JP2012139812A - 研磨シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶用のガラス基板などの被研磨面の厚さが薄くなっても、汚れやカレットを除
去し、被研磨面を傷つけて強度を低下させることのない研磨シート及びその製造方法を提
供する。
【解決手段】400番〜8,000番の範囲から選択された番手の砥粒子を混入した合成
樹脂材料を、単位面積当り75%以上を占めるように直径50μm〜200μmの範囲か
ら選択された直径をもつ半球状の凸部が形成されたフィルムに成形された研磨層と、この
研磨層の凸部が形成された面の反対側の面に設けた基材とから成る。
【選択図】図1
去し、被研磨面を傷つけて強度を低下させることのない研磨シート及びその製造方法を提
供する。
【解決手段】400番〜8,000番の範囲から選択された番手の砥粒子を混入した合成
樹脂材料を、単位面積当り75%以上を占めるように直径50μm〜200μmの範囲か
ら選択された直径をもつ半球状の凸部が形成されたフィルムに成形された研磨層と、この
研磨層の凸部が形成された面の反対側の面に設けた基材とから成る。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶パネルや脆性材料の研磨加工に使用して好適な研磨シート及びその製造方法に関する。
従来の研磨シートないしは研磨テープとしては、磁気ヘッドや磁気ディスクの仕上研磨に使用されるものとして、研磨テープ用基材の一方の面に研磨層を有し、他方の面にマット剤を含有する滑り調整層を有している研磨テープが知られている(特許文献1)。そして、基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ジ酢酸アセテート、延伸ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレートなどを使用し、研磨層は、粒径0.1〜20μmの酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化ジルコニウムなどの研磨剤粒子とコーティング剤によって形成される厚さ5〜100μmのものである。滑り調整層は
、平均粒径0.1〜20μmの酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ粉末、ガラス粉末、酸化チタンなどのマット剤と、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などのバインダー用樹脂を含むコーティング剤によって形成される厚さ1〜100μmのものである。
、平均粒径0.1〜20μmの酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ粉末、ガラス粉末、酸化チタンなどのマット剤と、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などのバインダー用樹脂を含むコーティング剤によって形成される厚さ1〜100μmのものである。
特許文献1に記載のものは、研磨作業工程での研磨テープの走行性を良行に進めるために滑り調整層を形成したものであり、研磨層で液晶パネル面を研磨すると、汚れやカレットは除去できるが、パネル面に傷が発生し、パネル表面の強度が低くなり、割れ易くなるおそれもあった。研磨砥粒を水酸化アルミニウムや酸化セリウムの微粒子としても、パネル面の傷は小さくなるが、汚れやカレットは除去しきれないという不都合が生じた。
ポリエステルフィルムを基材とし、この基材上に各種砥粒を接着剤で接着したラッピングフィルムと呼ばれる研磨シートも開発され、このようなラッピングフィルムは、フレキシビリティに富み、しかも曲面に対してもよくなじむが、ガラスやプラスチックレンズの研磨加工や複雑な曲面研磨加工などに対するフィット性に問題点を生じている。そこで、不織布に砥粒をコーティングしたものが開発され、フレキシビリティを増し、フィット性を向上させた。しかしながら、このようなフィット性を向上させた研磨シートでも、薄い液晶向けガラス基板の研磨では、ガラス基板の傷の発生を防止できなかった。
そこで、モバイル用液晶向けの厚さ0.5mmのガラス基板の研磨加工の精度も向上させ、ガラス基板を傷つけることもないものとして特許文献2に記載のものが開発された。
これは、テトロン長繊維を平織りにしたテトロンタフタからなり、柔軟性が高くかつクッション性を有する基材上に各種砥粒を接着剤でコーティングし、十分なフレキシビリティを有する研磨材層を形成するとともに、基材の裏面に全体の柔軟性を損わない程度にかつクッション性を失わないようにゴムコーティング処理を施し又は発泡層を形成して弾性層を設けたものである。このようにテトロンタフタを基材としたものでは、布の規則的な凹凸の配列を利用して研磨による切屑を凹部に効果的に集積でき、精密な研磨が可能となる。また、基材の裏面に弾性層を設けてあるので、研磨力に対するクッション性が向上し、
被加工物表面をソフトにかつ確実にとらえて研磨することができる。
これは、テトロン長繊維を平織りにしたテトロンタフタからなり、柔軟性が高くかつクッション性を有する基材上に各種砥粒を接着剤でコーティングし、十分なフレキシビリティを有する研磨材層を形成するとともに、基材の裏面に全体の柔軟性を損わない程度にかつクッション性を失わないようにゴムコーティング処理を施し又は発泡層を形成して弾性層を設けたものである。このようにテトロンタフタを基材としたものでは、布の規則的な凹凸の配列を利用して研磨による切屑を凹部に効果的に集積でき、精密な研磨が可能となる。また、基材の裏面に弾性層を設けてあるので、研磨力に対するクッション性が向上し、
被加工物表面をソフトにかつ確実にとらえて研磨することができる。
特許文献2に記載の研磨シートは、被研磨物に対するフィット性、クッション性に優れ、加工精度も向上しているが、最近は、液晶用のガラス基板の厚さが0.5mmから0.4mm、さらには0.3mmの厚さまで薄くすることが要望されるに至っているため、厚さが0.4mm以下になると、このような研磨シートでは、ガラス基板に傷が生じ易くなり、基板の表面強度が低下し、欠けたり、割れたりするおそれもあった。
そこで、本発明は、液晶用のガラス基板などの被研磨面の厚さが薄くなっても、汚れやカレットを除去し、被研磨面を傷つけて強度を低下させることのない研磨シート及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
上述の目的を達成するため、本発明に係る研磨シートは、400番〜8,000番の範囲から選択された番手の砥粒子を混入した合成樹脂材料を、単位面積当り75%以上を占めるように直径50μm〜200μmの範囲から選択された直径をもつ半球状の凸部が形成されたフィルムに成形された研磨層と、この研磨層の凸部が形成された面の反対側の面に設けた基材とから成るものである。
また、本発明に係る研磨シートの製造方法は、少なくとも上面に熱軟化性樹脂を有する小球支持シートを加熱軟化させた状態でその上面に球径30μm〜150μmから選択された球径の小球を密に散布して軟化した樹脂層に球径の40〜60%を埋め込み、前記小球支持シートの表面積に占める小球の表面積の割合を75%以上となるようにする工程と、この小球支持シートの露出する小球を樹脂材料で被覆して硬化させることにより小球が固着された固着層を形成する工程と、その後小球支持シートを小球から剥がして、小球が転写された穴を有するモールドシートを作製し、あるいは小球が固着された固着層の小球
上に樹脂層を形成後、これを小球から剥がしてモールドシートを作製する工程と、このモールドシートの穴形成側に400番〜8,000番の範囲から選択された番手の砥粒子を混入した合成樹脂材料を供給する工程と、このモールドシートに合成樹脂材料を塗布した積層物の合成樹脂材料側にプライマー処理を施した基材の処理面を熱プレスしてラミネートする工程と、その後モールドシートを剥離して基材上に研磨層が形成され、研磨層に凸部の形成された研磨シートを得る工程とから成るものである。
上に樹脂層を形成後、これを小球から剥がしてモールドシートを作製する工程と、このモールドシートの穴形成側に400番〜8,000番の範囲から選択された番手の砥粒子を混入した合成樹脂材料を供給する工程と、このモールドシートに合成樹脂材料を塗布した積層物の合成樹脂材料側にプライマー処理を施した基材の処理面を熱プレスしてラミネートする工程と、その後モールドシートを剥離して基材上に研磨層が形成され、研磨層に凸部の形成された研磨シートを得る工程とから成るものである。
本発明の研磨シートによれば、400番〜8,000番の範囲から選択された番手の砥粒子を混入した合成樹脂材料を、単位面積当り75%以上を占めるように直径50μm〜200μmの範囲から選択された直径をもつ半球状の凸部が形成されたフィルムに成形された研磨層と、この研磨層の凸部が形成された面の反対側の面に設けた基材とから成るので、液晶用のガラス基板の厚さが0.4mmないし0.3mmとなっても、汚れやカレットを除去し、ガラス表面を傷付けるおそれもなくなり、製品が割れたりすることもなくなる。
本発明の製造方法によれば、少なくとも上面に熱軟化性樹脂を有する小球支持シートを加熱軟化させた状態でその上面に球径30μm〜150μmから選択された球径の小球を密に散布して軟化した樹脂層に球径の40〜60%を埋め込み、前記小球支持シートの表面積に占める小球の表面積の割合を75%以上となるようにする工程と、この小球支持シートの露出する小球を樹脂材料で被覆して硬化させることにより小球が固着された固着層を形成する工程と、その後小球支持シートを小球から剥がして、小球が転写された穴を有するモールドシートを作製し、あるいは小球が固着された固着層の小球上に樹脂層を形成
後、これを小球から剥がしてモールドシートを作製する工程と、このモールドシートの穴形成側に400番〜8,000番の範囲から選択された番手の砥粒子を混入した合成樹脂材料を供給する工程と、このモールドシートに合成樹脂材料を塗布した積層物の合成樹脂材料側にプライマー処理を施した基材の処理面を熱プレスしてラミネートする工程と、その後モールドシートを剥離して基材上に研磨層が形成され、研磨層に凸部の形成された研磨シートを得る工程とから成るので、モールドシートに形成される穴の精度を高め、その結果研磨シートの凸部の精度も高められ、質の高い研磨シートを容易に製造することがで
きる。また、モールドシートを長尺に成形することができるので、1回のモールドで長い研磨シートを成形することができ、製造コストを大幅に低下させることができる。
後、これを小球から剥がしてモールドシートを作製する工程と、このモールドシートの穴形成側に400番〜8,000番の範囲から選択された番手の砥粒子を混入した合成樹脂材料を供給する工程と、このモールドシートに合成樹脂材料を塗布した積層物の合成樹脂材料側にプライマー処理を施した基材の処理面を熱プレスしてラミネートする工程と、その後モールドシートを剥離して基材上に研磨層が形成され、研磨層に凸部の形成された研磨シートを得る工程とから成るので、モールドシートに形成される穴の精度を高め、その結果研磨シートの凸部の精度も高められ、質の高い研磨シートを容易に製造することがで
きる。また、モールドシートを長尺に成形することができるので、1回のモールドで長い研磨シートを成形することができ、製造コストを大幅に低下させることができる。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照にして説明する。
図1は、研磨シートの拡大断面図であり、砥粒子1が混入された合成樹脂材料をモールド成形して片面に多数の凸部2を形成した研磨層3を基材4上に設けたものである。前記砥粒子1は、400番〜8,000番の範囲から選択される。砥粒子1の番手は、1cm2当りの粒子数を表示している。8,000番は、最大粒子径が6.0μm以下であり、400番は、75μm以下である。砥粒子1としては、褐色電融アルミナ、白色電融アルミナ、電融アルミナジルコニア、黒色又は緑色炭化ケイ素などの人造研磨材を好適に用いることができる。
前記砥粒子1を混入する合成樹脂材料としては、ポリエステル系、エポキシ系及びポリウレタン系の樹脂材料を好適に用いることができる。例えば、ポリエステル系樹脂材料100重量部、希釈溶剤50〜100重量部、硬化剤5重量部、アルミナ(砥粒子)50〜200重量部の配合割合の塗液を後述するモールドシートの穴を埋めるように、トップリバースコーター、ファウンテン式スリットリバースコーター、ビートロールコーターなどの塗工機で塗布する。このような塗布工程とは別に、プライマー処理したPET(ポリエチレンテレフタレート)、布、紙、テトロンタフタなどの基材4となるものを用意する。例えば、ポリエステルの長繊維を平織りにしたテトロンタフタ上に、ポリウレタン系樹脂100重量部と硬化剤として変性ポリイソシアネート樹脂5重量部との配合溶液を主体とする溶液を塗布し、熱風乾燥機で乾燥して、厚さ約50μmのプライマー層を形成して基材4を形成した。前記テトロンタフタの厚さは、50〜200μmの範囲とし、例えば、70μmの厚さのテトロンタフタ上に厚さ50μmのプライマー層が形成された基材4の厚さは、120μmとなる。
前記モールドシート上に砥粒子1が混入された合成樹脂材料を塗布し、乾燥後に研磨層3が形成される。これに対し、基材4のプライマー処理された面と研磨層3の面とを熱プレスしてラミネートする。このように成形された積層物(長尺シート状)を50〜80℃の温度で8〜24時間キュアーし、その後モールドシートを剥離して基材4に研磨層3が設けられた研磨シートを得る。
前記研磨シートの凸部2は、単位面積当り75%以上を占め、その直径は50μm〜200μmの範囲から選択された直径のもの(誤差±20%)でほぼ均一の大きさの凸部2が並んでいる。
図2は表面を顕微鏡で拡大した研磨シートの顕微鏡写真であり、凸部2は、研磨層3の単位面積当り75%以上の表面積を占めるように高密度で配列されている。球径60〜80μmの凸部2が形成される場合、1cm2当り、23,000〜28,000個の凸部2が配列されている。
次いで、上述したような研磨シートの製造方法について、図3以下の図面を参照にして説明する。
図3の小球10の散布工程では、球径(直径)80μmに調整された小球10を供給ホッパー11の供給口からメッシュスクリーン11Aを通過させて小球10の粒度を整えて第2フィルム(熱軟化性樹脂層)12上に落下させてほぼ半没させている。この第2フィルム12の下面には第1フィルム(ベース樹脂層)13を設け、二層構造の小球支持シート14を構成している。前記第1フィルム13として、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムを用い、この上に積層された厚さ50μmのポリエチレンフィルムで第2フィルム12を形成し、この第2フィルム12の表面に、球径80μm
に調整された小球10を、その球径の40〜60%が前記第2フィルム12中に沈む程度に埋め込んだ。小球の埋め込みは、第2フィルム12を120℃に加熱して軟化させた状態で3m/分で移動させつつ、図3に示すように小球10を散布した。供給口の短い側の幅は小球10の球径よりも若干大きく、長い側の幅は小球支持シート14の幅と同幅としてある。小球10を軟化させた第2フィルム12に散布した後、図4に示すように乾燥機中で加熱送風し、第2フィルム12中に小球10の球径の40〜60%が自重で埋没されるようにする。その後、図5に示すように、第2フィルム12に仮固着されなかった小球
10を落としながらブラシ15でクリーニングし、小球10が仮固着されたものを巻き取る。図2の工程では、第2フィルム12を120℃(±5℃)に加熱しておくが、図4と図5の工程では、第2フィルム12は冷めて小球10が半没された仮固着状態になっている。
に調整された小球10を、その球径の40〜60%が前記第2フィルム12中に沈む程度に埋め込んだ。小球の埋め込みは、第2フィルム12を120℃に加熱して軟化させた状態で3m/分で移動させつつ、図3に示すように小球10を散布した。供給口の短い側の幅は小球10の球径よりも若干大きく、長い側の幅は小球支持シート14の幅と同幅としてある。小球10を軟化させた第2フィルム12に散布した後、図4に示すように乾燥機中で加熱送風し、第2フィルム12中に小球10の球径の40〜60%が自重で埋没されるようにする。その後、図5に示すように、第2フィルム12に仮固着されなかった小球
10を落としながらブラシ15でクリーニングし、小球10が仮固着されたものを巻き取る。図2の工程では、第2フィルム12を120℃(±5℃)に加熱しておくが、図4と図5の工程では、第2フィルム12は冷めて小球10が半没された仮固着状態になっている。
図3の散布工程前において、購入した所定の粒径の小球10は、粒度を整えるためにメッシュスクリーンフィルターを6回程度通らせたものであり、この散布工程でもメッシュスクリーン11Aを2段設けて、さらに小球10の粒度を整えるようにする。また、小球10の充填率を75%以上とするため、ロール直径50〜150μmのロール11Bを小球散布面上に設け、裏側には微振動ロール11Cを接触させている。ロール11Bは、押し付け圧力効果、微振動ロール11Cは小球10を隙間なく埋設する作用を果たす。また、メッシュスクリーン11Aは、小球10の落下運動量を抑制する。
上述したように、小球10が仮固着された小球支持シート14に対し、小球10を被覆するように合成樹脂材料を塗布し(図6参照)、乾燥させて硬化させることにより小球10を強固に固着する固着層16を形成する。固着層16の材料は、塗布ローラ17で小球10上に塗布され、塗布後熱風乾燥機18内へ搬送されて硬化する。
前記固着層16とは別に、ポリエチレンテレフタレート(PET)(ポリエステル)フィルム上に、ポリウレタン系樹脂100重量部と硬化剤として変性ポリイソシアネート樹脂5重量部との配合溶液を主体とする溶液を塗布し、熱風乾燥機で乾燥して、厚さ約50μmのプライマー層を形成したものでベース19を構成し、このベース19のプライマー層と前記固着層16とを接触させ、押圧して小球固着シート20を作製した(図6参照)。上記の押圧では、小球10の体積の40〜60%が固着層16内に埋設されるよう行った。この押圧の手段として、前記固着層16に沿わせた前記ベース19に、ロール表面温
度80℃の加熱ロール21を通過させた。次いで、この小球固着シート20を小球支持シート14から剥がして、図9のものを得た。なお、このベース19が無いものを小球固着シート20とすることもできる。
度80℃の加熱ロール21を通過させた。次いで、この小球固着シート20を小球支持シート14から剥がして、図9のものを得た。なお、このベース19が無いものを小球固着シート20とすることもできる。
図8に示すようにして小球10から剥離された小球支持シート14は、図面上一層であるが、実際は第1、第2フィルム(13、12)から成る二層構造であり、第2フィルム12に形成された小球10が外れた穴22を凸部2成形用としたモールドシート30とすることができる。
図10は、図8に示すように剥離されたモールドシート30の顕微鏡写真であり、穴22(円形部分)の大きさが、大体同じような大きさになっている。
前記小球固着シート20の小球10の露出面上に、アクリル酸アルキルエステル共重合体系樹脂100重量部と光触媒3重量部を攪拌混合した溶液をトップリバースコーター塗工機を用いてウェット厚み150μmで塗布し、乾燥温度70℃の乾燥機内で4分間乾燥
して厚さ約90μmのアクリル層30Aを形成した。次いで、ポリエステルフィルム30Bの面と、前記アクリル層30Aの面とを、熱プレスロール温度100℃でラミネートし巻き取る。この巻き取ったものを6〜7日間、温度50℃の熟成室に放置した後、剥離機にて前記アクリル層30Aの面を小球固着シート20の樹脂面から剥がし、モールドシート30を得ることもできる(図9参照)。
して厚さ約90μmのアクリル層30Aを形成した。次いで、ポリエステルフィルム30Bの面と、前記アクリル層30Aの面とを、熱プレスロール温度100℃でラミネートし巻き取る。この巻き取ったものを6〜7日間、温度50℃の熟成室に放置した後、剥離機にて前記アクリル層30Aの面を小球固着シート20の樹脂面から剥がし、モールドシート30を得ることもできる(図9参照)。
図11は、小球固着シート20を使用して製作された図9に示すモールドシート30の顕微鏡写真であり、少しゆがんで見える円形が穴22となっている。
前記固着層16は、UV樹脂、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を使用することができる。前記熱硬化性樹脂としては、官能基を有する樹脂、例えば、官能基を1つ又は2つ以上有する自己架橋型樹脂又は官能基を1つ以上有する樹脂と、これらの官能基と反応しうる官能基を有する硬化剤との組み合わせが好適である。なお、小球10の転着性及び固着性向上のために、シランカップリング剤、極性基を有した比較的低分子の樹脂等を前記熱硬化性樹脂に添加してもよい。固着層16を構成する樹脂中、前記官能基を有する樹脂と前記硬化剤との総重量は、固着層16を構成する樹脂の重量部の50%好ましくは70%
より多いのが好適である。前記官能基を有する樹脂としては、アクリル樹脂、フッ素樹脂、スチレン共重合体のようなビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂のような重縮合系共重合体等が挙げられる。前記官能基とは、硬化剤成分との反応に与る反応性官能基または自己架橋性の官能基を指称するものである。前記硬化剤成分との反応に与る反応性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、酸アミド基または不飽和二重結合等が挙げられる。前記自己架橋性の官能基としては、加水分解性シリル基、N−メチロールアクリルアミド基、アルキルエーテル化N−メチロールアクリルアミド基または不飽和二重結合などが挙げられる。
より多いのが好適である。前記官能基を有する樹脂としては、アクリル樹脂、フッ素樹脂、スチレン共重合体のようなビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂のような重縮合系共重合体等が挙げられる。前記官能基とは、硬化剤成分との反応に与る反応性官能基または自己架橋性の官能基を指称するものである。前記硬化剤成分との反応に与る反応性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、酸アミド基または不飽和二重結合等が挙げられる。前記自己架橋性の官能基としては、加水分解性シリル基、N−メチロールアクリルアミド基、アルキルエーテル化N−メチロールアクリルアミド基または不飽和二重結合などが挙げられる。
前記硬化剤としては、前記反応性官能基が水酸基、カルボキシル基、アミノ基または酸アミド基などのように、いわゆる活性水素原子を有する基の場合には、イソシアネート系硬化剤、アミノプラスト系硬化剤、ポリエポキシ化合物または酸無水物などが挙げられる。また、前記硬化剤としては、ポリアミン類や多塩基酸類などが挙げられる。また、前記硬化剤としては、前記反応性官能基がイソシアネート基の場合には、グリコール類などのような各種のポリヒドロキシ化合物などが挙げられる。
また、前記反応性官能基が加水分解性シリル基のような、いわゆる自己架橋性の官能基の場合には、架橋促進剤を更に用いてもよい。この架橋促進剤は、この加水分解性シリル基の加水分解用ないしは縮合用触媒である。この架橋促進剤としては、例えば、硫酸、塩酸または燐酸等の各種の酸性化合物、モノメチルアミンまたはトリエチルアミン等の各種のアミン化合物、ジ−n−ブチル錫ジラウレート、ジ−n−ブチル錫ジアセテートまたはジ−n−ブチル錫ジオクテート等の各種の有機錫化合物等を使用できる。
前記固着層16は、例えば前記小球10を敷き詰めた小球支持シート14上に、固着層16を形成する樹脂の溶液を塗布し、例えば、熱風乾燥機を使用して乾燥させて得ることができる。乾燥後の固着層16の厚みは、例えば10〜300μm、好ましくは約30〜100μmである。
前記ベース19のPET上のプライマー層は、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂から形成される。
前記ゴム系樹脂としては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ブチルゴム、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体、ポリイソブチレン、ポリビニルイソブチルエーテル、クロロプレンゴム、ニトリルゴム等の合成ゴム等が挙げられる。
これらのゴム系樹脂には、ロジン等の天然樹脂、変性ロジン、ロジンおよび変性ロジンの誘導体、テルペンフェノール樹脂、ポリテルペン系樹脂、テルペン変性体、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、アルキルフェノール−アセチレン系樹脂、クマロン−インデン樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体等の粘着付与剤、各種可塑剤、老化防止剤、安定剤、オイル等の軟化剤、充填剤、安定剤、顔料、着色剤等を必要に応じて添加してもよい。これらは、必要に応じて2種類以上を併用して使用することもできる。
前記アクリル系樹脂としては、例えば、アルキル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アルコキシ基、フェノキシ基、オキシエチレン基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、ハロゲン原子、リン酸基、スルホン酸基、ウレタン基、フェニル基、ベンジル基、テトラヒドロフルフリル基等を有するアクリル系ビニルモノマーの重合体または共重合体、アクリル系ビニルモノマーと、その他の共重合可能なモノマー類との共重合体が挙げられる。
アルキル基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシル基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルコキシ基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
フェノキシ基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オキシエチレン基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミノ基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミド基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
カルボキシル基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、2−メタクリロイルオキシコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
ハロゲン原子を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタデカフルオロオキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
リン酸基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、2−メタクリロイルオキシエチルジフェニルホスフェート(メタ)アクリレート、トリメタクリロイルオキシエチルホスフェート(メタ)アクリレート、トリアクリロイルオキシエチルホスフェート(メタ)アクリレート等が挙げられる。
スルホン酸基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、スルホプロピル(メタ)アクリレートナトリウム、2−スルホエチル(メタ)アクリレートナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
ウレタン基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
フェニル基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、フェニル(メタ)アクリレート、p−tert−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、o―ビフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ベンジル基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
テトラヒドロフルフリル基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他の共重合可能なモノマーとしては、シラン基を有するビニルモニマー類、スチレン、クロロスチレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、Veova10(シェル化学社製、ビニルアルキレート化合物)、アクリロニトリル、ビニルピリジン等が挙げられる。
シラン基を有するビニルモノマー類としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエチル)シラン、ビニルトリアセチルシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、その他の共重合可能なモノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、N,N−メチレンビスアクリルアミド、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等を用いることができる。このモノマーは、塗工適性を低下させない程度に用いることができる。
更に、アクリル系樹脂には、各種添加剤として、例えばロジン等の天然樹脂、変性ロジン、ロジンおよび変性ロジンの誘導体、ポリテルペン系樹脂、テルペン変性体、テルペンフェノール樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、アルキルフェノール−アセチレン系樹脂、クマロン−インデン樹脂、ビニルトルエン−α―メチルスチレン共重合体等の粘着付与剤、各種可塑剤、老化防止剤、安定剤、オイル等の軟化材、充填剤、着色剤、顔料等を必要に応じて添加することができる。これらは、必要に応じて2種類以上を併用して使用することもできる。
上記アクリル系樹脂は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の従来公知の方法のうち、任意の方法で重合して製造される。
なお、重合時のモノマー濃度は、通常30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%程度である。
また、樹脂層を構成する樹脂には増粘剤、濡れ剤、レベリング剤、消泡剤等を適宜添加してもよい。前記アクリル系樹脂として官能基を有する架橋型アクリル共重合体を用いる場合には、前記官能基と反応する反応性官能基を有した硬化剤を添加するのが好ましい。また前記アクリル系樹脂として、架橋型でないアクリル共重合体を用いる場合には、適宜硬化剤を添加してもよい。
なお、モールドシート30成形用の積層物(小球固着シート20)においては、前記樹脂製支持層は、例えば、前記樹脂の溶液を耐熱性を有する剥離材料上に塗布後、70℃で1分間及び100℃で2分間加熱乾燥して形成されてもよい。
前記硬化剤としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、プロピレングリコールグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエーテル等のエポキシ系硬化剤、トルイレンジイソシアネート、2,4−トルイレンジイソシアネートダイマー、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(p−イソシアネートフェニル)チオホスファイト、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリイソシアネートプレポリマー等のイソシアネート系硬化剤、メラミン、尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ステログアナミンまたはスピログアナミン等の各種のアミノ基含有化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドまたはグリオキザール等の各種のアルデヒド系化合物とを、常法により反応させて得られる縮合物等のアミノブラスト系硬化剤、Mg2+、Ca2+、Zn2+、A13+などを含むイオン性硬化剤(例えば酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等)などが挙げられる。
ジグリシジルエーテル、プロピレングリコールグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエーテル等のエポキシ系硬化剤、トルイレンジイソシアネート、2,4−トルイレンジイソシアネートダイマー、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(p−イソシアネートフェニル)チオホスファイト、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリイソシアネートプレポリマー等のイソシアネート系硬化剤、メラミン、尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ステログアナミンまたはスピログアナミン等の各種のアミノ基含有化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドまたはグリオキザール等の各種のアルデヒド系化合物とを、常法により反応させて得られる縮合物等のアミノブラスト系硬化剤、Mg2+、Ca2+、Zn2+、A13+などを含むイオン性硬化剤(例えば酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等)などが挙げられる。
更にポリエチレン系樹脂においては、未延伸ポリプロピレン(PP)フィルムまたは低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムであるのが好ましい。
前記ベース19の厚みが、20μm以上150μm以下の範囲であるのが好ましい。前記固着層16の厚みは、5μm以上130μm以下の範囲であるのがより好ましく、10μm以上100μm以下の範囲であるのが更に好ましい。
前記小球支持シート14と小球固着シート20とが合着された状態で、室温23±2℃、相対湿度65±5%の環境下で7日間エージング処理する工程を含むのが好ましい。
製品出荷形態の一例としての小球固着シート20は、例えば、小球固着シート20の小球10と固着層16とに剥離フィルムを貼り付けておく。この場合において、例えば、前記固着層16を形成した後、前記小球支持シート14を剥離し、前記剥離フィルムに貼り替えた後で室温23±2℃、相対湿度65±5%の環境下で7日間エージング処理を行っても良い。または、前記固着層16を形成し、7日間前記エージング処理を行った後で小球支持シート14を剥離し、前記剥離フィルムに貼り替えることもできる。或いは、前記剥離フィルムに貼り替える前後に7日間のエージング処理を分けて行っても良い。とりわ
け、前記剥離フィルムに貼り替えた後、室温23±2℃、相対湿度65±5%の環境下で7日間エージング処理を行うのが好ましい。
け、前記剥離フィルムに貼り替えた後、室温23±2℃、相対湿度65±5%の環境下で7日間エージング処理を行うのが好ましい。
球径80μm(誤差±20%)に調整された小球10として、比重4.1のバリウム系ガラス球を使用した。小球支持シート14を構成する第1フィルム13として厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムを用い、この上に積層された厚さ50μmのポリエチレンフィルム(第2フィルム12)の熱軟化性樹脂層の表面に、球径80μmに調整された小球10を、その球径の40〜60%が前記熱軟化性樹脂層中に沈む程度に埋め込んだ。すなわち、熱軟化性樹脂層を120℃に加熱して軟化させた状態で3m/分で移動させつつ、小球10を散布した。小球10の散布は、供給ホッパー11の
供給口から小球10を落下させて行う。供給口の短い側の幅は小球10の球径よりも若干大きく、長い側の幅は小球支持シート14の幅と同幅としてある。供給口から落下された小球10は、2段にわたって設けた180μm×180μmのメッシュをもつメッシュスクリーン11で落下の運動量を低減されて樹脂層に落下される。また、第1フィルム13の下面には微振動ロール11Cを設けて小球10を隙間なく熱軟化性樹脂層に埋め込むようにし(1cm2当り23,000個以上)、上方にはロール11Bを設けて小球10を押し付けて均一に埋め込むようにしてある。このロール11Bは、メッシュスクリーン11の後方1mの位置に設けられ、樹脂層から60〜70μmのクリアランスを設けてある。小球10を軟化させた熱軟化性樹脂層(第2フィルム12)に散布した後、図6に示すように乾燥機中で加熱送風し、熱軟化性樹脂層中に小球10の球径の40〜60%が自重で埋没されるようにする。その後、熱軟化性樹脂層に仮固着されなかった小球10を落としながらブラシ15でクリーニングし、小球10が仮固着されたものを巻き取る。次の工程では、熱軟化性樹脂層を120℃(±5℃)に加熱しておくが、さらに次の工程では、熱軟化性樹脂層は冷めて小球10が半没された仮固着状態になっている。
供給口から小球10を落下させて行う。供給口の短い側の幅は小球10の球径よりも若干大きく、長い側の幅は小球支持シート14の幅と同幅としてある。供給口から落下された小球10は、2段にわたって設けた180μm×180μmのメッシュをもつメッシュスクリーン11で落下の運動量を低減されて樹脂層に落下される。また、第1フィルム13の下面には微振動ロール11Cを設けて小球10を隙間なく熱軟化性樹脂層に埋め込むようにし(1cm2当り23,000個以上)、上方にはロール11Bを設けて小球10を押し付けて均一に埋め込むようにしてある。このロール11Bは、メッシュスクリーン11の後方1mの位置に設けられ、樹脂層から60〜70μmのクリアランスを設けてある。小球10を軟化させた熱軟化性樹脂層(第2フィルム12)に散布した後、図6に示すように乾燥機中で加熱送風し、熱軟化性樹脂層中に小球10の球径の40〜60%が自重で埋没されるようにする。その後、熱軟化性樹脂層に仮固着されなかった小球10を落としながらブラシ15でクリーニングし、小球10が仮固着されたものを巻き取る。次の工程では、熱軟化性樹脂層を120℃(±5℃)に加熱しておくが、さらに次の工程では、熱軟化性樹脂層は冷めて小球10が半没された仮固着状態になっている。
次に別に準備したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ100μm)上に、ポリウレタン系樹脂「バイロン3900」(商品名)〔東洋紡績(株)製〕100重量部と硬化剤として変性ポリイソシアネート樹脂「コロネートL」(商品名)〔日本ポリウレタン工業(株)製〕5重量部との配合溶液を主体とする溶液を塗布し、熱風乾燥機で乾燥して、厚さ約50μmのプライマー層をPETフィルム上に形成してベース19を形成した。
次いで、小球支持シート14の小球仮固着層(熱軟化性樹脂層10B)上にポリウレタン系樹脂「バイロン3946」(商品名)〔東洋紡績(株)製〕100重量部と硬化剤として変性ポリイソシアネート樹脂「コロネートL」(商品名)〔日本ポリウレタン工業(株)製〕5重量部との配合溶液を主体とする溶液をローラで塗布し、熱風乾燥機で乾燥して、厚さ約60μmの固着層16を形成した。
次に前記ベース19のプライマー層を、前記固着層16の表面と接するように沿わせた
。そしてその積層物を加熱押圧した。この押圧により、小球10の球径の40〜60%、好ましくは45〜55%が固着層16内に埋設されるようになる。この押圧の手段として、前記固着層16に沿わせた前記ベース19を押圧するように、ロール表面温度80℃の加熱ロールを通過させた。
。そしてその積層物を加熱押圧した。この押圧により、小球10の球径の40〜60%、好ましくは45〜55%が固着層16内に埋設されるようになる。この押圧の手段として、前記固着層16に沿わせた前記ベース19を押圧するように、ロール表面温度80℃の加熱ロールを通過させた。
加熱ロールを通過させた小球10を除いた4層構造のシートに対し、50℃(±2℃)、相対湿度65%(±5%)の条件で7日間エージングを実施した。その後、小球支持シート14を小球10から剥がして、図8に示すような小球付積層物を得た。
上記小球付積層物にアクリル酸アルキルエステル共重合体系樹脂「NKorigoU−324A−20」(商品名)〔新中村化学(株)製〕100重量部と光触媒「Irugacure184」(商品名)〔日本チバ・ガイキ(株)製〕3重量部を攪拌混合した溶液を塗布し、乾燥して厚さ約50μmアクリル層30Aを形成し積層物を得た。次いで、ポリエステルフィルム30B「テイジンテトロンフィルムG2」(商品名)〔帝人デュポンフィルム(株)製〕の面と、前記アクリル層30Aの面とを、貼り付け圧力450N/cm、ロール表面温度40℃で貼り合わせた。その直後に、UV照射し(約1秒)直ちに前
記アクリル層30Aの面を小球付積層物の樹脂面から剥がし、図9に示すようなモールドシート30を得た。
記アクリル層30Aの面を小球付積層物の樹脂面から剥がし、図9に示すようなモールドシート30を得た。
上記モールドシート30にアクリル酸アルキルエステル共重合体系樹脂「NKorigoU−4HA」(商品名)〔新中村化学(株)製〕100重量部と光触媒「Irugacure184」(商品名)〔日本チバ・ガイキ(株)製〕3重量部及びトルエン20重量部を攪拌混合した溶液に砥粒子1を混入し、攪拌した混合液を塗布し、乾燥して厚さ約50μmのアクリル層を形成し積層物を得た。次いで、ポリエステルフィルム「コスモシャインA4300」(商品名)〔東洋紡績(株)製〕の面と、ロール表面温度40℃で貼りあわせた。その直後に、UV照射し(約1秒)直ちに前記アクリル面とモールドシート30の樹脂面から剥がし、研磨シートを得た。
小球10の球径60μm、温度条件116℃(±5℃)、ライン速度3m/分、ベース樹脂層10Aの厚さを100μmとし、ロール11Bのクリアランスは、30〜50μmとし、その他の条件は実施例1と同様とした。小球10の散布段階で3m/分のライン速度を5m/分にした場合、小球10の充填密度は低下した。3m/分の場合の充填密度は80%、5m/分の場合の充填密度は71%であった。この実施例2では、実施例1のモールドシート30の製造の副製造品であるビーズ付着シートである固着層16を用いて、熱プレスロールを使用し表面温度130℃で転写フィルムのポリエチレン層を熱軟化させ
ながらラミネートした後剥離すれば、新たなモールドシート30の生産が可能であり、この作業を繰り返せば10倍量のモールドシート30を作り出すことが可能である。この実施例2で得られた研磨シートは、図13に示すとおりのものであった。
ながらラミネートした後剥離すれば、新たなモールドシート30の生産が可能であり、この作業を繰り返せば10倍量のモールドシート30を作り出すことが可能である。この実施例2で得られた研磨シートは、図13に示すとおりのものであった。
図8に示す小球10の固着層16を用い、この固着層16上の直径60μmの小球10の表面を覆うように低密度ポリエチレンをTダイ押出コーターにより、温度305℃で押し出して塗布し、その上に接着処理してあるポリエステルフィルムをラミネートして巻き取り、2日後に固着層から剥がしてモールドシート30を得た。このモールドシートは、図9に示すようなものであった。この方法では、固着層16を傷めることがなく、そのため繰り返し精密なモールドシートを成形することができる。
小球10の球径が60μmの場合、1cm2当り23,000個の充填密度とするため、図3の装置において、150μm×150μmのメッシュスクリーン11を用い、ロール11Bのクリアランスを50μmとして落下した小球10を均し、かつ圧力をかけて樹脂層に埋め込むようにする。
使用する小球10の球径と成形されたモールドシート30の穴22の深さとの関係は、次の表1に示すようになった。
上述したように製造されるモールドシート30で成形される研磨シートは、500mに及ぶ長さの帯状のものを成形することもでき、凸部2の大きさの種類も多数にわたり、小球付積層物(小球10、固着層16、ベース19)の存在により、これから新たなモールドシート30をいくらでも成形することができる。精密で長尺のモールドシート30を簡単に成型することができ、研磨シートの製造原価を大幅にコストダウンすることも可能となる。
図15は、図2の写真中、砥粒子1の存在を明瞭に写したものであり、凸部2内部や凸部2間の谷間にも砥粒子1が記入され、研磨層3が形成されている状態を明らかにしたものである。
図2では、砥粒子1の平均粒子径を0.5μmとしたが、図16では平均粒子径を8μmとした研磨シートを電子顕微鏡で写したものである。砥粒子1の存在がきわめて明瞭に写し出されている。
図17は、図13の写真では砥粒子1の存在が、はっきり識別しにくいので、精度を上げて撮影し、砥粒子1の存在を明瞭に写し出したものである。
図18は、平面研磨装置を示し、この装置を用いて、プラテン40に3種類の研磨シートを順次取付け、ワークホルダー41に工作物42を取付け、3種類の研磨シートでそれぞれ工作物42を研磨する実験を行った。3種類の研磨シートで用いた砥粒子1は、ホワイトアルミナの♯1500番手(8μm)であるが、基材としてポリエステルフィルム、テトロンタフタを使用した小球10を用いない2種類のもの(比較例)と、ポリエステルと小球10を用いたもの(本発明実施例)とで実験を行った。
2種類の比較例のうち基材をポリエステルフィルムとしたものを比較例1、基材をテトロンタフタとしたものを比較例2、ポリエステルと小球を用いたものを本実施例とし、ワークホルダ4による押付圧力を0.025Mpa、0.075Mpaとしたそれぞれの場合の工作物42の表面粗さ(Rmax)の時間的推移を見たグラフを図19、図20に示す。比較例1の研磨シートの表面粗さは、4.11μm、基材の厚さは、75μm、比較例2の表面粗さは、4.69μm、基材の厚さは125μm、本実施例の表面粗さは、8.30μm、基材の厚さは、75μmとした。
図19および図20のグラフから、本実施例の研磨シートでは、押付圧力を高くすることにより、短時間で工作物42の表面粗さを平滑にすることができることが判明した。
上述した比較例1、2と本実施例とで工作物22を研磨したときの表面粗さ改善率の時間的推移を図21と図22に示す。図21のグラフでは、押付圧力を0.025Mpa、図22のグラフでは押付圧力0.075Mpaで実験し、本実施例の研磨シートは、比較例1、2の研磨シートに比べて、短時間で工作物42の表面粗さを改善することができた。
1 砥粒子
2 凸部
3 研磨層
4 基材
10 小球
12 第2フィルム
13 第1フィルム
14 小球支持シート
16 固着層
19 ベース
20 小球固着シート
22 穴
30 モールドシート
2 凸部
3 研磨層
4 基材
10 小球
12 第2フィルム
13 第1フィルム
14 小球支持シート
16 固着層
19 ベース
20 小球固着シート
22 穴
30 モールドシート
Claims (3)
- 400番〜8,000番の範囲から選択された番手の砥粒子を混入した合成樹脂材料を
、単位面積当り75%以上を占めるように直径50μm〜200μmの範囲から選択され
た直径をもつ半球状の凸部が形成されたフィルムに成形された研磨層と、
この研磨層の凸部が形成された面の反対側の面に設けた基材とから成る研磨シート。 - 前記凸部は1cm2当り1万個以上存在することを特徴とする請求項1に記載の研磨シ
ート。 - 少なくとも上面に熱軟化性樹脂を有する小球支持シートを加熱軟化させた状態でその上
面に球径30μm〜150μmから選択された球径の小球を密に散布して軟化した樹脂層
に球径の40〜60%を埋め込み、前記小球支持シートの表面積に占める小球の表面積の
割合を75%以上となるようにする工程と、
この小球支持シートの露出する小球を樹脂材料で被覆して硬化させることにより小球が
固着された固着層を形成する工程と、
その後小球支持シートを小球から剥がして、小球が転写された穴を有するモールドシー
トを作製する工程と、
このモールドシートの穴形成側に400番〜8,000番の範囲から選択された番手の
砥粒子を混入した合成樹脂材料を供給する工程と、
このモールドシートに合成樹脂材料を塗布した積層物の合成樹脂材料側にプライマー処
理を施した基材の処理面を熱プレスしてラミネートする工程と、
その後モールドシートを剥離して基材上に研磨層が形成され、研磨層に凸部の形成され
た研磨シートを得る工程とから成ることを特徴とする研磨シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011184482A JP2012139812A (ja) | 2010-12-13 | 2011-08-26 | 研磨シート及びその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010276827 | 2010-12-13 | ||
JP2010276827 | 2010-12-13 | ||
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP (1) | JP2012139812A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015171517A (ja) * | 2014-02-18 | 2015-10-01 | 株式会社松風 | 歯科用研磨器具 |
-
2011
- 2011-08-26 JP JP2011184482A patent/JP2012139812A/ja not_active Withdrawn
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