JP2012137747A - エレクトロクロミック素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エレクトロクロミック層と、透明電極層あるいは電解質層との界面で生じる反射光を減らす事ができるとともに、光の透過率の波長依存性を抑制することができるエレクトロクロミック素子を提供する。
【解決手段】 対向する一対の基板上に設けられた一対の透明電極層と、前記一対の透明電極層に挟まれた電解質層およびエレクトロクロミック層を有し、前記一対の透明電極層間に印加される電圧によって光の透過率が変化するエレクトロクロミック素子において、前記エレクトロクロミック層はアモルファス酸化チタンからなる複数の柱状構造体からなり、前記複数の柱状構造体が基板法線に対して傾斜しており、且つ波長350nm以上750nm以下の範囲の光に対して、前記エレクトロクロミック層の屈折率の最大値と最小値の差が0.5未満であるエレクトロクロミック素子。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エレクトロクロミック素子に関し、特にデジタルカメラ用、エレクトロクロミック(EC)調光素子に関する。
エレクトロクロミック現象とは、電圧を加えた時に生ずる可逆的な電気化学反応(酸化あるいは還元反応)の誘起により、物質の光吸収域が変化し、物質が着色又は消色する現象をいう。かかるエレクトロクロミック現象を利用する電気化学的な着消色素子をエレクトロクロミック素子と称し、光の透過率を変化させる調光素子として、応用が期待されている。
一般に、エレクトロクロミック素子は、透明な第1の基板の上に第1の透明電極層、エレクトロクロミック層、電解質層、第2の透明電極層、透明な第2の基板を順次積層してなる。
上記レクトロクロミック素子は、第1の透明電極層と第2の透明電極層との間に電圧を印加することにより、エレクトロクロミック素子中で電気化学的反応が起きて物質の光吸収波長域が変化し、着消色する。
かかる着色機構は、例えば、エレクトロクロミック層へのリチウムイオンLiと電子eとのダブルインジェクションによるリチウム付加体の形成にあると云われている。
例えば、エレクトロクロミック物質としてTiOを用いた場合には、次の(1)式で表される酸化還元反応が行なわれる。
TiO+xLi+xe ⇔ LixTiO (1)
(消色) (着色)
上記の酸化還元反応によって形成されたLixTiOが光吸収特性を有する。一方、ここで印加電圧を逆転すれば、消色状態になる。
従来、エレクトロクロミック材料として主に使用されて来た物質に、酸化タングステンや酸化イリジウムが挙げられる。しかし、これらは着色時に青色になるため、カメラのNDフィルタなど、透過光の波長依存性が問題になる用途には、使用することが難しかった。
そこで、着色効率(ある電荷量を注入した際の着色度合い)は低いが、光学特性の波長依存性が低い(波長平坦性の高い)酸化チタンがエレクトロクロミック材料として着目されている(特許文献1)。
また、透過型の光学素子において、層界面での反射による透過光量の減少も大きな課題の一つである。たとえば、屈折率がnとnの隣り合う層の境界面における光の反射率RはR=(n−n/(n+nで表され、nとnの差が大きいほど反射率が高くなる。このような反射光を軽減する技術として、特許文献2では、エレクトロクロミック層を挟持する電解質層及び透明電極層と、エレクトロクロミック層の屈折率(例えば酸化タングステンで2.0程度)が近い値になるように構成することで、層界面における反射率を下げている。
特許第2884498号公報 特開昭54−33745号公報
特許文献1では、着色効率は低いが、光学特性の波長依存性が低い(波長平坦性の高い)酸化チタンがエレクトロクロミック材料が用いられているが、カメラのNDフィルタへの応用などを念頭に置いた場合、より高い波長平坦性が求められる。
また、特許文献2では、エレクトロクロミック層を挟持する電解質層及び透明電極層と、エレクトロクロミック層の屈折率(例えば酸化タングステンで2.0程度)が近い値になるように構成することで、層界面における反射率を下げている。しかしながら、例えば酸化チタン(屈折率2.5程度)のように屈折率が高いエレクトロクロミック材料を用いる場合、エレクトロクロミック層を挟持する電解質層や透明電極層をエレクトロクロミック層の屈折率に近い材料で構成することが難しく、その結果として反射率が高くなり透過光量が減少する。また、透過光の薄膜干渉も強くなり易い。加えて、周辺の材料を選定することで層界面における反射が軽減できても、屈折率の波長依存性は残存することになる。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、エレクトロクロミック層と、透明電極層あるいは電解質層との界面で生じる反射光を減らす事ができるとともに、光の透過率の波長依存性を抑制することができるエレクトロクロミック素子を提供するものである。
上記の課題を解決するエレクトロクロミック素子は、対向する一対の基板上に設けられた一対の透明電極層と、前記一対の透明電極層に挟まれた電解質層およびエレクトロクロミック層を有し、前記一対の透明電極層間に印加される電圧によって光の透過率が変化するエレクトロクロミック素子において、前記エレクトロクロミック層はアモルファス酸化チタンからなる複数の柱状構造体からなり、前記複数の柱状構造体が基板法線に対して傾斜しており、且つ波長350nm以上750nm以下の範囲の光に対して、前記エレクトロクロミック層の屈折率の最大値と最小値の差が0.5未満であることを特徴とする。
本発明によれば、エレクトロクロミック層と、透明電極層あるいは電解質層との界面で生じる反射光を減らす事ができるとともに、光の透過率の波長依存性を抑制することができるエレクトロクロミック素子を提供することができる。
本発明のエレクトロクロミック素子の一実施態様を示す概略図である。 本発明における実施例1および実施例2および比較例1の酸化チタン膜の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 本発明における実施例1および比較例1のエレクトロクロミック層の断面を示す概念図である。 本発明の実施例および比較例における酸化チタン膜の光学特性を示す図である。 本発明の実施例および比較例における酸化チタン膜の透過率特性を示す図である。 本発明における柱状構造体を形成する斜方蒸着の装置を示す概略図である。 本発明における実施例2および比較例2の酸化チタン膜のCV曲線を示す図である。 本発明における実施例2の酸化チタン膜に電圧を印加した場合の、注入電荷密度を示す図である。 本発明実施例におけるエレクトロクロミック素子の着消色応答を示す図である。 本発明実施例におけるエレクトロクロミック素子の繰り返し耐性の駆動電圧依存性を示す図である。 本発明実施例および比較例のエレクトロクロミック素子における、光学密度変化の注入電荷密度依存性を示す図である。 本発明比較例における酸化チタン膜にLiイオンを注入/放出した場合の、膜中Liイオン量の深さ方向変化を示す図である。 本発明比較例における酸化チタン膜にLiイオンを注入/放出した場合の、Liイオン放出率の深さ方向変化を示す図である。
本発明に係るエレクトロクロミック素子は、対向する一対の基板上に設けられた一対の透明電極層と、前記一対の透明電極層に挟まれた電解質層およびエレクトロクロミック層を有し、前記一対の透明電極層間に印加される電圧によって光の透過率が変化するエレクトロクロミック素子において、前記エレクトロクロミック層はアモルファス酸化チタンからなる複数の柱状構造体からなり、前記複数の柱状構造体が基板法線に対して傾斜しており、且つ波長350nm以上750nm以下の範囲の光に対して、前記エレクトロクロミック層の屈折率の最大値と最小値の差が0.5未満であることを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のエレクトロクロミック素子の一実施態様を示す概略図であり、図1(a)は本発明にかかるエレクトロクロミック素子の一例を模式的に示した断面図、図1(b)はエレクトロクロミック層の構成を示す断面図である。同図において、本発明のエレクトロクロミック素子は、透明な第1の基板1の上に、第1の透明電極層2、アモルファス酸化チタンからなる複数の柱状構造体からなるエレクトロクロミック層3、電解質層4、第2の透明電極層6、透明な第2の基板5を順次積層して構成されている。
(基板)
透明な第1の基板1および第2の基板5の例としては、一般にガラス板が挙げられるが、プラスチック板、ポリイミドなどの合成樹脂板も挙げられる。
(電解質層)
電解質層4には、例えば酸化タンタル、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ニオブ,酸化ジルコニウムなどが挙げられる。
(透明電極層)
第1の透明電極層2および第2の透明電極層6の例としては、酸化インジウム錫(ITO)及びSnO、ZnOや導電性高分子膜であるPEDOTなどが挙げられる。
(エレクトロクロミック層)
図1(b)に示すように、エレクトロクロミック層3は、アモルファス酸化チタンからなる複数の柱状構造体7からなり、前記複数の柱状構造体7は基板法線8に対して傾斜して設けられている。前記複数の柱状構造体は、基板法線に対して同一方向に傾斜していることが好ましい。
ここで、エレクトロクロミック層の屈折率をnおよび密度をρとしたとき、エレクトロクロミック層の密度ρは、Lorentz−Lorenzの式より、以下のように表される。
Aρ=(n −1)/(n +1)
(Aは物質に固有の定数)
このため、エレクトロクロミック層を構成する物質が同一であれば、エレクトロクロミック層の密度が低い(空孔率が高い)程、屈折率nは小さくなる。
本発明におけるエレクトロクロミック層は、基板11の基板法線8に対して傾斜したアモルファス酸化チタンからなる複数の柱状構造体7より構成されている。前記複数の柱状構造体7の間隙には空孔17が形成されているので、高い空孔率を有し、その結果として低い屈折率を得ることができる。柱状構造体は斜方蒸着により形成され、10は蒸着方向を示す。
また、本発明を具現化するための重要な点としては、アモルファス酸化チタンの斜方蒸着膜の屈折率の波長依存性が小さいという点である。
本発明は、エレクトロクロミック層を、基板法線に対して傾斜したアモルファス酸化チタンからなる柱状構造体で構成することで、透明電極層あるいは電解質層とエレクトロクロミック層との界面で生じる反射光を減らす事ができるとともに、更に透過光の波長依存性を抑制することができる。
以下、本発明のエレクトロクロミック層の作成工程について説明する。
(1)基板準備工程
透明電極層(第一の透明電極層)が形成された硝子基板(第一の基板)を準備する。
(2)酸化チタンの斜方蒸着によるエレクトロクロミック層の形成工程
本工程では、前記基板の透明電極層上に、アモルファス酸化チタン(TiOx)からなる複数の柱状構造体(エレクトロクロミック層)を斜方蒸着にて形成する。
図6は、本発明における柱状構造体を形成する斜方蒸着の装置を示す概略図である。斜方蒸着について図6を用いて説明する。図6に示すように、蒸着源12、基板11、基板ホルダ13、基板法線14、蒸着角度16、蒸着距離15、蒸着方向10の各構成を設定し、それらの各構成が真空装置内に設置された成膜装置を使用する。蒸着角度16は、基板法線14と、蒸着源12と基板の中心を結ぶ線分(蒸着距離15の線)がなす角である。10は蒸着方向である。基板ホルダ13は基板の保持に用い、基板ホルダを稼動することで、蒸着角度16を規定する。蒸着角度16は装置の構成によるが、通常は0度から90度の間で設定可能である。なお、蒸着角度16を規定することにより、エレクトロクロミック層における複数の柱状構造体の軸9と、基板法線8との間の柱状構造体の傾斜角度θが決定される。
蒸着源には酸化チタンペレットを使用し、抵抗加熱法や電子ビーム蒸着法等の方法により蒸着原料を加熱して、蒸着を行う。蒸着原料には、粉末状、顆粒状、ペレット状等の形状の酸化チタンが好適に用いられるが、アモルファス酸化チタン膜が形成できれば、特にこれらに限る必要はない。
図3は、本発明における実施例および比較例のエレクトロクロミック層の断面を表す概念図である。以下、実施例1から3において、ガラス基板(第1の基板)上に、第1の透明電極層としてITO層を形成し、その上にエレクトロクロミック層31を形成する場合について示す。また、比較例1および2として、ガラス基板(第1の基板)上に、第1の透明電極層としてITO層を形成し、その上にエレクトロクロミック層32を形成する場合について示す。その後、それぞれの屈折率および透過光スペクトルを比較し、エレクトロクロミック素子の駆動について示す。
(実施例1)
以下、本実施例の作成工程に沿って説明する。
(1)基板準備
ガラス基板(第1の基板)上に、ITO透明電極層(第1の透明電極層:厚さ100nm)が形成された基板を準備する。
(2)酸化チタンの斜方蒸着によるエレクトロクロミック層の形成
図6に示す真空装置で、前記基板のITO透明電極層上に、アモルファス酸化チタン(TiOx)よりなる斜方蒸着膜よりなるエレクトロクロミック層を形成する。蒸着角度60度で、膜厚は150から200nmになるように形成する。
上記にて形成したアモルファス酸化チタン膜(膜厚はおよそ150nm)を斜め上より撮影した走査電子顕微鏡(SEM)写真を図2(a)に示す。基板法線の方向から傾斜している柱状構造が形成されており、後に示す比較例に比べて高い空孔率を有する。柱状構造体の軸と、基板法線との間の柱状構造体の傾斜角度θはおよそ40度である。また、柱状構造体全体に対する空孔が占める割合を示す空孔率を550nmの光に対する屈折率から求めると、比較例1の膜を100%として、94%である。
分光エリプソメトリーにて求めた屈折率の波長依存性を図4(a)に示す。例えば波長550nm、350nmと750nmの光の屈折率はそれぞれ、2.1、2.4,2.0である。また、波長350nmから750nmの範囲の光に対して、屈折率の最大値と最小値の差(Δn)は0.4であった(図4(b))。
次に、波長350nmから750nmまでの光の透過率を測定した結果を図5に示す。薄膜干渉光による透過率の波長依存性が生じているが、波長350nmから750nmの光において、本実施例1における膜の最大透過率Tmaxおよび最小透過率TminはTmaxがおよそ105%(波長λ=578nm)およびTminがおよそ75%(波長λ=350nm)であった。
屈折率の測定方は、WOOLLAM製 エリプソメトリー測定装置 EC−400で行った。
透過率の測定方は、日本分光製 UV/Vis測定装置 V−560で行った。
(実施例2)
実施例1と同様の手法で、蒸着角度70度にてエレクトロクロミック層を形成する。アモルファス酸化チタン膜の膜厚は200nmに設定する。本条件にて成膜したアモルファス酸化チタン膜(膜厚はおよそ200nm)を斜め上より撮影した走査電子顕微鏡(SEM)写真を図2(b)に示す。およそ10nmの幅を持つナノ柱状構造体から構成されており、柱状構造体の軸と、基板法線との間の柱状構造体の傾斜角度θはおよそ40度である。また、柱状構造体全体に対する空孔が占める割合を示す空孔率を550nmの光に対する屈折率から求めると、比較例1の膜を100%として、82%である。
上記にて形成したアモルファス酸化チタン膜の、分光エリプソメトリーにて求めた屈折率の波長依存性を図4(a)に示す。例えば波長550nm、350nmと750nm光の屈折率はそれぞれ、1.8、2.1、1.8である。また、波長350nmから750nmの範囲の光に対して、屈折率の最大値と最小値の差(Δn)は0.3であった。
次に、波長350nmから750nmまでの光の透過率を測定した結果を図5に示す。薄膜干渉光による透過率の波長依存性が生じているが、波長350nmから750nmの光において、本実施例2における膜の最大透過率Tmaxおよび最小透過率TminはTmaxがおよそ100%(波長λ=745nm)およびTminがおよそ70%(波長λ=350nm)であった。
ここで、屈折率測定について、照射光の基板面内成分が、(1)蒸着方向に平行になるように、(2)蒸着方向に対して反平行になるように、(3)蒸着方向に対して90度になるように、と条件を変えて測定を行ったが、屈折率に異方性は確認されなかった。また、白板ガラス上に形成した本アモルファス酸化チタン膜のHaze値を測定したところ、0.05%と、十分小さい値であった。比較例1の膜ではHaze値は0.12%であり、本実施例では比較例1に比べてHaze値が小さくなることが確認できた。
本実施例の膜においてHaze値が小さくなる要因は、本実施例の膜では屈折率が低くなっているために、散乱光が減少したものと考えられる。
またここで、本膜を形成する構造体は柱の幅は約10nmと、光の波長λ、更にはλ/4よりも十分小さくなっているため、構造に起因する散乱は生じていないと考えられる。
(実施例3)
実施例1と同様の手法で、蒸着角度80度にてエレクトロクロミック層を形成する。アモルファス酸化チタン膜の膜厚はおよそ150nmである。柱状構造体の軸と、基板法線との間の柱状構造体の傾斜角度θはおよそ40度である。また、柱状構造体全体に対する空孔が占める割合を示す空孔率を550nmの光に対する屈折率から求めると、比較例1の膜を100%として、64%である。
上記にて形成したアモルファス酸化チタン膜(膜厚はおよそ150nm)の、分光エリプソメトリーにて求めた屈折率の波長依存性を図4(a)に示す。例えば、波長550nm、350nmと750nm光の屈折率はそれぞれ、1.6、1.7、1.5である。また、波長350nmから750nmの範囲の光に対して、屈折率の最大値と最小値の差(Δn)は0.2であった。
次に、波長350nmから750nmまでの光の透過率を測定した結果を図5に示す。薄膜干渉光による透過率の波長依存性が生じているが、波長350nmから750nmの光において、本実施例3における膜の最大透過率Tmaxおよび最小透過率TminはTmaxがおよそ110%(λ=700nm)およびTminがおよそ95%(λ=380nm)であった。
(比較例1)
実施例1と同様の手法で、蒸着角度0(対向設定)にてエレクトロクロミック層を形成する。
図2(c)にSEM写真を示すように、一様な、アモルファス酸化チタン膜が得られる(膜厚はおよそ200nm)。分光エリプソメトリーにて求めた屈折率の波長依存性を図4(a)に示す。例えば、波長550nm、350nmと750nm光の屈折率はそれぞれ、2.2、2.6、2.1である。また、波長350nmから750nmの範囲の光に対して、屈折率の最大値と最小値の差(Δn)は0.5であった。
次に、波長350nmから750nmまでの光の透過率を測定した結果を図5に示す。薄膜干渉光による透過率の波長依存性が生じているが、波長350nmから750nmの光において、本比較例1における膜の最大透過率Tmaxおよび最小透過率TminはTmaxがおよそ100%(λ=480nm)およびTminがおよそ50%(λ=350nm)であった。
(比較例2)
反応性RFマグネトロンスパッタにて、一様な酸化チタン膜(厚さ200nm)をエレクトロクロミック層として形成する。この膜は、アモルファスとアナターゼ結晶の混成となっている。分光エリプソメトリーにて求めた屈折率の波長依存性を図4(a)に示す。例えば、波長550nm、350nmと750nm光の屈折率はそれぞれ、2.3、2.8、2.2である。また、波長350nmから750nmの範囲の光に対して、屈折率の最大値と最小値の差(Δn)は0.6であった。
次に、波長350nmから750nmまでの光の透過率を測定した結果を図5に示す。薄膜干渉光による透過率の波長依存性が生じているが、波長350nmから750nmの光において、本比較例2における膜の最大透過率Tmaxおよび最小透過率TminはTmaxがおよそ105%(λ=490nm)およびTminがおよそ45%(λ=350nm)であった。
以上、実施例と比較例の屈折率nとその波長依存性(屈折率の変化量、Δn)および透過率(最大透過率Tmax、最小透過率Tmin)とその波長依存性(透過率の変化量ΔT)をまとめて表1に示す。
ここで、図5に示した酸化チタン膜の透過率は、酸化チタン膜を形成する前の「ITO/ガラス」基板を通した透過光量を100%として、「酸化チタン膜/ITO/ガラス」基板の透過光量を測定している。
実施例3の酸化チタン膜では屈折率がITOよりも低くなっているために、空気界面における反射防止の効果が働き、透過率が100%を超えて観測されている。
また、屈折率の高い膜では入射光の干渉が起こり易くなり、強められる特定の波長で透過率が100%を超えて観察されている。
実施例では、比較例に比べて屈折率の絶対値が小さくなっている。また図4(a)から読み取ったグラフである図4(b)に示され、且つ表1の「屈折率変化量Δn(350nmから750nm)」に数値を示したように、屈折率の変化量Δnは、実施例1ないし3のいずれもが比較例1および2のΔn=0.5および0.6より小さくなっている。このことから屈折率の波長依存性が、本発明では抑制されていることが確認できる。
ここで、撮像用素子の透過率の波長分布は、透過率が90%以上で且つ、透過率の変動幅が±10%以下であることが望ましい。また特に、人の目の可視範囲であり、デジタルカメラの中心光域である400nmから650nmの波長が重要になる。400nmから650nmの波長範囲における、最小透過率と最大透過率の差をもって本実施例および比較例を評価(透過率の変動幅が10%以下:◎、20%以下:○、20%より大:×)した。結果は表1の下段のようになり、本実施例の有効性が確認できた。
(実施例4)
実施例2および比較例2と同様にして形成した、膜厚200nmの酸化チタン膜を用いて、サイクリックボルタンメトリー測定(CV)を実施した(図7(a)、(b))。図7の挿入図に示す構成でフッ素樹脂製の電気化学測定セルを用い、対向電極は白金を、参照電極はAg/AgClを、電解液は0.1MのLiClOプロピレンカーボネート(PC)溶液を使用した。
実施例2の膜では、ナノ柱状構造体に起因して膜の表面積(CV測定時の電解液と酸化チタン膜の界面)が大きくなっており、比較例2に比べて非常に大きな電流密度が得られた。
(実施例5)
実施例2と同様にして形成した酸化チタン膜(膜厚200nm、400nm、650nm)に−2Vの電位を50秒印加し、注入される電荷密度を測定した。測定は、実施例4と同様の電気化学測定環境にて実施した。図8の挿入図に示すように、膜の厚み(t)に対して十分小さい幅のナノ柱状構造体からなる膜においては、ナノ柱状構造の側面積が膜の表面積の大部分を占めているため、膜の表面積(S)は膜厚にほぼ比例するとみなすことができる。本実施例の酸化チタン膜では、図8に示すようにほぼ膜厚に比例して注入電荷密度が大きくなることが観測され、この原理が成り立っていることが予測される。
(実施例6)
実施例2と同様にして形成した酸化チタン膜(膜厚400nm)を用いて、次の構成の素子を形成した。ガラス/ITO(100nm)/TiO(400nm)/0.1M LiClO(プロピレンカーボネイト溶媒)/NiO(100nm)/ITO(100nm)/ガラス。この素子に−2V(着色時駆動電圧:Vc)の電位を50秒と0V(消色時駆動電圧:Vb)の電位を50秒印加した際の、光学応答測定(ハロゲンランプ光源、フォトマルチメータにて可視光域の透過光を積分して測定)を実施した。着消色駆動前の素子の光透過率を100%として、印加電圧VcとVbの切り替えに伴うエレクトロクロミック着色応答が図9のように確認された。
ここで、本実施例の素子において、Vc(50秒)/Vb(50秒)=−1.9V/0V、−1.7V/0V、−1.4V/0V、の条件にて繰り返し駆動を行った。各Vcにおいて、一度のVc(50秒)印加にて注入される電荷量が安定するまでエージング駆動を行った後、注入される電荷量の駆動回数依存性を測定した。駆動回数の増加に伴う注入される電荷量の減少から素子駆動の繰り返し耐性を検討した。一度のVc(50秒)印加にて注入される電荷量が、エージング直後の注入電荷量に対して90%以下になる駆動回数N90%は、前記3つのVc/Vb駆動条件において、それぞれ90回、680回、3000回以上、と得られた。N90%のVc依存性を図10に示す。Vcが−1.9Vでの駆動に比べて−1.7Vでは繰り返し耐性が改善され、−1.4Vでの駆動では更に大幅な改善が得られた。駆動電圧の絶対値が小さいほど、高い繰り返し耐性が見られ、Vcの絶対値に対して繰り返し耐性は指数的に向上することが見られた。
更に、素子を駆動した際の光学密度変化(ΔOD)を、透明時の透過率Tbと着色時の透過率Tcを用いてΔOD=log(Tb/Tc)の関係から見積った。Vbを固定し、異なるVcにて駆動を行い、Vc(50秒)印加時に注入される単位面積当たりの注入電荷量(注入電荷密度)とΔODを測定した。実施例2の結果を、図11(a)◆のプロットとして示した。この図における傾きが、着色効率となる。測定結果を線形式で近似して見積もった結果を、図中に直線と数式で記入した。この結果、本実施例の素子では77.2cm/Cという、非常に高い着色効率が得られた。さらに、それぞれのVc(50秒)印加時のΔODをそのときの注入電荷密度にて割ることで求めた着色効率を図11(b)に示す。0からー1Vの間では、Vcの絶対値が小さい程高い着色効率を示す傾向がみられ、イオン注入量が少ないところでは高い着色効率を示す様子が見出された。そして−1Vよりも絶対値の大きいマイナス電圧の印加では、着色効率がおよそ80cm/Cにて飽和することが得られた。
(比較例3)
比較例2と同様にして形成した酸化チタン膜(膜厚300nm)を用いて、次の構成の素子を形成した。ガラス/ITO(100nm)/TiO(300nm)/0.1M LiClO(プロピレンカーボネイト溶媒)/NiO(100nm)/ITO(100nm)/ガラス。
ここで、実施例6と同様に、素子を駆動した際の光学密度変化(ΔOD)を、透明時の透過率Tbと着色時の透過率Tcを用いてΔOD=log(Tb/Tc)の関係から見積った。Vbを固定し、異なるVcにて駆動を行い、Vc(50秒)印加時に注入される電荷量とΔODを測定した。比較例2の結果を、図11に■のプロットとして示した。実施例6と同様にして着色効率を見積もったところ、28.4cm/Cと得られた。
(比較例4)
実施例4と同様の電気化学測定環境にて、比較例2と同様にして形成した酸化チタン膜(膜厚200nm)に電圧を印加して、酸化チタン膜に電荷を注入(Liイオンを注入)した際の、膜中のLiイオン量の深さ方向変化を飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)にて測定した。図12(a)に、−2.3V(50秒)、−2.0V(50秒)、−1.7V(50秒)、−1.4V(50秒)印加後の酸化チタン膜において測定した、Liイオン分布の深さ方向変化を示す。表面から膜の深い部分に移るに従って、Liイオン量が急激に少なくなることが確認できた。イオン注入にて作成した標準サンプルの測定結果と比較・構成し、Liの存在量をTiOLiのXに換算した結果を図12(a)の挿入図に示す。例えば−2.3V50秒印加後の膜中では、Xの値は表面付近で1.8であるのが、10nmの深さの場所では0.2程度まで急激に減少することが分かった。また、各条件のLiイオン量の深さ方向依存性を比較すると、絶対値の大きい電圧を印加した後の方が、膜の深さに位置にかかわらず、全体でイオン量が大きくなっていることが分かった。さらに、酸化チタン膜とITOの境目である200nm付近での測定値をノイズレベルとしてLiイオン量見積もると、それぞれの条件において、表面から5nm、10nm、20nm、25nmの領域に70%以上のLi原子の存在が確認できた。このことから、膜の表面がエレクトロクロミック反応の主たる部分は、膜の表面付近で担われていることが分かる。
さらに、Liイオンを注入後に逆の電位を印加してLiイオンを膜から放出した後の膜中のLiイオン分布を測定した。図7に示した比較例2の膜のCV測定結果より、本比較例の酸化チタン膜においてはエレクトロクロミック(着消色)反応はマイナスの電位で閉じて起こることが確認できたため、Liイオン放出の為には+0.5V50秒を印加した。
−2.0V50秒印加後した後に+0.5V50秒を印加した酸化チタン膜と、−2.3V50秒印加後に+0.5V50秒を印加した酸化チタン膜中のLiイオン分布を、Liイオン放出前の測定結果と併せて図12(b)に示した。
放出前後のLiイオン分布を比較して、放出されたLiイオン量の割合((注入電圧印加後のLiイオン量−放出電圧印加後のLiイオン量)/注入電圧印加後のLiイオン量)を算出し、その深さ依存性を得た(図13)。それぞれのイオン注入条件で表面付近ほど高い放出率が確認され、注入されたイオンは、表面付近の方が放出されやすいことが確認できた。更に、Liイオンの注入電圧(−2.0Vと−2.3V)で比較すると、−2.3Vを印加して注入したLiイオンの方が放出率が低くなっていることが分かった。すなわち、絶対値の小さい電圧で注入されたLiイオンの方が高い割合で放出されることが分かった。実施例6にて絶対値の低い条件で駆動した方が素子の繰り返し耐久性が高く得られた一因は、絶対値の低い条件で駆動した方が残留Liイオンが少なくなくなる効果にあると考えられる。
更に、前記実施例の酸化チタン膜は10nm程度の幅のナノ柱状構造体からなっており、注入されたLiイオンは、どの部位においても膜表面(酸化チタン膜と電解質の界面)から、例えば5nm以内に存在することになり、放出されやすいというメリットが予測される。
本発明のエレクトロクロミック素子は、反射光を減らす事ができるとともに、透過光の透過率の波長依存性を抑制することができるので、デジタルカメラ用、エレクトロクロミック(EC)調光素子等に利用することができる。
1 第1の基板
2 第1の透明電極層
3 エレクトロクロミック層
4 電解質層
5 第2の基板
6 第2の透明電極層
7 柱状構造体
8 基板法線
9 柱状構造体の軸
10 蒸着方向
11 基板
17 空孔

Claims (3)

  1. 対向する一対の基板上に設けられた一対の透明電極層と、前記一対の透明電極層に挟まれた電解質層およびエレクトロクロミック層を有し、前記一対の透明電極層間に印加される電圧によって光の透過率が変化するエレクトロクロミック素子において、前記エレクトロクロミック層はアモルファス酸化チタンからなる複数の柱状構造体からなり、前記複数の柱状構造体が基板法線に対して傾斜しており、且つ波長350nm以上750nm以下の範囲の光に対して、前記エレクトロクロミック層の屈折率の最大値と最小値の差が0.5未満であることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  2. 前記複数の柱状構造体が、基板法線に対して同一方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
  3. 前記柱状構造体が斜方蒸着にて形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のエレクトロクロミック素子。
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