JP2012133867A - 回折素子を有する光ピックアップ装置及びそれを備えた光記録及び再生装置 - Google Patents

回折素子を有する光ピックアップ装置及びそれを備えた光記録及び再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 回折素子を使う光ピックアップ装置において、情報の記録及び再生に使われていない他の次数の回折光によるノイズを防止することにある。
【解決手段】 光記録媒体に記録された情報を再生したり光記録媒体に情報を記録するための光ピックアップ装置が開示される。光ピックアップ装置は、光を発生させる光源ユニットと、光源ユニットから発せられる光を回折させる回折素子と、回折素子で回折された複数の回折光のうち情報の記録及び再生に使われるp次回折光を光記録媒体に形成された複数の情報記録層のうちいずれか一つにフォーカシングする対物レンズとを含む。情報の記録及び再生に使われていないp±1次回折光は複数の情報記録層と光記録媒体の表面から外れた位置にフォーカシングされる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光ピックアップ装置に関し、より詳細には、回折光を用いる光ピックアップ装置に関する。
光ピックアップ装置は、光記録媒体に情報を記録したり光記録媒体に記録されている情報を再生する装置である。光記録媒体は、約780nmの波長領域の光が使われるCD(Compact Disc)、約660nmの波長領域の光が使われるDVD(Digital Versatile Disc)、そして、約405nmの波長領域の光が使われるBD(Blu−ray Disc)などがあり、このような光記録媒体は互いに別の構造を有する。最近は、様々な種類の光記録媒体に全て使える互換型光ピックアップ装置が開発されている。
このような互換型光ピックアップ装置を開発するための一つのアプローチ方法は、複数個の対物レンズを使うものである。即ち、光ピックアップ装置がCDに適用される対物レンズ、DVDに適用される対物レンズ、そしてBDに適用される対物レンズそれぞれに別に備えるものである。しかし、このようなアプローチ方法は、光ピックアップ装置の小型化を阻害するという問題がある。
互換型光ピックアップ装置を開発するためのもう一つのアプローチ方法は、光ピックアップ装置の光学系に回折素子を使うものである。このような回折素子は、互いに異なる種類の光記録媒体の構造、互いに異なる波長領域の光、そして、温度変化などにより生じた収差を補正することができる。この場合、複数個の対物レンズでない一つの対物レンズが使われるため、光ピックアップ装置の小型化が可能である。
回折素子を使う光ピックアップ装置において、回折素子により生じた回折光のうち特定の次数の回折光のみが情報の記録及び再生に使われる。ところが、情報の記録及び再生に使われていない他の次数の回折光が記録及び再生される情報にノイズを発生させるおそれがある。従って、情報の記録及び再生に使われていない他の次数の回折光によるノイズを防止することが求められる。
日本特開第2009−223946号公報 日本特開第2008−257811号公報 韓国特開第2006−0053935号公報 日本特開第2009−252280号公報
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、回折素子を使う光ピックアップ装置において、情報の記録及び再生に使われていない他の次数の回折光によるノイズを防止することにある。
本発明の一実施形態によると、光記録媒体に記録された情報を再生したり前記光記録媒体に情報を記録するための光ピックアップ装置は、光を発生させる光源ユニットと、前記光源ユニットから発せられる光を回折させる回折素子と、前記回折素子で回折された複数の回折光のうち情報の記録及び再生に使われるp次回折光を光記録媒体に形成された複数の情報記録層のうちいずれか一つにフォーカシングする対物レンズとを含み、情報の記録及び再生に使われていないp±1次回折光は前記複数の情報記録層と前記光記録媒体の表面から外れた位置にフォーカシングされる。
前記p−1次回折光の焦点位置(fp−1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)、及び前記p+1次回折光の焦点位置(fp+1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)は次の条件式
−Dmax−WD≦fp−1−f≦−Dmax−s×t
2×Dmax−Dmin+s×t≦fp+1−f≦600μm
を満たしてよい。ここで、Dmaxとは、前記光記録媒体の前記表面から最も深い情報記録層までの距離を意味し、Dminとは、前記光記録媒体の前記表面から最も浅い情報記録層までの距離を意味し、WDとは、前記対物レンズの作動距離を意味し、tとは、前記光記録媒体の製造公差の絶対値を意味し、sとは、安全係数を意味する。
前記対物レンズの前記作動距離(WD)は300μmであってよい。
前記光記録媒体の前記製造公差の絶対値(t)は5μmであってよい。
前記安全係数(s)は少なくとも2であってよい。
前記光記録媒体は、二層ブルーレイディスクを含み、前記p−1次回折光の焦点位置(fp−1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)、及び前記p+1次回折光の焦点位置(fp+1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)は次の条件式
−400μm≦fp−1−f≦−110μm
135μm≦fp+1−f≦600μm
を満してよい。
前記光記録媒体は、二層ブルーレイディスクを含み、前記p−1次回折光の焦点位置(fp−1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)、及び前記p+1次回折光の焦点位置(fp+1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)は次の条件式
−60μm≦fp−1−f≦−40μm
65μm≦fp+1−f≦85μm
を満たしてよい。
前記光記録媒体は、三層ブルーレイディスクを含み、前記p−1次回折光の焦点位置(fp−1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)、及び前記p+1次回折光の焦点位置(fp+1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)は次の条件式
−400μm≦fp−1−f≦−110μm
153μm≦fp+1−f≦600μm
を満たしてよい。
前記回折素子は、前記対物レンズの一面に形成されてよい。
本発明の別の実施形態によると、光記録及び再生装置は上述のような特徴を有する光ピックアップ装置を含む。
本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置によると、情報の記録及び再生に使われるp次回折光が光記録媒体のいずれか一つの情報記録層にフォーカシングされる場合、情報の記録及び再生に使われていないp±1次回折光が他の情報記録層や光記録媒体の表面にフォーカシングされないため、再生されたり記録された情報にノイズが生じることを防止することができる。
本発明の一実施形態に係る光記録及び再生装置を概略的に示す図である。 図1に示された光ピックアップ装置の光学系を概略的に示す図である。 p−1次回折光によるノイズ発生現象を概略的に示す図である。 p+1次回折光によるノイズ発生現象を概略的に示す図である。 三層BDの構造を概略的に示す図である。 二層BDが使われた場合、p±1次回折光とp次回折光との焦点位置の差によるジッタ値を計算した結果を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。ここで説明される実施形態は、発明の理解を促すための例示を示したものであって、本発明はここで説明される実施形態と違って多様に変形されて実施できることを理解すべきである。なお、発明の理解を促すために、添付図面は実際の寸法で示されたものではなく、一部の構成要素のみを拡大して示すことがある。
図1は、本発明の一実施形態に係る光記録及び再生装置1を概略的に示す図である。
光記録媒体5は、ターンテーブル10上に取り付けられ、クランプ20がターンテーブル10上に取り付けられた光記録媒体5をチャッキングする。ターンテーブル10とクランプ20との具体的な構成は、当該分野において通常の知識を有する者が容易に理解できることであるため、それに対する具体的な説明は省略する。
光記録媒体5は、CD、DVD、BDなどであってよい。即ち、本発明の一実施形態に係る光記録及び再生装置1は、多様な種類の光記録媒体と互換性がある。
スピンドルモータ30は、光記録媒体5を回転させる。
光ピックアップ装置100は、光記録媒体5の半径方向に移動自在に設定され、光記録媒体5に記録された情報を再生したり、光記録媒体5に情報を記録したりすることができる。
駆動部40は、スピンドルモータ30と光ピックアップ装置100とを駆動させ、制御部50は、光ピックアップ装置100のフォーカスサーボ及びトラックサーボを制御する。光ピックアップ装置100から検出された信号は、駆動部40を介して制御部50に入力される。制御部50は、駆動部40から入力された信号に基づいてフォーカスサーボ及びトラックサーボ命令を駆動部40に送り返して、駆動部40は受信されたフォーカスサーボ及びトラックサーボ命令に従ってフォーカスサーボ及びトラックサーボを行なう。駆動部40と制御部50との具体的な構成は、当該分野において通常の知識を有する者が容易に理解できることであるため、それに対する具体的な説明は省略する。
図2は、図1に示された光ピックアップ装置100の光学系を概略的に示す図である。
光源ユニット110は、情報の記録及び再生に必要な光を発生させる。例えば、光記録媒体5がCDである場合は光源ユニット110は約780nmの波長領域の光を発生させ、光記録媒体5がDVDである場合は光源ユニット110は約660nmの波長領域の光を発生させ、光記録媒体5がBDである場合は光源ユニット110は約405nmの波長領域の光を発生させる。光の発生のために、光源ユニット110は複数のレーザダイオードを含んでよい。光源ユニット110から発せられた光は、光記録媒体5に向かって進むようになる。
ビームスプリッタ120は、光源ユニット100から発せられた光の一部を光記録媒体5に向かって反射させ、光記録媒体5から反射された反射光の一部を光検出器180側に透過させる。
コリメーティングレンズ130は、ビームスプリッタ120と対物レンズ160との間に配置される。光源ユニット110から発せられてビームスプリッタ120から反射された光は、コリメーティングレンズ130を通って平行光に変換される。
コリメーティングレンズ130を通過した光は、反射ミラー140から反射されて対物レンズ160に進む。反射ミラー140は必要に応じて省略されてよい。
回折素子150は、光源ユニット110から発せられた光を回折させる。回折素子150によって多様な次数(例えば、0次、±1次、±2次、…、±n次)の回折光が発せられてよい。このような回折光のうち特定の次数の回折光のみが情報の記録及び再生に使われ、本明細書では説明の便宜のために、情報の記録及び再生に使われる特定の次数の回折光をp次回折光と称することにする。
対物レンズ160は、p次回折光を光記録媒体5に形成された情報記録層(Information Recording Layer)にフォーカシングする。p次回折光が情報記録層にフォーカシングされることにより、光記録媒体5に情報を記録したり光記録媒体に記録された情報を再生することができる。
本発明の一実施形態では、回折素子150が対物レンズ160の一面に形成されている。しかし、これとは違って、対物レンズ160から離れた別途の回折素子150が使われることも可能であることを理解すべきである。
光記録媒体5から反射された反射光は、対物レンズ160と、反射ミラー140と、コリメーティングレンズ130と、ビームスプリッタ120とを通過して、光検出器180に進む。
センサーレンズ170は、ビームスプリッタ120と光検出器180との間に配置され、光記録媒体5から反射された反射光のスポットを拡大して光検出器180に有効スポットを形成させる。
光検出器180は、光記録媒体5から反射された反射光を検出して電気的な信号に変換する。このような電気的な信号から光記録媒体5に記録された情報を得ることができ、光ピックアップ装置100のフォーカスサーボ及びトラックサーボに必要な制御信号を得ることができる。
光記録媒体5の情報記録層と光記録媒体5の表面とは、高い反射率を有する。本発明者は、情報の記録及び再生に使われるp次回折光以外の他の次数の回折光が、光記録媒体5の情報記録層と表面から反射されることにより、光ピックアップ装置100が記録したり再生する情報にノイズが発生することを発見した。このような現象を図3及び図4で詳細に説明する。
図3は、p−1次回折光によるノイズ発生現象を概略的に示す図であり、図4は、p+1次回折光によるノイズ発生現象を概略的に示す図である。
説明の便宜上、光記録媒体5は、二つの情報記録層が存在する二層(Dual Layer)BDである場合を仮定する。即ち、図3及び図4に示された光記録媒体5は二層BDである。
二層BD5に関する標準規格によると、BD5の表面5aから100μmだけ離れたところに一つの情報記録層が形成され、これを“L0”と称する。なお、BD5の表面5aから75μmだけ離れたところにもう一つの情報記録層が形成され、これを“L1”と称する。L1とBD5の表面5aとの間には、カバー層(Cover Layer)が形成される。このようなカバー層は、L0、L1のような情報記録層を外部環境から守る役割を担う。
図3で、太い実線はp次回折光を示し、点線はp−1次回折光を示す。p−1次回折光はp次回折光より対物レンズ160に近い位置にフォーカシングされる回折光を意味する。図を明確にするために、図3で対物レンズ160は示していない。
図3のCase aは、p次回折光がL0にフォーカシングされてp−1次回折光がL1にフォーカシングされる場合を示す。ここで、対物レンズ160を基準にしたp次回折光の焦点位置をfと定義し、対物レンズ160を基準にしたp−1次回折光の焦点位置をfp−1と定義する。情報の記録及び再生に使われていないp−1次回折光がL1にフォーカシングされることにより、光ピックアップ装置100が記録したり再生する情報にノイズが発生するようになる。より詳細に説明すると、二層BD5でL0とL1との間の距離が25μm(100μm−75μm)であることを考慮して、二層BD5の製造公差を±5μmと仮定する場合、p−1次回折光の焦点位置(fp−1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)が次のような範囲内にあればノイズの発生可能性が高くなる。
−30μm(=−25μm−5μm)≦fp−1−f≦−20μm(=−25μm+5μm)
図3のCase bは、p次回折光がL1にフォーカシングされてp−1次回折光が二層BD5の表面5aにフォーカシングされる場合を示す。上記のケースと同様に、情報の記録及び再生に使われていないp−1次回折光が二層BD5の表面5aにフォーカシングされることにより、光ピックアップ装置100が記録したり再生する情報にノイズが発生するようになる。より詳細に説明すると、二層BD5でL1と表面5aとの間の距離が75μmであることを考慮して、二層BD5の製造公差を±5μmと仮定する場合、p−1次回折光の焦点位置(fp−1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)が次のような範囲内にあればノイズの発生可能性が高くなる。
−80μm(=−75μm−5μm)≦fp−1−f≦−70μm(=−75μm+5μm)
図3のCase cは、p次回折光がL0にフォーカシングされてp−1次回折光が二層BD5の表面5aにフォーカシングされる場合を示す。上記のケースと同様に、情報の記録及び再生に使われていないp−1次回折光が二層BD5の表面5aにフォーカシングされることにより、光ピックアップ装置100が記録したり再生する情報にノイズが発生するようになる。より詳細に説明すると、二層BD5でL0と表面5aとの間の距離が100μmであることを考慮して、二層BD5の製造公差を±5μmと仮定する場合、p−1次回折光の焦点位置(fp−1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)が次のような範囲内にあればノイズの発生可能性が高くなる。
−105μm(=−100μm−5μm)≦fp−1−f≦−95μm(=−100μm+5μm)
結論として、p−1次回折光の焦点位置(fp−1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)が上述の範囲(即ち、−30μm〜−20μm、−80μm〜−70μm、及び−105μm〜−95μm)から外れるように設計されると、p−1次回折光によるノイズ発生を防止することができる。特に、p−1次回折光の焦点位置(fp−1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)が−105μm未満であれば、p−1次回折光によるノイズ発生をより確実に防止することができる。
これまでは、二つの情報記録層(L0、L1)の形成された二層BD5のみについて説明した。3つ以上の情報記録層の形成された多層BDが適用される一般的な状況を考慮する場合、p−1次回折光によるノイズ発生を防止するためには、次のような条件式を満たさなければならないことが分かる。
p−1−f≦−Dmax−s×t
ここで、Dmaxとは、光記録媒体5の表面5aから最も深い情報記録層までの距離を意味し、tとは、光記録媒体5の製造公差の絶対値を意味し、sとは、安全係数を意味する。上記の数式を満たす場合、p次回折光が光記録媒体5の表面5aから最も深い情報記録層(図3の実施形態ではL0に該当)にフォーカシングされるとしても、p−1次回折光は光記録媒体5の表面5aや他の情報記録層(図3の実施形態ではL1に該当)から外れた位置にフォーカシングされるため、p−1次回折光によるノイズ発生が防止されることができる。
図3に示された二層BD5の場合、Dmaxは100μmとなる。ここで、製造公差の絶対値(t)が5μmで、安全係数(s)が2である場合、p−1次回折光の焦点位置(fp−1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)が次のような範囲内にあるように設計される場合、p−1次回折光によるノイズ発生を防止することができる。
p−1−f≦−110μm
より好適には、p−1次回折光の焦点位置(fp−1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)は、次のような条件式を満たすことができる。
−Dmax−WD≦fp−1−f≦−Dmax−s×t
ここで、WDは対物レンズ160が作動距離(Working Distance)を意味する。上記の数式で、p−1次回折光の焦点位置(fp−1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)の下限値を設定した理由は、対物レンズ160の作動距離を考慮したためである。
一般的に、BD用の対物レンズ160の作動距離は300μmであるため、図3に示された実施形態でp−1次回折光の焦点位置(fp−1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)は、次のような範囲内にあることが望ましい。
−400μm≦fp−1−f≦−110μm
次に、p+1次回折光によるノイズ発生現象を図4を参照しながら説明する。図4で、太い実線はp次回折光を示し、点線はp+1次回折光を示す。p+1次回折光はp次回折光より対物レンズ160から遠い位置にフォーカシングされる回折光を意味する。図を明確にするために、図4で対物レンズ160は示していない。
図4のCase dは、p次回折光がL1にフォーカシングされてp+1次回折光がL0にフォーカシングされる場合を示す。ここで、対物レンズ160を基準にしたp次回折光の焦点位置をfと定義し、対物レンズ160を基準にしたp+1次回折光の焦点位置をfp+1と定義する。情報の記録及び再生に使われていないp+1次回折光がL0にフォーカシングされることにより、光ピックアップ装置100が記録したり再生する情報にノイズが発生するようになる。より詳細に説明すると、二層BD5でL0とL1との間の距離が25μm(100μm−75μm)であることを考慮して、二層BD5の製造公差を±5μmと仮定する場合、p+1次回折光の焦点位置(fp+1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)が次のような範囲内にあればノイズの発生可能性が高くなる。
20μm(=25μm−5μm)≦fp+1−f≦30μm(=25μm+5μm)
図4のCase eは、p次回折光がL1にフォーカシングされてp+1次回折光がL0から反射されてL1にフォーカシングされる場合を示す。図4のCase eで、細い実線はL0から反射されたp+1次回折光を示す。図4のCase f−hにおいても、細い実線は反射されたp+1次回折光を示す。
上記のケースと同様に、情報の記録及び再生に使われていないp+1次回折光がL1にフォーカシングされることにより、光ピックアップ装置100が記録したり再生する情報にノイズが発生するようになる。より詳細に説明すると、二層BD5でL0とL1との間の距離が25μmであることを考慮して、二層BD5の製造公差を±5μmと仮定する場合、p+1次回折光の焦点位置(fp+1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)が次のような範囲内にあればノイズの発生可能性が高くなる。
45μm(=50μm−5μm)≦fp+1−f≦55μm(=50μm+5μm)
図4のCase fは、p次回折光がL0にフォーカシングされてp+1次回折光がL0から反射されて二層BD5の表面5aにフォーカシングされる場合を示す。上記のケースと同様に、情報の記録及び再生に使われていないp+1次回折光が二層BD5の表面5aにフォーカシングされることにより、光ピックアップ装置100が記録したり再生する情報にノイズが発生するようになる。より詳細に説明すると、二層BD5でL0と表面5aとの間の距離が100μmであることを考慮して、二層BD5の製造公差を±5μmと仮定する場合、p+1次回折光の焦点位置(fp+1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)が次のような範囲内にあればノイズの発生可能性が高くなる。
95μm(=100μm−5μm)≦fp+1−f≦105μm(=100μm+5μm)
図4のCase gは、p次回折光がL1にフォーカシングされてp+1次回折光がL0から反射されて二層BD5の表面5aにフォーカシングされる場合を示す。上記のケースと同様に、情報の記録及び再生に使われていないp+1次回折光が二層BD5の表面5aにフォーカシングされることにより、光ピックアップ装置100が記録したり再生する情報にノイズが発生するようになる。より詳細に説明すると、二層BD5でL0と表面5aとの間の距離と、L1と表面5aとの間の距離がそれぞれ100μmと75μmであることを考慮して、二層BD5の製造公差を±5μmと仮定する場合、p+1次回折光の焦点位置(fp+1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)が次のような範囲内にあればノイズの発生可能性が高くなる。
120μm(=2×100μm−75μm−5μm)≦fp+1−f≦130μm(=2×100μm−75μm+5μm)
結論として、p+1次回折光の焦点位置(fp+1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)が上述の範囲(即ち、20μm〜30μm、45μm〜55μm、95μm〜105μm、及び120μm〜130μm)から外れるように設計されると、p+1次回折光によるノイズ発生を防止することができる。特に、p+1次回折光の焦点位置(fp+1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)が130μmを超えると、p+1次回折光によるノイズ発生をより確実に防止することができる。
これまでは、二つの情報記録層(L0、L1)が形成された二層BD5のみについて説明した。3つ以上の情報記録層の形成された多層BDが適用される一般的な状況を考慮する場合、p+1次回折光によるノイズ発生を防止するためには、次のような条件式を満たさなければならないことが分かる。
2×Dmax−Dmin+t×s≦fp+1−f
ここで、Dmaxとは、光記録媒体5の表面5aから最も深い情報記録層までの距離を意味し、Dminとは、光記録媒体5の表面5aから最も浅い情報記録層までの距離を意味し、tとは、製造公差の絶対値を意味し、sとは、安全係数を意味する。上記の数式を満たす場合、p次回折光が光記録媒体5の表面5aから最も浅い情報記録層(図4の実施形態ではL1に該当)にフォーカシングされるとしても、p+1次回折光は光記録媒体5の表面5aや他の情報記録層(図4の実施形態ではL0に該当)から外れた位置にフォーカシングされるため、p+1次回折光によるノイズ発生が防止されることができる。
図4に示された二層BD5の場合、Dmaxは100μmとなり、Dminは75μmとなる。ここで、製造公差の絶対値(t)が5μmで、安全係数(s)が2である場合、p+1次回折光の焦点位置(fp+1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)が次のような範囲内にあるように設計される場合、p+1次回折光によるノイズ発生を防止することができる。
135μm≦fp+1−f
より望ましくは、p+1次回折光の焦点位置(fp+1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)は、次のような条件式を満たすことができる。
2×Dmax−Dmin+t×s≦fp+1−f≦600μm
上記の数式で、p+1次回折光の焦点位置(fp+1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)の上限値(即ち、600μm)を設定した理由は、一つのディスクにDVD方式とBD方式のいずれもが適用されたハイブリッドディスクを考慮したためである。このようなハイブリッドディスク内には、DVD用の情報記録層とBD用の情報記録層とが同時に存在する。DVD標準によると、DVD用の情報記録層が表面から600μm離れた位置に形成される。従って、p+1次回折光の焦点位置(fp+1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)が600μmを超えると、p+1次回折光がDVD用の情報記録層に結像されるおそれがある。
上述のように、本発明の一実施形態によると、情報の記録及び再生に使われるp次回折光が光記録媒体5のいずれか一つの情報記録層にフォーカシングされる場合、情報の記録及び再生に使われていないp±1次回折光が他の情報記録層や光記録媒体5の表面にフォーカシングされないため、再生されたり記録された情報にノイズが発生することを防止することができる。p±1次回折光とp次回折光との焦点位置の差を調整するためには、回折素子150の回折格子構造を変更したり、対物レンズ160やコリメーティングレンズ130の光学パラメータを変更することができる。しかし、その他にも多様な方式が使われて、p±1次回折光とp次回折光との焦点位置の差を調整できることを理解すべきである。
上述の説明では、光記録媒体5の製造公差が±5μmであることとして説明したが、これは例示的なものであることを理解すべきである。なお、安全係数(s)が2であるとして説明したが、これは例示的なものに過ぎないことを理解すべきである。必要に応じて、安全係数(s)は2以上であってよい。なお、技術の発展により、安全係数(s)は2未満に設定されてよい。
図3及び図4には、光記録媒体5が二層BDである場合を説明してきた。図5を参照して、光記録媒体5が三層(Triple Layer)BDである場合を説明する。
図5は、三層BD5の構造を概略的に示す図である。
三層BD5に関する基準規格によると、BD5の表面5aから100μmだけ離れたところに一つの情報記録層が形成され、これを“L0”と称する。BD5の表面5aから75μmだけ離れたところにもう一つの情報記録層が形成され、これを“L1”と称する。BD5の表面5aから57μmだけ離れたところに更にもう一つの情報記録層が形成され、これを“L2”と称する。
この場合、Dmaxは100μm、Dminは57μmとなる。対物レンズ160の作動距離(WD)が300μmで、製造公差の絶対値(t)が5μmで、安全係数(s)が2である場合、p±1次回折光の焦点位置(fp±1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp±1−f)は、上記の数式に応じて、次のような範囲内にあるように設計される場合、p±1次回折光によるノイズ発生を防止することができる。
−400μm(=−100μm−300μm)≦fp−1−f≦−110μm(=−100μm−2×5μm)
153μm(=2×100μm−57μm+2×5μm)≦fp+1−f≦600μm
図6は、二層BDが使われた場合、p±1次回折光とp次回折光との焦点位置の差(fp±1−f)によるジッタ(Jitter)値を計算した結果を示すグラフである。図6の横軸で負の数に該当する区間はp−1次回折光の焦点位置(fp−1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)を示し、正の数に該当する区間はp+1次回折光の焦点位置(fp+1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)を示す。
図6で分かるように、p−1次回折光の焦点位置(fp−1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)が−110μm以下である領域(A)と、p+1次回折光の焦点位置(fp+1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)が135μm以上である領域(D)である場合には、ノイズがかなり減少する事実を確認することができる。このような領域(A、D)は上述の条件式を満たす。
特定した光ピックアップ装置100において、p±1次回折光の焦点位置(fp±1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp±1−f)が上記の条件式を満たすように設計することが困難でれば、次善策として、図6でジッタ値が比較的に低い領域(B、C)にあるように設計することも可能である。即ち、二層BDの場合、p±1次回折光の焦点位置(fp±1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp±1−f)は次のような範囲内にあるように設計することもできる。
−60μm≦fp−1−f≦−40μm
65μm≦fp+1−f≦85μm
図3及び図4を参照しながら説明したように、p±1次回折光の焦点位置(fp±1)とp次回折光の焦点位置(f)との差(fp±1−f)が上述の範囲内にあるとしたら、p次回折光が光記録媒体5のいずれか一つの情報記録層にフォーカシングされる場合、情報の記録及び再生に使われていないp±1次回折光が他の情報記録層や光記録媒体5の表面にフォーカシングされない。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 光記録及び再生装置
30 スピンドルモータ
40 駆動部
50 制御部
5 光記録媒体
100 光ピックアップ装置
110 光源ユニット
120 ビームスプリッタ
130 コリメーティングレンズ
140 反射ミラー
150 回折素子
160 対物レンズ
170 センサーレンズ
180 光検出器

Claims (15)

  1. 光記録媒体に記録された情報を再生したり前記光記録媒体に情報を記録するための光ピックアップ装置において、
    光を発生させる光源ユニットと、
    前記光源ユニットから発せられる光を回折させる回折素子と、
    前記回折素子で回折された複数の回折光のうち情報の記録及び再生に使われるp次回折光を光記録媒体に形成された複数の情報記録層のうちいずれか一つにフォーカシングする対物レンズと
    を含み、
    情報の記録及び再生に使われていないp±1次回折光は前記複数の情報記録層と前記光記録媒体の表面から外れた位置にフォーカシングされることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記p−1次回折光の焦点位置(fp−1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)、及び
    前記p+1次回折光の焦点位置(fp+1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)は次の条件式
    −Dmax−WD≦fp−1−f≦−Dmax−s×t
    2×Dmax−Dmin+s×t≦fp+1−f≦600μm
    を満たし、ここで、
    Dmaxとは、前記光記録媒体の前記表面から最も深い情報記録層までの距離を意味し、
    Dminとは、前記光記録媒体の前記表面から最も浅い情報記録層までの距離を意味し、
    WDとは、前記対物レンズの作動距離を意味し、
    tとは、前記光記録媒体の製造公差の絶対値を意味し、
    sとは、安全係数を意味することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記対物レンズの前記作動距離(WD)は、300μmであることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記光記録媒体の前記製造公差の絶対値(t)は、5μmであることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記安全係数(s)は、少なくとも2であることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記光記録媒体は、二層ブルーレイディスクを含み、
    前記p−1次回折光の焦点位置(fp−1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)、及び
    前記p+1次回折光の焦点位置(fp+1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)は次の条件式
    −400μm≦fp−1−f≦−110μm
    135μm≦fp+1−f≦600μm
    を満すことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記光記録媒体は、二層ブルーレイディスクを含み、
    前記p−1次回折光の焦点位置(fp−1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)、及び
    前記p+1次回折光の焦点位置(fp+1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)は次の条件式
    −60μm≦fp−1−f≦−40μm
    65μm≦fp+1−f≦85μm
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記光記録媒体は、三層ブルーレイディスクを含み、
    前記p−1次回折光の焦点位置(fp−1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)、及び
    前記p+1次回折光の焦点位置(fp+1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)は次の条件式
    −400μm≦fp−1−f≦−110μm
    153μm≦fp+1−f≦600μm
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記回折素子は、前記対物レンズの一面に形成されることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  10. 請求項1ないし請求項9のうちいずれか一項に係る光ピックアップ装置を含むことを特徴とする光記録及び再生装置。
  11. 光記録媒体に記録された情報を再生したり前記光記録媒体に情報を記録するための光ピックアップ装置において、
    光を発生させる光源ユニットと、
    前記発せられる光を回折させる回折素子と、
    情報の記録及び/又は再生のために、光記録媒体の一層にp次回折光をフォーカシングし、情報の記録及び/又は再生のための前記光記録媒体の一層以外の他の層にp±1次回折光をフォーカシングする対物レンズと
    を含むことを特徴とする光ピックアップ装置。
  12. 前記光記録媒体は、二層ブルーレイディスクを含み、
    前記p−1次回折光の焦点位置(fp−1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)、及び
    前記p+1次回折光の焦点位置(fp+1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)は次の条件式
    −400μm≦fp−1−f≦−110μm
    135μm≦fp+1−f≦600μm
    を満すことを特徴とする請求項11に記載の光ピックアップ装置。
  13. 前記光記録媒体は、二層ブルーレイディスクを含み、
    前記p−1次回折光の焦点位置(fp−1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)、及び
    前記p+1次回折光の焦点位置(fp+1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)は次の条件式
    −60μm≦fp−1−f≦−40μm
    65μm≦fp+1−f≦85μm
    を満たすことを特徴とする請求項11に記載の光ピックアップ装置。
  14. 前記光記録媒体は、三層ブルーレイディスクを含み、
    前記p−1次回折光の焦点位置(fp−1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)、及び
    前記p+1次回折光の焦点位置(fp+1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)は次の条件式
    −400μm≦fp−1−f≦−110μm
    153μm≦fp+1−f≦600μm
    を満たすことを特徴とする請求項11に記載の光ピックアップ装置。
  15. 前記p−1次回折光の焦点位置(fp−1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp−1−f)、及び
    前記p+1次回折光の焦点位置(fp+1)と前記p次回折光の焦点位置(f)との差(fp+1−f)は次の条件式
    −Dmax−WD≦fp−1−f≦−Dmax−s×t
    2×Dmax−Dmin+s×t≦fp+1−f≦600μm
    を満たし、ここで、
    Dmaxとは、前記光記録媒体の前記表面から最も深い情報記録層までの距離を意味し、
    Dminとは、前記光記録媒体の前記表面から最も浅い情報記録層までの距離を意味し、
    WDとは、前記対物レンズの作動距離を意味し、
    tとは、前記光記録媒体の製造公差の絶対値を意味し、
    sとは、安全係数を意味することを特徴とする請求項11に記載の光ピックアップ装置。
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