JP2012134510A - 部品移送装置及び方法 - Google Patents

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昭一 藤森
Toshiharu Shimizu
寿治 清水
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Abstract

【課題】チップ部品の適切なピックアップと移送を行うと共に、作業工程のタクトタイムの短縮を実現する。
【解決手段】部品移送装置は、保持部に複数保持されるウエハ状のチップを吸着ノズルにより取出す。取得手段は、保持部上のチップの位置情報を取得した後、複数のチップのうちの第1のチップを吸着する前に、該第1のチップの位置情報を再度取得することで更新する。決定手段は、(i)第1のチップの更新後の位置情報に基づいて該第1のチップをピックアップ位置に移動するための移動量を決定し、(ii)保持部上の第1のチップを基準とする所定範囲内に保持される第1のチップ以外のチップの位置情報に対して、第1のチップの更新前の位置情報と更新後の位置情報とに基づく補正を行った補正位置情報に基づいて該チップをピックアップ位置に移動するための移動量を決定する。移動手段は、決定された移動量に基づいてチップをピックアップ位置へ移動する。
【選択図】図6

Description

本発明は、チップなどの電子部品をピックアップし、移送先に配列する部品移送装置の技術分野に関する。
この種の装置として、ダイシングにより分割されたウエハ状のチップ部品をピックアップし、ランク毎に移送先に配列する装置が知られている。従来の部品移送装置は、真空ポンプに接続された吸着ノズルにより、チップを上側からピックアップするとともに、下側から突き上げる動作により、一つずつチップをピックアップして移送していた。
しかしながら、上述したチップ部品は、一枚のウエハから非常に多く作成されるため、チップ部品の移送を行う部品移送装置は、多くのチップを短時間で移送することが求められる。例えば、移送工程のタクトタイムの短縮のために、同時に複数のチップを移送可能な構成が求められ、研究が行われている。
下記の先行技術文献には、列状に配置された複数の吸着ノズルで、列毎に一括してチップを吸着し、移送先へ移送する構成が説明されている。この構成では、チップを吸着するに辺り、適切なランクのチップを下側から突上げピンで突き上げることで、ピックアップの補助とピックアップするチップのランク分けとを行っている。
また、複数の吸着ノズルを備え、適切にチップを吸着可能な位置に、各ノズルが個別に位置調節可能な構成についても説明されている。
特許3712695号 特許3719182号
部品移送装置では、多くのチップを短時間で移送するために、移送に係る各種工程のタクトタイムを可能な限り短縮することが求められる。
例えば、タクトタイムを短縮させるために複数の吸着ノズルを用いて、同時に複数のチップをピックアップする構成が開発されている。ところで、上述した先行技術文献に記載されるように列状にノズルが配列される構成では、チップの位置がずれる場合などに対応出来ず、適切なピックアップが行えない場合がある。また、複数のノズルの位置を個別に調整する機構を設ける場合、装置構成が複雑となり、また装置の処理量が複雑となるという技術的な問題がある。
例えば、ダイシング後のウエハは、ウエハが保持される粘着シートを伸長することにより、個別のチップ部品に分割され、吸着ノズルを備えるヘッドによるピックアップ工程に渡される。このとき、時間の経過により粘着シートが伸縮することで、個々のチップ部品の位置が変化する場合がある。
上述した先行技術文献では、粘着シート上のチップ部品をまとめて位置検出して、ピックアップ工程を開始し、更に個々のチップ部品を取出す直前の位置情報を検出する構成についての説明がある。この方法では、全てのチップについて2度ずつ位置検出を行う必要があり、タクトタイムが延長してしまうという技術的な問題がある。また、複数のノズルの夫々に吸着されるチップ部品の全てについて位置検出する必要があり、位置検出に要する時間が延長する虞がある。
例えば、移送先に配列されたチップは、正しく配列されているか否かや、チップの状態について検査が求められる。従来の構成では、配列されるチップについて画像を撮像し、画像認識により、検査が行われている。このとき、チップの配列によっては、適切な検査を行うために複数通りの画像が必要となる場合があり、撮像に要する時間が延長してしまう場合がある。また、複数通りの画像について、個別に画像認識の必要も生じつことから、タクトタイムの延長に繋がる虞がある。
本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑み為されたものであり、チップ部品の適切なピックアップと移送を行うと共に、作業工程のタクトタイムの短縮を実現する部品移送装置及び方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の部品移送装置は、保持部に複数保持されるウエハ状のチップを取り出し、移送先へと移送する部品移送装置であって、前記チップを保持する保持部と、前記保持部に保持される前記チップの位置情報を取得する取得手段と、前記位置情報を格納する格納手段と、所定のピックアップ位置において前記チップを吸着する吸着ノズルと、前記位置情報に基づいて前記チップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定する決定手段と、前記移動量に基づいて、前記保持部を移動することで前記チップを前記ピックアップ位置へ移動する移動手段と、前記保持部上に、前記チップを基準とする所定範囲を設定する範囲設定手段とを備え、前記取得手段は、前記保持部上の前記チップの位置情報を取得した後、複数の前記チップのうちの第1のチップが前記吸着ノズルにより吸着される前に、該第1のチップの位置情報を再度取得することで更新し、前記決定手段は、(i)前記第1のチップの更新後の位置情報に基づいて前記第1のチップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定するとともに、(ii)前記保持部上の前記第1のチップを基準とする前記所定範囲内に保持される前記第1のチップ以外のチップの位置情報に対して、前記第1のチップの更新前の位置情報と更新後の位置情報とに基づく補正を行った補正位置情報に基づいて前記所定範囲内に保持される前記第1のチップ以外のチップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定する。
上記課題を解決するために、本発明の部品移送方法は、保持部に複数保持されるチップを取り出す部品移送装置における部品移送方法であって、前記保持部に保持される前記チップの位置情報を取得する取得工程と、前記位置情報を格納する格納工程と、所定のピックアップ位置において前記チップを吸着する吸着ノズルを制御するノズル制御工程と、前記位置情報に基づいて前記チップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定する決定工程と、前記移動量に基づいて、前記チップを前記ピックアップ位置へ移動する移動工程と、前記保持部上に、前記チップを基準とする所定範囲を設定する範囲設定工程とを備え、前記取得工程は、前記保持部上の複数の前記チップの位置情報を取得した後、複数の前記チップのうち第1のチップが前記吸着ノズルにより吸着される前に、前記第1のチップの位置情報を再度取得することで更新し、前記決定工程は、(i)前記第1のチップの更新後の位置情報に基づいて前記第1のチップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定するとともに、(ii)前記保持部上の前記第1のチップを基準とする前記所定範囲内に保持される前記第1のチップ以外のチップの位置情報に対して、前記第1のチップの更新前の位置情報と更新後の位置情報とに基づく補正を行った補正位置情報に基づいて前記所定範囲内に保持される前記第1のチップ以外のチップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定する。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
本実施例の移送装置の構成を示すブロック図である。 移送装置の各部の位置関係と動作方向を示す図である。 移送装置によるチップのピックアップの態様を示す図である。 チップのピックアップ時の各部の位置関係を示すグラフである。 本実施例の移送装置の動作の流れを示すフローチャートである。 本実施例のピックアップ動作の流れを示すフローチャートである。 ピックアップ動作におけるチップの位置補正の態様を示す図である。 本実施例のプレース動作の流れを示すフローチャートである。 プレース動作時のチップの配置位置と、チップの検査位置の関係を示す図である。 プレース動作時のチップの配置位置と、チップの検査位置の関係を示す図である。 移送装置の変形例の構成を示すブロック図である。 移送装置の変形例の各部の位置関係と動作方向を示す図である。 移送装置の変形例の各部の位置関係と動作方向を示す図である。 移送装置の変形例の各部の位置関係と動作方向を示す図である。 移送装置の変形例の動作の流れを示すフローチャートである。
本発明の部品移送装置に係る実施形態は、保持部に複数保持されるウエハ状のチップを取り出し、移送先へと移送する部品移送装置であって、前記チップを保持する保持部と、前記保持部に保持される前記チップの位置情報を取得する取得手段と、前記位置情報を格納する格納手段と、所定のピックアップ位置において前記チップを吸着する吸着ノズルと、前記位置情報に基づいて前記チップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定する決定手段と、前記移動量に基づいて、前記保持部を移動することで前記チップを前記ピックアップ位置へ移動する移動手段と、前記保持部上に、前記チップを基準とする所定範囲を設定する範囲設定手段とを備え、前記取得手段は、前記保持部上の前記チップの位置情報を取得した後、複数の前記チップのうちの第1のチップが前記吸着ノズルにより吸着される前に、該第1のチップの位置情報を再度取得することで更新し、前記決定手段は、(i)前記第1のチップの更新後の位置情報に基づいて前記第1のチップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定するとともに、(ii)前記保持部上の前記第1のチップを基準とする前記所定範囲内に保持される前記第1のチップ以外のチップの位置情報に対して、前記第1のチップの更新前の位置情報と更新後の位置情報とに基づく補正を行った補正位置情報に基づいて前記所定範囲内に保持される前記第1のチップ以外のチップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定する。
本発明の部品移送装置に係る実施形態によれば、保持部上に保持される複数のウエハ状のチップが、吸着ノズルにより取り出される。保持部は、例えば、チップを複数接着して保持する粘着シートを保持する部材であって、例えば該粘着シートを伸張させた状態で保持可能なリングなどである。このような保持部に対し、チップは、チップ保持面となる平面上(言い換えれば、XY平面)に相互に所定距離離隔した位置に複数保持される。
取得手段は、例えばカメラと該カメラに接続されるCPUから構成され、チップが保持される保持部の画像を撮像し、該画像を解析することで、保持部上のチップの位置情報を取得する。具体的には、CPUは、カメラにより撮像された画像を解析することで、各チップの位置を認識し、ある点を基準とする座標を各チップに設定する。
格納手段は、取得手段を構成するCPUに接続されるメモリなどの情報記録媒体である。取得手段のCPUは、格納手段に、各チップの座標を位置情報として格納する。
吸着ノズルは、真空ポンプなどの減圧装置に接続される円筒状のノズルであって、ピックアップ位置において、円筒の端部(好適には、下端)に当接したチップを吸着し、保持部としての粘着シートから取り出す。例えば、吸着ノズルは、保持部とチップの移送先との間を移動可能な移載用のヘッド部に保持され、吸着ノズルに吸着されるチップの移送を行う。
ここに、ピックアップ位置とは、部品移送装置におけるチップの取り出しが実施される位置であり、具体的には、部品移送装置中のある位置を基準とするX方向及びY方向における所定の位置を示す趣旨である。従って、チップの吸着が行われる際には、チップはピックアップ位置において保持され、吸着ノズルは該チップよりZ方向に所定距離離隔した位置に保持されるが、上述の趣旨に基づき、吸着ノズルの位置についてもピックアップ位置と称している。
決定手段は、保持部に保持されるチップのうち、取り出されるチップがピックアップ位置に来るように、チップの移動量を決定する。決定手段は、例えば、所望のチップの位置情報を読み取り、別途設定されるピックアップ位置の座標と比較することで、移動量を決定する。
移動手段は、保持部上の所望のチップに対して、決定手段により決定される移動量に基づく移動を行うことで、ピックアップ位置まで移動する。例えば移動手段は、チップが保持される保持部を移動することで、チップの移動を行うアクチュエータなどである。
範囲設定手段は、チップの位置情報に対し、別途設定される所定の距離を適用して、各チップについて所定の範囲を設定する。例えば範囲設定手段は、一のチップの座標を中心とする所定範囲を設定する。
本発明の部品移送装置に係る実施形態にチップのピックアップ工程においては、先ず、取得手段が保持部に保持されるチップの夫々について位置情報を取得し、格納手段に格納する。
続いて、保持部に保持されるチップのうちの第1のチップについて取り出しを行うにあたり、取得手段は、再度該第1のチップについて位置情報を取得し、更新情報として格納手段に格納する。その後、決定手段が第1のチップの更新情報に基づいて、第1のチップがピックアップ位置に移動するための移動量を決定し、移動手段が、該移動量に基づいて保持部などを移動させ、第1のチップをピックアップ位置に移動する。ピックアップ位置において、第1のチップが吸着ノズルにより吸着されて取り出される。
次に、第2のチップについて取り出しを行うにあたり、先ず、該第2のチップが、第1のチップの更新前の位置情報に基づく位置を基準とする所定範囲内に保持されるものであるか否かの判定が行われる。第2のチップが該所定範囲内に保持される場合、決定手段は、先ず、第2のチップの位置情報に対し、第1のチップの更新情報と更新前の位置情報との差分を適用し、第2のチップの更新情報を作成する。具体的には、第1のチップの更新情報が、更新前の位置情報に比べてある方向Aに距離Bだけずれている場合、決定手段は、第2のチップの位置情報を該方向Aに距離B分ずらした位置情報を更新情報とする。
そして、決定手段は、第2のチップの更新情報に基づいて、第2のチップがピックアップ位置に移動するための移動量を決定する。該移動量に基づいて移動手段が、保持部などを移動させることで、第2のチップがピックアップ位置に移動される。ピックアップ位置において、第2のチップが吸着ノズルにより吸着されて取り出される。
以降のチップについて取り出しを行う際にも、該チップが第1のチップの更新前の位置情報に基づく位置を基準とする所定範囲内に保持されるものであれば、該チップの位置情報に対して、第1のチップの更新情報と更新前の位置情報との差分を適用し、更新情報を作成する処理を繰り返す。
他方で、第nのチップについて取り出しを行うにあたり、該第nのチップが第1のチップを基準とする所定範囲外に保持される場合、取得手段は、該第nのチップについて再度位置情報を取得し、更新情報として格納手段に格納する。その後、決定手段が第nのチップの更新情報に基づいて、第nのチップがピックアップ位置に移動するための移動量を決定し、移動手段が、該移動量に基づいて保持部などを移動させ、第nのチップをピックアップ位置に移動する。ピックアップ位置において、第nのチップが吸着ノズルにより吸着されて取り出される。
以上、説明した構成と動作によれば、保持部に保持されるチップの夫々について、吸着ノズルによる取り出しを行うためのピックアップ位置までの移動が実施される。かかる移動については、先ず全てのチップについて位置情報を取得した後に、取り出しを行うチップについて再度位置情報の取得が行われる。
チップが保持される粘着シートは、典型的には、ダイシングにより分割されたチップを適切に分離する目的や、相互の接触を防止する目的で、保持部上に伸長された態様で保持される。粘着シートの伸長状態は、時間の経過とともに変化し、粘着シート上に保持されるチップの位置が変化する可能性がある。
チップの位置に変化が生じている場合、変化が生じる前の位置情報を用いるだけでは、適切に該チップをピックアップ位置に移動するための移動量を決定することが出来ない。そこで、取得手段は、取り出される第1のチップについて、取り出しの直前に再度位置情報を取得して、チップの位置情報を更新する。
ところで、粘着シートの伸長状態の変化に起因してチップの位置が変化する場合、一のチップの近傍において保持されるチップについては、該一のチップと同様の位置変化が生じていると判断することが出来る。このため、第1のチップを基準として、同程度の位置変化が生じると想定される所定範囲内に保持されるチップについては、第1のチップの更新された位置情報と更新前の位置情報とに基づく補正を適用することで、位置変化が生じた後の位置情報を推測することが出来る。かかる所定範囲内のチップを移動する場合、位置情報を再度取得することなく、決定手段が推測される位置情報に基づいて、ピックアップ位置に移動するための移動量を決定出来る。このため、取り出されるチップの全てについて夫々取り出される直前に位置情報を取得し直す必要がなくなるため、タクトタイムの短縮が実現出来る。
尚、基準となる第1のチップは、所定範囲内の他のチップの位置変化を推測可能であるならば、複数であってもよい。このとき、決定手段は、測定される複数の第1のチップの位置変化に基づいて、所定範囲内の第2のチップについて適用する補正量を算出し、適用することで上述の効果を享受可能となる。
本発明の部品移送装置に係る実施形態の一の態様では、前記吸着ノズルを複数保持するとともに、前記保持部と前記チップの移送先との間で移動する移載手段と、前記移載手段を移動させることで、前記移載手段に保持される複数の吸着ノズルを一つ一つ順番に前記ピックアップ位置へ移動するノズル移動手段とを更に備える。
移載手段は、吸着ノズルを保持し、該吸着ノズルに吸着されるチップを、所定の移送先へ移動する構成である。移載手段の構成によれば、複数の吸着ノズルを一度の移動でまとめて移送先へと移送することが可能となる。このため、1つずつチップの移送を行っていた従来の装置に比べて、大幅なタクトタイムの短縮が実現出来る。
ノズル移動手段は、移載手段をX方向及びY方向に移動させるアクチュエータである。ノズル移動手段は、移載手段の移動に伴って、該移載手段に保持される吸着ノズルをX方向及びY方向に移動させ、所望の吸着ノズルをピックアップ位置に位置決めする。ノズル移動手段の構成によれば、移載手段に保持される複数の吸着ノズルのうちの一が、ピックアップ位置においてチップの吸着を行った後、移載手段の移動により、複数の吸着ノズルのうちの他の吸着ノズルがピックアップ位置に移動され、ピックアップ位置に移動されたチップの吸着を行う。
従来の装置のように、単一の吸着ノズルのみでチップの移送を実施する場合、第1のチップを吸着した後に、移送先へと移送を完了した後に、再び保持部のピックアップ位置まで吸着ノズルを移動させることが求められる。他方で、本態様の構成によれば、移載手段に保持される吸着ノズルが基準となる第1のチップを吸着した後に、ノズル移動手段によって次の吸着ノズルがピックアップ位置に移動されることで、次のチップの吸着が準備される。このため、第1のチップを吸着した後に、次のチップの吸着を行うまでの所要時間を従来の装置と比べて短縮することが出来る。
上述したように、保持部において粘着シート上に保持されるチップの位置は、時間の経過により、粘着シートの伸長状態とともに変化する。このため、基準となる第1のチップを吸着した後に、該第1のチップを基準とする所定範囲内のチップを吸着する場合、互いのチップの吸着の時間の間隔が離れるほどに、チップの位置が更に変化する可能性がある。
他方で、本態様の移載手段及びノズル移動手段の動作によれば、第1のチップを吸着した後に、次のチップを吸着するまでの時間の間隔を短縮することが出来、吸着ノズル及びチップの位置決めを高精度に実現することが可能となる。
本発明の部品移送装置に係る実施形態の他の態様では、前記移載手段に保持される前記複数の吸着ノズルを前記保持部に保持される前記チップから離隔するように付勢する付勢手段と、前記ピックアップ位置において、前記付勢手段による付勢力に抗して前記吸着ノズルを押圧し、前記チップに当接させることで吸着させるノズル制御手段とを更に備える。
この態様によれば、ノズル制御手段は、ピックアップ位置において吸着ノズルの端部をチップに当接させることでチップの吸着を行わせる。他方で、ノズル制御手段は、吸着ノズルの押圧を解除することで、吸着ノズルはチップを吸着した状態で付勢力により、チップが保持される保持部から離隔する。このとき、吸着ノズルがチップを吸着している場合、チップは保持部上の粘着シートなどから剥離され、取り出される。
このように構成することで、比較的簡単な構成で、チップが保持される粘着シートなどの部材からチップを取り出すことが可能となる。
尚、ノズル制御手段は、ピックアップ位置において吸着ノズルを押圧する構成であるため、かかる押圧が可能な位置において、部品移送装置に対して固定されていることが好ましい。
また、前記ノズル制御手段は、前記ノズル制御手段は、回転カムの駆動により移動されるアーム部材の先端に設けられた端部で前記複数の吸着ノズルのうちの一を押圧する構成であってもよい。
このように構成することで、比較的簡単な構成で、吸着ノズルの押圧と、押圧の解除とを実施出来る。
また、前記ノズル制御手段は、前記複数の吸着ノズルのうちの一を押圧するベアリング状の端部を備える構成であってもよい。
このように構成することで、移載手段に保持される複数の吸着ノズルのうちの、一の吸着ノズルを押圧する際に、該吸着ノズルの端部とノズル制御手段の端部とのX方向又はY方向の位置にずれが生じている場合であっても、隣接する他の吸着ノズルを押圧することを好適に防止出来る。このことは特に、移載手段に保持される複数の吸着ノズルの間のクリアランスが小さい場合に有効となる。
本発明の部品移送装置に係る実施形態の他の態様では、前記保持部に保持される前記複数のチップのうち、前記ピックアップ位置において前記複数の吸着ノズルのうちの一により吸着される一のチップを該吸着ノズル方向へ押圧する押圧手段を更に備える。
この態様によれば、押圧手段は、ピックアップ位置においてZ方向に移動が可能な針状の端部を有する部材であって、吸着ノズルがチップに当接して吸着を行う際に、吸着ノズルが当接する側とは反対側から該チップを吸着ノズル方向に押圧する。
このように構成する場合、チップは、吸着の際に、吸着ノズルの付勢力による力に加えて、同方向に押圧部材により押圧を受ける。このため、保持部において粘着シート上に接着されて保持されるチップをより好適に粘着シートから剥離し、取り出することが可能となる。
尚、押圧手段は、ピックアップ位置においてチップを押圧する構成であるため、かかる押圧が可能な位置において、部品移送装置に対して固定されていることが好ましい。
本発明の部品移送方法に係る実施形態は、保持部に複数保持されるウエハ状のチップを取り出し、移送先へ移送する部品移送装置における部品移送方法であって、前記保持部に保持される前記チップの位置情報を取得する取得工程と、前記位置情報を格納する格納工程と、所定のピックアップ位置において前記チップを吸着ノズルに吸着させるノズル制御工程と、前記位置情報に基づいて前記チップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定する決定工程と、前記移動量に基づいて、前記チップを前記ピックアップ位置へ移動する移動工程と、前記保持部上に、前記チップを基準とする所定範囲を設定する範囲設定工程とを備え、前記取得工程は、前記保持部上の前記チップの位置情報を取得した後、複数の前記チップのうちの第1のチップが前記吸着ノズルにより吸着される前に、該第1のチップの位置情報を再度取得することで更新し、前記決定工程は、(i)前記第1のチップの更新後の位置情報に基づいて前記第1のチップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定するとともに、(ii)前記保持部上の前記第1のチップを基準とする前記所定範囲内に保持される前記第1のチップ以外のチップの位置情報に対して、前記第1のチップの更新前の位置情報と更新後の位置情報とに基づく補正を行った補正位置情報に基づいて前記所定範囲内に保持される前記第1のチップ以外のチップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定することを特徴とする部品移送方法。
本発明の部品移送方法に係る実施形態によれば、上述した本発明の部品移送装置に係る実施形態と同様の各種効果を享受することが出来る。
尚、本発明の部品移送方法に係る実施形態においても、上述した本発明の部品移送装置に係る実施形態の各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
以上説明したように、本発明の部品移送装置に係る実施形態は、保持部と、取得手段と、格納手段と、吸着ノズルと、決定手段と、移動手段と、範囲設定手段とを備える。本発明の部品移送方法に係る実施形態は、取得工程と、格納工程と、ノズル制御工程と、決定工程と、移動工程と、範囲設定工程とを備える。従って、チップ部品の適切なピックアップと移送を行うと共に、作業工程のタクトタイムの短縮を実現することが出来る。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
(1)基本構成
本発明の部品移送装置の実施例である移送装置1の構成を図を参照しながら説明する。
図1は、移送装置1の構成を示す模式図である。該図1において、左右方向をX方向、手前側から奥側に向かう方向をY方向、上下方向をZ方向として、以降の説明を行う。
図1に示されるように、移送装置1は、ピックアップ部10、プレース部20、移載ヘッド30及び制御部40を備えて構成されている。ピックアップ部10とプレース部20とは、X方向に相互に離隔して配置される。
ピックアップ部10は、移送装置1において、チップ100が保持される粘着シート200からチップ100のピックアップを行うユニットである。ピックアップ部10は、ピックアップ台11、ピックアップ台アクチュエータ12、ピックアップハンマ13、上円板カム14、ピックアップモータ15、突き上げ針16、下円板カム17、突き上げモータ18及びカメラ19を備えて構成される。
ピックアップ部10においては、粘着シート200に保持されるチップ100を移載ヘッド30によりピックアップするためのピックアップ位置Puが一か所設定される。ピックアップ位置Puは、ピックアップ部10におけるX方向及びY方向の所定の位置を示す趣旨である。
ピックアップ台11は、チップ100が保持される粘着シート200を保持可能な平坦な面を有する部材である。ピックアップ台11は、粘着シート200の周縁部を保持し、伸縮性のある粘着シート200を伸長することで、粘着シート200上に保持されるチップ100を互いに所定の距離離隔させる。
ピックアップ台アクチュエータ12は、ピックアップ台11をチップ100が保持される面内(言い換えれば、XY平面内)で移動可能であるとともに、該面内でピックアップ台11を回転可能な複数のアクチュエータから成るユニットである。ピックアップ台アクチュエータ12は、制御部40から供給される制御信号に応じて、ピックアップ台11を移動させることで、粘着シート200上に保持される所望のチップ100をピックアップ位置Puに移送する。
ピックアップハンマ13は、ピックアップ位置Puにおいて、粘着シート200の上方に配置されるベアリング状の端部を有する構成である。ピックアップハンマ13のベアリング状の端部は、アームを介して上円板カム14に接続される。上円板カム14は、ピックアップモータ15の回転に応じて回転可能な円板状のカムである。ピックアップモータ15は、制御部40から供給される制御信号に応じて回転し、上円板カム14を回転させる。ピックアップハンマ13は、上円板カム14の回転に応じてアームが移動することで、ベアリング状の端部がZ方向に往復移動する。
突き上げ針16は、ピックアップ位置Puにおいて、粘着シート200の下方に配置される針状の構成である。突き上げ針16は、アームを介して下円板カム17に接続され、下円板カム17の回転に伴って、Z方向に移動する。下円板カム17の回転により、突き上げ針16がZ方向を上方に移動するに従って、突き上げ針16の上端は粘着シート200に接触する。突き上げ針16は、移動範囲の上端において、粘着シート200を貫通し、チップ100に接触するとともに、チップ100を突き上げる。尚、突き上げ針16は、針状の上端がピックアップ位置Puにおいて保持されるチップ100を突き上げ可能な態様で配置される。突き上げモータ18は、制御部40から供給される制御信号に応じて、下円板カム17を回転させる。
カメラ19は、粘着シート200上のピックアップ位置Puに位置調整されるチップ100及び周辺に保持されるチップ100を撮像範囲に収められるよう構成され、配置される。カメラ19において撮像されたチップ100の画像は、制御部40に送信される。
プレース部20は、ピックアップ部10において、吸着ノズル31により吸着されたチップ100を配置シート300に配置する部位であって、プレース台21、プレース台アクチュエータ22、プレースハンマ23、円板カム24、プレースモータ25及びカメラ26を備えて構成される。また、プレース部においては、移載ヘッド30に保持される吸着ノズル31に吸着されるチップ100を配置シート300上に配置する(言い換えればプレースする)ためのプレース位置Plが一か所設定される。
プレース位置plは、プレース部20におけるX方向及びY方向の所定の位置を示す趣旨である。尚、プレース位置Plは、ピックアップ位置PuからX方向に所定の距離離隔した位置に設定される。
プレース台21は、チップ100の配置を行う配置シート300を保持可能な平坦な面を有する部材である。配置シート300は、粘着シート200と同様に粘着性を有するシート上の部材である。プレース台アクチュエータ22は、プレース台21をチップ100が配置される(言い換えれば、プレースされる)面方向(言い換えれば、X方向及びY方向)に移動可能である可動軸を有するアクチュエータである。
プレース台21上に保持される配置シート300には、移載ヘッド30の吸着ノズル31によって保持される複数のチップ100が夫々所定のマージン離隔して配置される。以降、配置シート300上の夫々のチップ100が配置されるべき位置を、チップ配置位置と称して説明する。尚、チップ配置位置は、配置シート300上に複数の列及び行から成るマトリックス状に設定される。
プレースハンマ23は、ベアリング状の端部がアームに接続され、該アームを介して円板カム24に接続される。円板カム24は、プレースモータ25の駆動に応じて回転可能に構成される。円板カム24の回転に伴ってアームが移動することで、プレースハンマ23のベアリング状の端部がZ方向に往復移動する。プレースモータ25は、制御部40から供給される制御信号に応じて、円板カム24を回転させる。
カメラ26は、配置シート300上のプレース位置Plにプレースされるチップ100及び周辺を撮像範囲に収められるよう構成され、配置される。カメラ26において撮像された配置シート300の画像は、制御部40に送信される。
移載ヘッド30は、円筒状の吸着ノズル31を複数保持し、ヘッドアクチュエータ32の動作の下、ピックアップ部10とプレース部20との間を移動し、チップ100のピックアップ動作及びプレース動作を行う。移載ヘッド30は、ピックアップ部10のピックアップ台11及びプレース部20のプレース台21に対して、Z方向上方に配置される。
吸着ノズル31は、移載ヘッド30内に設けられる吸気通路(不図示)を介して、真空ポンプなどの減圧装置(不図示)接続されており、制御部40から供給される制御信号に応じて、当接するチップ100の吸着及び吸着の解除を行う。
ヘッドアクチュエータ32は、制御部40から供給される制御信号に応じて、移載ヘッド30をX方向に移動可能な一軸のアクチュエータである。ヘッドアクチュエータ32は、移載ヘッド30をピックアップ位置Puとプレース位置Plとを結ぶ直線に沿って、図1の矢印で示されるようにピックアップ部10及びプレース部20の間を移動させる。
移載ヘッド30は、吸着ノズル31の下端がチップ100の上端からZ方向に所定距離離隔するよう保持し、更に吸着ノズル31を該保持位置において固定するようZ方向上方に付勢するバネ機構を有する。
移送装置1の各部の位置関係について、図2を参照して更に説明する。図2は、図1の移載装置1をZ方向上方から見た場合のピックアップ部10のピックアップ台11、プレース部20のプレース台21及び移載ヘッド30の配置及び動作方向を示す図である。
図2に示されるように、移載ヘッド30は、ピックアップ部10のピックアップ位置Puと、プレース部20のプレース位置Plとを結ぶ直線上に、複数の吸着ノズル31を夫々所定のマージン離隔した上で一列に保持する。従って、ピックアップ部10においては、ヘッドアクチュエータ32の動作により移載ヘッド30がX方向に移動されることで、移載ヘッド30に保持される吸着ノズル31が一つ一つピックアップ位置Puに移送される。他方で、プレース部20においては、ヘッドアクチュエータ32の動作により移載ヘッド30がX方向に移動されることで、移載ヘッド30に保持される吸着ノズル31が一つ一つプレース位置Plに移送される。
図1に戻り、説明を続ける。制御部40は、ピックアップ部10、プレース部20及び移載ヘッド30の各部の動作を制御する制御用のCPUであって、各部と電気的に接続され、制御信号を供給することなどによって動作の制御を行う。
制御部40は、例えばカメラ19より送信される粘着シート200上のチップ100の画像を解析することで、各チップ100に位置座標を設定する。制御部40は、所望のチップ100位置座標に応じてピックアップ台アクチュエータ12を動作させることで、該チップ100がピックアップ位置Puに来るよう、ピックアップ台11の位置調整を行う。
また、制御部40は、配置シート300上に位置座標を設定し、所望の座標をチップ配置位置として該チップ配置位置がプレース位置Plに来るよう、プレース台アクチュエータ22を動作させてプレース台21の位置調整を行う。
また、制御部40は、カメラ26より送信される画像解析結果に基づいて、配置シート300上に配置されたチップ100の品質の検査や位置情報の取得などを行う。
図3及び図4を参照して、移載ヘッド30の吸着ノズル31が粘着シート200上のチップ100を吸着によりピックアップする動作について説明する。図3は、各部の位置関係を状態1から状態4に分けて記載したものであり、図4は、ピックアップハンマ13の下端及び突き上げ針16の上端の時系列的なZ方向の位置の変化を示すグラフである。以下に説明する各部の動作は、制御部40の制御の下、実施される。
チップ100のピックアップ動作においては、先ず、ピックアップ台アクチュエータ12がピックアップ台11を移動させ、ピックアップ位置Pu(一点破線で示した軸上)に所望のチップ100を移動する。同時に、又は相前後して、ヘッドアクチュエータ32が移載ヘッド30を移動させ、ピックアップ位置Puに所望の吸着ノズル31を移動する(状態1)。このとき、ピックアップハンマ13の下端、及び突き上げ針16の上端は、図4に示されるように夫々の初期位置にある。
続いて、ピックアップモータ15が上円板カム14を回転させ、ピックアップハンマ13を下方に移動させる。ピックアップハンマ13は、移動に伴い、吸着ノズル31の上端に接触した後、吸着ノズル31を上方に付勢するバネ機構の付勢力に抗して吸着ノズル31を下方に押し下げる。押し下げられた吸着ノズル31は、ピックアップハンマ13が移動範囲の下端に達した位置で、チップ100に当接し、チップ100を吸着する。また、突き上げモータ18が下円板カム17を回転させ、突き上げ針16をチップ100に向かって移動させる(状態2)。
続いて、ピックアップモータ15が上円板カム14を回転させ、ピックアップハンマ13を上方に移動することで、吸着ノズル31の押し下げを解除する。押し下げが解除された吸着ノズル31は、バネ機構による付勢により、チップ100を吸着した状態で上方向に移動する。同時に、突き上げ針16の上端が粘着シート200を貫通してチップ100を上方向に突き上げ、チップ100の下端を粘着シート200から剥離させる方向に向かって移動させる(状態3)。
ピックアップハンマ13、及び突き上げ針16が、図4に示されるように夫々の初期位置に戻り、チップ100を下端に吸着させた吸着ノズル31もZ方向における初期位置に戻る。その後、ピックアップ台アクチュエータ12がピックアップ台11を移動させ、ピックアップ位置Puに次のチップ100を移動する。同時に、又は相前後して、ヘッドアクチュエータ32が移載ヘッド30を移動させ、ピックアップ位置Puに次の吸着ノズル31を移動する(状態4)。
以上、説明した動作により、チップ100が移載ヘッド30の吸着ノズル31に吸着される。上述した動作を複数回繰り返すことにより、移載ヘッド30に保持される複数の吸着ノズル31の夫々にチップ100が吸着される。
尚、プレース部20におけるプレース動作についても、同様の手順で実施される。具体的な手順について以下に説明する。チップ100のプレース動作においては、先ず、プレース台アクチュエータ22がプレース台21を移動させ、配置シート300上の所望のチップ配置位置をプレース位置Plに移動する。同時に、又は相前後して、ヘッドアクチュエータ32が移載ヘッド30を移動させ、プレース位置Plにチップ100を吸着する吸着ノズル31を移動する。このとき、プレースハンマ23は、初期位置にある。
続いて、プレースモータ25が円板カム24を回転させ、プレースハンマ23を下方に移動させる。プレースハンマ23は、移動に伴い、吸着ノズル31の上端に接触した後、吸着ノズル31を上方に付勢するバネ機構の付勢力に抗して吸着ノズル31を下方に押し下げる。押し下げられた吸着ノズル31に吸着されるチップ100は、プレースハンマ23が移動範囲の下端に達した位置で、配置シート300に当接する。このとき、制御部40が該チップ100を保持する吸着ノズル31の吸着を解除することで、チップ100が配置シート300上のチップ配置位置に配置される。配置シート300は粘着性を有するため、チップ100はチップ配置位置において配置シート300に接着する。
続いて、プレースモータ25が円板カム24を回転させ、プレースハンマ23を上方に移動することで、吸着ノズル31の押し下げを解除する。押し下げが解除された吸着ノズル31は、バネ機構による付勢により、チップ100を吸着していない状態で上方向に移動する。
プレースハンマ23が初期位置に戻り、チップ100の配置を終えた吸着ノズル31もZ方向における初期位置に戻った後、プレース台アクチュエータ22がプレース台21を移動させ、プレース位置Plに次のチップ配置位置を移動する。同時に、又は相前後して、ヘッドアクチュエータ32が移載ヘッド30を移動させ、プレース位置Plに次のチップ100を吸着する吸着ノズル31を移動する。
以上、説明した動作により、移載ヘッド30により移送されたチップ100が配置シート300上に配置される。上述した動作を複数回繰り返すことにより、移載ヘッド30に保持される複数の吸着ノズル31に夫々吸着されるチップ100が配置シート300上に配置される。
(2)動作例
移送装置1によるピックアップ動作及びプレース動作を含む、全体的な動作の流れを示すフローチャートである図5を参照して移送装置1の動作を説明する。
移送装置1では、一連の動作の開始時に、チップ100が保持される粘着シート200がピックアップ部10のピックアップ台11の上に設置される(ステップS1)。同時に、又は相前後して、チップ100が移動される配置シート300がプレース部20のプレース台21上に設置される(ステップS2)。
次に、ピックアップ部10のカメラ19は、粘着シート200上に保持される全てのチップ100について画像を撮像し、制御部40へと画像情報を送信する。制御部40は、送信された画像情報に基づき、粘着シート200上の各チップ100に座標を設定し、位置情報を生成する(ステップS3)。生成された位置情報は、制御部40内のメモリに格納される。
続いて、制御部40は、移載ヘッド30をピックアップ部10へと移動し(ステップS4)、ピックアップ動作を実行する(ステップS5)。かかるピックアップ動作により、粘着シート200上に保持されるチップ100が、移載ヘッド30内の複数の吸着ノズル31の夫々に吸着される。尚、ピックアップ動作については後に詳述する。
続いて、制御部40は、移載ヘッド30をプレース部20へと移動し(ステップS6)、プレース動作を実行する(ステップS7)。かかるプレース動作により、移載ヘッド30内の複数の吸着ノズル31の夫々に吸着されるチップ100が、配置シート300へと配置される。尚、プレース動作については後に詳述する。
制御部40は、粘着シート200上の移動されるべき全てのチップ100が配置シート300へと移動されるまで(ステップS8:Yes)、ステップS4からステップS7までの一連の動作を繰り返したのち、動作を終了する。
(2−1)ピックアップ動作
移送装置1のピックアップ部10によるチップ100のピックアップ動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。
先ず、制御部40は、最初にピックアップを行うチップ100を基準チップに設定する。カメラ19は、該基準チップについて画像を撮像し、制御部40へと画像情報を送信する。制御部40は、送信された画像情報に基づき、基準チップに再度座標を設定し、位置情報を生成する(ステップS101)。
制御部40は、初めに取得された(図5、ステップS3)全チップ100の位置情報と、改めて取得された基準チップの位置情報とを比較し、基準チップの位置が最初の(即ち、ステップS3において検出された)位置からどれだけずれているかを検出し、ずれを補正するための位置補正量を算出する(ステップS102)。
制御部40は、改めて取得された基準チップの位置情報を適用して、格納される基準チップの位置情報を更新する(ステップS103)。
次に、制御部40は、基準チップの更新後の位置情報に基づいてピックアップ台アクチュエータ12を動作させ、基準チップがピックアップ位置Puに移動されるよう、ピックアップ台11を移動させる(ステップS104)。
同時に、又は相前後して、制御部40は、ヘッドアクチュエータ32を動作させ、チップ100を吸着していない吸着ノズル31がピックアップ位置Puに移動されるよう、移載ヘッド30を移動させる(ステップS105)。
続いて、制御部40は、吸着ノズル31に基準チップを吸着させ、チップ100のピックアップを行う(ステップS106)。具体的には、制御部40は、ピックアップモータ15を駆動させ、ピックアップハンマ13に吸着ノズル31を押し下げさせる。同時に、制御部40は、突き上げモータ18を駆動させ、突き上げ針16にチップ100を突き上げさせる。チップ100は、ピックアップハンマ13に押し下げられた吸着ノズル31と接触することで吸着され、更に吸着ノズル31が上方向に移動するとともに、突き上げ針16により突き上げられることで、粘着シート200より剥離しピックアップされる。
次に、ピックアップ可能なチップ100が存在し(ステップS107:Yes)、且つ、チップ100を吸着していない吸着可能な吸着ノズル31が存在する場合(ステップS108:Yes)、次のチップ100のピックアップが行われる。
制御部40は、次のチップ100について格納されている位置情報を読み出し、該チップ100の座標と更新前の基準チップの座標(即ち、ステップS3において検出された座標)とを比較し、該チップ100の位置が補正量適用エリア内であるか否かの判定を行う。
補正量適用エリアは、基準チップの位置座標を起点とする所定の範囲を示す趣旨である。かかる補正量適用エリア内では、各チップ100について、最初のチップ100位置の検出(即ち、図5のステップS3)から、基準チップの位置の再検出(即ち、図6のステップS101)との間に生じた位置のずれが同様であると見なすことが出来る。チップ100位置のずれは、伸長される粘着シート200の伸縮が大きな要因となっており、ある程度近い範囲内のチップ100であれば、位置のずれは同程度であると考えられる。
図7(a)に基準チップと補正量適用エリアとの位置関係を示す。基準チップAのピックアップを行った後に、ピックアップされるチップ100Bが補正量適用エリア内に存在するのであれば、チップ100Bの位置のずれは、基準チップAの位置のずれと同程度であると考えられる。このため、チップ100Bについて改めて座標を検出して、位置情報の取得を行わなくとも、基準チップAの補正量を適用することで、チップ100Bについてずれた後の位置情報を算出出来ると考えられる。
尚、補正量適用エリアを規定する、基準チップを中心とする所定の範囲は、適宜変更されてよく、例えば、チップ100の位置のずれの要因となる粘着シート200の伸縮性などに応じて適宜変更されてよい。
制御部40は、次のチップ100の位置が基準チップを基準とする補正量適用エリア内である場合(ステップS109:Yes)、基準チップの位置補正量を用いて、該チップ100の位置情報の補正を行う(ステップS110)。具体的には、格納された該チップ100の位置情報に対し、基準チップの位置補正量を適用したものを補正後の位置情報とする。
制御部40は、次のチップ100の補正後の位置情報に基づいて、ピックアップ台アクチュエータ12を動作させ、該チップ100がピックアップ位置Puに移動されるよう、ピックアップ台11を移動させる(ステップS111)。続いて、チップ100を吸着していない次の吸着ノズル31をピックアップ位置Puに移動させ(ステップS105)、該次のチップ100のピックアップを行わせる。
他方で、次のチップ100の位置が基準チップを基準とする補正量適用エリア外である場合(ステップS109:No)、制御部40は、該チップ100を新しい基準チップに設定する。そして制御部40は、新しい基準チップについて、画像の撮像による位置情報の取得(ステップS101)、位置補正量の算出(ステップS102)、及び位置情報の更新(ステップS103)を行い、ステップS104以降のピックアップ動作を実行させる。
具体的には、図7(a)において、チップ100Cをピックアップする場合について例示する。チップ100Cは、基準チップAを基準とする補正量適用エリア外に存在するため、チップ100Cの位置のずれは、基準チップAの位置のずれと同程度であると考えることが出来ない。このため、チップ100Cについては、改めて座標を検出して、位置情報の取得を行うことが求められる。そこで、制御部40は、図7(b)に示されるように、チップ100Cを新しい基準チップに設定して、位置情報の更新を行う。新しく設定された基準チップCを基準とする補正量適用エリア内に存在するチップ100の位置のずれについては、基準チップCの位置のずれと同程度であると考えることが出来る。
制御部40は、ステップS105からステップS111の一連の動作を、ピックアップ可能なチップ100が存在しなくなるまで(ステップS107:No)、又はチップ100を吸着していない吸着可能な吸着ノズル31が存在しなくなるまで(ステップS108:No)、繰り返し実行させる。ピックアップ可能なチップ100が存在しなくなる場合(ステップS107:No)、又はチップ100を吸着していない吸着可能な吸着ノズル31が存在しなくなる場合(ステップS108:No)、制御部40は、ピックアップ動作を終了させる。
以上、説明した構成によれば、移載ヘッド30に保持される複数の吸着ノズル31について、連続して粘着シート200上に保持されるチップ100の吸着動作を行うことが可能となる。このため、移載ヘッド30の一度の移動で、複数のチップ100をまとめてプレース部20へ移送することが可能となる。このため、1つずつ移送を行っていた従来の装置に比べて、大幅なタクトタイムの短縮が実現出来る。
移送装置1では、チップ100の取り出しを行う位置であるピックアップ位置Puを定め、該ピックアップ位置puに1つずつ順番に吸着ノズル31及びチップ100を移送している。このため、比較的短時間で位置決めを行うことが可能となり、タクトタイムの短縮が実現出来る。尚、チップ100の移送と、吸着ノズル31の移送を平行して行うことで、更なるタクトタイムの短縮が見込まれる。また、チップ100の状態や形状に応じて、吸着するチップ100を適宜選択することで、チップ100の仕分けが可能となる。
(2−2)プレース動作
移送装置1のプレース部20によるチップ100のプレース動作について、図8のフローチャートを参照して説明する。
制御部40は、プレース台21上に予め設定された座標などに基づき、プレース台アクチュエータ22を動作させ、配置シート300上の所望のチップ配置位置がプレース位置Plに移動されるよう、プレース台21を移動させる(ステップS201)。
同時に、又は相前後して、制御部40は、ヘッドアクチュエータ32を動作させ、チップ100を吸着している吸着ノズル31がプレース位置Plに移動されるよう、移載ヘッド30を移動させる(ステップS202)。
続いて、制御部40は、吸着ノズル31に吸着されるチップ100が配置シート300上のチップ配置位置に配置されるよう、吸着の解除を行う(ステップS203)。具体的には、制御部40は、モータ205を駆動させ、プレースハンマ23に吸着ノズル31を押し下げさせる。押し下げられた吸着ノズル31に吸着されるチップ100が配置シート300に接触した後に、制御部40は、該吸着ノズル31の吸着を解除し、チップ100を配置シート300上に配置する。
次にプレース可能なチップ100が存在しなくなるまで(ステップS204:No)、制御部40は、ステップS201からステップS203までの一連の動作を繰り返させる。
吸着ノズル31に吸着される全てのチップ100が配置シート300に配置された後(ステップS204:Yes)、制御部40は、カメラ26により配置されたチップ100の画像を撮像し、画像情報の入力を受ける。そして入力された画像情報に基づいて、チップ100が配置されているか否か、チップ100の配列の精度及びチップ100の外観について検査を行う(ステップS208)。チップ100検査後、制御部40は、プレース動作を終了させる。
配置シート300上のチップ配置位置と、配置されたチップ100の検査との関係について説明する。図9(a)は、配置シート300上のチップ配置位置と、一度の撮像でカメラ26に撮像される領域である撮像エリアとを示す図である。
図9(a)に示されるように、チップ配置位置は、夫々XY方向に所定の距離離隔して、マトリックス状に配置されている。カメラ26の撮像エリアは、例えば複数のチップ配置位置を含む長方形の範囲である。図9(a)に示される例では、カメラ26の撮像エリアには、X方向に4個、Y方向に3個、合計12個のチップ100が収まる。
ここで、移載ヘッド30が12本の吸着ノズル31を保持している場合について考える。かかる移載ヘッド30を備える移送装置1では、一度のピックアップ動作及びプレース動作で12個のチップ100を配置シート300に配置可能となる。
また、図9(b)中の矢印に示されるようにチップ100を配置する場合、X方向に6個、Y方向に2個のチップ100が配置される。このとき、次のチップ配置位置は、前のチップ配置位置に隣接しているため(言い換えれば、最短距離にあるため)、一のチップ100の配置から次のチップ100の配置までの間の配置シート300の移動量(言い換えれば、プレース台21の移動量)が最も小さくなる。このため、配置シート300の移動に要する時間も最も小さくなり、タクトタイムの短縮に有益である。
しかしながら、図9(b)中の矢印に示されるようにチップ100を配置する場合、配置される12個のチップ100がカメラ26の撮像エリア内に収まらない。このため、チップ100の検査のために、カメラ26は図9(b)に示されるように、配置シート300を移動させて撮像エリア1及び撮像エリア2について画像を撮像することが求められる。このように複数の画像を取得する場合、タクトタイムの延長や、配置シート300の移動のための処理量の増加などが生じるため、装置動作上好ましくない。
そこで、制御部40は、図9(c)に示されるように、撮像エリア内に全てのチップ100が収まるように、チップ100の配置方法を決定する。具体的には、X方向に4個、Y方向に3個のチップ100が収まるカメラ26の撮像エリアに、12個のチップ100が全て収まるよう、図9(c)中の矢印に示されるようにジグザグの順番に(言い換えれば、矩形波を描くように)にチップ100を配置する位置を決定する。
より詳細には、以下の態様でチップ100の配置が行われる。先ず長方形の撮像エリアの一つの角よりチップ100の配置が開始され、撮像エリアの一つの辺に沿って所定の距離ずつ離隔した位置にチップ100が配置される。チップ100が撮像エリアの他の角に配置された後、上述した辺に直行する辺に沿って、所定の距離離隔した位置にチップ100が配置される。続いて、最初の辺に平行であり、且つ反対の方向に所定の距離ずつ離隔した位置にチップ100が配置される。チップ配置位置が撮像エリアの辺に突き当たった場合、該辺に沿って所定の距離離隔した位置にチップ100が配置される。続いて、最初の辺に平行な方向に所定の距離ずつ離隔した位置にチップ100が配置される。以上の繰り返しにより、チップ100が配置される。
図9(c)中の矢印に示されるようにチップ100の配置を行うことでも、上述したように配置シート300の移動に要する時間が小さくなるため、タクトタイムの短縮に有益である。また、全てのチップ100を配置した後のチップ100の検査の際に、一つの画像で12個のチップ100全てを検査出来るため、画像を撮像するためのタクトタイムの短縮に繋がる。
尚、場合によっては、一度のプレース動作で配置される全てのチップ100を一の撮像エリア内に収めることが出来ない場合もある。
例えば、図10(a)の例では、一の撮像エリア内にX方向に4個、Y方向に3個、合計12個のチップ100が収まる一方で、移載ヘッド30が15本の吸着ノズル31を保持し、一度のプレース動作で15個のチップ100が配置可能である場合について説明している。このとき、制御部40は、可能な限り少ない撮像エリアに全てのチップ100が収まるよう、上述したジグザグの態様でチップ100を配置する位置を決定する。
尚、上述の例では、プレース動作をY方向(言い換えれば、列方向)から開始して、ジグザグに配置していき、撮像エリアをX方向(言い換えれば、行方向)に移動していく例について説明している。これに限らず、図10(b)に示されるように、プレース動作をX方向(行方向)から開始して、ジグザグにチップ100を配置していき、撮像エリアをY方向(列方向)に移動する態様であってもよい。
このようにチップ100を配置する位置を決定することで、チップ100の検査のための画像の撮像に要するタクトタイムの削減を図ることが出来る。上述した構成によって、多少なりとも撮像される画像数を削減することが出来れば、上述の効果を享受可能となる。
(3)変形例
移送装置1の変形例である移送装置1’の構成を図11乃至図14を参照して説明する。
図11乃至図14は、移送装置1’の構成を示す模式図であって、図11は移送装置1’をY方向から見た図であり、図12は移送装置1’をZ方向上方から見た図であり、図13は移送装置1’におけるピックアップ部10’をX方向から見た図であり、図14は移送装置1’におけるプレース部20’をX方向から見た図である。
図11に示されるように、移送装置1’は、ピックアップ部10’、プレース部20’及び制御部40’を備えると共に、移送装置1が備える移載ヘッド30と同様の構成である移載ヘッド30a及び移載ヘッド30bを備える。移載ヘッド30aは、吸着ノズル31と同様の構成である吸着ノズル31aを複数本保持し、移載ヘッド30bは、吸着ノズル31と同様の構成である吸着ノズル31bを複数本保持する。また、移載ヘッド30aは、ヘッドアクチュエータ32と同様の構成であるヘッドアクチュエータ32aによりX方向に移動可能であり、移載ヘッド30bは、ヘッドアクチュエータ32と同様の構成であるヘッドアクチュエータ32bによりX方向に移動可能である。以上説明したように、移送装置1’は、移載ヘッド30、吸着ノズル31、ヘッドアクチュエータ32を二組ずつ備える。
移載ヘッド30aと移載ヘッド30bとは、図12に示されるように、Y方向に所定の距離離隔した位置に配置される。
移送装置1’のピックアップ部10’では、移載ヘッド30aがチップ100の吸着を行うための第1のピックアップ位置Puaと、移載ヘッド30bがチップ100の吸着を行うための第2のピックアップ位置Pubとの2通りのピックアップ位置Puが設定される。同様に、移送装置1’のプレース部20’では、移載ヘッド30aがチップ100の配置を行うための第1のプレース位置Plaと、移載ヘッド30bがチップ100の配置を行うための第2のプレース位置Plbとの2通りのプレース位置Plが設定される。
移載ヘッド30aは、ピックアップ部10’のピックアップ位置Puaと、プレース部20’のプレース位置Plaとを結ぶ直線上に、複数の吸着ノズル31aを夫々所定のマージン離隔した上で一列に保持する。また、移載ヘッド30aが備えるヘッドアクチュエータ32aは、移載ヘッド30aをピックアップ位置Puaとプレース位置Plaとを結ぶ直線に沿って、図12の矢印で示されるようにピックアップ部10’及びプレース部20’の間を移動させる。
移載ヘッド30bは、ピックアップ部10’のピックアップ位置Pubと、プレース部20’のプレース位置Plbとを結ぶ直線上に、複数の吸着ノズル31bを夫々所定のマージン離隔した上で一列に保持する。また、移載ヘッド30bが備えるヘッドアクチュエータ32bは、移載ヘッド30bをピックアップ位置Pubとプレース位置Plbとを結ぶ直線に沿って、図12の矢印で示されるようにピックアップ部10’及びプレース部20’の間を移動させる。
移載ヘッド30aと移載ヘッド30bとは、一方がピックアップ部10’においてピックアップ動作を行っている間、他方はプレース部20’においてプレース動作を行うよう、制御部40’により動作を制御される。
尚、ピックアップ部10’のピックアップ位置Puaとピックアップ位置Pubとは、Y方向に所定距離離隔して設定され、プレース部20’のプレース位置Plaとプレース位置Plbは、Y方向に同距離離隔して設定される。このため、移載ヘッド30aの移動軸と移載ヘッド30bの移動軸とは互いに平行となる。
移送装置1’の各部の構成について、図13及び図14を参照して更に説明する。図13に示されるように、移送装置1’のピックアップ部10’は、移載ヘッド30aが保持する吸着ノズル31aをピックアップ位置Puaにおいて押圧するためのピックアップハンマ13aと、移載ヘッド30bが保持する吸着ノズル31bをピックアップ位置Pubにおいて押圧するためのピックアップハンマ13bとの二つのピックアップハンマを備える。ピックアップハンマ13a及びピックアップハンマ13bは、夫々対応するピックアップ位置において吸着ノズル31b押圧するよう同一のアームを介して上円板カム14に連結される。このため、ピックアップモータ15の動作に応じて上円板カム14が回転する場合、ピックアップハンマ13a及びピックアップハンマ13bが同時にZ方向に移動する。このようなピックアップハンマ13a及びピックアップハンマ13bによれば、ピックアップ部10’においてピックアップ動作中である移載ヘッド30a又は移載ヘッド30bのいずれかに保持される吸着ノズル31が押圧される。
また、図13に示されるように、移送装置1’のピックアップ部10’は、チップ100を突き上げるための突き上げ針16、円板カム17及び突き上げモータ18を含む構成(以降、突き上げ針ユニットと称して説明する)をY方向に移動可能な突き上げ針アクチュエータ50を備える。突き上げ針アクチュエータ50は、制御部40’の制御の下、突き上げ針ユニットの突き上げ針16をピックアップ位置Puaとピックアップ位置Pubとの間で往復移動させるアクチュエータである。
制御部40’は、ピックアップ位置Puaにおけるピックアップ動作時には、突き上げ針アクチュエータ50により突き上げ針ユニットをピックアップ位置Puaに対応する位置に移動させ、突き上げ針16によるチップ100の突き上げ動作を行わせる。他方で、ピックアップ位置Pubにおけるピックアップ動作時には、突き上げ針アクチュエータ50により突き上げ針ユニットをピックアップ位置Pubに対応する位置に移動させ、突き上げ針16によるチップ100の突き上げ動作を行わせる。
図14に示されるように、移送装置1’のプレース部20’は、移載ヘッド30aが保持する吸着ノズル31aをプレース位置Plaにおいて押圧するためのプレースハンマ23aと、移載ヘッド30bが保持する吸着ノズル31bをプレース位置Plbにおいて押圧するためのプレースハンマ23bとの二つのプレースハンマを備える。プレースハンマ23a及びプレースハンマ23bは、夫々対応するプレース位置において吸着ノズル31b押圧するよう同一のアームを介して円板カム24に連結される。このため、上モータ25の動作に応じて円板カム24が回転する場合、プレースハンマ23a及びプレースハンマ23bが同時にZ方向に移動する。このようなプレースハンマ23a及びプレースハンマ23bによれば、プレース部10’においてプレース動作中である移載ヘッド30a又は移載ヘッド30bのいずれかに保持される吸着ノズル31が押圧される。
移送装置1’を用いる一連の移送処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。先ず、チップ100が保持される粘着シート200がピックアップ部10’のピックアップ台11の上に設置される(ステップS1)。同時に、又は相前後して、チップ100が移動される配置シート300がプレース部20’のプレース台21上に設置される(ステップS2)。次に、ピックアップ部10’のカメラ19は、粘着シート200上に配置される全てのチップ100について画像を撮像し、制御部40へと画像情報を送信する。制御部40は、送信された画像情報に基づき、粘着シート200上の各チップ100に座標を設定し、位置情報を生成する(ステップS3)。生成された位置情報は、制御部40内のメモリに格納される。
続いて、制御部40は、移載ヘッド30aをピックアップ部10’へと移動し(ステップS4a)、ピックアップ動作を実行する(ステップS5a)。同時に、制御部40は、移載ヘッド30bをプレース部20’へと移動し(ステップS4b)、プレース動作を実行する(ステップS5b)。尚、動作開始時の初回のプレース動作は、移載ヘッド30bの吸着ノズル31bにチップ100が保持されていないため、実行されない。
続いて、制御部40は、移載ヘッド30aをプレース部20’へと移動し(ステップS6a)、プレース動作を実行する(ステップS7a)。同時に、制御部40は、移載ヘッド30bをピックアップ部10’へと移動し(ステップS6b)、ピックアップ動作を実行する(ステップS7b)。
制御部40は、粘着シート200上の移動されるべき全てのチップ100が配置シート300へと移動されるまで(ステップS8:Yes)、ステップS4からステップS7までの一連の動作を繰り返したのち、動作を終了する。
移送装置1’の動作によれば、移載ヘッド30aがピックアップ部10’でピックアップ動作を行っている間、移載ヘッド30bがプレース部20’でプレース動作を行うことが出来る。このとき、移載ヘッド30a及び移載ヘッド30bの位置関係及び移動経路により、移載ヘッド30aの動作は移載ヘッド30bの動作に影響を与えることなく、移載ヘッド30bの動作は移載ヘッド30aの動作に影響を与えることがない。
このため、移載ヘッド30a及び移載ヘッド30bに平行に動作を行わせることが可能となり、移送装置1の動作による効果に加え、タクトタイムの更なる短縮を実現することが出来る。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう部品移送装置及び方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1 移送装置、
10 ピックアップ部、
11 ピックアップ台、
12 ピックアップ台アクチュエータ、
13 ピックアップハンマ、
14 円板カム、
15 ピックアップモータ、
16 突き上げ針、
17 円板カム、
18 突き上げモータ、
19 カメラ(ピックアップ部)、
20 プレース部、
21 プレース台、
22 プレース台アクチュエータ、
23 プレースハンマ、
24 円板カム、
25 プレースモータ、
26 カメラ(プレース部)、
30 移載ヘッド、
31 吸着ノズル、
32 ヘッドアクチュエータ、
40 制御部、
100 チップ、
200 粘着シート、
300 配置シート。

Claims (7)

  1. 保持部に複数保持されるウエハ状のチップを取り出し、移送先へと移送する部品移送装置であって、
    前記チップを保持する保持部と、
    前記保持部に保持される前記チップの位置情報を取得する取得手段と、
    前記位置情報を格納する格納手段と、
    所定のピックアップ位置において前記チップを吸着する吸着ノズルと、
    前記位置情報に基づいて前記チップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定する決定手段と、
    前記移動量に基づいて、前記保持部を移動することで前記チップを前記ピックアップ位置へ移動する移動手段と、
    前記保持部上に、前記チップを基準とする所定範囲を設定する範囲設定手段と
    を備え、
    前記取得手段は、前記保持部上の前記チップの位置情報を取得した後、複数の前記チップのうちの第1のチップが前記吸着ノズルにより吸着される前に、該第1のチップの位置情報を再度取得することで更新し、
    前記決定手段は、(i)前記第1のチップの更新後の位置情報に基づいて前記第1のチップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定するとともに、(ii)前記保持部上の前記第1のチップを基準とする前記所定範囲内に保持される前記第1のチップ以外のチップの位置情報に対して、前記第1のチップの更新前の位置情報と更新後の位置情報とに基づく補正を行った補正位置情報に基づいて前記所定範囲内に保持される前記第1のチップ以外のチップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定することを特徴とする部品移送装置。
  2. 前記吸着ノズルを複数保持するとともに、前記保持部と前記チップの移送先との間で移動する移載手段と、
    前記移載手段を移動させることで、前記移載手段に保持される複数の吸着ノズルを一つ一つ順番に前記ピックアップ位置へ移動するノズル移動手段とを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の部品移送装置。
  3. 前記移載手段に保持される前記複数の吸着ノズルを前記保持部に保持される前記チップから離隔するように付勢する付勢手段と、
    前記ピックアップ位置において、前記付勢手段による付勢力に抗して前記吸着ノズルを押圧し、前記チップに当接させることで吸着させるノズル制御手段とを更に備えることを特徴とする請求項2に記載の部品移送装置。
  4. 前記ノズル制御手段は、回転カムの駆動により移動されるアーム部材の先端に設けられた端部で前記複数の吸着ノズルのうちの一を押圧することを特徴とする請求項3に記載の部品移送装置。
  5. 前記ノズル制御手段は、前記複数の吸着ノズルのうちの一を押圧するベアリング状の端部を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の部品移送装置。
  6. 前記保持部に保持される前記複数のチップのうち、前記ピックアップ位置において前記複数の吸着ノズルのうちの一により吸着される一のチップを該吸着ノズル方向へ押圧する押圧手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の部品移送装置。
  7. 保持部に複数保持されるウエハ状のチップを取り出し、移送先へ移送する部品移送装置における部品移送方法であって、
    前記保持部に保持される前記チップの位置情報を取得する取得工程と、
    前記位置情報を格納する格納工程と、
    所定のピックアップ位置において前記チップを吸着ノズルに吸着させるノズル制御工程と、
    前記位置情報に基づいて前記チップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定する決定工程と、
    前記移動量に基づいて、前記チップを前記ピックアップ位置へ移動する移動工程と、
    前記保持部上に、前記チップを基準とする所定範囲を設定する範囲設定工程と
    を備え、
    前記取得工程は、前記保持部上の前記チップの位置情報を取得した後、複数の前記チップのうちの第1のチップが前記吸着ノズルにより吸着される前に、該第1のチップの位置情報を再度取得することで更新し、
    前記決定工程は、(i)前記第1のチップの更新後の位置情報に基づいて前記第1のチップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定するとともに、(ii)前記保持部上の前記第1のチップを基準とする前記所定範囲内に保持される前記第1のチップ以外のチップの位置情報に対して、前記第1のチップの更新前の位置情報と更新後の位置情報とに基づく補正を行った補正位置情報に基づいて前記所定範囲内に保持される前記第1のチップ以外のチップを前記ピックアップ位置に移動するための移動量を決定することを特徴とする部品移送方法。
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