JP2012142659A - スピーカ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スピーカ部の損傷をより確実に防止できつつ、スピーカ部から発生させる音波を集中または拡散できるスピーカ装置を提供する。
【解決手段】スピーカ部3からの音波Aを反射させる反射板4の反射面41の曲率を上端側から下端側に向けて徐々に大きくした。反射面41の各位置で反射する音波Aを水平方向かつ平行にでき上下方向に集中できる。反射板4にて反射した音波Aを反射させるルーバ5の前端部を円弧状の円弧面部51とし45°傾斜させて平行に取り付けた。音波Aをルーバ5の上面で反射して上方に変換してから、ルーバ5の下面で反射して水平方向に変換する。ルーバ5の円弧面部51によって、ルーバ5の表面で反射される際の各位置の音波Aの伝搬距離を同一に調整でき横方向に集中できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射板を有するスピーカ装置に関する。
従来、この種のスピーカ装置の利用方法としては、例えば下記特許文献1に記載のように、鳥獣が人間の生活区域に接近等することによる被害を防止することを目的とした鳥獣撃退装置が知られている。
この鳥獣撃退装置では、スピーカから特定の鳥獣が嫌がる所定周波数の音を継続して発生さえて鳥獣を追い払うものであって、略直方体状の筐体の一側面に露出させた状態でスピーカが取り付けられている。
特開2008−11777号公報
しかしながら、上記特許文献1にかかる従来技術によれば、筐体の一側面に露出させてスピーカが取り付けられているため、鳥獣撃退装置を野外に設置した場合に、雨や風がスピーカに当たってしまう。特に、ムクドリ等のように、スピーカを上に向けて音波を発生させる必要の場合においては、装置の設置場所等に対応させて、スピーカから発生させる音波を集中または拡散させる必要があるとともに、降り注ぐ雨を直接受けスピーカが濡れる等し、ゴミ等の異物の侵入が容易であるため、スピーカが容易に故障または損傷等してしまうおそれがあるといった問題を有している。
そこで本発明は、従来技術における上記問題を解決し、スピーカ部の損傷をより確実に防止できつつ、このスピーカ部から発生させる音波を集中または拡散できるスピーカ装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するため、請求項1にかかる本発明は、所定の音波を発生するスピーカ部と、このスピーカ部から発生する音波の進行方向に対向して取り付けられ、この音波を反射させる反射板と、この反射板に対向して平行に取り付けられ、この反射板にて反射された音波を反射する複数のルーバとを具備した、ことを特徴とするスピーカ装置である。
請求項2は、請求項1のスピーカ装置において、反射板は、この反射板の各位置で反射する音波のそれぞれを平行に反射させ、ルーバは、前記反射板にて反射された音波を、前記ルーバの一主面にて反射させてから、このルーバの一主面に対向して設置された他のルーバの他主面にて反射させて、この音波を前記ルーバの幅方向に集中または拡散させる、ことを特徴とするスピーカ装置である。
請求項3は、請求項1または2のスピーカ装置において、ルーバは、このルーバの幅方向に直交する前後方向における少なくともいずれか一方の端部が、音波の進行方向に直交する幅方向に向けて湾曲した形状に形成されている、ことを特徴とする。
請求項は、請求項1ないし3いずれかのスピーカ装置おいて、反射板は、湾曲方向の一端部をスピーカ部に近接させて設置され、この一端部から他端部に向けて徐々に曲率が大きくなる湾曲面状に形成されている、ことを特徴とする。
請求項5は、請求項1ないし4いずれかのスピーカ装置おいて、ルーバは、このルーバの幅方向に直交する前後方向を、反射板の一端部から他端部に向かう長手方向に略直交させた状態で取り付けられている、ことを特徴とする。
請求項は、請求項1ないしいずれかのスピーカ装置において、反射板は、湾曲方向の一端部をスピーカ部に近接させて設置され、これら反射板とスピーカ部との間には、所定の間隙が形成されている、ことを特徴とする。
請求項は、請求項1ないしいずれかのスピーカ装置において、一対の側板を備え、これら一対の側板の幅方向の一側間にスピーカ部が取り付けられ、これら一対の側板間に反射板が取り付けられ、これら一対の側板の長手方向の一端間にルーバが取り付けられ、前記反射板の一端部の両縁に沿って開口部が形成されたケースを具備している、ことを特徴とする。
請求項は、請求項1ないしいずれかのスピーカ装置において、反射板のスピーカ部が位置する側の反対側に発熱部が設けられている、ことを特徴とする。
本発明によれば、スピーカ部から発生する音波の進行方向に対向して取り付けられた反射板によって、この音波を反射させた後に、この反射板に対向して平行に取り付けられた複数のルーバにて反射させてから放出させる。このため、この音波が放出される部分と、この音波を発生させるスピーカ部とを離すことができるため、このスピーカ部への外部からの異物の侵入を防止でき、このスピーカ部の損傷をより確実に防止できる。
さらに、反射板の各位置で反射する音波のそれぞれを平行に反射させてから、この反射板にて反射された音波を、各ルーバの一種面にて反射させた後、これら各ルーバの他主面にて反射させて、この音波をルーバの幅方向に集中または拡散させるため、スピーカ部から発生させた音波を効率良く幅方向に集中または拡散できる。
また、ルーバの幅方向に直交する前後方向における少なくともいずれか一方の端部を、音波の進行方向に直交する幅方向に向けて湾曲させた形状としたことにより、反射板にて反射された音波を簡単な構成で確実に集中または拡散させることができる。
さらに、湾曲方向の一端部から他端部に向けて徐々に曲率が大きくなる湾曲面状に反射板を形成し、この反射板の一端部をスピーカ部に近接させて設置させたことにより、簡単な構成で確実に、スピーカ部から発生した音波を、反射板にて反射される各位置で平行に反射できる。
そして、ルーバの幅方向に直交する前後方向を、反射板の一端部から他端部に向かう長手方向に略直交させた状態でルーバを取り付けたため、反射板にて平行に反射された音波を、各ルーバにて確実に反射させて、これらルーバの幅方向に集中または拡散できる。
また、反射板とスピーカ部との間に所定の間隙を形成させつつ、この反射板の湾曲方向の一端部をスピーカ部に近接させて設置させたことにより、この反射板内へ侵入した雨や埃等の異物を、この反射板とスピーカ部との間の間隙から排出できる。このため、異物の混入による反射板、スピーカ部およびルーバの損傷を防止できる。
さらに、スピーカ部、反射板およびルーバが取り付けられたケースに、反射板の一端部の両縁に沿って開口部を形成したことにより、この開口部から、ケース内へ侵入した雨や埃等の異物を外部に排出できるため、異物の混入による反射板、スピーカ部およびルーバの損傷を防止できる。
また、反射板のスピーカ部が位置する側の反対側に発熱部を設けたことにより、この発熱部からの発熱を反射板へと伝え、この反射板を加熱できる。このため、この反射板へと付着した雨等の水の凍結を防止できるから、この反射板による音波の反射をより確実にできる。
本発明の第1の実施の形態のスピーカ装置を示す分解斜視図である。 上記スピーカ装置による音波の伝搬方法を示す説明図である。 上記スピーカ装置内の水および空気の侵入経路を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態のスピーカ装置を上向きに設置した状態での排水経路を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態のスピーカ装置を示す概略説明図である。
本発明の第1の実施の形態に係るスピーカ装置について図1ないし図4を参照して説明する。
<全体構成>
スピーカ装置1は、ムクドリ・カラス・川鵜・鼠・猿・熊・猪・鹿・ハクビシン等の人間の生活環境に危害を与えるおそれを有する特定の鳥獣が嫌がる所定の周波数の超音波等の音波Aを連続的または継続的に発生させて、これら特定の鳥獣を追い払うための鳥獣撃退装置(図示せず)の音出力部に用いられるものである。なお、この鳥獣撃退装置は、農地・観光地・住宅地・ごみ集積所等の屋外や屋内に設置され鳥獣の接近や侵入を防止するための鳥獣忌避装置である。そして、スピーカ装置1は、建物や畑等に固定させて設置するための固定用害獣撃退装置の音出力部、鉄道や自動車等の車両に搭載させるための車載用害獣撃退装置の音出力部、航空機等に搭載させるための、超音波を用いたバードストライク防止装置の音出力部等に用いることもできる。
具体的に、スピーカ装置1は、ケース2と、特定の鳥獣の嫌がる所定の周波数の音波Aである忌避音を発生させるスピーカ部3と、このスピーカ部3から発生する音波を反射させる反射板4と、この反射板4にて反射された音波Aを集中または拡散させるための複数、例えば4枚のルーバ5とを備えている。そして、これらスピーカ部3、反射板4およびルーバ5のそれぞれは、ケース2に取り付けられて固定されている。
<ケース>
ケース2は、一対の矩形平板状の側板としての側部プレート21を備えている。これら一対の側部プレート21は、水平方向に対し垂直にさせた状態で水平に並べられている。さらに、これら各側部プレート21の幅方向である上下方向の両端縁のそれぞれが外側に垂直に折り曲げられて取付リブ21aが設けられている。また、これら各側部プレート21の長手方向である水平方向の一端縁としての後端縁も、外側に垂直に折り曲げられて端部リブ21bが設けられている。
さらに、これら一対の側部プレート21の水平方向の他端縁である前端縁のそれぞれには、複数、例えば4つの取付スリット21cが設けられている。これら取付スリット21cは、ルーバ5を取り付けるために切り欠かれた取付凹部である。また、これら取付スリット21cは、各側部プレート21の前端縁から、下方に向けて所定の角度、例えば45°に傾斜させて直線状に形成されており、各取付スリット21c間が平行となるように設けられている。そして、各側部プレート21の前端縁の上側には、各取付スリット21cと平行になるように、傾斜部21dが設けられている。この傾斜部21dは、上端側の取付リブ21aの前端部から上方に向けて斜め45°に傾斜させた直線状に形成されている。
また、一対の側部プレート21の上下方向における下側縁の内側面21eの間には、底板としての底部プレート22が取り付けられている。この底部プレート22は、長手方向の両端縁がそれぞれ下方に垂直に折り曲げられて端部リブ22aが設けられているとともに、この底部プレート22の幅方向の両側縁もそれぞれ下方に垂直に折り曲げられて側部リブ22bが設けられている。そして、この底部プレート22は、この底部プレート21の側部リブ22bを、各側板プレート21の内側に位置する一側面である内側面21eに当接させた状態でねじ止めされて取り付けられている。
<スピーカ部>
そして、これら一対の側部プレート21の幅方向の一側である上側にスピーカ部3が取り付けられている。このスピーカ部3は、一対の側部プレート21の間に橋渡しさせた状態で取り付けられている。具体的に、このスピーカ部3は、略円盤状の支持ヨーク31と、この支持ヨーク31の一端側に取り付けられたフレーム32とを備えている。このフレーム32は、支持ヨーク31に取り付けられている側である基端側から先端側に向けて拡開した形状に形成されている。また、このフレーム32の内部には、支持ヨーク31にて電気信号から変換された音声信号を増幅させるコーン(図示せず)が取り付けられている。さらに、このフレーム32の先端部の開口部32aは、平面視略矩形状に形成されている。そして、この開口部32aの周縁には、平板状の取付リブ32bが、この開口部32aの周縁を覆うように設けられている。
フレーム32の開口部32aには、樹脂製のメッシュである網状の防水ネット33と、粉塵の混入を防止する金属製のメッシュである網状の粉塵ネット34とが取り付けられている。これら防水ネット33および粉塵ネット34は、これら防水ネット33および粉塵ネット34の周縁をフレーム32の取付リブ32bに接着等させて固定されており、このフレーム32の開口部32aを覆うように取り付けられている。さらに、スピーカ部3は、このスピーカ部3のフレーム32の開口部32aを下側に向けた状態で取り付けられている。そして、このスピーカ部は、フレーム32の開口部32aを覆う取付リブ32bを、ケース2の一対の側部プレート21の上端側の取付リブ21a上に載置させた状態で、これら取付リブ21a間がねじ止めされて固定され、この一対の側部プレート21の上側に取り付けられている。
<反射板>
そして、これら一対の側部プレート21の間には、矩形平板状の平板状の反射板4が取り付けられている。この反射板4は、スピーカ部3から発生された音波Aを反射させる際に、反射板Aの表面である反射面41の各位置で反射する音波Aのそれぞれを平行に反射させることができ、スピーカ部から発生する音波の放射角度を補正することができるように長手方向が湾曲された湾曲形状に形成されている。すなわち、この反射板4は、この反射板4の湾曲した方向である湾曲方向としての長手方向の一端側である上端側から下端側に向けて徐々に曲率を大きくさせた凹弧状に形成されている、そして、この反射板4は、この反射板4の長手方向の一端側を、一対の側部プレート21の上端縁に位置させ、この反射板4の長手方向の他端側を、一対の側部プレート21の下端部に位置させた状態で取り付けられている。言い換えると、この反射板4は、この反射板4の長手方向の一端部をスピーカ部3のフレーム32の開口部32aの開口縁に近接させた状態で取り付けられている。
ここで、この反射板4は、この反射板4の一端側をケース2の一対の側部プレート21の上端縁から所定間隔下方に位置させた状態として取り付けられており、この反射板4の一端部とスピーカ部3のフレーム32との間に所定の間隙を形成させている。なお、この間隙は、例えばスピーカ装置1のケース2の長手方向を上下方向に沿わせて設置させ、このスピーカ装置1の反射板4の反射面41を上方に向けた状態で設置させた場合に、このケース2内へと入り込んだ水や粉塵等を排出させるスリット42として機能する。
さらに、この反射板4は、スピーカ部3の開口部32aに対向させて一対の側部プレート21間に取り付けられており、この反射板4の長手方向の中心位置が所定の角度、例えば45°の角度となるように取り付けられている。すなわち、この反射板4は、スピーカ部3から発生する音波Aの進行方向に対向させて取り付けられている。また、この反射板4は、この反射板4の長手方向の他端部を、一対の側部プレート21に設けられている最も下側に位置するルーバ5の基端部との間に所定の間隔を開けた状態で取り付けられているとともに、これら一対の側部プレート21間に取り付けられた底部プレート22の長手方向の前端縁よりも、反射板4の長手方向の他端部を前側に突出させた状態とされて取り付けられている。
<ルーバ>
また、ケース2の一対の側部プレート21の各取付スリット21cには、平板状のルーバ5がそれぞれ着脱可能に取り付けられている。これらルーバ5は、一対の側部プレート21の長手方向の一端間に取り付けられており、反射板4に対向させてそれぞれが平行となるように取り付けられている。また、これらルーバ5は、これらルーバ5の幅方向に直交する前後方向を、反射板4の一端部から他端部に向かう長手方向に対し略直交するように、例えば45°傾斜させた状態で取り付けられている。さらに、これらルーバ5は、ケース2に取り付けられた状態で、これらルーバ5のうちの最も反射板4に近接して位置する最も底部寄りのルーバ5の前後方向の後端部と反射板4の長手方向の他端部との間に所定の間隙が形成されるように取り付けられている。ここで、この間隙は、図2に示すように、例えばスピーカ装置1のケース2の長手方向を水平方向に沿わせ、このスピーカ装置1の反射板4の反射面41を水平方向に向けた状態で設置させた場合に、このケース2内へと入り込んだ水や粉塵等を排出させるスリット43となる。
さらに、これらルーバ5は、図2に示すように、一対の側部プレート21間に取り付けられた反射板4の反射面41に対向させて平行に取り付けられており、この反射板4にて反射された音波Aを反射させて集中または拡散させる音響レンズとしての機能を有している。ここで、これら各ルーバ5によって音響レンズセルが構成されている。具体的に、これらルーバ5は、長手方向である前後方向の前端部が幅方向に向けて円弧状に湾曲されて音波調整手段としての音波集中手段として機能する円弧面部51が設けられている。この円弧面部51は、各ルーバ5の反射板4に対向する側である基端側とは反対側の先端部が、音波Aの進行方向に直交する幅方向に向けて円弧状に湾曲した形状に形成されて設けられている。そして、この円弧面部51は、各ルーバ5の幅方向の中心位置が最も前側に向けて突出し、これら各ルーバ5の幅方向の中心位置にそって線対称に形成されている。すなわち、この円弧面部51は、スピーカ部3から発生し反射板4の反射面41の各位置で前側に向けて平行に反射された各音波Aのそれぞれの伝搬距離を同一にさせるものである。
そして、各ルーバ5の後端部の両側縁には、これら各ルーバ5の後端部を、一対の側部フレーム21間に挿入させて取り付けさせる取付段部52がそれぞれ設けられている。これら取付段部51間に位置する各ルーバ5の後端部は、一対の側部フレーム21に挿入可能にさせる凸状の挿入片部53とされている。さらに、これら各ルーバ5の取付段部53の角部には、これらルーバ5の前側に向けて切り欠かれた形状の取付スリット54がそれぞれ設けられている。これら取付スリット54は、一対の側部プレート21の取付スリット21cに嵌合させて、これら一対の側部プレート21間にルーバ5を取り付けるための取付凹部であって、これら各取付スリット54が平行に設けられている。
<取付プレート>
さらに、スピーカ部3とケース2との間には、例えば、電車や自動車等の車両その他の被取付部材にスピーカ装置1を取り付けるための上板としての取付プレート6が取り付けられている。この取付プレート6は、ケース2の一対の側部プレート21の上側に位置する取付リブ21aとスピーカ部3のフレーム32の取付リブ32bとの間に挟持させて固定させるための略矩形枠状の取付枠部61を備えている。また、この取付枠部61の長手方向の一端縁に連続した部分には、ケース2の一対の側部プレート21の傾斜部21dに載置させ、この傾斜部21d間を覆うための平板状の傾斜面部62が一体的に設けられている。さらに、この傾斜面部62の前後方向の一端縁である前端縁に連続した部分には、平板状の取付片部63が一体的に設けられている。
ここで、この取付片部63は、長手方向を上下方向に沿わせ、幅方向をケース2の幅方向に沿わせた状態とされている。そして、この取付片部63の長手方向の一端縁である上端縁には、一対のねじ取付部64が設けられている。これらねじ取付部64は、取付片部63の上端縁の中央部から各幅方向に向けて等間隔に離間された位置に設けられており、これら各ねじ取付部64にねじ(図示せず)のねじ部を挿入して被取付部にねじ止め固定させることによって、この被取付部にスピーカ装置1を取り付けさせる。
次に、上記スピーカ装置1の作用効果について説明する。
<音波の伝搬>
スピーカ部3から発生させた音波Aは、図2に示すように、このスピーカ部3の支持ヨーク31の略中心の位置から、このスピーカ部3のフレーム32内に放射状に拡散していく。そして、このフレーム3内にて拡散した音波Aは、反射板4の反射面41にて反射され、この反射面41のいずれの位置において反射された各音波Aのそれぞれの進行方向が水平方向に平行となるように変換されて補正される。ここで、この反射面41のいずれの位置において反射される各音波Aの進行方向のそれぞれが水平方向かつ平行に変換されることにより、この音波Aが上下方向に集中されて絞られる。
そして、この反射板4にて反射された音波Aは、各ルーバ5の下側に位置する下面にて反射され、これら音波Aの進行方向が上方向に変換されてから、これら音波Aを反射させた各ルーバ5の上側に取り付けられた各ルーバ5の上側に位置する上面によって反射され、これら音波Aの進行方向が水平方向に変換された後に、外部へと放出される。ここで、これら各ルーバ5の円弧面部51によって、これら各ルーバ5の表面にて反射される際の各位置における音波Aの伝搬距離が同一に調整され、これら各ルーバ5の間から放出される音波Aが横方向に集中されて絞られる。
<水・空気の通路>
スピーカ装置1を車両に搭載した場合や、このスピーカ装置1を洗浄等する場合に、図3に示すように、このスピーカ装置1のルーバ5が取り付けられている側である前側に、雨等の水Dが吹き付けられた際には、これら各ルーバ5の間から入り込んだ水Dは、これら各ルーバ5の下面および取付プレート6の傾斜面部62の下面によって、約45°下方に傾斜した方向に流れていく。このとき、反射板4の反射面41上へと流れた水Dは、この反射面41に沿って下方へと流れていく。さらに、各ルーバ5の間に入り込んだ水Dは、反射板4の下端縁と、最も下側に取り付けられたルーバ5の後端縁との間のスリット43を通って、ケース2の外部へと放出される。このため、スピーカ装置1の前側から雨水等の水Dが入り込んだ場合においても、この水Dがスピーカ装置1のスピーカ部3の内部へと入り込むことがない。
この場合に、スピーカ装置1の各ルーバ5の間から入り込んだ空気Bは、上寄りに取り付けられたルーバ5間に入り込んだ場合と、下寄りに取り付けられたルーバ5間に入り込んだ場合とで、流れる方向が異なる。具体的には、上寄りのルーバ5の間に入り込んだ空気Bは、これらルーバ5の間を通過した後、反射板4の上端縁とスピーカ部3のフレームの下面との間のスリット42を通過して、ケース2の外部へと流れていく。一方、下寄りのルーバ5の間に入り込んだ空気Bは、これらルーバ5の間を通過した後、反射板4の下端縁と最も下寄りのルーバ5の後端縁との間のスリット43を通過して、ケース2の外部へと流れていく。このため、これら空気Bは、いずれの場合においても、スピーカ部3のフレーム32内へ入り込まず、このスピーカ部3のコーン等に対する風圧が軽減される。
さらに、図3に示すように、ホース等から水Dを放出させて、斜め下方の放出方向Cからスピーカ装置1の前面へ水Dを放出させた場合においては、最も下側に取り付けられたルーバ5の下面によって、ケース2内への水Dの侵入が阻止される。同時に、各ルーバ5の間から入り込んだ水Dは、上記のとおり、反射板4と最も下寄りのルーバ5の後端縁との間のスリット43を通って外部へ排出される。このため、いずれの場合においても、スピーカ部3の内部への水Dの侵入のおそれがほとんどない。
<効果>
前述のように、本発明のスピーカ装置1によれば、スピーカ部3から発生する音波Aの進行方向に対向させて取り付けられた反射板4の反射面41を、この反射板41の上端側から下端側に進むに連れて徐々に曲率を大きくした凹弧状とし、この反射板4の上端側をスピーカ部3に近接させて設置させたことにより、この反射板4の反射面41のいずれの位置で音波Aを反射させる場合においても、この音波Aを確実に水平方向かつ平行に反射させることができ、これら音波Aを上下方向に絞って集中させることができる。
さらに、この反射板4の反射面41にて反射された音波Aを反射させるルーバ5の前端部を円弧状に湾曲させた形状として円弧面部51を形成し、これら各ルーバ5を反射板4に対向させて45°傾斜させて平行に取り付けたことにより、反射板4にて反射された音波Aが各ルーバ5の上面にて反射されて進行方向が上方に変換されてから、これら音波Aがルーバ5の下面にて反射されて水平方向に変換される。このため、これら各ルーバ5の円弧面部51によって、これら各ルーバ5の表面にて反射される際の各位置における音波Aの伝搬距離を同一に調整することができるため、これら各ルーバ5の間から放出される音波Aを、簡単な構成で確実に横方向に絞って集中させることができる。
したがって、スピーカ装置1のスピーカ部3から発生させた音波Aを、湾曲した形状の反射板4と、前端部が円弧状のルーバ5とを用いて反射させることによって、効率良く確実に集中させることができるから、スピーカ部3からの音波Aを、簡単な構成で確実に集中させることができ、このスピーカ部3から発生した音波Aの指向性を、簡単な構成で確実に向上することができる。
また、反射板4の反射面41に対向させて複数のルーバ5を平行に取り付けたことにより、これら各ルーバ5の間から入り込む水Dが下方へ流れ、反射板4の下端とルーバ5との間のスリット43を通過して下方から排出される。同時に、これら各ルーバ5から入り込んだ空気Bは、反射板4の上端または下端の各スリット42,43を通過して排出される。よって、反射板4の反射面41へと侵入した雨や埃等の異物を、この反射板4の上端または下端の各スリット42,43から確実に外部へ排出することができる。このため、スピーカ部3への水Dやゴミ等の異物の侵入を防止することができ、このスピーカ部3の損傷等を効率良く防止することができるとともに、異物の混入によるスピーカ部3、反射板4およびルーバ5のそれぞれの損傷も防止することができる。
すなわち、音波Aを発生させるスピーカ部3と、このスピーカ部3から発生させた音波Aを反射等させてから外部へ放出させる反射板4およびルーバ5等の機械的な部分とを離して分離させる構成とし、さらに、スピーカ装置1から放出される音波Aの伝搬方向と、このスピーカ装置1のケース2内へと入り込んだ水Dや空気B(風圧)の排出方向を異ならせたことにより、スピーカ部3への水Dやゴミ等の侵入を確実に防止することができる。
さらに、スピーカ部3のフレーム32の開口部32aに防水ネット33および防塵ネット34を取り付けたことにより、この開口部32aからの水Dや塵埃の侵入を防止することができるとともに、この開口部32aへの虫等の侵入も防止することができるため、これら水D、塵挨および虫等の侵入によるスピーカ部3の損傷等を確実に防止することができる。
また、スピーカ装置1の一対の側部プレート21に対して各ルーバ5を着脱可能としたことにより、これらルーバ5を一対の側部プレート21から取り外すことによって、これら一対の側部プレート21の内部、すなわちスピーカ装置1のケース2内にアクセスすることができるから、このケース2内の掃除やメンテナンスを容易にすることができる。
<変形例1>
図4に示す本発明の第2の実施の形態のように、ムクドリが樹木に止まっている場合に樹木の根元から上空に向けて忌避音となる特定の周波数の音波Aを放出させたい場合においては、スピーカ装置1のルーバ5が取り付けられている側である前側を上方に向けて設置させることもできる。そして、このスピーカ装置1には、このスピーカ装置1のケース2内へと入り込んだ雨水等の水Dを排出させるための排水口23が設けられている。
具体的に、これら排水口23は、ケース2の各側部プレート21に設けられている。さらに、これら排水口23は、各側部プレート21間に取り付けられている反射板4の長手方向の一端部である下端部に沿って設けられており、この反射板4の反射面41上へ流れ込んだ水Dを各排水口23からケース2の外部へ排出させることができるように形成されている。すなわち、これら各排水口23の下端面は、反射板4の反射面41に沿った円弧状に形成されており、これら各排水口23の上端面は、水平な直線状に形成され、これら各排水口23の両側面は、上端面に対して垂直な直線状に形成されている。
したがって、前述のように、スピーカ装置1の前側を上方に向けて固定設置することにより、このスピーカ装置1から上方に向けて音波Aを集中させて放出させることができる。また、このスピーカ装置1の各ルーバ5間から入り込んだ雨水等の水Dが、これらルーバ5の間を通過した後に反射板4の反射面41上へと流れ、この反射板4の反射面41の下端部の両側に設けられた各排水口23と、この反射板4の下端部およびスピーカ部3の間のスリット42とのそれぞれからケース2の外部へと排出される。よって、このスピーカ装置1を上向きに設置した場合においても、このスピーカ装置1のスピーカ部3への水Dや塵挨等の侵入を確実に防止することができる。
<変形例2>
図5に示す本発明の第3の実施のように、雪の堆積や霜等の発生のおそれのある寒冷地等の場合においては、スピーカ装置1の反射板4の裏面側に排熱部としての発熱部7を設け、この発熱部7にて反射板4の凍結等を防止することもできる。ここで、この発熱部7は、スピーカ部3から音波Aを発生させるために必要なアンプや、このアンプのドライバ回路等が好ましく、その他、ニクロム線等を用いた発熱装置であっても良い。
具体的に、この発熱部7は、スピーカ装置1のケース2内に収容されており、このケース2内の反射板4と取付プレート6との間に取り付けられている。すなわち、この発熱部7は、反射板4のスピーカ部3が位置する側とは反対側に取り付けられている。そして、この発熱部7は、反射板4の裏面に当接させて取り付けられており、この反射板4の反射面41上に堆積した雪や水D等が、この反射面41上で凍結することを防止する。また、この発熱部7は、晴天時において反射板4等を加熱することによって、ケース2内の空気を振動させ、このケース2内の余熱を排出させる排熱処理をする。
したがって、前述のように、スピーカ装置1のケース2内の反射板4の裏面に発熱部7を取り付けることによって、この発熱部7として、スピーカ部3から音波Aを発生させるために必要なアンプや、このアンプのドライバ回路等を用いた場合には、これらアンプやドライバ回路を収容させるケース2や場所を別途設ける必要を無くすことができる。
さらに、発熱部7にて発生した熱を反射板4に伝達させることにより、この反射板4の反射面41上に堆積した雪を溶かして気化させることができるため、この反射面41上での雪や水の凍結を防止することができる。また、晴天時においては、発熱部7による反射板4の加熱によって、ケース2内の空気を振動させることができるから、このケース2内で生じた余熱を効率良く排出させることができ、排熱処理できる。
<その他>
なお、上記各実施の形態においては、スピーカ装置1のケース2の前側に計4枚のルーバ5を取り付けたが、これらルーバ5は、2枚以上取り付けられていれば良く、これらルーバ5による音波Aの横方向の集中をより効率良くすることを目的として、例えば8枚または16枚等のより多くの枚数のルーバ5を取り付けることもできる。
また、これらルーバ5の前端部を幅方向に向けて円弧状に湾曲した円弧面部51として、これら各ルーバ5にて反射される音波Aを幅方向に集中させる構成としたが、例えば畑の角部等に固定設置させ、スピーカ装置1から放出される音波Aを幅方向に拡散させたい場合においては、これら各ルーバ5の前端部を幅方向に向けて凹弧状に湾曲した凹弧面部(図示せず)として、これら各ルーバ5にて反射される音波Aを幅方向に拡散させる構成とすることもできる。
さらに、ルーバ5の前端部ではなく、これらルーバ5の後端部を円弧状または凹弧状にして、これら各ルーバ5にて反射される音波Aを集中または拡散させても良い。すなわち、これらルーバ5の形状については、これらルーバ5にて反射させる音波Aを集中または拡散できる構成であれば、直線状、その他の様々な形状であっても良い。
また、各ルーバ5の後端側を下方に向けて45°傾斜させて平行に取り付けた構成について説明したが、これらルーバ5の取り付け方向については、いずれの方向であっても良く、例えば、これら各ルーバ5の前端側を下方に向けて45°傾斜させて平行に取り付けても良い。
さらに、スピーカ装置1を、特定の鳥獣を追い払うための鳥獣撃退装置の音出力部に用いた構成について説明したが、例えば、エンジン音のない電気自動車(EV)から、周囲にエンジン音を放出させるための音出力部として用いることもできる。
1 スピーカ装置
2 ケース
3 スピーカ部
4 反射板
5 ルーバ
6 取付プレート
7 発熱部
21 側部プレート
21a 取付リブ
21b 端部リブ
21c 取付スリット
21d 傾斜部
21e 内側面
22 底部プレート
22a 端部リブ
22b 側部リブ
23 排水口
31 支持ヨーク
32 フレーム
32a 開口部
32b 取付リブ
33 防水ネット
34 粉塵ネット
41 反射面
42 スリット
43 スリット
51 円弧面部
52 取付段部
53 挿入片部
54 取付スリット
61 取付枠部
62 傾斜面部
63 取付片部
64 ねじ取付部
A 音波
B 空気
C 放出方向
D 水

Claims (8)

  1. 所定の音波を発生するスピーカ部と、
    このスピーカ部から発生する音波の進行方向に対向して取り付けられ、この音波を反射させる反射板と、
    この反射板に対向して平行に取り付けられ、この反射板にて反射された音波を反射する複数のルーバとを具備した
    ことを特徴とするスピーカ装置。
  2. 反射板は、この反射板の各位置で反射する音波のそれぞれを平行に反射させ、
    ルーバは、前記反射板にて反射された音波を、前記ルーバの一主面にて反射させてから、このルーバの一主面に対向して設置された他のルーバの他主面にて反射させて、この音波を前記ルーバの幅方向に集中または拡散させる
    ことを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置。
  3. ルーバは、このルーバの幅方向に直交する前後方向における少なくともいずれか一方の端部が、音波の進行方向に直交する幅方向に向けて湾曲した形状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のスピーカ装置。
  4. 反射板は、湾曲方向の一端部をスピーカ部に近接させて設置され、この一端部から他端部に向けて徐々に曲率が大きくなる湾曲面状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のスピーカ装置。
  5. ルーバは、このルーバの幅方向に直交する前後方向を、反射板の一端部から他端部に向かう長手方向に略直交させた状態で取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載のスピーカ装置。
  6. 反射板は、湾曲方向の一端部をスピーカ部に近接させて設置され、
    これら反射板とスピーカ部との間には、所定の間隙が形成されている
    ことを特徴とする請求項1ないしいずれか記載のスピーカ装置。
  7. 一対の側板を備え、これら一対の側板の幅方向の一側間にスピーカ部が取り付けられ、これら一対の側板間に反射板が取り付けられ、これら一対の側板の長手方向の一端間にルーバが取り付けられ、前記反射板の一端部の両縁に沿って開口部が形成されたケースを具備している
    ことを特徴とする請求項1ないしいずれか記載のスピーカ装置。
  8. 反射板のスピーカ部が位置する側の反対側に発熱部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1ないしいずれか記載のスピーカ装置。
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