JP2012141586A - レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕式(aa)で表される構造単位と、式(a1−1)で表される構造単位及び式(a1−2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位(ab)とを有する樹脂(A1);
式(aa)で表される構造単位を有さず、樹脂(A1)が有する構造単位(ab)と同一構造の構造単位(ab)を有し、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる樹脂(A2);並びに
酸発生剤を含有し、かつ
式(X1)で表される関係を満たすレジスト組成物。
0.8<α/β<1.2 (X1)
[式(X1)中、αは、樹脂(A1)の全構造単位に対する、樹脂(A1)が有する前記構造単位(ab)の含有割合〔モル%〕を表す。
βは、樹脂(A2)の全構造単位に対する、樹脂(A2)が有する前記構造単位(ab)と同一構造の構造単位の含有割合〔モル%〕を表す。]
[式(aa)中、
Raa1は、水素原子又はメチル基を表す。
Aaa1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−1)で表される基を表す。
(式(a−1)中、
sは0又は1の整数を表す。
X10及びX11は、それぞれ独立に、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
A10、A11及びA12は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。)
Raa2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。]
[式(a1−1)中、
La1は、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手である。
Ra4は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。m1は0〜14の整数を表す。
式(a1−2)中、
La2は、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−(k1は前記と同義である。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手である。
Ra5は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
〔2〕前記式(aa)のAaa1が、炭素数1〜6のアルカンジイル基である前記〔1〕記載のレジスト組成物。
〔3〕前記式(aa)のAaa1が、エチレン基である前記〔1〕記載のレジスト組成物。
〔4〕前記α及び前記βが、以下の式(X2)で表される関係を満たす前記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載のレジスト組成物。
0.9<α/β<1.1 (X2)
〔5〕前記構造単位(ab)が、前記式(a1−1)で表される構造単位である前記〔1〕〜〔4〕のいずれか記載のレジスト組成物。
〔6〕前記酸発生剤が、式(B1)で表される酸発生剤である前記〔1〕〜〔5〕のいずれか記載のレジスト組成物。
[式(B1)中、
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Lb1は、炭素数1〜17の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Z+は、有機カチオンを表す。]
〔7〕前記式(B1)のYが、置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基である前記〔6〕記載のレジスト組成物。
〔8〕さらに溶剤を含む前記〔1〕〜〔7〕のいずれか記載のレジスト組成物
〔9〕(1)前記〔1〕〜〔8〕のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含むレジストパターンの製造方法。
多環式の脂環式炭化水素は例えば、
多環式の脂環式炭化水素は、例えば、以下の式(KA−8)で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン(以下「ノルボルナン」という場合がある)ノルボルネン(C7)、式(KA−9)で示されるアダマンタン(C10)及び式(KA−10)〜式(KA−22)で示される脂環式炭化水素などが挙げられる。
2価の脂環式炭化水素基とは、式(KA−1)〜式(KA−22)の脂環式炭化水素から水素原子を2個取り去った基が該当する。
アルコキシ基としては、メトキシ基(C1)、エトキシ基(C2)、プロポキシ基(C3)、ブトキシ基(C4)、ペンチルオキシ基(C5)、ヘキシルオキシ基(C6)、ヘプチルオキシ基(C7)、オクチルオキシ基(C8)、デシルオキシ基(C10)及びドデシルオキシ基(C12)などであり、これらアルコキシ基は直鎖でも分岐していてもよい。
アシル基としては、アセチル基(C2)、プロピオニル基(C3)、ブチリル基(C4)、バレイル基(C5)、ヘキシルカルボニル基(C6)、ヘプチルカルボニル基(C7)、オクチルカルボニル基(C8)、デシルカルボニル基(C10)及びドデシルカルボニル基(C12)などのアルキル基とカルボニル基とが結合したものに加え、ベンゾイル基(C7)などのようにアリール基とカルボニル基とが結合したものを含む。これらアシル基のうち、アルキル基とカルボニル基とが結合したものの該アルキル基は直鎖でも分岐していてもよい。
アリール基としては、上述の芳香族炭化水素基のアリール基として例示したものと同じであり、アリールオキシ基の具体例は、当該アリール基と酸素原子とが結合したものである。
アラルキル基としては、ベンジル基(C7)、フェネチル基(C8)、フェニルプロピル基(C9)、ナフチルメチル基(C11)及びナフチルエチル基(C12)などである。
本発明のレジスト組成物は、樹脂(以下「樹脂(A)」という)及び酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という)を含有する。
樹脂(A)は、樹脂(A1)と、樹脂(A2)とを含む。
また、本発明のレジスト組成物は、さらに溶剤(D)及び/又は塩基性化合物(C)を含有していることが好ましい。
本レジスト組成物は、樹脂(A1)及び樹脂(A2)を組み合わせて含有することにより、優れたマスクエラーファクターのレジストパターンを製造できるという効果を発現する。
樹脂(A1)は、構造単位(aa)と、式(a1−1)で表される構造単位(a1−1)及び式(a1−2)で表される構造単位(a1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位(ab)とを有する。
構造単位(aa)は、以下の式(aa)で表される。
[式(aa)中、
Raa1は、水素原子又はメチル基を表す。
Aaa1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−1)で表される基を表す。
(式(a−1)中、
sは0又は1の整数を表す。
X10及びX11は、それぞれ独立に、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
A10、A11及びA12は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。)
Raa2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。]
アルカンジイル基に含まれる水素原子は、置換基(水素原子以外の1価の基)に置換されていてもよく、該置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。
A10、A11及びA12の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
A10、A11及びA12における置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基などが挙げられる。
脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。
多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及びメチルノルボルニル基並びに下記に示す基などが挙げられる。
また、Raa2は、これらのアルキル基及び脂環式炭化水素基のうち、二種以上を組み合わせた脂肪族炭化水素基でもよい。
なかでも、好ましくは、フッ素原子を有する脂肪族炭化水素基としては、トリペルフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロピル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基などであり、より好ましくは、炭素数が1〜6のペルフルオロアルキル基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基である。
式(aas−1)で表される化合物と式(aas−2)で表される化合物とを、溶媒中、触媒の存在下で反応させることが好ましい。かかる溶媒は、ジメチルホルムアミドなどが用いられる。触媒としては、炭酸カリウム及びヨウ化カリウムなどを用いればよい。
式(aas−2)で表される化合物は例えば、式(aas−3)で表される化合物と式(aas−4)で表される化合物とを反応させることで製造できる。この反応は、溶媒中、塩基触媒の存在下で実施される。この反応で用いる溶媒としては、テトラヒドロフランなどである。塩基触媒としては、ピリジンなどが用いられる。
式(aas−3)で表される化合物としては、例えばクロロアセチルクロリドなどが挙げられる。このクロロアセチルクロリドは市場から容易に入手できる。
式(aas−4)で表される化合物としては、例えば、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノールなどを用いればよい。この2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノールは市場から容易に入手できる。
構造単位(ab)は、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)は以下の式(a1−1)及び式(a1−2)で表される。
[式(a1−1)中、
La1は、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手である。
Ra4は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
式(a1−2)中、
La2は、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−(k1は前記と同義である。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手である。
Ra5は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は、好ましくは0又は1である。
式(a1−2−1)〜式(a1−2−12)のいずれかで表される構造単位(a1−2)の具体例において、構造単位(aa)の具体例と同様に、部分構造Mを部分構造Aに置き換えたものも構造単位(a1−2)の具体例として挙げることができる。
樹脂(A1)での含有割合αを求めるには、以下のようにすればよい。
樹脂(A)を製造する際に用いるモノマーの各々の量と、樹脂(A1)製造後に重合反応混合物に残存したモノマーの各々の量とから、樹脂(A1)製造に消費されたモノマー各々の量を求め、樹脂(A1)中の全構造単位の物質量(樹脂(A1)製造に消費されたモノマーの全量)と、構造単位(ab)の形成に消費されたモノマーの総物質量とから、樹脂(A1)での含有割合αを算出する。
あるいは、製造された樹脂(A1)から樹脂(A1)での含有割合αを求める場合には、NMR(1H−NMR,13C−NMR)分析により各構成単位の比率を測定し、樹脂(A1)での含有割合αを算出する。
ただし、樹脂(A1)が他の構造単位を有する場合、その含有割合は、50モル%以下の範囲が好ましく、30モル%以下の範囲がさらに好ましく、このような他の構造単位を樹脂(A1)は有さないことがさらに好ましい。
樹脂(A2)は上述のとおり、以下の要件を満たすものである。
(1)構造単位(aa)を有さないこと;
(2)アルカリ水溶液に不溶又は難溶であること;
(3)酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となること;
(4)樹脂(A1)と同一の構造単位(ab)を有すること;
(5)樹脂(A2)での含有割合β(モル%)が、前記樹脂(A1)での含有割合αとの間で、
0.8<α/β<1.2 (X1)
の関係を満たすこと。
このような樹脂(A2)は、分子内に酸不安定基を有する。ここでいう「酸不安定基」とは、酸との接触により脱離し得る保護基により保護されている親水性基を意味し、かかる親水性基としては、ヒドロキシ基又はカルボキシ基が挙げられ、カルボキシ基がより好ましい。分子内に酸不安定基を有するためには、当該分子内に酸不安定基を含む構造単位(以下、場合により「構造単位(a1)」という。)を有することが好ましい。
なお、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)も酸不安定基を含む構造単位である。すなわち、樹脂(A1)は、樹脂(A2)特性と同じ特性を有する。
0.9<α/β<1.1 (X2)
0.95<α/β<1.05 (X3)
親水性基がカルボキシ基である場合の酸不安定基は、該カルボキシ基の水素原子が、有機残基に置き換わり、カルボキシ基の−O−と結合する該有機残基の原子が第三級炭素原子である基(すなわち第三アルコールのエステル)が挙げられる。このような酸不安定基のうち、好ましい酸不安定基は例えば、以下の式(1)で表されるもの(以下、場合により「酸不安定基(1)」という。)である。
式(1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2が結合して、それらが結合する炭素原子とともに炭素数3〜20の環を形成する。Ra1及びRa2が結合して形成される環及び該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。*は結合手を表す。
式(2)中、Rb1及びRb2は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rb3は、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。Rb2及びRb3は結合して、それらが各々結合する炭素原子及び酸素原子とともに炭素数3〜20の環を形成する。該炭化水素基がメチレン基を含む場合、そのメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、Rb2及びRb3が結合して形成される環を構成するメチレン基も、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。*は結合手を表す。
Rb2及びRb3が結合して形成する環は、上述したRa1及びRa2が互いに結合して形成する環の1つの炭素原子が1つの酸素原子と置き換わったものが挙げられる。
式(a1−3)中、
Ra9は、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、カルボキシル基、シアノ基又は−COORa13(Ra13は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。)を表す。
Ra10、Ra11及びRa12は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表すか、或いは、Ra10及びRa11が結合して、これらが結合している炭素原子とともに、炭素数3〜20の環を形成する。なお、この脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基などに置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Ra10〜Ra12の脂肪族炭化水素基は、鎖式炭化水素基(例えば、アルキル基)及び脂環式炭化水素基のいずれでもよく、その具体例は、炭素数20以下の範囲において、すでに例示したものを含む。
Ra10及びRa11が結合して形成される環は、脂肪族環が好ましく、具体的には、シクロへキサン環及びアダマンタン環がより好ましい。
式(a1−4)中、
Ra32は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基(ハロアルキル基)、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Ra33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
laは0〜4の整数を表す。laが2以上である場合、複数のRa33は同一でも異なっていてもよい。
Ra34及びRa35はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
Xa2は、単結合又は炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基及び炭素数2〜4のアシルオキシ基に置換されていてもよい。ここに示す置換基の具体例は、炭素数が各々の上限である範囲において、すでに例示したものを含む。Xa2の脂肪族炭化水素基は、鎖式炭化水素基であると好ましく、アルキル基であるとさらに好ましい。該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又は−N(Rc)−で示される基に置き換わっていてもよい。Rcは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Ya3は、炭素数1〜18の炭化水素基であり、好ましくは、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基であり、これらの炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基又は炭素数2〜4のアシルオキシ基を有していてもよい。
Ra32及びRa33のハロゲン原子、アルコキシ基及びアシル基の具体例は、すでに例示したものを含む。
Ra34及びRa35の炭化水素基は、鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれであってもよい。その具体例は、各々の炭素数の範囲において、すでに例示したものを含む。これらのうち、該鎖式炭化水素基としては、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基が好ましく、該脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基及びイソボルニル基が好ましい。該芳香族炭化水素基は、フェニル基、ナフチル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基及び2−メチル−6−エチルフェニルが好ましい。
Ra33のアルコキシ基としては、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
式(a1−5)中、
R31は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
L1〜L3は、酸素原子又は硫黄原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−で表される基を表す。ここで、k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手である。
Z1は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基であり、該アルカンジイル基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
s1及びs1’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。
L1としては、酸素原子が好ましい。
L2及びL3は、それぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子である。L2及びL3は、一方が酸素原子、他方が硫黄原子であると好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
Z1は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基であり、該アルカンジイル基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。Z1としては、単結合又は−CH2−CO−O−が好ましい。
本レジスト組成物に含有される樹脂(A2)としては、酸不安定基を有さない構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位」という。)を有していると好ましい。なお、上述のとおり、樹脂(A1)においても、構造単位(aa)及び構造単位(ab)以外に、酸安定構造単位を有することもある。
本レジスト組成物を、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)、電子線あるいはEUV光などの高エネルギー線を露光に用いる場合には、酸安定構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(a2−0)を樹脂(A)に導入することが好ましい。短波長のArFエキシマレーザ(波長:193nm)を露光源とする露光を用いる場合は、酸安定構造単位(a2)として、後述の式(a2−1)で表される酸安定構造単位を樹脂(A)に導入することが好ましい。このように、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は各々、レジストパターンを製造する際の露光源によって好ましいものを選ぶことができるが、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)1種のみを有していてもよく、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)2種以上を有していてもよく、或いは、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)と、それ以外の酸安定構造単位(a2)とを組み合わせて有していてもよい。
酸安定構造単位(a2−1)は、以下の式(a2−1)で表される構造単位(以下、「酸安定構造単位(a2−1)」という場合がある。)が挙げられる。
式(a2−1)中、
La3は、酸素原子又は*−O−(CH2)k2−CO−O−(k2は1〜7の整数を表す。)を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。
Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
Ra14は、好ましくはメチル基である。
Ra15は、好ましくは水素原子である。
Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
樹脂(A1)が、酸安定構造単位(a2−1)を有する場合、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)からなる群から選ばれる構造単位並びに構造単位(aa)の合計含有割合を考慮して、酸安定構造単位(a2−1)の含有割合を適宜調整すればよい。
酸安定構造単位(a2)は、以下の式(a2−0)で表される構造単位(以下、「酸安定構造単位(a2−0)」という場合がある。)が挙げられる。
式(a2−0)中、
Ra30は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Ra31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は同一でも異なっていてもよい。
Ra31のアルコキシ基としては、すでに例示したものを含む。これらのうち、Ra31は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
Ra31のアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1又は2のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
ここに例示する具体例において、ベンゼン環に結合しているメチル基やエチル基を、Ra31として例示したその他の置換基に置き換えたものも、酸安定モノマー(a2−0)の具体例である。
樹脂(A1)が、酸安定構造単位(a2−0)を有する場合、その含有割合は、酸安定構造単位(a2−1)で説明したようにして定めればよい。
酸安定構造単位(a3)が有するラクトン環は例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環及びδ−バレロラクトン環のような単環式でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
[式(a3−1)中、
La4は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra18は、水素原子又はメチル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
Ra21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、p1が2以上の場合、複数のRa21は同一でも異なっていてもよい。
式(a3−2)中、
La5は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
q1は、0〜3の整数を表す。
Ra22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、q1が2以上の場合、複数のRa22は同一でも異なっていてもよい。
式(a3−3)中、
La6は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra20は、水素原子又はメチル基を表す。
r1は、0〜3の整数を表す。
Ra23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、r1が2以上の場合、複数のRa23は同一でも異なっていてもよい。]
Ra18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。
式(a3−1−1)〜式(a3−1−11)のいずれかで表される酸安定構造単位(a3−1)、式(a3−2−1)〜式(a3−2−11)のいずれかで表される酸安定構造単位(a3−2)及び式(a3−3−1)〜式(a3−3−6)のいずれかで表される酸安定構造単位(a3−3)において、構造単位(aa)の例示と同様に、部分構造Mを部分構造Aに置き換えたものも、各々酸安定構造単位(a3−1)、酸安定構造単位(a3−2)及び酸安定構造単位(a3−3)の具体例として挙げることができる。また、この例示において、ラクトン環が有する置換基(Ra21〜Ra23)としてメチル基を有するものも例示したが、このメチル基を上述のような基に置き換えたものも、酸安定構造単位(a3)の具体例として挙げられる。
樹脂(A1)が、前記の群より選ばれる酸安定構造単位(a3)を有する場合、その含有割合は、酸安定構造単位(a2−1)で説明したようにして定めればよい。
他の酸安定構造単位を、他の酸安定構造単位を誘導するモノマー(酸安定モノマー)を挙げることで示すことにする。なお、以下の説明において、他の酸安定構造単位を誘導するモノマーを「酸安定モノマー(a4)」という。
[式(a4−3)中、
Ra25及びRa26は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、シアノ基、カルボキシ基又は−COORa27〔Ra27は、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。但し−COORa27が酸不安定基となるものは除く(すなわち、Ra27は、3級炭素原子が−O−と結合するものを含まない)〕を表すか、或いはRa25及びRa26が結合して−CO−O−CO−を形成する。]
Ra27の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基及び炭素数4〜18の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数4〜12の脂環式炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基及び2−オキソ−オキソラン−4−イル基などがさらに好ましい。
樹脂(A1)が、式(a4−1)で表される無水マレイン酸に由来する構造単位、式(a4−2)で表される無水イタコン酸に由来する構造単位及びモノマー(a4−3)に由来する構造単位からなる群より選ばれる構造単位を有する場合、その含有割合は、酸安定構造単位(a2−1)で説明したようにして定めればよいが、好ましくは、樹脂(A1)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜20モル%の範囲が好ましい。
[式(a4−4)中、
La7は、酸素原子又は*−T−(CH2)k2−CO−O−を(k2は1〜7の整数を表す。Tは酸素原子又はNHである。)表し、*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra28は、水素原子又はメチル基を表す。
W10は、置換基を有していてもよいスルトン環基を表す。]
置換基を有していてもよいスルトン環基とは、上述の結合手に置き換わった水素原子以外の水素原子がさらに置換基(水素原子以外の1価の基)に置換されたものである。置換基としては、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフッ化アルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜7のアシル基又は炭素数1〜8のアシルオキシ基が挙げられる。
樹脂(A1)が、酸安定モノマー(a4−4)に由来する構造単位を有する場合、その含有割合は、酸安定構造単位(a2−1)で説明したようにして定めればよいが、好ましくは、樹脂(A1)の全構造単位に対して、5〜30モル%の範囲が好ましい。
樹脂(A1)が、酸安定モノマー(a4−5)に由来する構造単位を有する場合、その含有割合は、酸安定構造単位(a2−1)で説明したようにして定めればよいが、好ましくは、樹脂(A1)の全構造単位に対して、5〜40モル%の範囲が好ましい。
[式(3)中、R10は、炭素数1〜6のフッ化アルキル基を表す。*は結合手を表す。]
ここに示した酸安定モノマー(a4−6)の具体例において、以下の部分構造M’を部分構造A’に置き換えたものも、酸安定モノマー(a4−6)の具体例として挙げることができる。
樹脂(A1)が、酸安定モノマー(a4−6)に由来する構造単位を有する場合、その含有割合は、酸安定構造単位(a2−1)で説明したようにして定めればよいが、好ましくは、樹脂(A1)の全構造単位に対して、20〜70モル%の範囲が好ましい。
[式(4)中、
R11は、置換基を有してもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表す。
R12は、置換基を有してもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
A3は、単結合、−(CH2)m10−SO2−O−*又は−(CH2)m10−CO−O−*を表し、ここに示すアルキレン鎖〔−(CH2)m10−〕を構成するメチレン基は、酸素原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよく、当該アルキレン鎖に含まれる水素原子は、フッ素原子に置き換わっていてもよい。
m10は、1〜12の整数を表す。]
脂肪族炭化水素基としては、典型的にはアルキル基であり、その具体例は炭素数が1〜12の範囲において、すでに例示したものを含む。脂環式炭化水素基としては、炭素数が12以下の範囲において、すでに例示したものを含む。
なお、R12が脂肪族炭化水素基である場合、該脂肪族炭化水素基はヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子としては、ハロゲン原子、硫黄原子、酸素原子及び窒素原子などである〔連結基として、スルホニル基、カルボニル基を含む形態でもよい〕。
このようなヘテロ原子を含むR12としては、以下の基が挙げられる。
[式(a4−7)中、
R13は、水素原子又はメチル基を表す。
R11、R12及びA3は、前記と同義である。]
ここに示した酸安定モノマー(a4−7)の具体例において、上述した部分構造M’を部分構造A’に置き換えたものも、酸安定モノマー(a4−7)の具体例として挙げることができる。
樹脂(A1)が、酸安定モノマー(a4−7)に由来する構造単位を有する場合、その含有割合は、酸安定構造単位(a2−1)で説明したようにして定めればよいが、好ましくは、樹脂(A1)の全構造単位に対して、20〜70モル%の範囲が好ましい。
[式(a4−8)中、
W2は、炭素数3〜36の脂環を表す。
A4は、単結合又は炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよいが、A3のうち、酸素原子に結合している原子は炭素原子である。
R14は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のハロアルキル基を表す。
R15及びR16は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のハロアルキル基を表す。]
で示される部分構造は、式(KA−1)〜式(KA−22)の脂環式炭化水素に含まれる水素原子の1個がA4との結合手に、脂環式炭化水素の環を構成する炭素原子の1つに結合している2つの水素原子が、−O−CO−R15及び−O−CO−R16との結合手に置き換わったものを挙げることができる。
W2の脂肪族環は、シクロヘキサン環、アダマンタン環、ノルボルナン環及びノルボルネン環が特に好ましい。
例えば、アルカンジイル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた脂肪族炭化水素基としては、以下の式(Xx−A)、式(Xx−B)及び式(Xx−C)で表される基などが挙げられる。
式中、
XX1及びXX2は、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基を表し、XX1及びXX2がともに単結合であることはなく、式(Xx−A)、式(Xx−B)及び式(Xx−C)で表される基の総炭素数は17以下である。
R14は、水素原子又はメチル基が好ましい。
ここに示した酸安定モノマー(a4−8)の具体例において、上述したように部分構造M’を部分構造A’に置き換えたものも、酸安定モノマー(a4−8)の具体例として挙げられる。
この反応は、用いる式(a4−8−b)で表される化合物の沸点温度付近で加温することにより、実施することが好ましい。
[式(a4−8−a)及び式(a4−8−b)中の符号はいずれも、上記と同じ意味を表す。]
樹脂(A1)が、酸安定モノマー(a4−8)に由来する構造単位を有する場合、その含有割合は、酸安定構造単位(a2−1)で説明したようにして定めればよいが、好ましくは、樹脂(A1)の全構造単位に対して、20〜70モル%の範囲が好ましい。
樹脂(A1)は、化合物(aa’)と、構造単位(ab)を誘導するモノマーとを重合させて得ることができる。あるいは化合物(aa’)と、構造単位(ab)を誘導するモノマーと、他の構造単位を誘導するモノマー(好ましくは、酸安定モノマー(a4))とを重合させて得ることができる。
樹脂(A1)を製造する際には、酸安定モノマー(a4)として、酸安定モノマー(a4−6)及び/又は酸安定モノマー(a4−7)を用いることが好ましい。なお、いずれの場合にも、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマーのうち、構造単位(ab)以外を誘導できるものを用いることもある。樹脂(A1)は、このようなモノマーを公知の重合法(例えばラジカル重合法)に供することにより重合(共重合)させることで製造できる。
樹脂(A2)は、構造単位(ab)又は該構造単位(ab)以外の構造単位(a1)として、アダマンチル基を有する構造単位(a1−1)及びシクロへキシル基を有する構造単位(a1−2)のうち、少なくとも1種を有することが好ましく、アダマンチル基を有する構造単位(a1−1)を有することがより好ましい。酸安定構造単位(a2)としては、ヒドロキシアダマンチル基を有する構造単位(a2−1)を用いることが好ましい。酸安定構造単位(a3)としては、γ−ブチロラクトン環を有する酸安定構造単位(a3−1)及びγ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定構造単位(a3−2)の少なくとも1種を有することが好ましい。樹脂(A2)は、上述したようなモノマーを公知の重合法(例えばラジカル重合法)に供することにより重合(共重合)させることで製造できる。
酸発生剤は、非イオン系とイオン系とに分類される。本レジスト組成物に含有される酸発生剤(B)は、非イオン系酸発生剤でも、イオン系酸発生剤でも、これらを組み合わせて含有していてもよい。非イオン系酸発生剤には、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン 4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が含まれる。イオン系酸発生剤は、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩及びヨードニウム塩など)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン及びスルホニルメチドアニオンなどがある。
また、酸発生剤は、公知の方法によって製造したものを利用することができる。
式(B1)中、
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Lb1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜17の2価の脂肪族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。
Z+は、有機カチオンを表す。
本レジスト組成物に含有される酸発生剤(B1)としては、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、トリフルオロメチル基又はフッ素原子の酸発生剤(B1)が好ましく、Q1及びQ2がともにフッ素原子である酸発生剤(B1)がさらに好ましい。
式(b1−1)〜式(b1−6)中、
Lb2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
Lb3は、単結合又は炭素数1〜12の2価の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
Lb4は、炭素数1〜13の2価の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。但しLb3及びLb4の合計炭素数の上限は13である。
Lb5は、炭素数1〜15の2価の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
Lb6及びLb7は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の2価の脂肪族炭化水素基を表し、これらの脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。但しLb6及びLb7の合計炭素数の上限は16である。
Lb8は、炭素数1〜14の2価の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
Lb9及びLb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜11の2価の脂肪族炭化水素基を表し、これらの脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。但しLb9及びLb10の合計炭素数の上限は12である。
本レジスト組成物に用いる酸発生剤としては、これらの中でも、式(b1−1)で表される2価の基をLb1として有する酸発生剤(B1)が好ましく、Lb2が単結合又はメチレン基である式(b1−1)で表される2価の基を、Lb1として有する酸発生剤(B1)がより好ましい。
Yの脂肪族炭化水素基における置換基としては例えば、ハロゲン原子(但し、フッ素原子を除く)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基、グリシジルオキシ基又は−(CH2)j2−O−CO−Rb1で表される基(式中、Rb1は、炭素数1〜16の炭化水素基を表す。j2は、0〜4の整数を表す。)などが挙げられる。ここでいう芳香族炭化水素基及びアラルキル基には、例えば、アルキル基、ハロゲン原子又はヒドロキシ基をさらに有していてもよい。
Rb4、Rb5及びRb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基及び炭素数6〜18の芳香族炭化水素基が好ましい。該アルキル基は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を有していてもよく、該脂環式炭化水素基は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基を有していてもよく、該芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を有していてもよい。
Rb7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。
Rb9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
Rb11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
Rb9、Rb10及びRb11は、それぞれ独立に、脂肪族炭化水素基であり、該脂肪族炭化水素基がアルキル基である場合、その炭素数は1〜12であると好ましく、この脂肪族炭化水素基が脂環式炭化水素基である場合、その炭素数は3〜18であると好ましく、4〜12であるとさらに好ましい。
Rb12は、炭素数1〜18の炭化水素基を表す。この炭化水素基のうち、芳香族炭化水素基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基を有していてもよい。
Lb11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
o2、p2、s2及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上であるとき、複数のRb13は同一でも異なっていてもよく、p2が2以上であるとき、複数のRb14は同一でも異なっていてもよく、s2が2以上であるとき、複数のRb15は同一でも異なっていてもよく、t2が2以上であるとき、複数のRb18は同一でも異なっていてもよい。
Rb9〜Rb11の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基及びイソボルニル基など挙げられる。
Rb12の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基などである。
Rb12の芳香族炭化水素基とアルキル基が結合したものは、典型的にはアラルキル基である。
Rb9とRb10との組み合わせが結合して形成する環としては例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環及び1,4−オキサチアン−4−イウム環などが挙げられる。
Rb11とRb12との組み合わせが結合して形成する環としては例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環などが挙げられる。
式(b2−1−1)中、
Rb19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
該脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数4〜18の脂環式炭化水素基が好ましい。該脂肪族炭化水素基は、置換基として、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基を有していてもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRb19は同一でも異なっていてもよく、w2が2以上のとき、複数のRb20は同一でも異なっていてもよく、x2が2以上のとき、複数のRb21は同一でも異なっていてもよい。
なかでも、Rb19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。
本レジスト組成物は、塩基性化合物を含有してもよい。ここでいう「塩基性化合物」とは、酸を捕捉するという特性を有する化合物、特に、既に説明した酸発生剤から発生する酸を捕捉するという特性を有する化合物を意味する。
[式(C1)中、
Rc1、Rc2及びRc3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
Rc2及びRc3は、前記と同義である。
Rc4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4は、同一でも異なっていてもよい。]
Rc5、Rc6、Rc7及びRc8は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
Rc9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜6のアルカノイル基を表す。
n3は0〜8の整数を表し、n3が2以上のとき、複数のRc9は同一でも異なっていてもよい。]
アルカノイル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロピオニル基等が挙げられる
Rc10、Rc11、Rc12、Rc13及びRc16は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
Rc14、Rc15及びRc17は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
o3及びp3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、o3が2以上であるとき、複数のRc14はそれぞれ独立であり、p3が2以上であるとき、複数のRc15は同一でも異なっていてもよい。
Lc1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
Rc18、Rc19及びRc20は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
q3、r3及びs3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、q3が2以上であるとき、複数のRc18はそれぞれ独立であり、r3が2以上であるとき、複数のRc19は同一でも異なっていてもよく、s3が2以上であるとき、複数のRc20は同一でも異なっていてもよい。
Lc2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
これらの中でも、ジイソプロピルアニリンが好ましく、2,6−ジイソプロピルアニリンがより好ましい。
式(C3)で表される化合物としては、モルホリンなどが挙げられる。
式(C4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
式(C5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリンなどが挙げられる。
式(C6)で表される化合物としては、イミダゾール、4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
式(C7)で表される化合物としては、ピリジン、4−メチルピリジンなどが挙げられる。
式(C8)で表される化合物としては、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン及びビピリジンなどが挙げられる。
本レジスト組成物には、溶剤(D)が含むことが好ましい。溶剤(D)は、用いる樹脂(A1)などの種類及びその量と、酸発生剤の種類及びその量などに応じ、さらに後述するレジストパターンの製造において、基板上に本レジスト組成物を塗布する際の塗布性が良好となるという点から適宜、最適なものを選ぶことができる。
本レジスト組成物は、必要に応じて、上述の構成成分以外のその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、本技術分野で広く用いられている添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料などが挙げられる。
本レジスト組成物は、樹脂(A)〔樹脂(A1)及び樹脂(A2)の組み合わせ〕、酸発生剤、並びに、必要に応じて用いられる、塩基性化合物、溶剤及びその他の成分を混合することで調製することができる。混合において、その混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、樹脂(A1)などの種類や樹脂(A1)などの溶剤に対する溶解度等に応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合などを用いることができる。
各成分を混合した後は、孔径0.01〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
本明細書において、本レジスト組成物の質量から溶剤の含有量を取り除いたものを、本レジスト組成物の「固形分」ということがある。この固形分の本レジスト組成物総質量に対する含有割合は、液体クロマトグラフィー及びガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定できる。
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本レジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。以下、ここに示す工程の各々を、「工程(1)」〜「工程(5)」のようにいう。
上述のとおり、マスクを介して露光することにより、該組成物層には露光された部分(露光部)及び露光されていない部分(未露光部)が生じる。露光部の組成物層では該組成物層に含まれる酸発生剤が露光エネルギーを受けて酸を発生し、さらに発生した酸の作用により、樹脂(A)にある酸不安定基[樹脂(A1)及び樹脂(A2)が有する構造単位(ab)にある酸不安定基、並びに樹脂(A2)が構造単位(ab)以外に有する構造単位(a1)にある酸不安定基]が脱保護反応することにより親水性基を生じ、結果として露光部の組成物層にある樹脂(A)はアルカリ水溶液に可溶なものとなる。一方、未露光部では露光エネルギーを受けていないため、樹脂(A)はアルカリ水溶液に対して不溶又は難溶のままとなる。かくして、露光部にある組成物層と未露光部にある組成物層とは、アルカリ水溶液に対する溶解性が著しく相違することとなる。
ここで用いられるアルカリ水溶液は、「アルカリ現像液」と称される本技術分野で用いられるものを用いることができる。該アルカリ水溶液としては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液や(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液などが挙げられる。
本レジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物、さらに液浸露光用のレジスト組成物として好適である。
樹脂の組成比(樹脂製造に用いた各モノマーに由来する構造単位の、樹脂に対する共重合比)は、重合終了後の反応液における未反応モノマー量を液体クロマトグラフィーを用いて測定し、得られた結果から重合に用いられたモノマー量を求めることにより算出した。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。なお、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの分析条件は下記のとおりである。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
モノマーとして、モノマー(M−E)及びモノマー(M−F)を用い、そのモル比(モノマー(M−E):モノマー(M−F))が56:44となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.9mol%及び2.7mol%添加し、75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のn−ヘプタンに注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.3×104の樹脂A1−1(共重合体)を収率75%で得た。この樹脂A1−1は、以下の構造単位を有するものである。各構造単位のモル比は、構造単位(u−E)〔モノマー(M−E)に由来する構造単位を、その式番号の末尾記号に応じて、「構造単位(u−E)」という。以下、同様。〕:構造単位(u−F)=64.9:35.1であった。
モノマーとして、モノマー(M−E)及びモノマー(M−H)を用い、そのモル比(モノマー(M−E):モノマー(M−H))が46:54となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.9mol%及び2.7mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のn−ヘプタンに注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.3×104の樹脂A1−2(共重合体)を収率62%で得た。この樹脂A1−2は、以下の構造単位を有するものである。各構造単位のモル比は、構造単位(u−E):構造単位(u−H)=59.9:40.1であった。
モノマーとして、モノマー(M−E)及びモノマー(M−B)を用い、そのモル比(モノマー(M−E):モノマー(M−B))が65:35となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.9mol%及び2.7mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のn−ヘプタンに注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.4×104の樹脂A1−3(共重合体)を収率83%で得た。この樹脂A1−3は、以下の構造単位を有するものである。各構造単位のモル比は、構造単位(u−F):構造単位(u−B)=65.1:34.9であった。
モノマーとして、モノマー(M−K)及びモノマー(M−H)を用い、そのモル比(モノマー(M−E):モノマー(M−H))が45:55となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.9mol%及び2.7mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のn−ヘプタンに注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.2×104の樹脂A1−5(共重合体)を収率60%で得た。この樹脂A1−4は、以下の構造単位を有するものである。各構造単位のモル比は、構造単位(u−E):構造単位(u−H)=60.0:40.0であった。
モノマーとして、モノマー(M−H)、モノマー(M−I)、モノマー(M−G)、モノマー(M−J)及びモノマー(M−C)を用い、そのモル比(モノマー(M−H):モノマー(M−I):モノマー(M−J):モノマー(M−G):モノマー(M−C))が50:5:4:33:8となるように混合し、全モノマー量の1.2質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.8mol%及び5.4mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量4.7×103の樹脂A2−1(共重合体)を収率71%で得た。この樹脂A2−1は、以下の構造単位を有するものである。各構造単位のモル比は、構造単位(u−H):構造単位(u−I):構造単位(u−J):構造単位(u−G):構造単位(u−C)=40.6:5.1:4.8:39.7:9.8であった。
モノマーとして、モノマー(M−F)、モノマー(M−I)、モノマー(M−G)、モノマー(M−J)及びモノマー(M−C)を用い、そのモル比(モノマー(M−F):モノマー(M−I):モノマー(M−J):モノマー(M−G):モノマー(M−C))が45:5:9:33:8となるように混合し、全モノマー量の1.2質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、2.0mol%及び6.0mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量4.2×103の樹脂A2−2(共重合体)を収率80%で得た。この樹脂A2−2は、以下の構造単位を有するものである。各構造単位のモル比は、構造単位(u−F):構造単位(u−J):構造単位(u−D):構造単位(u−K):構造単位(u−C)=35.2:5.4:9.8:39.8:9.8であった。
モノマーとして、モノマー(M−B)、モノマー(M−C)及びモノマー(M−D)を用い、そのモル比(モノマー(M−B):モノマー(M−C):モノマー(M−D))が35:45:20となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.0mol%及び3.0mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.0×103の樹脂A2−3(共重合体)を収率75%で得た。この樹脂A2−3は、以下の構造単位を有するものである。構造単位(u−B):構造単位(u−C):構造単位(u−D)=34.7:45.4:19.9であった。
モノマーとして、モノマー(M−A)及びモノマー(M−B)を用い、そのモル比(モノマー(M−A):モノマー(M−B))が80:20となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.5mol%及び1.5mol%添加し、これらを70℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量2.8×104の樹脂A3−1(共重合体)を収率70%で得た。この樹脂A3−1は、以下の構造単位を有するものである。構造単位(u−A):構造単位(u−B)=80.2:19.8であった。
<レジスト組成物の調製>
合成例1〜合成例8で得られた樹脂;
以下に示す酸発生剤B1〜B3;
以下に示す塩基性化合物C1;
の各々を表4に示す質量部で、以下に示す溶剤に溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。
実施例2:構造単位(u−F)が構造単位(ab)に該当
実施例3:構造単位(u−H)が構造単位(ab)に該当
実施例4:構造単位(u−H)が構造単位(ab)に該当
実施例5:構造単位(u−F)が構造単位(ab)に該当
実施例6:構造単位(u−H)が構造単位(ab)に該当
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン(東京化成製)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
2−ヘプタノン 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
実施例1〜6の本レジスト組成物及び比較例1のレジスト組成物は以下のようにして、液浸露光によるマスクエラーファクター(MEF)評価、並びに欠陥評価を行った。以下、本レジスト組成物及び比較例1のレジスト組成物を総称して、「レジスト組成物」ということがある。
以下のようにして、レジスト組成物の液浸露光を行い、マスクエラーファクター(MEF)評価を実施した。
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ780Åの有機反射防止膜を形成した。次いで、前記の有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。レジスト組成物を塗布したシリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表3の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、レジスト膜を形成した。レジスト膜が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ100nm/ホール径70nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。尚、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、前記シリコンウェハを、ホットプレート上にて、表3の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベーク処理した。次いでこのシリコンウェハを、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
実効感度において、ホール径がそれぞれ72nm、71nm、70nm、69nm、68nmのマスクで形成されたパターンの、マスクホール径を横軸、各パターンのホール径を縦軸にプロットした時の直線の傾きをMEFとして算出した。結果を表5に示す。
12インチのシリコン製ウェハ(基板)に、レジスト組成物を、乾燥後の膜厚が0.15μmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布後、ダイレクトホットプレート上にて、表3のPB欄に示す温度で60秒間プリベーク(PB)し、ウェハ上に組成物層を形成した。
このようにして組成物層を形成したウェハに、現像機[ACT−12;東京エレクトロン(株)製]を用いて、60秒間、水リンスを行った。
その後、欠陥検査装置[KLA−2360;KLAテンコール製]を用いて、ウェハ上の欠陥数を測定した。結果を表5に示す。
Claims (9)
- 式(aa)で表される構造単位と、式(a1−1)で表される構造単位及び式(a1−2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位(ab)とを有する樹脂(A1);
式(aa)で表される構造単位を有さず、樹脂(A1)が有する構造単位(ab)と同一構造の構造単位(ab)を有し、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる樹脂(A2);並びに
酸発生剤を含有し、かつ
式(X1)で表される関係を満たすレジスト組成物。
0.8<α/β<1.2 (X1)
[式(X1)中、
αは、樹脂(A1)の全構造単位に対する、樹脂(A1)が有する前記構造単位(ab)の含有割合〔モル%〕を表す。
βは、樹脂(A2)の全構造単位に対する、樹脂(A2)が有する前記構造単位(ab)と同一構造の構造単位の含有割合〔モル%〕を表す。]
[式(aa)中、
Raa1は、水素原子又はメチル基を表す。
Aaa1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−1)で表される基を表す。
(式(a−1)中、
sは0又は1の整数を表す。
X10及びX11は、それぞれ独立に、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
A10、A11及びA12は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。)
Raa2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。]
[式(a1−1)中、
La1は、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手である。
Ra4は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。m1は0〜14の整数を表す。
式(a1−2)中、
La2は、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−(k1は前記と同義である。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手である。
Ra5は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。] - 前記式(aa)のAaa1が、炭素数1〜6のアルカンジイル基である請求項1記載のレジスト組成物。
- 前記式(aa)のAaa1が、エチレン基である請求項1記載のレジスト組成物。
- 前記α及び前記βが、以下の式(X2)で表される関係を満たす請求項1〜3のいずれか記載のレジスト組成物。
0.9<α/β<1.1 (X2) - 前記構造単位(ab)が、前記式(a1−1)で表される構造単位である請求項1〜4のいずれか記載のレジスト組成物。
- 前記式(B1)のYが、置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基である請求項6記載のレジスト組成物。
- さらに溶剤を含む請求項1〜7のいずれか記載のレジスト組成物
- (1)請求項1〜8のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
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