JP2012131110A - 画像形成装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルが複数配列された第1および第2の記録ヘッドが、ノズル配列方向と交差する方向において端部に規定の重複範囲を有するように配置され、第1および第2の記録ヘッドの前記重複範囲では同一の画像の補完記録が行われるようにした画像形成装置において、記録ヘッドの取り付け誤差に起因して実際の重複範囲の大きさが規定の重複範囲の大きさ未満となっている場合にも、スジなどの画質劣化が生じないようにする。
【解決手段】実際の重複範囲に含まれる第1および第2の記録ヘッドのノズルの数に応じて、補完的な記録を行うために実際の重複範囲に含まれる第1および第2の記録ヘッドのノズルに対して適用されるマスクを動的に生成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェット方式の記録装置および記録方法に適用して好適な画像形成装置および画像形成方法に関する。特に本発明は、隣接する記録領域の境界部分同士をオーバーラップさせる(つなぎ記録を行う)場合に生じる画質劣化を軽減する技術に関するものである。
インクジェット記録における上記つなぎ記録は、次のような目的で行われる。例えば、記録媒体の搬送方向と直交する方向に多数のインク吐出口を配列してなる所謂フルマルチタイプの記録ヘッドを用いるラインプリンタは、画像形成の高速化が可能である。かかるフルマルチタイプの記録ヘッドでは、インク吐出口、これに連通する液路、および吐出に利用されるエネルギの発生素子(以下これらをノズルと総称することもある)を、記録媒体の全幅など広範囲にわたって欠陥なく設ける加工を行うのが困難である。そのためフルマルチタイプの記録ヘッドとしては、比較的加工が容易で廉価な短尺のヘッドチップを複数個配列することにより、所望の長さ(記録幅)を満たすよう長尺化したもの(以下、「つなぎヘッド」とも称する)が用いられている。また、そのように短尺のヘッドチップを配列することは、比較的容易に最大記録幅を変更することが可能となるという利点も有する。
しかしながら、つなぎヘッドは、その構成上、ヘッドチップのつなぎ部分においてプリントの画質劣化が生じやすいという問題がある。具体的には、ヘッドチップ間で隣接するノズルのピッチが、チップのつなぎ部以外のノズルピッチと等しくなるようにヘッドチップを配置することが困難であり、記録画像上につなぎスジと称される画質劣化が発生し得る。
つなぎスジを低減するために、それぞれのヘッドチップの端部にあるノズル同士が隣接するようにヘッドチップを直線状に配列するのではなく、端部にある複数のノズル同士が記録媒体の搬送方向上で重複するように配置する構成が提案されている(特許文献1等)。そして特許文献1では、一方のヘッドチップの端部にある重複部分では記録ドットの密度を徐々に減少させ、他方の記録ヘッドの端部にある対応重複部分では上記減少を補完するように記録ドットの密度を徐々に増大させる対処法が提案されている。そのようなマスキングを伴う画像処理を行うことで、つなぎ部分での画像劣化を抑えることができるとされている。
しかし上記のような画像処理を行うことでつなぎ部分での画質劣化を効果的に抑えるためには、重複させるノズル数(以下、「オーバーラップ量」という)を規定し、その規定オーバーラップ量が得られるよう、厳密にヘッドチップが配置されていなければならない。実際のオーバーラップ量が規定オーバーラップ量より大であれば、規定オーバーラップ量から外れた重複部分にはマスキングが行われず、濃いつなぎスジが生じる恐れがあるからである。この場合には、規定のオーバーラップ量を外れた重複範囲にある一方および/または他方のヘッドチップのノズルを不使用に設定することで対応が可能である。しかし逆に、実際のオーバーラップ量が規定オーバーラップ量より小であれば、実際に重複していない部分にもマスキングが施されてしまい、空白のドットが生じてしまう恐れがある。
特開平11−198380号公報
よって本発明は、ヘッドチップの配置誤差に起因した実際のオーバーラップ量に合わせてマスクを動的に変更することで、つなぎ部分の画像劣化が生じないようにするとともに、ヘッドチップの配置を容易に行えるようにすることにある。
そのために、本発明は、インクを吐出するためのノズルが複数配列された第1および第2の記録ヘッドが、前記ノズルの配列の方向と交差する方向において端部に規定の重複範囲を有するように配置され、前記第1および第2の記録ヘッドの前記重複範囲では同じ画像の補完記録が行われるようにした画像形成装置であって、
前記第1および第2の記録ヘッドの実際の重複範囲の大きさを検出する検出手段と、
当該検出された前記実際の重複範囲の大きさに応じて前記補完記録を行うための前記第1および第2の記録ヘッドのノズルを設定する設定手段と、
前記実際の重複範囲の大きさが前記規定の重複範囲の大きさ未満である場合、前記実際の重複範囲に含まれる前記第1および第2の記録ヘッドのノズルの数に応じて、前記補完的な記録を行うために前記実際の重複範囲に含まれる前記第1および第2の記録ヘッドのノズルに対して適用されるマスクを生成するマスク生成手段と、
を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、インクを吐出するためのノズルが複数配列された第1および第2の記録ヘッドを、前記ノズルの配列の方向と交差する方向において端部に規定の重複範囲を有するように配置し、前記第1および第2の記録ヘッドの前記重複範囲では同じ画像の補完記録が行われるようにした画像形成方法であって、
前記第1および第2の記録ヘッドの実際の重複範囲の大きさを検出する検出工程と、
当該検出された前記実際の重複範囲の大きさに応じて前記補完記録を行うための前記第1および第2の記録ヘッドのノズルを設定する設定工程と、
前記実際の重複範囲の大きさが前記規定の重複範囲の大きさ未満である場合、前記実際の重複範囲に含まれる前記第1および第2の記録ヘッドのノズルの数に応じて、前記補完的な記録を行うために前記実際の重複範囲に含まれる前記第1および第2の記録ヘッドのノズルに対して適用されるマスクを動的に生成するマスク生成工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ヘッドチップの取付誤差等に応じた実際のオーバーラップ量に合わせて、重複部分のマスク方法を動的に変更することで、調整範囲がより広くとることができ、複数ヘッドをつなぐ構成における記録ヘッドの設置を容易にすることができる。
本発明の一実施形態に係る記録装置の制御装置の構成例を示すブロック図である。 つなぎヘッドを構成する2つのヘッドチップの配置の概略を説明するための図である。 ヘッドチップ同士の実際の重複状態を検出する態様を説明するための説明図である。 ヘッドチップ同士の実際の重複状態の検出を行うための処理手順の一例を示すフローチャートである。 実際のオーバーラップ量に合わせてマスクを動的に変更する処理手順の一例を示すフローチャートである。 実際のオーバーラップ量が、規定のオーバーラップ量未満であるが所定のオーバーラップ量閾値以上である状態での、2つのヘッドチップ間のノズルの重複を示す概略図である。 実際のオーバーラップ量が、規定のオーバーラップ量未満であるが所定のオーバーラップ量閾値以上である状態で適用されるグラデーション形状のマスクの段階(ランク)の割り当てを説明するための説明図である。 ランク毎のラインに対するパターン生成手順の一例を示すフローチャートである。 図8の手順によって生成されたランク別のマスク構成パターンを説明するための説明図である。 生成されたランク別のパターンの合成とマスクへの変換を行う処理手順の一例を示すフローチャートである。 生成されたままのパターンの状態を説明するための説明図である。 図11のパターンをマスクへと変換した状態を説明するための説明図である。 一方のヘッドチップの重複範囲に適用されるマスク形状の説明図である。 他方のヘッドチップの重複範囲に適用されるマスク形状の説明図である。 2つのヘッドチップの重複範囲に、それぞれ、図13および図14のマスクを割り当てる態様を説明するための説明図である。 実際のオーバーラップ量が所定のオーバーラップ量閾値未満である状態での、2つのヘッドチップ間のノズルの重複を示す概略図である。 図16のようなオーバーラップ量である場合に適用される固定的な形状のマスクの生成処理手順の一例を示すフローチャートである。 a)〜(d)は、図17の生成処理手順に従ったマスク生成の態様の説明図である。 2つのヘッドチップの重複範囲に対する固定的なマスクの割り当てを説明するための説明図である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
なお、この明細書において、「記録」(以下、「プリント」とも称する)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。また、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理に供され得る液体を表すものとする。インクの処理としては、例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化させることが挙げられる。またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口乃至これに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギを発生する素子を総括して言うものとする。
図1は、本発明の一実施形態に係る記録装置の制御系の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、コントローラ100は、後述する処理手順等に従って装置全体を制御するCPU101、および、その処理手順等に対応したプログラム,所要のテーブルおよびその他の固定データを格納したROM102を有する。また、搬送モータ143の制御、および、所望の記録幅を満たすよう長尺化したつなぎヘッド150を構成する短尺な記録ヘッド(以下、ヘッドチップという)151,152を制御するための制御信号を生成する特殊用途集積回路(ASIC)103を有する。また、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等を設けたRAM104を有する。また、電源を切った状態でも保持しておくべき情報を保存しておくため、不揮発性のメモリであるEEPROM107を有する。また、CPU101、ASIC103、RAM104を相互に接続してデータの授受を行うシステムバス105を有する。
さらに、以下に説明するセンサ群から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換(A/D変換)し、デジタル信号をCPU101に供給するA/D変換器106を有する。また、コントローラ100は、ヘッドチップ151および152のそれぞれに複数配列されたノズルを駆動する。また、110は画像データの供給源となるコンピュータ等のホスト装置である。ホスト装置110と記録装置との間では、インタフェース(I/F)111を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等を送受信する。
130はつなぎヘッド150による記録幅を検出するための幅センサ132、環境温度を検出するために記録装置の適宜の箇所に設けられた温度センサ131等から構成される装置状態を検出するためのセンサ群である。なお、幅センサ132としては、記録媒体300の幅方向に延在するラインセンサ形態のものであってもよいし、当該幅方向に走査される形態のものであってもよい。さらに、142は搬送モータ143を駆動させる搬送モータドライバである。また、120はユーザからの操作を受け付けるためのオペレーションパネルであり、図示しない電源スイッチや情報表示のためのLCDを有していてもよい。ユーザはオペレーションパネル120を操作し、本実施形態に係る制御の実施の有無を設定することができ、設定内容は必要に応じてEEPROM107あるいはRAM104に格納される。
図2は、つなぎヘッド150を構成するヘッドチップ151および152の配置の概略を説明するための図である。図2において、矢印200方向が記録媒体300の搬送方向である。ヘッドチップ151および152には、それぞれ長手方向に沿って複数のノズルが配列されている。そして、所望の記録幅を満たすよう長尺化したつなぎヘッド150を構成するために、記録幅に対応した方向に配置されるとともに、端部にある規定数のノズル同士がノズル配列方向と交差する方向(記録媒体の搬送方向)上で重複するように配置される。なお、本実施形態においては、重複させる規定のノズル数(重複範囲の大きさ。以下、オーバーラップ量という)は32ノズルである。また、本実施形態では2つのヘッドチップ151,152が配置される構成について例示するが、3以上のヘッドチップが配置されるものでもよい。
本実施形態においては、ヘッドチップの配置誤差に起因した実際のオーバーラップ量に合わせてマスクを動的に変更するために、まずヘッドチップ同士の実際の重複状態を検出する。
図3は当該検出の態様を説明するための説明図、図4は当該検出を行うための処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ヘッドチップ151から出力する画像データ301と、ヘッドチップ152から出力する画像データ302とを、RAM104上にそれぞれ用意する(ステップS400)。画像データ301および画像データ302はノズル配列方向において任意の幅とすることができるが、本実施形態においては、画像データ301および画像データ302は互いに等しい幅Xを有するものとする。
次に、これらの画像が必ずヘッドチップ151および152において重複部分のノズルを含んだノズル群によって記録されるよう、ASIC103に設定を行う。すなわち、図において左側に配置されるヘッドチップ151では右端のノズルを、また右側に配置されるヘッドチップ152では左端のノズルをそれぞれ基準として、上記幅Xの画像データを記録するよう、使用ノズル群を設定する(ステップS401、S402)。
この状態で記録を行い(ステップS403)、出力された画像を幅センサ132で読み取る(ステップS404)。出力された画像の記録幅307は、各々のヘッドチップによって記録された画像の幅Xの2倍からオーバーラップ量を減じた値となっているべきである。そこで、ステップS405では、記録幅307が上記幅Xの2倍より大であるか否か判定される。ここで肯定判定されたような場合、すなわち記録幅307が2×Xを超えているような場合は、ヘッドチップ151および152間で重複し合うノズルが無いどころか、ヘッドチップ151および152が離れ、中間に隙間が存在していることになる。従って、この場合はユーザに対しエラーを報知する(ステップS406)。一方、ステップS405で否定判定された場合、すなわち記録幅307が2×X以下であれば、これらの差分からオーバーラップ量303を算出し(ステップS407)、これをEEPROM107に保存する(ステップS408)。
次に、実際のオーバーラップ量に合わせてマスクを動的に変更する処理について説明する。
図5はかかる処理手順の一例を示すフローチャートであり、まず当該処理を行う機能が有効となっているか否かを判断する(ステップS500)。この判断は、例えばオペレーションパネル120を介して、あるいはホスト装置110からインターフェース111を介してユーザが入力した機能実行の有無を示す情報に基づいて行うことができる。あるいは、この情報をEEPROM107に保存しておき、その情報を読み出すことで機能が有効となっているか否かを判断することもできる。さらに、ユーザの指示によらず必ず上記機能が行われるようにしてもよいし(この場合ステップS500は不要となる)、適切なインターバルで行われるようにしてもよい。
そして、機能が無効となっていれば、マスクの動的生成は行わず、端部側(ヘッドチップ151については右端側、ヘッドチップ152については左端側)にある規定の重複範囲(規定のオーバーラップ量に対応した範囲)のノズル群にデフォルトマスクを割り当てる。すなわち、予め規定されたパターンを通常マスクとして、ヘッドチップ151のノズル列に予め用意されたデフォルトマスクを、ヘッドチップ152のノズル列に予め用意された補完関係にあるデフォルトマスクを割り当てる。デフォルトマスクは規定されたオーバーラップ量が確保されている限り補完が成り立つものである。
ステップS500において機能が有効となっていると判定された場合には、先に算出した実際のオーバーラップ量をEEPROM107から読み出し(ステップS501)、一段階目の比較を行う(ステップS502)。すなわち、実際のオーバーラップ量が、規定のオーバーラップ量(本実施形態では32ノズル分)を確保できる値であれば、本機能は実施せずにステップS503に移行し、上述した機能無効時と同じ処理を行う。
ステップS502にて否定判定された場合、すなわち規定オーバーラップ量が確保できていなければ、二段階目の比較として、実際のオーバーラップ量が所定のオーバーラップ量閾値以上であるか否かの判定を行う(ステップS505)。ここで、実際のオーバーラップ量が所定のオーバーラップ量閾値以上であれば、その実際のオーバーラップ量に合わせ、次に詳述するように、よりつなぎスジが目立ちにくいグラデーション形状のマスクパターン生成する(ステップS506)。なお、オーバーラップ量閾値は、マスクを動的に変更することによる効果が顕れる、より多くのノズルがオーバーラップしている状態を示す値であることが望ましく、本実施形態では、当該閾値を16ノズル分とする。
ここで、本実施形態によるグラデーション形状のマスク生成について説明する。
図6は実際のオーバーラップ量が16ノズル分である状態での、ヘッドチップ151および152間のノズルの重複を示す概略図である。まず、ヘッドチップ151および152の重複し合う各ノズルに割り当てるデューティを設定する。ここで、デューティとは、ノズルによるインク吐出を許容する率を言い、重複し合うノズル対によって記録される記録媒体搬送方向の領域(以下、これをラインという)に対して、重複し合うノズルのそれぞれに設定されたデューティの合計が100%となる。また、重複範囲にあるノズル群に対してグラデーションの段階数を予め定めておき、各段階にいくつのノズルを割り当てるかを決定する。段階数は重複したノズル数以下の任意の値である。グラデーションの段階数を多く定めれば、つなぎスジの目立たないより滑らかな画像が得られるが、マスクの生成処理の負荷が大きくなり、生成に時間がかかることになる。逆に、グラデーションの段階数を少なく定めると、画像は粗いものとなるが、マスクの生成処理の負荷および生成処理時間は小となる。従って、実際のオーバーラップ量およびマスク生成処理の能力に応じて適切な段階数を定めることが望ましい。
以下においては、重複範囲に含まれるノズルに設定されるデューティが0%から100%まで10%刻みで変化するよう、グラデーションの段階数を11段階として説明する。そして、図6に示したように、実際のオーバーラップ量が16ノズル分である場合について例示する。なお、以下では段階数をレベルと称し、各段階をランクと称する。
まず、各ランクを割り当てるライン数すなわち重複し合うノズル対の数を求める。重複範囲にあるノズル数(=16)をレベル(=11)で除すと、各ランクにおける最低ライン数が求まる。この場合の商は1、各ランクあたりの最低ノズル数は1である。
次に剰余分のラインを適切なランクに振り分ける。剰余分は、100%またはそれに近い高デューティおよび0%またはそれに近い低デューティのランクを避け、中間程度のデューティのランクから放射的に振り分ける。すなわち、ノズル数(=16)をレベル(=11)で除した場合の剰余は5であり、中心のランクは6ランク目であるので、本例では、6ランク目およびその上下2ランク、すなわち4〜8ランク目を2ラインとする。よって、デューティが100%〜80%の区間は1ラインずつ、デューティが70%〜30%の区間は2ラインずつ、そしてデューティが20%〜0%の区間は1ラインずつ、ランクが割り当てられることとなる。割り当て方はレベルと重複範囲のノズル数に依存するため、割り当ての過程で端数が生じることがあるが、できるだけ中間程度のデューティのランクにおけるラインが多くなるように適宜割り当てを行う。
図7は上述のようにして決定したランクの割り当てを示す。符号701で示すランク割り当ては、ヘッドチップ151および152のいずれか一方に対して決めればよい。ここではヘッドチップ151に対して割り当てを行ったものを示しており、右端側が低デューティのものとなっている。
次に、ランク毎のマスク構成パターンを生成する。ランク毎のパターンはノズル列と直交する方向に、少なくとも「グラデーションの段階数(レベル)−1」だけのラスタ数が必要である。本実施形態では、デューティ100%〜0%まで10%刻みでの11段階であるため、10ラスタのものとする。従って、マスクの大きさは重複範囲にあるノズル数(=16)×ラスタ数(=10)となる。
図8はランク毎のラインに対するパターン生成手順を示すフローチャートであり、マスク構成パターンの生成はランク毎に行う。なお、以下の説明において「対応するランク」とは、デューティの合計が100%となるランクを言う。すなわち、「ランク11」と「ランク1」、「ランク10」と「ランク2」、「ランク9」と「ランク3」、「ランク8」と「ランク4」、および、「ランク7」と「ランク5」が、それぞれ対応するランクとなる。また、「ドット」とは画像データがあることに応じて記録が許容される画素を、「空白」とは画像データの有無に拘らず記録が許容されない画素を言うものとし、これらがマスクを構成するパターンに振り分けられるデータである。
まず、処理対象となるランクを特定するためのランクカウンタNを設定する(ステップS801)。本実施形態ではレベルは11であり、デューティ100%の「ランク11」から処理を開始するものとする。従って、ランクカウンタNは11に設定される。次に、マスクのラスタ数中におけるドット数と空白数を算出する(ステップS802)。ラスタ数が「レベル−1」に等しいため、ラスタ数中ドット数は「ランク−1」と等しい。また、空白の数は「レベル−ランク」である。
次に、レベルカウンタNとランクとが等しいか否かを判定する(ステップS803)。本実施形態では「ランク11」から処理を開始するものとしており、生成するパターンはドットで埋まるため、連続ドット数をレベルと同数にした上で(ステップS804)、連続ドット数分のドットを含んだパターンが作成される(ステップS805)。
一方、レベルカウンタNとランクとが等しくない場合には、空白ができるだけ離れて分布するようにするため、連続で配置するドット数を算出する(ステップS806)。連続で配置するドット数は、ラスタ数を空白数で除した商の整数部とする。そして、算出した連続ドット数分だけのデータを格納していくが、まずデータを未だ設定していない領域に当該連続ドット数分だけのデータが配置可能であるかを判定する(ステップS807)。この場合、データ未設定の領域のドット数が連続ドット数分以上あり、空白が連続しないよう、データ未設定の領域の画素数から(残空白数−1)×2を減じた数が、連続ドット数より大きいことを確認すればよい。
ここで肯定判定された場合にはステップS808に進む一方、否定判定された場合には、連続ドット数を、データ未設定の領域の画素数を残空白数で除した商の整数部に切り替えてから(ステップS812)、ステップS808に進む。ステップS808では、連続ドット数分のデータをデータ未設定の領域へ順に配置し、配置したドット数分、データ未設定の領域の画素数から減算する。さらに空白を1つ付加し、配置した空白分を残りの空白数から減算する(ステップS809)。そして、ステップS810ではデータ未設定の領域があるか否かを判定し、肯定判定された場合にはステップS807に復帰してそれ以降の手順を繰り返すことで、そのランクカウンタが示す処理対象ランクでのパターンが作成される。
ステップS806の処理後またはステップS810で否定判定された場合にはステップS812に進み、ランクカウンタNが示すランクについて作成されたパターンをRAM104またはEEPROM107に格納する。次にステップS815にてランクカウンタNの値を1減じ、ステップS816にてその値がレベルの1/2未満となったか否かを判定する。ここで否定判定された場合(ランクカウンタNの値が6以上である場合)にはステップS806に復帰する一方、肯定判定された場合(ランクカウンタNの値が5以下である場合)にはステップS917に進む。
ステップS817では、そのときのランクカウンタNが示すランク(例えば「ランク1」に対応するランク(例えば「ランク10」)のパターンを反転し、そのときのランクカウンタNが示すランクについてのパターンとして格納する。ステップS818ではランクカウンタNの値を1減じ、ステップS819にてその値が0となったか否かを判定する。ここで否定判定された場合はステップS817に復帰する一方、肯定判定される場合はすべてのランクについての処理が終了した場合であるので、本手順を終了する。
以上の手順を、各ランクに関してより具体的に説明する。
「ランク11」〜「ランク6」は、上記ステップS816にて肯定判定がなされる前の手順によって処理される。
すなわち、まず「ランク11」では、配置すべきドット数は「ランク−1」に等しいため10となり、空白数は無い。すなわち、連続で配置するドット数は、「ランク11」ではレベルに等しいため、10である。従って、「ランク11」では連続ドット数を付加した時点でデータ未設定の領域が無くなるため、これで100%のラインのパターンが完成となる。
「ランク10」では、配置すべきドット数は「ランク−1」に等しいため9となり、空白数は1となる。連続で配置するドット数は、ラスタ数を空白数で除した商の整数部であるため、9ドットである。「ランク10」について最初に行われるデータ配置(第一回目の振り分け)において、データ未設定の領域の画素数は10であり、連続ドット数分以上の条件を満たす。また、データ未設定の領域の画素数10−(残空白数1―1)×2=10であり、連続ドット数分以上の条件を満たすため、連続ドット分のデータ振り分けが可能である。この第一回目の振り分けにおいて、連続ドット分のデータと1つの空白とを振り分けた時点で振り分けるべきデータおよびデータ未設定の領域が無くなるため、これでデューティ90%のラインのパターンが完成する。
「ランク9」では、振り分けるべきドット数は8、空白数は2、連続で配置するドット数は4である。「ランク9」について最初に行われる第一回目の振り分けにおいて、データ未設定の領域の画素数は10であり、連続ドット数分以上の条件を満たす。また、データ未設定の領域の画素数10−(残空白数2―1)×2=8であり、連続ドット数より大きいため、連続ドット分のデータ振り分けが可能である。この第一回目の振り分けを行った時点で残っている未振り分けドット数は4、空白数は1、データ未設定の領域の画素数は5である。従って、続く第二回目の振り分けにおいて、データ未設定の領域の画素数5−(残空白数1―1)×2=5であり、連続ドット数より大きいため、連続ドット分のデータ振り分けが可能である。この第二回目の振り分けを行った後には、連続ドット分のデータと空白1を振り分けた時点で振り分けるべきデータおよびデータ未設定の領域が無くなるため、これでデューティ80%のラインのパターンが完成する。
「ランク8」では、振り分けるべきドット数は7、空白数は3となる。連続で配置するドット数は3である。「ランク8」について最初に行われる第一回目の振り分けにおいて、データ未設定の領域の画素数は10であり、連続ドット数分以上の条件を満たす。また、データ未設定の領域の画素数10−(残空白数3―1)×2=6であり、連続ドット数より大きいため、連続ドット数分のデータ振り分けが可能である。この第一回目の振り分けを行った時点で残っている未振り分けドット数は4、空白数は2、データ未設定の領域の画素数は6である。従って、続く第二回目の振り分けにおいて、データ未設定の領域の画素数6−(残空白数2−1)×2=4であり、連続ドット数より大きいため、連続ドット分のデータ振り分けが可能である。連続ドット数3の振り分けと、空白を1だけ振り分けた第二回目の振り分けを行った時点で、残りの振り分けデータは、ドット数が1、空白数が1、データ未設定の領域の画素数が2となる。従って、続く第三回目の振り分けでは、未振り分けドット数が1であり連続ドット数分以下であるため、連続ドットの配置はできない。この時点で、連続ドット数をより小さいものに変更する。新しい連続ドット数は、未振り分けドット数1と残空白数1の商であるため、1となる。この新しい連続ドット数で残りのデータ振り分けを行う。第三回目において、連続ドット数1の振り分けと、空白1の振り分けが行われ、未振り分けデータがなくなるため、これで70%のラインのパターンが完成する。
「ランク7」では、振り分けるべきドット数は6、空白数は4となる。連続で配置するドット数は2である。「ランク7」について最初に行われる第一回目の振り分けにおいて、データ未設定の領域の画素数は10であり、連続ドット数分以上の条件を満たす。また、データ未設定の領域の画素数10−(残空白数4−1)×2=4であり、連続ドット数より大きいため、連続ドット数分のデータ振り分けが可能である。この第一回目の振り分けを行った時点で残っている未振り分けドット数は4、空白数は3、データ未設定の領域の画素数は7である。従って、続く第二回目の振り分けにおいて、未振り分けドットは連続ドット数分以上ある。また、データ未設定の領域の画素数7−(残空白数3−1)×2=3であり、連続ドット数より大きいため、連続ドット分のデータ振り分けが可能である。連続ドット数2の振り分けと、空白を1だけ振り分けた第二回目の振り分けを行った時点で、残りの振り分けデータは、ドット数が2、空白数が2、データ未設定の領域の画素数が4である。従って、続く第三回目の振り分けでは、未振り分けドット数が2であり、連続ドット数分以下であるため、連続ドットの配置はできない。この時点で、連続ドット数をより小さいものに変更する。新しい連続ドット数は、残ドット数2と残空白数2の商である1となる。そこで、この新しい連続ドット数で、残りのデータ振り分けを行う。従って、連続ドット数1の振り分けと、空白を1だけ振り分けた第三回目の振り分けを行った時点で、残りの振り分けデータは、ドット数が1、空白数が1、データ未設定の領域の画素数が2である。続く第四回目の振り分けでは、第三回段階と同様、新しい連続ドット数で残りのデータ振り分けを行う。連続ドット数1の振り分けと、空白を1だけ振り分けた第四回目の振り分けを行った時点において、未振り分けデータがなくなるため、これで60%のラインのパターンが完成する。
「ランク6」では、振り分けるべきドット数は5、空白数は5となる。連続で配置するドット数は1である。「ランク6」について最初に行われる第一回目の振り分けにおいて、データ未設定の領域の画素数は10であり、連続ドット数分以上の条件を満たす。また、データ未設定の領域の画素数10−(残空白数5−1)×2=2であり、連続ドット数より大きいため、連続ドット数分のデータ振り分けが可能である。この第一回目の振り分けを行った時点で残っている未振り分けドット数は4、空白数は4、データ未設定の領域の画素数は8である。従って、続く第二回目の振り分けにおいて、未振り分けドットは連続ドット数分以上ある、また、データ未設定の領域の画素数8−(残空白数4−1)×2=2であり、連続ドット数より大きいため、連続ドット数分のデータ振り分けが可能である。連続ドット数1振り分けと、空白を1だけ振り分けた第二回目の振り分けを行った時点で、残りの振り分けデータは、ドット数が3、空白数が3、データ未設定の領域の画素数が6である。従って、続く第三回目の振り分けでは、未振り分けドット数3であり、連続ドット数分以上ある。また、データ未設定の領域の画素数6−(残空白数3−1)×2=2であり、連続ドット数より大きいため、連続ドット分のデータ振り分けが可能である。従って、連続ドット数1の振り分けと、空白を1だけ振り分けた第三回目の振り分けを行った時点で、残りの振り分けデータは、ドット数が2、空白数が2、データ未設定の領域の画素数が4である。続く第四回目の振り分けにおいては、未振り分けドット数が2であり、連続ドット数分以上ある、また、データ未設定の領域の画素数4−(残空白数2−1)×2=2であり、連続ドット数より大きいため、連続ドット分のデータ振り分けが可能である。連続ドット数1の振り分けと、空白を1だけ振り分けた第四回目の振り分けた時点で、残りの振り分けデータは、ドット数が1、空白数が1、データ未設定の領域の画素数が2である。続く第五回目の振り分けにおいて、データ未設定の領域の画素数が1であり、連続ドット数分以上ある。また、データ未設定の領域の画素数2−(残空白数1−1)×2=2であり、連続ドット数より大きいため、連続ドット分のデータ振り分けが可能である。連続ドット数1の振り分けと、空白を1だけ振り分けた第五回目の振り分けを行った時点において、未振り分けデータがなくなるため、これで50%のラインのパターンが完成する。
「ランク5」〜「ランク1」は、上記ステップS816にて肯定判定がなされた以降の手順によって処理される。上述したように、本実施形態では、「ランク11」と「ランク1」、「ランク10」と「ランク2」、「ランク9」と「ランク3」、「ランク8」と「ランク4」、および、「ランク7」と「ランク5」とを、それぞれ対応するランクとしている。なる。従って、「ランク11」、「ランク10」、「ランク9」、「ランク8」および「ランク7」のパターンを反転させることで、それぞれ、「ランク1」、「ランク2」、「ランク3」、「ランク4」および「ランク5」のパターンが得られる。
図9は以上の手順によって生成されたランク別のパターンであり、次に図10を用いて当該生成されたランク別のパターンの合成とマスクへの変換処理について説明する。
図10に示す手順においては、まず、ランク別のパターンのうち、複数のラインへ割り当てるランクのものを、必要なライン数分複製し、ランク順にソートする(ステップS1001)。この時点では、生成されたままの状態であり、図11に示すように、連続したデータが顕著に並んでいる状態となっているものとする。
これをグラデーション形状となるように、各ラインのデータをシフトする。データのシフトは、奇数番目のラインのみに対し適用する。まず、シフト量を初期値として1とする(ステップS1002)。次に、ライン毎に処理を施すために設けたラインカウンタの値を1とする(ステップS1003)。そして、ラインカウンタが最大ライン数に到達するまで、以下の処理を繰り返す(ステップS1004)。最大ライン数は、重複範囲にあるノズル数である。
図12はデータシフトの概略図であり、ラインカウンタが示す値が奇数であれば、該当ラインのデータを記録媒体搬送方向へシフトさせる(ステップS1006,S1007)。シフトを行った結果、マスクのラスタ数を超えてしまう部分は、ループさせることでマスクのサイズに収まるようにする。また、均一なデータシフトを避けるため、シフトを行うたびにシフト量を加算する(ステップS1007)。例えば、ライン1は1画素分、ライン3は2画素分、ライン5は3画素分シフトされることになる。次に、次ラインを処理すべく、ラインカウンタ値の加算を行う(ステップS1008)。すべてのラインのシフト処理が終わると、ライン毎に分かれていたデータを結合させる(ステップS1009)。
図13はこのようにして生成された、重複範囲におけるヘッドチップ151のマスク形状を示している。そして最後に、生成したマスクを補完するための補完用マスクを生成する。補完用マスクは、上記のように生成されたマスクの論理を全て反転させればよい(ステップS1010)。図14はこのようにして生成された、重複範囲におけるヘッドチップ152のマスク形状を示している。
以上が、図5において、実際のオーバーラップ量が規定オーバーラップ量を確保できていないが所定のオーバーラップ量閾値以上である場合に行われるグラデーション形状のマスクパターンの生成処理(ステップS506)である。このように、ヘッドチップ151および152について重複範囲用のグラデーション形状のマスクが生成されたので、図15に示すように、ヘッドチップ151および152の重複範囲に、それぞれマスク1301および1401を割り当てる(ステップS507)。
さて、図5のステップS505において実際のオーバーラップ量が、所定のオーバーラップ量閾値未満と判定された場合には、三段階目の比較を行う(ステップS508)。三段階目の比較では、実際のオーバーラップ量が0であるか否かを判断する。ここで否定判定された場合(オーバーラップ量が1〜15ドット分である場合)は、グラデーション形状のマスクによるつなぎスジ低減の効果は薄いものと考え、より生成処理が簡易な、固定的なパターン形状のマスクを生成して用いる(ステップS509)。
図16〜図19を用い、固定的なパターン形状のマスクの生成処理について説明する。図16は実際のオーバーラップ量が8ノズル分である状態での、ヘッドチップ151および152間のノズルの重複を示す概略図である。図17は固定的なパターン形状のマスクの生成処理手順を示すフローチャートである。図18(a)〜(d)は、当該生成処理手順に従ったマスク生成の態様の説明図である。図19は、ヘッドチップ151および152の重複範囲に対する固定的なマスクの割り当てを説明するための説明図である。
固定的なパターンのマスクでは、グラデーションマスクとは異なり、ランクなどは必要なく、デューティが50%となる任意のパターンを用いる。ここでは、ドットと空白とを繰り返した千鳥格子状のパターンを用いるものとする。単純な千鳥格子パターンのマスクでは、補完マスクとの排他性を考慮し、最低でも2ラスタ分のマスクが必要となる。
まず、ライン毎にドットを付加していくために設けたラインカウンタの値を1とする(ステップS1700)。そして、処理対象ラインが奇数番目のラインであった場合にはドットを付加する一方、偶数番目のラインであったらドットは付加しない(ステップS1702、S1703)。さらに、ラインカウンタの値を+1加算することで処理対象ラインを変え(ステップS1704)、次のラインの処理を行う。そして、ラインカウンタが示す値が最大ライン数に到達するまで、上記の処理を繰り返す(ステップS1701)。なお、最大ライン数とは、オーバーラップ量分のノズル数である。最大ライン数分の処理が完了すると、1ラスタ分のパターン1800が完成する(図18(a))。
次に、2ラスタ目に対する処理として、上記生成されたパターン1800を複製し、論理を反転させたパターン1801を生成する(ステップS1705、図18(b))。さらに、これら二つのパターンを結合させ、一方のヘッドチップの重複範囲において2ラスタの千鳥格子のマスク1802を生成する(ステップS1706、図18(c))。そして、グラデーション形状のマスクを生成する場合と同様に、生成されたマスク全体を複製し、論理を反転させることで、補完用のマスク1803が完成する(ステップS1706、図18(d))。以上が、図5において、実際のオーバーラップ量が所定のオーバーラップ量閾値未満であるが0ではない場合に行われる固定的な形状のマスクの生成処理(ステップS509)である。このように、ヘッドチップ151および152のそれぞれについて重複範囲用の固定的な形状のマスクが生成されたので、図19に示すように、それぞれ、マスク1802および1803を割り当てる(ステップS510)。
なお、三段階目の比較(ステップS508)において、オーバーラップ量が0であると判定された場合には、マスクの生成は行わない。この場合は、ヘッドチップ151および152間に重複範囲はないが、中間に隙間も存在していないためである。
以上のように、重複範囲に含まれるノズル数に応じたマスクが生成されると、これらを用いて記録を行う(但し、オーバーラップ量が0である場合には、マスクの生成は行われない)。まず、各々のヘッドチップからの出力画像が、重複範囲にあるノズルで同じデータが出力されるよう、画像を形成するために使用されるノズルの設定を行う(ステップS504)。次に、生成したマスクを各々のヘッドチップの重複範囲にあるノズルに割り当て、画像形成(記録)のために各々のヘッドチップから吐出されるインクを制限し、かつ補完的な記録(画像形成)、つまり補完記録を行う(ステップS511)。ここで、使用されるマスクは、マスクの上端から下端までのデータが使用され終わった場合、上端にループするものとする。
以上のように、本実施形態によれば、ヘッドチップの配置誤差に起因した実際のオーバーラップ量に合わせてマスクを動的に変更することで、つなぎ部分の画像劣化が生じないようにするとともに、ヘッドチップの配置を容易に行えるようにすることができる。また、設置後の衝撃等による記録ヘッドのずれにも対応することができ、使用者の利便性を向上させることができる。
なお、規定のオーバーラップ量、実際のオーバーラップ量および所定のオーバーラップ量閾値などに関して上記実施形態において説明した数値は、あくまでも例示である。すなわち、これらは、ヘッドチップの構成等に応じて適宜定め得るものであることは言うまでもない。また、所要の検出を行うための手段やマスク生成の態様等についても、これらはあくまでも例示であって、上記実施形態に限定されるものではない。実際のオーバーラップ量が規定のオーバーラップ量より小である場合に生成されるマスクは、つなぎスジの低減の効果が効果的に顕れるものであれば、グラデーションマスクに限られず例えばランダムマスクとすることも可能である。
さらに、上記実施形態では2つのヘッドチップ151,152(第1および第2の記録ヘッド)が配置される構成について例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち本発明は3以上のヘッドチップが配置される構成において、複数のつなぎ部(例えば4つのヘッドチップを配置する構成において、第2と第3のヘッドチップ間および第3と第4のヘッドチップ間のつなぎ部)が生じる場合にも有効であるのは勿論である。
加えて、上例では所謂ラインプリンタ携帯の画像形成装置に本発明を適用した場合について説明した。しかし本発明は、ノズルを配列してなる記録ヘッドのノズル配列方向とは異なる方向への移動と、記録媒体の搬送とを交互に繰り返すことで記録を行う所謂シリアルプリンタ形態の画像形成装置にも適用が可能である。
132 幅センサ
150 つなぎヘッド
151、152 ヘッドチップ
300 記録媒体
303 オーバーラップ量
306 排紙方向
307 記録幅
1301 グラデーション形状のマスク
1401 グラデーション形状のマスクの補完マスク

Claims (7)

  1. インクを吐出するためのノズルが複数配列された第1および第2の記録ヘッドが、前記ノズルの配列の方向と交差する方向において端部に規定の重複範囲を有するように配置され、前記第1および第2の記録ヘッドの前記重複範囲では同じ画像の補完記録が行われるようにした画像形成装置であって、
    前記第1および第2の記録ヘッドの実際の重複範囲の大きさを検出する検出手段と、
    当該検出された前記実際の重複範囲の大きさに応じて前記補完記録を行うための前記第1および第2の記録ヘッドのノズルを設定する設定手段と、
    前記実際の重複範囲の大きさが前記規定の重複範囲の大きさ未満である場合、前記実際の重複範囲に含まれる前記第1および第2の記録ヘッドのノズルの数に応じて、前記補完的な記録を行うために前記実際の重複範囲に含まれる前記第1および第2の記録ヘッドのノズルに対して適用されるマスクを生成するマスク生成手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記マスク生成手段は、前記実際の重複範囲の大きさが前記規定の重複範囲の大きさ以上である場合は、前記マスクを生成しないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記マスク生成手段は、前記実際の重複範囲の大きさが前記規定の重複範囲の大きさ未満であってかつ所定の閾値以上である場合にはグラデーション形状のマスクを生成し、前記実際の重複範囲の大きさが所定の閾値未満である場合には固定的な形状のマスクを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記設定手段による設定と前記マスク生成手段によるマスク生成の処理は、ユーザの指示に基づいて行われることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記設定手段による設定および前記マスク生成手段によるマスク生成の処理の実行の有無は、ユーザの指示に基づいて保存された前記処理の実行の有無を示す情報に基づいて判断されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記設定手段による設定と前記マスク生成手段によるマスク生成の処理は、ユーザの指示によらずに実行されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. インクを吐出するためのノズルが複数配列された第1および第2の記録ヘッドを、前記ノズルの配列の方向と交差する方向において端部に規定の重複範囲を有するように配置し、前記第1および第2の記録ヘッドの前記重複範囲では同じ画像の補完記録が行われるようにした画像形成方法であって、
    前記第1および第2の記録ヘッドの実際の重複範囲の大きさを検出する検出工程と、
    当該検出された前記実際の重複範囲の大きさに応じて前記補完記録を行うための前記第1および第2の記録ヘッドのノズルを設定する設定工程と、
    前記実際の重複範囲の大きさが前記規定の重複範囲の大きさ未満である場合、前記実際の重複範囲に含まれる前記第1および第2の記録ヘッドのノズルの数に応じて、前記補完的な記録を行うために前記実際の重複範囲に含まれる前記第1および第2の記録ヘッドのノズルに対して適用されるマスクを動的に生成するマスク生成工程と、
    を備えたことを特徴とする画像形成方法。
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