JP2012137330A - 非水電解質二次電池のocv特性推定方法、ocv特性推定装置及び蓄電システム - Google Patents

非水電解質二次電池のocv特性推定方法、ocv特性推定装置及び蓄電システム Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池のOCV特性を長期的に精度良く推定することができるOCV特性推定方法を提供する。
【解決手段】コンピュータが、二次電池200の通電電気量と開回路電圧との関係を示すOCV特性を推定するOCV特性推定方法であって、二次電池200の所定の第一時点での通電電気量である第一電気量と正極開回路電位との関係を示す第一正極OCP特性と、二次電池200の第一電気量と負極開回路電位との関係を示す第一負極OCP特性とを取得するOCP特性取得ステップ(S102)と、第一時点から所定の第二時点までの二次電池200の充放電可能な容量の減少量である減少容量を取得する減少容量取得ステップ(S104)と、取得された第一正極OCP特性と第一負極OCP特性と減少容量とを用いて、二次電池200の第二時点でのOCV特性を推定する推定ステップ(S106)とを含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、非水電解質二次電池の開回路電圧の特性であるOCV特性を推定するOCV特性推定方法、OCV特性推定装置、及び非水電解質二次電池とOCV特性推定装置とを備える蓄電システムに関する。
世界的な環境問題への取り組みとして、ガソリン自動車から電気自動車への転換が重要になってきている。このため、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池を電気自動車の電源として使用することが検討されている。
しかしながら、当該二次電池は、過充電及び過放電に対して比較的弱く、過充電または過放電となった場合には、電池性能が低下する。このため、当該二次電池の開回路電圧の特性であるOCV特性を把握し、当該二次電池に通電する電流値や電気量を制御することで、過充電または過放電を防ぐ必要がある。つまり、当該二次電池の電池性能の低下を防ぐためには、OCV特性を正確に把握することが極めて重要である。
このため、従来、当該二次電池のOCV特性を把握する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。特許文献1では、予め測定した値から充電率と開回路電圧との関係を示す特性を取得し、OCV特性を把握している。また、特許文献2では、放電容量や放電電流などを用いた演算式による放電特性に基づいて、OCV特性を把握している。
特開2001−231179号公報 特開2009−031219号公報
しかしながら、上記従来の技術においては、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池のOCV特性を、長期的には正確に把握することができないという問題がある。
つまり、上記特許文献1及び2に開示された技術においては、当該二次電池の経年使用によってもOCV特性は変化しないという前提で、OCV特性を把握している。しかしながら、本願発明者らは、鋭意研究と実験の結果、当該二次電池のOCV特性は、使用によって変化していくということを見出した。このため、上記従来の技術においては、当該二次電池が長期的に使用された場合には、当該二次電池のOCV特性を正確に把握することができないという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池のOCV特性を長期的に精度良く推定することができる非水電解質二次電池のOCV特性推定方法、OCV特性推定装置及び蓄電システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るOCV特性推定方法は、コンピュータが、非水電解質二次電池の通電電気量と開回路電圧との関係を示すOCV特性を推定するOCV特性推定方法であって、前記非水電解質二次電池の所定の第一時点での通電電気量である第一電気量と正極開回路電位との関係を示す第一正極OCP特性と、前記非水電解質二次電池の前記第一電気量と負極開回路電位との関係を示す第一負極OCP特性とを取得するOCP特性取得ステップと、前記第一時点から所定の第二時点までの前記非水電解質二次電池の充放電可能な容量の減少量である減少容量を取得する減少容量取得ステップと、取得された前記第一正極OCP特性と前記第一負極OCP特性と前記減少容量とを用いて、前記非水電解質二次電池の前記第二時点でのOCV特性を推定する推定ステップとを含む。
これによれば、取得した第一正極OCP特性と第一負極OCP特性と減少容量とを用いて、第二時点でのOCV特性を推定する。つまり、第一正極OCP特性と第一負極OCP特性とから第一時点でのOCV特性を把握することができるが、その第一時点でのOCV特性と減少容量とを用いることで、第一時点から所定の期間経過後の第二時点でのOCV特性を推定することができる。このため、期間が経過しても経過期間に応じたOCV特性を推定することができるので、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池のOCV特性を、長期的に精度良く推定することができる。
また、好ましくは、前記推定ステップでは、前記非水電解質二次電池の前記第二時点での通電電気量である第二電気量に前記減少容量を加算した値を前記第一正極OCP特性の前記第一電気量に代入して得られる、前記第二電気量と正極開回路電位との関係を示す特性を第二正極OCP特性として算出し、前記非水電解質二次電池の前記第二電気量を前記第一負極OCP特性の前記第一電気量に代入して得られる、前記第二電気量と負極開回路電位との関係を示す特性を第二負極OCP特性として算出し、算出した前記第二正極OCP特性における前記第二電気量に対する正極開回路電位から、前記第二負極OCP特性における前記第二電気量に対する負極開回路電位を減ずることにより得られる前記第二電気量と開回路電圧との関係を示す特性を、前記第二時点でのOCV特性と推定する。
これによれば、第一正極OCP特性と減少容量とから第二正極OCP特性を算出し、第一負極OCP特性から第二負極OCP特性を算出し、算出した第二正極OCP特性と第二負極OCP特性とから、第二時点でのOCV特性を推定する。ここで、本願発明者らは、鋭意研究と実験の結果、第二正極OCP特性が、第一正極OCP特性での通電電気量を減少容量分移動させた特性と精度良く一致することを見出した。つまり、第一正極OCP特性と減少容量とから、第二正極OCP特性を精度良く容易な計算で算出することができる。このため、容易に精度の良い第二時点でのOCV特性を推定することができるため、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池のOCV特性を、長期的に精度良く容易に推定することができる。
また、好ましくは、前記減少容量取得ステップでは、前記非水電解質二次電池の前記第一時点での充放電可能な容量である第一可逆容量を測定するとともに、前記非水電解質二次電池の前記第二時点での充放電可能な容量である第二可逆容量を測定し、前記第一可逆容量から前記第二可逆容量を減じることにより算出される前記減少容量を取得する。
これによれば、第一可逆容量及び第二可逆容量を測定して、当該第一可逆容量と第二可逆容量とから減少容量を算出して取得する。これにより、容易に減少容量を取得することができるため、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池のOCV特性を、長期的に精度良く容易に推定することができる。
なお、本発明は、このような非水電解質二次電池のOCV特性推定方法として実現することができるだけでなく、当該OCV特性推定方法に含まれるステップを行う処理部を備えるOCV特性推定装置としても実現することができる。また、本発明は、このようなOCV特性推定装置に含まれる特徴的な処理部を備える集積回路としても実現することができる。
また、本発明は、非水電解質二次電池と、当該非水電解質二次電池の通電電気量と開回路電圧との関係を示すOCV特性を推定するOCV特性推定装置とを備える蓄電システムとしても実現することができる。
また、本発明は、OCV特性推定方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
本発明によると、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池のOCV特性を長期的に精度良く推定することができる。
本発明の実施の形態に係るOCV特性推定装置を備える蓄電システムの外観図である。 本発明の実施の形態に係るOCV特性推定装置の機能的な構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係るOCV特性推定データの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るOCV特性推定装置が二次電池のOCV特性を推定する処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るOCP特性取得部が第一正極OCP特性と第一負極OCP特性とを取得する処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るOCP特性取得部が取得する初期正極OCP特性と初期負極OCP特性とを示す図である。 本発明の実施の形態に係るOCP特性取得部が取得する第一正極OCP特性と第一負極OCP特性とを示す図である。 本発明の実施の形態に係る減少容量取得部が減少容量を取得する処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る推定部が第二時点でのOCV特性を推定する処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る推定部が推定する第二時点でのOCV特性を示す図である。 本発明の実施の形態に係るOCV特性推定装置が推定するOCV特性の変化を示す図である。 本発明の実施の形態に係るOCV特性推定装置を集積回路で実現する構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係るOCV特性推定装置、及び当該OCV特性推定装置を備える蓄電システムについて説明する。
まず、蓄電システム10の構成について、説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るOCV特性推定装置100を備える蓄電システム10の外観図である。
同図に示すように、蓄電システム10は、OCV特性推定装置100と、複数(同図では6個)の二次電池200と、OCV特性推定装置100及び複数の二次電池200を収容する収容ケース300とを備えている。
OCV特性推定装置100は、複数の二次電池200の上方に配置され、複数の二次電池200のOCV特性を推定する回路を搭載した回路基板である。具体的には、OCV特性推定装置100は、複数の二次電池200に接続されており、複数の二次電池200から情報を取得して、複数の二次電池200の通電電気量と開回路電圧との関係を示すOCV特性を推定する。このOCV特性推定装置100の詳細な機能構成の説明については、後述する。
ここで、二次電池200のOCV特性とは、二次電池200の通電電気量と開回路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)との関係を示す特性である。また、開回路電圧とは、二次電池200の正極と負極との間の開回路電位(OCP:Open Circuit Potential)の電位差であり、二次電池200の正極開回路電位から負極開回路電位を差し引いた値である。
また、正極開回路電位及び負極開回路電位とは、二次電池200が外部回路から電気的に切り離された(正極と負極との間に負荷をかけていない)状態が十分な時間経過した時点での、二次電池200の正極の電位及び負極の電位である。つまり、開回路電圧は、二次電池200に電流が流れていない状態が十分な時間経過したときの当該二次電池200の正極と負極との間の電圧を示している。
なお、ここでは、OCV特性推定装置100は複数の二次電池200の上方に配置されているが、OCV特性推定装置100はどこに配置されていてもよい。
二次電池200は、正極と負極とを有する非水電解質二次電池であり、例えば、リチウムイオン二次電池である。つまり、二次電池200は、例えば、正極がコバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物、負極が炭素材料の二次電池である。また、同図では6個の矩形状の二次電池200が直列に配置されて組電池を構成している。なお、二次電池200の個数は6個に限定されず、他の複数個数または1個であってもよい。また二次電池200の形状も特に限定されない。
次に、OCV特性推定装置100の詳細な機能構成について、説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係るOCV特性推定装置100の機能的な構成を示すブロック図である。
OCV特性推定装置100は、二次電池200の通電電気量と開回路電圧との関係を示すOCV特性を推定する装置である。同図に示すように、OCV特性推定装置100は、OCP特性取得部110、減少容量取得部120、推定部130及び記憶部140を備えている。
OCP特性取得部110は、二次電池200の所定の第一時点での通電電気量である第一電気量と正極開回路電位との関係を示す第一正極OCP特性と、二次電池200の第一電気量と負極開回路電位との関係を示す第一負極OCP特性とを取得する。
具体的には、OCP特性取得部110は、二次電池200の初期状態での正極に対する通電電気量と正極開回路電位との関係を示す初期正極OCP特性と、二次電池200の初期状態での負極に対する通電電気量と負極開回路電位との関係を示す初期負極OCP特性とを、記憶部140から読み出すことによって取得する。
そして、OCP特性取得部110は、二次電池200の第一電気量に第一時点での正極の相対位置ずれ(充放電可能な容量の減少量)を加算した値を初期正極OCP特性の初期電気量に代入して得られる、第一電気量と正極開回路電位との関係を示す特性を第一正極OCP特性として算出することで、第一正極OCP特性を取得する。
また、OCP特性取得部110は、二次電池200の第一電気量を初期負極OCP特性の初期電気量に代入して得られる、第一電気量と負極開回路電位との関係を示す特性を第一負極OCP特性として算出することで、第一負極OCP特性を取得する。
なお、所定の第一時点とは、OCV特性を推定する計算の基準となる時点である。ここで、当該第一時点はどのような時点でもよいが、例えば、二次電池200の工場出荷時点である。なお、第一時点は、分、時、日、月など、どのような単位で表現されてもかまわない。
減少容量取得部120は、第一時点から所定の第二時点までの二次電池200の充放電可能な容量の減少量である減少容量を取得する。
具体的には、減少容量取得部120は、まず、測定するなどして記憶部140に記憶されている二次電池200の第一時点での充放電可能な容量である第一可逆容量を取得する。また、減少容量取得部120は、二次電池200の第二時点での充放電可能な容量である第二可逆容量を測定し、第一可逆容量から第二可逆容量を減じることにより算出される減少容量を取得する。
そして、減少容量取得部120は、取得した減少容量を第二時点での正極のOCP特性における通電電気量の相対位置ずれとして、記憶部140に記憶させることで、記憶部140に記憶されているOCP特性における通電電気量の相対位置ずれを更新する。また、減少容量取得部120は、測定した第二可逆容量を記憶部140に記憶させ、第一可逆容量を第二可逆容量に更新する。
なお、所定の第二時点とは、第一時点から二次電池200の使用を継続して所定の期間が経過した時点であるが、当該所定の期間はどのような期間であってもよく、特に限定されない。また、当該所定の期間の単位も特に限定されず、例えば、分オーダー、時間オーダー、日オーダー、月オーダーなどの期間である。つまり、第二時点は、第一時点と同様に、分、時、日、月など、どのような単位で表現されてもかまわない。
推定部130は、OCP特性取得部110が取得した第一正極OCP特性及び第一負極OCP特性と、減少容量取得部120が取得した減少容量とを用いて、二次電池200の第二時点でのOCV特性を推定する。
具体的には、推定部130は、二次電池200の第二時点での通電電気量である第二電気量に減少容量を加算した値を第一正極OCP特性の第一電気量に代入して得られる、第二電気量と正極開回路電位との関係を示す特性を第二正極OCP特性として算出する。
また、推定部130は、二次電池200の第二電気量を第一負極OCP特性の第一電気量に代入して得られる、第二電気量と負極開回路電位との関係を示す特性を第二負極OCP特性として算出する。
そして、推定部130は、算出した第二正極OCP特性における第二電気量に対する正極開回路電位から、算出した第二負極OCP特性における第二電気量に対する負極開回路電位を減ずることにより得られる第二電気量と開回路電圧との関係を示す特性を、第二時点でのOCV特性と推定する。
このように、減少容量取得部120は、第三時点、第四時点というように可逆容量を測定し、減少容量を取得していくことで、記憶部140に記憶されているOCP特性における通電電気量の相対位置ずれと、可逆容量とを繰り返し更新していく。そして、推定部130は、記憶部140に記憶されている初期正極OCP特性と初期負極OCP特性とOCP特性における通電電気量の相対位置ずれとから、最新のOCV特性を推定する。
記憶部140は、OCV特性を推定するための情報を記憶するためのメモリである。具体的には、記憶部140は、OCV特性を推定するための情報を含むOCV特性推定データ141を記憶している。OCV特性推定データ141の詳細については、後述する。
図3は、本発明の実施の形態に係るOCV特性推定データ141の一例を示す図である。
OCV特性推定データ141は、初期正極OCP特性と初期負極OCP特性と相対位置ずれと可逆容量とを示すデータの集まりである。つまり、同図に示すように、OCV特性推定データ141は、「初期正極OCP特性」、「初期負極OCP特性」、「相対位置ずれ」及び「可逆容量」を含むデータテーブルである。
具体的には、「初期正極OCP特性」には、初期状態での二次電池200の通電電気量と正極開回路電位との関係を示す関数P(q)が記憶されている。また、「初期負極OCP特性」には、初期状態での二次電池200の通電電気量と負極開回路電位との関係を示す関数N(q)が記憶されている。
また、「相対位置ずれ」には、正極のOCP特性における通電電気量の相対的なずれ量(減少容量)を示す値であるΔqが記憶されている。また、「可逆容量」には、二次電池200の充放電可能な容量である可逆容量Qが記憶されている。
ここで、OCV特性推定データ141には、初期正極OCP特性及び初期負極OCP特性と、初期状態での可逆容量とが事前に書き込まれている。なお、OCP特性取得部110は、OCV特性推定データ141に書き込まれるデータをユーザの入力などから取得し、記憶部140に記憶させることで、OCV特性推定データ141に当該データを書き込むことにしてもよい。
また、減少容量取得部120は、測定した可逆容量と取得した減少容量とを記憶部140に記憶させることで、OCV特性推定データ141の相対位置ずれと可逆容量とを更新する。
次に、OCV特性推定装置100が二次電池200のOCV特性を推定する処理について説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係るOCV特性推定装置100が二次電池200のOCV特性を推定する処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、OCP特性取得部110は、二次電池200の第一正極OCP特性と第一負極OCP特性とを取得する(S102)。
具体的には、OCP特性取得部110は、二次電池200の初期正極OCP特性及び初期負極OCP特性と第一時点での正極の相対位置ずれとから、第一正極OCP特性と第一負極OCP特性とを取得する。なお、このOCP特性取得部110が第一正極OCP特性と第一負極OCP特性とを取得する処理の詳細な説明については、後述する。
そして、減少容量取得部120は、減少容量を取得する(S104)。
具体的には、減少容量取得部120は、二次電池200の第一可逆容量を取得するとともに第二可逆容量を測定し、当該第一可逆容量と第二可逆容量とから減少容量を取得する。また、減少容量取得部120は、取得した減少容量と測定した第二可逆容量とを、記憶部140に記憶させる。
なお、この減少容量取得部120が減少容量を取得する処理の詳細な説明については、後述する。
そして、推定部130は、二次電池200の第二時点でのOCV特性を推定する(S106)。
具体的には、推定部130は、OCP特性取得部110が取得した第一正極OCP特性及び第一負極OCP特性と減少容量取得部120が取得した減少容量とから、第二正極OCP特性及び第二負極OCP特性を算出して、第二時点でのOCV特性を推定する。
なお、この推定部130が第二時点でのOCV特性を推定する処理の詳細な説明については、後述する。
このように、減少容量取得部120は、繰り返し可逆容量を測定し、減少容量を取得していくことで、記憶部140に記憶されているOCP特性における通電電気量の相対位置ずれと、可逆容量とを繰り返し更新していく。そして、推定部130は、記憶部140に記憶されている初期正極OCP特性と初期負極OCP特性とOCP特性における通電電気量の相対位置ずれとから、最新のOCV特性を推定する。
なお、初期正極OCP特性と初期負極OCP特性とは、更新されることなく、記憶部140に記憶されている。
以上のようにして、OCV特性推定装置100が二次電池200のOCV特性を推定する処理は、終了する。
次に、OCP特性取得部110が第一正極OCP特性と第一負極OCP特性とを取得する処理(図4のS102)について、詳細に説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係るOCP特性取得部110が第一正極OCP特性と第一負極OCP特性とを取得する処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、OCP特性取得部110は、二次電池200の初期正極OCP特性及び初期負極OCP特性と、二次電池200の第一時点での正極の相対位置ずれとを取得する(S202)。
ここで、初期正極OCP特性及び初期負極OCP特性と初期状態での可逆容量とは、予め測定され、予め記憶部140に記憶されていることとするが、予めOCP特性取得部110の回路構成やプログラムに組み込まれているものとすることもできる。あるいは、ユーザによって入力ができるものとしてもよい。
初期正極OCP特性及び初期負極OCP特性と初期状態での可逆容量とは、以下のように1つの二次電池200に対して測定を行うことによって取得することができる。
まず、OCV特性推定対象のリチウムイオン二次電池と同一種類の初期状態でのリチウムイオン二次電池を入手する。なお、初期状態とは、例えばリチウムイオン二次電池の工場出荷時点(上記の第一時点)での状態とすることができ、市販電池を購入すること等によって当該初期状態でのリチウムイオン二次電池を入手することができる。
そして、このようにして入手したリチウムイオン二次電池から初期正極OCP特性及び初期負極OCP特性と初期状態での可逆容量とを測定によって取得する。なお、これらのデータを測定する方法としては、限定されるものではなく、例えば、入手したリチウムイオン二次電池を解体して、正極及び負極を取り出し、当該リチウムイオン二次電池に用いられている電解液と同等の電解液中で測定してもよいし、あるいは、入手したリチウムイオン二次電池の電解液部分に参照極を挿入し、充放電を行うことによって測定してもよい。
なお、測定の手順としては、まず、リチウムイオン二次電池を放電末状態とし、その時点での正極OCP及び負極OCPの値を記録し、次いで、参照極を挿入した測定あるいは解体した正極及び負極それぞれに対する測定を行うことが好ましい。
そして、このように第一時点での状態を初期状態としてリチウムイオン二次電池を入手して測定する場合、第一時点での特性を測定しているため第一時点での相対位置ずれはないものとすることができることから、OCP特性取得部110は、二次電池200の第一時点での正極の相対位置ずれをゼロと取得してよい。
なお、初期正極OCP特性及び初期負極OCP特性の測定は、第一時点ではなく、リチウムイオン二次電池の使用中の任意の時点において測定してもよい。この場合、第一時点での相対位置ずれはゼロではなくなるため、OCP特性取得部110は、当該OCP特性の測定時点から第一時点までの可逆容量の減少量を第一時点での相対位置ずれとして算出する。この場合、リチウムイオン二次電池に対して参照極を挿入して測定をするだけでなく、リチウムイオン二次電池を解体して、正極及び負極を取り出して測定することにより、初期正極OCP特性、初期負極OCP特性及び相対位置ずれの取得が容易となる。
ここで、OCP特性取得部110が取得する初期正極OCP特性と初期負極OCP特性について、説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係るOCP特性取得部110が取得する初期正極OCP特性と初期負極OCP特性とを示す図である。つまり、同図は、二次電池200の初期状態での通電電気量と正極及び負極の開回路電位との関係の特性を示すグラフである。
同図に示すように、P(q)は、二次電池200の初期状態での通電電気量qと正極開回路電位との関係である初期正極OCP特性を示しており、通電電気量qが大きくなるほど充電が進行し、一般的に正極電位が貴な方向に変化する。また、N(q)は、二次電池200の初期状態での通電電気量qと負極開回路電位との関係である初期負極OCP特性を示しており、通電電気量qが大きくなるほど充電が進行し、一般的に負極電位が卑な方向に変化する。
また、初期正極OCP特性から初期負極OCP特性を差し引いたP(q)−N(q)(同図に示す点線部分)は、二次電池200の初期状態での通電電気量qと開回路電圧との関係の特性を示している。また、同図のQ1は、二次電池200の初期状態における充放電可能な容量を示している。
図5に戻り、OCP特性取得部110は、第一正極OCP特性と第一負極OCP特性とを取得する(S204)。
ここで、上記のように第一時点での状態を初期状態としてリチウムイオン二次電池を入手して測定する方法では、第一時点での相対位置ずれはないので、OCP特性取得部110は、初期正極OCP特性及び初期負極OCP特性を、それぞれ第一正極OCP特性及び第一負極OCP特性として取得する。
また、第一時点での相対位置ずれがある場合には、OCP特性取得部110は、二次電池200の第一時点での通電電気量である第一電気量に第一時点での相対位置ずれを加算した値を初期正極OCP特性の初期電気量に代入して得られる、第一電気量と正極開回路電位との関係を示す特性を第一正極OCP特性として算出することで、第一正極OCP特性を取得する。
つまり、初期正極OCP特性をP(q)、第一時点での正極の相対位置ずれをΔqとした場合、OCP特性取得部110は、第一正極OCP特性をP(q+Δq)と算出する。
また、OCP特性取得部110は、二次電池200の第一電気量を初期負極OCP特性の初期電気量に代入して得られる、第一電気量と負極開回路電位との関係を示す特性を第一負極OCP特性として算出することで、第一負極OCP特性を取得する。
つまり、OCP特性取得部110は、第一負極OCP特性をN(q)と算出する。
図7は、本発明の実施の形態に係るOCP特性取得部110が取得する第一正極OCP特性と第一負極OCP特性とを示す図である。つまり、同図は、二次電池200の第一時点での通電電気量と正極及び負極の開回路電位との関係の特性を示すグラフである。
同図に示すように、P(q+Δq)は、二次電池200の第一時点での通電電気量qと正極開回路電位との関係である第一正極OCP特性を示している。また、N(q)は、二次電池200の第一時点での通電電気量qと負極開回路電位との関係である第一負極OCP特性を示している。
また、第一正極OCP特性から第一負極OCP特性を差し引いたP(q+Δq)−N(q)(同図に示す点線部分)は、二次電池200の第一時点での通電電気量qと開回路電圧との関係の特性を示している。
また、同図のQ3は、二次電池200の第一時点における充放電可能な容量を示している。つまり、初期状態ではQ1の部分が充放電可能な容量であったが、第一時点までの電池の使用によって、Q2の部分が充放電できなくなったことを示している。
なお、第一正極OCP特性P(q+Δq)のグラフは、初期正極OCP特性P(q)のグラフが形を変えずに、通電電気量qの軸方向(同図に示す左右方向)にΔqずれた曲線を示している。
以上のようにして、OCP特性取得部110が第一正極OCP特性と第一負極OCP特性とを取得する処理(図4のS102)は、終了する。
次に、減少容量取得部120が減少容量を取得する処理(図4のS104)について、詳細に説明する。
図8は、本発明の実施の形態に係る減少容量取得部120が減少容量を取得する処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、減少容量取得部120は、二次電池200の第一時点での充放電可能な容量である第一可逆容量を取得する(S302)。具体的には、減少容量取得部120は、記憶部140から、OCV特性推定データ141に書き込まれている二次電池200の第一可逆容量を取得する。つまり、上記のように第一時点での状態を初期状態としてリチウムイオン二次電池を入手して測定された可逆容量は第一可逆容量であるので、減少容量取得部120は、当該可逆容量を第一可逆容量として取得する。具体的には、減少容量取得部120は、図7に示されたQ3の容量を取得する。
なお、OCV特性推定データ141に第一可逆容量が書き込まれていない場合には、減少容量取得部120は、第一時点において二次電池200の第一可逆容量を測定して、測定した第一可逆容量をOCV特性推定データ141に書き込んでおくことにしてもよい。例えば、減少容量取得部120は、第一時点において、OCV特性推定対象のリチウムイオン二次電池を満充電後に放電させることにより、第一可逆容量を測定する。なお、減少容量取得部120が第一可逆容量を測定する処理は特に限定されず、減少容量取得部120はどのような方法で第一可逆容量を測定してもよい。
次に、減少容量取得部120は、二次電池200の第二時点での充放電可能な容量である第二可逆容量を測定する(S306)。つまり、減少容量取得部120は、第一時点から二次電池200の使用を継続して所定の期間が経過した後の第二時点での第二可逆容量を測定する。なお、減少容量取得部120は、第一可逆容量を測定する場合と同様の処理により、第二可逆容量を測定する。
そして、減少容量取得部120は、第一時点から所定の第二時点までの二次電池200の充放電可能な容量の減少量である減少容量を算出する(S308)。具体的には、減少容量取得部120は、取得した第一可逆容量から測定した第二可逆容量を減じることにより、減少容量を算出する。
そして、減少容量取得部120は、取得した減少容量を、第二時点での正極のOCP特性における通電電気量の相対位置ずれとして記憶部140に記憶させるとともに、測定した第二可逆容量を記憶部140に記憶させる(S310)。これにより、減少容量取得部120は、記憶部140に記憶されているOCV特性推定データ141の相対位置ずれを更新するとともに、可逆容量を第二可逆容量に書き換えることで、可逆容量を更新する。
以上のようにして、減少容量取得部120が減少容量を取得する処理(図4のS104)は、終了する。
次に、推定部130が第二時点でのOCV特性を推定する処理(図4のS106)について、詳細に説明する。
図9は、本発明の実施の形態に係る推定部130が第二時点でのOCV特性を推定する処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、推定部130は、第二正極OCP特性を算出する(S402)。具体的には、推定部130は、二次電池200の第二時点での通電電気量である第二電気量に減少容量を加算した値を第一正極OCP特性の第一電気量に代入して得られる、第二電気量と正極開回路電位との関係を示す特性を第二正極OCP特性として算出する。
つまり、第一正極OCP特性をP(q+Δq)、減少容量をQ4とした場合、減少容量取得部120は、第二時点での正極のOCP特性における通電電気量の相対位置ずれとして、「Δq+Q4」を記憶部140のOCV特性推定データ141に記憶させている。このため、推定部130は、第二正極OCP特性をP(q+Δq+Q4)と算出する。
また、推定部130は、第二負極OCP特性を算出する(S404)。具体的には、推定部130は、二次電池200の第二電気量を第一負極OCP特性の第一電気量に代入して得られる、第二電気量と負極開回路電位との関係を示す特性を第二負極OCP特性として算出する。
つまり、第一負極OCP特性をN(q)とした場合、推定部130は、第二負極OCP特性をN(q)と算出する。
そして、推定部130は、第二時点でのOCV特性を算出する(S406)。具体的には、推定部130は、算出した第二正極OCP特性における第二電気量に対する正極開回路電位から、算出した第二負極OCP特性における第二電気量に対する負極開回路電位を減ずることにより得られる第二電気量と開回路電圧との関係を示す特性を、第二時点でのOCV特性と算出する。
つまり、第二正極OCP特性をP(q+Δq+Q4)、第二負極OCP特性をN(q)とした場合、推定部130は、第二時点でのOCV特性を、P(q+Δq+Q4)−N(q)と算出する。
図10は、本発明の実施の形態に係る推定部130が推定する第二時点でのOCV特性を示す図である。つまり、同図は、二次電池200の第二時点での通電電気量と、正極及び負極の開回路電位との関係及び開回路電圧との関係の特性を示すグラフである。
同図に示すように、P(q+Δq+Q4)は、二次電池200の第二時点での通電電気量qと正極開回路電位との関係である第二正極OCP特性を示している。また、N(q)は、二次電池200の第二時点での通電電気量qと負極開回路電位との関係である第二負極OCP特性を示している。
また、第二正極OCP特性から第二負極OCP特性を差し引いたP(q+Δq+Q4)−N(q)(同図に示す点線部分)は、二次電池200の第二時点での通電電気量qと開回路電圧との関係の特性を示している。
また、同図のQ5は、二次電池200の第二時点における充放電可能な容量を示している。つまり、第一時点ではQ3の部分が充放電可能な容量であったが、第一時点から第二時点までの電池の使用によって、Q4の部分が充放電できなくなったことを示している。
ここで、Q3は、減少容量取得部120が測定した第一可逆容量を示しており、Q5は、減少容量取得部120が測定した第二可逆容量を示しており、Q4は、減少容量取得部120が取得する減少容量を示している。
なお、第二正極OCP特性P(q+Δq+Q4)のグラフは、第一正極OCP特性P(q+Δq)のグラフが形を変えずに、通電電気量qの軸方向(同図に示す左右方向)にQ4ずれた曲線を示している。つまり、第二正極OCP特性P(q+Δq+Q4)のグラフは、初期正極OCP特性P(q)のグラフが形を変えずに、通電電気量qの軸方向(同図に示す左右方向)にΔq+Q4ずれた曲線を示している。
また、第二負極OCP特性N(q)のグラフは、第一負極OCP特性N(q)のグラフと同じ曲線を示している。
つまり、二次電池200の充放電を繰り返し行っても、正極及び負極について単極の劣化はほぼ起こらない。一方、二次電池200の充放電を繰り返し行うことで、見かけ上、二次電池200の内部抵抗が増加する。しかしながら、この見かけ上の内部抵抗の増加は、ドーパントであるリチウムイオンの一部が負極にリチウム含有被膜が成長する反応のために消費される結果、これが正極及び負極間の容量バランスのずれを生じているにすぎないことを本願発明者らは見いだした。
このため、二次電池200のOCV特性が、正極及び負極の充放電プロファイルがずれていくことで変化していく。このことを考慮して、ある時点での電池状態図と、その後減少した電池容量とから、二次電池200のOCV特性を推定することができる。
以上のようにして、推定部130が第二時点でのOCV特性を推定する処理(図4のS106)は、終了する。
次に、OCV特性推定装置100が推定する二次電池200の使用によるOCV特性の変化について、説明する。
図11は、本発明の実施の形態に係るOCV特性推定装置100が推定するOCV特性の変化を示す図である。なお、同図では、図6、7、10で示したOCV特性のグラフを拡大して示している。
同図のF0(q)は、初期状態でのOCV特性を示しており、F1(q)は、第一時点でのOCV特性を示しており、F2(q)は、OCV特性推定装置100が推定した第二時点でのOCV特性を示している。
つまり、同図に示すように、二次電池200が使用されて充放電を繰り返すことにより、多くの場合、通電電気量と開回路電圧との関係を示すOCVカーブの位置や形状が変化する。
なお、本願発明者らは、市販のリチウムイオン二次電池を購入して、45℃で2000サイクルの寿命試験を実施した結果、減少容量として200mAhを得た。このため、本願発明者らは、F2(q)=P(q+Δq+Q4)−N(q)においてQ4=200mAhとして、第二時点でのOCV特性F2(q)を算出した。その結果、実際のリチウムイオン二次電池のOCV測定値と良い一致を示した。
以上のように、本発明の実施の形態に係るOCV特性推定装置100によれば、取得した第一正極OCP特性と第一負極OCP特性と減少容量とを用いて、第二時点でのOCV特性を推定する。つまり、第一正極OCP特性と第一負極OCP特性とから第一時点でのOCV特性を把握することができるが、その第一時点でのOCV特性と減少容量とを用いることで、第一時点から所定の期間経過後の第二時点でのOCV特性を推定することができる。このため、期間が経過しても経過期間に応じたOCV特性を推定することができるので、二次電池200のOCV特性を、長期的に精度良く推定することができる。
また、第一正極OCP特性と減少容量とから第二正極OCP特性を算出し、第一負極OCP特性から第二負極OCP特性を算出し、算出した第二正極OCP特性と第二負極OCP特性とから、第二時点でのOCV特性を推定する。ここで、本願発明者らは、鋭意研究と実験の結果、第二正極OCP特性が、第一正極OCP特性での通電電気量を減少容量分移動させた特性と精度良く一致することを見出した。つまり、第一正極OCP特性と減少容量とから、第二正極OCP特性を精度良く容易な計算で算出することができる。このため、容易に精度の良い第二時点でのOCV特性を推定することができるため、二次電池200のOCV特性を、長期的に精度良く容易に推定することができる。
また、初期正極OCP特性と正極の相対位置ずれとから第一正極OCP特性を算出することで、当該第一正極OCP特性を取得する。例えば、第一時点での二次電池200を解体して正極の相対位置ずれを測定することで、第一正極OCP特性を容易に算出することができる。これにより、第一正極OCP特性を容易に取得することができ、二次電池200のOCV特性を、長期的に精度良く容易に推定することができる。
また、第一可逆容量を測定するなどにより取得し、また第二可逆容量を測定することで、当該第一可逆容量と第二可逆容量とから減少容量を算出して取得する。これにより、容易に減少容量を取得することができるため、二次電池200のOCV特性を、長期的に精度良く容易に推定することができる。
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電システム10及びOCV特性推定装置100について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施の形態では、OCP特性取得部110が、初期正極OCP特性及び初期負極OCP特性と第一時点での正極の相対位置ずれとから、第一正極OCP特性と第一負極OCP特性とを取得することで、推定部130は、第一正極OCP特性及び第一負極OCP特性から、第二時点でのOCV特性を推定することとした。しかし、OCP特性取得部110は、初期正極OCP特性及び初期負極OCP特性と第一時点での正極の相対位置ずれを用いなくとも、ユーザによる入力などによって第一正極OCP特性と第一負極OCP特性とを取得することにしてもよい。つまり、OCP特性取得部110がある時点における正極OCP特性と負極OCP特性とを取得し、減少容量取得部120がその時点から所定の期間経過した時点までの減少容量を取得することができれば、推定部130は、その所定の期間経過した時点でのOCV特性を推定することができる。
また、本発明は、このような蓄電システム10またはOCV特性推定装置100として実現することができるだけでなく、OCV特性推定装置100に含まれる特徴的な処理部をステップとするOCV特性推定方法としても実現することができる。
また、本発明に係るOCV特性推定装置100が備える各処理部は、集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。つまり、図12に示すように、本発明は、OCP特性取得部110、減少容量取得部120及び推定部130を備える集積回路150として実現することができる。図12は、本発明の実施の形態に係るOCV特性推定装置100を集積回路で実現する構成を示すブロック図である。
なお、集積回路150が備える各処理部は、個別に1チップ化されても良いし、一部または全てを含むように1チップ化されても良い。
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてあり得る。
また、本発明は、OCV特性推定方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
本発明は、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池のOCV特性を長期的に精度良く推定することができる非水電解質二次電池のOCV特性推定装置等に適用できる。
10 蓄電システム
100 OCV特性推定装置
110 OCP特性取得部
120 減少容量取得部
130 推定部
140 記憶部
141 OCV特性推定データ
150 集積回路
200 二次電池
300 収容ケース

Claims (6)

  1. コンピュータが、非水電解質二次電池の通電電気量と開回路電圧との関係を示すOCV特性を推定するOCV特性推定方法であって、
    前記非水電解質二次電池の所定の第一時点での通電電気量である第一電気量と正極開回路電位との関係を示す第一正極OCP特性と、前記非水電解質二次電池の前記第一電気量と負極開回路電位との関係を示す第一負極OCP特性とを取得するOCP特性取得ステップと、
    前記第一時点から所定の第二時点までの前記非水電解質二次電池の充放電可能な容量の減少量である減少容量を取得する減少容量取得ステップと、
    取得された前記第一正極OCP特性と前記第一負極OCP特性と前記減少容量とを用いて、前記非水電解質二次電池の前記第二時点でのOCV特性を推定する推定ステップと
    を含むOCV特性推定方法。
  2. 前記推定ステップでは、
    前記非水電解質二次電池の前記第二時点での通電電気量である第二電気量に前記減少容量を加算した値を前記第一正極OCP特性の前記第一電気量に代入して得られる、前記第二電気量と正極開回路電位との関係を示す特性を第二正極OCP特性として算出し、
    前記非水電解質二次電池の前記第二電気量を前記第一負極OCP特性の前記第一電気量に代入して得られる、前記第二電気量と負極開回路電位との関係を示す特性を第二負極OCP特性として算出し、
    算出した前記第二正極OCP特性における前記第二電気量に対する正極開回路電位から、前記第二負極OCP特性における前記第二電気量に対する負極開回路電位を減ずることにより得られる前記第二電気量と開回路電圧との関係を示す特性を、前記第二時点でのOCV特性と推定する
    請求項1に記載のOCV特性推定方法。
  3. 前記減少容量取得ステップでは、前記非水電解質二次電池の前記第一時点での充放電可能な容量である第一可逆容量を測定するとともに、前記非水電解質二次電池の前記第二時点での充放電可能な容量である第二可逆容量を測定し、前記第一可逆容量から前記第二可逆容量を減じることにより算出される前記減少容量を取得する
    請求項1または2に記載のOCV特性推定方法。
  4. 非水電解質二次電池の通電電気量と開回路電圧との関係を示すOCV特性を推定するOCV特性推定装置であって、
    前記非水電解質二次電池の所定の第一時点での通電電気量である第一電気量と正極開回路電位との関係を示す第一正極OCP特性と、前記非水電解質二次電池の前記第一電気量と負極開回路電位との関係を示す第一負極OCP特性とを取得するOCP特性取得部と、
    前記第一時点から所定の第二時点までの前記非水電解質二次電池の充放電可能な容量の減少量である減少容量を取得する減少容量取得部と、
    取得された前記第一正極OCP特性と前記第一負極OCP特性と前記減少容量とを用いて、前記非水電解質二次電池の前記第二時点でのOCV特性を推定する推定部と
    を備えるOCV特性推定装置。
  5. 非水電解質二次電池と、
    前記非水電解質二次電池の通電電気量と開回路電圧との関係を示すOCV特性を推定する請求項4に記載のOCV特性推定装置と
    を備える蓄電システム。
  6. 非水電解質二次電池の通電電気量と開回路電圧との関係を示すOCV特性を推定する集積回路であって、
    前記非水電解質二次電池の所定の第一時点での通電電気量である第一電気量と正極開回路電位との関係を示す第一正極OCP特性と、前記非水電解質二次電池の前記第一電気量と負極開回路電位との関係を示す第一負極OCP特性とを取得するOCP特性取得部と、
    前記第一時点から所定の第二時点までの前記非水電解質二次電池の充放電可能な容量の減少量である減少容量を取得する減少容量取得部と、
    取得された前記第一正極OCP特性と前記第一負極OCP特性と前記減少容量とを用いて、前記非水電解質二次電池の前記第二時点でのOCV特性を推定する推定部と
    を備える集積回路。
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