JP2012136393A - 五酸化バナジウムの溶融設備 - Google Patents

五酸化バナジウムの溶融設備 Download PDF

Info

Publication number
JP2012136393A
JP2012136393A JP2010290244A JP2010290244A JP2012136393A JP 2012136393 A JP2012136393 A JP 2012136393A JP 2010290244 A JP2010290244 A JP 2010290244A JP 2010290244 A JP2010290244 A JP 2010290244A JP 2012136393 A JP2012136393 A JP 2012136393A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace
vanadium pentoxide
melting
deposit
wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010290244A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5589830B2 (ja
Inventor
Yoichi Watabe
陽一 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2010290244A priority Critical patent/JP5589830B2/ja
Publication of JP2012136393A publication Critical patent/JP2012136393A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5589830B2 publication Critical patent/JP5589830B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

【課題】五酸化バナジウムの発塵を抑制し人体に悪影響を与えることなく、炉壁を保護すると共に製品化される五酸化バナジウムの純度を高く維持でき、後工程でのフレーク化が容易に行える溶融設備を提供する。
【解決手段】炉底2と炉側壁3と炉蓋4を有し、五酸化バナジウム堆積物Vhを収容することができる溶融炉1と、溶融炉内に収容された五酸化バナジウム堆積物Vhの表面を直接加熱する加熱器6とを備える。五酸化バナジウム堆積物Vhの表面を直接加熱するので、堆積物の表面が溶融物または焼結物で覆われるため発塵することがなく、作業員の健康被害を防止できる。五酸化バナジウム堆積物Vhを直接加熱して溶融させるものであり、炉内全体を必要以上に高温に加熱するものでないため、五酸化バナジウムの溶湯が炉壁に浸透することを抑制でき、この結果、炉壁の損傷による不純物混入がなくなり五酸化バナジウム製品を高純度に維持できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、五酸化バナジウムの溶融設備に関する。さらに詳しくは、五酸化バナジウムを固化した製品形態とするため、その前工程で溶融するための溶融設備に関する。
バナジウムは、鋼や合金に添加されるとその抗張力や耐熱性を高める性質があり、建築構造材、橋梁、工具、航空機、ロケット向けに使用されている。また、触媒として石油の脱硫、アルコールの酸化、硫酸製造、プロピレン樹脂合成等にも利用されている。
日本は、バナジウム全量を、主にVやフェロバナジウムの形態で輸入しているが、バナジウムは国家備蓄の対象となっていることもあって、リサイクル利用技術が開発され、バナジウムを石油精製用使用済触媒等からの回収という形での生産も行われている。
従来の石油精製用使用済触媒を処理しバナジウムを回収する方法には、ソーダ焙焼と溶媒抽出法を用いたものがあるが、得られるバナジウムはVの形態であって固液分離されたあとろ過材から剥離された固形堆積物(以下、ケーキという)、またはこれを乾燥させ造粒し成形した粒状物である。ところで、五酸化バナジウムは、有害物質であり、吸引したり、皮膚に付着すると人体に大きな悪影響を与える。そのため、微粉等の発塵は人体にとって危険が大きい。
そこで、運搬時やバナジウム利用製品の製造工程における安全性を考えるとフレーク化等の製品化工程が必要とされ、フレーク化するには前工程として五酸化バナジウムを溶融することが必要となる。
しかるに、五酸化バナジウムは溶融したときの浸透腐食性が高く、溶融炉内で溶湯が炉壁に接触すると五酸化バナジウムが炉壁に浸透して損傷させる。そして、損傷した炉壁からの不純物が混入すると五酸化バナジウムの純度が落ちる、という問題がある。
五酸化バナジウムの製品化技術としては、特許文献1,2の従来技術がある。
特許文献1の従来技術は、安価な低純度バナジウム原料を使用して高純度Vを製造する技術であり、製品形態としては、粉体のままか、これを成形器に入れて成形体とするものである。
したがって、粉体のままでは発塵の可能性が高く、成形体もハンドリング時に形が崩れて発塵する可能性が残ることから、人体被害の問題を未然に防ぐことはできない。
また、特許文献2の従来技術は、酸化バナジウムを溶液で得る技術であるが、製品化形態としては、酸化バナジウム溶液を乾燥して固形物化すると説明されている。
しかし、このようにして固形物化したものの形態の具体的な説明はなく、固形物の形が崩れることによる発塵防止については全く言及がなく、人体被害の防止を考慮したものとは考えられない。
以上のごとく、特許文献1,2では五酸化バナジウムの発塵による人体被害の防止については、課題すら教示していない。
また、五酸化バナジウム固形物を溶融してフレーク化する工程については、特許文献1,2に限らず、他の公知文献にも言及したものは見当たらない。したがって、五酸化バナジウムを溶融する際に、その浸透腐食性に起因する溶融炉の損傷を防止する技術についても、課題の提示もないのが現状である。
このように、現状では五酸化バナジウムの実用的な溶融技術は確立されていないのである。
特開平10−114525号公報 特開2006−169025号公報
本発明は上記事情に鑑み、五酸化バナジウムの発塵を抑制し人体に悪影響を与えることなく、炉壁を保護すると共に製品化される五酸化バナジウムの純度を高く維持できる溶融設備を提供することを目的とする。
第1発明の五酸化バナジウムの溶融設備は、五酸化バナジウムの堆積物を収容することができる溶融炉と、該溶融炉内に収容された五酸化バナジウムの堆積物の表面を直接加熱する加熱器とを備えることを特徴とする。
第2発明の五酸化バナジウムの溶融設備は、第1発明において、前記加熱器は、前記溶融炉に投入された五酸化バナジウムの堆積物が山積み状態となってできた斜面を直接加熱できる位置に取付けられていることを特徴とする。
第3発明の五酸化バナジウムの溶融設備は、第1または第2発明において、前記加熱器は、完全燃焼して生成された火炎を放射するバーナであることを特徴とする。
第4発明の五酸化バナジウムの溶融設備は、第1または第2発明において、前記加熱器は、熱風炉で完全燃焼して生成された高温熱風を放射するノズルであることを特徴とする。
第5発明の五酸化バナジウムの溶融設備は、第1発明において、前記溶融炉は、炉底と炉側壁と炉蓋を有しており、該炉側壁の外周に冷却ジャケットを取付けており、該冷却ジャケットの取付高さは、溶融炉における溶湯溜りの高さに合わされていることを特徴とする。
第6発明の五酸化バナジウムの溶融設備は、第1発明において、前記溶融炉は、炉底と炉側壁と炉蓋を有しており、この炉底、炉側壁および炉蓋はいずれも内壁耐火材と外壁耐火材とこれらを保持する鉄皮とからなり、前記内壁耐火材は炭化ケイ素を主材とする耐火材であり、前記外壁耐火材は伝熱性のある耐火材であることを特徴とする。
第7発明の五酸化バナジウムの溶融設備は、第5発明において、前記炉側壁のうち、前記冷却ジャケットの取付け部分は、内壁耐火材も外壁耐火材も炭化ケイ素を主材とする耐火材からなることを特徴とする。
第8発明の五酸化バナジウムの溶融設備は、第2または第3発明において、前記溶融炉は、五酸化バナジウムを炉内で1ヵ所に堆積するものであることを特徴とする。
第9発明の五酸化バナジウムの溶融設備は、第2または第3発明において、前記溶融炉は、五酸化バナジウムを炉内で隣接する複数ヶ所に堆積するものであることを特徴とする。
第10発明の五酸化バナジウムの溶融設備は、第2発明において、前記溶融炉は、内部の高温ガスを排出する排ガスダクトを備えていることを特徴とする。
第11発明の五酸化バナジウムの溶融設備は、第1発明において、前記溶融炉は、五酸化バナジウムの堆積物が溶融した溶湯を取り出す出湯口と、溶湯が該出湯口に集まるように当該溶融炉を傾転させる傾転機構とを備えることを特徴とする。
第12発明の五酸化バナジウムの溶融設備は、第1発明において、前記溶融炉は、傾斜した炉底と傾斜が低い方の炉側壁に前記出湯口が形成されていることを特徴とする。
第1発明によれば、五酸化バナジウムの堆積物の表面を直接加熱するので、堆積物の表面が溶融物または焼結物で覆われるため発塵することがない。このため、作業員の健康被害を防止できる。また、五酸化バナジウムの堆積物を直接加熱して溶融させるものであり、炉内全体を高温に加熱するものでないため、五酸化バナジウムの溶湯が炉材に浸透し難くなり、この結果、炉壁の損傷による不純物混入がなくなり五酸化バナジウム製品を高純度に維持できる。五酸化バナジウムの溶湯をフレーク状に固化させる際も、反射炉方式による場合よりも低い温度から開始できるので、時間が短くてすみ容易に作業ができる。
第2発明によれば、五酸化バナジウム堆積物の斜面に対し、加熱領域が限定され、加熱領域以外の炉壁等は加熱されず高温とならない。このため、溶湯が炉壁に浸透して損傷することも防止しやすく、同時に炉壁からの不純物混入がなくなり五酸化バナジウム製品を高純度に維持できる。
第3発明によれば、バーナから完全燃焼した火炎を放射して五酸化バナジウム堆積物を加熱すれば、五酸化バナジウムが還元されないので低級酸化物の生成を抑制できる。
第4発明によれば、ノズルから完全燃焼した高温熱風を放射して五酸化バナジウム堆積物を加熱すれば、五酸化バナジウムが還元されないので低級酸化物の生成を抑制できる。
第5発明によれば、炉側壁より熱を逃がすことに加え、冷却ジャケットにより炉側壁を介して溶湯を強制冷却するので、五酸化バナジウムの溶湯のうち炉側壁に接する部分を冷却して固化して、固化部分を炉底や炉側壁の保護層とすることができる。また炉側壁の表面温度を下げ五酸化バナジウム溶湯の炉材への浸透を抑制することができる。
第6発明によれば、内壁耐火材が炭化ケイ素を主材とするものであるから、耐熱性が高く、バナジウムに対する化学安定性も高いので、五酸化バナジウムの溶湯が炉壁に浸透することを抑制しやすく、このため炉壁の損傷による不純物混入がなくなり五酸化バナジウム製品を高純度に維持できる。また、外壁耐火材は伝熱性を利用して耐火材内側の温度を極力低下させ、五酸化バナジウムの耐火材への浸透を抑制することができる。さらに、内壁耐火材内側近傍における五酸化バナジウムの温度も抑制することができ、一定厚さで固化層を形成することにより(いわゆるセルフコーティング)、耐火材の保護を可能にすることができる。
第7発明によれば、冷却ジャケットの内側の内壁耐火材と外壁耐火材は伝熱性を有する炭化ケイ素を主材とする耐火材なので、溶融炉内の五酸化バナジウム溶湯を効率よく強制冷却することができる。
第8発明によれば、五酸化バナジウム堆積物が溶融炉内で1ヵ所の山積み状態に積み上げられるので、溶湯が流れ出る斜面を自然に形成することができ、五酸化バナジウム堆積物に直接加熱することも可能となる。
第9発明によれば、五酸化バナジウム堆積物が溶融炉内で複数ヶ所の隣接した山積み状態に積み上げ溶湯が流れ出る谷間を自然に形成することができ、溶湯が谷間を流れることにより炉壁に高温の溶湯を接触しないようにすることができ、かつ原料堆積物により炉側壁を保護することができる。
第10発明によれば、加熱器から放射され五酸化バナジウム堆積物を加熱した後の熱が五酸化バナジウム堆積物を貫流して排ガスダクトに向うので、熱と五酸化バナジウム堆積物との接触により予め乾燥させたり予備加熱ができるので、効率よく溶融させることができる。
第11発明によれば、傾転機構により溶融炉を傾斜させると出湯口から溶湯をバッチ式で取り出すことができる。
第12発明によれば、溶け出た溶湯を傾斜した炉底に沿わせて最底部に集め、出湯口から連続して取り出すことができる。
本発明の第1実施形態に係る溶融設備の構造説明図である。 図1の溶融設備の平面図である。 図1の溶融設備の左側面図である。 図1の溶融設備の右側面図である。 五酸化バナジウム堆積物の溶融作業における初期状態の説明図であり、(A)は正面図、(B)は平面図である。 五酸化バナジウム堆積物の溶融作業の説明図であって、(I)は溶融作業中期の説明図、(II)は溶融作業終期の説明図、(III)は出湯作業の説明図である。 本発明の第2実施形態に係る溶融設備であって、(A)は平面図、(B)はシュート5Cの説明図である。 第2実施形態の溶融炉における五酸化バナジウム堆積物の溶融作業の説明図である。 本発明の第3実施形態に係る溶融設備であって、(A)は正面図、(B)は平面図である。 本発明の第4実施形態に係る溶融設備の正面図である。 本発明の第5実施形態に係る溶融設備の平面図である。 実施例1の実験結果を示すグラフである。 実施例2の実験結果を示すグラフである。
本発明の溶融設備により溶融する対象物は、五酸化バナジウムであるが、これには(a)狭義の五酸化バナジウムと(b)バナジン酸アンモニウムと(c)狭義の五酸化バナジウムとバナジン酸アンモニウムの混合物が含まれ、本明細書でいう「五酸化バナジウム」とは前記(a)、(b)、(c)を含む広義の意味で用いられている。
(本発明の技術原理)
本発明の溶融設備は、固液分離されたケーキ、またはケーキを造粒成形した粒状物あるいはその乾燥物である五酸化バナジウムをフレーク状に成形するために、いったん溶融するための設備である。
既述のごとく、五酸化バナジウムは、人体に対し有害物質であり発塵性があるので、処理中に発塵を防止する必要があり、また、五酸化バナジウムが高い浸透性や腐食性を有することから、溶融炉の炉壁を保護し、また炉壁の損傷による不純物混入によるバナジウム製品の品質低下を防ぐ必要がある。
これらの課題に応えるものとして、本発明の溶融設備は、溶融炉の内部に堆積した五酸化バナジウムを加熱器で直接加熱し、直接加熱された部分(つまり、当て吹きされた部分)を中心に融点以上に昇温させて五酸化バナジウム堆積物の表面から溶融させて溶湯だまりに流下させると共に、この溶融過程において、溶湯あるいは焼結物によって五酸化バナジウム堆積物を覆うことによって発塵を防止し、また溶湯の一部を固化させて溶融炉の炉壁に対する保護層として機能させ、溶融炉の損傷とバナジウム製品の品質を高く維持するようにしたものである。
本発明と異なる技術原理の炉として反射炉がある。反射炉は炉内空間に熱を供給することにより炉内温度を全体的に上げて炉壁の反射熱で原料を溶かす方式である。この反射炉方式で炉内全体の温度を原料である五酸化バナジウムの溶融温度の直上あるいは近傍まで高くすると、五酸化バナジウムが有する高浸透性により炉壁に五酸化バナジウム溶湯が浸透して炉壁を損傷させたり、損傷した炉壁から不純物が五酸化バナジウム溶湯を混入する等の不具合が発生する。また、炉内温度が高いとフレーク状に固化させる際に時間がかかることになる。
これに対し、本発明では、当て吹きしている溶融部分こそ五酸化バナジウムの溶融温度(690℃)に達しているが、それ以外の部分は融点以下にできるので、五酸化バナジウムが炉壁に浸透することを防止できる。このため、溶融炉の炉壁を保護でき、かつ損傷した炉壁からの不純物混入も防止できる。また、五酸化バナジウムの溶湯をフレーク状に固化させる際も、反射炉方式による場合よりも低い温度から開始できるので、時間が短くてすみ容易に作業ができる、という利点がある。
(第1実施形態)
以下、上記の技術原理に基づく溶融設備の第1実施形態Aを、図1〜図4に基づき説明する。
本実施形態の溶融設備Aは、溶融炉1と、この溶融炉1に収容された五酸化バナジウムVの堆積物(以下、五酸化バナジウム堆積物Vhという)を直接加熱する加熱器6を備えている。
溶融炉1は、直接加熱により溶融する五酸化バナジウム堆積物Vhを収容するための炉であり、炉自体は直接加熱を受けない。換言すれば、内部に五酸化バナジウム堆積物Vhを収容し、これを当て吹きできる炉であれば、とくに制限なく、どのような炉であってもよい。したがって、後述する炉底2、炉側壁3、炉蓋4を用いたものと異なる構造の溶融炉であってもよい。
図示の溶融炉1は、その一例であって、つぎのように構成されている。
図1〜図4において、2は炉底、3は4面を囲む炉側壁、4は炉蓋である。なお、本明細書では、炉底2、炉側壁3および炉蓋4を総称して炉壁という。これらの炉壁は、いずれも内壁耐火材9aと外壁耐火材9bと構造材としての鉄皮9cとからなり、鉄皮9cは最外側に配置され外壁耐火材9bと内壁耐火材9aを保持している。
そして、内壁耐火材9aは五酸化バナジウムへの耐食性の高い材料、たとえばSiCレンガ9yを用い、外壁耐火材9bは、後述する冷却ジャケット7の無い部分では温度を下げやすい材料、たとえば断熱ボード9xを用いて、鉄皮9cを高温による強度低下から保護し溶融炉の耐久性を確保するようにしている。
なお、後述する冷却ジャケット7の取付部分では、内壁耐火材9aも外壁耐火材9bも、伝熱性が良く五酸化バナジウムへの耐食性も高い炉材、例えば内壁側がSiCレンガ9y、外壁側における断熱材9xに挟まれた部分はSiCモルタル9zを用いて冷却ジャケット7による強制冷却の効果が高まるようにされている。
内壁耐火材9aと外壁耐火材9bの具体的構成を例示すると、以下のとおりである。
炉底2:外壁耐火材9bが耐火レンガ、内壁耐火材9aがSiCレンガ
炉側壁3:外壁耐火材9bが断熱ボード、内壁耐火材9aがSiCレンガ
炉蓋4:外壁耐火材9bが断熱キャスタブル、内壁耐火材9aがSiCキャスタブル
上記炉壁のうち、「SiC」は炭化ケイ素(Silicon Carbide 化学式SiC)を示しており、これは組織が緻密であって、硬度、耐熱性、化学的安定性に優れているという特徴がある。加えて、各種材質の溶融五酸化バナジウムへの耐食性評価試験の結果、炭化ケイ素質純分の高い炉材が最も五酸化バナジウムへの耐食性・耐浸透性に優れているという知見が得られたため、五酸化バナジウムの溶湯に直接接触する内壁耐火材9aにはSiC(純分90%以上のもの)を用いて、五酸化バナジウムの浸透、腐食に対する耐性を高めている。
外壁耐火材9bには、伝熱性のある種々の耐熱材や耐火レンガが用いられるが、これは炉壁2,3,4を熱が伝わる間に放冷できるよう厚さが伝熱計算により調整されており、最外側の鉄皮9cを200℃以下、好ましくは150℃以下位の温度に維持できるようにしている。このレベルの温度になると、鉄皮9cがその強度を維持し、シェルとしての機能を発揮させることができる。
図示の例では、炉底2が分厚く、炉側壁3と炉蓋4は薄いが、それぞれの炉壁の厚さは、採用した炉壁の熱伝導率により必要な温度低下、すなわち炉内表面温度が五酸化バナジウムの融点以下が得られるように算定すればよい。
なお、上記の材料例示に示す「キャスタブル」は不定形な材料であって任意の形や厚さに施工できる材料であることを意味している。また、「レンガ」は定形の材料であることを意味している。
なお、レンガを用いるかキャスタブルを用いるかは任意であって、設計や施工上の都合でいずれか一方を採用してよい。ただし、レンガの方が組織が緻密であるので、一般的にはレンガの方が破損防止には好ましい。
溶融炉1の炉蓋4には、五酸化バナジウムVを1ヵ所に堆積するためのシュート5が設けられている。図示のシュート5は円筒状の原料投入筒であるが、原料を溶融炉1内に投入することができるならば、どのような形状、構造のものを用いてもよい。なお、五酸化バナジウムを山積みするためには、シュート5を炉蓋4に設けるのが好ましいが、これに限ることなく、山積みができるのであれば炉側壁3などに設けてもよい。
図示のシュート5の取付位置は、炉蓋4の幅方向中央であり、後述する加熱器6からは遠く離間した位置である。シュート5までの五酸化バナジウムの搬送は、コンベヤその他任意の手段を用いることができ、シュート5から溶融炉1内に投入された五酸化バナジウムは、シュート5直下を頂点として円錐形に堆積される。この堆積物が五酸化バナジウム堆積物Vhである。
炉蓋4に設けたシュート5から五酸化バナジウムVを投入して、五酸化バナジウム堆積物Vhを溶融炉1内で1ヵ所の山積み状態に積み上げると、後述するように溶湯が流れ出る斜面を自然に形成することができる。
溶融炉1には加熱器6が設置されている。この加熱器6は、溶融炉1内に投入された五酸化バナジウム堆積物Vhの斜面を直接加熱できる位置に取付けられる。図示の実施形態では、五酸化バナジウム堆積物Vhに近い炉側壁3と加熱器6を取付けた炉側壁3は対向した位置関係となっている。
そして、加熱器6は溶融炉1内に収容した五酸化バナジウム堆積物Vhを直接加熱できるもの、すなわち当て吹きできるものであれば、どのような加熱手段であってもよい。代表的には、火炎を噴射するバーナや熱風を放射する熱風ノズルなどが挙げられる。
上記のように配置した加熱器6は、五酸化バナジウム堆積物Vhの斜面に対向した位置から火炎や熱風を放射して直接的に加熱することができるので加熱効率が高くなる。
また、溶け出してくる溶湯に対して間接的に熱を与えるので溶湯が出湯するまでの間の流動性を保持でき、出湯作業を容易にできる。
加熱器6としてのバーナは、燃料が油等の液体燃料でもよく、ガス等の気体燃料でもよい。バーナから噴射する火炎は、完全燃焼したものにする必要があり、そのため燃料の燃焼量とそれに適応する空気量との比が常に一定となるように調整しておかれる。
火炎が完全燃焼している場合、五酸化バナジウムが還元されないので、V低級酸化物の生成を抑制することができる。
また、火炎には、内側の還元炎と外側の酸化炎とがあるが、火炎先端の酸化炎の部分を五酸化バナジウム堆積物Vhに当てる、当て吹きが行われる。酸化炎で当て吹きすると、V低級酸化物の生成を抑制することができるからである。
加熱器6としての熱風ノズルは、溶融炉1とは別に設けた熱風炉で生成した完全燃焼した高温の熱風を放射するものである。この熱風ノズルから放射される熱風も五酸化バナジウム堆積物Vhの表面に当て吹きされる。この場合も、完全燃焼させて得た熱風であれば、五酸化バナジウムが還元されずV低級酸化物を生成しないこと、上記と同様である。
ノズルを用いた加熱器6もバーナを用いた加熱器6も五酸化バナジウム堆積物Vhの外表面を必要な範囲で当て吹きできる放射角(水平面での開き角度)をもつものを用いるか、あるいは開き角を広狭に調整できるものが好ましい。放射角が広ければ五酸化バナジウム堆積物Vhの斜面を広い面積で溶融することができ、溶融作業の効率を高め、かつ五酸化バナジウム堆積物Vhの外表面を溶湯で広く覆うことにより、発塵を抑制しやすくなる。
また、垂直面での放射角は五酸化バナジウム堆積物Vhの山の高さと五酸化バナジウム堆積物Vhとの間の距離の遠近に合わせて可変に調整できることが好ましい。こうすることにより、加熱器6と五酸化バナジウム堆積物Vhとの距離が長くなったり、堆積物の山の高さが低くなっても、確実に原料堆積物Vhの斜面に火炎や熱風を届かせて、当て吹きを続けることができる。
このような水平面および垂直面内での角度調整を可能とすることにより、五酸化バナジウム堆積物Vhの表面加熱の範囲を広げたり、溶融速度を適正に維持することができる。
上記のように火炎や熱風を放射する加熱器6を用いて五酸化バナジウム堆積物Vhの斜面をスポット状に融点(690℃)以上まで加熱しても、五酸化バナジウムの溶融部分から離れている炉壁は融点まで昇温せず、より低い温度に保たれるので、五酸化バナジウムの炉壁に対する浸透を防止することができる。
溶融炉1には、その炉側壁3の外周に冷却ジャケット7が取付けられており、冷却ジャケット7の取付高さは、溶融炉1における溶湯溜りの高さに合わされている。冷却ジャケット7は、水や空気その他の冷媒を通すジャケットであり、4面の炉側壁3のそれぞれに独立したジャケットを取付けた個別タイプでもよく、一連につながった連続タイプであってもよい。図示のタイプは個別タイプであり、それぞれ入側導入パイプ7aと出側導入パイプ7bが接続されている。なお、矢印は冷媒の出入り方向を示している。
既述した加熱器6で五酸化バナジウム堆積物Vhを当て吹きした場合、その五酸化バナジウム堆積物Vhの表面から五酸化バナジウムVの溶湯が溶け出してくる。この溶湯炉底2上に流れ落ちた溶湯のうち上層部分は高温のまま製品として取り出しつつ、接触部分の近傍を冷却ジャケット7で強制冷却して固化すれば、五酸化バナジウムVの固化部分が炉壁の保護層となるので炉壁の損傷を防止できる。つまり、本発明では固化した五酸化バナジウムVを溶湯状態の五酸化バナジウムVに対する保護層として用いるセルフコーティングを採用している。固化した五酸化バナジウムVは浸透性を有しないので、炉壁と溶湯との間に固化した五酸化バナジウムVを介在させることで、五酸化バナジウム溶湯の炉壁への浸透を防止し、炉壁の損傷を防止できるのである。
つまり本実施形態では、五酸化バナジウムのスポット状の溶融部分から離れた炉壁を融点以下に保持することに加え、溶湯溜り部分の炉側壁を冷却して保護層cを作ることによっても、五酸化バナジムの浸透から炉壁を保護しているのである。
なお、上記のセルフコーティングによる保護層を用いない場合でも、炉内壁の表面温度を五酸化バナジウムの融点以下に下げさえすれば、五酸化バナジウムの溶体の炉材への浸透を防止できる。つまり、溶湯が接触する場合でも、炉壁を冷却ジャケットで強制冷却してレンガの温度を熔融温度より下げてやれば、炉壁表面の極く近傍で溶湯は固化し、それ以上浸透しないため、溶湯と接触する部分でもこの方法で炉壁の損傷を防ぐことができる。
溶融炉1は溶湯の出湯口8を備えており、出湯口8は、五酸化バナジウム堆積物Vhから溶け出した溶湯が溜る部位に設けられている。出湯口8は炉側壁3に孔を開けただけのものでもよく、孔に溶湯導出用の樋を付けたものでもよい。
出湯口8の取付け位置は、溶湯取り出しのために溶融炉1を傾転したときに、溶湯が集まる部位であればよい。図示の溶融炉1では、五酸化バナジウム堆積物Vhの山から遠い位置であり、かつ加熱器6の下方の部位に設けられている。
図示の溶融炉1では五酸化バナジウム堆積物Vhは加熱器6により当て吹きする面積を広く確保できるよう、堆積物Vhの頂上が加熱器6から遠くなるようにシュート5の位置を設定しており、この位置関係からは加熱器6で加熱されると溶融した溶湯が堆積物Vhの斜面を流れ落ちてくるのが加熱器6の下方であるため、前記した位置に設けられたものである。
このように、溶湯が溜る部位に出湯口8があるので、溶湯の排出が短時間で行え、溶湯が炉側壁3に浸透して損傷することも防止しやすく、同時に炉側壁3からの不純物混入がなくなり五酸化バナジウム製品を高純度に維持できるようになる。
溶融炉1は、図1および図4に示すように、溶湯を排出するため溶融炉1を傾転する傾転機構を備えている。この傾転機構は、出湯口8近傍における炉側壁3に取付けられた傾転軸部11と、傾転軸部11を支点として溶融炉1を傾転させる傾転手段14とからなる。
傾転軸部11は、溶融炉1の炉側壁3に取付けた傾転軸12と、この傾転軸12を回転自在に支持する軸受13とからなる。なお、軸受13は溶融炉1を全体的に支えている基台10に固定されている。
一方、溶融炉1の出湯口8から遠い炉側壁3には傾転手段14としてのジャッキ14が取付けられている。このジャッキ14には、モータ駆動でネジ棒が伸縮するものや、油圧シリンダで構成したものなど、溶融炉1の一端を上げ下げできるものであれば、とくに制限なく種々の手段を採用できる。また、傾転手段としては、図示のものの外、工場建屋の天井などから吊下げたチェーンやロープ等を巻上げ装置で上げ下げする手段などを用いてもよい。
図示の実施形態では、ジャッキ14が基台10と炉側壁3との間に取付けられているので、このジャッキ14を伸長させれば、溶融炉1を傾斜軸部11を中心として傾斜させることができ、傾斜させると出湯口8から溶湯を取り出すことができる。
溶融炉1は、図2および図3に示すように、炉内で高温ガスを循環させるため排ガスダクト16を備えている。排ガスダクト16は、上方の可動ダクト17と下方の固定ダクト18と、それらをつなぐ縦ダクト19とからなる。可動ダクト17は溶融炉1の炉側壁3の開口部に接続されており、固定ダクト18は図示しないブロアなどに接続されている。このため、縦ダクト19は溶融炉1の傾転に合わせて揺動するので、溶融炉1の静置中も傾転動作中も、溶融炉1内の高温排ガスを外部に排出することができる。
固定ダクト18の軸心と前記傾転軸12の軸心とは同心状に設置されており、縦ダクト19の下端部は固定ダクト18のまわりを回動できるようになっている。また、排ガスダクト16の可動ダクト17は、炉側壁3における傾転軸12の上方に接続されているので、溶融炉1を傾転したときの可動ダクト17の揺動距離は小さくなり、これを吸収することは容易であるので、排ガス漏えい等の不都合が生じない。しかも、仮に蛇腹状のダクトを設けた場合は、バナジウムによる損傷が生じやすく、ダクトにもSiCライニングが必要となるが、そのようなコスト高につながる手当ても必要なくなる。
つぎに、上記実施形態に係る溶融設備Aにおける溶融方法を説明する。
図5は溶融作業開始直後の状況を示している。五酸化バナジウムVはシュート5から投入されて山積み状態に堆積している。五酸化バナジウム堆積物Vhの頂点はシュート5付近にあり、堆積物の加熱器6に向き合う斜面が長い緩斜面となっている。
五酸化バナジウム堆積物Vhは、固液分離された後の未だ水分を含んだウエットケーキの状態、またはそれを造粒成形した粒状物、あるいはその乾燥物の状態で投入されたものである。
また、これらの原料物は、水分を含んだままのものであれば、含んでいる水分により投入作業時の発塵を抑制しやすくなる。
図5に示すように、五酸化バナジウム堆積物Vhの長斜面を加熱器6から放射した火炎fで当て吹きすれば、その一部の斜面から五酸化バナジウムVが溶けて溶湯mとして流れ出し、斜面の上から下に向けてハの字状に溶湯mが広がりながら流れ落ちていく。なお、図5ではこの溶湯mは溶融炉1の炉底表面を覆ってない状態を示している。
溶湯mが覆っていない状態で炉底表面に見えるのは、保護層cである。この保護層cは既述のごとく溶融していた五酸化バナジウムVがいったん冷却して固化したセルフコーティング層である。この保護層cは、炉底2の全面を覆い、かつ4面の炉側壁3に沿って若干高く立ち上っており、保護層cは浅皿状の形状をしている。なお、保護層cは、操業中に自然に形成されていくが、操業初めに予め保護層cを形成しておいてもよい。
続いて図6に基づき、溶融作業の手順を説明する。
同図(I)は、五酸化バナジウム堆積物Vhの長斜面での溶融が進み、五酸化バナジウムVの溶融物である溶湯mが下方に流れ出て、保護層cの上面に溜りつつある状態である。
上記の溶融は、加熱器6が噴射した火炎fや熱風が五酸化バナジウム堆積物Vhの表面に直接当る、いわゆる当て吹きを行い溶融エリアを作る。こうすることにより溶融エリア以外の五酸化バナジウム堆積物Vhの表面が全体的に加熱され、五酸化バナジウム堆積物Vhの全体表面が溶湯または焼結物で覆われるので、五酸化バナジウムVの発塵を防止することができる。
上記の加熱器6で当て吹きした部分の温度が五酸化バナジウムの融点である690℃を超えると五酸化バナジウム堆積物Vhには溶融部分が生じ、この部分は融点直上まで至っているが、溶融部分以外の部分、たとえば炉側壁3や炉蓋4は直接加熱されていないので融点以下に保たれる。また、五酸化バナジウム堆積物Vhで覆われている炉側壁3や炉底2の内壁面は高温の炎や吹き込み熱風とも直接接触しないことと、炉壁自体が伝熱し、更に冷却ジャケット(図1および図2の符号7参照)で冷却されることから、やはり融点以下に保たれることになる。
図6(II)は、同図(I)から更に溶融が進んだ状態を示している。五酸化バナジウム堆積物Vhの山は高さが低くなりながら頂上が少しづつ後退していき、減少した体積に相当する分の溶湯mが増えている。
この間、溶湯mは溶融時の高温から少しづつ温度低下していくが、溶融温度を維持しつつ流動性を保っている。
既述したように各炉壁は外側断熱材の伝熱により放冷しているが、これに加え冷却ジャケット7による強制冷却で内壁温度(とくに溶湯が接触する内壁面)を融点(690℃)以下に冷却されている。
そして、下層部の溶湯mは、伝熱による放冷及び冷却ジャケット7により冷却されて、固化していき、その部分は既述したように保護層cとなる。
図6(III)は溶融炉1を傾転させて溶湯mを取り出している状態を示している。
図示のように五酸化バナジウム堆積物Vhがある程度残り、斜面が形成されている状態で、出湯作業にかかる方が、原料堆積物Vhがほとんどなくなるまで加熱するよりも効率的に溶融作業を進めることができる。
また、溶融後は速やかに出湯させることが好ましい。そうすれば、溶湯mが炉壁に接触する時間を可及的に短くして炉壁への五酸化バナジウムの浸透を防止しやすくなるからである。しかも、溶湯の冷却による流動不良を起こすことなく出湯させることができる。
溶融炉1の傾転は傾転ジャッキ14を伸長させ、出湯口8が下になるように傾けると、溶湯mを出湯口8から取り出すことができる。
このようにして取り出された溶湯mは、フレーク化工程にまわされ製品化される。
(第2実施形態)
第2実施形態の溶融設備では、溶融炉1内に五酸化バナジウムVを複数ヵ所に堆積するようにした設備である。
堆積ヶ所は2ヵ所以上であれば、とくに制限されない。本実施形態の溶融設備では、図7(A)に示すように、炉蓋4には2個のシュート5A,5Bが設けられている。各シュート5A,5Bに1基づつのフィーダ20を配置してもよく、図示のように伸縮自在の1基のフィーダ20で2ヵ所のシュート5A,5Bを選択して原料投入するようにしてもよい。また、フィーダ20の配置位置は、溶融炉1の側方でもよく、加熱器6に対向する方向から接近離間するように配置してもよい。
さらに、溶融炉1との傾動時の干渉を避けるため、フィーダ20を進退式にしたり、旋回式にする等の設計は任意に採用できる。
溶融炉1内に五酸化バナジウムを2ヵ所に堆積することは、1個のシュートでも可能である。たとえば、図7(B)に示すように、2連型のシュート5Cを用いるとよい。このシュート5Cは投入口51が1ヵ所で排出口52が2個有するものである。投入口51と排出口52の間に切換え板53を付けておけば、排出口52,52のうち一方を選択して使用することができ、切換え板53が無い場合は、2ヵ所の排出口52,52から同時に原料を投入することができる。もちろん、このシュートCを用いた場合、フィーダは1基でも足りる。
上記実施形態の溶融炉1を用いれば、図8に示すように、五酸化バナジウム堆積物Vhの山が2ヵ所に隣接してできる。このため、二つの山の間が谷間vとなる。この谷間vは、五酸化バナジウム堆積物Vhを当て吹きしたとき溶湯mが流れ出る谷間vを自然に流れ落ちるので、高温状態の溶湯mが炉側壁3に近寄らず、しかも炉壁は五酸化バナジウム堆積物Vhで囲まれるので、炉壁の損傷を防止しやすくなる。
なお、五酸化バナジウムを3ヵ所以上に堆積した場合も、谷間vを当て吹きでき、炉壁の損傷を防止できることは同様である。
(第3実施形態)
図9は前記第2実施形態と同様に溶融炉1内に五酸化バナジウム堆積物Vhを2山に堆積する実施形態である。
本実施形態では、フィーダ21が溶融炉1の炉側壁であって、加熱器6に対向する側の炉側壁3に固定されている。このフィーダ21はスクリュー式やベルト式など任意の機構を採用できる。
また、フィーダ21の上面にはホッパ22が設けられ、このホッパ22から原料をフィーダ21に投入できるようになっている。なお、ホッパ22には図示しないフィーダで原料を投入すればよい。
本実施形態では、フィーダ21により五酸化バナジウムを加熱器6に向って押し出して堆積させることができるので、加熱器6で加熱しやすい斜面を作りやすくなる。また、フィーダ21とホッパ22が溶融炉1に固定されたタイプなので、溶融炉1の傾転時に一々フィーダ21を回避させる手間が不要になるという利点がある。
そして、本実施形態においても、図9(B)に示すように、五酸化バナジウム堆積物Vhの山が2ヵ所に隣接してできるため、二つの山の間が谷間vとなる。この谷間vは、五酸化バナジウム堆積物Vhを当て吹きしたとき溶湯mが流れ出る谷間vを自然に流れ落ちるので、高温状態の溶湯mが炉側壁3に近寄らず、炉壁の損傷を防止しやすくなる。
(第4実施形態)
上記第1〜第3実施形態の溶融設備は、溶湯が一定量溜ると出湯させるバッチ式であったが、本発明では、連続して出湯させる連続式の溶融設備に構成することも可能である。
図10に示す第4実施形態の溶融設備における溶融炉1は、炉底2が一方が高く他方が低くなるように傾斜して設けられている。このように構成するには、炉底2を構成する耐火レンガやSICキャスタブルの厚さを連続的に変化させることで可能である。そして、傾斜が低い方の炉側壁3には出湯口8が形成されている。
なお、3は炉側壁、4は炉蓋である。炉底2が高い方の炉側壁3にはフィーダ21が設けられ、ホッパ22も接続されている。このホッパ22とフィーダ21で炉内に送りこまれた五酸化バナジウム堆積物Vhは傾斜した炉底2の上で山積み状に堆積される。
そして、山積み状に堆積した五酸化バナジウム堆積物Vhの斜面に火炎または熱風が当るように加熱器6が炉側壁3と炉蓋4を介して取付けられている。本実施形態では、加熱器6が2個取付けられており、五酸化バナジウム堆積物Vhの斜面の上方からと斜面に対向する側からの2方向から加熱できるようにしている。このように2方向から加熱すれば、溶融を効率的に行いうるが、1個の加熱器6で加熱するかは任意である。
本実施形態では、炉底2が傾斜していることによって、五酸化バナジウム堆積物Vhの斜面から溶け出た溶湯は溶融炉1の最底部に溜り続けるので、この最底部に設けた出湯口8から溶湯を連続して取り出すことができる。このような連続式であると、溶融炉1を傾転する作業を省略できるので、稼働率が向上する。
(第5実施形態)
前記第1実施形態では、排ガスダクト16は加熱器6に近い位置に設けたが、図11で実線図示するように、排ガスダクト16を加熱器6を設けた炉側壁3に対向する炉側壁3に接続してもよい。図示では排ガスダクト16を2本設けたが、本数は任意である。また、同図で鎖線図示するように、加熱器6に対向する炉側壁3aにつながる側方の炉側壁3bに排ガスダクト16を取付けてもよい。
上記のような配置にした場合、加熱器6によって五酸化バナウジウム堆積物Vhを溶融した後の熱が、その内部を貫流して排ガスダクト16に引かれるので、熱と五酸化バナジウムVとの接触による熱交換が行われ効率よく予備乾燥し溶融させることができる。
(各実施形態の利点)
上記各実施形態の溶融設備の利点をまとめると、つぎのとおりである。
(1)原料の五酸化バナジウムを水分含有状態または成形固化状態で溶融炉内に装入でき、かつ五酸化バナジウム堆積物Vhの表面を当て吹きで直接加熱するので、五酸化バナジウム堆積物Vhの表面が溶融物または焼結物で覆われるため、装入、溶融過程を通じて発塵することがない。このため、作業員の健康被害を防止できる。
(2)五酸化バナジウム堆積物Vhを溶融炉内で直接当て吹きして溶融させるものであり、炉内全体を高温にしなくてよい。このため、五酸化バナジウムの溶湯が炉壁に浸透して損傷することも抑制しやすく、同時に炉壁の損傷によるSiやAl等の不純物混入がなくなり五酸化バナジウム製品を高純度に維持できる。
(3)溶融炉1内の五酸化バナジウム堆積物Vhの中央部分から溶融させることができ、炉側壁に近い部分を溶融することが避けられるので、炉壁溶損の影響を小さくすることができる。
(4)溶湯が溜る部位に出湯口8があるので、出湯が短時間で行え、溶湯が炉壁に浸透して損傷することも抑制しやすく、同時に炉壁からの不純物混入がなくなり五酸化バナジウム製品を高純度に維持できる。
(5)五酸化バナジウム溶湯のうち上層部分を製品として取り出しつつ、底層部分を冷却して固化すれば、固化部分が炉底の保護層となるので炉壁の損傷を抑制できる。
(6)上記実施形態において、五酸化バナジウムVの堆積にウエットケーキをそのまま直投した場合は、投入前に乾燥工程を入れなくてよいので工程が簡略となる。また、ウエットケーキは水分を含んでいるので、投入時の発塵を抑制することができる。
(7)五酸化バナジウムVの堆積に、ウエットケーキから造粒した粒状物を投入したときは、堆積した粒状物の間に隙間ができるので、加熱時に堆積物の中まで予熱される。このため、溶融効率が高くなる。また、堆積物の水分蒸発・予備乾燥が早く進行し、炉内における溶解時間も短縮できる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では好ましい実施形態を挙げたが、本発明の本質を変更しない範囲で種々の実施形態が可能である。
たとえば、加熱器6は火炎や熱風を照射するもの以外でもよく、加熱器6の設置数も任意である。設置数が多い場合、加熱面積が広がり、溶融効率が高くなる。
溶融炉1の傾転機構も昇降機構や吊下げ式以外であっても、傾転さえできればどのような機構であってもよい。排ガスダクトの構造や設置場所も任意である。
また、上記各実施形態では、五酸化バナジウム溶湯の炉壁への浸透防止に固化した五酸化バナジウムを保護層(いわゆるセルフコーティング層)として用い、かつ冷却ジャケット7による溶湯の冷却によっても浸透防止を図っているが、冷却ジャケット7を用いず五酸化バナジウム保護層のみを用いたものや、逆に五酸化バナジウム保護層を形成しないで冷却ジャケット7による強制冷却のみを用いたものも、本発明の溶融設備に含まれる。このような保護層のみを用いたり強制冷却にのみによる場合も、炉壁の表面温度を五酸化バナジウムの融点以下に下げることさえできれば、五酸化バナジウム溶湯の炉材への浸透を抑制することができ、操業条件を適宜に選択することで、五酸化バナジウムの浸透から炉壁を保護することができる。
本発明の利点を実証するため、つぎの実験を行った。実験に供した溶融炉は、図1および図2に示す型式のバッチ処理用溶融炉であって、つぎの条件のものである。
(実施例1)
・炉側壁の内壁耐火材9aはSiCレンガであり、炉床面積は0.053m2である。
・加熱器6はLPGガスを用いたバーナー1基であり、この加熱器6が炉側壁3cの中央に1基備えられている。
・セルフコーティング層としての五酸化バナジウムの保護層は炉壁側にも炉床にも形成されていない。
(比較例1)
加熱器6を炉側壁3cの左端に1基備えた以外は、実施例1と同様である。
(実験要領)
実験要領は、つぎのとおりである。
・原料として、炉蓋4に形成したシュート5より五酸化バナジウムのウエットケーキを直投して、一山の堆積物を築いた。
・加熱器6により五酸化バナジウム堆積物Vhの斜面を加熱した。このとき炉床温度が200〜800℃の範囲で変化するように加熱量を加減調整した。
・炉床温度に対応するフレークSi品位を測定した。フレークSi品位とは五酸化バナジウムフレーク中の不純物珪素含有率であり、測定はICP発光分光分析法で行った。
Si品位が高いことは炉内壁SiCレンガの溶損進行を意味し、低いことは炉内壁SiCレンガの溶損抑制を意味する。
実験結果1
実験結果を図12に示す。図中の菱形の点は実施例1を示し、四角の点は比較例1を示す。
全体的な傾向としては、炉床温度が高くなるほど、フレーク中のSi品位が高くなっているので、炉床温度により五酸化バナジウムの溶損が進行することを意味している。そして、炉床温度が同じでも、側壁温度が高いと、そこから五酸化バナジウム溶損が進行していると見ることができる。
(比較例1)
比較例1では、炉壁に沿って熱風を循環させ炉壁温度が高い状況となっている。フレークSi品位は、図示のごとく高い数値となっている。これは炉側壁の左端に加熱器6を取付けた結果、炉壁温度が上昇したことが原因と考えられ、五酸化バナジウムによる溶損防止には高温を回避すべきことが分かる。
(実施例1)
実施例1では比較例1に比較してフレークSi品位を示す数値は低かった。これは、加熱位置が中央の方が五酸化バナジウム堆積物Vhに高温域が向けられ、炉壁温度が下がったためと考えられる。したがって、加熱器6の取付位置は、側壁中央が好ましく、五酸化バナジウムによる溶損防止には炉壁温度を低下させることが有効であることが分かる。
実験結果2
炉内温度が高くなるように加熱器6へのLPG量を上げ溶融炉1内への入熱を増やした場合は、実施例1も比較例1も製品フレークの不純物Si品位が上昇した。これは、入熱を増やしたため、反射炉の状態に少し近づいたためと考えられる(反射炉は加熱器による熱を炉壁に反射させて熔融すべき対象物を加熱する。従って炉壁温度は熔融物温度より常に高いという特徴を有す)。
このように、比較例1、実施例1とも、炉壁温度によってフレークSi品位が大きく異なることが見出された。したがって、バッチ処理で溶湯を溜める場合には、溶湯に接する側壁温度及び炉床温度が溶損進行に及ぼす影響が大きいと考えられるので、本発明が採用した炉壁構造による放熱や冷却ジャケット7による強制冷却、さらには五酸化バナジウム固化物によるセルフコーティングが有効であることが分かる。
(実施例2)
実施例2は図10に示すような連続処理型式の溶融炉で行った。セルフコーティングとしての五酸化バナジウムの保護層は炉壁側にも炉床にも形成されていない。
炉側壁3が五酸化バナジウム堆積物Vhに覆われている状態を保ち、溶湯が滞留なく流出する連続式で運転し、炉床温度を500〜800℃の範囲で変化させてフレーク品位を測定した。結果を図13に示す。菱形の点は空冷なし、四角の点は冷却ジャケット7による空冷が弱、三角の点は空冷が強の場合を示す。
図示のごとく、フレークへの炉材Siの混入はほとんど見られなかった。これは溶湯が滞留無く流出し、耐火物が溶湯に接する機会がほとんどないため溶損が進行し難いこと、炉側壁が五酸化バナジウム堆積物Vhで覆われており、五酸化バナジウムの浸透がなかったためと考えられる。
さらに連続処理の効果として、熔体の炉内滞留時間が短く、かつ溶湯自体の温度も溶融直後であり熔融温度よりあまり上昇することが無いためバッチ処理の場合に比較して低くなり、炉材の影響がバッチ処理の場合よりも小さくなるという事もあり、加熱器の入熱を増やしても製品フレークの不純物Si品位が上昇しないことによる。したがって、連続処理では、加熱負荷を大きくして処理速度を上げることが可能と考えられる。要するに、五酸化バナジウム溶湯を溜めないで炉壁に接触させないようにした工夫が五酸化バナジウムによる溶損防止に効果的であることが分かる。
1 溶融炉
2 炉底
3 炉側壁
4 炉蓋
5 シュート
6 加熱器
7 冷却ジャケット
8 出湯口
11 傾転軸部
14 ジャッキ
16 排ガスダクト
20 フィーダ
Vh 五酸化バナウジウム堆積物
m 溶湯

Claims (12)

  1. 五酸化バナジウムの堆積物を収容することができる溶融炉と、
    該溶融炉内に収容された五酸化バナジウムの堆積物の表面を直接加熱する加熱器とを備える
    ことを特徴とする五酸化バナジウムの溶融設備。
  2. 前記加熱器は、前記溶融炉に投入された五酸化バナジウムの堆積物が山積み状態となってできた斜面を直接加熱できる位置に取付けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の五酸化バナジウムの溶融設備。
  3. 前記加熱器は、完全燃焼して生成された火炎を放射するバーナである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の五酸化バナジウムの溶融設備。
  4. 前記加熱器は、熱風炉で完全燃焼して生成された高温熱風を放射するノズルである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の五酸化バナジウムの溶融設備。
  5. 前記溶融炉は、炉底と炉側壁と炉蓋を有しており、該炉側壁の外周に冷却ジャケットを取付けており、該冷却ジャケットの取付高さは、溶融炉における溶湯溜りの高さに合わされている
    ことを特徴とする請求項1記載の五酸化バナジウムの溶融設備。
  6. 前記溶融炉は、炉底と炉側壁と炉蓋を有しており、この炉底、炉側壁および炉蓋はいずれも内壁耐火材と外壁耐火材とこれらを保持する鉄皮とからなり、
    前記内壁耐火材は炭化ケイ素を主材とする耐火材であり、前記外壁耐火材は伝熱性のある耐火材である
    ことを特徴とする請求項1記載の五酸化バナジウムの溶融設備。
  7. 前記炉側壁のうち、前記冷却ジャケットの取付け部分は、内壁耐火材も外壁耐火材も炭化ケイ素を主材とする耐火材からなる
    ことを特徴とする請求項5記載の五酸化バナジウムの溶融設備。
  8. 前記溶融炉は、五酸化バナジウムを炉内で1ヵ所に堆積するものである
    ことを特徴とする請求項2または3記載の五酸化バナジウムの溶融設備。
  9. 前記溶融炉は、五酸化バナジウムを炉内で隣接する複数ヶ所に堆積するものである
    ことを特徴とする請求項2または3記載の五酸化バナジウムの溶融設備。
  10. 前記溶融炉は、内部の高温ガスを排出する排ガスダクトを備えている
    ことを特徴とする請求項2記載の五酸化バナジウムの溶融設備。
  11. 前記溶融炉は、五酸化バナジウムの堆積物が溶融した溶湯を取り出す出湯口と、溶湯が該出湯口に集まるように当該溶融炉を傾転させる傾転機構とを備える
    ことを特徴とする請求項1記載の五酸化バナジウムの溶融設備。
  12. 前記溶融炉は、傾斜した炉底と傾斜が低い方の炉側壁に前記出湯口が形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の五酸化バナジウムの溶融設備。
JP2010290244A 2010-12-27 2010-12-27 五酸化バナジウムの溶融設備 Active JP5589830B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010290244A JP5589830B2 (ja) 2010-12-27 2010-12-27 五酸化バナジウムの溶融設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010290244A JP5589830B2 (ja) 2010-12-27 2010-12-27 五酸化バナジウムの溶融設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012136393A true JP2012136393A (ja) 2012-07-19
JP5589830B2 JP5589830B2 (ja) 2014-09-17

Family

ID=46674155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010290244A Active JP5589830B2 (ja) 2010-12-27 2010-12-27 五酸化バナジウムの溶融設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5589830B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012202671A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Jx Nippon Mining & Metals Corp 溶解炉のガス処理装置、及び溶解炉のガス処理方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5028079B1 (ja) * 1970-12-23 1975-09-12
JPH0979751A (ja) * 1995-09-11 1997-03-28 Nippon Steel Corp アーク炉
JPH09176716A (ja) * 1995-12-27 1997-07-08 Nippon Sanso Kk 金属原料の溶解方法
JP2005055173A (ja) * 2004-08-11 2005-03-03 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 灰溶融炉

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5028079B1 (ja) * 1970-12-23 1975-09-12
JPH0979751A (ja) * 1995-09-11 1997-03-28 Nippon Steel Corp アーク炉
JPH09176716A (ja) * 1995-12-27 1997-07-08 Nippon Sanso Kk 金属原料の溶解方法
JP2005055173A (ja) * 2004-08-11 2005-03-03 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 灰溶融炉

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012202671A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Jx Nippon Mining & Metals Corp 溶解炉のガス処理装置、及び溶解炉のガス処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5589830B2 (ja) 2014-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2923027B2 (ja) セラミツク溶接法及びかかる方法に使用するためのランス
CN104848682B (zh) 熔池熔炼炉
JP5589830B2 (ja) 五酸化バナジウムの溶融設備
JPH0146792B2 (ja)
CN101040161B (zh) 冶金炉
CN102459655B (zh) 用于将氧和其它材料注入电弧炉中的可移动装置
JP5561155B2 (ja) 五酸化バナジウムの溶融方法
AU2004201935B2 (en) Metallurgical reactor for the production of cast iron
CA2809121A1 (en) Rotary hearth furnace exhaust gas duct apparatus and method for operating same
JP2010249477A (ja) 三相交流電極式円形電気炉とその炉体の冷却方法
JP4986471B2 (ja) シリコンのスラグ精錬方法
JPH0251842B2 (ja)
CN220103727U (zh) 一种五氧化二钒三步法熔化炉
EP2960608A1 (en) Method for cooling housing of melting unit and melting unit
EP1989336B1 (en) Reactor intended for titanium production
JP5466619B2 (ja) 溶融金属鉄の製造装置
CN1238247A (zh) 残余物热转换的方法和装置
JP2023503236A (ja) 改良型プラズマ誘起フューミング炉
BR102015003522A2 (pt) conjunto de lança de sopro para fabricação e refino de metais
JP3551604B2 (ja) 火炎溶射方法
JP4526251B2 (ja) アルミニウム溶解炉
KR102254059B1 (ko) 알루미늄 재활용에서 염 사용을 감소시키기 위한 방법
WO2017024535A1 (zh) 熔分炉和采用该熔分炉处理待熔分物料的方法
CN215440636U (zh) 含铜污泥的处理设备
RU2590733C2 (ru) Плавильный агрегат

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120528

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140513

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140610

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140701

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140714

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5589830

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150