以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係わる遊技機の第1の実施の形態として、パチンコ遊技機における遊技盤を示す正面図である。
このパチンコ遊技機は、遊技盤1のガイドレール2で囲まれた遊技領域3に、特別図柄の変動表示装置4、開放されることで遊技者に大きな利益を与える第1の特別変動入賞装置5(第1の変動入賞装置)と第2の特別変動入賞装置6(第2の変動入賞装置)、補助変動表示ゲームとしての普通図柄の変動表示ゲーム(以下、普図変動ゲームと呼ぶ)を開始させる普図始動ゲート7、補助変動表示装置としての普通図柄の変動表示器8、一般入賞口9,9…、始動変動入賞装置として特別図柄の変動表示ゲーム(以下、特図変動ゲームと呼ぶ)を開始させる特図始動口を兼ねた始動変動入賞装置としての普通変動入賞装置10、風車と呼ばれる、方向変換部材11,11…、サイドランプ12,12、障害釘13,13…が配設されている。
変動表示装置4は、液晶ディスプレイ等からなる変動表示部4aを備え、この変動表示部4aにより画像表示が行われるようになっている。
普通図柄の変動表示器8は、例えば7セグメント型の表示器などからなり、その上側には普図変動ゲームの開始待ちの回数を表わす普図始動記憶表示器8b,8b…が設けられている。
普通変動入賞装置10は、左右一対の開閉部材10a,10aを備え、常時はこれら一対の開閉部材10a,10aが遊技球1個分受け入れ得る間隔を開けた状態に閉じているが、変動表示器8で行われる普図変動ゲームの結果(特定結果)如何によって、逆「ハ」の字状に開いて遊技球を受け入れやすい状態(特定遊技状態)に変化されるようになっている。なお、本実施の形態においては、始動変動入賞装置として開閉変動する普通変動入賞装置を設けたが、これに限らず、開閉変動しない単なる始動入賞口を設けることにしても良い。
第1の特別変動入賞装置5は、横方向に長い平板状の開閉扉6aによって開閉される大入賞口6bを内部に備えており、変動表示装置4で行われる特図変動ゲームの結果如何によって開放されるときには(第2状態)、開閉扉6aが下辺部に設けられた支軸を中心に前方に倒れて開閉扉6aの裏面側で遊技球を受け止め大入賞口6bに入賞させるように構成されている。大入賞口6bには一般入賞領域と特別入賞領域(所謂V入賞ゾーン)が設けられ、さらに特別入賞領域の近傍には1個の遊技球が入賞した後に入賞率をゼロに変化させるために入賞率調整用の可動部材が設けられている。
この特別変動入賞装置5は、普通変動入賞装置10の下側に設けられ、その開閉扉6aの開閉により普通変動入賞装置10への入賞率に影響を与えないようになっている。
第2の特別変動入賞装置6は、第1の特別変動入賞装置5と同様に、開閉扉7a、一般入賞領域と特別入賞領域とを有する大入賞口7b、特別入賞領域への入賞率をゼロに調整する可動部材を備えており、変動表示装置4で行われる特図変動ゲームの結果如何によって開放されるものである。
この第2の特別変動入賞装置6は、普通変動入賞装置10の上方に設けられることで、開閉扉7aの開閉により普通変動入賞装置10への入賞率を変化させることができるようにされている。また、第1の特別変動入賞装置5では1個の入賞に対して15個の賞球が排出されるのに対して、第2の特別変動入賞装置6では1個の入賞に対して11個の賞球が排出されると云うように、第2の特別変動入賞装置6の方が第1の特別変動入賞装置5よりも賞球数が少なく設定されている。このような賞球数の違いにより、第1の特別変動入賞装置5と第2の特別変動入賞装置6とでは遊技者に与えられる遊技価値の大きさが異なるようになっている。
なお、第1の特別変動入賞装置5と第2の特別変動入賞装置6とで遊技者に与えることのできる遊技価値の大きさを変える構成としては、上述の構成のほか、障害釘の設定を変えたり、開閉扉6a,7aの左右方向の長さを異ならせて入賞率を異ならせるなど、種々の構成を採用することができる。
図2は、第1実施形態のパチンコ遊技機に配設された制御系の全体構成を示すブロック図である。
この実施の形態のパチンコ遊技機には、たとえば遊技機の裏側に、遊技系全体の制御を行うメイン制御装置200と、変動表示装置4の表示制御など遊技の演出に関する制御を行う演出制御装置300と、遊技球の発射や賞球の排出の制御を行うサブ制御装置としての排出発射制御装置400と、バックアップ電源500aを搭載した電源供給装置500等が配設されている。
メイン制御装置200は、CPU(Central Processing Unit)211a、RAM(Random Access Memory)211bおよびROM(Read Only Memory)211cを備えた遊技用マイクロコンピュータ211と、動作クロックを生成するクロックジェネレータ212と、外部機器と信号を入出力する入出力I/F213等を備えている。
RAM211bには、始動記憶手段として特図変動ゲームが未処理となっている回数が計数される特図始動記憶カウンタと、普図変動ゲームが未処理となっている回数が計数される普図始動記憶カウンタと、後述するチャンスタイムの残り回数が計数されるチャンスカウンタと、計数手段としてチャンスタイム終了時点からの時短ゲームの残り回数が計数される時短カウンタと、第1および第2の特別変動入賞装置5,6のうち特別遊技で何れを使用するかが表わされるアタッカーフラグと、時短ゲームの実行又は非実行を表わす時短フラグと、特図変動ゲームの結果が大当りであることを表わす大当りフラグなどが設けられる。
特に限定されるものではないが、この実施の形態のパチンコ遊技機においては、特図始動記憶数の上限値は例えば“50”に設定され、特図変動ゲームが消化されずに普通変動入賞装置10への入賞が続いた場合には、未処理の特図変動ゲームの回数を50回まで貯められるようになっている。なお、特図始動記憶数に上限値を設けず、無制限としても良い。普図始動記憶数の上限値は例えば“4”に設定されている。
上記入出力I/F213には、普通変動入賞装置に流入した遊技球を検出する特図始動センサSS1と、一般入賞口に流入した遊技球を検出する入賞口センサSS8〜SSNと、普図始動ゲート7を通過した遊技球を検出する普図始動センサSS2と、普通変動入賞装置の開閉部材を駆動する普電用ソレノイド315と、普通図柄の変動表示器8と、普図始動記憶表示器8b,8b…と、遊技店の管理装置に情報を送信するための外部出力端子316と、上記演出制御装置300および排出発射制御装置400と、第1の特別変動入賞装置5に設けられた開閉扉6aを駆動する可動部材用ソレノイド313と、第1の特別変動入賞装置5の特別入賞領域の入賞率調整用の可動部材を駆動する入賞率調整用ソレノイド317と、大入賞口6bの一般入賞領域に流入した遊技球を検出する一般入賞口センサSS4と、大入賞口6bの特別入賞領域に流入した遊技球を検出する特別入賞口センサSS6と、第2の特別変動入賞装置6に設けられた開閉扉6aを駆動する可動部材用ソレノイド314と、第2の特別変動入賞装置6の特別入賞領域の入賞率調整用の可動部材を駆動する入賞率調整用ソレノイド318と、大入賞口7bの一般入賞領域に流入した遊技球を検出する一般入賞口センサSS5と、大入賞口7bの特別入賞領域に流入した遊技球を検出する特別入賞口センサSS7とが接続され、各種センサからの検出出力を入力したり、各種駆動機器の作動信号を出力したりする。
演出制御装置300は、変動表示装置4の表示制御に加え、サイドランプその他の装飾ランプやLED512を駆動したり、遊技機のスピーカ511から装飾音を出力する制御を行うようになっている。
また、排出発射制御装置400には、遊技者のハンドル操作に応じて遊技盤上へ遊技球を発射する発射装置301と、遊技機前面の受け皿へ賞球を排出する排出装置302とが接続されている。
図3には、メイン制御装置200と演出制御装置300との間で送受信される信号の説明図を示す。
この実施の形態のパチンコ遊技機では、メイン制御装置200から演出制御装置300へ、特図変動ゲームの制御に関わる変動表示ゲーム情報と、特図変動ゲームの開始待ちの回数を表わす特図始動記憶情報が送信されるようになっている。変動表示ゲーム情報には、特図変動ゲームを開始させる変動表示開始信号、特図変動ゲームの変動表示パターンを示す変動表示パターンコマンド、特図変動ゲームの結果の図柄を示す停止図柄データ、特図変動ゲームの終了タイミングを示す変動表示停止信号などが含まれる。
次に、上記のような構成のパチンコ遊技機により行われる遊技制御や表示制御について説明する。
図4は、この実施の形態のパチンコ遊技機において行われる遊技状態の遷移の一例を示すタイムチャートである。
遊技が開始されて、遊技領域3中に打ち込まれた遊技球が特図始動口である普通変動入賞装置10に入賞すると、先ず、その入賞が特図始動センサSS1に検出されて遊技用マイクロコンピュータのRAM211bの特図始動記憶カウンタに計数される。そして、この特図始動記憶に基づいて、変動表示装置4で例えば3桁の図柄が変動して停止される特図変動ゲームが実行される(図4のタイミングT1)。
この特図変動ゲームの結果、例えば「3、7、2」など、3桁の図柄が不揃いで停止すると、外れとなって1回の特図変動ゲームが終了となる。一方、例えば「3、3、3」や「7、7、7」など3桁の図柄の揃った特別結果(特別図柄組合せ態様、特別表示態様)で停止すると、大当りとなって遊技者に大きな利益をもたらす特別遊技が発生される(図4のタイミングT3)。
また、この特図変動ゲームの途中で、大当りの前段である「3、3、−」や「7、7、−」(「−」は変動中を表わす)などのリーチ状態となったときには、遊技者に大当りの期待感を与えるリーチ演出表示が変動表示装置4で行われる(図4のT2)。リーチ演出表示が行われる場合には、その分、一回の特図変動ゲームの開始から終了までの実行時間が通常の場合より延長される。
上記の特図変動ゲーム中にさらに普通変動入賞装置10に遊技球が入賞すると、この入賞により特図始動記憶カウンタが“1”加算されて、未処理の特図変動ゲームの回数がカウントされていく。この実施の形態では、特図始動記憶の数を上限値 “50”まで貯めることが可能になっている。そして、実行中の特図変動ゲームが終了した後、未処理となっている特図変動ゲームが順次実行されていく。特図変動ゲームの開始時には特図始動記憶カウンタが“1”減算されて、未処理の特図変動ゲームの回数に反映される。
特図始動カウンタの値は、特図始動記憶情報(図3参照)としてメイン制御装置200から演出制御装置300へ送信され、この特図始動記憶情報に基づき演出制御装置300で画像データが編集されて、変動表示装置4に特図始動記憶の数が画像出力されるようになっている。この特図始動記憶の画像表示は、特図変動ゲーム中や特別遊技中ならびにそのインターバル期間など常に行われる。
また、上記の特図変動ゲームにおいて特別図柄の変動が開始してから停止するまでの変動時間は、特図始動記憶数に応じて変化するように制御され、例えば、始動記憶が4個以下の場合は10秒、5個から9個の場合は7秒、10個以上の場合は3秒とされる。このような制御により、特図始動記憶が少ないときには特図変動ゲームの所要時間を長くしてじっくりとゲームを楽しませる一方、特図始動記憶が多くなると特図変動ゲームの所要時間を短くして始動記憶が上限値に達してそれ以上の始動入賞が無駄になるのを防止し、遊技者による止め打ちを回避できるようになる。
一方、遊技領域3に発射された遊技球が普図始動ゲート7を通過すると、その通過が普図始動センサSS2に検出されて遊技用マイクロコンピュータのRAM211b内の普図始動記憶カウンタにカウントされる。そして、この記憶に基づいて、普通図柄の変動表示器8において例えば1桁の数字などからなる普通図柄が変動して停止される普図変動ゲームが行われる。
普図変動ゲームの結果、特定の停止表示態様(例えば「7」)であれば普図の当たりとなって、所定時間(例えば0.5秒間)だけ普通変動入賞装置10の開閉部材10a,10aが逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が入賞しやすい状態に変換される。この普通変動入賞装置10の開放によって、普通変動入賞装置10に遊技球が入りやすくなり、その分、特図始動記憶の数を増やして特図変動ゲームの行われる回数を多くすることができる。
この普図変動ゲーム中に普図始動ゲート7を遊技球が通過すると、この通過により普図始動記憶カウンタが“1”加算されて、未処理の普図変動ゲームの回数が計数され、普図の始動記憶表示器8b,8b…がその記憶数分だけの個数点灯される。そして、その記憶個数分だけの普図変動ゲームが順に行われる。普図の始動記憶表示器8b,8b…の個数は4個であり、普図始動記憶カウンタの上限値と対応されている。この普図変動ゲームは、特図変動ゲームや特別遊技の実行中でも、それらと並行して実行されるものである。
この実施の形態のパチンコ遊技機においては、通常のモードにおける特図変動ゲームで大当りとなった場合には、第2の特別変動入賞装置6が開放される通常モードの特別遊技が行われる(図4の期間T4)。
通常モードの特別遊技は、第2の特別変動入賞装置6の開閉扉7aが所定時間開放されて閉じるサイクルを1ラウンドとし、各サイクル中、遊技球が大入賞口7bの特別入賞領域に入ることを条件に所定ラウンド(例えば16ラウンド)まで継続される遊技である。但し、各ラウンド中、大入賞口7b中に遊技球が所定個数(例えば10個)入賞したときはその時点で第2の特別変動入賞装置6の開閉扉7aが閉じられてそのラウンドが終了される。
この特別遊技の実行中にさらに普通変動入賞装置10に遊技球が入賞すると、この入賞によっても特図始動記憶カウンタが“1”加算される。特別遊技の実行中は特図変動ゲームが行われないので、特別始動記憶は減算されずに、その上限値(例えば“50”)に達するまで増加していく。また、この特別遊技の各ラウンド中やそのインターバルには、この特図始動記憶の個数が変動表示装置4に画像表示されて遊技者に示される。
通常モードの特別遊技は、第2の特別変動入賞装置6が開放されるため、第1の特別変動入賞装置5が用いられる場合に比べて、1個の入賞球に対する賞球数が少ないばかりか、開閉扉7aが開いたときに普通変動入賞装置10への入賞もし難くなる。そのため、その分の賞球が減少するとともに、特図始動記憶を増加させにくくなる。但し、開閉扉7aの閉まる各ラウンドのインターバル期間には、開いているときに比べて普通変動入賞装置10への入賞率が高くなるので、遊技者は特別遊技の各ラウンド間も特図始動記憶数を増やそうとして遊技球を打ち込み、特別遊技中とくにラウンド間の止め打ちが防止されることが期待できる。
通常モードの特別遊技が終了すると、次に、この終了時点における特図始動記憶数に応じて、遊技者がより大きな遊技価値を獲得することが可能なチャンスタイム(チャンスモード)が発生される(図4のタイミングT5)。チャンスタイムの発生期間は、特別遊技の終了時点における特図始動記憶の特図変動ゲームの実行期間とされる。そして、このチャンスタイム中に実行される特図変動ゲームの結果が大当りとなることで、通常モードよりも大きな遊技価値を得られるチャンスモードの特別遊技が発生される(図4のタイミングT6)。
また、通常モードの特別遊技の終了時には、この時点の特図始動記憶数に応じて、後述する時短ゲームの継続期間が次のように決定される。すなわち、図11に示すように、終了時点での特図始動記憶数が1〜10個のときには時短ゲームは無し、11〜20個のときには特図変動ゲームの30回分の期間、21〜30個のときには特図変動ゲームの60回分の期間、31個以上のときには特図変動ゲームの100回分の期間と決定される。この時短ゲームは大当りとならずにチャンスタイムを終了したときに開始されるボーナス的な補助ゲームである。
図5には、チャンスタイム中に大当りが発生した場合に変動表示装置4に表示される一連の画像図の一例を示す。同図(a)はチャンスタイムの発生から1回目の特図変動ゲームが開始されたときの画像例、(b)はチャンスタイムの発生から3回目の特図変動ゲームが開始されたときの画像例、(c)はチャンスタイム中に大当りとなったときの画像例、(d)はチャンスタイム中の大当りで発生された特別遊技の画像例、(e)はこの特別遊技の終了時の画像例である。
特別遊技が終了してチャンスタイムが発生すると、図5(a)に示すように、変動表示装置4の画像にチャンスタイムであることを示す表示42や、チャンスタイムの残り回数を示すチャンスカウンタの表示43、並びに、特別遊技終了時に獲得した時短ゲームの回数の表示45がなされる。特図始動記憶の個数表示46は通常モードでも表示される。
チャンスタイム中に行われる特図変動ゲームは、チャンスカウンタの表示や演出表示等の違いはあるが、遊技内容は通常モードのときと同様のものである。
チャンスタイム中、特図始動記憶に貯められていた特図変動ゲームが順次行われていくと、それに伴いチャンスカウンタの値が減算されてチャンスカウンタ表示43に反映される。また、チャンスタイム中にも普通変動入賞装置10へ遊技球が入賞すると特図始動記憶が “1”加算されて特図始動記憶の個数表示46に反映される。図5(a)と図5(b)の例では、この間に3回の特図変動ゲームが実行されてチャンスカウンタの値が“3”減算され、また、この間に2個の遊技球が入賞して特図始動記憶の数が増加された状態が示されている。
チャンスタイム中の特図変動ゲームで、例えば図5(c)に示すように所定の図柄が揃って大当りとなった場合には、例えば「ビックチャンスゲット」など遊技者により大きな価値が付与されることを示す表示や、例えば「アタッカー1開放」など第1の特別変動入賞装置5が使用されることを示す表示47が行われた後、第1の特別変動入賞装置5が開放されるチャンスモードの特別遊技が発生される。
チャンスモードの特別遊技は、第1の特別変動入賞装置5が開放されて行われるほかは通常モードの特別遊技と同じものである。第1の特別変動入賞装置5は第2の特別変動入賞装置6に比べて遊技球の入賞率が高く1球の入賞に対する賞球数も多いため、チャンスモードの特別遊技は通常モードの特別遊技よりも遊技者に与えられる遊技価値が非常に大きなものとなる。
また、第2の特別変動入賞装置6は普通変動入賞装置10の上側に配設されているために、通常モードの特別遊技では開閉扉7aが閉じている期間だけ普通変動入賞装置10への入賞が可能であったのに対して、第1の特別変動入賞装置5は普通変動入賞装置10の下側に設けられているため、チャンスモードの特別遊技中は普通変動入賞装置10の入賞率が低くならず、その分、特別遊技中に貯めることのできる特図始動記憶の数を多くすることが可能となる。
チャンスモードの特別遊技中には、図5(d)に示されるように、始動記憶数の表示、大当りとなった図柄の表示、特別遊技のラウンド数の表示、ラウンドの継続条件を満たしたことを示すV入賞表示48、並びに、第1と第2の特別変動入賞装置5,6の何れが開放されているのかを示すアタッカー番号の表示49がなされる。
チャンスモードの特別遊技の終了時には、通常モードの特別遊技と同様に、特別遊技終了時点での特図始動記憶数に応じた回数のチャンスタイムと時短ゲームとが獲得され、例えば図5(e)に示すようにチャンスタイム獲得数の表示がなされる。
図6には、チャンスタイム中に大当りが出ずにチャンスタイムが終了したときの変動表示装置4の画像の一例を示す。
チャンスタイム中、特図変動ゲームで大当りが発生せずにチャンスタイムが終了すると(図4のタイミングT8)、図6(a)に示すようにチャンスタイム終了を知らせる表示がなされるとともに、先の大当りの特別遊技の終了時(タイミングT7)に獲得された時短ゲームが開始され(タイミングT8)、その獲得時に決定された期間T9だけ継続される。時短ゲームの実行時には、図6(b)に示すように、獲得された時短ゲームの開始を示す「ここから時短100回」などの表示50や、時短ゲームの残り回数を示す時短カウンタの表示51などが行われる。
時短ゲームは、上述した普図変動ゲームにおいて普通図柄が変動開始してから停止するまでの時間が、例えば通常の30sから5sに短縮される遊技である。普図始動ゲート7への遊技球の通過は比較的高い確率で行われるので、普図変動ゲームの時間が短縮されることで、実質的に普図変動ゲームの実行回数が増え、普図変動ゲームで当たりとなって普通変動入賞装置10の開閉部材が逆「ハ」の字状に開く回数が多くなる。時短ゲーム中、特図変動ゲームが開始されるごとに時短カウンタの値が“1”減算されて時短カウンタの表示に反映される。
また、時短ゲームの際には、普通変動入賞装置10への入賞率が高くなり、そのままでは特図始動記憶の数が大きくなりがちになるため、それを回避するため特図変動ゲームで特別図柄が変動してから停止されるまでの時間が短縮されるように設定変更される。
また、特図変動ゲームにおいてその停止結果が奇数数字のぞろ目など特定の特別結果となった場合には、この大当りに対する特別遊技(特別遊技状態)の終了後に、特図変動ゲームで大当りとなる確率が通常より高められる確率変動状態が発生する。
確率変動状態が発生すると、大当りの確率が高くなることに加えて、普図変動ゲームの図柄変動時間が短縮される時短ゲームの発生制御と、普図変動ゲームで当たりとなった場合に普通変動入賞装置10が開く時間を例えば通常の0.5秒から3秒に延ばす(あるいは間歇的に何度も開くようにしても良い)制御とが併行して行われるようになっている。
このような確率変動状態の制御により、確率変動状態中には通常状態のときより特図の始動記憶数を増加させやすくなり、そのため、確率変動状態中には特図始動記憶数が増加した状態で大当りが発生することが極めて高くなる。従って、確率変動状態には、単に次の大当りの発生を早くしたり約束したりする意味合い以外に、次の大当りで遊技価値がより高い第1の特別変動入賞装置5が開放される確率を増す意味合いも付加されることになる。
以下、上記のような遊技制御を実現するためにメイン制御装置200で実行される制御処理についてフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
図7は、メイン制御装置のCPUにより実行されるタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
このタイマ割込み処理は、クロック信号に基づき遊技用マイクロコンピュータ内で所定周期(例えば約4ms)ごとに生成される割込み信号により、メイン制御処理中に割り込んで1シーケンスずつ行われる処理である。
タイマ割込み処理が開始されると、順に、他の制御処理で使用されているレジスタ値を退避させる処理(ステップS1)、入出力I/Fを介して遊技球を検出する各種センサの検出出力や排出発射制御装置からの各種信号を入力する入力処理(ステップS2)、遊技盤上の装置を駆動する作動信号や遊技機が設置される島設備や遊技店の管理装置へ状態信号を出力する出力処理(ステップS3)、演出制御装置300へ変動表示ゲーム情報や特図始動記憶情報を送信する処理(ステップS4)、普図変動ゲームの停止図柄を決定する乱数の更新処理(ステップS5)、特図変動ゲームの停止図柄や変動パターンを決定する乱数の更新処理(ステップS6)、排出発射制御装置400からのエラー信号の通知等を監視するエラー監視処理(ステップS7)、ステップS2で入力した各種センサの検出出力に基づき遊技球の入賞を監視するスイッチ監視処理(ステップS8)、特図変動ゲームに関する遊技制御処理を行う特図変動ゲーム処理(ステップS9)、普図変動ゲームに関する処理を行う普図変動ゲーム処理(ステップS10)、島設備や管理装置へ出力される外部情報を編集する処理(ステップS11)、ステップS1で退避したレジスタ値を復帰させる処理(ステップS12)を行って、元の制御処理に戻る。
そして、このタイマ割込み処理が所定周期ごとに繰り返し行われることで上述のような遊技制御が実現される。
上記のスイッチ監視処理(ステップS8)では、遊技球の入賞の検出がなされれば、次の出力処理(ステップS3)で排出発射制御装置400へ賞球排出の要求信号が出力されるように出力データを設定する他、例えば普通変動入賞装置10への入賞があればRAM211bの特図始動記憶カウンタに「1」加算したり、普図始動ゲート7の入賞があればRAM211bの普図始動記憶カウンタに「1」加算したりする処理が行われる。
上記の特図変動ゲーム処理(ステップS9)では、遊技状態に応じて特図変動ゲームに関する複数のルーチン処理の何れかに分岐がなされてそのルーチン処理を実行し、次のステップS10に移行する。ここで分岐されて実行されるルーチン処理には、特図変動ゲームや特別遊技が実行されていない期間に分岐される普段処理(図8)と、特図変動ゲーム中に分岐される変動表示処理と、特図変動ゲームで図柄が停止して1秒後の図柄確定時に分岐される特図表示終了処理(図9)と、大当りの演出表示中に分岐されて演出表示に係る処理を行うファンファーレ処理と、特別遊技中に分岐される特別遊技状態処理(図10)等がある。電源投入時には普段処理に分岐されるように設定されているが、遊技中に所定の条件が満たされることで、普段処理から変動表示処理へ、変動表示処理から特図表示終了処理へと、各ルーチン処理の中で次の分岐先が変更されるようになっている。
上記の普図変動ゲーム処理(ステップS10)では、普図変動ゲームの遊技状態に応じて普図変動ゲームに関する複数のルーチン処理の何れかに分岐がなされてそのルーチン処理を実行し、次のステップ11に移行する。ここで分岐されて実行されるルーチン処理には、普図変動ゲームが実行されていない期間に分岐される普図普段処理と、普図変動ゲームの開始時に分岐される普図変動開始処理(図12)と、普図変動ゲーム中および終了時に分岐される普図変動停止処理とがある。
図8は、図7のステップS9の特図変動ゲーム処理の中で分岐されて実行される普段処理の手順を示すフローチャートである。
この普段処理は、電源投入直後や特図変動ゲームや特別遊技が終了した後に図7の特図変動ゲーム処理(ステップS9)の中で分岐されて実行される処理である。
この処理が開始されると、先ず、ステップS11でRAM211bの始動記憶カウンタの値を読み出して“1”以上であればステップS12に移行するが、“0”であればこの普段処理を終了して、タイマ割込処理(図7)の次のステップS10に移行する。すなわち、特図始動記憶数が“0”のときにはタイマ割込処理ごとにこの普段処理が繰り返し行われる。
ステップS11の判別処理の結果、始動記憶があってステップS12に移行すると、該ステップで始動記憶カウンタの値を“1”減算して、ステップS13に移行する。このステップS12の処理により特図変動ゲームの開始時に特図始動記憶数が“1”減算される。
ステップS13では、RAM211bチャンスカウンタの値が“0”より大きいか判別し、大きければステップS15へ移行してRAM211bアタッカーフラグを“1”、即ち大当り時に第1の特別変動入賞装置5が使用されるように設定し、続くステップS16でチャンスカウンタを“1”減算して、ステップS17に移行する。
一方、チャンスカウンタの値が“0”以下であれば、ステップS14に移行してアタッカーフラグを“0”、即ち大当り時に第2の特別変動入賞装置6が使用されるように設定して、ステップS17に移行する。
ステップS17では、次のタイマ割込処理(図7)の特図変動ゲーム処理(ステップS9)の中で変動表示処理に分岐されるように分岐情報をセットして、この普段処理を終了する。
図示は省略するが、上記の変動表示処理は、特図変動ゲームの開始から変動図柄が停止して1秒後の停止図柄確定時までの期間、タイマ割込処理ごとに繰り返し実行される処理である。この変動表示処理では、特図変動ゲームの停止図柄や演出パターンを決定したり、演出パターンに応じて特図変動ゲームの開始から終了時までの各種タイミングを演出制御装置300に与えたりする処理が行われる。そして、その停止時から1秒後のタイミング(図柄確定のタイミング)に、次のタイマ割込処理で、図9の特図表示終了処理に分岐されるように分岐情報がセットされる。
図9は、図7の特図変動ゲーム処理の中で分岐されて実行される特図表示終了処理の手順を示すフローチャートである。
この特図表示終了処理が開始されると、先ず、ステップS21でRAM211b中の大当りフラグが“1”か否か判別する。この大当りフラグは、上記変動表示処理の中で停止図柄が「3,3,3」などの大当りになった場合に“1”にセットされるものである。詳細には、普通変動入賞装置10へ遊技球が入賞したときに抽出した乱数が、予め設定されている所定値と一致して大当たり乱数であると判定された場合に大当たりフラグが“1”にセットされる。
その結果、大当りフラグが“1”であれば、特図変動ゲームの結果が大当りであると判別してステップS22に移行する。そして、特別遊技の発生に必要な準備処理(ステップS22)と、次のタイマ割込処理の特図変動ゲーム処理でファンファーレ処理に分岐されるように分岐情報をセットする処理(ステップS23)をして、この特図表示終了処理を終了する。
一方、大当りフラグが“0”であれば、特図変動ゲームの結果が外れであると判別してステップS24へ移行する。そして、先ずステップS24でRAM211b中のアタッカーフラグの判別を行う。アタッカーフラグは特別遊技で使用される特別変動入賞装置を示すものであるが、同時にチャンスタイム中か否かを表わすフラグでもあり、このステップS24の判別処理ではチャンスタイム中か否かの判別を行っている。
その結果、アタッカーフラグが“0”でチャンスタイム中でないと判別したら、ステップS25〜S28の時短ゲームに関する設定処理を適宜行ってからステップS29に移行するが、アタッカーフラグが“1”でチャンスタイム中であると判別したらそのままステップS29に移行する。
ステップS25〜S28では、先ず、RAM211b中の時短カウンタが“1”より大きいか判別し(ステップS25)、大きければRAM211b中の時短フラグを“1”にセットし(ステップS26)、続いて時短カウンタを“1”減算する(ステップS27)。また、ステップS25で時短カウンタが“1”以下であれば時短フラグを“0”にセットする(ステップS28)。
すなわち、これらステップS25〜S28の処理により、特別遊技終了時に獲得された時短ゲームが、チャンスタイム以降に実行され、その回数のカウントダウンが行われる。
なお、チャンスタイム中にも時短ゲームを実行させる場合には、ステップS24でアタッカーフラグが“1”となって分岐された後に時短フラグを“1”にセットする処理を挿入し、その後、ステップS29に移行するようにプログラムを変更すれば良い。この場合でも、特別遊技終了時に獲得された時短ゲームのカウントダウンはチャンスタイム終了後に開始される。
ステップS29では、次のタイマ割込処理の特図変動ゲーム処理で図8の普段処理に分岐されるように分岐情報をセットして、この特図表示終了処理を終了する。しかして、この特図表示終了処理が実行された次のタイマ割込み処理では、特図変動ゲームの結果が大当りであればファンファーレ処理へ、特図変動ゲームの結果が外れであれば普段処理へと遷移される。
上記のファンファーレ処理は、特図変動ゲームで大当りとなったときの演出表示を行うときに繰返し行われる処理である。演出表示の終了時には次のタイマ割込処理で図10の特別遊技状態処理へ分岐されるように分岐情報がセットされる。
図10は、図7の特図変動ゲーム処理の中で分岐されて実行される特別遊技状態処理の手順を示すフローチャート、図11はそのステップS40の時短カウンタセット処理で時短カウンタにセットする回数とその条件との対応テーブルを示す図である。
この特別遊技状態処理は、特別遊技中、タイマ割込処理ごとに繰返し実行される処理である。特別遊技状態処理が開始されると、ステップS31においてラウンド開始条件(1ラウンド目の開放タイミング或いは継続条件を満たした2ラウンド目の開放タイミング)が成立したか判別し、該条件でなければそのままステップS36にジャンプするが、該条件が成立していれば、順に、ラウンド数を“1”加算し(ステップS32)、アタッカーフラグを判別し(ステップS33)、アタッカーフラグに応じて第1又は第2の特別変動入賞装置5,6を開放させるべく、何れかの可動部材用ソレノイド313,314を作動させるデータ設定を行って(ステップS34,S35)、ステップS36に移行する。
ステップS36では、ラウンドの終了条件(規定時間の経過或いは規定個数の入賞)が成立したか判別し、該条件でなければそのままこの特別遊技状態処理を終了するが、該条件が成立していれば、開閉扉6a,7aが閉まるように可動部材用ソレノイド313,314を作動させるデータ設定を行い(ステップS37)、続いて、ラウンド継続条件(特別入賞領域(V入賞ゾーン)への入賞があり且つ最終ラウンドでないこと)が成立したか判別する(ステップS38)。その結果、ラウンド継続条件が成立していればそのままこの特別遊技状態処理を終了するが、該条件が成立していなければステップS39で時短ゲームが獲得される条件を満たしているか判別する。この実施の形態では、特図変動ゲームで大当りとなった場合にはその特別遊技の終了時に時短ゲームを獲得する権利が得られるので、このステップS39の処理では必ず“Yes”の判定結果となるが、時短ゲームの獲得権利が付与される条件を設定した場合には、このステップS39でその条件を満たしているかの判定を行う。
時短ゲームの獲得権利が付与される条件としては、例えば大当り図柄が特定図柄の場合、特図変動ゲームで大当りとなる確率が高くなる確率変動期間の終了となる大当りの場合、或いは、大当りの確定後に例えば変動表示装置4で時短ゲーム獲得のための補助遊技を行いその結果が当たりであった場合など、種々の条件を設定することが出来る。
ステップS39の判別処理で時短ゲームの獲得権利ありと判別されると、ステップS40において特図始動記憶数に応じた回数を時短カウンタにセットしてステップS41に移行する。ここで時短カウンタにセットされる値は例えば図11の対応テーブルに示される通りである。
ステップS41では、特別遊技の終了時点での特図始動記憶の回数だけその後にチャンスタイムが発生するようにRAM211bチャンスカウンタに特図始動記憶カウンタの値をセットする。次いで、ステップS42では特別遊技状態を終了する情報(次のタイマ割込処理で普段処理に分岐されるようにする分岐情報を含む)をセットしてこの特別遊技状態処理を終了する。
つまり、この特別遊技状態処理のステップS40,S41において特別遊技の終了時点での特図始動記憶数に応じてその後の時短ゲームやチャンスタイムの期間が決定されるようになっている。
図12は、図7のステップS10の普図変動ゲーム処理の中で分岐されて実行される普図変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
この普図変動開始処理は、普図始動記憶の値が“1”以上のときに普図変動ゲーム処理の中で実行される処理である。この普図変動開始処理が開始されると、先ずステップS51で特別遊技中か否か判別し、そうであればステップS55で普図変動ゲームの図柄の変動時間を通常時間にセットして、ステップS56に移行する。
一方、特別遊技中でなければステップS52でRAM211b中の時短フラグの値が“1”か否か判別し、“0”であればステップS55で普図変動ゲームの図柄の変動時間を通常時間にセットして、ステップS56に移行する。
ステップS52の判別処理で時短フラグが“1”であれば、ステップS53で普図変動ゲームの図柄の変動時間を短縮時間にセットし、続くステップS54で特図変動ゲームの変動時間も短縮されるようにデータをセットしてステップS56に移行する。
ステップS56では、次のタイマ割込処理の普図変動ゲーム処理で、普図変動停止処理に分岐されるように分岐情報をセットして、この普図変動開始処理を終了する。
次のタイマ割込処理で実行される普図変動停止処理は、図示は省略するが、乱数に基づき停止図柄を決定する処理や、図12の普図変動開始処理のステップS53,S55で設定された変動時間の経過タイミングを計って普通図柄を停止させる処理や、停止図柄が当たり図柄の場合に普通変動入賞装置10が開く動作がなされるようなデータを設定する処理が行われる。
上記のような処理により、特別遊技の終了時点で獲得された時短ゲームがチャンスタイムの終了後から獲得期間を経過するまで実行されるようになっている。
以上のように、この第1の実施形態のパチンコ遊技機によれば、チャンスタイムの期間経過後に時短ゲームを発生させるので、特別遊技終了後に遊技者に獲得されるボーナス的なゲーム回数は始動記憶数+時短ゲームの継続回数となり、特別遊技中における普通変動入賞装置10への入賞数が、上記のボーナス的なゲーム回数に影響するようになる。そのため、遊技者は特別遊技状態が終了するまでにできるだけ多く特図始動記憶を貯めようとするようになるので、いわゆる止め打ちを防止し遊技店が被る利益の減少を防止することができる。
また、特別遊技終了時の特図始動記憶数に応じてその後に付与される時短ゲームの継続回数が決定されるので、特別遊技中における普通変動入賞装置10ヘの入賞数が、時短ゲームの継続回数に影響するようになる。それゆえ、普通変動入賞装置10への入賞を増加させるために遊技者は止め打ちを行う頻度が低くなり遊技店の利益が減少することを防止できる。また、普通変動入賞装置10への入賞は遊技者が狙って得られるといった達成感があるため、遊技に対する興趣や期待感を極めて高めることができる。
また、チャンスタイム中に大当りが発生した場合には大きな遊技価値が遊技者に付与されるので、遊技者が特別遊技状態終了までにどれだけの特図始動記憶を貯められるかで大きな遊技価値を獲得できるチャンスが増えるため、遊技への興趣を極めて高めることができる。これとともに、普通変動入賞装置10ヘの入賞数が多くなるとそれだけチャンスタイムの期間が長くなるため、普通変動入賞装置10ヘの入賞数が特図変動ゲームを行うためのもの以外にも影響するようになり、しかも普通変動入賞装置10は遊技者が狙って得られるといった達成感があるため、遊技に対する興趣や期待感を極めて高めることができる。また、特図始動記憶を増加させるために遊技者は所謂止め打ちを行う頻度が低くなり遊技店の利益が減少することを防止できる。
また、特別遊技で開放される特別変動入賞装置が2個設けられ、どちらの特別変動入賞装置が開放するかによって、遊技者の利益状態が変化することとなり、遊技の多様性が増加して遊技者の期待感や興趣を極めて高めることができる。
また、どちらの特別変動入賞装置を開状態にするかによって普通変動入賞装置10への遊技球の入賞率が変化するので、第1の特別変動入賞装置5を開状態に変換した場合には、チャンスタイムや時短ゲームの継続回数が増加する可能性、さらには連続して大きな遊技価値を獲得できる可能性が増加し、遊技に対する興趣や期待感を極めて高めることができる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態のパチンコ遊技機は、第1の実施の形態で示したチャンスタイムの発生条件を改変したものである。すなわち、第1の実施の形態では、特別遊技の終了時に特別始動記憶の回数だけチャンスタイムが生起されるように制御されていたが、第2の実施の形態では、特別遊技の終了時点で特別始動記憶が所定数(例えば20個)以上になっている場合のみチャンスタイムが生起されるように制御される。ここで、生起されるチャンスタイムの期間は、第1実施形態と同様で、特別遊技終了時点における特別始動記憶の回数分、特図変動ゲームが実行される期間である。
図13は、第2実施形態のパチンコ遊技機において実行される特別遊技状態処理の手順を示すフローチャートである。
上記のようなチャンスタイムの発生制御は図13の特別遊技状態処理により実現される。この特別遊技状態処理は、第1の実施形態の特別遊技状態処理(図10)と同様のタイミングで開始されるもので、ステップS61〜S68までは、第1実施形態のものと同一である。
この特別遊技状態処理において、ステップS67,S68の判別処理で特別遊技の終了と判別されてステップS69に移行すると、特別遊技終了時に時短ゲームが獲得される条件を満たしているか判別し、条件を満たしていれば例えば100回分の時短ゲームが付与されるようにRAM211b中の時短カウンタに“100”を設定してステップS70に移行するが、条件を満たしていなければそのままステップS71に移行する。該ステップS71でRAM211b中の特図始動記憶カウンタの値が“20”以上であるか判別して、“20”以上である場合はチャンスタイムを付与すべくステップS73で特図始動記憶カウンタの値をチャンスカウンタに設定するが、“20”より小さい場合はチャンスタイムを付与しないためチャンスカウンタに“0”を設定して(ステップS72)、ステップS74に移行する。
なお、この実施の形態では、100回の時短ゲームが付与されるようになっているが、第1実施の形態のように特図始動記憶の数に応じて付与される時短ゲームの期間を異ならせるようにしても良い。
この第2の実施の形態のパチンコ遊技機によれば、チャンスタイムが獲得できる特図始動記憶数を比較的多く設定した場合、チャンスタイムの生じる確率が低くなって第1の特別変動入賞装置5が開放する機会が少なくなるので、遊技者による普通変動入賞装置10を狙った遊技が増加するとともに、遊技の多様性が増加して興趣を更に高めることができる。また、第1の特別変動入賞装置5が開放する機会が少なくなるのに応じて、その分大当りとなる発生確率を高めたり、或いは確率変動状態の発生(継続)割合を高めたりして遊技者の期待感を高めるような遊技内容とすることも可能となる。
さらに、従来のパチンコ遊技機では、特図変動ゲームがリーチ状態となった場合に、発射装置の発射状態を継続すると、もしそのリーチ状態から特別結果が導出された場合に、特別遊技状態中には始動記憶数は上限に達することが殆どのため、リーチ状態の間に始動入賞した分が無駄になってしまうことから、多くの遊技者はリーチ状態が発生した場合に、該リーチ状態の結果が導出するまで発射状態を一旦停止する止め打ちを行うことが多いが、この止め打ちを行うことにより遊技機の稼働が低下して遊技店の利益が減少してしまうといった課題があった。しかし、この実施の形態のパチンコ遊技機では、特別遊技が発生して終了した際に特図始動記憶の個数が多い方が次回の特別遊技状態の遊技者の利益が大きくなる可能性が増加するため、特図変動ゲームがリーチ状態となった場合の止め打ちはもとより、リーチ状態以外でも止め打ちを行う遊技者が少なくなり(リーチ状態となる以前より特図始動記憶が多い方がリーチ状態となった場合に有利であるため)、遊技店の利益が減少することを防止できる。更に、遊技者は自己の遊技の仕方により始動記憶数を多くして、第1の特別変動入賞装置5が開放する特別遊技状態を発生させた場合には、遊技者の達成感を高め、喜びを増大させることができる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態のパチンコ遊技機は、特別遊技で使用される特別変動入賞装置の選定条件について第1の実施の形態から変更したもので、その他は第1の実施の形態と同様のものである。同様の部分については説明を省略する。
第3の実施の形態のパチンコ遊技機では、特図変動ゲームで大当りとなった場合に、特別遊技で使用される特別変動入賞装置を乱数を用いて何れかに決定し、この決定された特別変動入賞装置を用いて特別遊技を行う。さらに、この特別変動入賞装置を決定する際には、所定条件に基づいて、第1の特別変動入賞装置5が選択される確率および第2の特別変動入賞装置6が選択される確率(選択基準)が変更されるようになっている。確率を変更する条件としては、先の大当りから(電源投入後に未だ大当りが発生してないときは電源投入時から)今回の大当りまでの特図変動ゲームの実行回数(以下、大当り回転数と称す)を使用し、例えば、次のような条件で次のような確率に設定される。
(1)大当り回転数が1〜10回のとき、第1の特別変動入賞装置が70%、第2の特別変動入賞装置が30%、
(2)大当り回転数が11〜20回のとき、第1の特別変動入賞装置が50%、第2の特別変動入賞装置が50%、
(3)大当り回転数が21回以上のとき、第1の特別変動入賞装置が20%、第2の特別変動入賞装置が80%、
次に、上記のような特別変動入賞装置の決定に関わる演出表示の内容と制御処理について説明する。
図14は、第3の実施の形態のパチンコ遊技機において特図変動ゲームで大当りとなったときに変動表示装置4に表示される画像の一例を示す図である。
この実施の形態のパチンコ遊技機では、遊技中、先に大当りとなってから(電源投入後に未だ大当りが発生していないときは電源投入時から)の特別遊技ゲームの実行回数が遊技用マイクロコンピュータ211により計数される。
そして、特別遊技ゲームで大当りとなった場合には、その実行回数すなわち大当り回転数が読み出されて演出制御装置300に送信され、この送信データに基づき演出制御装置300で画像編集が行われて、図14(a)に示すような画像表示、すなわち、先の大当りから今回の大当りまでの実行回数の表示53が行われる。なお、この実行回数の表示は、大当り発生時だけでなく、特図変動ゲーム中やそのインターバル期間に行われるようにしても良い。
さらに、大当りの演出表示を行うファンファーレ処理の期間に、特別遊技で使用される特別変動入賞装置を決定する補助的な表示遊技が変動表示装置4において行われる。この表示遊技は、特別変動入賞装置の選択確率に合わせてその選択確率が遊技者にも分るような画像表示により行われる。例えば、図14(b)の示すように、ルーレット形式の表示遊技の場合には、第1の特別変動入賞装置5の選択を表わす「スーパー」の目盛り61と、第2の特別変動入賞装置6の選択を表わす「ノーマル」の目盛り62の幅や数を異ならせるなどして、その選択確率を遊技者に示すことが出来る。
そして、この補助的な表示遊技の終了タイミングに、遊技用マイクロコンピュータ211により予め乱数を用いて決定しておいた特別変動入賞装置が選択される結果表示を行って、そこで選択された特別変動入賞装置を用いて実行される特別遊技へと移行する。
上記の補助的な表示遊技は、演出制御装置300に予め用意されている幾つかの演出パターンのうち、遊技用マイクロコンピュータ211が特別変動入賞装置の選択確率や選択結果に合わせて何れかの演出パターンをコマンド送信により選択することで実現される。
図15には、遊技用マイクロコンピュータのCPU211aにより実行される変動入賞装置決定処理のフローチャートを示す。
この第3の実施の形態のパチンコ遊技機では、図9の特図表示終了処理で特図変動ゲームの結果が大当りとなった場合に分岐される特別遊技状態準備処理(ステップS22)の中において、図15の変動入賞装置決定処理を実行して特別遊技で使用する特別変動入賞装置を決定する。
この変動入賞決定処理では、先ず、ステップS81で特別変動入賞装置を決定する例えば「0〜10」の範囲の乱数値を抽出し、続くステップS82で特別変動入賞装置を決定するための判定値を上記の大当り回転数に応じて選択する。ここで、判定値とは、例えば、大当り回転数が1〜10回のときには“7”、大当り回転数が11〜20回のときには“5”、大当り回転数が21回以上のときには“2”などと選択される。
次いで、ステップS83において、ステップS81で抽出した乱数値とステップS82で選択した判定値に基づいて特別遊技で使用される特別変動入賞装置を示すアタッカーフラグを設定する。具体的には、乱数値(例えば“4”)と判定値(例えば“7”)とを比較して、乱数値の方が小さければ第1の特別変動入賞装置5が使用されるようにアタッカーフラグを“1”に設定し、乱数値が判定値以上であれば第2の特別変動入賞装置6が使用されるようにアタッカーフラグを“0”に設定する。
以上のように、第3の実施の形態のパチンコ遊技機によれば、特別遊技で開放される特別変動入賞装置の選択を、ある程度、パチンコ遊技機のメイン制御装置200上で設定することができるため、遊技者と遊技店との利益のバランスを図ることが容易となり、利益が遊技者と遊技店のどちらかに偏ってしまうことを防止できる。
[第4の実施の形態]
図16は、第4の実施形態のパチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図である。
この第4の実施の形態のパチンコ遊技機は、遊技盤上に1個の特別変動入賞装置15を備える一方、特別変動入賞装置15への遊技球の入賞に対して獲得される賞球数(メイン制御装置から送信される遊技価値情報)を11個又は15個と変化させることで、1つの特別変動入賞装置15で2種類の遊技価値を遊技者に付与する(サブ制御装置の制御により、前記遊技価値情報に基づく遊技価値が供給される)ようにしたものである。その他の構成や遊技制御の内容は第1の実施の形態のものと同様である。
この第4の実施の形態のパチンコ遊技機においては、通常モード時に大当りとなった場合には特別変動入賞装置15の賞球数を11個と設定する一方、チャンスタイムで大当りとなった場合には特別変動入賞装置15の賞球数を15個と設定して、特別遊技で遊技者に付与される遊技価値を異ならせる。
図17には、第4の実施形態のパチンコ遊技機においてチャンスタイムで大当りしたときに変動表示装置4に表示される画像の一例を示す図である。
この実施の形態のパチンコ遊技機では、特別遊技の遊技価値の違いが遊技者に分りにくいため、図17(a),(b)に示すように、大当り図柄が確定したときや特別遊技の各ラウンド中には、例えば「15個賞球」などと遊技価値の内容を遊技者に示す表示55を行う。
図18には、第4の実施の形態のパチンコ遊技機において実行される特別遊技状態処理のフローチャートを示す。
上記のような遊技価値の設定制御は、図18の特別遊技状態処理により実現される。この特別遊技状態処理は、第1実施形態の特別遊技状態処理(図10)と同様のタイミングで開始されるもので、ステップS93〜S95の部分を除いて第1実施形態のものとほぼ同様である。この特別遊技状態処理では、チャンスタイム中か否かが示されるアタッカーフラグの値により特別変動入賞装置の賞球数を設定するようにしている。
すなわち、ステップS91の判別処理で特別遊技のラウンド開始条件成立と判定されると、ステップS92に移行してラウンド数を“1”加算した後、ステップS93においてアタッカーフラグの値を判別する。
その結果、アタッカーフラグが“1”であればチャンスタイム中の大当りであるとして特別変動入賞装置15の賞球数を15個とする設定データ(第2の遊技価値情報)、および、開閉扉15aを開かせるデータをセットして、ステップS96に移行する。
一方、アタッカーフラグが“0”であれば通常モード時の大当りであるとして特別変動入賞装置15の賞球数を11個とする設定データ(第1の遊技価値情報)、および、開閉扉15aを開かせるデータをセットして、ステップS96に移行する。
このような特別遊技状態処理により、通常モードでの大当りとチャンスタイムでの大当りとで特別変動入賞装置15の賞球数設定を異ならせて遊技者に与える遊技価値をそれぞれの場合に応じて異ならせることが出来る。
以上のように、この実施の形態のパチンコ遊技機によれば、1つの特別変動入賞装置15を利用して行われる特別遊技であっても、例えば発生条件に応じて付与される遊技価値が変化するようになるため、遊技の多様性が増加して興趣を高めることができる。また、近年、変動表示装置4などの電気的遊技装置が大型化しており、特別変動入賞装置を複数設けることは困難になってきているが、この実施の形態のパチンコ遊技機によれば、1つの特別変動入賞装置15で複数の特別変動入賞装置を設けた場合と同様の機能を実現することが可能となり、限られた遊技領域を有効に活用することができるようになる。
また、本出願には、始動条件の成立に基づき複数の識別情報による変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置と、前記変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に発生する特別遊技状態で開状態に変換可能な変動入賞装置と、補助始動条件の成立に基づき複数の識別情報による補助変動表示ゲームを実行可能な補助変動表示装置と、前記補助変動表示ゲームの結果が特定結果となった場合に開状態に変換可能で、遊技球の入賞により前記始動条件を成立する始動変動入賞装置と、前記変動表示ゲーム実行中および前記特別遊技状態発生中において成立した前記始動条件を、該変動表示ゲームまたは特別遊技状態の終了後に変動表示ゲームを実行させるための始動記憶として記憶可能な始動記憶手段と、所定条件の成立により前記補助変動表示ゲームの単位時間当たりの実行可能回数を増加させる特定遊技状態を発生させ制御する特定遊技制御手段と、を備えた遊技機において、前記特定遊技状態中の前記変動表示ゲームの実行回数を計数する計数手段を備え、前記特定遊技制御手段は、前記特別遊技状態の終了後に前記特定遊技状態を発生し、前記特別遊技状態の終了後に所定回数の変動表示ゲームが実行されてから前記計数手段による変動表示ゲームの実行回数の計数を開始させ、該計数手段の計数値が所定値になった場合に前記特定遊技状態を終了させるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、前記特別遊技状態の終了後に特定遊技状態を発生し、前記特別遊技状態の終了後に所定回数の変動表示ゲームが実行されてから前記計数手段による変動表示ゲームの実行回数の計数を開始させ、該計数手段の計数値が所定値になった場合に特定遊技状態を終了させるので、時短遊技中は普図の変動時間が短くなるのでいわゆる止め打ちをするとせっかく普通変動入賞装置が開放しても入賞の機会を逃すおそれがあるため、遊技者は特別遊技終了直後から打球の発射を開始するようになり、遊技者による止め打ちを防止し遊技店の利益が減少するのを防止することができる。
なお、上記発明において、特定遊技状態とは、遊技者が単位時間当りに始動変動入賞装置を開状態に変換することが可能な期間が長くなる遊技状態を全て含み、例えば、(1)補助変動表示ゲームの単位時間当たりの実行可能回数を増加させる時短遊技状態(補助変動表示ゲームの単位時間当たりの実行可能回数は、例えば普通図柄の変動開始から停止までの時間を通常の30秒から5秒に短縮することなどで可能)、(2)補助変動表示ゲームの結果が特定結果(例えば「7」の当り)となった場合に始動変動入賞装置を開状態に変換する期間が長くされる遊技状態(例えば補助変動表示ゲームの1回の当りに対して始動変動入賞装置の開放時間を通常の0.5秒から3秒に延ばしたり或いは間歇的に複数回(例えば3回)開放させるなど)、(3)補助変動表示ゲームの結果が特定結果(例えば「7」の当り)となる確率が通常より高くなる普図確率変動遊技状態などが含まれる。また、特定遊技状態として、上記(1)〜(3)の遊技状態を任意に組み合わせた遊技状態を適用してもよい。
また、特定遊技状態が発生される所定条件としては、(1)変動表示ゲームの結果が特別結果(例えば3桁の図柄列が揃った結果)となった全ての場合、(2)変動表示ゲームの結果が特別の識別情報を用いて特別結果となった場合(例えば「3」や「7」等の特別識別情報でぞろ目になった場合など)、(3)変動表示ゲームの結果が特別の識別情報を用いて特別結果となった場合などに発生される確率変動状態(変動表示ゲームで特別結果となる確率が上がる状態)が終了した場合、(4)例えば変動表示ゲームで特別結果となった場合にその装飾が行われるファンファーレ処理の間や特別遊技状態の期間に別のゲーム(装飾的な表示ゲーム或いは特別な入賞口に遊技球を入れる遊技など)を行いそのゲーム結果が所定の結果となった場合など、種々の条件を適用することが出来る。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、上記の実施形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記第1の実施の形態では、チャンスタイム中であるか否かで特別遊技の遊技価値が大きいか否かを決めているが、チャンスタイム中で且つ特別遊技が発生するまでに要した特図変動表示ゲーム実行回数(大当り回転数)に応じて数段階にこの特別遊技の遊技価値を設定してもよい。
例えば、チャンスタイム中で大当り回転数が1〜10回である場合は、第1の特別変動入賞装置5が開放される15ラウンドの特別遊技が行われるように設定し、チャンスタイム中で大当り回転数が11〜20回である場合は、第1の特別変動入賞装置5が開放される10ラウンドの特別遊技と第2の特別変動入賞装置6が開放される5ラウンドの特別遊技が行われるように設定し、チャンスタイム中で大当り回転数が21〜30回である場合は、第1の特別変動入賞装置5が開放される5ラウンドの特別遊技と第2の特別変動入賞装置6が開放される10ラウンドの特別遊技が行われるように設定し、大当り回転数が31回以上である場合は、第2の特別変動入賞装置6が開放される15ラウンドの特別遊技が行われるように設定するようにしても良い。
また、1個の特別変動入賞装置で異なる遊技価値を付与するようにした第4の実施の形態のパチンコ遊技機においても、チャンスタイム中で且つ特別遊技が発生した大当り回転数に応じて数段階に遊技価値を設定してもよい。
例えば、チャンスタイム中で大当り回転数が1〜10回である場合は、第2の遊技価値情報を15個賞球に設定し、チャンスタイム中で大当り回転数が11〜20回である場合は、第2の遊技価値情報を14個賞球に設定し、チャンスタイム中で大当り回転数が21〜30回である場合は、第2の遊技価値情報を13個賞球に設定し、チャンスタイム中で大当り回転数が31回以上である場合は、第2の遊技価値情報を12個賞球に設定してもよい。
また、上記第1〜第4の実施の形態においては、特別遊技状態の終了時の特図始動記憶数をチャンスカウンタに設定しているが、特別遊技状態の開始時の特図始動記憶数をチャンスカウンタに設定するようにしてもよい。このようにすれば、遊技店の不利益が増大することを防止でき、リーチ状態中には止め打ちを行って、特別結果が導出された時点で発射を再開するような遊技店にとって不利益となる遊技が行われることを効率よく防止できる。
また、上記第1〜第4の実施の形態においては、特図始動記憶数の上限を一定としているが、この上限値を変更する始動記憶数上限変更手段を設けるようにしても良い。そして、例えば、特別遊技状態の発生を契機に上限数を変更するものとすれば、その上限数の変更により、チャンスタイムの最大実行回数が変化し、遊技者の興趣を高めることができる。
また、第2の実施の形態においては、特別遊技状態終了時までに記憶された特図始動記憶数が例えば20個より少ない場合にチャンスタイムを発生させないようにしているが、このチャンスタイムを発生するか否かの閾値となる特図始動記憶数を変更するチャンスタイム発生始動記憶数変更手段を備える構成としてもよい。例えば、特別遊技状態の発生を契機にチャンスタイムを発生させる始動記憶数を変更するものとすれば、その変更により、チャンスタイムに突入する難易度が変化し、遊技者の興趣を高めることができる。
また、第2の特別変動入賞装置6は、普通変動入賞装置10への遊技球の流下経路上に位置していれば、開閉扉が開いたときに普通変動入賞装置10への入賞率を低くするという効果が奏されるので、普通変動入賞装置10の直上でなく、例えば、変動表示装置4の側部(遊技盤左右方向の左側部)の遊技球の経路上に設けるようにしても同様の効果を得ることができる。すなわち、普通変動入賞装置10の方向へ流下する遊技球の流下状態に影響を及ぼす位置に第2の特別変動入賞装置6を設ければ同様の効果が奏される。
また、第1の実施の形態においては、特図変動ゲームの図柄変動時間を特図始動記憶数に応じて変更するように説明したが、例えば、チャンスタイムや確率変動期間中に同様の制御を行う一方、通常モードの遊技中は始動記憶数によらず特図変動ゲームの変動期間が一定になるようにしても良い。これにより、通常モードのときは、遊技者は大当たりへの期待感に加えて特図始動記憶数を増やそうとする期待感も生じるため、遊技者の興趣を非常に高めることができる。また、チャンスタイム中および確率変動期間中は遊技者の止め打ちを効率よく防止することができる。
また、第1の実施の形態のパチンコ遊技機においては、特別遊技終了時点での始動記憶数に応じて時短ゲームの回数を決定しているが、特別遊技終了時点での始動記憶数が所定の上限値に達していなければ時短ゲームを行わないようにしてもよい。
その他、本発明は、パチンコ遊技機に限らずその他の遊技機、例えばパチコン遊技機やアレンジボール遊技機等にも適用可能である。