JP2012140175A - 包装箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】箱の壁面に切り込みを入れることなく、箱の内面に印刷された情報の宛先である対象を確認できるようにする。
【解決手段】上面板114の空いた辺に第1張り出し片150が連接する。第1張り出し片150は、第1面(外面)側に個人に関する情報155が印刷され、箱の内側に折り返されて上面板114及び前面板116の開封部分132の第2面側と重畳されて貼り合わせられる。上フラップ120aの空いた辺に第2張り出し片140が連接する。第2張り出し片140には、その個人を特定する情報142が印刷されている。第2張り出し片140は、組み立て後の包装箱の外側に張り出すこととなる。包装箱が閉じられた後は、上面板114に印刷した情報155はその箱の内側となり見ることができないが、対応する情報142がその箱の外に露出する第2張り出し片140に印刷されているので、これにより確認が可能となる。
【選択図】図3
【解決手段】上面板114の空いた辺に第1張り出し片150が連接する。第1張り出し片150は、第1面(外面)側に個人に関する情報155が印刷され、箱の内側に折り返されて上面板114及び前面板116の開封部分132の第2面側と重畳されて貼り合わせられる。上フラップ120aの空いた辺に第2張り出し片140が連接する。第2張り出し片140には、その個人を特定する情報142が印刷されている。第2張り出し片140は、組み立て後の包装箱の外側に張り出すこととなる。包装箱が閉じられた後は、上面板114に印刷した情報155はその箱の内側となり見ることができないが、対応する情報142がその箱の外に露出する第2張り出し片140に印刷されているので、これにより確認が可能となる。
【選択図】図3
Description
本発明は、包装箱に関する。
近年、内面に個人宛のメッセージなどといった個人に関する情報を印刷された箱が、例えば贈答用の包装箱として提案されている。見栄え等の観点から、このような包装箱の外面には、メッセージの宛先などの個人を特定する情報は印刷されないことが多い。この包装箱を受け取った人は、箱を開くことで自分宛のメッセージ等の情報を読み取ることができる。
このような包装箱を用いたビジネスでは、例えば発送作業などのために、包装箱の内面に印刷された情報が誰宛のものであるかを認識できるようにする必要がある。
特許文献1には、箱の壁面に開閉可能な窓を形成し、検査時にはその窓を開いて箱の内部にある商品の識別符号が読み取れるようにし、検査後にはその窓を閉じて目立たないようにする箱構造が開示されている。
特許文献2には、箱の壁面のうちの1つから延伸したフラップに宣伝表示の印刷が行われ、組み立てられた箱の外側にそのフラップが突出することで、宣伝表示が見える構造が開示されている。
本発明は、箱の壁面に切り込みを入れることなく、箱の内面に印刷された情報の宛先である対象を確認できる、新たな構造の包装箱を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、一枚物の展開図のシートから組み立てられた閉じた箱体を含み、前記展開図のシートの両面のうち、前記箱体の外面を構成する側の面を第1面とし、前記箱体の内面を構成する側の面を第2面とした場合に、前記展開図のシートは、前記箱体の各壁面となる互いに連接した複数の壁面部であって、それら壁面部のうちの少なくとも第1の壁面部には折り目線と切取線とにより囲まれた開封部分が設けられており、前記切取線を切断することで前記開封部分を当該第1の壁面部の残りの部分から切り離すことにより前記開封部分を前記折り目線に沿って折り返せるように構成されていることを特徴とする複数の壁面部と、前記第1の壁面部の外周辺、又は前記第1の壁面部に前記展開図上で連接した第2の壁面部の外周辺のうち、前記展開図上で他の壁面部に連接しない外周辺に連接して設けられた第1の張り出し片であって、前記箱体の内面側に折り返されると前記第1の壁面部の前記開封部分に重畳する重畳部分を有するとともに、当該重畳部分の前記第1面側の面には当該箱体の宛先対象に関する第1の情報が印刷されていることを特徴とする第1の張り出し片と、前記複数の壁面部のうちの少なくとも1つの壁面部の外周辺のうち前記展開図上で他の壁面部に連接しない外周辺に対して連接した第2の張り出し片であって、当該第2の張り出し片の前記第1面側の面に、前記宛先対象に関する第2の情報が印刷されていることを特徴とする第2の張り出し片と、を有し、前記第1の張り出し片が前記箱体の内面側に折り返されて前記重畳部分の前記第2面側の面が前記開封部分の前記第2面側の面に貼り合わされ、かつ前記第2の張り出し片が前記箱体の外側に位置するように前記展開図のシートが組み立てられることにより形成された包装箱である。
請求項2に係る発明は、前記各壁面部の前記第1面側の面に色又は柄が印刷されていることを特徴とする請求項1に記載の包装箱である。
請求項3に係る発明は、前記複数の壁面部のうちの少なくとも1つの壁面部の外周辺のうち前記展開図上で他の壁面部に連接しない外周辺に連接して設けられ、当該壁面部を当該展開図上では連接していない他の壁面部と貼り合わせるための糊代片、を更に備え、前記第2の張り出し片は、前記複数の壁面部のうちの少なくとも1つの壁面部の各外周辺のうち、他の壁面部及び糊代片のいずれとも連接せず且つ組み立てられた場合に前記箱体の外面側に露出する外周辺、に対して連接していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の包装箱である。
請求項4に係る発明は、前記第2の張り出し片が前記壁面部に連接する連接部には、前記張り出し片の当該壁面部からの切り離しを容易にするためのミシン目が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の包装箱である。
請求項5に係る発明は、前記第2の張り出し片の前記第2の情報が印刷される側の面には、剥がして再貼付可能なシールが貼付されており、そのシールに対して前記第2の情報が印刷されている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の包装箱である。
請求項1に係る発明によれば、包装箱の壁面に切り込みを入れることなく、第2張り出し片により包装箱の内面に印刷された情報の宛先である対象を確認できる。
請求項2に係る発明によれば、印刷すべき包装箱の外表面の色又は柄、第1の情報、及び第2の情報を展開図のシートの第1面のみに集中させることができる。
請求項3に係る発明によれば、展開図のシートを組み立てれば、第2張り出し片が自然と閉じた包装箱の外側に露出するようにすることができる。
請求項4に係る発明によれば、第2張り出し片が不要となった時に容易に包装箱の箱体から切り離すことができる。
請求項5に係る発明によれば、第2張り出し片に印刷した第2の情報を、シールとして他の物(例えば包装箱を収容した外箱)に貼り付けて再利用することができる。
図1に、内面に個人に関する情報が印刷された従来の包装箱の展開図の一例を示す。この包装箱は、矩形の6つの壁面からなる閉じた箱である。図1は、包装箱の内面側を見た展開図である。
図1に示すように、この包装箱は、底面板12、上面板14、前面板16、後面板18、左側面を構成する上フラップ20a及び下フラップ20b、右側面を構成する上フラップ22a及び下フラップ22bから構成されている。底面板12の3つの外周辺は、それぞれ後面板18、下フラップ20b及び22bと連接しており、残りの1つの外周辺には、前面板16と貼り合わせるための糊代片24が連接されている。また、上面板14の4つの外周辺は、それぞれ前面板16、後面板18、上フラップ20a及び22aに連接している。また、前面板16の左右の辺には、糊代片26a及び26bがそれぞれ連接しており、後面板18の左右の辺には糊代片28a及び28bがそれぞれ連接している。
図1の展開図は、一枚のシートに印刷される。この展開図が外周の線に沿って切り出されることにより、図1に示した展開図シートが形成される。
図1の展開図シートの各面板12〜18及び各フラップ20a、20b、22a、22bを、他の面板又はフラップとの境界の折り目に沿って直角に折り、糊代片24を前面板16と貼り合わせ、糊代片26a及び28aを下フラップ20b及び上フラップ20aに貼り合わせ、糊代片26b及び28bを下フラップ22b及び上フラップ22aに貼り合わせることで、閉じた六面体の包装箱が形成される。
図1に示すように、上面板14及び前面板16には、切り離しのための切取線(切れ目)となる、コの字形状のミシン目30が形成されている。ミシン目30は、線に沿って断続的にシートに穴を空けることにより形成される。また、上面板14には折り目線34が設定されている。上面板14と前面板16を合わせた領域のうち、切取線30と折り目線34とに囲まれた部分を、「開封部分」32と呼ぶことにする。図示例では、開封部分32は長方形の領域であり、その長方形のうち図中での上辺が折り目線34で、残りの3辺がミシン目30で、それぞれ構成されている。図1の例では、開封部分32のうちの上面板14内の領域に、個人に関する情報33が印刷されている。この例では、個人に関する情報33は、この包装箱により包装した品物の宛先である当該個人に宛てたメッセージであるが、これは一例に過ぎない。例えば、氏名、住所、その個人宛に特別に作成されたウェブページへのリンクを示すバーコード等、宛先の個人に関連するメッセージ以外の情報であってもよい。この展開図は、この個人に関する情報33が包装箱の内面になるように組み立てられる。
図1の展開図を閉じた箱へと組み立てた後で、図2に示すように、ミシン目30に沿って前面板16及び上面板14を切り開き、開封部分32を折り目線34に沿って当該包装箱10の外側に折り返すと、開封部分32の内面に印刷された個人に関連する情報33が外から読めるようになる。
このような包装箱10を作成(すなわちその箱に品物を詰めて箱を閉じること)したり、配達したりする企業等の組織は、その包装箱10を内面の情報33に対応する個人に対して正しく発送しなければならない。しかし、包装箱10を組み立てて閉じた後は、宛先の個人がミシン目を切り開くまで、内面の情報33は読み取れないので、その情報33を参考にすることはできない。包装箱10の外面に宛先の個人を特定する情報を印刷すれば、完成した包装箱10の発送その他のための取扱の役に立つが、そのような外面の印刷は、包装箱10の外観を損ねるのみならず、展開図シートの製造にあたり、内面側の情報33と外面側の個人を特定する情報のために展開図シートの両面を印刷する必要がある。両面の印刷のためには、両面印刷用の装置を用いるか、又は片面ずつ印刷するかが必要となり、設備投資又は手間がかかってしまう。
そこで、本実施形態では、包装箱の内面に表示する個人に関連する情報と、発送作業等の取扱において用いる個人を特定する情報とを、片面印刷で印刷することができる箱構造を採用する。
本実施形態の包装箱の展開図シートの一例を図3に示す。図3の展開図シートを構成する要素のうち、図1の展開図シートを構成する要素の中に対応要素を持つ要素については、図1での対応要素の参照番号に100を加えた参照番号を付した。
以下では、包装箱の展開図シートの両面のうちの一方の面を第1面、他方の面を第2面と呼ぶ。図3は、展開図シートを第1面の側から見た状態を示している。
展開図シートは例えば厚紙などで形成される。展開図シートの第1面は、包装箱の外表面となる側の面であり、インクジェット方式や電子写真方式などといった印刷方式のうちの1以上の方式で印刷可能な面として構成されている。なお、展開図シートの第2面は、印刷可能でなくてもよい。
図3に示すように、この展開図シートは、底面板112、上面板114、前面板116、後面板118、左側面を構成する上フラップ120a及び下フラップ120b、右側面を構成する上フラップ122a及び下フラップ122bを備える。底面板112の4つの外周辺は、それぞれ、前面板116、後面板118、下フラップ120b及び122bと連接している。また、上面板114の4つの外周辺は、それぞれ前面板116、上フラップ120a及び122a、及び第1張り出し片150に連接している。また、前面板116の左右の辺には、糊代片126a及び126bがそれぞれ連接しており、後面板118の左右の辺には糊代片128a、128b及び128cがそれぞれ連接している。そして、この例では、上フラップ120aは、その4つの外周辺のうち上面板114との境界の辺の向かい側の外周辺144を境にして、第2張り出し片140と連接している。
図3に示すように、上面板114及び前面板116には、切り離しのための切取線(切れ目)となる、コの字形状のミシン目130が形成されている。ミシン目130は、例えば、線に沿って断続的にシートに穴を空けることにより形成される。また、上面板114には折り目線134が設定されている。上面板114と前面板116を合わせた領域のうち、切取線130と折り目線134とに囲まれた部分を、開封部分132と呼ぶことにする。図示例では、開封部分132は長方形の領域であり、その長方形のうち図中での上辺が折り目線134で、残りの3辺がミシン目130で、それぞれ構成されている。
第1張り出し片150は、第1部分152、第2部分154及び第3部分156から構成される。第1部分152は、境界辺158を境にして上面板114と連接している部分であり、図中におけるその横幅は上面板114の横幅に等しく、その高さD3は上面板114の折り目線34と境界辺158との間隔D4に等しい。境界辺158は、第1張り出し片150を上面板114に対して折り返すときの折り目として機能する。第2部分154は、境界辺159を境にして第1部分152に連接しており、その横幅W2は開封部分132の横幅W1に等しく、その高さD2は開封部分132のうち上面板114に属する部分の高さD5に等しい。第3部分156は、境界辺157を境にして第2部分154に連接しており、その横幅W2は開封部分132の横幅W1に等しく、その高さD1は開封部分132のうち前面板116に属する部分の高さD6に等しい。
第1張り出し片150の第2部分154の第1面(すなわち、図3に表されている面)側の面には、個人に関する情報155が印刷されている。この印刷された情報155は、図1の例における個人に関する情報33と同様のものでよい。
第1張り出し片150と展開図シートの他の部分とを境界辺158に沿って山折り(すなわち、図1の紙面の奥の方向に折り返すこと)にすることで、第1張り出し片150の第2面側を上面板114及び前面板116の第2面側に密着させて貼り合わせることが可能となる。貼り合わせた状態では、第1張り出し片150の第1部分152は上面板114の折り目線134と境界片158との間の部分にぴったり重なり、第2部分154及び第3部分156は開封部分132のうちの上面板114内の部分及び前面板116内の部分にそれぞれぴったり重なる。この状態では、第1張り出し片150に印刷された個人に関する情報155は、開封部分132の第2面側(図3の紙面の裏面側)に位置する。したがって、このように第1張り出し片150を折り返して上面板114及び前面板116に貼り合わせた状態で、図1の展開図シートの場合と同様に箱体(包装箱)を組み立てると、個人に関する情報155は箱体の内面側に位置することになる。この例では、貼り合わせた状態では、第1張り出し片150の第2部分154及び第3部分156は、上面板114及び前面板116の開封部分132からはみ出さないので、組み立てた後にミシン目130を切断する際の妨げにならない。
第2張り出し片140は、組み立てられた際に下フラップ120bの上(すなわち包装箱の外側)に被さる上フラップ120aから延びている。したがって、第2張り出し片140は包装箱を組み立てた後、組み立て後の包装箱の外側に張り出すこととなる。
第2張り出し片140の第1面側(図3の紙面の表面側)には、第1張り出し片150に印刷された情報155の宛先である個人を特定する情報142が印刷される。
図3の例では、第2張り出し片140には、情報142として個人を特定する住所及び氏名を印刷したが、印刷する情報142はこれに限らない。例えば、そのような情報の代わりに、あるいはそれに加えて、当該個人に関する他の種類の情報(例えば識別番号、あるいはその識別番号を表すバーコード等の画像コード)を印刷してもよい。また、第2張り出し片140には、そのような個人に関連する情報142に加えて、印刷後の(例えば発送作業までの)工程における展開図シート及び包装箱についての取扱/後処理等に関する指示の情報や、それら後工程での工程チェックのためのチェックリストなどといった、後工程の作業に関する情報を印刷してもよい。また、当該包装箱自体の識別情報を示す画像コードを印刷し、印刷後の各工程の完了チェックの際に画像コードを読取装置で読み取ってシステムに登録し、工程管理を行えるようにしてもよい。
図3の展開図は、一枚のシートに印刷される。この展開図が外周の線に沿って切り出されることにより、図3に示した展開図シートが形成される。
図3の展開図シートの組立作業では、まず、第1張り出し片150を折り返してその第2面を上面板114及び前面板116の第2面に貼り合わせる。次に、その後各面板112〜118及び各フラップ120a、120b、122a、122bを、他の面板又はフラップとの境界の折り目に沿って直角に山折りし、糊代片128cを上面板114(と折り返された第1張り出し片150とが貼り合わせられたもの)に貼り合わせ、上フラップ120a及び122aを下フラップ120b及び122bに被せて貼り合わせ、糊代片126a及び128aを下フラップ120b及び上フラップ120aに貼り合わせ、糊代片126b及び128bを下フラップ122b及び上フラップ122aに貼り合わせることで、閉じた六面体の包装箱が形成される。
図3の展開図シートを組み立てると、図4に例示するような包装箱100が得られる。この包装箱100は、ミシン目130が切り開かれていない状態であり、上面板114の内面側に張り合わされた第1張り出し片150に印刷された個人に関連する情報155は、底面板112、上面板114、前面板116、後面板118及び上下フラップ120a、120b、122a、122bからなる左右両側面により構成される閉じた箱体の内側に位置し、見えない状態である。しかし、この実施形態の包装箱100では、上フラップ120aから延長した第2張り出し片140が閉じた箱体の外に出ており、その張り出し片140には、内部の情報155の宛先対象である個人と同じ個人に関連する情報142が印刷されている。したがって、包装箱100の組み立て後、例えば発送までの間にこの包装箱100を取り扱う作業員は、この第2張り出し片140の情報142を参照することで、その包装箱100の対象である個人を確認し、例えばその個人に対応する作業を実行する。
第2張り出し片140は、発送作業までの各工程での確認のためのものであり、包装箱100の宛先の人にとっては不要であり、かつ包装箱100の目的からすればむしろないほうがよい。このために、発送の際の最終確認の後、第2張り出し片140を切り取って、第2張り出し片140のない包装箱100を発送するようにしてもよい。図3及び図4に例示した包装箱100において、上フラップ120aと第2張り出し片140との境界の辺144には、第2張り出し片140の切り離し作業を補助するために、ミシン目等の切取線を形成しておいてもよい。
また、以上の例では、宛先の個人を特定する情報142は第2張り出し片140の第1面に直接印刷されるが、この代わりに、この第2張り出し片140の印刷面側に、タックシールのように、剥がして再貼付可能なシールを貼り付けておき、このシールに情報142を印刷するようにしてもよい。この場合、例えば包装箱100を発送する際に、包装箱100を例えば配送用の外箱や包装紙でくるみ、その保護箱や包装紙の表面にそのシールを貼り付け、配送用の宛先情報として利用することも考えられる。
組み立てられた包装箱100のミシン目130を指などで切断し、切り離された開封部分132を折り目線134に沿って谷折りに折り返すことで、図2と同様の開封状態となり、開封部分122の裏面(第2面)の情報155が読み取れるようになる。
図3及び図4の例では、第2張り出し片140の縦方向の高さは、上フラップ120aの高さと同じであったが、第2張り出し片140の高さはこのような例に限定されるものではない。
また、図3の例では、第2張り出し片140は、上フラップ120aの図中左側の辺144に連接するように設けたが、これは一例に過ぎない。第2張り出し片140は、展開図シートを箱体へと組み立てた後、その箱体から外側に露出する部分に設ければよいので、例えば上フラップ120aの図中の上限の辺に第2張り出し片140が連接するような設計を採用してもよい。
また、第2張り出し片140は、上フラップ122aの図中右側、上側、下側の辺に連接するように設けてもよい。また、下フラップ120b又は下フラップ122bの図中上側又は下側の辺に連接するように設けてもよい。なお、下フラップ120bの図中左側の辺、及び下フラップ122bの図中右側の辺は、組み立て後はそれぞれ上フラップ120a及び122aにより覆われてしまうので、それらの辺は第2張り出し片140を設けるには適さない。
なお、図3の例では、包装箱の壁面を構成する底面板112、上面板114、前面板116、後面板118、上フラップ120a及び下フラップ120b、上フラップ122a及び下フラップ122bの辺のうち、他の板、フラップ及び糊代片のいずれにも連接していないのは、以上に第2張り出し片140を設けることが可能として例示した上下フラップの各辺のみである。しかし、箱体の展開図における壁面と壁面、及び壁面と糊代片との連接関係が図3に例示するものと異なる場合も考えられる。このような場合には、箱体の壁面を構成する面板の空いている辺、すなわち他の壁面又は糊代片に連接しない辺、に第2張り出し片140を設けることができる場合もある。
以上の例では、第1張り出し片150の第2部分154及び第3部分156は、それぞれ開封部分132の上面板114内の部分及び前面板116内の部分と同寸法であったが、これは一例に過ぎない。第1張り出し片150の第2部分154及び第3部分156は、張り合わされた時にそれぞれ開封部分132の上面板114内の部分及び前面板116内の部分の中に収まる寸法であればよい。このような寸法であれば、組み立て後にミシン目130を切り開く際に、第1張り出し片150が邪魔にならない。
また、図3の例のように第1張り出し片150の第2部分154に情報155を印刷する構成の場合、第3部分156はなくてもよい。
以上の例では、開封部分132の折り返し辺134が存在する上面板114の4つの外周辺のうち、折り返し辺134を挟んで開封部分132に対して逆側にある外周辺に第1張り出し片150を設けたが、これは一例に過ぎない。例えば、上面板114の左右いずれかの外周辺に他の面板、フラップ及び糊代片のいずれも連接していない場合、その外周辺に対して同様に張り出し片150を設けてもよい。
また、第1張り出し片は、開封部分132が設けられる上面板114ではなく、その上面板114に連接する他の面板又はフラップに設けてもよい。この一例を図5に示す。
図5の例では、上面板114に連接する上フラップ122aの、上面板114から遠い側の外周辺169に、第1張り出し片160が連接している。この例では、第1張り出し片160の図中縦方向の高さは、上面板114の高さと等しい。この例の第1張り出し片160は、辺169にて山折りで折り返されたときに上面板114の第2面(裏面)側に貼り合わせられる開封部分161、上フラップ122aの第2面側に貼り合わせられるフラップ部分168、及び開封部分161とフラップ部分168とを連結するための連結部分166とを含む。
図5の例では、開封部分161の図中横幅W6は、開封部分132の横幅W1と等しく、フラップ部分168の横幅W4は、上フラップ122aの横幅W3と等しい。
また、連結部分166の横幅W5は、上面板114の開封部分132の右端から上面板114の右側の外周辺までの幅W2に等しい。
開封部分161は、図中上側の第1部分162と下側の第2部分164とから構成される。第1張り出し片160が辺169で折り返されると、第1部分162は、上面板114の上側の外周辺と折り目線134との間の部分に、第2部分164は開封部分132の上面板114内の部分に、それぞれ重なることになる。この第2部分164の第1面(表面。すなわち図5の紙面の表面側)には、図3の例における情報155と同様の個人に関する情報165が印刷される。第1部分162と第2部分164との境界線170は、折り返されたときに、開封部分132の折り目線134に重なる位置にある。連接部分166の上側の辺は、上面板114及び第1部分162の上側の辺と同じ高さにあり、連接部分166の下側の辺は、開封部分132の折り目線134及び開封部分161の境界線170と同じ高さにある。
図5に示す展開図シートを組み立てる場合、まず境界辺169で第1張り出し片160を折り返して、開封部分161及び連結部分166の第2面を上面板114の第2面に、フラップ部分168の第2面を上フラップ122aの第2面に、それぞれ貼り合わせる。その後、展開図シートを箱体の形に組み立てることで、図4に例示したのと同様の包装箱100が完成する。
図5の例では、第1張り出し片160の第2部分164は、開封部分132のうちの上面板114内の部分にぴったり重なるとともに、第2部分164の左右両辺は展開図シート状の他の部分と連接していない。したがって、組み立て後にミシン目130を切り開く際に、第2部分164はその切り開き作業の妨げにならない。
以上に例示した図3及び図5の本実施形態の展開図シートでは、第1張り出し片150及び160の個人に関する情報155及び165、第2張り出し片140の個人を特定するための情報142は、共に、組み立て後の包装箱100の外表面となる展開図シートの第1面(表面)に印刷される。包装箱100の外表面には、一般に色や柄が印刷されるので、展開図シートの第1面は印刷可能な表面性状を持った面となっている。図3及び図5の展開図シート形状を用いた場合、第1張り出し片150及び160、並びに第2張り出し片140のうちのそのような第1面側の面に対し、各種の情報が印刷されることになる。展開図シートの第2面は、何も印刷しなくてよいので、印刷可能な表面性状を持たなくてもよい。
これに対し、図1に例示した従来の包装箱の展開図シートの場合、個人に関する情報33は包装箱10の内面側の面に印刷される。したがって、従来の展開図シートを構成する用紙は、両面とも印刷可能なものである必要がある。
図3及び図5に例示した本実施形態の展開図シートは、例えば、バリアブル印刷技術を用いて片面印刷で一度に印刷してもよい。この場合、例えば、展開図シートの各面板や糊代片の境界線(折り目線として機能する)及び外表面の色や柄などを定型画像とし、これに対し、宛先の個人ごとの個人に関する情報155又は165及び個人を特定するための情報142をバリアブル(可変)画像として合成し、合成結果の画像を片面印刷の印刷装置で厚紙等の用紙に印刷すればよい。
図6を参照して、実施形態の包装箱100の作成からそれを用いて包装した品物の発送までのシステム・工程の例を説明する。
このシステムにおいて、データベース60には、顧客からの注文に関連する情報が登録されている。個々の注文の情報には、顧客の識別情報、注文の品物を特定する情報、宛先の氏名及び住所、包装箱の内面に印刷するメッセージの情報などが含まれる。印刷装置62は、包装箱の材料となる厚紙等のシートの第1面(包装箱の外表面となる面)に対して、図3又は図5に例示するような展開図の輪郭線及び折り目線を印刷する。また、このとき同時に、又はその前に、又はその後で、展開図シートの第1面のうち、包装箱100の外表面を構成する各面(展開図シートの第1面のうちすなわち第1張り出し片150及び第2張り出し片140を除いた領域)に色又は柄を印刷してもよい。また、この輪郭線や折り目線の印刷時、あるいは外表面の色又は柄の印刷時、あるいはその後で、印刷装置62が、データベース60から注文についての宛先及びメッセージの情報を読み出し、宛先の情報は第2張り出し片140の位置に、メッセージは第1張り出し片150又は160の位置に、それぞれ印刷する。この印刷は、いわゆるバリアブル印刷である。印刷結果検査装置64は、印刷されたシートに印刷誤りがないか検査する。例えば、印刷結果検査装置64は、第1張り出し片150又は160に印刷された情報155又は165と、第2張り出し片40に印刷された情報142とをそれぞれ読み取って文字認識し、認識した文字列情報をデータベース60に登録された情報と突き合わせることで、情報155及び142の印刷結果にそれぞれ誤りがないか、及び、情報155又は165と142とが同じ注文に対応するものなのかを確認する。この確認で誤りが見つかれば、当該シートはその後の工程には流さない。なお、印刷結果の検査は、目視で行ってもよい。装置による検査でも目視検査でも、検査対象の情報155又は165及び142はシートの同じ面に印刷されているので、シートの一方の面を検査するだけでよい。
印刷結果検査装置64で印刷結果が正しいと判定されたシートは、後処理システム66に渡される。後処理システム66は、例えば裁断機、ミシン目カッター、製箱機などを含んでいる。後処理システム66は、展開図の輪郭線に沿ってシートを裁断し、ミシン目130、及び、第2張り出し片140の切り取りのための辺144に沿ったミシン目を刻み、裁断された展開図を折り込み、糊付けして箱の形に組み立てる。このように包装箱100を自動組立する場合には、品物を入れるために少なくとも1つの口(例えば左又は右の側面)は糊付けせずに開けておく。このようにして作成された包装箱100の半製品は、包装工程68に回される。なお、包装箱の組立は、手作業で行ってもよい。
包装工程68では、その包装箱100に対して注文の品物を入れ、包装箱100を完全に閉じる。このとき、包装箱100の第2張り出し片140に印刷された宛先の個人に関する情報142を参照したり、バーコードリーダなどで読み取ったりすることで、その包装箱100と、それに入れる品物とが合致しているかどうかを確認する。品物が入れられて閉じられた包装箱100は、発送工程70に送られる。
発送工程70では、その包装箱100から第2張り出し片140が切り取られ、切り取り後の包装箱100が配送用の外箱又は包装紙によりくるまれ、その外箱又は包装紙に対して宛先のシールが貼付される。このとき、切り取った第2張り出し片140と宛先のシールとを突き合わせることで、正しい宛先シールかどうかを確認してもよい。また、前述のように第2張り出し片140自体にシールとして宛先の情報142を印刷しておき、そのシールを剥がして外箱等に貼付してもよい。
以上の例では、包装箱100の宛先が個人である場合を典型例として説明したが、包装箱100の宛先は会社等の組織や団体などであってももちろんよい。
10,100 包装箱、12,112 底面板、14,114 上面板、16,116 前面板、18,118 後面板、20a,22a,120a,122a 上フラップ、20b,22b,120b,122b 下フラップ、126a,126b,128a,128b、128c 糊代片、130 ミシン目、132 開封部分、140 第2張り出し片、142 個人を特定する情報、150,160 第1張り出し片、155,165 個人に関連する情報。
Claims (5)
- 一枚物の展開図のシートから組み立てられた閉じた箱体を含み、
前記展開図のシートの両面のうち、前記箱体の外面を構成する側の面を第1面とし、前記箱体の内面を構成する側の面を第2面とした場合に、
前記展開図のシートは、
前記箱体の各壁面となる互いに連接した複数の壁面部であって、それら壁面部のうちの少なくとも第1の壁面部には折り目線と切取線とにより囲まれた開封部分が設けられており、前記切取線を切断することで前記開封部分を当該第1の壁面部の残りの部分から切り離すことにより前記開封部分を前記折り目線に沿って折り返せるように構成されていることを特徴とする複数の壁面部と、
前記第1の壁面部の外周辺、又は前記第1の壁面部に前記展開図上で連接した第2の壁面部の外周辺のうち、前記展開図上で他の壁面部に連接しない外周辺に連接して設けられた第1の張り出し片であって、前記箱体の内面側に折り返されると前記第1の壁面部の前記開封部分に重畳する重畳部分を有するとともに、当該重畳部分の前記第1面側の面には当該箱体の宛先対象に関する第1の情報が印刷されていることを特徴とする第1の張り出し片と、
前記複数の壁面部のうちの少なくとも1つの壁面部の外周辺のうち前記展開図上で他の壁面部に連接しない外周辺に対して連接した第2の張り出し片であって、当該第2の張り出し片の前記第1面側の面に、前記宛先対象に関する第2の情報が印刷されていることを特徴とする第2の張り出し片と、
を有し、
前記第1の張り出し片が前記箱体の内面側に折り返されて前記重畳部分の前記第2面側の面が前記開封部分の前記第2面側の面に貼り合わされ、かつ前記第2の張り出し片が前記箱体の外側に位置するように前記展開図のシートが組み立てられることにより形成された包装箱。 - 前記各壁面部の前記第1面側の面に色又は柄が印刷されていることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
- 前記複数の壁面部のうちの少なくとも1つの壁面部の外周辺のうち前記展開図上で他の壁面部に連接しない外周辺に連接して設けられ、当該壁面部を当該展開図上では連接していない他の壁面部と貼り合わせるための糊代片、を更に備え、
前記第2の張り出し片は、前記複数の壁面部のうちの少なくとも1つの壁面部の各外周辺のうち、他の壁面部及び糊代片のいずれとも連接せず且つ組み立てられた場合に前記箱体の外面側に露出する外周辺、に対して連接していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の包装箱。 - 前記第2の張り出し片が前記壁面部に連接する連接部には、前記張り出し片の当該壁面部からの切り離しを容易にするためのミシン目が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の包装箱。
- 前記第2の張り出し片の前記第2の情報が印刷される側の面には、剥がして再貼付可能なシールが貼付されており、そのシールに対して前記第2の情報が印刷されている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の包装箱。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2011
- 2011-01-06 JP JP2011001174A patent/JP2012140175A/ja not_active Withdrawn
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