JP2012141015A - 防振パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】幅広い重量物に対応することが可能であり、安定して重量物を支えながら振動を吸収することの可能な新規な構造の防振パッドを提供する。
【解決手段】本実施形態に係る防振パッド10は、重量物の転倒を防止するために前記重量物の下に敷かれる防振パッド10において、弾性材料からなる弾性シート11と、弾性シート11を補強するために弾性シート11と一体に設置される共に、周壁により内部を囲う筒部17a,17bを有して硬質材料から形成された筒状補強部材15と、を備え、筒状補強部材15の内部に、弾性シート11が存在しない中空部13が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、重量物の振動を抑えて転倒を防止するための防振パッドに関し、特に、比較的小型の重量物への使用に適した防振パッドに関する。
従来から、家具や墓石等の比較的小型の重量物が地震時に転倒するのを防止するための転倒防止シートが提供されている。このような転倒防止シートとしては、例えば、弾性樹脂製のシートが広く提供されており、重量物の下に敷いて利用される。
ところが、墓石等の50kgを超えるような小型重量物の下に弾性樹脂製シートを敷いた場合、荷重により樹脂製シートがつぶれてしまい、振動を吸収するといった作用効果をほとんど発揮できなくなってしまうケースが発生していた。特に、墓石を多段に積み上げる構造の墓の場合には、弾性樹脂シートを敷く場所によっては、80〜1,500kgの荷重がかかる場合もある。
このような問題を解決するために、下記特許文献1乃至3に開示された転倒防止シートが提供されている。下記特許文献1乃至3においては、弾性樹脂製シートと共に、金属製の固い球状体を設置したり、硬質粒子を挟みつつ鋼板を積層したりすることで、荷重により樹脂製シートがつぶれるのを防止している。
特許第4238277号公報 特開2008−256053号公報 実用新案登録第3121815号公報
しかし、従来のように球体を転倒防止シートに設置する場合、重量物の荷重が一点に集中してしまい、安定して重量物を支えることができなくなるケースも発生していた。また、球体を構成する金属の剛性によって対応可能な重量物の重さが決まってくるため、幅広い重さの重量物に対応することが困難であった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、幅広い重量物に対応することが可能であり、安定して重量物を支えながら振動を吸収することの可能な新規な構造の防振パッドを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る防振パッドは、重量物の転倒を防止するために前記重量物の下に敷かれる防振パッドにおいて、弾性材料からなる弾性シートと、前記弾性シートを補強するために前記弾性シートと一体に設置されると共に、周壁により内部を囲う筒部を有して硬質材料から形成された筒状補強部材と、を備え、前記筒状補強部材の内部に、前記弾性シートが存在しない中空部が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る防振パッドによれば、幅広い重量物に対して安定して重量物を支えながら振動を吸収することができる。
図1は、第一実施形態に係る防振パッドの構成を示す図である。 図2は、第一実施形態の変形例1に係る防振パッドの構成を示す図である。 図3は、第二実施形態に係る防振パッドの構成を示す図である。 図4は、第三実施形態に係る防振パッドの構成を示す図である。 図5は、第三実施形態の変形例1に係る防振パッドの構成を示す図である。 図6は、第四実施形態に係る防振パッドの構成を示す図である。 図7は、第四実施形態の変形例1に係る防振パッドの構成を示す図である。 図8は、第五実施形態に係る防振パッドの構成を示す図である。 図9は、第六実施形態に係る防振パッドの構成を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る防振パッドについて説明する。
(第一実施形態)
まず、図1を参照しながら、第一実施形態に係る防振パッドについて説明する。図1は、第一実施形態に係る防振パッドの構成を示す図であり、図1(a)が、防振パッドの平面図、図1(b)が、図1(a)のA−A線による断面図である。
図1に示すように、防振パッド10は、略正方形の板状をしており、弾性材料から形成された弾性シート11、金属製の筒状補強部材15、リング19を備えている。弾性シート11は、粘着性のある合成樹脂から形成されており、本実施形態では、透明なシリコーンゲルが使用されている。
筒状補強部材15は、全体として略円筒形状をした補強部材であり、小径の上側円筒部17a、大径の下側円筒部17bとを有している。また、筒状補強部材15の上部には、小径の円形開口が形成された上面部16aが形成され、下部には、大径の円形開口が形成された下面部16bが形成されている。
また、筒状補強部材15の上側円筒部17aと下側円筒部17bとの境界には、上側円筒部17aの下端と下側円筒部17bの上端とを水平につなぐ、円帯状の中間段面部16cが形成されている。本実施形態における筒状補強部材15の材料は、ステンレスである。
リング19は、金属製リングであり、本実施形態では真鍮から形成されている。リング19は、筒状補強部材15の下側円筒部17bの内側に設置されており、下側円筒部17bの内径よりも小さい外径である。
また、防振パッド10には、筒状補強部材15の内部において、底面から上面部16aの下端部分にかけて、弾性シート11の存在しない円錐台形状の中空部13が形成されている。中空部13の底面は、下面部16bの円形開口と略同じ径の円形であり、中空部13の上面は、上面部16aの円形開口と略同じ径の円形となっている。
防振パッド10が重量物の下に敷かれると、重量物下面と、重量物が設置されている基台上面との間に挟まれることになり、重量物下面によって筒状補強部材15の上部開口が塞がれ、基台上面によって筒状補強部材15の下部開口が塞がれることになる。
ここで、弾性シート11を構成する合成樹脂が筒状補強部材15の内部に隙間無く充填されていると、合成樹脂の収縮率(寸法変化)は非常に小さいため、重量物に作用する振動を吸収しようとして金属製の筒状補強部材15が変形しようとしても、内部に充填されている合成樹脂の逃げ場がない。すなわち、筒状補強部材15がその内部の体積を減らす方向に変形する、すなわち、筒状補強部材15が内側に変形することができなくなってしまう。
これでは、防振パッド10の防振機能を発揮することができない。これに対して、本実施形態のように筒状補強部材15の内部に隙間である中空部13を形成しておけば、筒状補強部材15が内側に変形する際に移動する合成樹脂の逃げ場となり、筒状補強部材15の変形により振動を吸収することが可能となる。
次に、防振パッド10の製造方法について、説明する。まず、筒状補強部材15をプレス加工(塑性変形加工)により成形する。具体的には、プレス金型を用いて、金属製プレートをプレス加工(絞り加工)し、略円筒形状の筒状補強部材15を成形する。
続いて、別容器内に筒状補強部材15をセットし、シリコーンゲル材料を注入し硬化させる。ここで、この容器には、上述した中空部13を形成するための突起部が形成されており、この突起部が存在する領域には、シリコーンゲルが流れることができない。
したがって、シリコーンゲルの硬化後に防振パッド10を取り出せば、中空部13が形成された防振パッド10が完成する。なお、防振パッド10のサイズは、対象重量物の形状や設置環境に合わせて適宜変更できるが、例えば、一辺が50mm、厚さ4mmとする。
以上、詳細に説明した防振パッド10によれば、小型重量物の下に敷くことで、地震等の発生の際に重量物に作用する振動を吸収し、転倒を防止することが可能となる。具体的には、防振パッド10は、硬質材料から形成された筒状補強部材15を備えることで、重量物の荷重により弾性シート11がつぶれてしまうのを防止し、安定して重量物を支えながら振動を吸収することができる。
また、本実施形態では、内部に中空部13が形成された筒状補強部材15を備えることで、筒状補強部材15内に充填された合成樹脂によって筒状補強部材15が変形できなくなるのを防止し、荷重に応じて筒状補強部材15が変形することで、安定して重量物を支えながら振動を吸収することができる。
また、本実施形態では、筒状補強部材15に中間段面部16cが形成され、上面部16aと合わせて、重量物を支持するための支持部(面)が異なる高さで二段設けられており、幅広い重さの重量物に適切に対応可能である。例えば、比較的軽い重量物の場合には、最も高い上面部16aだけで重量物が支えられる。一方、重量物が重くなるに従って、筒状補強部材15が変形し、重量物が中間段面部16cの高さに下降するまで凹むと、上面部16aに加えて中間段面部16cによっても重量物が支えられることになる。
また、筒状補強部材15が頑丈すぎて、重量物が筒状補強部材15のみによって支えられてしまうと、弾性シート11により重量物を支えることができなくなり、弾性シート11による振動の吸収ができなくなってしまう。これに対して、本実施形態では、段階的に高さが異なる支持部(上面部16a,中間段面部16c)を複数段形成することで、荷重に応じて重量物を支持する支持部が選択的に使用されるので、幅広い重さの重量物に対して、弾性シート11の支持による振動吸収作用を発揮させることができる。
さらに、段階的に高さが異なる複数の支持部16a,16cが形成されていることで、防振パッド10を使って重量物の傾き調整を行うことも可能である。例えば、墓石を設置する際には、土台の上に竿石を設置するが、そのまま竿石を設置しただけでは竿石が傾いている場合も多いので、従来は、スペーサーを挟んで竿石を叩くなどして傾き調整が行われていた。
これに対して、防振パッド10を竿石の下の四隅に敷いておけば、低く調整したい側を叩くことで、段階的に筒状補強部材15を変形させて高さ調整を行うことができるので、竿石の傾きを調整することができる。なお、墓石に防振パッド10を使用する際には、新設の墓石に使用することもできるし、既存の墓石の耐震性向上や傾き修正に用いることもできる。
また、本実施形態では、筒型補強部材15をプレス加工による塑性変形により形成しているので、筒型補強部材15の強度が高く、丈夫な防振パッド10を提供することができる。ダイカストで鋳造方式により製造した場合には、塑性変形により製造した場合と比較してせん断強度が低くなるため、重量物の荷重が大きくなった場合に破断するおそれもあるが、プレス加工によれば、高いせん断強度を実現できる。
また、本実施形態に係る筒状補強部材15は、重量物の支持部となる上面部16a及び中間段面部16cが点ではなく面となっており、重量物を面で支えることで、安定した支持が可能となる。
また、本実施形態においては、弾性シート11を粘着性のあるゲル材料から形成しており、防振パッド10をセットする際の作業を容易に行うことができる。弾性シート11は、防振パッド10の底面の大部分に設置されており、防振パッド10を重量物の下に配置するにあたって、土台となる下側構造物の上面に置けば、防振パッド10と下側構造物とが弾性シート11により強固に接着される。
したがって、その後重量物を設置する際に、防振パッド10に何かが接触してしまって所望の設置場所からずれてしまうといったことを防止できる。なお、防振バッド10を設置する際には、接着剤を併用すれば、防振パッド10と構造物との接着性をさらに高めて耐震性をより高めることができる。
また、本実施形態においては、筒状補強部材15の下側円筒部17bの内部に金属製のリング19が設置されており、筒状補強部材15が変形して上面部16aが下方に下がって来ても、このリング19の存在により、それ以上の変形を阻止することができる。これにより、防振パッド10が完全につぶれることを防止し、大きな地震がきた場合であっても、防振パッドの防振機能を最低限確保することが可能となる。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、弾性シート11の材料としては、シリコーンゲルに限らず、その他の高分子ゲル、ゴム等、他の弾性材料を適宜使用することができる。もちろん粘着性が無い材料であっても良い。
また、筒状補強部材15の材料としても、ステンレス以外のアルミ、真鍮、銅合金等の他の金属や、熱可塑性樹脂等の硬質樹脂等、変形可能な筒状補強部材15を構成できる硬質材料であれば、適宜他の材料を使用することができる。また、リング19の材料も筒状補強部材15と同様に適宜他の硬質材料を用いることができる。
また、筒状補強部材15の形状は、円筒形状に限らず、全体として角筒形状であっても良く、内部を覆う周壁(側壁)が形成された筒部を有し、重量物を支持するための支持部が多段に形成された筒状補強部材であれば良い。また、周壁が斜めになった斜筒でも良いし、支持部が面ではなく線や点であっても良い。
また、上記実施形態では、重量物を支持するための支持部(上面部16a,中間段面部16c)が二段に設けられているが、三段以上の複数段に設けられても良い。また、上記実施形態では、上面部16a及び下面部16bの双方に円形開口が設けられているが、中空部13が合成樹脂の逃げ場となるため、開口を形成しなくても良い。但し、大きな重量物に対応するためには、筒状補強部材15の外部に合成樹脂が移動できるように、上面部16a及び下面部16bの少なくとも一方に開口を形成したほうが良い。
また、リング19の形状もリング状に限らず、筒状補強部材15の内部に位置して筒状補強部材15が完全につぶれてしまうのを防止することのできるスペーサーとして機能できる形状であれば、円盤形状や角柱形状であっても良い。
続いて、第一実施形態の変形例1について、図2を参照しながら説明する。図2は、第一実施形態の変形例1に係る防振パッドの構成を示す図であり、図2(a)が、防振パッドの平面図、図2(b)が、図2(a)のB−B線による断面図である。
本変形例に係る防振パッド10’は、上記防振パッド10と略同じ構成であるため、同じ部材には同じ番号を付し、説明を省略する。本変形例では、筒状補強部材15’の構成が上記実施形態と異なっており、上面部16a’に上部開口が形成されておらず、筒状補強部材15’の上部が閉じた構成となっている。
本変形例によれば、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができると共に、筒状補強部材15’の上部が閉じていることで、上記実施形態よりも内部の合成樹脂が外部に移動し難く、この分だけ筒状補強部材15’が内側に変形しに難くなる。よって、本変形例に係る防振パッド10’は、上記実施形態よりも大きい重量物への使用に適している。
(第二実施形態)
次に、図3を参照しながら、第二実施形態に係る防振パッドについて説明する。図3は、第二実施形態に係る防振パッドの構成を示す図であり、図3(a)が、防振パッドの平面図、図3(b)が、図3(a)のC−C線による断面図である。
図3に示すように、防振パッド20は、略正方形の板状をしており、弾性材料から形成された弾性シート21、金属製の筒状補強部材25、リング29を備えている。防振パッド20は、上記第一実施形態に係る防振パッド10と共通する構成を多数有しており、同様の構成については詳細な説明を省略する。
第二実施形態において、弾性シート21、筒状補強部材25及びリング29は、上記第一実施形態の弾性シート11、筒状補強部材15及びリング19にそれぞれ対応するが、第一実施形態とは弾性シート21の形状が若干異なる。すなわち、本実施形態では、筒状補強部材25内の弾性シート21が存在しない場所である中空部23が上下に分かれている。筒状補強部材25の上面部26aの円形開口付近に上側中空部23a、筒状補強部材25の下面部26bの円形開口付近に下側中空部23bが形成されている。
第二実施形態に係る防振パッド20の製造方法も上記第一実施形態と同様である。但し、上側及び下側の中空部23a,23bを形成するために、シリコーンゲルを注入し硬化させる際の容器に上下二つ突起部を形成しておく必要がある。
また、第二実施形態においても、第一実施形態と同様に、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以上、第二実施形態によれば、第一実施形態と同様の作用効果を奏し、小型重量物の下に敷くことで、地震等の発生の際に振動を吸収し、転倒を防止することが可能となる。なお、本実施形態では、第一実施形態と比較して中空部23の体積がやや小さいので、第一実施形態に係る防振パッド10よりは、比較的大きい重量物への使用に適している。
(第三実施形態)
次に、図4を参照しながら、第三実施形態に係る防振パッドについて説明する。図4は、第三実施形態に係る防振パッドの構成を示す図であり、図4(a)が、防振パッドの平面図、図4(b)が、図4(a)のD−D線による断面図である。
図4に示すように、防振パッド30は、略正方形の板状をしており、弾性材料から形成された弾性シート31、金属製の筒状補強部材35、リング39を備えている。防振パッド30は、上記第一実施形態に係る防振パッド10と共通する構成を多数有しており、同様の構成については詳細な説明を省略する。
第三実施形態において、弾性シート31、筒状補強部材35及びリング39は、上記第一実施形態の弾性シート11、筒状補強部材15及びリング19にそれぞれ対応するが、第一実施形態とは弾性シート31の形状が若干異なる。すなわち、本実施形態では、筒状補強部材35内の弾性シート31が存在しない部分である中空部33が弾性シート31の下方から上方まで円柱状に貫通して形成されている。
また、中空部33は、筒状補強部材35の上面部36aの円形開口と略同じ直径の円柱形状であるが、中空部33の上端は、筒状補強部材35の上側円筒部37aよりも若干小さい開口となるように広げられ、中空部33の下端は、筒状補強部材35の下側円筒部37bよりも若干小さい開口となるように広げられている。
第二実施形態に係る防振パッド30の製造方法も上記第一実施形態と同様である。但し、上下に貫通した中空部33を形成するために、シリコーンゲルを注入して硬化させる際の容器に、上下につながる突起部を形成する必要がある。
また、第三実施形態においても、第一実施形態と同様に、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以上、第三実施形態によれば、第一実施形態と同様の作用効果を奏し、小型重量物の下に敷くことで、地震等の発生の際に振動を吸収し、転倒を防止することが可能となる。
続いて、第三実施形態の変形例1について、図5を参照しながら説明する。図5は、第三実施形態の変形例1に係る防振パッドの構成を示す図であり、図5(a)が、防振パッドの平面図、図5(b)が、図5(a)のE−E線による断面図である。
本変形例に係る防振パッド30’は、上記防振パッド30と略同じ構成であるため、同じ部材には同じ番号を付し、説明を省略する。本変形例では、筒状補強部材35’の構成が上記実施形態と異なっており、上面部36a’に上部開口が形成されておらず、筒状補強部材35’の上部が閉じた構成となっている。
本変形例によれば、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができると共に、筒状補強部材35’の上部が閉じていることで、上記実施形態よりも内部の合成樹脂が外部に移動し難く、この分だけ筒状補強部材35’が内側に変形しに難くなる。よって、本変形例に係る防振パッド30’は、上記実施形態よりも大きい重量物への使用に適している。
(第四実施形態)
次に、図6を参照しながら、第四実施形態に係る防振パッドについて説明する。図6は、第四実施形態に係る防振パッドの構成を示す図であり、図6(a)が、防振パッドの平面図、図6(b)が、図6(a)のF−F線による断面図である。
図6に示すように、防振パッド40は、略正方形の板状をしており、弾性材料から形成された弾性シート41、金属製の筒状補強部材45、リング49を備えている。防振パッド40は、上記第一実施形態に係る防振パッド10と共通する構成を多数有しており、同様の構成については詳細な説明を省略する。
第四実施形態において、弾性シート41、筒状補強部材45及びリング49は、上記第一実施形態の弾性シート11、筒状補強部材15及びリング19にそれぞれ対応するが、第一実施形態とは弾性シート41の形状が若干異なる。
すなわち、本実施形態では、筒状補強部材45内に弾性シート41が一切存在しておらず、筒状補強部材45内部が全て中空部43になっている。また、第四実施形態では、弾性シート41の高さが、筒状補強部材45の高さよりも若干低くなっている。
第四実施形態に係る防振パッド40の製造方法も上記第一実施形態と同様である。但し、筒状補強部材45を容器内にセットしてシリコーンゲルを注入する際には、筒状補強部材45内にシリコーンゲルが入らないように、筒状補強部材45の外側にだけ注入するようにしなければならない。
また、第四実施形態においても、第一実施形態と同様に、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以上、第四実施形態によれば、第一実施形態と同様の作用効果を奏し、小型重量物の下に敷くことで、地震等の発生の際に振動を吸収し、転倒を防止することが可能となる。特に、本実施形態では、筒状補強部材45の内部が全て中空となっていることで、筒状補強部材45が内側に変形しやすくなっているため、比較的小型の重量物への使用に適している。
続いて、第四実施形態の変形例1について、図7を参照しながら説明する。図7は、第四実施形態の変形例1に係る防振パッドの構成を示す図であり、図7(a)が、防振パッドの平面図、図7(b)が、図7(a)のG−G線による断面図である。
本変形例に係る防振パッド40’は、上記防振パッド40と略同じ構成であるため、同じ部材には同じ番号を付し、説明を省略する。本変形例では、筒状補強部材45’の構成が上記実施形態と異なっており、上面部46a’に上部開口が形成されておらず、筒状補強部材45’の上部が閉じた構成となっている。本変形例によれば、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第五実施形態)
次に、図8を参照しながら、第五実施形態に係る防振パッドについて説明する。図8は、第五実施形態に係る防振パッドの構成を示す図であり、図8(a)が、防振パッドの平面図、図8(b)が、図8(a)のH−H線による断面図である。
図8に示すように、防振パッド50は、略正方形の板状をしており、弾性材料から形成された弾性シート51、金属製の筒状補強部材55を備えている。防振パッド50は、上記第一実施形態に係る防振パッド10と共通する構成を多数有しており、同様の構成については詳細な説明を省略する。
第五実施形態において、弾性シート51及び筒状補強部材55は、上記第一実施形態の弾性シート11及び筒状補強部材15にそれぞれ対応するが、第一実施形態とは、弾性シート51及び筒状補強部材55の形状が若干異なる。
本実施形態に係る筒状補強部材55は、二段の支持部が設けられている点で第一実施形態と共通するが、上面部56aが閉じられた形状になっている点、下側円筒部57bが、側壁が内側に傾斜した円錐台(斜筒)状となっている点、下面部56bが外側に向けて延在している点で第一実施形態と異なる。弾性シート51は、中空部53が上側円筒部57aの内側にのみ形成されている点、筒状補強部材55の内部51aが外側とは違う材料で形成されている点で第一実施形態と異なる。
この弾性シート51の筒状補強部材55の内部51aの材料としては、弾性シート51の他の部分の材料であるシリコーンゲルよりもゴム硬度、反発弾性率、振動吸収率の高い材料であるブチルゴム(IIR)が用いられる。このように、内部51aの材料を適宜変えることで、様々な性能の防振パッド50を提供することができ、種々の重量物に対応することが可能となる。
第五実施形態に係る防振パッド50の製造方法も上記第一実施形態と同様であるが、中空部53を上側円筒部57aの内側のみに形成するために、合成樹脂の注入・硬化工程を二回に分けて行う必要があると共に、筒状補強部材55の内側と外側とで異なる材料を注入する必要がある。
また、第五実施形態においても、第一実施形態と同様に、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。筒状補強部材55の内側と外側とで異なる弾性シート51の材料の組合せも適宜変更可能であり、本実施形態とは逆に内側51aを軟らかい材料としても良い。以上、第五実施形態によれば、第一実施形態と同様の作用効果を奏し、小型重量物の下に敷くことで、地震等の発生の際に振動を吸収し、転倒を防止することが可能となる。
特に、第五実施形態では、筒状補強部材55の上面が閉じていると共に、中空部53の容積が比較的小さく、また、筒状補強部材55の内部に硬い合成樹脂材料を配置しているので、他の実施形態と比較して筒状補強部材55が内側に変形し難い。よって、本実施形態に係る防振パッド55は、比較的大型の重量物への使用に適している。
(第六実施形態)
次に、図9を参照しながら、第六実施形態に係る防振パッドについて説明する。図9は、第六実施形態に係る防振パッドの構成を示す図であり、図9(a)が、防振パッドの平面図、図9(b)が、図9(a)のI−I線による断面図である。
図9に示すように、防振パッド60は、略正方形の板状をしており、弾性材料から形成された弾性シート61、金属製の筒状補強部材65を備えている。防振パッド60は、上記第一実施形態に係る防振パッド10と共通する構成を多数有しており、同様の構成については詳細な説明を省略する。
第六実施形態において、弾性シート61及び筒状補強部材65は、上記第一実施形態の弾性シート11及び筒状補強部材15にそれぞれ対応するが、第一実施形態とは、弾性シート61及び筒状補強部材65の形状が若干異なる。
本実施形態に係る筒状補強部材65は、重量物の支持部が上面66aだけの一段となっている点、円筒部67が、側壁が内側に傾斜した円錐台(斜筒)状となっている点、下面部66bが外側に向けて延在している点で第一実施形態と異なる。弾性シート61は、中空部63が円筒部67の略下側半分にのみ形成されている点、筒状補強部材65の内部61aが外側とは違う材料で形成されている点で第一実施形態と異なる。
この弾性シート61の筒状補強部材65の内部61aの材料としては、弾性シート61の他の部分の材料であるシリコーンゲルよりもゴム硬度、反発弾性率、振動吸収率の高い材料であるブチルゴム(IIR)が用いられる。このように、内部61aの材料を適宜変えることで、様々な性能の防振パッド60を提供することができ、種々の重量物に対応することが可能となる。
第六実施形態に係る防振パッドの製造方法も上記第一実施形態と同様であるが、合成樹脂の注入・硬化工程において、筒状補強部材65の内側と外側とで異なる材料を注入する必要がある。また、第六実施形態においても、第一実施形態と同様に、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
筒状補強部材65の内側と外側とで異なる弾性シート61の材料の組合せも適宜変更可能であり、本実施形態とは逆に内側61aを軟らかい材料としても良い。以上、第六実施形態によれば、第一実施形態と同様の作用効果を奏し、小型重量物の下に敷くことで、地震等の発生の際に振動を吸収し、転倒を防止することが可能となる。
以上、変形例も含めて本発明の実施の形態について説明したが、筒状補強部材の形状や、筒状補強部材内の弾性材料の量を変えて中空部の容積を調節することで、幅広い重さの重量物に対応できる防振パッドを提供することができる。
ここで、筒状補強部材が大きくつぶれるのを防止し、合成樹脂による振動吸収機能を発揮させるためには、筒状補強部材の内部にある程度の合成樹脂が存在することが望ましく、一方、筒状補強部材の変形を可能にするためには筒状補強部材の内部にある程度の中空部を形成する必要がある。これらを鑑みると、筒状補強部材内の中空部は、筒状補強部材内の容積の1/5以上であって4/5以下であればより望ましい。
10,20,30,40,50,60 防振パッド
11,21,31,41,51,61 弾性シート
13,23,33、43,53,63 中空部
15,25,35,45,55,65 筒状補強部材
16,26,36,46,56,66 面部
17,27,37,47,57,67 円筒部
19,29,39,49 リング
上記課題を解決するために、本発明に係る防振パッドは、重量物の転倒を防止するために前記重量物の下に敷かれる防振パッドにおいて、弾性材料からなる弾性シートと、前記弾性シートを補強するために前記弾性シートと一体に設置されると共に、周壁により内部を囲う筒部を有して硬質材料から形成された筒状補強部材であって、前記重量物の荷重を受ける支持部が複数段形成されている筒状補強部材と、を備え、前記筒状補強部材の内部に、前記弾性シートが存在しない中空部が形成されていることを特徴とする。

Claims (5)

  1. 重量物の転倒を防止するために前記重量物の下に敷かれる防振パッドにおいて、
    弾性材料からなる弾性シートと、
    前記弾性シートを補強するために前記弾性シートと一体に設置されると共に、周壁により内部を囲う筒部を有して硬質材料から形成された筒状補強部材と、を備え、
    前記筒状補強部材の内部に、前記弾性シートが存在しない中空部が形成されていることを特徴とする防振パッド。
  2. 前記筒状補強部材は、前記重量物の荷重を受ける支持部が複数段形成されていることを特徴とする請求項1記載の防振パッド。
  3. 前記筒状補強部材の上部又は下部の少なくとも一方に開口が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の防振パッド。
  4. 前記筒状補強部材の内部に設置された、当該筒状補強部材が完全につぶれてしまうのを防止するためのスペーサーをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の防振パッド。
  5. 前記弾性シートは、前記筒状補強部材の内側と外側とで異なる材料から形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の防振パッド。
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