JP2012140692A - 金属超微粉体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡潔で製造時のコスト高騰も簡単に抑えることができる製法により得られるインジウム等のナノサイズの金属超微粉体を提供することである。
【解決手段】 高分子樹脂基材の表面に、水溶性樹脂よりなる第1層と、金属よりなる第2層と、をこの順に積層してなる積層体を得る積層工程と、前記積層体から少なくとも前記第2層を剥離し、かつこれを微粉化する剥離微粉化工程と、を経て得られてなる金属超微粉体であって、前記金属超微粉体が略コイン状(略円盤状)の形状を有してなり、前記金属超微粉体の最大直径部が10nm以上1μm以下であり、最大厚み部が10nm以上100nm以下であること、を特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 高分子樹脂基材の表面に、水溶性樹脂よりなる第1層と、金属よりなる第2層と、をこの順に積層してなる積層体を得る積層工程と、前記積層体から少なくとも前記第2層を剥離し、かつこれを微粉化する剥離微粉化工程と、を経て得られてなる金属超微粉体であって、前記金属超微粉体が略コイン状(略円盤状)の形状を有してなり、前記金属超微粉体の最大直径部が10nm以上1μm以下であり、最大厚み部が10nm以上100nm以下であること、を特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は金属超微粉体に関するものであって、具体的には、いわゆるナノサイズまでサイズダウンされた金属、例えば金やインジウム、錫などの金属超微粉体に関する。
自動車等の塗装として、重厚感や高級感を呈するために金属箔を用いることがある。例えば自動車のホイールキャップやフロントグリル等に金属光沢を付与するために、以下のような製法が用いられる。即ちこれらの部材を高分子樹脂で射出成型する際に、アルミニウム等の金属箔が予め積層されたインモールドフィルムを用いることにより、得られた樹脂成型品にはアルミニウムの金属光沢が備えられている、というものである。
このような樹脂成型品の装飾方法を応用すれば、自動車に限らず、多様な樹脂成型品に対して金属光沢を付与できるし、また積層されているものが金属箔以外のもの、例えば何らかのデザインによる印刷層とすることも考えられる。
しかしこの方法であれば、例えば樹脂成型品がいわゆる深絞りの鋳型を用いて製造される場合、深絞り部分のように急な曲面部分では金属箔などにクラックが生じてしまい、美麗な外観を得ることが出来ない場合もあった。
そこで、金属箔を備えたインモールドフィルムを用いる代わりに鱗片状のメタルフレークを直接樹脂成型品の表面に積層することにより、金属光沢を付与することが行われることもある。しかし、この鱗片状メタルフレークを直接樹脂成型品の表面に積層しようとすると、その膜厚を均一なものとすることが困難であり、その結果なめらかな表面を得ようとする場合にこの鱗片状メタルフレークを用いることは必ずしも好ましいとは言えない。
そこで、上述した金属箔のクラックによる欠損、メタルフレークによる厚みの不均一さ、という問題に対処しようとすると、粉体の、それも極微粉末状の金属を吹き付けなどにより樹脂成型品の表面に塗装することが有効であると考えられる。
ここで言う極微粉末とは、特に粒径が100nm以下のものであり、いわゆるナノ粒子として知られているものである。
このナノ粒子の製造方法については様々な手法が提案されており、ここでは詳述しないが、例えば物理的方法として、ガス中蒸着法、スパッタリング法、金属蒸気合成法、等によりナノ粒子を得るもの、また化学的方法として、コロイド法やアルコキシド法等の液相を利用したもの、金属塩化物還元法、水素中還元法等の気相を利用したもの、等が広く用いられている。そしてこのような手法により、例えば金や銀、アルミニウムなどのナノ粒子が得られるようになっている。
さて、このように様々な手法で得られるようになった金属のナノ粒子であるが、昨今特に自動車業界や機能性薄膜を製造する業界においてインジウムによる金属光沢付与を行うことが熱望されるようになってきている。これは、インジウムには独特の深みのある光沢を備えているだけではなく、電磁波の透過性も好適であるからなのである。
この点につきさらに説明すると、自動車業界では安全確保、交通事故防止の観点から市場要望の急激な高まりもあって、自動追突防止機構の開発が求められている。この機構は一般的には走行中の自動車から前方に向けて電磁波を発射し、前方の自動車から反射してきた電磁波を受信機で受信することにより、前方の自動車との車間距離を算出し、この車間距離が急激に短くなってきたら自動的に自動車の走行を停止する、というものであるが、この際、自動車のフロントグリルに与えられる金属光沢の材料として、例えばアルミニウムを用いると、反射してきた電磁波をアルミニウムが遮断してしまうので、このような電波を反射する物質をフロントグリルに用いることは出来ない。しかし一方で現在ではこの装置はいわゆる高級車から順次装備することが考えられているが、高級車のフロントグリルには高級感を演出するために金属光沢を与えることがほぼ必要不可欠な条件と言える状況である。そこで電磁波のような電波を反射することのない、金属光沢を付与できる物質としてインジウムが求められているのである。そして上述したように、製造時に表面にクラックが生じず、また塗布したときの膜厚が均一となるようにするためには、インジウムの超微粉体が必要とされているのである。
このようにインジウムのナノ粒子が急激に求められている状況ではあるが、上述したような手法ではなかなか上質のインジウムナノ粒子を得ることができなかった。そこで、以下のような方法が具体的に提案されている。即ち特許文献1によれば虹彩粉として、虹彩を発揮できる金属粉についての製造方法が開示されているが、具体的には積層体の表面に様々な物質を積層し、その後積層物を剥離してこれを粉砕する、という手法が示されている。また特許文献2では、インジウム酸化物の粉末の製造方法として、インジウム溶液に沈殿剤を添加してインジウム酸化物粉末を得る方法が示されている。
しかし特許文献1に記載のような手法を応用しようとしても、剥離が上手くできない、微粉化することが困難である、という問題があり、また特許文献2のような手法では、確かにインジウムのナノ粒子を得ることは可能であるかもしれないが、その為に必要なコストは決して安いものではなく、好ましいとは言えないものであった。
さらに前述した様々なナノ粒子を得る手法を用いるとしても、生産性が非常に悪い、製造するために非常な労力が必要である、等の点で決して好ましいものとは言えなかった。
本発明はこのような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、はるかに簡潔で製造時のコスト高騰も簡単に抑えることができる製法により得られるインジウム等のナノサイズの金属超微粉体を提供することである。
上記課題を解決するため、本願発明の請求項1に記載の発明は、高分子樹脂基材の表面に、水溶性樹脂よりなる第1層と、金属よりなる第2層と、をこの順に積層してなる積層体を得る積層工程と、前記積層体から少なくとも前記第2層を剥離し、かつこれを微粉化する剥離微粉化工程と、を経て得られてなる金属超微粉体であって、前記金属超微粉体が略コイン状(略円盤状)の形状を有してなり、前記金属超微粉体の最大直径部が10nm以上1μm以下であり、最大厚み部が10nm以上100nm以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の金属超微粉体であって、前記第2層の積層方法が特定条件下における真空蒸着法であり、前記特定条件とは、真空蒸着法実行時における蒸着時の水晶振動子計測レートが5Å/sec以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の金属超微粉体であって、前記第2層の積層方法が特定条件下における真空蒸着法であり、前記特定条件とは、真空蒸着法実行時における真空度が2×10−2Paから大気圧側の真空度であること、を特徴とする。
本願発明の請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の金属超微粉体であって、前記第2層の積層方法が特定条件下における真空蒸着法であり、前記特定条件とは、真空蒸着法実行時における蒸着時の水晶振動子計測レートが5Å/sec以下であり、なおかつ真空蒸着法実行時における真空度が2×10−2Paから大気圧側の真空度であること、を特徴とする。
本願発明の請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の金属超微粉体であって、前記剥離微粉化工程が超音波水槽浴にて実行されてなるものであること、を特徴とする、金属超微粉体。
本願発明の請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の金属超微粉体であって、前記水溶性樹脂がアクリル系樹脂であること、を特徴とする。
本願発明の請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の金属超微粉体であって、前記アクリル系樹脂が、アクリル酸エステル共重合体樹脂、アクリルスチレン樹脂、又はポリビニルアルコール樹脂のいずれかもしくは複数であること、を特徴とする。
以上のように、本願発明に係る金属超微粉体であれば得られる微粉体のほぼ全ての形態は略コイン状(略円盤状)であるため、これら金属超微粉体同士が分子間力等により自然と整然とお互いが重なり合う状態を実現できるようになる。これを例えば塗料に含有させて用いる場合、従来の全くランダムな大きさや形状の一群からなる従来の金属粉末を用いた場合と比して、塗料中における本願発明に係る金属超微粉体同士が同じ方向に積層された状態であることより、塗布面における均一性又は同一性が確保しやすくなる。そして均一性又は同一性が確保された状態であれば、なめらかな金属光沢を得やすくなり、その結果意匠性の向上に寄与するものとなせる。
以下、本願発明の実施の形態について説明する。尚、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずもこの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
本願発明に係る金属超微粉体について第1の実施の形態として説明する。
本実施の形態に係る金属超微粉体は次のようにして得られる。即ち、まず高分子樹脂基材の表面に、水溶性樹脂よりなる第1層と、金属よりなる第2層と、をこの順に積層してなる積層体を得る積層工程を実行し、ついで得られた積層体から少なくとも第2層を剥離し、かつこれを微粉化する剥離微粉化工程を実行することにより得られる。
本願発明に係る金属超微粉体について第1の実施の形態として説明する。
本実施の形態に係る金属超微粉体は次のようにして得られる。即ち、まず高分子樹脂基材の表面に、水溶性樹脂よりなる第1層と、金属よりなる第2層と、をこの順に積層してなる積層体を得る積層工程を実行し、ついで得られた積層体から少なくとも第2層を剥離し、かつこれを微粉化する剥離微粉化工程を実行することにより得られる。
そしてこのようにして得られる金属超微粉体は略コイン状(略円盤状)の形状を有してなり、この金属超微粉体の最大直径部が10nm以上1μm以下であり、かつ最大厚み部が10nm以上100nm以下という条件を満たした形状のものとなる。
以下順番に説明をする。
まず本実施の形態における基板である高分子樹脂基材の材料としては特に限定するものではないが、本実施の形態においてはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであるものとする。PETフィルムの厚みは特に制限するものではないが、6μm以上であれば好適に使用することが出来る。
まず本実施の形態における基板である高分子樹脂基材の材料としては特に限定するものではないが、本実施の形態においてはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであるものとする。PETフィルムの厚みは特に制限するものではないが、6μm以上であれば好適に使用することが出来る。
第1層を形成する水溶性樹脂としては、アクリル系樹脂であることが望ましく、さらにアクリル酸エステル共重合体樹脂、アクリルスチレン樹脂、又はポリビニルアルコール樹脂等を用いることが好ましい。そして本実施の形態ではアクリル酸エステル共重合体樹脂であるものとするが、ここに列記したものに限定されるものではないことを断っておく。
第2層を形成する金属としては、本実施の形態では金であるものとして説明するが、必ずしもこれに限定されるものではなく、その他の金属、例えばインジウム、銀、プラチナ、銅、錫、アルミニウム、チタン、鉄、ニッケルなどであっても構わない。
以下、製造方法及び工程につき簡単に説明する。
まず最初にPETフィルムの表面に第1層を積層する。この積層法は公知のものであってよいが、本実施の形態においては、水とイソプロピルアルコール(IPA)にて希釈されたアクリル酸エステル共重合体の希釈液を、バーコーターにてPETフィルムの表面に塗布し、これを乾燥させる。その際、第1層の膜厚は0.2μm以下、塗布乾燥重量で0.10g/m2〜0.12g/m2であることが望ましい。これは膜厚が有りすぎると後述の剥離工程で美麗に剥離しない、タック性などの塗膜乾燥起因の不具合を誘発するからである。
まず最初にPETフィルムの表面に第1層を積層する。この積層法は公知のものであってよいが、本実施の形態においては、水とイソプロピルアルコール(IPA)にて希釈されたアクリル酸エステル共重合体の希釈液を、バーコーターにてPETフィルムの表面に塗布し、これを乾燥させる。その際、第1層の膜厚は0.2μm以下、塗布乾燥重量で0.10g/m2〜0.12g/m2であることが望ましい。これは膜厚が有りすぎると後述の剥離工程で美麗に剥離しない、タック性などの塗膜乾燥起因の不具合を誘発するからである。
アクリル酸エステル共重合樹脂による第1層をPETフィルム表面に積層したら、次にさらにその表面に金を積層する。本実施の形態における第2層の積層については真空蒸着法によるものとする。そして本実施の形態においてかかる真空蒸着法は、真空蒸着法実行時における蒸着時の水晶振動子計測レートが5Å/sec以下であること、を条件に実行されるものとする。
ここでレートを5Å/sec以下とする理由に付き簡単に説明しておく。
一定のレートを超えた状態で第2層を成膜すると、真空蒸着実行時に蒸発し被着する金属量が多くなってしまうので、これがマイグレーション過程において隣接する蒸着粒子と結合してしまう。そのために積層された粒子個々の形状が大きくなってしまう。また同時に緻密性の大きな膜となってしまう。よってこの状態の積層膜(金属層)を剥離粉砕すると、目的の形状に処理できなくなってしまうのである。さらに本来であれば薄膜の厚みを150nm以下となるように積層しそれを粉砕して微粉末としようとするところ、一定のレートを超えた状態で成膜すると凝集力が働いてしまい所望する厚みの薄膜形成が困難になる、といった問題が生じる。
一定のレートを超えた状態で第2層を成膜すると、真空蒸着実行時に蒸発し被着する金属量が多くなってしまうので、これがマイグレーション過程において隣接する蒸着粒子と結合してしまう。そのために積層された粒子個々の形状が大きくなってしまう。また同時に緻密性の大きな膜となってしまう。よってこの状態の積層膜(金属層)を剥離粉砕すると、目的の形状に処理できなくなってしまうのである。さらに本来であれば薄膜の厚みを150nm以下となるように積層しそれを粉砕して微粉末としようとするところ、一定のレートを超えた状態で成膜すると凝集力が働いてしまい所望する厚みの薄膜形成が困難になる、といった問題が生じる。
一方、一定のレートを下回る状態で第2層を成膜すると、上述した現象とは逆の状態となり、即ち蒸発し被着する金属量もさほど多くなく、積層粒子の形状も大きくならず、緻密性がさほど高くない膜を得られるので、これを剥離粉砕すると適宜所望の形状、即ち略コイン状の形状を有する微粉末を得られるのである。
そして発明者が種々検証した結果、本実施の形態における好適なレート値の上限が5Å/secであることを見いだしたのである。尚このレートについて付言するならば、0.1Å/sec以下とすれば、より一層好適に所望の形状を有する微粉末を得られることも明らかとなったことを付言しておく。
尚、上述したように本実施の形態における第2層の膜厚は、水晶振動子による測定において、見かけ上厚み150nm以下であることが望ましく、またその際の積層速度について、例えばレートを5Å/sec以下、例えば3Å/secとすれば、積層する際の基板温度は適宜好適な温度とすることが出来るし、さらに金属層として選択する金属によっては常温のままで成膜可能となることを付言しておく。
このようにしてPETフィルムにアクリル酸エステル共重合樹脂による層を介して金を積層してなる積層体を得ると、これを超音波水槽浴に浸す。このようにすることで、まず水に浸されることで、水溶性樹脂が溶解し、PETフィルムと金による第2層とが美麗に剥離する。この際、PETフィルムは溶解することがないので使用後再び利用することが出来る。そして超音波により、剥離した金層が水中で超微粉体となるまで細かくなる。尚、本実施の形態では剥離微粉化工程を超音波水槽浴にて実行されてなるものであることとしたが必ずしもこれに限定されるものではないことを断っておく。
このようにして水中に金粒子が存在する状態とすれば、最後にこれを濾過することにより金ナノ粒子を得る事が出来るのである。
このように、本実施の形態では単純にPETフィルムに水溶性樹脂を介して金を積層して成る積層体を、超音波水槽浴中でこれを微粉化することにより金ナノ粒子を得る事が出来るので、従来の手法に比べて非常に簡潔にナノ粒子、即ち金属超微粉体を得られ、また作業自体も簡潔であり、製造コストの高騰も抑制することが出来るようになる。
そして発明者が鋭意実験を繰り返し検証した結果、得られる金ナノ粒子の形状は、電子顕微鏡等で観察してみたところ、ほぼ全ての金ナノ粒子が略コイン状の形状を有するものであることがわかった。
また本実施の形態では水溶性樹脂を用いていたので、第1層を溶融する溶媒として水を用いているが、この点については第1層に用いる物質を溶融する事が出来るように溶媒を選択すればよく、必ずしも第1層を水溶性樹脂とし、そのために超微粉体を得る剥離微粉化工程で用いる溶媒を水とする、ということに限定されるものではないことをここで断っておく。
(実施の形態2)
先に説明した第1の実施の形態においては、第2層の積層方法は特定条件下における真空蒸着法であったが、この特定条件とは、真空蒸着法実行時における蒸着時の水晶振動子計測レートが5Å/sec以下であることとしたものであった。一方、第2の実施の形態では、特定条件として真空蒸着法実行時における真空度が2×10−2Paから大気圧側の真空度であることとする。
先に説明した第1の実施の形態においては、第2層の積層方法は特定条件下における真空蒸着法であったが、この特定条件とは、真空蒸着法実行時における蒸着時の水晶振動子計測レートが5Å/sec以下であることとしたものであった。一方、第2の実施の形態では、特定条件として真空蒸着法実行時における真空度が2×10−2Paから大気圧側の真空度であることとする。
真空度の条件をこのようにした理由は、発明者が種々試行をしたところ、これ以上の良好な真空度において金属を真空蒸着させることが実際に困難であったことによる。また例えば真空度を3×10−1Paよりも悪い真空度であると、あまりにも真空度が悪い為に、実際に得られる膜や粒子に不純物が混入し、即ち膜や粒子が汚染された状態となるので、得られる金属超微粒子の形状が一様にならない、光沢が不十分である、等の問題が生じることがわかったからである。
上記以外の点は全て第1の実施の形態と同様であり、その詳述は省略する。
(実施の形態3)
先に説明した第1の実施の形態においては、第2層の積層方法が特定条件下における真空蒸着法であり、この特定条件とは、真空蒸着法実行時における蒸着時の水晶振動子計測レートが5Å/sec以下であることとしたものである場合とし、また第2の実施の形態では、特定条件として真空蒸着法実行時における真空度が2×10−2Paから大気圧側の真空度であることとした場合としたが、第3の実施の形態ではこれら両方の条件を満たした場合であるものとする。
先に説明した第1の実施の形態においては、第2層の積層方法が特定条件下における真空蒸着法であり、この特定条件とは、真空蒸着法実行時における蒸着時の水晶振動子計測レートが5Å/sec以下であることとしたものである場合とし、また第2の実施の形態では、特定条件として真空蒸着法実行時における真空度が2×10−2Paから大気圧側の真空度であることとした場合としたが、第3の実施の形態ではこれら両方の条件を満たした場合であるものとする。
即ち、真空蒸着法実行時の特定条件が、真空蒸着法実行時における蒸着時の水晶振動子計測レートが5Å/sec以下であり、なおかつ真空蒸着法実行時における真空度が2×10−2Paから大気圧側の真空度である場合、とする。
水晶振動子計測レート及び真空度については上述した通りであり、さらなる詳述は省略する。また上記以外の点は全て第1の実施の形態と同様であり、その詳述は省略する。
尚、本願発明に係る金属超微粉体の具体的な形状の一例として、図1に示す電子顕微鏡による写真を示しておく。
Claims (7)
- 高分子樹脂基材の表面に、
水溶性樹脂よりなる第1層と、
金属よりなる第2層と、
をこの順に積層してなる積層体を得る積層工程と、
前記積層体から少なくとも前記第2層を剥離し、かつこれを微粉化する剥離微粉化工程と、
を経て得られてなる金属超微粉体であって、
前記金属超微粉体が略コイン状(略円盤状)の形状を有してなり、
前記金属超微粉体の最大直径部が10nm以上1μm以下であり、最大厚み部が10nm以上100nm以下であること、
を特徴とする、金属超微粉体。 - 請求項1に記載の金属超微粉体であって、
前記第2層の積層方法が特定条件下における真空蒸着法であり、
前記特定条件とは、真空蒸着法実行時における蒸着時の水晶振動子計測レートが5Å/sec以下であること、
を特徴とする、金属超微粉体。 - 請求項1に記載の金属超微粉体であって、
前記第2層の積層方法が特定条件下における真空蒸着法であり、
前記特定条件とは、真空蒸着法実行時における真空度が2×10−2Paから大気圧側の真空度であること、
を特徴とする、金属超微粉体。 - 請求項1に記載の金属超微粉体であって、
前記第2層の積層方法が特定条件下における真空蒸着法であり、
前記特定条件とは、真空蒸着法実行時における蒸着時の水晶振動子計測レートが5Å/sec以下であり、
なおかつ真空蒸着法実行時における真空度が2×10−2Paから大気圧側の真空度であること、
を特徴とする、金属超微粉体。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の金属超微粉体であって、
前記剥離微粉化工程が超音波水槽浴にて実行されてなるものであること、
を特徴とする、金属超微粉体。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の金属超微粉体であって、
前記水溶性樹脂がアクリル系樹脂であること、
を特徴とする、金属超微粉体。 - 請求項6に記載の金属超微粉体であって、
前記アクリル系樹脂が、アクリル酸エステル共重合体樹脂、アクリルスチレン樹脂、又はポリビニルアルコール樹脂のいずれかもしくは複数であること、
を特徴とする、金属超微粉体。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120817 |
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A02 | Decision of refusal |
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