JP2012135066A - Inductive power transmission system - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電力を無線誘導手段を介して空間を越えて電気装置に給電する誘導電力伝送システムに関する。 The present invention relates to an inductive power transmission system that feeds electric power to an electric device across a space via wireless induction means.
空気中を、一次巻線を有する一つの装置から空間を隔てた他の装置へ、その装置に設置した二次巻線に電磁誘導を発生させることで電気エネルギーを伝達する誘導電力伝送システムは、空間を隔てて対向する一次巻線から二次巻線に電力を供給することで、それらの装置同士の電気端子同士を接触させずに電力を伝送するので、電気端子の接点の接触不良が発生しない利点がある。その利点を生かして、歯ブラシや携帯電話などに誘導電力伝送システムが使用されている。 An inductive power transmission system that transmits electric energy by generating electromagnetic induction in the air from one device having a primary winding to another device separated by space in a secondary winding installed in the device, By supplying power to the secondary winding from the primary winding that opposes the space, power is transmitted without contacting the electrical terminals of these devices, resulting in poor contact of the electrical terminal contacts There is no advantage. Taking advantage of the advantage, an inductive power transmission system is used for toothbrushes and mobile phones.
従来の誘導電力伝送システムは、特許文献1では、電源装置内のエネルギーを、電源装置に設置した一次巻線から、被給電装置に設置した二次巻線に、電磁誘導により伝達させる。被給電装置の二次巻線は、電源装置の一次巻線から物理的に間隔をあけて配置され、大気を通じて、誘導結合させる。被給電装置の二次巻線は両端を電子回路の端子に接続する閉路ループのコイルを用いていた。
In
また、特許文献2では、被給電装置に二次巻線の代わりにスパイラルアンテナを設置し、その長さの4倍の波長の電磁波を電源装置から供給し、それにスパイラルアンテナを共振させることでアンテナが電磁波を受信する実効面積を大きくし、電源装置から供給された電磁波の空間エネルギーを吸収させていた。
Further, in
しかし、特許文献1の技術では、一次巻線と二次巻線に流れる電流が遠方に電磁界を発生させ、その電磁界が不要輻射を発生させる問題があった。また、特許文献2の技術も、電源装置が供給する電磁波が不要輻射となって放射される問題があった。
However, the technique of
そのため、本発明の解決すべき課題は、不要輻射の発生を抑えて電力を無線誘導手段を介して空間を越えて電気装置に給電する誘導電力伝送システムを得ることにある。 Therefore, a problem to be solved by the present invention is to obtain an inductive power transmission system that suppresses the generation of unnecessary radiation and supplies power to an electric device across a space via wireless induction means.
この課題を解決するために、本発明は、対向させた送信アンテナから受信アンテナまで空間をエネルギー伝送する誘導電力伝送システムであって、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナは、両端に螺旋又はコイル状配線部分を有し、前記両端の螺旋又はコイル状配線部分同士は、アンテナ配線の一端から他端に至る経路が逆回りであり、前記送信アンテナと前記受信アンテナとが、両者の前記螺旋又はコイル状配線部分を平行に対向させて、共振する電磁界の波長λの2π分の1以下の距離を隔てて配置され、前記受信アンテナが、前記送信アンテナと同じ側の一端から他端に至るアンテナ配線の経路において、前記送信アンテナの経路と逆回りに回転して対向する螺旋又はコイル状配線部分を有し、前記送信アンテナのアンテナ配線の中心に直列に電源回路が接続され、前記受信アンテナのアンテナ配線の中心に直列に負荷回路が接続されて電力を伝送することを特徴とする誘導電力伝送システムである。 In order to solve this problem, the present invention provides an inductive power transmission system for transmitting energy from a transmitting antenna to a receiving antenna facing each other, wherein the transmitting antenna and the receiving antenna are spirally or coiled at both ends. And the spiral or coiled wiring portions at both ends have a reverse path from one end of the antenna wiring to the other end, and the transmitting antenna and the receiving antenna are both spiral or coiled. The antenna wiring is arranged such that the wiring portions face each other in parallel and are separated by a distance equal to or less than 1 / 2π of the wavelength λ of the resonating electromagnetic field, and the receiving antenna extends from one end to the other end on the same side as the transmitting antenna. And a spiral or coiled wiring portion that rotates in the opposite direction to the path of the transmitting antenna and faces the center of the antenna wiring of the transmitting antenna. A power supply circuit is connected in series to the antenna antenna, and a load circuit is connected in series to the center of the antenna wiring of the receiving antenna to transmit power.
また、本発明は、上記の誘導電力伝送システムであって、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナそれぞれのアンテナの端を開放させ、前記送信アンテナの前記螺旋又はコイル状配線部分と対向する前記受信アンテナの前記螺旋又はコイル状配線部分のアンテナ配線の経路の回転方向が、前記送信アンテナの前記螺旋又はコイル状配線部分とは逆回りであることを特徴とする誘導電力伝送システムである。 Further, the present invention is the inductive power transmission system according to the above, wherein the ends of the antennas of the transmission antenna and the reception antenna are opened and the reception antenna facing the spiral or coiled wiring portion of the transmission antenna is provided. The inductive power transmission system is characterized in that the direction of rotation of the antenna wiring path of the spiral or coiled wiring portion is opposite to that of the spiral or coiled wiring portion of the transmitting antenna.
また、本発明は、上記の誘導電力伝送システムであって、前記送信アンテナ又は前記受信アンテナが、1つながりのアンテナ配線の両端に螺旋又はコイル状配線部分を設けた主アンテナと副アンテナとで構成され、前記主アンテナと前記副アンテナの螺旋又はコイル状配線部分が対向し、かつ、互いのアンテナ配線の経路の回転方向が逆回りであり、前記主アンテナの端と前記副アンテナの端を容量で結合したことを特徴とする誘導電力伝送システムである。 Further, the present invention is the inductive power transmission system described above, wherein the transmitting antenna or the receiving antenna includes a main antenna and a sub-antenna in which spiral or coiled wiring portions are provided at both ends of a continuous antenna wiring. The spiral or coiled wiring portions of the main antenna and the sub-antenna are opposed to each other, and the directions of rotation of the antenna wiring paths are opposite to each other, and the end of the main antenna and the end of the sub-antenna are capacitive. This is an inductive power transmission system characterized by being coupled with each other.
また、本発明は、上記の誘導電力伝送システムであって、前記送信アンテナ又は前記受信アンテナが、1つながりのアンテナ配線の両端に螺旋又はコイル状配線部分を設けた主アンテナと副アンテナとで構成され、前記主アンテナと前記副アンテナの螺旋又はコイル状配線部分が対向し、かつ、互いのアンテナ配線の経路の回転方向が逆回りであり、前記主アンテナの端と前記副アンテナの端が直接電気接続され、前記副アンテナのアンテナ配線の中心に直列に容量を接続したことを特徴とする誘導電力伝送システムである。 Further, the present invention is the inductive power transmission system described above, wherein the transmitting antenna or the receiving antenna includes a main antenna and a sub-antenna in which spiral or coiled wiring portions are provided at both ends of a continuous antenna wiring. The spiral or coiled wiring portions of the main antenna and the sub antenna are opposed to each other, and the rotation direction of the path of each antenna wiring is opposite, and the end of the main antenna and the end of the sub antenna are directly The induction power transmission system is characterized in that it is electrically connected and a capacitor is connected in series to the center of the antenna wiring of the sub antenna.
本発明の誘導電力伝送システムは、送信アンテナ1と受信アンテナ3とが、それぞれ両端に螺旋配線部分を有し、両アンテナの螺旋配線部分が平行に対向し、各アンテナのアンテナ配線の一端から他端までの経路において、両端の螺旋配線部分の経路は互いに逆回りに配線している。そのため、アンテナの両端の螺旋配線部分が発生する電磁界は逆向きになり、アンテナから遠方の位置では、それら螺旋配線部分が発生する電磁界が打ち消し合い、遠方に放射される不要放射電磁界が少ない効果がある。また、外部からアンテナに妨害電磁界が加わる場合に、その妨害電磁界がアンテナの両端の螺旋配線部分に発生する誘導電圧が打ち消し合うので、外部の妨害電磁界からの干渉を少なくできる効果がある。
In the inductive power transmission system of the present invention, the transmitting
<第1の実施形態>
図1に、本発明の第1の実施形態の誘導電力伝送システムのブロック図を示す。誘導電力伝送システムは、送信アンテナ1に接続した電源回路2と、受信アンテナ3に接続した負荷回路4から成り、非接触で電源回路2から負荷回路4に電力を供給する。
<First Embodiment>
FIG. 1 shows a block diagram of the inductive power transmission system according to the first embodiment of the present invention. The inductive power transmission system includes a
図2に、送信アンテナ1と受信アンテナ3の形状と配置の構造を示す。図2(a)の平面図のように、送信アンテナ1は、幅が1mmで厚さが20μmの1本の銅のリボン状の配線の両端に縦横34mmの4巻の螺旋配線部分をクロソイド(コルニューの渦線)状に、アンテナ配線の経路を両端で逆回りに回転させた主アンテナ1aと副アンテナ1bから成る。その主アンテナ1aと副アンテナ1bを互いの螺旋配線部分を平行に対向させ、主アンテナ1aのアンテナ配線の端と副アンテナ1bのアンテナ配線の端とを容量Cを介して結んで1つの送信アンテナ1を構成する。図2(b)に送信アンテナ1の副アンテナ1bの平面図を示す。主アンテナ1aは、図2(a)の上方のアンテナ配線の端を始点とし下方の端を終点とすると、クロソイド(コルニューの渦線)状に、始点側の螺旋配線部分では始点から終点に向けた経路を右回りに回転させて配線し、終点側の螺旋配線部分では終点に至る経路の回転方向は、その逆回りの左回りに回転させて配線する。その主アンテナ1aの螺旋配線部分に平行に対向させる副アンテナ1bの螺旋配線部分は、その配線の経路は主アンテナ1aとは逆回りに回転させる。こうすることで、主アンテナ1aと副アンテナ1bとから構成された送信アンテナ1が、アンテナ配線の始点と終点とを結ぶ直線に関して主アンテナ1aと副アンテナ1bとが互いに対称な形に形成される。すなわち、送信アンテナ1が、アンテナ配線の始点と終点とを結ぶ直線に関して対称な形に構成されている。
FIG. 2 shows the shapes of the transmitting
図2(c)は、主アンテナ1aと副アンテナ1bからなる送信アンテナ1と、主アンテナ3aと副アンテナ3bからなる受信アンテナ3の側面図を示す。送信アンテナ1は例えば厚さ25μmのポリイミドフィルム等の絶縁基板5の一方の面に主アンテナ1aを形成し、他方の面に副アンテナ1bを形成し、両者を絶縁基板5を介して平行に対向させる。受信アンテナ3も、絶縁基板6の一方の面に主アンテナ3aを形成し、他方の面に副アンテナ3bを形成し、両者を絶縁基板6を介して平行に対向させる。以下では、送信アンテナ1と受信アンテナ3のアンテナ間隔hが10mmの場合を例にして説明する。
FIG. 2C shows a side view of the transmitting
図2(a)の平面図のように、送信アンテナ1の主アンテナ1aのアンテナ配線の経路の中心に、配線に直列に出力インピーダンスがZ1の電源回路2を接続して給電する。図2の主アンテナ1aの端と副アンテナの端を結ぶ容量Cが292pFの場合は、送信アンテナ1の共振周波数は5.66MHzになる。この共振周波数と容量Cから計算した送信アンテナ1の自己インダクタンスLは5.4μHである。
As shown in the plan view of FIG. 2A, power is supplied by connecting a
受信アンテナ3も、送信アンテナと同じ形にする。すなわち、受信アンテナ3は、縦横34mmの4巻の螺旋配線を両端部分に持つ形の主アンテナ3aと副アンテナ3bとを螺旋配線部分を平行に対向させて近接させた構成であり、主アンテナ3aの配線端と副アンテナ3bの配線端とを容量Cを介して結んで受信アンテナ3を構成する。受信アンテナ3も、送信アンテナ1と同じく、アンテナ配線の始点と終点とを結ぶ直線に関して対称な形を持つ。主アンテナ3aは、アンテナ配線の一方の端を始点とし他方の端を終点とすると、クロソイド(コルニューの渦線)状に、始点側の螺旋配線部分では始点から終点に向けた経路を右回りに回転させて配線し、終点側の螺旋配線部分では終点に至る経路を逆回りの左回りに回転させて配線する。その主アンテナ3aの螺旋配線部分に平行に対向させて近接させる副アンテナ3bの螺旋配線部分は、その配線の経路は主アンテナ3aとは逆回りに回転させる。このように受信アンテナ3がアンテナ配線の、送信アンテナ1の経路と同じ側の一端と他端を結ぶ直線に関して対称な形であるため、受信アンテナ3には、送信アンテナ1の経路と同じ側の一端から端までのアンテナ配線の経路において、送信アンテナ1の経路と逆回りに回転して対向する経路がある。本発明は、この構造を有することで、後の第5の実施形態で説明するように、送信アンテナ1と受信アンテナ3の実効的結合係数kが高くなる効果がある。
The
この受信アンテナ3の主アンテナ3aのアンテナ配線の経路の中心に、配線に直列に入力インピーダンスがZ2の負荷回路4を接続して電力を消費させる。このように送信アンテナ1と受信アンテナ3を対向させて、電源回路2から電流の角周波数がωの電力給電し、その角周波数ωの電磁界を送信アンテナ1から受信アンテナ3に送信して、受信アンテナ3が受信した電力を負荷回路4で消費させる。その際に、以下の式1又は式2で与えられる角周波数ωで電力を伝送し、電源回路2の出力インピーダンスZ1と負荷回路4の入力インピーダンスZ2を等しいインピーダンスZにする場合に、そのインピーダンスZを、以下の式3を満足するように、式4で定義するインピーダンスZm以下に設定する。そうすることで、インピーダンスが整合されて電力が効率良く伝送できる効果が得られる。
At the center of the antenna wiring path of the
送信アンテナ1と受信アンテナ3の固有の共振角周波数ω0(ω0=2πf0)は、次の式5のように、L×Cの平方根の逆数で計算される。ここで、Lはそれらのアンテナの自己インダクタンスであり、Cはアンテナ端間の容量である。送信アンテナ1と受信アンテナ3の固有の共振角周波数ω0を一致させれば、送信アンテナ1と受信アンテナ3とで自己インダクタンスL及び容量Cが異なる場合でも、電力の角周波数ωと電源回路2の出力インピーダンスZ1と負荷回路4の入力インピーダンスZ2を調整することで電力を100%近い伝送効率で伝達できる。以下では、説明を簡単にするため、送信アンテナ1と受信アンテナ3の自己インダクタンスLが等しく、容量Cが等しい場合を説明する。本実施形態では、アンテナの固有の共振角周波数ω0(ω0=2πf0)は、2π×5.66MHz(f0=5.66MHz)である。送信アンテナ1と受信アンテナ3の結合係数kは、次の式6のように、(アンテナ同士の相互インダクタンスM)/(アンテナの自己インダクタンスL)であらわされる。電源回路2の出力インピーダンスZ1と負荷回路4の入力インピーダンスZ2を等しくし、そのインピーダンスをZとし、以下の式3を満足する値に設定する。すなわち、そのインピーダンスZを式4で定義されるインピーダンスZm以下に設定する。
The inherent resonance angular frequency ω0 (ω0 = 2πf0) of the transmitting
(式1) ω=ω0/√(1+k・cos(β))
(式2) ω=ω0/√(1−k・cos(β))
(式3) sin(β)=(Z/Zm)(ω0/ω)
(式4) Zm≡ω0・M
(式5) ω0=1/√(L・C)
(式6) k≡M/L
(Formula 1) ω = ω0 / √ (1 + k · cos (β))
(Formula 2) ω = ω0 / √ (1-k · cos (β))
(Formula 3) sin (β) = (Z / Zm) (ω0 / ω)
(Formula 4) Zm≡ω0 · M
(Formula 5) ω0 = 1 / √ (L · C)
(Formula 6) k≡M / L
そして、電源回路2から供給する電力の電流の角周波数ω(ω=2πf)を、式1又は式2の与える角周波数ωに設定する。そうして、送信アンテナ1と受信アンテナ3を介して、負荷回路4に電力を供給することで、アンテナ系と電源回路2と負荷回路4のインピーダンスが整合されて電力を100%近い最高の伝送効率で伝送できる。この効果は、アンテナが共振する電磁界の波長λの2π分の1以下の距離で隔てた送信アンテナ1と受信アンテナ3間で電力を伝送する場合に得られる。周波数5.66MHzの電磁界の波長は約53mの波長であり、本実施形態では、その周波数で共振する送信アンテナ1のアンテナ対と受信アンテナ3のアンテナ対の間のアンテナ間隔hが10mmである。そのアンテナ間隔hは波長の約5000分の1であり、波長に比べて十分短い間隔である。なお、電力を伝送する電流の角周波数ωを式5で定義されるアンテナ固有の角周波数ω0に一致させる場合は、式3により、最大の電力伝送効率が得られる電源回路2と負荷回路4のインピーダンスZが式4で定義されるインピーダンスZmになる。
Then, the angular frequency ω (ω = 2πf) of the current of power supplied from the
本実施形態の送信アンテナ1と受信アンテナ3を用いて、電流の周波数が5.66MHzの電力を伝送すると、電源回路2および負荷回路4のインピーダンスZ1およびZ2を等しくして式3を満足するインピーダンスZにすれば、電力を効率良く伝送できる。本実施形態のアンテナ系は、10mmのアンテナ間隙hを隔てて送信アンテナ1から受信アンテナ3に非接触で電力を伝送できるので、例えば、生体内に埋め込んだ受信アンテナ3と負荷回路4で構成される装置に、生体外の電源回路2に接続した送信アンテナ1から電磁界を発生させて、10mmの厚さの生体組織を隔ててコードレスで生体内の受信アンテナ3に電力を送信して、それに接続する負荷装置4に電力を伝送できる効果がある。生体内に埋め込む受信アンテナ3は、縦が約70mmで横が34mmで厚さが20μmで薄いアンテナであるため、生体内で占有する体積が小さく、生体への親和性が良い効果がある。
When transmitting power having a current frequency of 5.66 MHz using the transmitting
本実施形態で、送信アンテナ1の一端から他端まで進む経路において、その両端の螺旋配線部分が互いに逆回りに回転するので、送信アンテナ1に流れる電流が送信アンテナ1の両端の螺旋配線部分から発生する磁界の方向は互いに逆向きになる。そのため、送信アンテナ1から遠方の位置では、両端の螺旋配線部分が発生する磁界同士が打ち消し合う効果があり、遠方に放射される不要放射電磁界を少なくできる効果がある。また、受信アンテナ3の両端の螺旋配線部分も、送信アンテナ1と同様にアンテナ配線の経路が両端部分では互いに逆回りに回転するので、外部から受信アンテナ3に妨害電磁界が加わる場合に、その妨害電磁界が受信アンテナ3の両端の螺旋配線部分に発生する誘導電圧同士が打ち消し合って、遠方からの妨害電磁界による干渉を少なくできる効果がある。すなわち、本実施形態の送信アンテナ1及び受信アンテナ3は、電磁波を受信するアンテナの実効面積が小さく、遠方から加えられる電磁界の受信感度が低く、近傍の電磁界のみを選択して受信するアンテナが構成できる効果がある。
In the present embodiment, the spiral wiring portions at both ends of the path that travels from one end to the other end of the
(変形例1)
変形例1として、電源回路2から電力を供給する電流の角周波数ωを、式5で定義される送信アンテナ1と受信アンテナ3の固有の共振角周波数ω0の周波数に設定して、電源回路2の出力インピーダンスZ1と負荷回路4の入力インピーダンスZ2とを異ならせて、Z1×Z2=(ωM)2にする構成誘導電力伝送システムによっても電力を効率良く伝送できる効果がある。この効果を利用して、この変形例1の誘導電力伝送システムを、電気回路中でインピーダンスZ1をインピーダンスZ2=(ωM)2/Z1に変換するインピーダンス変換回路として用いることができる。
(Modification 1)
As a first modification, the angular frequency ω of the current that supplies power from the
(変形例2)
変形例2として、パルス状の電力信号を電源回路2から送信アンテナ1に送信し、その送信アンテナ1が生じる電磁界を受信アンテナ3で受信して、その電力を負荷回路4に伝送する誘導電力伝送システムを構成することができる。変形例2では、送信するパルス状の電力信号の波形の主なな周波数成分が送信アンテナ1と受信アンテナ3の共振周波数に一致するように、パルスの立ち上り時間あるいは立下り時間を設定する。これにより、送信アンテナ1から受信アンテナ3への電力伝送効率の高い周波数帯域の周波数成分の電力が送信アンテナ1から受信アンテナ3に伝送され、電力を比較的効率良く伝送できる効果がある。
(Modification 2)
As a second modification, a pulsed power signal is transmitted from the
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、図3のように、電源回路2に接続する送信アンテナ1と負荷回路4に接続する受信アンテナ3からなるアンテナ系を、アンテナを配置した平面上で送信アンテナ1に対して受信アンテナ3を、アンテナの中心の周りに相対的に回転させた配置に調整できるようにした誘導電力伝送システムを構成する。送信アンテナ1及び受信アンテナ3は、第1の実施形態と同じ構造の、アンテナ配線の経路の両端の螺旋配線部分が互いに逆回りに回転するように配線した送信アンテナ1と受信アンテナ3を用いる。第2の実施形態では、送信アンテナ1に対する受信アンテナ3の配置を相対的に回転させて配置の向きを調整することで、送信アンテナ1と受信アンテナ3の相互インダクタンスM(及び結合係数k)を可変に調整でき、式4で相互インダクタンスMに比例させて定義するインピーダンスZmを可変にでき、電源回路2と負荷回路4とアンテナ系を整合させるインピーダンスを可変にできる効果がある。
<Second Embodiment>
In the second embodiment, as shown in FIG. 3, an antenna system including a
<第3の実施形態>
図4に、第3の実施形態の送信アンテナ1と受信アンテナ3の形状と配置の構造を示す。図4(a)は、第3の実施形態の送信アンテナ1の主アンテナ1aの平面図を示し、図4(b)は、主アンテナ1aに絶縁基板5を介して対向する副アンテナ1bを示す。受信アンテナ3も送信アンテナ1と同様に絶縁基板6の両面に主アンテナ3aと副アンテナ3bを対向させて構成する。第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、アンテナ配線の経路の両端の螺旋配線部分が互いに逆回りに回転するように配線した送信アンテナ1と受信アンテナ3を用いる。送信アンテナ1の主アンテナ1aの両端には螺旋配線部分があり、副アンテナ1bには、主アンテナ1aの経路と同じ側の一端から端までのアンテナ配線の経路において、主アンテナ1aの螺旋配線の経路と逆回りに回転して対向する螺旋配線部分がある。第3の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、送信アンテナ1を構成する主アンテナ1aと副アンテナ1bのアンテナ配線の端部を開放させた点である。受信アンテナ3も同様にする。そして、主アンテナ1aと副アンテナ1bを絶縁基板5の両面で平行に近接させて対向させ、その平行に対向する主アンテナ1aの螺旋配線と副アンテナ1bの螺旋配線を近接させることで容量Cを持たせる。こうして、アンテナの端部の螺旋配線同士をその間の容量Cで結合させ、共振周波数を5.66MHzにする。受信アンテナ3の形状も同様にする。
<Third Embodiment>
FIG. 4 shows the shape and arrangement structure of the transmitting
すなわち、図4(c)のように、縦が約70mmで横が34mmで厚さが20μmの送信アンテナ1を、主アンテナ1aと副アンテナ1bの端部は開放させ、主アンテナ1aと副アンテナ1bを比誘電率が3.5のポリイミドフィルムから成る厚さ17.5μmの絶縁基板5の両面に平行に配置させる。こうして、比誘電率が3.5のポリイミドフィルムの17.5μmの層を隔てて近接させることで主アンテナ1aと副アンテナ1bの端部間に容量Cを持たせ、アンテナの共振周波数を5.66MHzにすることができる。受信アンテナ3も同様にする。
That is, as shown in FIG. 4C, the transmitting
受信アンテナ3は第1の実施形態と同様に、図4(c)の側面図のように、送信アンテナ1に平行に対向させてアンテナ間隔hを隔てて配置する。以下では、アンテナ間隔hが10mmの場合を説明する。このように送信アンテナ1と受信アンテナ3を対向させて、電源回路2から電流の角周波数がωの電力給電し、その角周波数ωの電磁界を送信アンテナ1から受信アンテナ3に送信して、受信アンテナ3が受信した電力を負荷回路4で消費させる。この構成のアンテナ系においても、第1の実施形態と同様に、式1から式6までの関係が成り立つ。
As in the first embodiment, the receiving
第3の実施形態におけるアンテナ間隔hが10mmの場合の送信アンテナ1と受信アンテナ3の結合係数kは0.0265である。そして、電力の角周波数ωを式5で定義されるアンテナ固有の共振の角周波数ω0にする場合に最大の伝送効率を与えるインピーダンスZmが2.5Ωになり、アンテナの自己インダクタンスLは、2.7μHになる。第3の実施形態におけるアンテナの自己インダクタンスLは第1の実施形態の場合よりも小さくなる。その原因は、第3の実施形態では、例えば送信アンテナ1については、主アンテナ1aの電流は、主アンテナ1aの端部に近づくにつれて小さくなり、アンテナに流れる電流の平均値が第1の実施形態よりも小さくなるので、アンテナの実効的インダクタンスLが第1の実施形態の場合よりも小さくなり、受信アンテナ3も同様であるためである。
The coupling coefficient k between the transmitting
以上のように、電源回路2から供給する電力の電流の角周波数ωを、式1又は式2の与える角周波数ωに設定して、電源回路2と負荷回路4のインピーダンスZを式3に従って、式4で定義されるインピーダンスZm=2.5Ω以下に設定することで、送信アンテナ1から受信アンテナ3へ電力を効率良く伝送できる。
As described above, the angular frequency ω of the electric current supplied from the
<第4の実施形態>
図5に、第4の実施形態の送信アンテナ1と受信アンテナ3の形状と配置の構造を示す。第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、送信アンテナ1と受信アンテナ3は、アンテナ配線の両端部分に螺旋配線部分を設け、両端の螺旋配線部分同士は、アンテナ配線の一端から他端に至る経路を逆回りに回転させて配線する。図5(a)の平面図のように、送信アンテナ1は、幅が1mmで厚さが20μmの1本の銅のリボン状の配線の両端を2040pFの容量C1を介して結び、横54mmで縦93mmの領域を囲む矩形を成す一本の輪状の配線をアンテナ配線の経路の中央部分の配線と、容量C1を介して接続した両端部分の配線とを交差させるように捩じった輪状に配線する。そのアンテナ配線の経路の中央部分には電源配線2に直列に接続する。これにより、送信アンテナ1のアンテナ配線を捩じって交差させた点の両側の部分の配線の経路を互いに逆回りに回転させる。この送信アンテナ1の共振周波数は5.66MHzになる。
<Fourth Embodiment>
FIG. 5 shows the shape and arrangement structure of the transmitting
図5(c)は、送信アンテナ1と、主アンテナ3aの端と副アンテナ3bの端が直接電気接続されて主アンテナ3a側の螺旋配線と副アンテナ3b側の螺旋配線とが連結した2層のコイル状配線部分が両端に形成された受信アンテナ3の側面図を示す。受信アンテナ3は、図5(a)の平面図のように、幅が1mmで厚さが20μmの1本の銅のリボン状の配線で、縦横34mmの4巻の螺旋配線を両端部分に作ったクロソイド(コルニューの渦線)状の主アンテナ3aの部分と、その主アンテナ3aに絶縁基板6を介して対向する副アンテナ3bで構成する。図5(b)に受信アンテナ3の副アンテナ3bのみの平面図を示す。図5(c)のように、送信アンテナ1のアンテナ配線の輪と受信アンテナ3の螺旋配線部分を平行に対向させる。
FIG. 5C shows a two-layer structure in which the transmitting
受信アンテナ3の主アンテナ3aは、図5(a)の平面図の上方のアンテナ配線の端を始点とし下方の端を終点とすると、クロソイド(コルニューの渦線)状に、始点側の螺旋配線部分の終点に至る経路を右回りに回転させて配線し、終点側の螺旋配線部分の終点に至る経路は、その逆回りの左回りに回転させて配線する。その主アンテナ3aの螺旋配線部分に平行に対向させる副アンテナ3bの螺旋配線部分は、その配線の経路は主アンテナ3aとは逆回りに回転させて、1本の配線の副アンテナ3bを形成する。すなわち、受信アンテナ3が、アンテナ配線の始点と終点とを結ぶ直線に関して互いに対称な形に形成された主アンテナ3aと副アンテナ3bとから構成されている。このように受信アンテナ3のアンテナ配線は対称な形であるため、受信アンテナ3が、送信アンテナ1と同じ側の一端から他端に至るアンテナ配線の経路において、送信アンテナ1の経路と逆回りに回転して対向する螺旋配線部分を有する。
The
図5(a)のように、受信アンテナ3は、絶縁基板6を介して対向する主アンテナ3aのアンテナ端と副アンテナ3bのアンテナ端が直接電気接続されて主アンテナ3a側の螺旋配線と副アンテナ3b側の螺旋配線とが連結した2層のコイル状配線部分が両端に形成される。そして、主アンテナ3aの配線の中心に負荷回路4を直列に接続し、また、図5(b)のように、主アンテナ3aに対向する1本の配線から成る副アンテナ3bの配線の中心に145pFの容量Cを直列に接続する。この受信アンテナ3の共振周波数は5.66MHzになる。共振周波数と容量Cから計算した受信アンテナ3の自己インダクタンスLは第1の実施形態と同じ値の5.4μHである。
As shown in FIG. 5 (a), the receiving
図5(a)の平面図と図5(c)の側面図のように、送信アンテナ1と受信アンテナ3を接近させて、送信アンテナ1の矩形を成す1本の輪を中央でねじることで形成したアンテナ配線の2つの輪と、受信アンテナ3の主アンテナ3aと副アンテナ3bを接続する両端部分に形成した2つの螺旋配線部分、とを重ね合わせて平行に配置する。このように送信アンテナ1と受信アンテナ3の輪状の配線部分を平行に対向させて配置する。そして、電源回路2から、第1の実施形態の式1又は式2で与えられる角周波数ωの電流の電力を給電し、その角周波数ωの電磁界を送信アンテナ1から受信アンテナ3に送信して、受信アンテナ3が受信した電力を負荷回路4で消費させることで電力が効率よく伝送される。
As shown in the plan view of FIG. 5 (a) and the side view of FIG. 5 (c), the transmitting
本実施形態の送信アンテナ1と受信アンテナ3のインダクタンスLは異なるので第1の実施形態の式3は変更して用いる必要があるが、異なるインダクタンスのアンテナ間でも式1と式2はそのまま適用できて、最適な共振角周波数ωが計算できる。そして、電源回路2の出力インピーダンスZ1と負荷回路4の入力インピーダンスZ2を、電力を最大の伝送効率で伝送するインピーダンスに設定して、送信アンテナ1と受信アンテナ3を介して、負荷回路4に電力を供給することで、電力を効率良く伝送できる。
Since the inductance L of the transmitting
なお、本実施形態のコイル状配線の送信アンテナ1と受信アンテナ3あるいは第3の実施形態又は第1の実施形態の送信アンテナ1と受信アンテナ3の各アンテナを任意に選んで送信アンテナ1あるいは受信アンテナ3にしてアンテナを組み合わせた誘導電力伝送システムを構成することができる。その誘導電力伝送システムも高い電力伝送効率で電力を伝送することができる。
Note that the transmitting
<第5の実施形態>
図6に、第5の実施形態の送信アンテナ1と受信アンテナ3の形状と配置の構造を示す。図6(a)は、第5の実施形態の送信アンテナ1の平面図を示し、図6(b)は、その送信アンテナ1に対向する受信アンテナ3の平面図を示す。図6(c)は、送信アンテナ1と受信アンテナ3の側面図を示す。第5の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、送信アンテナ1と受信アンテナ3のアンテナ配線は、1つながりのアンテナ配線の両端部分に螺旋配線部分を設ける。第5の実施形態が第1から第4の実施形態と異なる点は、送信アンテナ1及び受信アンテナ3は、それぞれ一層の配線のみで形成され、アンテナの端部を開放させた点である。すなわち、第5の実施形態では、縦が約70mmで横が34mmで厚さが20μmの配線が一層で形成されている送信アンテナ1と受信アンテナ3を用いる。
<Fifth Embodiment>
FIG. 6 shows the shape and arrangement structure of the transmitting
第5の実施形態の送信アンテナ1は、配線の一方の端を始点とし他方の端を終点とすると、始点から終点に至るアンテナ配線の経路の両端部分の螺旋配線の回転方向が、始点側から終点に向かう螺旋配線では右回りであり、終点側で終点に向かう螺旋配線部分では、その逆回りの左回りである。このアンテナ配線の形は、クロソイド(コルニューの渦線)と類似する形であり、そのアンテナ配線をアンテナ面内で180度回転させると元の形と同じ形になる。
In the
送信アンテナ1の螺旋配線と受信アンテナ3を、両端の螺旋配線同士で、図6(c)のように対向させる。その受信アンテナ3は、送信アンテナ1と同じ側の一端(始点)から他端(終点)に至るアンテナ配線の経路において、対向する送信アンテナ1の螺旋配線部分の経路とは逆回りに回転する螺旋配線部分を持つ。送信アンテナ1のアンテナ配線の中心に、配線に直列に電源回路2を接続して電力を供給し、受信アンテナ3のアンテナ配線の中心に、配線に直列に負荷回路4を接続して電力を消費させる。このように、受信アンテナ3の螺旋配線部分の経路を送信アンテナ1とは逆回りに回転させることにより、以下で説明するように、送信アンテナ1と受信アンテナ3の実効的結合係数kを大きくすることができる効果がある。
The spiral wiring of the
実効的結合係数kは次に示す実効的相互インダクタンスMを用いて先に示した式6を利用して定義する。すなわち、実効的相互インダクタンスMは以下のように定義する。電源回路2を直列に接続する送信アンテナ1のポートにあらわれる電圧を電源回路2側から観察した電圧Einを以下の式7であらわす。そして、受信アンテナ3に流れる電流I2によって送信アンテナ1に誘起される電圧を近似的にjωM×I2とあらわすことで実効的相互インダクタンスMを定義する。
(式7) Ein=j{ωL−(1/(ωC))}×I1+jωM×I2
ここで、I1は送信アンテナ1に流れる電流、I2は受信アンテナ3に流れる電流である。式7における、実効的相互インダクタンスMを係数とする第2項は、送信アンテナ1と受信アンテナ3の誘導結合の効果と容量結合の効果とが加え合わされた効果を近似的にあらわす項である。
The effective coupling coefficient k is defined using the
(Equation 7) Ein = j {ωL− (1 / (ωC))} × I1 + jωM × I2
Here, I1 is a current flowing through the transmitting
(アンテナ間隔h=10mmの場合の電力伝送効率のグラフ)
図7(a)は、第5の実施形態のアンテナ間隔hを10mmにした実施例をシミュレーションした結果をあらわすグラフである。このグラフは、電力伝送効率をSパラメータ(S21)であらわす、周波数fの関数のグラフである。このグラフは、電源回路2から負荷回路4までの電力伝送効率のSパラメータS21を対数表示(単位をdB(デシベル))する。対数表示で、0dBの場合は100%の電力が伝送され、−3dBの場合は50%、−10dBの場合は10%の電力が伝送される。電力の角周波数ω(ω=2πf)をアンテナ固有の共振の角周波数ω0に設定した場合において、電源回路2の出力インピーダンスZ1と、負荷回路4の入力インピーダンスZ2を等しいインピーダンスにした場合には、電力の伝送効率を最大にするインピーダンスは500Ωである。図7(a)のグラフは、Z1=Z2=500Ωにした場合のSパラメータをあらわす。図7(a)の実施例では、Sパラメータのピーク値がほぼ0dBになり、ほぼ100%の電力が伝送できる。第5の実施形態の誘導電力伝送システムでは、送信アンテナ1と受信アンテナ3の誘導結合の効果と容量結合の効果とが足し合わされて強めあって大きな実効的結合係数kが実現している。
(Graph of power transmission efficiency when antenna interval is h = 10 mm)
FIG. 7A is a graph showing a simulation result of an example in which the antenna interval h of the fifth embodiment is 10 mm. This graph is a graph of a function of the frequency f, which represents the power transmission efficiency with the S parameter (S21). In this graph, the S parameter S21 of the power transmission efficiency from the
(比較例1)
実施形態5との比較のために、受信アンテナ3が、送信アンテナ1と同じ側の一端から他端に至るアンテナ配線の経路において、送信アンテナ1の経路と同じ方向に回転して対向する螺旋配線部分を持つ構成の誘導電力伝送システムを比較例1とする。図7(b)には、比較例1のSパラメータのシミュレーション結果を示す。これは、アンテナ間隔hを10mmとした場合のSパラメータをあらわす。図7(b)の場合では、電源回路2の出力インピーダンスZ1と負荷回路4の入力インピーダンスZ2を100Ωにした場合のSパラメータをあらわす。このインピーダンス値はこのシステムの電力伝送効率を最大にするインピーダンスであるが、それでも、そのSパラメータのピーク値はー5dB以下になり、電力伝送効率が32%(−5dBに対応)以下になってしまい効率が悪い。比較例1では電力伝送効率が小さい理由は、送信アンテナ1と対向させる受信アンテナ3の螺旋配線部分の経路を送信アンテナ1の螺旋配線部分の経路と同じ方向に回転させたので、送信アンテナ1と受信アンテナ3の誘導結合の効果と容量結合の効果とが互いに打ち消し合って、式7の第2項で定義する実効的相互インダクタンス(及び実効的結合係数k)を弱めるからである。
(Comparative Example 1)
For comparison with the fifth embodiment, the receiving
(アンテナ間隔h=34mmの場合の電力伝送効率のグラフ)
図8(a)は、第5の実施形態のアンテナ間隔hを34mmにした実施例をシミュレーションした結果の、電力伝送効率をSパラメータ(S21)であらわすグラフである。図8(b)には、比較のために比較例1のアンテナ間隔hを34mmにした場合のSパラメータのシミュレーション結果を示す。図8(a)と(b)は、それぞれ、電源回路2の出力インピーダンスZ1と、負荷回路4の入力インピーダンスZ2を等しいインピーダンスにした場合で電力の伝送効率を最大にする場合のSパラメータをあらわす。図8(a)の実施例の場合では、Z1=Z2=120Ωの場合に、Sパラメータのピーク値がほぼ0dBになり、ほぼ100%の電力が伝送できる。この実施例では、電力伝送効率が100%近くになる周波数の幅が約10MHzくらいになる。この周波数の幅は実効的結合係数kに比例する。
(Graph of power transmission efficiency when antenna interval is h = 34 mm)
FIG. 8A is a graph showing the power transmission efficiency as an S parameter (S21) as a result of simulating an example in which the antenna interval h of the fifth embodiment is 34 mm. FIG. 8B shows a simulation result of the S parameter when the antenna interval h of Comparative Example 1 is set to 34 mm for comparison. FIGS. 8A and 8B show S parameters when the power transmission efficiency is maximized when the output impedance Z1 of the
図8(b)の比較例1の場合では、インピーダンスZ1=Z2=26Ωで電力伝送効率が最大になり、そのSパラメータのピーク値はほぼ0dBになる。すなわち、電力伝送効率がほぼ100%になる周波数が存在する。しかし、比較例1では、電力伝送効率を100%にする周波数の幅は約2MHz程度であって第5の実施形態の実施例の場合の周波数の幅の約5分の1であり狭い周波数帯域幅になる。この周波数帯域幅は実効的結合係数kに比例する。 In the case of Comparative Example 1 in FIG. 8B, the power transmission efficiency is maximized when the impedance is Z1 = Z2 = 26Ω, and the peak value of the S parameter is approximately 0 dB. That is, there is a frequency at which the power transmission efficiency is almost 100%. However, in the first comparative example, the frequency width for setting the power transmission efficiency to 100% is about 2 MHz, which is about one fifth of the frequency width in the example of the fifth embodiment, which is a narrow frequency band. It becomes width. This frequency bandwidth is proportional to the effective coupling coefficient k.
このように、受信アンテナ3の、送信アンテナ1と対向する螺旋配線部分の経路の回転方向を、送信アンテナ1の螺旋配線部分とは逆回りにした第5の実施形態では、送信アンテナ1と受信アンテナ3の誘導結合の効果と容量結合の効果とが足し合わされて強めあって大きな実効的結合係数kが得られる。それにより、大きな電力伝送効率が得られる効果がある。一方、受信アンテナ3の螺旋配線部分の配線の経路の回転方向を送信アンテナ1の螺旋配線部分と同じ回転方向にする比較例1の場合は、誘導結合の効果と容量結合の効果とが互いに打ち消し合って弱めあって実効的結合係数kが大幅に小さくなる。
Thus, in the fifth embodiment in which the direction of rotation of the spiral wiring portion of the
こうして、第5の実施形態では、受信アンテナ3の螺旋配線部分の配線の経路の回転方向を送信アンテナ1とは逆回りにし、電源回路2の出力インピーダンスZ1と負荷回路4の入力インピーダンスZ2を、電力を最大の伝送効率で伝送するインピーダンスに設定し、電源回路2から供給する電力の電流の角周波数ωをアンテナ同士が共鳴する角周波数ωに設定して、送信アンテナ1と受信アンテナ3を介して、負荷回路4に電力を供給することで、電力を効率良く伝送できる。
Thus, in the fifth embodiment, the rotation direction of the wiring path of the spiral wiring portion of the receiving
<第6の実施形態>
第6の実施形態は、第5の実施形態を応用して、送信アンテナ1と、螺旋配線部分の配線の経路の回転方向を送信アンテナ1とは逆回りに配線した受信アンテナ3と、送信アンテナ1の配線の中心に配線に直列に接続した電源回路2と、受信アンテナ3の配線の中心に配線に直列に接続した負荷回路4とで誘導電力伝送システムの1組を構成する。そして、図9のように、その第1の誘導電力伝送システムの1組のアンテナ対の隣りに、同じアンテナ面上に、第2の誘導電力伝送システムによる、もう1組のアンテナ対を併置する。すなわち、第1の誘導電力伝送システムの送信アンテナ1と第2の誘導電力伝送システムの送信アンテナ7を、絶縁基板5の同じ面に隣り合わせに配置し、第1の誘導電力伝送システムの受信アンテナ3と第2の誘導電力伝送システムの受信アンテナ9を、絶縁基板6の同じ面に隣り合わせに配置する。そして、同じ面に隣り合わせて配置する第1の誘導電力伝送システムと第2の誘導電力システムのアンテナ同士は、そのアンテナの螺旋配線部分の経路を、隣り合う誘導電力伝送システムのアンテナの螺旋配線部分の経路と逆回りに回転させる。第2の誘導電力伝送システムでは、送信アンテナ7に電源回路8を接続し受信アンテナ9に負荷回路10(図示しないが)を接続する。
<Sixth Embodiment>
The sixth embodiment applies the fifth embodiment to the
第6の実施形態では、第1の誘導電力伝送システムの送信アンテナ1と第2の誘導電力伝送システムの受信アンテナ7の結合係数は極めて小さくなる。その理由は、そのアンテナ間の距離が遠い上に、送信アンテナ1と受信アンテナ9とは、対向する螺旋配線のアンテナ経路の回転方向が同じ回転方向になる比較例1の誘導電力伝送システムの構成になるので、実効的結合係数が極めて小さくなるからである。これにより、複合化した誘導電力伝送システムにおいて併設した第1の誘導電力伝送システムと第2の誘導電力伝送システム間における電力伝送のクロストークを極めて小さくできる効果がある。
In the sixth embodiment, the coupling coefficient between the transmitting
なお、本発明の送信アンテナ1と受信アンテナ3の寸法は、以上の実施形態で示した寸法に限定されず、無線電力伝送の用途に応じて自由に設定して用いることができる。また、アンテナ配線は、螺旋配線の替わりに多層のコイル状配線を用いることもできる。また、アンテナの形状は、クロソイド(コルニューの渦線)状の形状に限定されず、アンテナ配線の始点から終点に進む経路が、始点側では、螺旋の外側から内側に向かうアンテナ配線、あるいは、終点側では、螺旋の内側から外側に向かうアンテナ配線を用いることもできる。更に、以上の実施形態で用いた絶縁基板はアンテナを支える他の手段置き換えて絶縁基板を空気に置き換えた構成にすることも可能であり、その逆に、空気で隔てたアンテナ間隔hを絶縁体に置き換えた構成にすることも可能である。
The dimensions of the transmitting
本発明は、生体への非侵襲なシステム構成で、生体内に埋め込んだ電子装置にエネルギーを供給する用途に適用できる。また、ディスプレイ装置等に家屋の壁を隔てて誘導エネルギーを供給する用途に適用できる。また、車両などに電力供給設備から非接触で電力を供給する用途に適用できる。また、半導体集積回路内で集積回路の配線層間で非接触で電力あるいは電気信号を伝送する用途に適用できる。更に、電気回路中でインピーダンスZ1をインピーダンスZ2=(ωM)2/Z1に変換するインピーダンス変換回路として用いることもできる。 The present invention can be applied to an application for supplying energy to an electronic device embedded in a living body with a non-invasive system configuration for the living body. Further, the present invention can be applied to an application in which induction energy is supplied to a display device or the like across a wall of a house. Further, the present invention can be applied to an application for supplying electric power to a vehicle or the like from a power supply facility in a contactless manner. Further, the present invention can be applied to an application in which electric power or an electric signal is transmitted in a non-contact manner between wiring layers of an integrated circuit within a semiconductor integrated circuit. Furthermore, it can also be used as an impedance conversion circuit that converts impedance Z1 into impedance Z2 = (ωM) 2 / Z1 in an electric circuit.
1、7・・・送信アンテナ
1a・・・(送信アンテナの)主アンテナ
1b・・・(送信アンテナの)副アンテナ
2、8・・・電源回路
3、9・・・受信アンテナ
3a・・・(受信アンテナの)主アンテナ
3b・・・(受信アンテナの)副アンテナ
4・・・負荷回路
5、6・・・絶縁基板
C、C1・・・容量
h・・・アンテナ間隔
Z1・・・電源回路の出力インピーダンス
Z2・・・負荷回路の入力インピーダンス
DESCRIPTION OF
Claims (4)
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- 2010-12-18 JP JP2010282478A patent/JP2012135066A/en active Pending
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