JP2012134357A - Cmp研磨液用洗浄液、これを用いた洗浄方法、並びにこれを用いた半導体基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 研磨速度の低下を抑制すると共に研磨傷の発生を抑制することが可能なCMP研磨液の洗浄液、これを用いた洗浄工程、並びにこれを用いた半導体基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】 CMP研磨液の供給装置を洗浄するための洗浄液であって、強酸を含有するCMP研磨液用洗浄液。CMP研磨液用洗浄液に含まれる強酸は、硫酸、シュウ酸、次亜塩素酸、フッ酸、硝酸、塩酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】 CMP研磨液の供給装置を洗浄するための洗浄液であって、強酸を含有するCMP研磨液用洗浄液。CMP研磨液用洗浄液に含まれる強酸は、硫酸、シュウ酸、次亜塩素酸、フッ酸、硝酸、塩酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、CMP研磨液用洗浄液、これを用いた洗浄方法、並びにこれを用いた半導体基板の製造方法に関する。特に、本発明は、半導体素子等の電子部品製造技術における基体表面の平坦化工程、例えば、層間絶縁膜の平坦化工程、STI(Shallow Trench Isolation:浅溝素子分離)の形成工程等において使用されるCMP研磨液用洗浄液、これを用いた洗浄方法、並びにこれを用いた半導体基板の製造方法に関する。
半導体装置の超々大規模集積回路では、実装密度を高める傾向にあり、種々の微細加工技術が研究、開発されている。デザインルールは、既にサブハーフミクロンのオーダー(500nm以下)になっている。このような厳しい微細化の要求を満足する技術として、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)技術が挙げられる。CMP技術は、半導体装置等の電子部品の製造工程において、露光が施される層の表面を平坦化し、露光工程における技術的負担を軽減し、歩留まりを安定させることができる。そのため、CMP技術は、例えば層間絶縁膜の平坦化、STIの形成等の際に必須となる技術である。
従来、半導体装置の製造工程において、プラズマ−CVD(Chemical Vapor Deposition、化学的蒸着法)、低圧−CVD等の方法で形成される酸化ケイ素膜等の無機絶縁膜を平坦化するためのCMP研磨液として、フュームドシリカを含むシリカ系のCMP研磨液が検討されている。シリカ系のCMP研磨液は、シリカ粒子を、四塩化珪素を熱分解する等の方法で粒成長させ、pH調整を行って製造される。しかしながら、このようなCMP研磨液では、被研磨膜である無機絶縁膜の研磨速度が低下してしまうという技術課題がある。
一方、フォトマスクやレンズ等のガラス表面に対するCMP研磨液として、酸化セリウム粒子を含有するCMP研磨液が用いられている。酸化セリウム粒子は、シリカ粒子やアルミナ粒子に比べ硬度が低いことから、研磨に用いても被研磨面に傷が入りにくい。したがって、酸化セリウム粒子は、仕上げ鏡面研磨に有用である。また、酸化セリウム粒子を含有するCMP研磨液は、シリカ粒子を含有するCMP研磨液に比べて研磨速度に優れるという利点がある。また、近年、高純度の酸化セリウム粒子を用いた半導体用CMP研磨液が知られている(例えば特許文献1参照)。
酸化セリウム粒子は、シリカ粒子に比べ密度が高いため沈降しやすく、研磨速度が低下する場合がある。そのため、研磨速度を向上させる観点から、適当な分散剤を使用することにより酸化セリウム粒子の分散性を向上させたCMP研磨液が知られている(例えば特許文献2参照)。
また、酸化セリウム粒子を含有するCMP研磨液に添加剤を加えることにより、研磨速度を制御し、グローバルな平坦性を向上させることが知られている(例えば特許文献3参照)。
ところで、近年、集積回路の実装密度は更に高くなる傾向にあり、例えばSTI工程が適用される基板のトレンチ幅においては、より一層の微細化が進んでいる。このような微細化レベルの向上に伴い、半導体基板の表面に生じた研磨傷が半導体基板の信頼性や歩留まりに与える影響が大きくなっている。したがって、酸化セリウム粒子を含有するCMP研磨液は、上述のようにシリカ粒子を含有するCMP研磨液と比較して研磨傷が少ないという利点があるものの、従来の研磨傷の低減レベルでは充分でなく、研磨傷を低減する要求は更に厳しくなっている。
また、酸化セリウム粒子を含有するCMP研磨液において、研磨傷を低減する手法として、酸化セリウム粒子中の不純物を除去する手法や、酸化セリウム粒子の粒子径を微細化する手法、大粒子を除去する手法等が検討されている。しかし、これらの手法では、被研磨面の平坦性や研磨速度が低下する等の不具合が生じ、研磨傷の発生の抑制と他の特性との両立が難しい場合がある。特に、研磨速度の低下は、スループットの低下を引き起こすため、研磨速度の低下を抑制すると共に、研磨傷の発生を抑制することが望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、研磨速度の低下を抑制すると共に研磨傷の発生を抑制することが可能なCMP研磨液の洗浄液、並びに洗浄工程、これを用いた半導体基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、CMP研磨液の供給において、鋭意検討した結果、CMP研磨液の供給装置を、強酸を含有する洗浄液を用いて洗浄することによって、研磨傷の発生を抑制することができることを見出した。ここで、供給装置としては、例えば、CMP研磨液を溜めるための供給タンク、前記CMP研磨液を研磨する研磨定盤上に供給する供給口、前記供給タンクと前記供給口を接続する部分の少なくとも一部を構成する供給配管等が挙げられる。
すなわち、本発明に係るCMP研磨液の洗浄液、及び洗浄方法、半導体基板の製造方法は、洗浄液が強酸を含有するものであり、この洗浄液を用いてCMP研磨液の供給タンク及び供給配管を洗浄する工程を有する半導体基板の製造方法に関する。
CMP研磨液は、長期間使用することによって、供給タンク及び供給配管、ポンプ等に、砥粒やその他の成分の付着を生じる場合がある。これらの付着が剥離又は流出することにより、研磨傷が生じると考えられる。
供給タンク及び供給配管を洗浄する工程では、洗浄液として、強酸を含有するものを用いることにより、付着した砥粒やその他の成分を溶解除去し、研磨傷の発生を抑制することができる。
本発明のCMP研磨液用洗浄液に含まれる強酸は、硫酸、シュウ酸、次亜塩素酸、フッ酸、硝酸、塩酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物であることが好ましい。
CMP研磨液用洗浄液中の強酸の濃度は、溶液全体の0.1〜30質量%であることが好ましい。
また、CMP研磨液用洗浄液のpHは3以下であることが望ましい。
本発明のCMP研磨液用洗浄液は、砥粒として酸化セリウムを含むCMP研磨液の供給装置を洗浄するために用いることができる。
洗浄工程は供給タンク及び供給配管からCMP研磨液を抜き取った状態で行うことが望ましく、洗浄液を循環しながら洗浄することがより望ましい。更に望ましくは砥粒及びその他の成分が溶解するのに充分な時間、洗浄液を循環することが挙げられる。
また、洗浄工程後、純水で充分に置換することが望ましい。洗浄液とCMP研磨液が混じることにより砥粒の凝集が生じ、研磨傷が生じる可能性がある。
本発明に係る洗浄液は、上記洗浄液を用いて、洗浄されたCMP研磨液の供給タンク及び供給配管を用いてCMP研磨液を供給し、基体に形成された被研磨膜を研磨する工程を備える。
本発明に係る研磨方法では、上記洗浄されたCMP研磨液の供給タンク及び供給配管を用いていることにより、研磨傷の発生を抑制することができる。
本発明に係る半導体基板の製造方法は、上記洗浄液及び洗浄工程を用いて、洗浄されたCMP研磨液の供給タンク及び供給配管を使用してCMP研磨液を供給し、半導体基板に形成された無機絶縁膜を研磨する工程を備える。
本発明に係る半導体基板の製造方法では、上記洗浄液及び洗浄工程を用いて、洗浄されたCMP研磨液の供給タンク及び供給配管を使用しているため、研磨傷の発生を抑制することができる。
本発明によれば、研磨傷の発生を抑制することができるCMP研磨液用洗浄液、並びに、これを用いた洗浄方法そして半導体基板の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明のCMP研磨液の洗浄液は、強酸を含有する。前記強酸は、硫酸、シュウ酸、次亜塩素酸、フッ酸、硝酸、塩酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物であることが好ましく、前記強酸の濃度は、溶液全体の0.1〜30質量%であることが好ましい。0.1質量%以上であると、充分な洗浄効果が得られ、30質量%以下であると、半導体基板の腐食を抑制することができる。
(硫酸、シュウ酸、次亜塩素酸、フッ酸、硝酸、塩酸)
硫酸、シュウ酸、次亜塩素酸、フッ酸は、硝酸、塩酸は、市販のものを一般的に使用することができる。特に品位を規定するものではないが、不純物の含有量は少ないことが望ましく、純度が97%以上のものが望ましい。例えば、和光純薬工業株式会社の試薬特級等があげられる。
硫酸、シュウ酸、次亜塩素酸、フッ酸は、硝酸、塩酸は、市販のものを一般的に使用することができる。特に品位を規定するものではないが、不純物の含有量は少ないことが望ましく、純度が97%以上のものが望ましい。例えば、和光純薬工業株式会社の試薬特級等があげられる。
(溶媒)
洗浄液の溶媒としては、特に制限されないが、脱イオン水、イオン交換水、超純水等が好ましい。洗浄液における水の含有量は、上記含有成分の含有量の残部でよく、洗浄液中に含有されていれば特に限定されない。なお、洗浄液は、必要に応じて水以外の溶媒、例えば、エタノール、酢酸、アセトン等の極性溶媒等を更に含有してもよい。
洗浄液の溶媒としては、特に制限されないが、脱イオン水、イオン交換水、超純水等が好ましい。洗浄液における水の含有量は、上記含有成分の含有量の残部でよく、洗浄液中に含有されていれば特に限定されない。なお、洗浄液は、必要に応じて水以外の溶媒、例えば、エタノール、酢酸、アセトン等の極性溶媒等を更に含有してもよい。
(その他の成分)
その他の成分として、pHの調整や砥粒の溶解及び錯体形成の反応性を向上する為に、有機酸を添加することができる。
その他の成分として、pHの調整や砥粒の溶解及び錯体形成の反応性を向上する為に、有機酸を添加することができる。
有機酸としては、ヒドロキシカルボン酸やアルキルスルホン酸から選ばれる、1種類以上の有機酸を用いることができる。
ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、キナ酸、シキミ酸、グルコン酸等が挙げられる。
アルキルスルホン酸としては、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等が挙げられる。
その他の成分の含有量は、合計が溶液全体の30質量%以下で混合することが望ましい。
(洗浄液の特性)
洗浄液のpHは、砥粒の溶解及び錯体形成の反応性を向上する為に、3以下が好ましい。pHが3より大きいと、砥粒との反応が不充分であり、充分な洗浄効果が得られない可能性がある。
洗浄液のpHは、砥粒の溶解及び錯体形成の反応性を向上する為に、3以下が好ましい。pHが3より大きいと、砥粒との反応が不充分であり、充分な洗浄効果が得られない可能性がある。
洗浄液のpHは、pHメータ(例えば、電気化学計器株式会社製、型番:PHL−40)で測定することができる。より具体的には、pHは標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液 pH:4.01(25℃)、中性リン酸塩pH緩衝液 pH:6.86(25℃))を用いて、2点校正した後、電極を研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値をpHの値として測定することができる。
(CMP研磨液の供給タンク及び供給配管の材質と洗浄方法)
本実施形態に係る洗浄方法は、上記洗浄液を用いて、CMP研磨液の供給タンク及び供給配管を洗浄する工程を備える。
本実施形態に係る洗浄方法は、上記洗浄液を用いて、CMP研磨液の供給タンク及び供給配管を洗浄する工程を備える。
以下、上記洗浄液を用いてCMP研磨液の供給タンク及び供給配管を洗浄する洗浄方法及び洗浄工程について具体的に説明する。CMP研磨液の供給設備としては、一般に、任意の濃度に混合及び希釈を行い、CMP研磨液を混合及び供給する供給タンク、CMP研磨液の沈降を防止するための循環配管、研磨機まで送液するための供給配管及びポンプとを有する。
CMP研磨液を作製、供給する供給タンクはステンレス(SUS)製、PTFE樹脂製、ビニル樹脂(PVC)製等が挙げられ、いずれの供給タンクでも同一の洗浄液及び洗浄工程で同一の効果が得られると考えられる。
また、循環配管及び供給配管はステンレス(SUS)製、PTFE樹脂製、ビニル樹脂(PVC)製等が挙げられ、いずれの配管でも同一の洗浄液及び洗浄工程で同一の効果が得られると考えられる。
更に、ポンプは、レビトロポンプ、ダイヤフラムポンプ、ローラーポンプ等が挙げられ、いずれの配管でも同一の洗浄液及び洗浄工程で同一の効果が得られると考えられる。
洗浄は、砥粒の錯イオンの形成及び溶解で行うため、供給タンク及び供給配管からCMP研磨液を全量抜き出した状態で行うことが望ましい。
空の供給タンクに上記洗浄液を注ぎ入れ、CMP研磨液の流れる循環配管や供給配管及びポンプを循環しながら洗浄を行う。洗浄は、砥粒が充分に錯イオン形成及び溶解するまで行う。特に洗浄方法を制限するものではないが、一般に、洗浄時間は4時間以上行うことが望ましい。
洗浄後、洗浄液は全て抜き出し、純水にて充分に置換することが望ましい。
(研磨方法)
本実施形態に係る半導体基板の製造方法は、上記洗浄液を用いて洗浄されたCMP研磨液の供給タンク及び供給配管を使用してCMP研磨液を供給し、半導体基板に形成された被研磨膜を研磨する工程を備える。CMP研磨液は酸化セリウム粒子を砥粒として含有するものであり、被研磨膜は、例えば、酸化ケイ素膜等の無機絶縁膜である。
本実施形態に係る半導体基板の製造方法は、上記洗浄液を用いて洗浄されたCMP研磨液の供給タンク及び供給配管を使用してCMP研磨液を供給し、半導体基板に形成された被研磨膜を研磨する工程を備える。CMP研磨液は酸化セリウム粒子を砥粒として含有するものであり、被研磨膜は、例えば、酸化ケイ素膜等の無機絶縁膜である。
研磨に用いる研磨装置としては、例えば、基板を保持するホルダーと、研磨パッドが貼り付けられる研磨定盤と、研磨パッド上に研磨液を供給する手段とを備える装置が好適である。研磨装置としては、例えば、株式会社荏原製作所製の研磨装置、型番:EPO−111、Applied Materials社製の研磨装置、商品名:Mirra3400、Reflexion研磨機等が挙げられる。
研磨部材として研磨パッドを例示したが、研磨部材はこれに限られるものではない。研磨パッドとしては、特に制限はなく、例えば、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等を使用することができる。また、研磨パッドは、研磨液が溜まるような溝加工が施されたものが好ましい。また、研磨パッドは、CMP研磨液の表面張力が研磨パッド表面の臨界表面張力より小さくなるようなものが好ましい。これらの研磨パッドを用いることにより、CMP研磨液が研磨パッド上で均一に分散することができる。
研磨条件としては、特に制限はないが、基板が飛び出さないようにする見地から、研磨定盤の回転速度は200min−1以下が好ましい。また、基板にかける圧力(加工荷重)は、研磨面の傷の増加を更に抑制するという見地から、100kPa以下が好ましい。加工荷重は、研磨速度の被研磨面内の均一性及びパターンの平坦性を満足するため、5〜50kPaがより好ましい。研磨中は、ポンプ等によって研磨パッドに研磨液を連続的に供給することが好ましい。研磨液の供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われるようにすることが好ましい。具体的には、研磨パッドの面積1cm2当たり研磨液が0.005〜0.40ml/min供給されることが好ましい。
研磨終了後、流水中で基板を充分に洗浄し、更にスピンドライヤ等を用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。このような処理により、基板表面の凹凸を解消し、基板全面にわたって平滑な面を得ることができる。また、膜の形成及びこれを研磨する工程を所定の回数繰り返すことによって、所望の層数を有する基板を製造することができる。
このようにして得られた基板は、種々の電子部品として使用することができる。具体例としては、半導体素子、MEMS等の機械要素部品、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザー単結晶、青色レーザーLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明する。なお、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜7、比較例1〜5]
(洗浄液の調製)
表1、2に示す配合量で、市販の硫酸、硝酸、フッ酸の希釈を行った。得られた酸に、必要に応じて有機酸を加え表1、2に示す洗浄液を得た。
(洗浄液の調製)
表1、2に示す配合量で、市販の硫酸、硝酸、フッ酸の希釈を行った。得られた酸に、必要に応じて有機酸を加え表1、2に示す洗浄液を得た。
pHメータ(電気化学計器株式会社製、型番:PHL−40)を用いて、洗浄液のpHを測定した。標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液 pH:4.01(25℃)、中性リン酸塩pH緩衝液 pH:6.86(25℃))を用いて2点校正した後、電極を洗浄液に入れて、2分以上経過して安定した後の値をpHとした。
また、洗浄液を用いてCMP研磨液供給配管を24時間循環洗浄し、充分に純水で置換した供給配管を得た。洗浄した結果、酸化セリウム粒子の除去有無を表1、2に示す。
表1、2に示す供給配管及び酸化セリウム粒子を含むCMP研磨液を用いて研磨評価を行った。
(酸化セリウム粒子の作製)
酸化セリウム粒子を焼成法により作製した。すなわち、炭酸セリウム:約6kgをアルミナ製容器に入れ、800℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の焼成粉末を約3kg得た。線源をCuKα線とするX線回折法で、この焼成粉末の相同定を行ったところ、酸化セリウムであることを確認した。また、粉末X線回折パターンから求められる酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.31°であった。
酸化セリウム粒子を焼成法により作製した。すなわち、炭酸セリウム:約6kgをアルミナ製容器に入れ、800℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の焼成粉末を約3kg得た。線源をCuKα線とするX線回折法で、この焼成粉末の相同定を行ったところ、酸化セリウムであることを確認した。また、粉末X線回折パターンから求められる酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.31°であった。
上記により得られた酸化セリウム粉末:3kgをジェットミルを用いて、複数の結晶子で構成され、結晶粒界を有する多結晶の酸化セリウム粒子が残存するように乾式粉砕した。粉砕時間及び粉砕圧力のいずれか又は両方を調整し、平均粒径が0.10μm及び0.15μmの酸化セリウム粒子をそれぞれ得た。酸化セリウム粒子の平均粒径は、株式会社堀場製作所製、商品名:LA−920(光源:He−Neレーザー及びWレーザー)を用いて測定した。
(CMP研磨液の調製)
表1、2に示すように、平均粒径が0.10μm又は0.15μmの酸化セリウム粒子を分散剤を使用して水に分散させ、分散液を得た。得られた分散液に表1、2に示す添加剤の水溶液を添加しCMP研磨液を得た。なお、分散剤の配合量は、添加剤の配合量に影響を与えない程度の少量とし、0.5%未満とした。
表1、2に示すように、平均粒径が0.10μm又は0.15μmの酸化セリウム粒子を分散剤を使用して水に分散させ、分散液を得た。得られた分散液に表1、2に示す添加剤の水溶液を添加しCMP研磨液を得た。なお、分散剤の配合量は、添加剤の配合量に影響を与えない程度の少量とし、0.5%未満とした。
(ベアウエハの準備)
φ200mmのシリコン(Si)基板上に、プラズマ−CVD法で、厚さ1000nmの酸化ケイ素(SiO2)膜を成膜して、被研磨膜として平坦な酸化ケイ素膜を有するベアウエハを得た。
φ200mmのシリコン(Si)基板上に、プラズマ−CVD法で、厚さ1000nmの酸化ケイ素(SiO2)膜を成膜して、被研磨膜として平坦な酸化ケイ素膜を有するベアウエハを得た。
上記CMP研磨液を用いてベアウエハの酸化ケイ素膜を研磨した。また、研磨したウエハを用いて、研磨傷の数、研磨速度を下記の条件で測定した。なお、実施例1〜7、比較例1〜5における基板の研磨及び各測定は、同日に行った。
研磨装置(株式会社荏原製作所製の研磨装置、型番:EPO111)を用いてウエハを以下のように研磨した。まず、基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに、上記ベアウエハをセットした。次に、上記研磨装置のφ600mmの研磨定盤に、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッド(溝形状:パーフォレートタイプ、Rohm and Haas社製、型番:IC1000)を貼り付けた。更に、被研磨膜が研磨パッドと対向するように上記ホルダーを設置した。加工圧力は34.3kPaに設定した。
CMP研磨液を研磨定盤上に200ml/minの速度で滴下しながら、研磨定盤と、ベアウエハを50min−1で1分間回転させ、研磨パッドにより被研磨膜を研磨した。研磨後のウエハを純水で良く洗浄後、乾燥した。
(研磨傷数の測定)
研磨終了後のベアウエハについて、Applied Materials社製のウエハ検査装置、商品名:Complusを用いて、検出異物サイズを0.2μmに設定して異物を検出した。検出される異物には、傷以外の付着物が含まれるため、SEMで各異物を観察し、凹みを研磨傷と判断し、研磨傷数をカウントした。なお、測定には、死角面積3000mm2のφ200mmベアウエハを使用した。研磨傷数の測定結果を表1、2に示す。
研磨終了後のベアウエハについて、Applied Materials社製のウエハ検査装置、商品名:Complusを用いて、検出異物サイズを0.2μmに設定して異物を検出した。検出される異物には、傷以外の付着物が含まれるため、SEMで各異物を観察し、凹みを研磨傷と判断し、研磨傷数をカウントした。なお、測定には、死角面積3000mm2のφ200mmベアウエハを使用した。研磨傷数の測定結果を表1、2に示す。
(研磨速度の測定)
大日本スクリーン製造株式会社製の膜厚測定装置、商品名:RE−3000を用いて、ベアウエハにおける酸化ケイ素膜の研磨前後の膜厚を測定し、1分当たりの研磨速度を算出した。研磨速度の測定結果を表1、2に示す。
大日本スクリーン製造株式会社製の膜厚測定装置、商品名:RE−3000を用いて、ベアウエハにおける酸化ケイ素膜の研磨前後の膜厚を測定し、1分当たりの研磨速度を算出した。研磨速度の測定結果を表1、2に示す。
表1、2中の洗浄性において、「○」及び「×」で表される内容は下記の通りである。
○:洗浄が充分であり、目視で砥粒及びその他の付着がない状態。
×:目視で砥粒の付着が確認できる状態。
○:洗浄が充分であり、目視で砥粒及びその他の付着がない状態。
×:目視で砥粒の付着が確認できる状態。
なお、表1、2中の添加剤において、「A」及び「B」で表される化合物は、下記の通りである。
A:亜硫酸アンモニウムを開始剤にアクリルモノマーを重合して得られた重量平均分子量:4000のポリアクリル酸アンモニウム塩。
B:市販のアスコルビン酸。
A:亜硫酸アンモニウムを開始剤にアクリルモノマーを重合して得られた重量平均分子量:4000のポリアクリル酸アンモニウム塩。
B:市販のアスコルビン酸。
添加剤Aの重量平均分子量は、下記の条件で求めた。
(条件)
試料:10μl
標準ポリスチレン:東ソー株式会社製標準ポリスチレン(重量平均分子量:190000、17900、9100、2980、578、474、370、266)
検出器:株式会社日立製作所製、RI−モニター、商品名:L−3000
インテグレーター:株式会社日立製作所製、GPCインテグレーター、商品名:D−2200
ポンプ:株式会社日立製作所製、商品名:L−6000
デガス装置:昭和電工株式会社製、商品名:Shodex DEGAS
カラム:日立化成工業株式会社製、商品名:GL−R440、GL−R430、GL−R420をこの順番で連結して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:23℃
流速:1.75ml/min
測定時間:45分
(条件)
試料:10μl
標準ポリスチレン:東ソー株式会社製標準ポリスチレン(重量平均分子量:190000、17900、9100、2980、578、474、370、266)
検出器:株式会社日立製作所製、RI−モニター、商品名:L−3000
インテグレーター:株式会社日立製作所製、GPCインテグレーター、商品名:D−2200
ポンプ:株式会社日立製作所製、商品名:L−6000
デガス装置:昭和電工株式会社製、商品名:Shodex DEGAS
カラム:日立化成工業株式会社製、商品名:GL−R440、GL−R430、GL−R420をこの順番で連結して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:23℃
流速:1.75ml/min
測定時間:45分
表1、2に示されるように、実施例1〜7の評価結果では、いずれも研磨傷数が少ないことが確認された。これに対し、比較例1〜5では、実施例1〜7よりも研磨傷数が増加することが確認された。
Claims (7)
- CMP研磨液の供給装置を洗浄するための洗浄液であって、強酸を含有するCMP研磨液用洗浄液。
- 強酸が硫酸、シュウ酸、次亜塩素酸、フッ酸、硝酸、塩酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物である請求項1に記載のCMP研磨液用洗浄液。
- 強酸の濃度が溶液全体の0.1〜30質量%である請求項1又は2に記載のCMP研磨液用洗浄液。
- pHが3以下である、前記請求項1〜3のいずれかに記載のCMP研磨液用洗浄液。
- 砥粒として酸化セリウムを含むCMP研磨液の供給装置を洗浄するためのものである、請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄液。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄液を用いてCMP研磨液の供給装置を洗浄する洗浄方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄液を用いてCMP研磨液の供給装置を洗浄する工程と、洗浄された前記CMP研磨液の供給装置により供給されるCMP研磨液を用いて基板を研磨する工程とを含む、基板の製造方法。
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JP2010285803A JP2012134357A (ja) | 2010-12-22 | 2010-12-22 | Cmp研磨液用洗浄液、これを用いた洗浄方法、並びにこれを用いた半導体基板の製造方法 |
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JP2010285803A JP2012134357A (ja) | 2010-12-22 | 2010-12-22 | Cmp研磨液用洗浄液、これを用いた洗浄方法、並びにこれを用いた半導体基板の製造方法 |
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---|---|---|---|---|
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-
2010
- 2010-12-22 JP JP2010285803A patent/JP2012134357A/ja active Pending
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KR20190127775A (ko) | 2017-03-31 | 2019-11-13 | 간또 가가꾸 가부시끼가이샤 | 세정액 조성물 |
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