JP2012135365A - 内視鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】組立作業性に優れ、ワイヤーガイドの固定作業を高精度且つ確実に行える内視鏡を提供すること。
【解決手段】内視鏡は、挿入部に設けられた湾曲部から延出され、牽引弛緩されて該湾曲部を湾曲動作させるアングルワイヤーと、挿入部に設けられ湾曲部に連設する可撓管部内に配置され、アングルワイヤーが挿通されるワイヤーガイドと、可撓管部の少なくとも先端側に取り付けられるパイプ形状の口金部材と、口金部材の内周面に沿って配置され固定される外周面部、ワイヤーガイドの先端側端部が配置される内周面部、及び内周面部の全面を外部に対して露出させる開口部を有するワイヤーガイド固定部材と、を具備する。
【選択図】図2

Description

本発明は、挿入部に設けられた湾曲部がアングルワイヤーの牽引弛緩によって湾曲動作する内視鏡に関する。
近年、内視鏡は、医療分野及び工業用分野等において利用されている。
医療分野において用いられる内視鏡は、細長い挿入部を体内に挿入することによって、観察すること、および、必要に応じて処置具挿通チャンネル内に処置具を挿入して各種処置を行うことができる。
一方、工業用分野において用いられる内視鏡は、細長い挿入部をボイラー、ガスタービンエンジン、飛行機、自動車等のエンジン、或いは化学プラントの配管等に挿入することによって、傷、腐蝕等の検査を行うことができる。
内視鏡の挿入部の先端側には湾曲部及び先端部が設けられている。湾曲部からは牽引部材である操作ワイヤー(アングルワイヤーともいう)が延出されている。湾曲部は、内視鏡操作部に設けられている操作レバー等の操作に伴って操作ワイヤーが牽引弛緩されることにより湾曲動作するように構成されている。
操作ワイヤーは、湾曲部から延出され、保護部材であるコイルパイプ(ワイヤーガイドとも記載する)内を挿通して操作部に導かれている。そして、コイルパイプの先端は、湾曲部と可撓管部とを接続する前口金の内周面に例えばロウ付けなどの固定手段によって固定され、コイルパイプの基端は可撓管部の基端部分或いは操作部に固定されている。
例えば、特許文献1には可撓管部内に設けられた2つのワイヤーガイドの先端と後端とが可撓管部の先端部分内面と後端部分内面に取着固定することが示されている。
特許2702922号公報
しかしながら、内視鏡挿入部の細径化に伴い、前口金の径寸法が小径になり、前口金等の内周面に2つまたはそれ以上のコイルパイプを固定する作業が難しくなっている。特に、コイルパイプの先端を口金内に半田付け、或いはろう付けによって接合する場合、半田等がコイルパイプの周囲にはみ出て内部スペースが減少される不具合が生じる。そして、内部スペースが減少されたことにより、内蔵物である信号線、或いはライトガイドファイバーを挿通させる際、信号線、或いはライトガイドファイバーに負荷がかかって、信号線、ライトガイドファイバーが切断されるおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、組立作業性に優れ、ワイヤーガイドの固定作業を高精度且つ確実に行える内視鏡を提供することを目的にしている。
本発明の一態様における内視鏡は、挿入部に設けられた湾曲部から延出され、牽引弛緩されて該湾曲部を湾曲動作させるアングルワイヤーと、前記挿入部に設けられ前記湾曲部に連設する可撓管部内に配置され、前記アングルワイヤーが挿通されるワイヤーガイドと、前記可撓管部の少なくとも先端側に取り付けられるパイプ形状の口金部材と、前記口金部材の内周面に沿って配置され固定される外周面部、前記ワイヤーガイドの先端側端部が配置される内周面部、及び前記内周面部の全面を外部に対して露出させる開口部を有するワイヤーガイド固定部材と、を具備している。
本発明によれば、組立作業性に優れ、ワイヤーガイドの固定作業を高精度且つ確実に行える内視鏡を実現できる。
内視鏡システムを説明する図 可撓管部と湾曲部との接続部付近の構成及び挿入部内を挿通する内蔵物を説明する図(図3のY2−Y2線に対応する断面図) 可撓管先端連結部を構成する太径部の固定用穴に固設されたワイヤーガイド固定部材の一構成例である一対のハーフパイプ状板部材およびそのハーフパイプ状板部材に固定されたワイヤーガイドを説明する図 円環状部材から構成されるハーフパイプ状板部材を説明する図 ワイヤーガイドをハーフパイプ状板部材に固定する手順を説明する図 ワイヤーガイドが固定されたハーフパイプ状板部材を可撓管先端連結部を構成する太径部の固定用穴に固設した状態を説明する図(図3のY2−Y2線に対応する断面図) ワイヤーガイド固定部材の他の構成例を説明する図 パイプ形状のワイヤーガイド固定部材を説明する図 図8のパイプ形状のワイヤーガイド固定部材の軸方向断面図であって、2つのワイヤーガイドを固定した状態を説明する図 パイプ形状のワイヤーガイド固定部材の側周面に切り欠き開口を有する弾性ワイヤーガイド固定部材を説明する図
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように本実施形態の内視鏡システム1は、細長な挿入部2を備えた内視鏡10と、内視鏡10の操作部3から延出するユニバーサルコード4が接続された装置本体30とを備えて構成されている。
挿入部2は、先端側から順に、先端部2aと、例えば上下方向に湾曲可能に構成された湾曲部2bと、可撓性を有する長尺に形成された可撓管部2cとを連設して構成されている。先端部2aには撮像素子を有する撮像装置(不図示)が内蔵されている。
操作部3には、湾曲部2bを湾曲動作させる操作を行うための例えば湾曲操作レバー3aが設けられている。湾曲部2bは、湾曲操作レバー3aの傾倒操作に応じて、上方向、または下方向に湾曲するように構成されている。
なお、操作部3には、湾曲操作レバー3aの他、例えば先端部2a内に設けられた撮像装置の各種撮像動作を指示する各種スイッチ(不図示)が設けられている。
装置本体30には撮像装置で撮像した内視鏡画像を表示するモニター31が備えられている。装置本体30の外装を構成する例えば箱状の外装筐体32の内部には、画像処理用のCPU、処理画像を記録する記録装置等の電気部品(不図示)、照明光を供給する光源装置(不図示)、電源を供給するバッテリユニット(不図示)等が配設されている。
バッテリーの電力は、撮像装置、モニター31、電気部品、光源装置等に供給される。
ユニバーサルコード4内には、撮像装置に接続される信号ケーブル、光源装置の照明光を伝送するライトガイドファイバー束(以下、ファイバー束と略記する)等が挿通している。
図2、図3に示すように可撓管部2c内、湾曲部2b内には、先端部2aに延出される例えば1本の信号ケーブル5、2つに分割されたファイバー束6a、6b、アングルワイヤーが挿通されている。そして、ワイヤーガイドが可撓管部内に配設されている。
符号7wuは、上用アングルワイヤーであり、符号7wuは下用アングルワイヤーである。符号7guは、上用ワイヤーガイドであり、符号7gdは下用ワイヤーガイドである。ワイヤーガイド7gu、7gdは、密巻きコイルで構成されたコイルパイプであり、アングルワイヤー7wu、7wdが挿通する孔を有している。
ワイヤーガイド7gu、7gdは、可撓管部2c内において、進退自在なアングルワイヤー7wu、7wdが内蔵物である信号ケーブル5、ファイバー束6a、6bに接触すること等を防止する。
図2に示すように湾曲部2bは、複数の湾曲駒を連接した湾曲駒部組21と、湾曲ゴム22とを備えて主に構成されている。湾曲駒部組21は、基端湾曲駒23と、この基端湾曲駒23と図示されていない先端湾曲駒との間に回動自在に連接される複数種類の中間湾曲駒24、24、…とによって構成される。
基端湾曲駒23は、可撓管部2cの先端部分を構成する口金部材である後述する可撓管先端連結部8の予め定めた位置に固定されるようになっている。
湾曲ゴム22は、可撓性及び伸縮性を有するゴム製、或いは樹脂製の管状部材である。湾曲ゴム22の基端部は、基端湾曲駒23に被覆された状態で糸巻き固定部25を設けて水密を保持した状態で一体的に固定される。
なお、湾曲ゴム22の先端部は、先端部2aを構成する先端構成部材(不図示)に水密を保持した状態で一体的に固定されている。
図2、図3に示すように可撓管先端連結部8は、太径部8aと細径部8bとを備えるパイプ形状の段付き部材で構成されている。太径部8aと細径部8bとの段差部8cには、可撓管部2cの先端部が外嵌配置される。
太径部8aには予め定めた深さの固定用穴8dが形成され、細径部8bには固定用穴8dと外部とを連通する軸方向貫通孔8eが形成されている。固定用穴8dと軸方向貫通孔8eとは同心である。軸方向貫通孔8eの孔径は、固定用穴8dの内径より予め定めた寸法細径で、固定用穴8dの底面は位置決め面8fとして構成される。
固定用穴8dには基端湾曲駒23および後述するワイヤーガイド固定部材である一対のハーフパイプ状板部材9u、9dが固設される。ハーフパイプ状板部材9u、9dのそれぞれの一端面9eは、位置決め面8fに当接して配置される。
固定用穴8dは、一対のハーフパイプ状板部材9u、9dを固定する固定部と、基端湾曲駒23を固定する固定部とを兼用している。
なお、図3に示す符号8hは、接着剤孔である。接着剤孔8hは、太径部8aの固定用穴8dと外部とを連通する貫通孔であって、可撓管先端連結部8の中心軸に直交する中心軸を有し、周方向に等間隔で例えば4つ形成されている。
図2に示すように可撓管部2cは、金属性の帯状螺旋管11と、外皮被覆網管12と、外皮チューブ13と、外装網管14とを多層構造にして構成されている。
帯状螺旋管11は、予め定めた肉厚および幅寸法の帯状板部材を螺旋管として形成したものである。外皮被覆網管12は、帯状螺旋管11の先端から基端までを被覆している。外皮チューブ13は、高伸展性を有するウレタン樹脂等のエラストマーであり、帯状螺旋管11の先端から基端までを、水密を保持するために被覆されている。
そして、可撓管部2cを構成する例えば外皮チューブ13及び外装網管14は、段差部8cに配置され、接着、或いは糸巻き固定部を設けて可撓管先端連結部8に一体的に固定される。
上用ハーフパイプ状板部材9uおよび下用ハーフパイプ状板部材9dは、図4に示すように円環状部材90を二分割して形成される二分割パイプ部材である。円環状部材90は、該円環状部材90の中心軸90aを含む軸方向分割線、言い換えれば、円環状部材90は、該円環状部材90の中心軸90aを含む二点鎖線に示す軸方向分割面90sによって分割される。
円環状部材90を軸方向分割面90sによって分割して構成されたハーフパイプ状板部材9uおよび下用ハーフパイプ状板部材9dは、太径部8aに形成された固定用穴8dの内周面に配置される外周面部9o、ワイヤーガイド7gu、7gdの先端部が配置され固定される内周面部9i、及び内周面部9iの全面を外部に対して露出させる開口部9mを有している。
なお、円環状部材90の外径と可撓管先端連結部8の固定用穴8dの内径とは同寸法であり、固定用穴8d内に円環状部材90が配置可能に寸法が設定されている。また、円環状部材90を固定用穴8d内に配置させた状態において、円環状部材90の内径と可撓管先端連結部8の軸方向貫通孔8eの内径とは同寸法に設定されている。
ここで、上用ワイヤーガイド7gu及び下用ワイヤーガイド7gdの可撓管先端連結部8への取り付けを説明する。
作業者は、ワイヤーガイド7gu、7gdをハーフパイプ状板部材9u、9dに固定する作業を行った後、ワイヤーガイド7gu、7gdが固定されたハーフパイプ状板部材9u、9dを可撓管先端連結部8の固定用穴8dに固設する作業を行う。
まず、ワイヤーガイド7gu、7gdをハーフパイプ状板部材9u、9dに固定する作業を説明する。
作業者は、図5に示すように上用アングルワイヤー7wuが挿通される上用ワイヤーガイド7guと上用ハーフパイプ状板部材9uとを用意する。作業者は、図中の破線に示すように先端部を上用ハーフパイプ状板部材9uの内周面部9iの予め定めた位置である中央部に配置する。その後、作業者は、開口部9mを介して例えば半田91によって上用ワイヤーガイド7guの先端部を上用ハーフパイプ状板部材9uに一体に固定する。
その後、作業者は、下用アングルワイヤー7wdが挿通される下用ワイヤーガイド7gdと下用ハーフパイプ状板部材9dとを用意し、上述と同様の手順で、下用ワイヤーガイド7gdの先端部を下用ハーフパイプ状板部材9dの内周面部9iの中央部より一端側に偏った予め定めた位置に配置して一体に固定する。
これらの作業中、作業者は、開口部9mを介してワイヤーガイド7gu、7gdを内周面部9iへ配置する作業、およびワイヤーガイド7gu、7gdを内周面部9iに半田付けする作業を行える。また、作業者は、開口部9mを介してワイヤーガイド7gu、7gdの真上から半田を溶かすこと、および矢印に示すように半田の溶融状態を確認すること等、を確実に且つ容易に行える。
この結果、半田が必要以上に盛りつけられて一対のハーフパイプ状板部材9u、9dを組み合わせたとき構成される内部スペースが減少する不具合、半田が偏って盛られて半田強度が不安定になる不具合等が防止される。
次に、ワイヤーガイド7gu、7gdが固定されたハーフパイプ状板部材9u、9dを可撓管先端連結部8の固定用穴8dに配設する作業を説明する。
作業者は、上用ワイヤーガイド7guが一体な上用ハーフパイプ状板部材9uおよび下用ワイヤーガイド7gdが一体な下用ハーフパイプ状板部材9dを、固定用穴8d内に挿入する。その後、作業者は、図6に示すようにそれぞれのハーフパイプ状板部材9u、9dの一端面9eを位置決め面8fに当接させると共に、上用ワイヤーガイド7guおよび下用ワイヤーガイド7gdを可撓管先端連結部8の予め定めた位置に配置させる。
位置決め完了後、作業者は、可撓管先端連結部8の太径部8aに形成されている接着剤孔8hに接着剤92を塗布する(図3参照)。
このことによって、上用ハーフパイプ状板部材9uおよび下用ハーフパイプ状板部材9dが、太径部8aの固定用穴8d内に固定されて、ワイヤーガイド7gu、7gdが可撓管先端連結部8の予め定められた位置に固設される。
なお、上用ワイヤーガイド7guの基端部及び下用ワイヤーガイド7gdの基端部は、例えば操作部3内の予め定めた位置に固定されている。また、ワイヤーガイド7gu、7gdの先端から延出されているアングルワイヤー7wu、7wdの先端部は、先端湾曲駒の予め定めた位置に固定され、基端部はワイヤーガイド7gu、7gdの基端から延出されて、操作部3内の予め定めた位置に固定されている。
このように、ワイヤーガイドの先端部が固定されるワイヤーガイド固定部材を、円環状部材をこの円環状部材の中心軸を含む軸方向分割面によって二分割して構成されるハーフパイプ状板部材としたことにより、開口部から内周面部の全面を目視にて確認できる。したがって、ハーフパイプ状板部材にワイヤーガイドの先端部を固定する際、開口部を介して半田等による固定状態の確認を容易かつ確実に行える。
また、ワイヤーガイドが固定されたハーフパイプ状板部材を可撓管先端連結部の固定用穴に配置した後、それぞれのハーフパイプ状板部材の一端面を位置決め面に当接させることによって、ワイヤーガイドを高精度に可撓管先端連結部の予め定められた位置に固定することができる。
また、ワイヤーガイドが固定されている一対のハーフパイプ状板部材の間に予め内蔵物を挟持し、この挟持状態の一対のハーフパイプ状板部材を可撓管先端連結部の固定用穴内に固設することが可能である。このことによって、内蔵物の外径が内部スペースに近似している場合、或いは内蔵物の一部にその外径が内部スペースよりも大きく内部スペースを介しての挿通が不可能な部位を有する場合であっても、挿通作業を不要にして、内蔵物を挿入部内に配置することできる。
そして、内蔵物の挿通作業が困難であることを理由に、大径化していた可撓管先端連結部の細径化を図って、挿入部の細径化を実現できる。
なお、上述した実施形態においては、ワイヤーガイドの先端部が固定されるワイヤーガイド固定部材を、円環状部材を二分割して構成されるハーフパイプ状板部材としている。
しかし、ワイヤーガイド固定部材は、ハーフパイプ状板部材に限定されるものではなく、図7に示すように円環状部材を四分割して構成される四分割パイプ部材であってもよい。
四分割パイプ部材は、上用曲面板部材9Au、下用曲面板部材9Ad、左用曲面板部材9Al、右用曲面板部材9Arであり、図4に示された円環状部材90を、軸方向分割面90sと、この軸方向分割面90sに直交する図示しない第二軸方向分割面とで分割して形成される。
図7に示すように各曲面板部材9Au、9Ad、9Al、9Arは、外周面部9Ao、内周面部9Ai、開口部9Amをそれぞれ備えている。そして、各曲面板部材9Au、9Ad、9Al、9Arの内周面部9Aiには、開口部9Amを介してワイヤーガイド7gu、7gd、7gl、7grが固定される。
そして、上用ワイヤーガイド7guが一体な上用曲面板部材9Au、下用ワイヤーガイド7gdが一体な下用曲面板部材9Ad、左用ワイヤーガイド7glが一体な左用曲面板部材9Al及び右用ワイヤーガイド7grが一体な右用曲面板部材9Arは、固定用穴8d内の予め定めた位置に配置されて、接着剤92によって固定用穴8d内に固設される。
このことによって、上下左右の4方向に湾曲するように構成された湾曲部を備える内視鏡においても、ワイヤーガイド7gu、7gd、7gl、7grを可撓管先端連結部8の予め定められた位置に容易に、そして、高精度且つ確実に固設することができる。
また、上述した実施形態においては、ワイヤーガイドの先端部が固定されるワイヤーガイド固定部材を、円環状部材を分割して構成される分割パイプ部材としている。しかし、ワイヤーガイド固定部材を図8−図10に示すように構成するようにしてもよい。
図8及び図9はワイヤーガイド固定部材の変形例にかかり、図8はパイプ形状のワイヤーガイド固定部材を示す図、図9はパイプ形状のワイヤーガイド固定部材に2つのワイヤーガイドを固定した状態を示す図である。
本実施形態のワイヤーガイド固定部材は、図8に示すパイプ状部材9Bである。パイプ状部材9Bは、実線及び破線に示すようなパイプ部材の一端部を予め定めた状態に切除して構成される第1開口部9Bm1と、他端部を予め定めた状態に切除して構成される第2開口部9Bm2とを有している。
パイプ状部材9Bの外径と可撓管先端連結部8の固定用穴8dの内径とは同寸法であり、固定用穴8d内にパイプ状部材9Bが配置可能に寸法が設定されている。また、パイプ状部材9Bを固定用穴8d内に配置させた状態において、パイプ状部材9Bの内径と可撓管先端連結部8の軸方向貫通孔8eの内径とは同寸法に設定されている。
第1開口部9Bm1は、パイプ状部材9Bの内周面を露出させる。第1開口部9Bm1によって露出される内周面は、ワイヤーガイド7gdを配置するための内周面部9Biとして構成される。また、第2開口部9Bm2は、パイプ状部材9Bの内周面を露出させる。第2開口部9Bm2によって露出される内周面は、ワイヤーガイド7guを配置するための内周面部9Biとして構成される。
開口部9Bm1及び開口部9Bm2の開口幅寸法Wは、作業性を考慮して形成される。本実施形態において、開口幅寸法Wは、内径直径と同寸法となるまで少なくともパイプ部材の端部を切除して得られる。なお、パイプ部材の端部をさらに切除して開口幅寸法Wを内径直径よりも小さく設定するようにしてもよい。このことによって、第1開口部9Bm1から内周面部9Biの全面が外部に対して露出され、第2開口部9Bm2から内周面部9Biの全面が外部に対して露出される。
パイプ状部材9Bの第1開口部9Bm1及び第2開口部9Bm2とは、パイプ状部材9Bの軸方向に対して位置ずれして設けられている。言い換えれば、第1開口部9Bm1と第2開口部9Bm2とは周部9Bcを挟んで設けられている。
また、パイプ状部材9Bにおいて、第1開口部9Bm1の開口の向きと、第2開口部9Bm2の開口の向きとが異なっている。本実施形態においては、第1開口部9Bm1の第1平面9Bm1pと、第2開口部9Bm2の第2平面9Bm2pとが平行に設定されている。
なお、本実施形態において、パイプ状部材9Bの外周面は、固定用穴8dの内周面に配置される外周面部9Boである。
ここで、上用ワイヤーガイド7gu及び下用ワイヤーガイド7gdの可撓管先端連結部8への取り付けを説明する。
作業者は、ワイヤーガイド7gu、7gdをパイプ状部材9Bに固定する作業を行った後、ワイヤーガイド7gu、7gdが固定されたパイプ状部材9Bを可撓管先端連結部8の固定用穴8dに配設する。
そのために作業者は、まず、例えば下用アングルワイヤー7wdが挿通される図8の破線に示す下用ワイヤーガイド7gdをパイプ状部材9Bの第1開口部9m1によって露出された内周面部9Bi上に配置する。
その後、作業者は、第1開口部9m1を介して例えば半田91によって下用ワイヤーガイド7gdの先端部をパイプ状部材9Bの内周面部9Biの予め定められた位置に一体に固定する。この作業中、作業者は、第1開口部9m1を介してワイヤーガイド7gdを内周面部9Biに半田付けする作業を行える。そして、作業者は、第1開口部9m1を介して矢印Y9aに示すようにワイヤーガイド7gdの真上から半田を溶かすこと、および半田の溶融状態を確認すること等を確実且つ容易に行える。
次いで、作業者は、上用アングルワイヤー7wuが挿通される上用ワイヤーガイド7guをパイプ状部材9Bの第2開口部9m2によって露出された内周面部9Bi上に配置する。その後、作業者は、第2開口部9m1を介して例えば半田91によって上用ワイヤーガイド7guの先端部をパイプ状部材9Bの内周面部9Biの予め定められた位置に一体に固定する。この作業中、作業者は、第2開口部9m2を介してワイヤーガイド7guを内周面部9Biに半田付けする作業を行える。そして、作業者は、第2開口部9m2を介して矢印Y9bに示すようにワイヤーガイド7guの真上から半田を溶かすこと、および半田の溶融状態を確認すること等を確実且つ容易に行える。
なお、図9中において矢印Y9bの向きが上向きであるが、半田91によって上用ワイヤーガイド7guの先端部をパイプ状部材9Bの内周面部9Biに固定する実際の固定作業においては、パイプ状部材9Bの天地を逆転させるので、図中上向きの矢印Y9bは下向きになる。
この後、作業者は、ワイヤーガイド7gu、7gdが固定されたパイプ状部材9Bを、上述したく一対のハーフパイプ状板部材9u、9d等と同様に可撓管先端連結部8の固定用穴8dに配置させた後、接着によって固定する。
本実施形態によれば、パイプ状部材9Bを太径部8aの固定用穴8d内に固定することによって、上述と同様にワイヤーガイド7gu、7gdを可撓管先端連結部8の予め定められた位置に固設することができる。
図10はワイヤーガイド固定部材の他の変形例にかかり、パイプ形状であって正面から見たときC字形状のワイヤーガイド固定部材を示す図である。
本実施形態のワイヤーガイド固定部材は、図10に示すパイプ状部材9Cであり、予め定めた弾性率を有する金属製で、切り欠き部93を有している。パイプ状部材9Cは、図8で示したように第1開口部9Bm1と第2開口部9Bm2とが周部9Bcを挟んで設けられている。
そして、切り欠き部93は、図8の周一端面9Bc1から周他端面9Bc2に至るようにパイプ状部材9Cの軸方向に対して平行に形成されている。この結果、パイプ状部材9Cは、図10に示すように正面から見たときC字形状になる。
本実施形態において、パイプ状部材9Cの外径は、可撓管先端連結部8の固定用穴8dの内径より予め定めた寸法大径である。パイプ状部材9Cは、弾性力に抗して縮径されて固定用穴8d内に配置される。そして、パイプ状部材9Cを固定用穴8d内に配置させた状態において、パイプ状部材9Cの内径と可撓管先端連結部8の軸方向貫通孔8eの内径とは同寸法に設定されている。
なお、切り欠き部93の幅寸法は、パイプ状部材9Cの外径寸法および可撓管先端連結部8の固定用穴8dの内径寸法を考慮して適宜設定される。この結果、パイプ状部材9Cは、弾性力に抗して縮径されて固定用穴8d内に配置された後、パイプ状部材9Cの有する復元力によって固定用穴8d内に仮固定状態、或いは固定状態で配置可能である。
パイプ状部材9Cのその他の構成はパイプ状部材9Bと同様であり、同様の構成には同符号を付して説明を省略する。また、本実施形態において、ワイヤーガイド7gu、7gdのパイプ状部材9Cへの固定手順は、パイプ状部材9Bへのワイヤーガイド7gu、7gdの固定手順と同様である。
これに対して、本実施形態においては、ワイヤーガイド7gu、7gdが固定されたパイプ状部材9Cを可撓管先端連結部8の固定用穴8dに配設する手順が異なっている。つまり、上述したようにワイヤーガイド7gu、7gdが固定されたパイプ状部材9Cは、弾性力に抗して縮径されて固定用穴8d内に配置された後、パイプ状部材9Cの有する復元力によって仮配置状態、或いは固定状態になる。そして、パイプ状部材9Cが固定用穴8d内に仮配置状態であるとき、パイプ状部材9Cは、上述と同様に接着によって固定用穴8dに固定される。
このように、パイプ状部材を弾性部材で形成し、周部に切り欠き部を設けたことによって、パイプ状部材を弾性変形領域内で拡開変形させることにより、切り欠き部を介して内蔵物をパイプ状部材の内部スペースに配置させることができる。この結果、内蔵物を内部スペースに配置したパイプ状部材を可撓管先端連結部の固定用穴内に固設することにより、内蔵物の外径が内部スペースに近似している場合、或いは内蔵物の一部にその外径が内部スペースよりも大きく内部スペースを介しての挿通が不可能な部位を有する場合であっても、挿通作業を不要にして、内蔵物を挿入部内に配置することできる。
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
1…内視鏡システム 2…挿入部 2a…先端部 2b…湾曲部
2c…可撓管部 3…操作部 3a…湾曲操作レバー 4…ユニバーサルコード
5…信号ケーブル 6a…ファイバー束 7gd…下用ワイヤーガイド
7gl…左用ワイヤーガイド 7gr…右用ワイヤーガイド
7gu…上用ワイヤーガイド 7wd…下用アングルワイヤー
7wu…上用アングルワイヤー 8…可撓管先端連結部 8a…太径部
8b…細径部 8c…段差部 8d…固定用穴 8e…軸方向貫通孔
8f…位置決め面 8h…接着剤孔 9Ad…下用曲面板部材 9Ai…内周面部
9Al…左用曲面板部材 9Am…開口部 9Ao…外周面部
9Ar…右用曲面板部材 9Au…上用曲面板部材 9B…パイプ状部材
9Bc…周部 9Bc1…周一端面 9Bc2…周他端面 9Bi…内周面部
9Bm1…第1開口部 9Bm1p…第1平面 9Bm2…第2開口部
9Bm2p…第2平面 9Bo…外周面部 9C…パイプ状部材
9d…下用ハーフパイプ状板部材 9e…一端面 9i…内周面部 9m…開口部
9m1…第1開口部 9m2…第2開口部 9o…外周面部
9u…上用ハーフパイプ状板部材 9d…下用ハーフパイプ状板部材 10…内視鏡 11…帯状螺旋管 12…外皮被覆網管 13…外皮チューブ 14…外装網管
21…湾曲駒部組 22…湾曲ゴム 23…基端湾曲駒 24…中間湾曲駒
25…固定部 30…装置本体 31…モニター 32…外装筐体
90…円環状部材 90a…中心軸 90s…軸方向分割面 91…半田
92…接着剤 93…切り欠き部

Claims (6)

  1. 挿入部に設けられた湾曲部から延出され、牽引弛緩されて該湾曲部を湾曲動作させるアングルワイヤーと、
    前記挿入部に設けられ前記湾曲部に連設する可撓管部内に配置され、前記アングルワイヤーが挿通されるワイヤーガイドと、
    前記可撓管部の少なくとも先端側に取り付けられるパイプ形状の口金部材と、
    前記口金部材の内周面に沿って配置され固定される外周面部、前記ワイヤーガイドの先端側端部が配置される内周面部、及び前記内周面部の全面を外部に対して露出させる開口部を有するワイヤーガイド固定部材と、
    を具備することを特徴とする内視鏡。
  2. 前記ワイヤーガイド固定部材は、円環状部材の中心軸を含む軸方向分割線に沿って分割される、前記外周面部、前記内周面部、及び前記開口部を有する分割パイプ部材であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記複数の分割パイプ部材は、前記ワイヤーガイドの先端側端部を該分割パイプ部材の内周面部に固定した状態で、前記口金部材の内周面に組み合わせて配置したとき外形が円形になることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
  4. 前記ワイヤーガイド固定部材は、パイプ状部材であって、前記パイプ状部材の軸方向に位置ずれして設けられ、開口の方向がそれぞれ異なる少なくとも2つの開口部を備えることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  5. 前記ワイヤーガイド固定部材は、パイプ状部材であって、
    周部を挟んで設けられ、開口の方向がそれぞれ異なる2つの開口部と、
    前記周部に設けられて該周部を分離させる、前記パイプ状部材の軸方向に対して平行な切り欠き部と、を
    具備することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  6. 前記切り欠き部を有するワイヤーガイド固定部材は、弾性を有する金属製で、前記パイプ状部材の外径寸法は、前記口金部材の内径よりも大きく、弾性変形によって、該口金部材の内周面に固定、もしくは仮固定可能に形成されることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡。
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