JP2012135803A - 複合型の構造体ならびにその構造体を用いる鋳型および鋳造方法 - Google Patents

複合型の構造体ならびにその構造体を用いる鋳型および鋳造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】設計上の自由度が高く、薄肉で、大型の製品、例えば大型ディーゼルエンジン用部品を効率的で安価に鋳造することのできる鋳造用構造体を、その構造体を用いる鋳型および鋳造方法とともに提供する。
【解決手段】消失模型2と中子3を組み合わせた複合型の構造体を、上記消失模型2は、その外形が鋳物製品の外形と実質的に同一形状をなすと共に、少なくとも2分割構造になるものとし、上記中子3は、上記鋳物製品の中空部と実質的に同一形状をなすものとし、上記中子3を上記消失模型2で挟み込んで構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複合型の構造体ならびにその構造体を用いる鋳型および鋳造方法に関し、特に、設計上の自由度が高く、薄肉で、大型の製品、例えば大型ディーゼルエンジン用部品を効率的で安価に鋳造しようとするものである。
現在、鋳造製品は様々な分野で、様々な形状、大きさおよび材質のものが使用されている。一般的に、それらの中でも特に鋳造の難しい製品として、大型の製品や、複雑な中子を多数使用する製品等が挙げられる。
例えば、現在製造されている鋳造部品のうち製造が難しい物の一つとしてエンジン用のシリンダヘッドが挙げられる。シリンダヘッドは製品内部に複雑な中空構造を有し、薄肉で優れた肉厚精度が要求される。特に大型ディーゼルエンジン用のシリンダヘッドは、自動車用などの小型のものと比較して高強度が要求される。高強度を達成するため自動車用で一般的に採用されるアルミ系合金ではなく、高融点で鋳造の難しい鋳鉄が採用され、さらにシリンダヘッドが大型であることから重量が大きく製造が難しい。
以下、このような難易度の高い鋳造品を製造する際の各従来製造法の特徴と、各々が抱える問題点、他者の研究開発動向等について説明する。
(木型法)
木型法は、最初に木型または金型を設計・製作し、これを用いて作った砂鋳型で同形状の製品を大量に製造するプロセスである(例えば、特許文献1)。現在のディーゼルエンジン用鋳鉄製部品は、ほぼ100%がシェルモールド法やコールドボックス法による中子を用いた木型法で製造されている。ただし、砂型同士を組み立てる際のズレや隙間が製品に寸法不良やバリ、肉厚の偏りといった欠陥を起こしてしまい、肉厚精度の低下を招いていた。また、アンダーカットや抜け勾配等の設計上の制約が存在する。
(フルモールド法)
フルモールド法は、発泡消失模型を使用する鋳造法(例えば、特許文献2)で、原理的に中子が不要で肉厚の偏りや砂カミの問題がないという特長を有している。近年では、発泡消失模型の製作にITおよびNC(数値制御加工)が導入されたことで、以前に比して製造期間が大幅に短縮され、量産にも適合してきている。また、発泡消失模型自体が軽くて扱いやすいことから、特に大型製品を製造しやすいという利点がある。しかしながら、シリンダヘッドのような複雑な中空構造を有する製品の製造では、中空構造の内部に砂を詰めることができないため製造できない。また、薄肉製品にも適用が難しい。
(RP造形法)
RP(ラピッドプロトタイピング)造形法は、3DCADデータからダイレクトに砂型を製造する技術である(例えば、特許文献3)。このRP造型法は、複雑形状の砂型を容易に製作でき、寸法精度が良いという利点がある。一方で造形装置の限界から大型製品は製造できず、また造型コストが嵩むことから、量産製品に用いるためには造型コストを抑える必要がある。
特公昭58−57257号公報 特開2004−136325号公報 特開平09−168840号公報
本発明は、上記の問題を解決するもので、設計上の自由度が高く、薄肉で、大型の製品、例えば大型ディーゼルエンジン用部品を効率的で安価に鋳造することのできる鋳造用構造体を、その構造体を用いる鋳型および鋳造方法とともに提供することを目的とする。
さて、本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、製品の外側の形状はフルモールド鋳造法で形成する一方で、製品の複雑な中空構造に対しては、好ましくはRP造形法で形成した中子を適用するようにすれば、複雑な中空構造を有する大型製品を鋳造する場合であってもフルモールド鋳造法を利用することができ、その結果、上記した問題を有利に解決できるとの知見を得た。
本発明は、上記の知見に基づくものである。
すなわち、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
1.消失模型と中子を組み合わせた複合型の構造体であって、
上記消失模型は、その外形が鋳物製品の外形と実質的に同一形状をなすと共に、少なくとも2分割構造になり、
上記中子は、上記鋳物製品の中空部と実質的に同一形状をなし、
上記中子を上記消失模型で挟み込んでなる複合型の構造体。
2.前記消失模型の内面と前記中子の外面との間に閉空間を設けたことを特徴とする上記1の複合型の構造体。
3.前記分割構造の消失模型で前記中子を挟み込む際、この挟み込みを妨げる各分割模型における中子の幅木部分を連結して一体化したことを特徴とする上記1または2の複合型の構造体。
4.前記中子がラピッドプロトタイピング造形法によって形成されたものであることを特徴とする上記1〜3のいずれか一つの複合型の構造体。
5.上記1〜4のいずれか一つの複合型の構造体を鋳物砂中に埋設してなる鋳型。
6.上記1〜4のいずれか一つの複合型の構造体を鋳物砂中に埋設してなる鋳型を用いることを特徴とする鋳造方法。
本発明に従う複合型の構造体によれば、鋳物製品の外形は消失模型を用いて形成する一方で、鋳物製品の中空構造に対しては中子を適用することができるため、複雑な中空構造を有する大型の鋳物製品を製造することができる。
また、消失模型の内面と中子の外面との間に適当な形状の閉空間を設けることによって、消失模型の内面形状を簡略化することができ、その結果、製造期間を短縮し、コストを低減することができる。
さらに、分割構造の消失模型で中子を挟み込む際、この挟み込みを妨げる各分割模型における中子の幅木部分を連結して一体化することによって、幅木が貫通する消失模型の開口部を一体化し、この一体化した開口部を、一体化した幅木部分で覆うことが可能となる。従って、分割模型の挟み込みが妨げられないので、消失模型の分割点数を低減することができる。
また、本発明に従い、中子をラピッドプロトタイピング造形法によって一体的に形成することにより、中子−中子間距離の精度を向上させることができるため、鋳物製品内部の薄肉構造に対して有利に適用することができる。
さらに、本発明に従い、複合型の構造体を鋳物砂中に埋設して鋳型とすることにより、複雑な中空構造を有する大型の鋳物製品を有利に製造することができる。
(a)は、本発明に係る複合型の構造体を用いて製造される鋳物製品の一例を示す図である。(b)は(a)のX−X断面図である。 本発明の実施形態に係る複合型の構造体を分解して示す図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る複合型の構造体を組み立てた図である。(b)は(a)のY−Y断面図である。 本発明のより好ましい実施形態に係る複合型の構造体を分割して示す図である。 (a)は、本発明のより好ましい実施形態に係る複合型の構造体を組み立てた図である。(b)は(a)のY−Y断面図である。 本発明の実施形態に従う鋳造要領を説明するための図である。 (a)は、本発明の実施例における鋳物製品の斜視図である。(b)は(a)のZ−Z断面図である。 本発明の実施例における複合型の構造体を埋め込んだ鋳型構造を説明するための図である。 本発明の実施例における鋳物製品を従来の木型法により製造する場合の鋳型構造を説明するための図である。
以下、本発明に係る複合型の構造体について具体的に説明する。
まず、本発明の実施形態に従う複合型の構造体を用いて製造される鋳物製品の一例について説明する。
図1に、このような一例としての鋳物製品1を示す。鋳物製品1は、立方体状の外形をなし、各面に、対向する面に向けて貫通する円筒状の貫通孔1aを2本ずつ有している。この計6本の貫通孔1aは、互いに同一の大きさの内径を有している。各面において、2本の貫通孔1a、1aはいずれも当該面の中心線上に位置している。当該中心線上においてこれら2本の貫通孔1a、1aは、互いの間隔が貫通孔1aの直径dに等しく、それぞれ面の縁との間隔が貫通孔1aの半径d/2に等しくなっている。また、対になる貫通孔1a、1aは、それぞれ、幅方向、高さ方向、奥行き方向に並んでいる。また、これらの貫通孔1aによって形成される鋳物製品1の中空部には、立方体状の空洞1bが統合されている。空洞1bの中心は、鋳物製品1の中心と一致している。さらに、空洞1bの一辺の長さは、この例で貫通孔1aの直径dの2倍であり、空洞1bは、図示したように、各角部が丸められた形状となっている。
次に、本発明の実施形態に従う複合型の構造体について、図2および3を用いて説明する。
図中、2−1は上側消失模型、2−2は下側消失模型、2−3は右側消失模型、2−4は左側消失模型であり、これらで消失模型2を構成する。また、3−1は円柱状部、3−2は立方体状部、3aは幅木であり、これらで中子3を構成する。2−1a、2−2a、2−3a、2−4aはそれぞれ、消失模型2−1、2−2、2−3、2−4に設けた孔である。
消失模型2は、本例では上下左右の4分割構造になり、上側消失模型2−1、下側消失模型2−2、右側消失模型2−3および左側消失模型2−4で中子3を上下左右から挟み込む構造となっている。
消失模型2の外形は、鋳物製品1の外形と実質的に同一の形状をなしている。すなわち、消失模型2は、上側消失模型2−1、下側消失模型2−2、右側消失模型2−3および左側消失模型2−4を組み立てた際に、立方体状の外形をなし、各面に、鋳物製品1における貫通孔1aと同一の配置および直径になる孔2−1a、2−2a、2−3a、2−4aを2つずつ有している。
消失模型の厚みtについては、中子との組立て、鋳物砂への埋設、鋳込み作業等鋳造上の各作業時に変形または破損しない程度の厚みを確保する必要がある。また、消失模型2の内面形状は凹凸をできるだけ避け、平坦に形成することが好ましい。平坦に形成することにより、消失模型の製造が容易となり、消失模型の造型時間が短縮されるからである。消失模型2の内面形状を平坦に形成することにより、中子3を消失模型2で挟み込んで図3のような構造体Pとした際に、消失模型2の内面と中子3の外面との間には閉空間Sが生じるが、この閉空間Sをそのまま有効活用することができる。すなわち、閉空間Sを鋳込み作業の際、溶湯で置換して製品の一部とすることができる。
中子3は、上述した鋳物製品1の中空部と実質的に同一の形状を成している。すなわち、中子3は、鋳物製品1の6本の貫通孔1aにそれぞれ対応した6本の円柱状部3−1と、鋳物製品1の立方体状の空洞1bに対応した立方体状部3−2とを有する。
また、中子3は、各円柱状部3−1の両端にそれぞれ、消失模型2に組みつけられた際に消失模型2から突出する幅木部分3aをそなえている。
以上、4分割構造になる消失模型を用いた複合型の構造体の構造について説明したが、次に、より好ましい実施形態として、図4および5に示す2分割構造になる消失模型について説明する。
図中、4−1b、4−2bは対になる4−1a、4−1aを一体化した半トラック状の孔、3bは幅木3a、3aを一体化したトラック状の幅木である。
消失模型4の外形は、鋳物製品1の外形と実質的に同一の形状をなしている。すなわち、消失模型4は、上側消失模型4−1および下側消失模型4−2を組み立てた際に、立方体状の外形をなし、各面に、鋳物製品1における貫通孔1aと同一の配置および直径の孔4−1a、4−2aを2つずつ有する。ただし、消失模型4の上下分割線を挟んで並ぶ孔については、模型分割方向に開口した孔4−1b、4−2b(これらが合わさったトラック状の孔を4bと呼ぶ)とし、これにより、消失模型で中子を挟み込むことを可能としている。その結果、消失模型の分割点数が2点に低減され、消失模型の組立に要する工数を低減し、生産効率を向上させている。
中子3は、各円柱状部3−1の両端にそれぞれ、消失模型4に組みつけられた際に消失模型4から突出する幅木部分3aが形成されている。ただし、消失模型4の上下分割線を挟んで並ぶ一対の幅木部分については、これらを連結して一体化した幅木部分3bとしている。従って、中子3を消失模型4−1、4−2で挟み込んで、図5のような構造体Pとした際に、この一体化した幅木部分3bにより、消失模型の孔4bを塞ぐことができ、その結果、鋳物砂中に埋設した際に鋳物砂が消失模型の孔4bから消失模型の内部に侵入することを防止することができる。
次に、本発明の実施形態に従う消失模型および中子の形成方法について説明する。
消失模型は、所望の方法によって形成することができるが、発泡ポリスチレンのブロックを削り出し加工することによって形成するのが好ましい。また、削り出しは、NC加工により削り出すのが好ましく、例えば、鋳物製品の形状を3DCAD設計し、このデータを用いて行うことにより鋳物製品の製造期間を短縮化することができる。なお、発泡ポリスチレンに代えて、発泡ポリメタクリル酸メチル等の他の樹脂材で形成しても良い。発泡ポリスチレンは発泡倍率20〜70倍、発泡ポリメタクリル酸メチルは発泡倍率20〜70倍とすることが好ましい。
中子は、従来の木型法等により造型することもできるが、RP造形法により造型するのが好ましい。RP造形法により中子を一体的に形成することにより、中子−中子間の距離を高精度で造型することができ、当該中子を用いることで、中空部に薄肉部を有する鋳物製品を精度良く製造することができるからである。また、RP造形法によれば、鋳物製品の形状を3DCAD設計して得られたデータを用いて直接中子を造型することができるため、鋳物製品の製造期間を短縮化することができる。さらに、RP造形法は、同じ大きさならば複雑形状であっても単純形状であっても、同じ速度、同じ価格で製造できため、複雑な形状の中子の製造に適している。
RP造形法を用いて中子を製造する場合、鋳物製品の形状を3DCAD設計して得られたデータに基づき、機械加工を用いずに、材料を一層ずつ積層しながら中子を直接形成することができる。好ましくは、印刷造形法を用いる。すなわち、RP中子造形装置(例えば、Prometal RCT S−print(商標)、販売元:株式会社EX ONE)を用いて、まず、ブレード機構により砂と硬化剤を混練したものの薄層を平らな表面上に均一に拡げ、この薄層における所定の領域に対して、上記した3DCADデータに基づきインクジェットノズルヘッドを走査させてバインダー(結合剤)を印刷する。バインダーが印刷された領域の層は、接合状態となるとともに、既に形成済の下層とも結合する。そして、中子全体が完成するまで、薄層を上部に順次形成させ、バインダーを印刷する工程を繰り返す。最終的に、バインダーが付着されなかった領域は、非結合状態であるため、中子を装置から取り出す際に、砂と硬化剤の混練物は容易に除去することができるので、中子が分離可能となる。以上の操作により、所望の三次元構造の中子が製造できる。
なお、中子の造形に用いる砂の素材としては、天然けい砂を用いるのが一般的である。天然けい砂は直径100〜250μmの範囲のものが好ましい。また、バインダーとしては、フラン樹脂を用いるのが好ましい。フラン樹脂としては、例えば、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、フェノール類とアルデヒド類の縮合物、尿素とアルデヒド類の縮合物よりなる群から選ばれる1種以上か、上記群から選ばれる2種以上の縮合物からなるフラン樹脂が挙げられる。また、硬化剤としては、常温においてフラン樹脂の硬化を促進させるものであれば特に限定されるものではない。
また、砂と硬化剤の混練物一層の厚さは、200〜500μmの範囲とすることが好ましい。より好ましくは250〜300μmの範囲である。
なお、中子の造形に用いる砂の素材としては、上述した天然けい砂以外にも、アルミナとシリカの混合組成を主成分とする人工砂や、ジルコン砂等を用いることもできる。
次に、本発明の実施形態に従う複合型の構造体を用いた鋳造方法について、図6を用いて説明する。
図中、5は塗型剤、6は鋳枠、7は湯口、8は湯道、9は鋳物砂であり、その他の構成は図4および5と同じであるので同じ部材には同じ符号を付して示す。
まず、上述のとおり造型した消失模型4と中子3を組立てて、図5に示すような構造体Pとする。そして、この構造体Pの表面に、耐火性にすぐれ、且つ通気性を有する塗型剤5を塗布し、その後塗型剤5を十分に乾燥させる。なお、塗型剤5としては、水を溶媒とし、コロイダルシリカをバインダーとする、主成分がシリカと黒鉛からなる塗型剤等を用いるのが好ましい。
次に鋳枠6に湯口7、湯道8を形成した後、消失模型4および中子3の構造体Pを固定し、鋳物砂9内に埋設し、鋳型とする。なお、鋳物砂9としては、特に制限はないけれども、アルミナとシリカの混合組成を主成分とする人工砂等を用いるのが好ましい。
以上のように鋳型を形成したら、湯口7から溶融金属を注湯する。注湯された溶融金属は、湯道8を通り、消失模型4の内部に侵入し、消失模型4を分解させながら、消失模型4および閉空間Sを置換していく。その際、消失模型4の分解により生じたガスは、塗型剤5および鋳物砂9を通じて大気中に放出される。
このように鋳出された鋳物を鋳型から取り出し、中子を破砕して除去することにより、鋳物製品1を得ることができる。このようにして得られた鋳物製品1は、その外形は消失模型4の外形と実質的に同一(すなわち、模型分割方向に開口した孔4−1b、4−2b部分を除いて同一)の形状を成し、鋳物製品1の中空部は中子3の表面形状と実質的に同一(すなわち、幅木部分3a、3b部分を除いて同一)の形状を成すものとなる。
以上説明した実施形態においては、略立方体形状をなす鋳物製品を製造する場合の例を用いて説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載した構成に従い、これ以外のいかなる外形および中空部形状をなす鋳物製品の製造にも適用することができる。
以上説明した本発明の実施形態に従う複合型の構造体によれば、鋳物製品の外形は消失模型を用いて形成する一方で、鋳物製品の中空構造に対しては中子を適用することができるため、複雑な中空構造を有する大型の鋳物製品を製造することができる。
以上説明した本発明に係る複合型の構造体を用いて、図7に示すエンジンシリンダヘッド10を製造した。エンジンシリンダヘッド10の幅aは417mm、高さbは270mm、奥行きcは427mmである。
製造に際しては、図8に示す構造の消失模型2と中子3の構造体Pを用いた。図8において、図4〜6に示す部材と対応する部材は同一の符号を付して示す。
消失模型4は、上側消失模型4−1と下側消失模型4−2との2分割構造とした。上側消失模型4−1および下側消失模型4−2のそれぞれは、発泡倍率50倍の発泡ポリスチレンのブロックを、NC加工機(株式会社菊川鉄工所製)を用い、鋳物製品の形状を3DCAD設計して得られたデータに基づき削り出すことによって形成した。
中子3は、RP中子造形装置(例えば、Prometal RCT S−print(商標)、販売元:株式会社EX ONE)を用いて、やはり鋳物製品の形状を3DCAD設計して得られたデータに基づき、一体的に形成した。中子3の造形に用いる砂の素材としては、直径140μmの天然けい砂を用い、バインダーはフラン樹脂を用いた。また、砂と硬化剤の混練物一層の厚さは、280μmとした。
以上のとおり形成した消失模型4−1、4−2で中子3を挟み込んで複合型の構造体Pとし、この構造体Pを鋳物砂9に埋設して鋳型を造型した。その後、溶融金属を注湯し、消失模型4および閉空間Sを溶融金属で置換することによってエンジンシリンダヘッド10を鋳出した。この作業を10回繰り返し、エンジンシリンダヘッド10を製造した。
なお、塗型剤5としては、水を溶媒とし、コロイダルシリカをバインダーとする、主成分がシリカと黒鉛からなる塗型剤を用いた。鋳物砂としては、アルミナとシリカの混合組成を主成分とする人工砂を用いた。
このようにして製造した各エンジンシリンダヘッド10について、鋳バリ、肉厚精度不良、砂カミの発生有無を評価した。鋳バリの発生有無の判断は、各鋳物製品について、外部は目視観察、内部は鋳物製品を切断してやはり目視観察することにより行った。肉厚精度不良の発生有無の判断は、製造したエンジンシリンダヘッド10の図7(b)中eで示した部分の寸法を測定し、その測定値が、肉厚の基準寸法7mmに対する寸法誤差を測定し判断した。砂カミの発生有無の判断は、各鋳物製品を10箇所で切断し、それぞれの断面について目視と浸透探傷試験により評価した。
また、比較例として、図9に示すとおり、従来の木型法による主型11と中子12とを用いて、エンジンシリンダヘッド10を10個製造し、同様に鋳バリ、肉厚精度不良、砂カミの発生有無を評価した。なお、主方11は、上側主型11−1、下側主型11−2、右側主型11−3、左側主型11−4、奥側主型11−5および手前側主型11−6の6分割構造になるものを用い、中子12は、上側中子12−1、下側中子12−2、右側中子12−3、左側中子12−4の4分割構造になるものを用いた。
その結果を併せて表1に示す。
なお、従来のフルモールド鋳造法を用いて、エンジンシリンダヘッド10の製造も試みたが、消失模型の内部に鋳物砂が入らず、エンジンシリンダヘッド10を製造することはできなかった。
Figure 2012135803
以上により、本発明に従う消失模型と中子の構造体を用いることにより、鋳物製品の鋳バリ、肉厚精度不良、砂カミの発生が大幅に防止されることが確認された。
参考のため、本発明および従来法のそれぞれを用いてディーゼルエンジンのシリンダヘッドを鋳造した場合について、表2に示す各項目について調べた結果を比較して同表に示す。
Figure 2012135803
ここで、表中、◎は良好、○はやや良好、△はやや不良、×は不良を意味する。
本発明に従い、製品の外側の形状はフルモールド鋳造法で形成する一方で、製品の複雑な中空構造に対しては、好ましくはRP造形法で形成した中子を適用することにより、複雑な中空構造を有する大型製品を安定して供給することができる。このような大型製品の例としては、エンジンシリンダヘッド、エンジン用ウォーターボックス、エンジン用シリンダブロック、大型ポンプ用羽根車等が挙げられる。
1 鋳物製品
1a 貫通孔
1b 立方体状空洞
2 消失模型
2−1 上側消失模型
2−2 下側消失模型
2−3 右側消失模型
2−4 左側消失模型
2−1a 孔(上側消失模型)
2−2a 孔(下側消失模型)
2−3a 孔(右側消失模型)
2−4a 孔(左側消失模型)
3 中子
3−1 円柱状部
3−2 立方体状部
3a 幅木
3b 一体化した幅木
4 消失模型
4−1 上側消失模型
4−2 下側消失模型
4−1a 孔(上側消失模型)
4−2a 孔(下側消失模型)
4b トラック状の一体化した孔
4−1b 半トラック状の一体化した孔(上側消失模型)
4−2b 半トラック状の一体化した孔(下側消失模型)
P 構造体
S 閉空間
5 塗型剤
6 鋳枠
7 湯口
8 湯道
9 鋳物砂
10 エンジンシリンダヘッド
11 主型
11−1 上側主型
11−2 下側主型
11−3 右側主型
11−4 左側主型
11−5 奥側主型
11−6 手前側主型
12 中子
12−1 上側中子
12−2 下側中子
12−3 右側中子
12−4 左側中子

Claims (6)

  1. 消失模型と中子を組み合わせた複合型の構造体であって、
    上記消失模型は、その外形が鋳物製品の外形と実質的に同一形状をなすと共に、少なくとも2分割構造になり、
    上記中子は、上記鋳物製品の中空部と実質的に同一形状をなし、
    上記中子を上記消失模型で挟み込んでなる複合型の構造体。
  2. 前記消失模型の内面と前記中子の外面との間に閉空間を設けたことを特徴とする請求項1に記載の複合型の構造体。
  3. 前記分割構造の消失模型で前記中子を挟み込む際、この挟み込みを妨げる各分割模型における中子の幅木部分を連結して一体化したことを特徴とする請求項1または2に記載の複合型の構造体。
  4. 前記中子がラピッドプロトタイピング造形法によって形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合型の構造体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合型の構造体を鋳物砂中に埋設してなる鋳型。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合型の構造体を鋳物砂中に埋設してなる鋳型を用いることを特徴とする鋳造方法。
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