JP2012137170A - 油圧駆動減速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリアが無い3K型不思議遊星歯車減速機構を採用して軸方向の小型化を実現した油圧駆動減速装置を提供する。
【解決手段】油圧駆動減速装置10は油圧モータ部11と、減速機部12とで構成されている。減速機部12はケーシング13の外周面14に固着されたベアリング15により回転自在に取り付けられている。シャフト16は太陽歯車17と結合されている。遊星歯車19は太陽歯車17を中心として複数個配置されて、太陽歯車17と内歯歯車部20との双方に噛み合っており、太陽歯車17と本体21に一体の内歯歯車23との双方に噛み合うように配置されている。スラストプレート24A及び24Bは、太陽歯車17や遊星歯車19が回転軸方向に変位した際、太陽歯車17及び遊星歯車19の端面と摺動するように配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は建設機械・農業機械等に使用される油圧駆動減速装置に関し、さらに詳細には建設機械・農業機械のなかでも、特に油圧ショベルの走行駆動装置のようなクローラーによって走行する建設機械の駆動装置として用いられる油圧駆動減速装置に関する。
従来、この種の技術としては特許文献1がある。この場合、油圧モータに連設されている減速機の径方向、軸方向の小型化を行うことで、特に油圧ショベルの走行駆動装置がクローラーの幅より突出しないようにするものである。
また、特許文献2では、キャリアが1段となる3K型不思議遊星歯車機構を採用することで、減速機回転軸方向の小型化を実現するものである。
特開平9−240525号公報 特開2010−174909
一般的に油圧モータの動力(回転とトルク)をクローラーに伝達する際に、高出力トルクを得るために、キャリアが2段の遊星歯車減速機が採用されている。キャリアが2段の遊星歯車減速機は、キャリアが1段の遊星歯車減速機に比べ、高減速比が得られるのでより高出力トルクとすることができるが、2つのキャリアを減速機回転軸方向に並べて配置しなければならないため減速機が回転軸方向に大きくなってしまう。このため、特許文献1では、キャリアが2段の遊星歯車減速機の減速機回転軸方向の小型化を行っても、2つのキャリアに相当する幅を必要とするため、キャリアが1段の遊星歯車減速機より大きくなってしまう。
また、特許文献2では、キャリアを1段の3K型不思議遊星歯車機構とし、減速機回転軸方向の小型化を行っている。ただし、減速機回転軸方向に1つのキャリアに相当する幅を必要とするため、さらに小型化を行う場合には、キャリアが無い構造とする必要がある。
本発明は、係る課題を解決するためになされたもので、回転軸方向の小型化を可能にした油圧駆動減速装置を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために請求項1記載の発明は、
油圧モータ部と、
前記油圧モータ部のケーシングにベアリングを介して回転自在に支持され該油圧モータ部のシャフトに結合した3K型不思議遊星歯車減速機構の減速機部と、
を備えた油圧駆動減速装置において、
前記減速機部は前記油圧モータ部の出力軸により駆動される太陽歯車と、
前記太陽歯車を中心として複数個配置され該太陽歯車及び前記ケーシングに一体になった内歯歯車部の双方に噛み合うように配置され、かつ前記太陽歯車と前記減速機部の本体に一体になっている内歯歯車との双方に噛み合う遊星歯車と、
前記太陽歯車及び前記遊星歯車の両端面に設けられ、該太陽歯車及び前記遊星歯車が回転軸方向へ変位した際、前記太陽歯車及び前記遊星歯車の端面と摺動するように配置されたスラストプレートと、
を設けたことを特徴とする。
本発明は、減速機のキャリアが2段の遊星歯車減速機構と同等以上の減速比で、キャリアが無い3K型不思議遊星歯車機構を油圧駆動減速装置に採用することで、従来と同等以上の出力トルクが得られ、かつキャリアが1段となる3K型不思議遊星歯車機構より減速機回転軸方向の小型化を実現した油圧駆動減速装置とすることができる。
さらに、本発明により従来のキャリアが2段の遊星歯車減速機構を採用している減速機付き油圧駆動減速装置、及びキャリアが1段となる3K型不思議遊星歯車機構を採用している減速機付き油圧駆動減速装置と比べ小型のものとなり、構造が簡単で、部品点数の少ない油圧駆動減速装置となり、経済的にも安価なものとのすることができる。
本発明の実施の形態に係る油圧駆動減速装置の概略構造を示す略縦断面図である。
本発明の油圧駆動減速装置につき好適な実施の形態を挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は油圧駆動減速装置10の概略構造を示す縦断面図である。油圧駆動減速装置10は、固定されている斜板式アキシャルピストン型油圧モータ部11(以下、油圧モータ部11という)と、該油圧モータ部11と回転自在に結合した3K型不思議遊星歯車減速機構の減速機部12と、で構成されている。減速機部12は、油圧モータ部11のケーシング13の外周面14に固着されたベアリング15により回転自在に支持され、軸方向に移動しないように取り付けられている。
油圧モータ部11のシャフト16は、太陽歯車17とスプライン部18によって回転方向に結合されている。遊星歯車19は太陽歯車17を中心として円周上に複数個等配に配置されており(図1では1個のみ表示)、太陽歯車17とケーシング13に一体となっている内歯歯車部20との双方に噛み合うように配置され、かつ太陽歯車17と本体21にボルト22により締結されている内歯歯車23との双方に噛み合うように配置されている。スラストプレート24A、及び24Bは、太陽歯車17や遊星歯車19が回転軸方向へ動いた場合、太陽歯車17や遊星歯車19の端面と摺動するように配置されている。
内歯歯車部20と内歯歯車23との歯数は異なっているが、太陽歯車17、遊星歯車19、前記内歯歯車部20及び前記内歯歯車23は転移歯車となっているので、遊星歯車19の中心軸に対する内歯歯車部20の中心軸の距離と内歯歯車23の中心軸の距離が一致しており、内歯歯車部20と内歯歯車23は遊星歯車19に対してそれぞれ厳密に噛み合って不思議歯車機構を構成する。
また、減速機部12は遊星歯車機構の入力軸、出力軸及び固定軸の3軸の基本要素がそれぞれ太陽歯車17、内歯歯車23、内歯歯車部20の3つの歯車により、3K型不思議遊星歯車減速機構(遊星歯車機構の基本要素でKは歯車の意)を構成する。かかる構成により、本発明はキャリアが無い3K型不思議遊星歯車減速機構を採用した油圧駆動減速装置となる。
かかる構成により、キャリアが無い3K型不思議遊星歯車減速機構を採用した油圧駆動減速装置10となる。
本発明の油圧駆動減速装置10は以上のように構成されており、次に動作を図1に基づき説明する。
油圧モータ部11のシャフト16が時計回り(図1の矢印A方向、以下同じ)に回転すると、シャフト16と結合されている太陽歯車17は時計回りに回転する。太陽歯車17とケーシング13に一体となっている内歯歯車部20との双方にみ合っている遊星歯車19は反時計回り(図1の矢印B方向、以下同じ)に回転しながら、太陽歯車17を中心に時計回りに回転し、反時計回りに自転しながら時計回りに公転する(遊星運動)。
遊星歯車19と噛み合っている内歯歯車23は、内歯歯車部20と歯数が異なっているので、遊星歯車19が太陽歯車17を中心に公転すると、内歯歯車部20に対し内歯歯車23の歯数の方が多い場合は時計回りに回転し、逆に内歯歯車部20に対し内歯歯車23の歯数の方が少ない場合は反時計回りに回転する。本体21は、内歯歯車23に一体となっているので内歯歯車23が時計回りに回転した場合は時計回りに回転し、逆に内歯歯車23が反時計回りに回転した場合は反時計回りに回転する。太陽歯車17や遊星歯車19は、回転軸方向へ動いた場合、スラストプレート24A、及び24Bと摺動する。かかる動作により、油圧モータ部11の回転を減速機部12で減速することで、本発明は高出力トルクを得ることのできる油圧駆動減速装置となる。
10 減速装置 11 油圧モータ部
12 減速機部 13 ケーシング
14 外周面 15 ベアリング
16 シャフト 17 太陽歯車
18 スプライン部 19 遊星歯車
20 内歯歯車部 23 内歯歯車
21 本体 24A、24B スラストプレート

Claims (1)

  1. 油圧モータ部と、
    前記油圧モータ部のケーシングにベアリングを介して回転自在に支持され該油圧モータ部のシャフトに結合した3K型不思議遊星歯車減速機構の減速機部と、
    を備えた油圧駆動減速装置において、
    前記減速機部は前記油圧モータ部の出力軸により駆動される太陽歯車と、
    前記太陽歯車を中心として複数個配置され該太陽歯車及び前記ケーシングに一体になった内歯歯車部の双方に噛み合うように配置され、かつ前記太陽歯車と前記減速機部の本体に一体になっている内歯歯車との双方に噛み合う遊星歯車と、
    前記太陽歯車及び前記遊星歯車の両端面に設けられ、該太陽歯車及び前記遊星歯車が回転軸方向へ変位した際、前記太陽歯車及び前記遊星歯車の端面と摺動するように配置されたスラストプレートと、
    を設けたことを特徴とする油圧駆動減速装置。
JP2010291711A 2010-12-28 2010-12-28 油圧駆動減速装置 Withdrawn JP2012137170A (ja)

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