する背圧弁15が備わっている。
エアベント14は気相部4Gのオゾンガス量が所定量を超えて液相部4Lの水位が所定水位より下降した場合に開弁して気相部4Gのオゾンガスを排出し、液相部4Lの水位を上昇させる。また、背圧弁15は、気相部4Gの圧力が予め設定される所定の内部圧力以上になると開弁して気相部4Gのオゾンガスを排出し、溶解水槽4aの内部を所定の内部圧力に維持する。
このように、調圧器4bは溶解水槽4a内の液相部4Lの水位を所定水位に維持し、溶解水槽4a内を所定の内部圧力に維持する機能を有する。
流量調整弁11aは、弁開度によって濃縮水流路11を流れる濃縮水W2の流量を調整可能な弁装置で、アクチュエータ11bによって弁開度が調節される構成とする。
アクチュエータ11bは、圧力伝送器40が計測する溶解水槽4a内部の圧力に応じて流量調整弁11aの弁開度を調節する機能を有し、溶解水槽4a内部の圧力が所定の内部圧力以上の場合は流量調整弁11aの弁開度を大きくする。溶解水槽4aからの濃縮水W2の排出量が増加して溶解水槽4a内部の圧力が低下する。
一方、アクチュエータ11bは、溶解水槽4a内部の圧力が所定の内部圧力未満の場合は流量調整弁11aの弁開度を小さくする。溶解水槽4aからの濃縮水W2の排出量が減少し、濃縮水流路11から流入する濃縮水W2の圧力によって溶解水槽4a内部の圧力が上昇する。アクチュエータ11bは、電動式、油圧式、ガス駆動式などであればよく、その構成は限定されない。
このような構成の調圧器4bであっても、溶解水槽4a内を所定の内部圧力に維持できる。
したがって、溶解水槽4aは、充分な量のオゾンガスを濃縮水W2に溶解するため、内部圧力が0.15MPa以上に維持されることが好適である。
また、溶解水槽4aでオゾンガスが溶解した濃縮水W2を図1に示す反応槽5Aに送水する(圧送する)ため、溶解水槽4aの内部圧力を、濃縮水W2が濃縮水流路11を流れるときの圧力以下で、且つ、反応槽5Aの雰囲気圧力以上に維持することが好適である。
溶解水槽4aの内部圧力、すなわち、濃縮水W2が圧力調整装置4から排出されるときの所定の設定圧力は、マイクロバブル発生ノズル6での減圧発泡量を増加するため、濃縮水流路11を流れる濃縮水W2の圧力以下で反応槽5Aの雰囲気圧力以上、且つ、0.15MPa以上であることが好適である。
そこで、反応槽5Aでは、オゾンマイクロバブルの浮上分離効果を利用して濃縮水W2に含まれる被分離物質の濁質成分(固形浮遊物)をオゾンマイクロバブルに吸着させて浮上させ、濃縮水W2と濁質成分を分離(浮上分離)する。
最も排出口5b側の仕切板17cは、排出口5bの側に第4領域54を形成するとともに第4領域54と隣接する第3領域53を区分する。仕切板17cの上部と下部は開放され、第3領域53と第4領域54が上部と下部で連通している。
また、仕切板17aと仕切板17cの間に配設される仕切板17bは、第2領域52と第3領域53を区分する。仕切板17bは上部のみが開放されて、第2領域52と第3領域53が上部で連通している。
排水流路13は、第4領域54の濃縮水W2が排水W3として流れる流路であって、排水W3の流れを止めるための排水流路弁20が備わる。排水流路弁20は、制御装置23によって開閉が制御される。
排出口5bが形成される高さを第1水位WL1、仕切板17a及び仕切板17cの上端部の高さを第2水位WL2とする。第2水位WL2は第1水位WL1より高い水位となる。
そして、濁質除去ホッパ21の上方の開口部21aの高さは、第1水位WL1と第2水位WL2の間に設定される。
そして、スカム32を第2領域52及び第3領域53の水面に浮上させた後のオゾンマイクロバブルは、反応槽5Aの上方にオゾンガス層Gを形成して排オゾンガスとして溜まる。反応槽5Aには図示しない排オゾン処理装置が備わり、オゾンガス層Gの排オゾンガスが排オゾン処理装置を介して大気に放出され、オゾンガス層Gの圧力はほぼ大気圧に維持される。ここでは、反応槽5Aにおけるオゾンガス層Gの圧力を反応槽5Aの雰囲気圧力と称する。
そして、第1の実施形態において、反応槽5Aの雰囲気圧力は、ほぼ大気圧になる。
そして、流入口5aから流入する濃縮水W2からオゾンマイクロバブルの浮上分離効果によって分離する濁質成分が、主に第2領域52及び第3領域53の水面にスカム32として堆積する。
第4領域54の濃縮水W2は、排水流路13の流れが止められて排水されず、図4の(a)に示すように、反応槽5A内の水位が第1水位WL1以上に上昇する。
そして、図4の(b)に示すように、反応槽5A内の水位が濁質除去ホッパ21の開口部21aの高さに達すると、第2領域52及び第3領域53の水面に堆積されたスカム32は濁質除去ホッパ21に流れ込み、排出管18を流れて反応槽5Aから排出される。
図3に示すように、第4領域54の濃縮水W2は排水流路13を流れて排水W3として排水され、反応槽5A内の水位が第1水位WL1の高さに維持される。
制御装置23が排水流路弁20の閉弁と排出弁19の開弁を維持する時間は、濁質除去ホッパ21の処理能力等に基づいて適宜設定すればよい。
図示しないスカム検知装置は、例えば、前記した特許文献5に記載されるものを利用できる。
本実施形態によれば、オゾンマイクロバブルの酸化力で濃縮水W2に含まれる有機物を分解することができ、さらに、オゾンマイクロバブルの浮上分離効果で被分離物質の濁質成分を除去できるので、海水の淡水化にともなって排出される排水W3の水質を向上でき、環境への負荷を軽減できる。
したがって、RO膜処理装置1に備わるRO膜のファウリング(汚染)を防止でき、膜処理設備100の運転コストを低減できるという優れた効果を奏する。
また、特別の動力を用いることなく、RO膜処理装置1(図1参照)から排出された濃縮水W2が濃縮水流路11(図1参照)を流れるときの圧力(残圧)を利用して微細気泡(オゾンマイクロバブル)を発生できるので、エネルギ消費の少ない高い経済性で膜処理設備100(図1参照)を運転できるという優れた効果を奏する。
図5を参照して、第2の実施形態について説明する。なお、図5においては、図1に示す膜処理設備100と同じ構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
図5に示すように、第2の実施形態に係る膜処理設備101は、原水流路35に上流混合器9(図1参照)が配設されず、前処理装置16Aで前処理された原水W0は高圧ポンプ2で5.5〜7.0MPaに加圧された後にRO膜処理装置1に圧送される。
そして、RO膜処理装置1に圧送された原水W0の一部はRO膜を透過して被分離物質が除去され、被分離物質を含まない処理水W1が生成される。
この処理水W1は処理水流路10を介して膜処理設備101から排出される。
なお、第2の実施形態に係る膜処理設備101は、例えば海水の淡水化装置を構成し、原水W0は海水とする。
RO膜処理装置1での圧力損失は最大0.3MPa程度であることから、濃縮水W2は5.2〜6.7MPaの圧力でRO膜処理装置1から排出され、その圧力の一部が高圧ポンプ2の駆動に利用される。その後、濃縮水W2は、0.5〜0.3MPaの圧力がかかった状態で濃縮水流路11を流れてオゾン混合器3に流入し、オゾン発生器7で発生したオゾンガスが混合された後に圧力調整装置4に流入して溶解水槽4aの内部圧力を加圧する。
このように、第2の実施形態に係る膜処理設備101に備わる圧力調整装置4の溶解水槽4aも第1の実施形態と同様に、濃縮水W2がRO膜処理装置1から排出されるときの圧力(残圧)で加圧され、濃縮水W2にオゾンガスが溶解するように構成される。
また、第2の実施形態に係る反応槽5Bの雰囲気圧力は、第1の実施形態に係る反応槽5A(図1参照)の雰囲気圧力と同様に定義され、ほぼ大気圧になる。
一方、浮上分離して水面に堆積するスカム32は、反応槽5Bに備わる濁質除去ホッパ21によって反応槽5Bから排出される。
スカム32を濁質除去ホッパ21によって反応槽5Bから排出する方法は、第1の実施形態に係る反応槽5A(図3参照)からスカム32を排出する方法と同じ方法とすればよい。
この構成によって、反応槽5Bの溶存オゾン濃度が増加して反応槽5Bにおける濃縮水W2の酸化がさらに促進される。反応槽5B内の濃縮水W2に残存する有機物はさらに分解されるとともに濃縮水W2内に残存する細菌はさらに殺菌され、排水流路13からの排水W3の水質がさらに向上する。
また、特別の動力を用いることなく、RO膜処理装置1(図5参照)から排出された濃縮水W2が濃縮水流路11(図5参照)を流れるときの圧力(残圧)を利用して微細気泡(オゾンマイクロバブル)を発生できるので、エネルギ消費の少ない高い経済性で膜処理設備101を運転できるという優れた効果を奏する。
図6を参照して、第3の実施形態について説明する。なお、図6においては、図1に示す膜処理設備100と同じ構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
図6に示す、第3の実施形態に係る膜処理設備102は、例えば下水再生処理装置を構成し、原水W0は下水(下水処理水)、又は工場廃液等を含んだ産業廃水である。
生物反応槽嫌気槽26、生物反応槽好気槽27は、原水W0に含まれる有機物を生物分解する機能を有し、生物反応槽を構成する。
このため、最終沈殿池28の底部には活性汚泥が沈殿する。この活性汚泥は生物分解に利用できる細菌を含んでいることから、その一部を返送汚泥として生物反応槽嫌気槽26に戻して生物分解に再利用し、残った汚泥が余剰汚泥として最終沈殿池28に堆積する。
そして、RO膜処理装置1に圧送された原水W0の一部はRO膜を透過して被分離物質が除去され、被分離物質を含まない処理水W1が生成される。
この処理水W1は処理水流路10を介して膜処理設備102から排出される。
なお、RO膜処理装置1のRO膜を透過するときに原水W0から除去される被分離物質は、有機物、微生物、菌類、化学物質、濁質成分となる固形浮遊物など、原水W0である下水や産業廃水に含まれる物質である。
余剰汚泥流路31は、最終沈殿池28と反応槽5Cの第1領域51を接続する管路で、最終沈殿池28に蓄積している余剰汚泥が原水W0の一部からなる同伴水W4に含まれて余剰汚泥流路31を流れ、第1領域51に流入する。
また、余剰汚泥の同伴水W4と濃縮水W2に含まれる被分離物質の濁質成分及び分解されない余剰汚泥は、オゾンマイクロバブルの浮上分離効果によって、主に第2領域52及び第3領域53の水面にスカム32として堆積する。
図6に示すように、返流水流路29は前処理装置16Bの最初沈殿池25に接続され、反応槽5Cから排出された返流水W5は返流水流路29を流れて最初沈殿池25に流入(返流)する。
なお、制御装置23が返流流路弁30を閉弁して排出弁19を開弁する時間間隔は、例えば、スカム32の堆積速度等に基づいて適宜設定し、スカム32の堆積量が濁質除去ホッパ21の処理能力(スカム32の排出能力)を超えない状態で、制御装置23が返流流路弁30を閉弁して排出弁19を開弁するように構成すればよい。
第4領域54の濃縮水W2は返流水W5として返流水流路29を流れて排出され、反応槽5C内の水位が第1水位WL1の高さに維持される。
このように、第3の実施形態に係る反応槽5Cは、制御装置23が返流流路弁30及び排出弁19を開閉して堆積するスカム32を排出する。
また、オゾンマイクロバブルの浮上分離効果によって濃縮水W2に含まれる被分離物質の濁質成分を除去できる。したがって、環境への負荷を軽減できるという優れた効果を奏する。
また、上流混合器9(図6参照)で原水W0にオゾンガスを混合することで、原水W0に含まれる有機物を分解し、且つ、細菌を殺菌できる。したがって、RO膜のファウリングを防止でき、膜処理設備102の運転コストを軽減できるという優れた効果を奏する。
また、特別の動力を用いることなく、RO膜処理装置1(図6参照)から排出された濃縮水W2の圧力(残圧)を利用して微細気泡(オゾンマイクロバブル)を発生できるので、エネルギ消費の少ない高い経済性で膜処理設備102を運転できるという優れた効果を奏する。
図8を参照して、第4の実施形態に係る膜処理設備103を説明する。なお、図8においては、図6に示す膜処理設備102と同じ構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
図8に示す、第4の実施形態に係る膜処理設備103は、例えば下水再生処理装置を構成し、原水W0は下水(下水処理水)又は工場廃液等を含んだ産業廃水である。
さらに、活性汚泥処理槽34には固液分離膜33が備わっている。
そして、RO膜処理装置1に圧送された原水W0の一部はRO膜を透過して被分離物質が除去され、被分離物質を含まない処理水W1が生成される。
このように、第4の実施形態に係る膜処理設備103に備わる圧力調整装置4の溶解水槽4aも第1の実施形態と同様に濃縮水W2がRO膜処理装置1から排出されるときの圧力(残圧)で加圧され、濃縮水W2にオゾンガスが溶解するように構成される。
第4の実施形態に係る膜処理設備103に備わる反応槽5Cは、図7に示すように構成され、オゾンマイクロバブルの浮上分離効果によって濃縮水W2から分離して水面にスカム32として堆積する被分離物質の濁質成分は、濁質除去ホッパ21によって反応槽5Cから排出される。
なお、スカム32を濁質除去ホッパ21によって反応槽5Cから排出する方法は、第3の実施形態に係る反応槽5Cからスカム32を排出する方法と同じ方法とすればよい。
そして、濁質成分が除去された濃縮水W2は、返流水W5として返流水流路29を流れ、前処理装置16Cの最初沈殿池25に流入(返流)する。
また、同伴水W4に含まれる被分離物質の濁質成分や分解されない余剰汚泥は、オゾンマイクロバブルの浮上分離作用によって同伴水W4と分離し、主に第2領域52(図7参照)及び第3領域53(図7参照)の水面にスカム32として堆積する。そして、スカム32は、濁質除去ホッパ21によって反応槽5Cから排出される。
また、オゾンマイクロバブルの浮上分離効果によって濃縮水W2に含まれる被分離物質の濁質成分を除去できる。したがって、環境への負荷を軽減できるという優れた効果を奏する。
また、上流混合器9で原水W0にオゾンガスを混合することで、原水W0に含まれる有機物を分解し、細菌を殺菌できるので、RO膜のファウリングを防止できる。これにより、膜処理設備103の運転コストを軽減できるという優れた効果を奏する。
また、特別の動力を用いることなく、RO膜処理装置1(図8参照)から排出された濃縮水W2の圧力(残圧)を利用して微細気泡(オゾンマイクロバブル)を発生できるので、エネルギ消費の少ない高い経済性で膜処理設備103を運転できるという優れた効果を奏する。
図9を参照して、第5の実施形態に係る膜処理設備104を説明する。なお、図9においては、図6に示す膜処理設備102と同じ構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
図9に示すように、第5の実施形態に係る膜処理設備104は、例えば海水を淡水化する淡水化装置、下水又は工場廃液等を含んだ産業廃水を処理する下水再生処理装置を構成する。そして、海水の淡水化装置を構成する場合、原水W0は海水になり、下水再生処理装置を構成する場合、原水W0は下水(下水処理水)又は産業廃水になる。
原水W0は、貯水槽39に一時貯水され、浮遊する固形物が沈殿除去される。そして、ろ過ポンプ38によって砂ろ過装置36に送水(圧送)される。
そして、RO膜処理装置1に圧送された原水W0の一部はRO膜を透過して被分離物質が除去され、被分離物質を含まない処理水W1が生成される。
この処理水W1は処理水流路10を介して膜処理設備104から排出される。
このように、第5の実施形態に係る膜処理設備104に備わる圧力調整装置4の溶解水槽4aも第1の実施形態と同様に濃縮水W2がRO膜処理装置1から排出されるときの圧力(残圧)で加圧され、濃縮水W2にオゾンガスが溶解するように構成される。
第5の実施形態に係る膜処理設備104に備わる反応槽5Dは、図7に示す反応槽5Cとほぼ同じ構成であるが、余剰汚泥流路31の替わりに洗浄排水流路(逆洗流路37)が接続され、第1領域51と砂ろ過装置36(図9参照)が逆洗流路37で接続される。
この逆洗排水W6には、砂ろ過装置36で原水W0から除去されて蓄積されている有機物や被分離物質が含まれている。
このように、オゾンマイクロバブルの酸化力で酸化処理され、さらに、被分離物質の濁質成分が分離されて浄化された濃縮水W2及び逆洗排水W6は、返流水W5となって返流水流路29を流れ、前処理装置16Dの貯水槽39に流入(返流)する。
なお、スカム32を濁質除去ホッパ21によって反応槽5Dから排出する方法は、第3の実施形態に係る反応槽5C(図7参照)からスカム32を排出する方法と同じ方法とすればよい。
また、オゾンマイクロバブルの浮上分離効果によって濃縮水W2に含まれる被分離物質の濁質成分を除去できる。したがって、環境への負荷を軽減できるという優れた効果を奏する。また、上流混合器9(図9参照)で原水W0にオゾンガスを混合することで、原水W0に含まれる有機物を分解し、且つ、細菌を殺菌することができ、RO膜のファウリングを防止できる。これにより、膜処理設備104の運転コストを軽減できるという優れた効果を奏する。
また、特別の動力を用いることなく、RO膜処理装置1(図9参照)から排出された濃縮水W2が濃縮水流路11(図9参照)を流れるときの圧力(残圧)を利用して微細気泡(オゾンマイクロバブル)を発生できるので、エネルギ消費の少ない高い経済性で膜処理設備104を運転できるという優れた効果を奏する。
2 高圧ポンプ(ポンプ)
3 オゾン混合器(ガス混合器)
4 圧力調整装置
4a 溶解水槽
4b 調圧器
5A〜5D 反応槽
6 マイクロバブル発生ノズル
7 オゾン発生器
9 上流混合器
11 濃縮水流路
11a 流量調整弁
11b アクチュエータ
16A〜16D 前処理装置
25 最初沈殿池
26 生物反応槽嫌気槽(生物反応槽)
27 生物反応槽好気槽(生物反応槽)
28 最終沈殿池
29 返流水流路
31 余剰汚泥流路
33 固液分離膜
34 活性汚泥処理槽
37 逆洗流路(洗浄排水流路)
100〜104 膜処理設備
W0 原水
W1 処理水
W2 濃縮水
W3 排水
W4 同伴水
W5 返流水
W6 逆洗排水(洗浄排水)
Claims (29)
- 原水を加圧して膜処理装置へ送水するポンプと、
前記膜処理装置で前記原水から除去される被分離物質を含む濃縮水が流れる濃縮水流路と、
前記濃縮水流路に備わって前記濃縮水にガスを混合するガス混合器と、
前記ガスが溶解した後の前記濃縮水を所定の設定圧力で排出する圧力調整装置と、
前記圧力調整装置から排出された前記濃縮水を反応槽に減圧放出してマイクロバブルを発生するマイクロバブル発生ノズルと、を備えて構成され、
前記反応槽内で、前記マイクロバブルによって前記濃縮水に含まれる前記被分離物質の濁質成分を当該濃縮水から分離する膜処理設備であって、
前記圧力調整装置は、前記濃縮水流路を流れる前記濃縮水の圧力で、前記ガスを当該濃縮水に溶解することを特徴とする膜処理設備。 - 前記所定の設定圧力は、前記濃縮水流路を流れる前記濃縮水の圧力以下で前記反応槽の雰囲気圧力以上、且つ、0.15MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の膜処理設備。
- 前記圧力調整装置は、前記濃縮水に混合した前記ガスを当該濃縮水に溶解する溶解水槽及び前記溶解水槽の内部圧力を前記所定の設定圧力に維持する調圧器を含んでなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の膜処理設備。
- 前記調圧器は、前記濃縮水に溶解しないで残存する前記ガスを前記溶解水槽から排出して当該溶解水槽の内部圧力を前記所定の設定圧力に維持し、
前記溶解水槽から排出された前記ガスを、前記ポンプの上流に備わる上流混合器で前記原水に混合することを特徴とする請求項3に記載の膜処理設備。 - 前記調圧器は、前記濃縮水に溶解しないで残存する前記ガスを前記溶解水槽から排出して当該溶解水槽の内部圧力を前記所定の設定圧力に維持し、
前記溶解水槽から排出された前記ガスを、前記反応槽に注入することを特徴とする請求項3に記載の膜処理設備。 - 前記調圧器は、前記溶解水槽から排出される前記濃縮水の流量を調整する流量調整弁と、前記流量調整弁の弁開度を調節するアクチュエータを備え、
前記アクチュエータが、前記溶解水槽の内部圧力に応じて前記流量調整弁の弁開度を調節して当該溶解水槽の内部圧力を前記所定の設定圧力に維持することを特徴とする請求項3に記載の膜処理設備。 - 前記ガスはオゾンガスであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の膜処理設備。
- 海水の淡水化装置を構成し、前記原水が海水であり、前記膜処理装置で前記原水から前記被分離物質が除去されて生成される処理水が淡水であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の膜処理設備。
- 前処理装置で生物処理された原水を加圧して膜処理装置へ送水するポンプと、
前記膜処理装置で前記原水から除去される被分離物質を含む濃縮水が流れる濃縮水流路と、
前記濃縮水流路に備わって前記濃縮水にガスを混合するガス混合器と、
前記ガスが溶解した後の前記濃縮水を所定の設定圧力で排出する圧力調整装置と、
前記圧力調整装置から排出された前記濃縮水を反応槽に減圧放出してマイクロバブルを発生するマイクロバブル発生ノズルと、
前記原水の一部からなる同伴水が前記前処理装置で発生する余剰汚泥を含んで当該前処理装置から前記反応槽まで流れる余剰汚泥流路と、を備えて構成され、
前記反応槽内で、前記マイクロバブルによって前記濃縮水に含まれる前記被分離物質の濁質成分を当該濃縮水から分離するとともに、前記同伴水に含まれる前記被分離物質の濁質成分と前記余剰汚泥を当該同伴水から分離し、
前記濁質成分が分離した後の前記濃縮水と、前記濁質成分及び前記余剰汚泥が分離した後の前記同伴水と、を排水として前記反応槽から排出する膜処理設備であって、
前記圧力調整装置は、前記濃縮水流路を流れる前記濃縮水の圧力で、前記ガスを当該濃縮水に溶解することを特徴とする膜処理設備。 - 前記反応槽と前記前処理装置を接続する返流水流路をさらに備え、
前記排水として前記反応槽から排出される前記濃縮水と前記同伴水を、前記返流水流路で前記前処理装置に返流することを特徴とする請求項9に記載の膜処理設備。 - 前記前処理装置は、最初沈殿池、生物反応槽、及び最終沈殿池を含んで構成され、前記余剰汚泥は、前記最終沈殿池に堆積する汚泥からなることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の膜処理設備。
- 前記前処理装置は、最初沈殿池、及び固液分離膜を備える活性汚泥処理槽を含んで構成される膜分離活性汚泥処理装置で、前記余剰汚泥は、前記活性汚泥処理槽に堆積する汚泥からなることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の膜処理設備。
- 前記所定の設定圧力は、前記濃縮水流路を流れる前記濃縮水の圧力以下で前記反応槽の雰囲気圧力以上、且つ、0.15MPa以上であることを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載の膜処理設備。
- 前記圧力調整装置は、前記濃縮水に混合した前記ガスを当該濃縮水に溶解する溶解水槽及び前記溶解水槽の内部圧力を前記所定の設定圧力に維持する調圧器を含んでなることを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれか1項に記載の膜処理設備。
- 前記調圧器は、前記濃縮水に溶解しないで残存する前記ガスを前記溶解水槽から排出して当該溶解水槽の内部圧力を前記所定の設定圧力に維持し、
前記溶解水槽から排出された前記ガスを、前記ポンプの上流に備わる上流混合器で前記原水に混合することを特徴とする請求項14に記載の膜処理設備。 - 前記調圧器は、前記濃縮水に溶解しないで残存する前記ガスを前記溶解水槽から排出して当該溶解水槽の内部圧力を前記所定の設定圧力に維持し、
前記溶解水槽から排出された前記ガスを、前記反応槽に注入することを特徴とする請求項14に記載の膜処理設備。 - 前記調圧器は、前記溶解水槽から排出される前記濃縮水の流量を調整する流量調整弁と、前記流量調整弁の弁開度を調節するアクチュエータを備え、
前記アクチュエータが、前記溶解水槽の内部圧力に応じて前記流量調整弁の弁開度を調節して当該溶解水槽の内部圧力を前記所定の設定圧力に維持することを特徴とする請求項14に記載の膜処理設備。 - 前記ガスはオゾンガスであることを特徴とする請求項9乃至請求項17のいずれか1項に記載の膜処理設備。
- 下水再生処理装置を構成し、前記原水が下水処理水で、前記膜処理装置で前記原水から前記被分離物質が除去されて生成される処理水が再生水であることを特徴とする請求項9乃至請求項18のいずれか1項に記載の膜処理設備。
- 産業廃水の再生処理装置を構成し、前記原水が産業廃水で、前記膜処理装置で前記原水から前記被分離物質が除去されて生成される処理水が再生水であることを特徴とする請求項9乃至請求項18のいずれか1項に記載の膜処理設備。
- 前処理装置で砂ろ過された原水を加圧して膜処理装置へ送水するポンプと、
前記膜処理装置で前記原水から除去される被分離物質を含む濃縮水が流れる濃縮水流路と、
前記濃縮水流路に備わって前記濃縮水にガスを混合するガス混合器と、
前記ガスが溶解した後の前記濃縮水を所定の設定圧力で排出する圧力調整装置と、
前記圧力調整装置から排出された前記濃縮水を反応槽に減圧放出してマイクロバブルを発生するマイクロバブル発生ノズルと、
前記前処理装置を前記原水の一部で洗浄した後の洗浄排水が当該前処理装置から前記反応槽まで流れる洗浄排水流路と、を備えて構成され、
前記反応槽内で、前記マイクロバブルによって前記濃縮水に含まれる前記被分離物質の濁質成分を当該濃縮水から分離するとともに、前記洗浄排水に含まれる前記被分離物質の濁質成分を当該洗浄排水から分離し、
前記濁質成分が分離した後の前記濃縮水と前記洗浄排水を排水として前記反応槽から排出する膜処理設備であって、
前記圧力調整装置は、前記濃縮水流路を流れる前記濃縮水の圧力で、前記ガスを当該濃縮水に溶解することを特徴とする膜処理設備。 - 前記反応槽と前記前処理装置を接続する返流水流路をさらに備え、
前記排水として前記反応槽から排出される前記濃縮水と前記洗浄排水を、前記返流水流路で前記前処理装置に返流することを特徴とする請求項21に記載の膜処理設備。 - 前記所定の設定圧力は、前記濃縮水流路を流れる前記濃縮水の圧力以下で前記反応槽の雰囲気圧力以上、且つ、0.15MPa以上であることを特徴とする請求項21又は請求項22に記載の膜処理設備。
- 前記圧力調整装置は、前記濃縮水に混合した前記ガスを当該濃縮水に溶解する溶解水槽及び前記溶解水槽の内部圧力を前記所定の設定圧力に維持する調圧器を含んでなることを特徴とする請求項21乃至請求項23のいずれか1項に記載の膜処理設備。
- 前記調圧器は、前記濃縮水に溶解しないで残存する前記ガスを前記溶解水槽から排出して当該溶解水槽の内部圧力を前記所定の設定圧力に維持し、
前記溶解水槽から排出された前記ガスを、前記ポンプの上流に備わる上流混合器で前記原水に混合することを特徴とする請求項24に記載の膜処理設備。 - 前記調圧器は、前記濃縮水に溶解しないで残存する前記ガスを前記溶解水槽から排出して当該溶解水槽の内部圧力を前記所定の設定圧力に維持し、
前記溶解水槽から排出された前記ガスを、前記反応槽に注入することを特徴とする請求項24に記載の膜処理設備。 - 前記調圧器は、前記溶解水槽から排出される前記濃縮水の流量を調整する流量調整弁と、前記流量調整弁の弁開度を調節するアクチュエータを備え、
前記アクチュエータが、前記溶解水槽の内部圧力に応じて前記流量調整弁の弁開度を調節して当該溶解水槽の内部圧力を前記所定の設定圧力に維持することを特徴とする請求項24に記載の膜処理設備。 - 前記ガスはオゾンガスであることを特徴とする請求項21乃至請求項27のいずれか1項に記載の膜処理設備。
- 下水再生処理装置を構成し、前記原水が下水処理水で、前記膜処理装置で前記原水から前記被分離物質が除去されて生成される処理水が再生水であることを特徴とする請求項21乃至請求項28のいずれか1項に記載の膜処理設備。
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