JP2012140127A - 補助具および船体 - Google Patents
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Abstract
【課題】船体の航行や停泊中の安定を補助する船体の補助具を提供する。
【解決手段】補助具1Bは、船体又は船体の少なくとも底部に配される底部材の底面に配され、進行方向に沿う第1方向に交差する第2方向に沿って延びるヒレ状部材4を備え、ヒレ状部材4は、第1方向の逆方向に向かって開口する袋状部40を形成し、さらに、ヒレ状部材4と船体または底部材との間に水を通す水通し部5を備え、水通し部5は、ヒレ状部材4における袋状部40の開口と反対側の前縁近傍に設けられる。
【選択図】図9
【解決手段】補助具1Bは、船体又は船体の少なくとも底部に配される底部材の底面に配され、進行方向に沿う第1方向に交差する第2方向に沿って延びるヒレ状部材4を備え、ヒレ状部材4は、第1方向の逆方向に向かって開口する袋状部40を形成し、さらに、ヒレ状部材4と船体または底部材との間に水を通す水通し部5を備え、水通し部5は、ヒレ状部材4における袋状部40の開口と反対側の前縁近傍に設けられる。
【選択図】図9
Description
本発明は、船体の航行を補助する船体の補助具に関する。
従来より、水上を航行する船体は、風や水の流れによって進行方向と異なる方向へ流されることがある。進行方向の逆方向に吹く向かい風が強いときは、進行方向への推進力が低減される。また、船体は水上に停泊しようとするときでも、絶えず風や波の影響を受けて、安定して浮かんでいることが困難である。
船体が進行方向に直交する方向に流れること、いわゆる横流れを防ぐ装置として船体の底面側に取り付ける板状の補助具が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載の板状の補助具は、船体に対して直角に固定して接着されており、水流の流れに柔軟に応じることができなかった。また、特許文献1記載の補助具では、横に吹く風や流れる水に対抗するのみで、船体の進行方向への航行を補助したり、水上での揺れ防止(ローリング防止)には効果がないという問題があった。
本発明は、船体に対して吹く風や流れる水の方向を問わず、船体の進行方向への航行や停泊中の安定を補助することのできる船体の補助具を提供することを目的とする。
(1) 船体又は該船体の少なくとも底部に配される底部材の底面に配される補助具であり、進行方向に沿う第1方向に沿って延びるとともに該第1方向に交差する第2方向に離間する一以上の一対の第1ヒレ状部材及び/又は前記第2方向に沿って延びる第2ヒレ状部材を備える補助具であって、前記第1ヒレ状部材は、互いに対向するように接合され、前記第2ヒレ状部材は、前記第1方向の逆方向に向かって開口する袋状部を形成する補助具。
(2) さらに、前記第1ヒレ状部材及び/又は前記第2ヒレ状部材と前記船体または前記底部材との間に水を通す水通し部を備え、該水通し部は、前記第1ヒレ状部材と、前記船体または前記底部材と、が部分的に接合された一の接合部と他の接合部との間及び/又は前記第2ヒレ状部材における前記袋状部の開口と反対側の前縁近傍に設けられる(1)記載の補助具。
(3) 前記第1ヒレ状部材は、前記一対のうちのそれぞれが前記第1方向に長い縦長の形状であり、複数対設けられた状態の側面視において、各対の第1ヒレ状部材の前記第1方向の長さを合わせた長さが、一対の前記第1ヒレ状部材の長さよりも長くなるように前記第1方向に沿って設けられる(1)または(2)記載の補助具。
(4) (1)から(3)いずれか記載の補助具に用いる第1ヒレ状部材であって、前記一対のうちのそれぞれの第1ヒレ状部材は、前記第1方向に長い縦長の形状であり、長手方向における一の側縁が、前記第1ヒレ状部材と前記船体または前記底部材に対して部分的に接合される第1ヒレ状部材。
(5) (1)から(3)いずれか記載の補助具に用いる第2ヒレ状部材であって、前記第2ヒレ状部材は、前記袋状部の開口の反対側において前記第2方向に延びる前縁と、前記開口側の後縁と、を備え、前記第2ヒレ状部材を前記船体または前記底部材に取り付けた状態において、前記前縁の長さよりも前記後縁の長さの方が長い第2ヒレ状部材。
(6) 船体の底部に配され該船体の進行方向に沿う第1方向に沿って延びるとともに該第1方向に交差する第2方向に離間する一以上の一対の第1ヒレ状部材及び/又は前記第2方向に沿って延びる第2ヒレ状部材を備え、前記第1ヒレ状部材は、互いに対向するように接合され、前記第2ヒレ状部材は、前記進行方向の逆方向に向かって開口する袋状部を形成する船体。
本発明によれば、船体に対して吹く風や流れる水の方向を問わず、船体の進行方向への航行や停泊中の安定を補助することのできる船体の補助具を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施形態は、下記の実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲は、これに限定されるものではない。
<第1実施形態>
1.全体構成
補助具1は、船体の底面又は船体の少なくとも底部に配される底部材2に配置される。補助具1は、船体の底面に直接取り付けてもよく、又は船体を覆うボートカバーなどの被覆部材において船体の底部に配される底部材2に取り付けてもよい。第一実施形態においては、補助具1は、船体としてのゴムボート10を覆うボートカバー11の底部材としての底シート2に取り付けられる。
1.全体構成
補助具1は、船体の底面又は船体の少なくとも底部に配される底部材2に配置される。補助具1は、船体の底面に直接取り付けてもよく、又は船体を覆うボートカバーなどの被覆部材において船体の底部に配される底部材2に取り付けてもよい。第一実施形態においては、補助具1は、船体としてのゴムボート10を覆うボートカバー11の底部材としての底シート2に取り付けられる。
図1に示すように、補助具1は、進行方向に沿う第1方向に沿って延び、この第1方向に交差する第2方向に離間する一以上の一対の第1ヒレ状部材3及び/又は第2方向に沿って延びる第2ヒレ状部材4を備える。第1ヒレ状部材3は、第2方向において互いに対向するように底シート2に接合され、第2ヒレ状部材4は、第1方向の逆方向に向かって開口する袋状部40を形成している。
補助具1は、第1ヒレ状部材3及び/又は第2ヒレ状部材4と底シート2との間に水通し部5を備える。第1ヒレ状部材3と底シート2との間の水通し部51は、第1ヒレ状部材3が底シート2に部分的に接合された場合の接合部30のうち、一の接合部30と他の接合部30との間に設けられる。また、第2ヒレ状部材4と底シート2との間の、水通し部5としての水通し穴52は、第2ヒレ状部材4における袋状部40の開口45の反対側に位置する前縁41近傍に設けられる。
2.ゴムボート及びボートカバー
ゴムボート10は、底面が楕円形で実質的に平坦であり、長手方向の端部がU字型となっている。ゴムボート10の側縁は内部に空気を含む気胴12を有し、この気胴12がゴムボート10の水面に対する高さ方向の側壁の役割も果たす。ゴムボート10は、気胴12を側壁とし、断面から見た場合、側壁に囲まれる平坦な底面を有する凹状の形状である。
ゴムボート10は、底面が楕円形で実質的に平坦であり、長手方向の端部がU字型となっている。ゴムボート10の側縁は内部に空気を含む気胴12を有し、この気胴12がゴムボート10の水面に対する高さ方向の側壁の役割も果たす。ゴムボート10は、気胴12を側壁とし、断面から見た場合、側壁に囲まれる平坦な底面を有する凹状の形状である。
ボートカバー11は、ゴムボート10の底面と側面を被覆して、ゴムボート10を包み込む。ボートカバー11は、不透水性の素材で製造される。ボートカバー11の側縁は、伸縮性を有する。具体的には、側縁にはゴムなどの弾性伸縮部材が配置される。ボートカバー11は、全体として凹部を形成し、この凹部の内面にゴムボート10が配置される。凹部は開口を有し、この開口部は、ゴムボート10の底面に配置される。このため、ゴムボート10の底面の内側面(水面と反対側の面)には、ボートカバー11は配置されない。
3.底シート
図1に示すように、底シート2は、ボートカバー11の一部分であり、ゴムボート10の底の外面(水と接する側の面)を覆っている。底シート2は楕円形状の平面を有する。この平面は、ボートの進行方向である第1方向Xに長く、第1方向Xに交差する第2方向Yに短い寸法を有する。第1方向Xの前方側をF、後方側をRで示す。
図1に示すように、底シート2は、ボートカバー11の一部分であり、ゴムボート10の底の外面(水と接する側の面)を覆っている。底シート2は楕円形状の平面を有する。この平面は、ボートの進行方向である第1方向Xに長く、第1方向Xに交差する第2方向Yに短い寸法を有する。第1方向Xの前方側をF、後方側をRで示す。
4.第1ヒレ状部材
図1に示すように、第1ヒレ状部材3は、第1方向に延びるように長い縦長の形状である。第1ヒレ状部材3は、底シート2の水と接する方の側すなわち外面に、第2方向に離間して互いに対向するように一対接合される。第1ヒレ状部材3は、底シート2に対する角度を水の流れに応じて変更可能に接合される。このとき、第1ヒレ状部材3は、底シート2に対してゴムボートの中央側、すなわち内側に傾くように接合されてよい。このときの底シート2に対する第1ヒレ状部材3の角度は、50度から75度、好ましくは60度から75度の範囲を例示できる。
図1に示すように、第1ヒレ状部材3は、第1方向に延びるように長い縦長の形状である。第1ヒレ状部材3は、底シート2の水と接する方の側すなわち外面に、第2方向に離間して互いに対向するように一対接合される。第1ヒレ状部材3は、底シート2に対する角度を水の流れに応じて変更可能に接合される。このとき、第1ヒレ状部材3は、底シート2に対してゴムボートの中央側、すなわち内側に傾くように接合されてよい。このときの底シート2に対する第1ヒレ状部材3の角度は、50度から75度、好ましくは60度から75度の範囲を例示できる。
図2は、底シート2と第1ヒレ状部材3との関係を示す本実施形態にかかる補助具1の断面図であり、ゴムボートの進行方向の後方側から見た図である。図2に示すように、底シート2と第1ヒレ状部材3との間に水かき状の接合部材31が取り付けられる。具体的には、第1ヒレ状部材3の内側の面の一部に沿うようにシート状の接合部材の一部31aを接合し、また、接合部材の他の一部31bを底シート2に接合する。これら第1ヒレ状部材3の内側に接合した接合部材の一部31aと、底シート2に接合された接合状部材の他の一部31bとの間を連結するようにして接合部30を形成する。
第1ヒレ状部材3は、底シート2に部分的に接合されることが好ましい。接合部30は、第1ヒレ状部材3の長手方向において断続的に形成される。本実施形態においては、以下に説明する第2ヒレ状部材4が配置される位置に、第2ヒレ状部材4と平行して接合される。
第1ヒレ状部材3の寸法は、ゴムボートや船体の大きさによって適宜変更される。本実施形態の場合、短手方向の幅が10cmから13cm、長手方向の長さが100cmから160cm程度を例示できる。
第1ヒレ状部材3には、平板状の可撓性を有する樹脂などの板や、耐水性の繊維により織られた剛性の高い布、シートなどが用いられる。第1ヒレ状部材3、接合部材31及び底シート2は、強度が高く、耐水性の繊維(例えばナイロンなどの化学繊維)を用いた紐などを用いて縫合される。このような構成により、第1ヒレ状部材3は、水の流れによって内側に折れ曲がり、底シート2に重なるように移動したり、底シート2から遠ざかり、垂直方向下側へ開くように移動したり、向きを自在に変更することができる。第1ヒレ状部材3が自在に向きを変更することができれば、接合方法はこれに限られない。
第1ヒレ状部材3は、第2方向Yに流れる水の流れに抵抗することができ、水の流れに応じてゴムボート10の内側に移動することのできる強度と重量を備えることができれば、素材は特に限定されない。例えば木製やゴム製であってもよい。金属であってもよいが、水中に漬かるため腐蝕性、防錆性を有することが好ましい。
5.第2ヒレ状部材
第2ヒレ状部材4は、第1方向Xに交差する第2方向Y側が長く、第1方向X側が短い寸法を有する。第2ヒレ状部材4は、底シート2の外面側に、第2方向Yに沿って延びるように配置される。ここで第1方向Xに交差する方向Yとは、第1方向Xに対して1度から90度の間の範囲、好ましくは45度から90度の範囲に交差する方向を意味する。本実施形態においては、第2ヒレ状部材4は四つ互いに間隔をあけて配置される。
第2ヒレ状部材4は、第1方向Xに交差する第2方向Y側が長く、第1方向X側が短い寸法を有する。第2ヒレ状部材4は、底シート2の外面側に、第2方向Yに沿って延びるように配置される。ここで第1方向Xに交差する方向Yとは、第1方向Xに対して1度から90度の間の範囲、好ましくは45度から90度の範囲に交差する方向を意味する。本実施形態においては、第2ヒレ状部材4は四つ互いに間隔をあけて配置される。
図1に示すように、第2ヒレ状部材4の長手方向の側縁のうち、ゴムボートの進行方向の前方側Fに位置する前縁41は、底シート2と従来公知の方法で接合される。また第2ヒレ状部材4の短手方向の側縁43、44は、第1方向に沿って接合される。第2ヒレ状部材4の長手方向の側縁のうち、ゴムボートの進行方向の後方側Rに位置する後縁42は、底シート2と接合されない。第2ヒレ状部材4は、底シート2に取り付けた状態において、前縁41の長さよりも後縁42の長さの方が長い。
第2ヒレ状部材4の前縁41と一対の側縁43、44を底部材2と接合することにより、底シート2と第2ヒレ状部材4との間に袋状部40が形成され、後縁42は接合されていないため、第2ヒレ状部材4の後縁42側は、袋状部40の開口45となる。また、第2ヒレ状部材4は、底シート2に取り付けた状態において、前縁41の長さよりも後縁42の長さの方が長いため、後縁42側がたるみ、襞が形成される。
図3Aに示すように、第2ヒレ状部材4は、底シート2に接合する前においては、弧状に湾曲したシート状部材である。図3Bに示すように、これを底シート2に接合する際、前縁41を構成する側縁を直線状に配置する。また、第1方向Xに沿う側縁43、44を構成する側縁を第1方向Xに対して実質的に平行に接合する。
第2ヒレ状部材4は、ボートカバー11の底部材2と同様、不透水性の素材で作製される。第2ヒレ状部材4は、水の流れる方向によって柔軟に変形可能とするため、シート状の部材であることが好ましい。柔軟なシート状の部材で形成されることで、後縁42側に襞が形成可能となる。
6.水通し部
底シート2と第1ヒレ状部材3及び底シート2と第2ヒレ状部材4との間には、それぞれ水通し部5が設けられる。底シート2と第1ヒレ状部材3との間の水通し部51は、第1ヒレ状部材3が底シート2に部分的に接合されることにより、一の接合部30と他の接合部30との間に形成される。本実施形態においては、底シートや第1ヒレ状部材3はシート状の柔軟な素材で構成されるため、第1ヒレ状部材に穴などを形成せずとも、底シート2と第1ヒレ状部材とを接合しない部分を設けるのみで、水が水通し部を通る。
底シート2と第1ヒレ状部材3及び底シート2と第2ヒレ状部材4との間には、それぞれ水通し部5が設けられる。底シート2と第1ヒレ状部材3との間の水通し部51は、第1ヒレ状部材3が底シート2に部分的に接合されることにより、一の接合部30と他の接合部30との間に形成される。本実施形態においては、底シートや第1ヒレ状部材3はシート状の柔軟な素材で構成されるため、第1ヒレ状部材に穴などを形成せずとも、底シート2と第1ヒレ状部材とを接合しない部分を設けるのみで、水が水通し部を通る。
底シート2と第2ヒレ状部材4との間の水通し部5は、第2ヒレ状部材4の前縁41側に、水通し部5としての水通し穴52を形成することにより設けられる。水通し穴52は、袋状部40の開口45と反対側の縁である前縁41近傍に形成される。水通し穴52により、第2ヒレ状部材4と底シート2の間の袋状部40に流入した水が水通し穴52を通って袋状部40の外に逃げる。水通し穴52は、第2ヒレ状部材4の前縁41側に形成されていれば、形状、数は特に限定されない。
7.覆い部材
上述の水通し穴52を覆うように、第2ヒレ状部材4の前縁41側に、覆い部材6が配置される(図5参照)。覆い部材6は、水通し穴52の前方側の辺縁近傍において、第2ヒレ状部材4の前縁41側に接合される。覆い部材6は、水通し穴52の前方側の辺縁近傍以外は接合されない。接合は、覆い部材6を第2ヒレ状部材4と縫合する又は粘着材で接着するなど、従来公知の方法で行ってよい。
上述の水通し穴52を覆うように、第2ヒレ状部材4の前縁41側に、覆い部材6が配置される(図5参照)。覆い部材6は、水通し穴52の前方側の辺縁近傍において、第2ヒレ状部材4の前縁41側に接合される。覆い部材6は、水通し穴52の前方側の辺縁近傍以外は接合されない。接合は、覆い部材6を第2ヒレ状部材4と縫合する又は粘着材で接着するなど、従来公知の方法で行ってよい。
覆い部材6は、水通し穴52の前方側の辺縁近傍においてのみ接合されているため、水流S4が袋状部40を通って後方側Rから前方側Fに流れ込んだときには、水流S4に押されて前方側Fに傾くことができる。覆い部材6は、不透水性のシート状部材で作製されるが、水流S4に押されて変形することが可能な軽さと柔軟さを有していれば、素材は特に限定されない。
8.使用の状態
第1ヒレ状部材3と第2ヒレ状部材4とは、補助具を使用する状態においてともに底シート2の下方に向く。そして、底シート2と第1ヒレ状部材3又は第2ヒレ状部材4との間に存在する水が抵抗となって、ゴムボートなどの船体の航行を補助する点で共通する。
第1ヒレ状部材3と第2ヒレ状部材4とは、補助具を使用する状態においてともに底シート2の下方に向く。そして、底シート2と第1ヒレ状部材3又は第2ヒレ状部材4との間に存在する水が抵抗となって、ゴムボートなどの船体の航行を補助する点で共通する。
図4は第1実施形態に係る船体の補助具の第1ヒレ状部材3の作用の一例を説明するための断面図である。説明のため、第2ヒレ状部材4は省略してある。ゴムボート10が航行しているときに第2方向の矢印A側に横風が吹くと、ゴムボート10は、風に押されて矢印A側に移動する。風に当たる方の第1ヒレ状部材3は、ゴムボート10が移動すると、内側に水が存在するため矢印Aと反対側に開く。ゴムボート10が矢印A側に移動しようとするときに、第1ヒレ状部材3が開くと、底シート2と開いた第1ヒレ状部材3との間にある水が抵抗となって、ゴムボートが矢印A側へ移動することを抑制する。風が矢印Aの逆から吹いた場合もまた同様である。
また、ゴムボートが航行しているときに第2方向から高波が寄せた場合、ボートは傾く。ボートの一方が上に押し上げられて傾いても、下がるように傾いても、第1ヒレ状部材3と底シート2との間の水により第1ヒレ状部材3が開く。このため、底シートと第1ヒレ状部材3の内側に存在する水が抵抗となって、第1ヒレ状部材3がボートの傾きを抑制し、ボートを水平に安定させるような働きをして航行を補助する。
本実施形態によれば、第1ヒレ状部材3と底シート2との間には、水通し部51が形成されている。矢印Aの方向に横風が吹くと、ゴムボート10が、このゴムボート10の外側から内側に向かって押される。ゴムボート10が押されると、ゴムボート10の下方から第1ヒレ状部材3と底シート2の隙間を通って内側から外側(矢印S1で示される方向)へ流れる水の流れが生じる。この水の流れにより、第1ヒレ状部材3に対して矢印S2で示される方向に水圧が生じる。この水圧により、ゴムボート10の内側から外側へ、第1ヒレ状部材3と底シート2との隙間である水通し部51を通った水の一部が、第1ヒレ状部材3の外面側の矢印S3で示される方向へ流れ、矢印S3で示される方向の水の流れによりボートが水面に吸いつけられる。
水中において、底シート2に対する1対の第1ヒレ状部材3の角度Pは、50度から75度、好ましくは60度から75度の範囲である。この範囲であると、矢印S3で示される方向の水の流れが生じやすく、ゴムボート10が第2方向に流れる横流れが効果的に防止される。
第1ヒレ状部材3は、可撓性を有する柔軟な部材で作製されるため、ゴムボート10の進行方向を転換する際、方向転換に伴ってゴムボートの前方側と後方側が逆を向き、その中間でねじれるように変形する。このため、第1ヒレ状部材3を底シートに取り付けても、ゴムボート10の操舵に影響がない。
なお、第1ヒレ状部材3が第2方向に吹く風を受けると、その風に押されてボートが斜め前に進む。このため、横風の力を利用してボートの第1方向への航行を補助することができる。
次に、第2ヒレ状部材4の作用の説明をする。図2に戻って、図2はゴムボート10が水中で第1方向Xに進んでいる状態の本実施形態に係る補助具1を後方から見た断面図である。上述の通り、第2ヒレ状部材4が底シート2に取り付けられた状態において、後縁42の長さは、前縁41の長さよりも長いため、袋状部40の開口45はたるんで襞状に形成されている。第2ヒレ状部材4は、シート状の柔軟な部材で作成されているため、外部から加えられる力や底シート2の向きによって相対的に変化し、底シート2に対して近接したり離間したりする。ゴムボート10が水に浮いている状態で、後方又は側方から風や波を受けると、第2ヒレ状部材4袋状部40は水を内部に含んで広がる。
第2ヒレ状部材4は、前縁41と、第1方向に沿う一対の側縁43、44において底シート2と接合され、進行方向と逆方向に開口45を有する袋状部40を有する。このため、ゴムボート10が向かい風や進行方向と逆方向に流れる水に逆らって進む場合において、袋状部40に含んだ水が抵抗となり、逆方向へ戻りにくくなる。
また、後縁42の長さは、前縁41の長さよりも長いため、ゴムボート10が前に進んでいるときも、底シート2と第2ヒレ状部材4がぴったりと貼り付くことがない。また、襞の形成にともなって、底シート2とヒレ状部材4の間に開口45が形成されることにより、水が袋状部40の中に入り込みやすくなる。第2ヒレ状部材4が水中において、袋状部40の内部に水を含むことにより、ゴムボート10が水面に噛み合うように水面と密着する。
図5は、第1実施形態に係る船体の補助具の第2ヒレ状部材4の作用を説明するための縦断面図である。説明のため、第1ヒレ状部材3は省略してある。図5において、水が袋状部へ入り込んでいる状態が示されている。
ゴムボート10が第1方向Xに進もうとするときに、逆方向の矢印B側に風が吹いたり、水が流れたりすると、ゴムボート10には進行方向と逆方向に押し戻される力がかかる。しかし、袋状部40の中に水が入り込んでおり、この水が抵抗となって、押し戻されることが抑制される。
第2ヒレ状部材4の前縁41近傍には、水通し部5としての水通し穴52が形成されている。第2ヒレ状部材4周辺の水は、ゴムボート10が航行したり停泊しているときに袋状部40の内部へ入り込む。ここで、水通し穴52が形成されていることにより、袋状部40の内部の水が第2ヒレ状部材4の前縁41側の内側の面に当たって跳ね返される抵抗が低減される。このため、水が袋状部40の中に入り込みやすくなる。
また、水通し穴52により、水流S4が後方側Rから水通し穴52を通って前方側Fへ抜けると、水中の垂直方向下方側からゴムボート10の底面側に向かう水の流れによりゴムボート10の底面に対する水圧が生じる。この水圧に反発する力がゴムボートの底面から水面に対して生じる。この水圧と反発する力によって、ゴムボートを水面に吸いつける力が働く。この力により、ゴムボートが向かい風や進行方向と逆方向の波に対しても、煽られて浮いてしまうことが防止される。
さらに、補助具1は水通し穴52を覆う覆い部材6を備える。これにより、ゴムボート10が前方へ進んだときに、水中に浮遊する枝、生物やごみなどの浮遊物が水通し穴52に引っ掛かることが防止される。
9.効果
本実施形態によれば、第1方向に沿って底シート2に第1ヒレ状部材3が形成されているため、第2方向に風が吹いたり波が流れたりするときに、底シート2と第1ヒレ状部材3との間の水が抵抗となって、ゴムボート101が第2方向に流されることが防止される。
本実施形態によれば、第1方向に沿って底シート2に第1ヒレ状部材3が形成されているため、第2方向に風が吹いたり波が流れたりするときに、底シート2と第1ヒレ状部材3との間の水が抵抗となって、ゴムボート101が第2方向に流されることが防止される。
底シート2と第1ヒレ状部材3との間には、水通し部51が形成されているため、矢印Sで示される方向に水流が水通し部51を通る際に、ゴムボート10の底面を水面に吸い付ける力が生じる。具体的には、ゴムボート10の下方から底面に向かう水の流れによる水圧と、この水圧に反発する力の働きにより、水通し部51を通った水の一部が第1ヒレ状部材3の外面側に流れてゴムボートが水面に吸いつけられ、ゴムボートの横流れや、転覆が防止されて、航行が補助される。
第2方向に沿ってゴムボート10の底面側の底シート2に第2ヒレ状部材4が形成されている。第2ヒレ状部材は、第2ヒレ状部材4と底シート2との間に袋状部40を形成するように底シート2に接合され、この袋状部40に水が入り込む。このため、向かい風が吹いていたり進行方向の逆方向に流れる水中を航行するときにも、進行方向と逆方向へゴムボート10が戻ることが抑制され、航行が補助される。
第2ヒレ状部材4の前縁41側に、水通し穴52を設けたことにより、水が水通し穴52を通る際に、ゴムボート10の底面を水面に吸いつける力が生じる。具体的には、ゴムボート10の下側から底面に向かう水の流れによる水圧と、この水圧に反発する力の働きにより、ゴムボート10が水面に吸いつけられて水面から浮いてしまうことが防止され、航行が補助される。
第2ヒレ状部材4は水の動きに応じて柔軟に変形可能なシート状の部材で形成され、前縁41と、第1方向Xに沿う側縁43、44のみで接合されているため、ゴムボート101が前後左右に方向を転換したり、進んだりするときにも、補助具1をゴムボート10の底面側に形成したことによる抵抗がほとんど生じない。
さらに、水通し穴52を覆うように、覆い部材6が第2ヒレ状部材4の前縁41側に設けられているため、水通し穴52に水中の浮遊物が引っ掛かることがない。
なお、図1に沿って第1実施形態について説明したが、本発明においては、第1ヒレ状部材3のみ、または第2ヒレ状部材4のみを底シート2に取り付けてもよい。また、第1ヒレ状部材3及び第2ヒレ状部材4の枚数も適宜変更してよい。また、船体もボートに限られない。
<第2実施形態>
図6及び図7を参照して、第2実施形態に係る補助具1Aを説明する。第2実施形態における補助具1Aは、船体の底面2Aに直接取り付けられている。補助具1Aは、第1ヒレ状部材3Aを備え、第1ヒレ状部材3Aは、モーター及びスクリュー70を備える縦長の船体の第1方向に沿って複数対設けられる。図6は、船体を側面から眺めた状態の側面視の状態が表されており、三対の第1ヒレ状部材3Aが第1方向Xに沿って並ぶように配置されている。側面視において、各対の第1ヒレ状部材3Aの第1方向の長さを合わせた長さLは、一対の第1ヒレ状部材3Aの第1方向の長さ1Lよりも長い。
図6及び図7を参照して、第2実施形態に係る補助具1Aを説明する。第2実施形態における補助具1Aは、船体の底面2Aに直接取り付けられている。補助具1Aは、第1ヒレ状部材3Aを備え、第1ヒレ状部材3Aは、モーター及びスクリュー70を備える縦長の船体の第1方向に沿って複数対設けられる。図6は、船体を側面から眺めた状態の側面視の状態が表されており、三対の第1ヒレ状部材3Aが第1方向Xに沿って並ぶように配置されている。側面視において、各対の第1ヒレ状部材3Aの第1方向の長さを合わせた長さLは、一対の第1ヒレ状部材3Aの第1方向の長さ1Lよりも長い。
図7は、補助具1Aを備える船体を正面から見た場合の断面図である。一対の第1ヒレ状部材3Aとは、一方の第1ヒレ状部材と、この一方に対して第2方向に離間して対向する位置に配置される他方の第1ヒレ状部材とからなる。一対の第1ヒレ状部材3Aは、互いに離間して対向するように接合されている。
なお、第2実施形態においては、補助具1Aは、第2ヒレ状部材4を備えなくともよい。
なお、第2実施形態においては、補助具1Aは、第2ヒレ状部材4を備えなくともよい。
モータを有する船体10Aは、木製や金属性等の剛性の高い素材で構成されている。この場合、第1ヒレ状部材3Aは船体と同じく木製や金属等の剛性の高い平板状の部材で作製される。そして、略円筒形の長軸部材32が平板状部材33に連続して取り付けられた形状をしている。船体の底面2A側には、この長軸部材32を挿通可能な穴又は保持可能な凹部を有する船体接合部材310が接合され、長軸部材32の一端と他端を該穴に挿通して第1ヒレ状部材3Aを保持するように取り付ける。
第1ヒレ状部材3Aの長手方向の長さが長く、一端と他端で支えるのみでは十分ではない場合、適宜一端と他端の中間に船体接合部材310を設け、この船体接合部材310が第1ヒレ状部材3Aの長軸部材32を保持できるように、長軸部材32と平板状部材33との間に隙間を形成して取り付けてもよい。本実施形態において、船体10Aは鉄などを含む金属性であり、船体接合部材310と船体10Aとは、溶接により接合される。接合方法は、船体や接合部材の素材によって適宜選択される。
図6及び7に示すように、長軸部材32には、ストッパー34が設けられている。ストッパー34は、長軸部材32から船体10Aの底面2A側に斜めに延びる。ストッパー34は、平板状部材33の短手方向の辺が延びる方向に対して90度を超えて180度未満の角度Qに形成される。例えば、平板状部材33の短手方向の辺が延びる方向に対して105度から130度の角度に形成される。このような角度でストッパーが形成されるため、第1ヒレ状部材3Aはもっとも下方側に向いているときでも、船体の底面に対して50度から75度の角度内側に傾くことができる。
第1実施形態の場合と同様、上記の範囲で第1ヒレ状部材3Aが内側に傾いていると、船体の内側から外側に水が流れて、第1ヒレ状部材3Aと船体10Aの底面2Aとの間を通り、第1ヒレ状部材3Aの外面側を下方に流れる水の流れが生じやすい。なお、船体の底面は平らではなく、中央側が下方に深く、側縁の側が浅くなるように傾いているものが多いが、平板状部材33の短手方向の辺が延びる方向に対するストッパー34の角度は、適宜変更される。
第2実施形態によれば、複数の第1ヒレ状部材3Aの第1方向(長手方向)の長さを合わせた長さが、一対の第1ヒレ状部材3Aよりも長くなるように第1方向に沿って複数対設けられている。このため、水の流れに応じて自由に各対の第1ヒレ状部材3Aが閉じたり開いたりできる。ゴムボート等と比べて船体が大きく、重く、長手方向の長さが長くなった場合、第1ヒレ状部材3Aが一枚の連続した平板状部材で形成されていると、船体の舵取りに影響し、船体が方向を転換しやすくなる。
第2実施形態においても、第1ヒレ状部材3Aと、船体の底面2Aとの間の水が抵抗となって、船体10Aの航行が補助される点で、第1実施形態と共通する。
第2実施形態は、上記のような場合、水の流れや船体にかかる力に応じて各対ごとに傾きの角度を変えることができる。このため、モーターなどが船体の後方についている場合に、モーターから生まれる推進力を妨げない。
さらに、本実施形態のような船体は、左右にローリングする。このような船体に第1ヒレ状部材3Aを設けると、船体が一方に傾くと傾いた方の第1ヒレ状部材3Aが開き、船体が他方に傾くと、傾いた他方の第1ヒレ状部材3Aが開く。船体が左右のどちらに揺れても、第1ヒレ状部材3Aと船体の底面の間にある水が傾きに対する抵抗となり、ローリングが防止される。
図8A及び図8Bは、第2実施形態の変形例を示す、船体の底面から見た平面図である。第1ヒレ状部材3Aは、側面視において一対の第1ヒレ状部材3Aの長さよりも長くなるように第1方向に沿って設けられていれば、各対の第1方向の長さが異なってもよく、数も特に限定されない。図8A図は、第1ヒレ状部材3Aが長く、後方側の第1ヒレ状部材3Aが短いものとなっている。このような実施形態によれば、船体の後方側に設けられているモーターなどの動力源から生まれる推進力により影響が小さい第1ヒレ状部材3Aを提供することができる。
また、所定の第1ヒレ状部材3Aより短い第1ヒレ状部材3Aによれば、船体の方向転換に対応しやすくなる。このため、短い第1ヒレ状部材3Aを複数対設けることで、船体の舵取りや、外部から受ける風や波の力に柔軟に対応することができる。
図8B図は、第1ヒレ状部材3Aが、それぞれ少しずつ内側にずれるようにして、第1方向に沿って設けられている。このような実施形態によれば、大型で船体の底面の面積が大きい場合に、船体の操舵に与える影響が少ない。
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態にかかる補助具1Bを示す斜視図である。本発明にかかる補助具は、船体の底面に配置される底部材2と、船体の進行方向に対して交差する方向に延びるように配置される横長状のヒレ状部材4と、を備え、該ヒレ状部材4は、進行方向における前縁41及び進行方向に沿う方向に延びる一対の側縁43、44において底部材2に接合されている船体の横流れ防止装置を含む。
図9は、第3実施形態にかかる補助具1Bを示す斜視図である。本発明にかかる補助具は、船体の底面に配置される底部材2と、船体の進行方向に対して交差する方向に延びるように配置される横長状のヒレ状部材4と、を備え、該ヒレ状部材4は、進行方向における前縁41及び進行方向に沿う方向に延びる一対の側縁43、44において底部材2に接合されている船体の横流れ防止装置を含む。
ここで、「ヒレ状部材」とは、第2ヒレ状部材4を意味する。第3実施形態によれば、ゴムボート10を覆うボートカバー11の底面側の底シート2に第2ヒレ状部材4のみが取り付けられ、第1ヒレ状部材3は取り付けられていない。第3実施形態にかかる補助具は、第1ヒレ状部材3を備えないという点のみが第1実施形態と異なり、第2ヒレ状部材4に関して第1実施形態で説明したものと同様の構成及び効果を有する。
第3実施形態によれば、ゴムボート10が向かい風や進行方向と逆方向に流れる水中を進む際に、逆方向に押し戻されることが抑制される。また、第3実施形態によれば、ボートカバー11に第2ヒレ状部材4のみが接合されるため軽量であり、取り扱いが容易になる。
<第4実施形態>
図10は、第4実施形態にかかる補助具1Cを示す斜視図である。
第4実施形態にかかる補助具1Cは、ボートの底面に配置される底部材2と、ボートの進行方向に沿う第1方向に沿って延びるとともに該第1方向に交差する第2方向に向かい合って離間する一対のスケグ3Bと、一対のスケグそれぞれの間において底部材2の外面に接合され第2方向に延びるヒレ状部4と、を備えるボートの横流れ防止装置であって、スケグ3Bは、底部材2の外面側において、ヒレ状部4の側である内側に向かって折りたたみ可能に接合されるボートの横流れ防止装置を含む。
図10は、第4実施形態にかかる補助具1Cを示す斜視図である。
第4実施形態にかかる補助具1Cは、ボートの底面に配置される底部材2と、ボートの進行方向に沿う第1方向に沿って延びるとともに該第1方向に交差する第2方向に向かい合って離間する一対のスケグ3Bと、一対のスケグそれぞれの間において底部材2の外面に接合され第2方向に延びるヒレ状部4と、を備えるボートの横流れ防止装置であって、スケグ3Bは、底部材2の外面側において、ヒレ状部4の側である内側に向かって折りたたみ可能に接合されるボートの横流れ防止装置を含む。
ヒレ状部4は、底部材2に対して直交する方向に延びた状態のスケグ3Bの内側の面において、前方側から後方側へ向かって底部材2の外面から遠ざかるように斜めに接合される。ヒレ状部4は、ボートの進行方向に対応する前方側において第2方向に沿って底部材2と接合される。一対のスケグ3Bは、第1方向に離間して複数対設けられる。さらに、第1方向に離間して複数対設けられたスケグ3Bを連結し第1方向に延びる連結スケグ3Cを備える。連結スケグ3Cにおいて、スケグ3Bと連結されていない部分の底部材2と接する側と、底部材2とは、接合されていない。
ここで「ボート」とは、本発明の船体に含まれるものであり、ゴムボート10をいう。「底部材」とは底シート2を意味し、「スケグ」とは、第1ヒレ状部材3、特に図10の短い第1ヒレ状部材3Bを意味する。「連結スケグ」とは、図10の長い第1ヒレ状部材3Cを意味する。「ヒレ状部」とは第2ヒレ状部材4を意味する。また、「ボートの横流れ防止装置」とは、本発明の船体の補助具に含まれるものである。
図11は、第4実施形態に係る短い第1ヒレ状部材3Bと第2ヒレ状部材4とが接合された状態を示す平面図である。図12は、図11の断面図である。図11及び図12に示すように、短い第1ヒレ状部材3Bのそれぞれは、底シート2の外面側において、互いに向き合うように内側に折り畳み可能に接合される。
第4実施形態によれば、第2ヒレ状部材4の第1方向Xに沿う一対の側縁43、44が、第1ヒレ状部材3Bの内側の面3aに接合されている。また、第4実施形態によれば、第1ヒレ状部材3は、第2ヒレ状部材4の短手方向の長さと同程度の長さを有し、第2ヒレ状部材4に対応した数設けられている。そして、これらの短い第1ヒレ状部材3Bを連結する長い第1ヒレ状部材3Cが、第1方向に沿って設けられている。
図11に示すように、第2ヒレ状部材4は、一対の短い第1ヒレ状部材3Bの内側の面3aに接合される。図11に示す円は、短い第1ヒレ状部材3Bと底シート2との接合部30の拡大図である。短い第1ヒレ状部材3Bのそれぞれは、接合片35に縫い付けられる。この接合片35と補強片36が、ボートカバー11の底シート2の外面側に縫い付けられる。接合片35と、補強片36とは、接合部30を構成する。縫合は、強度が高く、耐水性の繊維(例えばナイロンなどの化学繊維)を用いた紐などで行う。
短い第1ヒレ状部材3Bのそれぞれは、接合片35に縫合されることが可能な程度の柔らかさを有する樹脂製の板で作成されるが、接合方法はこれに限られない。より硬い素材で作成される場合には、短い第1ヒレ状部材3Bのそれぞれと底シート2とはヒンジ部材で取り付けられてもよく、短い第1ヒレ状部材3Bの素材や船体の形状等に応じて適宜変更される。
第2ヒレ状部材4は、短い第1ヒレ状部材3Bのそれぞれの内側の面3aに、前方側Fから後方側Rに向かって斜めに接合される。第2ヒレ状部材4は、第1ヒレ状部材3Bが底シート2の外面に対して略垂直に下方に延びたと仮定したときに、第1ヒレ状部材3Bの内側の面3aにおいて、前方側Fから後方側Rに向かって底シート2の外面から遠ざかるように斜めに接合される。短い第1ヒレ状部材3Bのそれぞれは、外側へは開かないように第2ヒレ状部材4と接合される。
長い第1ヒレ状部材3Cは、短い第1ヒレ状部材3Bと取り外し可能に接合されてもよく、短い第1ヒレ状部材3Bに固定して接合されてもよい。
長い第1ヒレ状部材3Cのうち短い第1ヒレ状部材3Bと接合されていない部分と、底シート2とは、接合されていない。ボートカバー11は不透水性の柔軟なシートにより作成されているため、底シート2と長い第1ヒレ状部材3Cとの間に水が流れると、底シート2は水流に押し上げられて水が通ることができる。そして、内側から外側へ第2方向に流れる水は、この隙間を通って逃げていくことができる。このような構成により、第1実施形態の水通し部5と同様の構成及び効果を奏することができる。
なお、第4実施形態における第2ヒレ状部材4Cにおいて、後縁42は袋状部40を形成するようにたるんではいるが、短い第1ヒレ状部材3Bに斜めに接合されているため、襞は形成されていない。また、水通し部5も備えていない。このような形状により、製造工程が簡便になる。
第4実施形態によれば、第1ヒレ状部材3Bと第2ヒレ状部材4とが一体に接合されているため、第1ヒレ状部材3及び第2ヒレ状部材4を備える補助具1Cの製造工程が簡易になる。第1ヒレ状部材3Bと第2ヒレ状部材4とが一体に接合されていても、第1ヒレ状部材3Bと第2ヒレ状部材4とが連動することはなく、それぞれが水や風の流れに合わせて作動できる。
第4実施形態によれば、第1ヒレ状部材3Bは、第1実施形態と比べて長さが短いものが、第2ヒレ状部材4の側縁43、44に対応して接合されている。第1ヒレ状部材3Bの長さが短いので、ゴムボート10の進行方向を転換する際や、突然水の流れが変わった場合などに、迅速に対応することが可能となり、いわば小回りがきく。
第4実施形態によれば、短い第1ヒレ状部材3のそれぞれが、第2ヒレ状部材4と折り畳み可能に接合されているが、短い第1ヒレ状部材3Bや長い第1ヒレ状部材3C、及び第2ヒレ状部材4によって、ゴムボート10が流されようとする方向に対して反対の方向に、ゴムボートを押しとどめる反作用のように働く水の抵抗が生じる点において、第1から第3実施形態と共通する効果を有する。
第4実施形態の変形例として、長い第1ヒレ状部材3Cが配置されずに、短い第1ヒレ状部材3Bのみが第1方向Xに沿って配置されてもよい。他の構成は、第4実施形態と同様である。この変形例によれば、第2方向に対する抵抗となる力は第4実施形態より弱くなるが、第4実施形態よりもさらに小回りが利く。
<その他の実施形態>
なお、本発明の精神又は範囲を離れない限り、追加、省略、置換又は他の修正は制限されない。例えば、図13に示すように、第1ヒレ状部材3Dの水面側の先端が互いに離間する方向に向くように接合されてもよい。図13のような実施形態においても、第2方向から吹く風や、水の流れに対して第2ヒレ状部材4が抵抗となり、第1実施形態と同様の効果を奏する。この場合、特に高波が発生しない水中での使用に適する。
なお、本発明の精神又は範囲を離れない限り、追加、省略、置換又は他の修正は制限されない。例えば、図13に示すように、第1ヒレ状部材3Dの水面側の先端が互いに離間する方向に向くように接合されてもよい。図13のような実施形態においても、第2方向から吹く風や、水の流れに対して第2ヒレ状部材4が抵抗となり、第1実施形態と同様の効果を奏する。この場合、特に高波が発生しない水中での使用に適する。
図14A及び図14Bは、本発明の他の変形例を示す。図14Aに示すように、第1ヒレ状部材3及び第2ヒレ状部材の数や配置は、船体の大きさや使用目的に合わせて適宜変更される。ゴムボート10の前方側の第2ヒレ状部材4は、他の第2ヒレ状部材よりも大きい。大きい寸法にすると第2ヒレ状部材4は、水の流れを利用して向かい風や逆方向へ流れる水流に抵抗する力が強くなる。後方側の第2ヒレ状部材4は、他の第2ヒレ状部材4よりも小さいが、小さい寸法にすると、水の流れの変化に迅速に対応し、進行方向の変更などがしやすくなる。
図14Bに示すように、第1ヒレ状部材3は、第1方向に延びる長手方向の側縁を連続して底シート2に接合し、水通し部5のための水通し穴52を形成してもよい。また、第2ヒレ状部材4の水通し穴52は、間隔をあけて複数設けられる。図14Bのように間隔をあけて水通し穴52を三箇所形成すると、水が通り抜ける位置が分散し、ゴムボート101が安定する。なお、水通し部5は、必ずしも形成しなくともよい。
1、1A〜1F 補助具
2 底シート
3、3A、3C 第1ヒレ状部材
4 第2ヒレ状部材
5、51、52 水通し部
6 覆い部材
10 ゴムボート
10A 船体
11 ボートカバー
12 気胴
30 接合部
31、31a、31b 接合部材
40 袋状部
41 前縁
42 後縁
43、44 側縁
45 開口
2 底シート
3、3A、3C 第1ヒレ状部材
4 第2ヒレ状部材
5、51、52 水通し部
6 覆い部材
10 ゴムボート
10A 船体
11 ボートカバー
12 気胴
30 接合部
31、31a、31b 接合部材
40 袋状部
41 前縁
42 後縁
43、44 側縁
45 開口
Claims (2)
- 船体又は該船体の少なくとも底部に配される底部材の底面に配される補助具であり、該船体の進行方向に沿う第1方向に交差する第2方向に沿って延びるヒレ状部材を備え、
前記ヒレ状部材は、前記第1方向の逆方向に向かって開口する袋状部を形成し、
さらに、前記ヒレ状部材と前記船体または前記底部材との間に水を通す水通し部を備え、
該水通し部は、
前記ヒレ状部材における前記袋状部の開口と反対側の前縁近傍に設けられる補助具。 - 船体又は該船体の少なくとも底部に配される底部材の底面に補助具を配してなる船体であり、該船体の進行方向に沿う第1方向に交差する第2方向に沿って延びるヒレ状部材を備え、
前記ヒレ状部材は、前記第1方向の逆方向に向かって開口する袋状部を形成し、
さらに、前記ヒレ状部材と前記船体または前記底部材との間に水を通す水通し部を備え、
該水通し部は、
前記ヒレ状部材における前記袋状部の開口と反対側の前縁近傍に設けられる船体。
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---|---|---|---|
A072 | Dismissal of procedure |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073 Effective date: 20130730 |