JP2012131062A - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】像担持体上に現像パターンを形成したものを版として用いることで安定した画質を得ることが可能な現像装置を提供する。
【解決手段】第1担持体1の周辺には矢印で示す回転方向の順に補給装置14、単層化装置13がそれぞれ配設され、単層化装置13よりさらに回転下流側で第2担持体2に当接している。第2担持体2の表面は、撥水性であり、かつ、温度によって硬度と粘着力を変化させる材料が設けられている。信号に従いサーマルヘッド3に加熱された部分の単層粒子層11bは、第2担持体2の表面に受け渡されて版粒子パターンを形成する。
【選択図】図2
【解決手段】第1担持体1の周辺には矢印で示す回転方向の順に補給装置14、単層化装置13がそれぞれ配設され、単層化装置13よりさらに回転下流側で第2担持体2に当接している。第2担持体2の表面は、撥水性であり、かつ、温度によって硬度と粘着力を変化させる材料が設けられている。信号に従いサーマルヘッド3に加熱された部分の単層粒子層11bは、第2担持体2の表面に受け渡されて版粒子パターンを形成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、潜像を保持できる像担持体上に版粒子を用いて現像パターンを形成したものを版として用いる現像装置および画像形成装置に関する。
現像されたパターンを紙などの記録用紙に画像として印刷する現像装置として様々な方式が挙げられる。高速で印刷することが実現できる方式としては、静電潜像を乾式トナーまたは湿式トナー等の着色粉体を用いて現像する電子写真方式(たとえば、特許文献1)、磁気潜像を磁性トナーを用いて現像するマグネトグラフィ方式(たとえば、特許文献2)、インクを微小液滴として吐出するインクジェット方式などが挙げられる。
しかしながら、これらの方式では着色粉体や微小液滴を使っているため個々の着色粉体や液滴までは制御しきれず、安定して大量の画像を高画質で印刷することは難しい。
また、電子写真方式では静電気という制御が難しい要素を使っていることが安定した画質を保つのをさらに難しくしている。マグネトグラフィ方式では磁性トナーを使っていることがカラー化を難しくしている。インクジェット方式では低粘度のインクしか吐出できないことで滲みやすくなったり、ヘッドの目詰まりによって画像欠損が発生したりしてしまう。
安定して大量の画像を高画質で印刷できる方式として、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、グラビア印刷方式などが挙げられる。これらの印刷方式は同じ版を繰り返し使い、版に安定した量のインクを供給して印刷するので、高画質の画像を安定して大量に形成することができる。
しかしながら、これらの版を使った方式は一般に製版工程が複雑である。一例としてオフセット印刷に使われる版は、アルミなど親水性の支持体上に疎水性(親油性)の感光層を設け、画像情報に応じて露光、エッチングを行うことで非画像部の疎水層を除去して製版されており、工程が複雑で時間を要する。さらには版形成装置と画像形成装置とが分離しているため、版交換作業にも時間を要しており、1枚ずつ違った画像を印刷するような、いわゆるバリアブル印刷には対応できない。
電子写真方式、マグネトグラフィ方式、インクジェット方式などの印刷方式は、同じ版を繰り返し使うものではなくバリアブル印刷を得意としている。しかし、高画質の画像を安定して印刷することが難しい。
現存する画像形成方式で、安定して大量の画像を高画質で印刷することと、バリアブル印刷を両立している印刷方式はない。そのため、たとえば、大部分が同じ画像で1部分だけが1枚1枚違うようなものを安定した画質で大量に印刷しようとしたときには同じ絵柄の部分と1枚1枚違う部分とで、違う画像形成装置を使って印刷しなければならない。
本発明は、上記のような課題を解決するためのものであって、像担持体上に現像パターンを形成したものを版として用いることで安定した画質を得ることが可能な現像装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明のある局面に従う現像装置は、版粒子を表面に担持する第1担持体と、第1担持体と版粒子を介して当接し、第1の転移温度以上で粘着力を生じる感応性粘着材料を表面に有する第2担持体と、第2担持体の表面の感応性粘着材料を第1の転移温度以上に加熱して潜像を書き込み、第2担持体に書き込んだ潜像の上に版粒子を粘着させて現像するための加熱書込ヘッドとを備える。
好ましくは、第1担持体は、版粒子を表面の粘着力で担持し、第1の転移温度以下の第2の転移温度以上で粘着力を低減する感温性粘着材料を表面に有し、加熱書込ヘッドは、第1担持体を第2の転移温度以上に加熱して、版粒子への粘着力を低減し、第2担持体を第1の転移温度以上に加熱して粒子への粘着力を生じさせ、第2担持体の粘着力を第1担持体の粘着力より大きくすることにより版粒子を第1担持体から第2担持体表面に粘着移動させる。
好ましくは、第1担持体に担持された版粒子を単層化するための単層化手段をさらに備える。
本発明のある局面に従う画像形成装置は、上記に記載の現像装置における第2担持体の表面上に着色剤を供給する着色剤供給手段と、着色剤供給手段によって第2担持体の表面に付着した着色剤を記録媒体へ転写する転写手段とを備える。
好ましくは、第2担持体の表面に水を含む液体である湿し水を供給する湿し水供給手段をさらに備え、版粒子の表面は、第2担持体の表面よりも高い親水性を有し、第2担持体上に付着した版粒子に湿し水を含ませることで、画像部と非画像部の親水性コントラストを形成する。
好ましくは、第2担持体の付着物を除去するための清掃手段をさらに備える。
本発明の現像装置は、第2担持体の表面の感応性粘着材料を第1の転移温度以上に加熱して潜像を書き込み、第2担持体に書き込んだ潜像の上に版粒子を粘着させて現像するための加熱書込ヘッドとを設ける構成であり、第2担持体に現像パターンを形成したものを版として用いることで安定した画質を得ることが可能である。
本発明に基づいた各実施の形態における現像装置および画像形成装置について、以下、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。また、各実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
また、画像形成装置として、複数の画像形成ユニットを備えるフルカラー方式の画像形成装置100を図示しているが、本発明は、フルカラー方式にのみ限定されるものではなく、モノクロ画像のみを形成する1色(ブラック等)の画像形成ユニットを採用している画像形成装置への適用も可能である。また、本発明は、小型のプリンタ、オフィス用複合機、および商業印刷を用途とする高速・大量印刷可能な画像形成装置などへの適用が可能である。
図1は、本発明の実施の形態に従う画像形成装置100について説明する図である。
画像形成装置100は、その上部側に、スキャナ53、フィーダ55が設けられている。フィーダ55は原稿をスキャナ53に送る。さらに、画像形成装置100の上面に操作部50が設けられている。
画像形成装置100は、その上部側に、スキャナ53、フィーダ55が設けられている。フィーダ55は原稿をスキャナ53に送る。さらに、画像形成装置100の上面に操作部50が設けられている。
画像形成装置100の下部側には、給紙部58が配置され、さらに画像形成装置100本体に付設するようにして大容量給紙部59が配置されている。画像形成装置100内部には、後述の画像形成ユニット100Aが、フルカラー画像を形成するための各色に対応して複数設けられている。給紙部58または大容量給紙部59から搬送された記録媒体としての用紙に画像形成ユニット100Aによって画像が形成される。
画像形成装置100本体に付設して後処理装置56が設置されており、画像形成がなされた用紙に所望の後処理(ステープル、パンチなど)を行えるようになっている。画像形成がなされ、必要に応じて後処理がなされた用紙はトレイ57に排出される。
画像形成ユニット100Aは、本発明の実施の形態に従う現像装置30を含んでいる。
以下、現像装置30の構成について説明する。
以下、現像装置30の構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に従う現像装置30の主要部の構成について説明する図である。
図2を参照して、現像装置30は、第1担持体1と、ベルト状の版担持体である第2担持体2と、補給装置14と、単層化装置13と、駆動ロール21a,21bと、加熱書込装置の一例であるサーマルヘッド3とを含む。
ベルト状の版担持体である第2担持体2は、駆動ロール21aと駆動ロール21bとに吊架して設けられ、駆動ロール21aによって付与される駆動力により矢印の方向に回転する。
第2担持体2の表面には第1担持体1が当接して設置され、第1担持体1の第2担持体2を介した対向位置にはサーマルヘッド3が第2担持体2の裏面に設置される。
第1担持体1の周辺には矢印で示す回転方向の順に補給装置14、単層化装置13がそれぞれ配設され、単層化装置13よりさらに回転下流側で第2担持体2に当接している。
本例においては、断面図が示されており、図示されていないが、第1担持体1、単層化装置13、第2担持体2、駆動ロール21a、駆動ロール21b、サーマルヘッド3は実際には紙面奥側から手前側に奥行きのある形状をしている。
また、この紙面奥から手前側の奥行き方向を文中では長手方向と表現する。それぞれの担持体、装置、ロールの長手方向長さは、現像装置で製版される版のサイズの紙面への印刷に応じた適切な値に設定される。
第2担持体2の表面は、撥水性であり、かつ、転移温度を境に硬度と粘着力が急峻に変化する材料が設けられている。具体的には第2担持体2の表面材料は第1の転移温度以上で軟化し、かつ、粘着性を発現し、第1の転移温度以下で硬化し、粘着性を消失する感応性粘着材料(クールオフタイプ)である。なお、それぞれの温度領域における粘着性は、各温度領域における後述の機能を生じる程度に発現あるいは消失すればよい。このような感応性粘着材料樹脂として、例えば、ランデック社製のインテリマー(登録商標)のクールオフタイプを用いることができる。
第1担持体1は、付着力により版粒子を担持する。版粒子は、親水性表面を有するとともに、補給装置14により補給される。版粒子としては、親水性表面を有し、印刷される画像に必要な所望の解像度が得られる粒子径であれば良く、例えば、平均粒子径5μm〜30μm(より好ましくは5μm〜10μm)の樹脂、金属酸化物等からなる粒子を用い、必要に応じて表面に親水性処理を施したものを用いることができる。
第1担持体1の表面は補給された版粒子を、付着漏れなく確実に表面に付着させ、第1担持体1の回転で発生する機内風や遠心力によって、付着した版粒子を脱落させるようなことがなければよく、表面に微細形状を設けてアンカー効果を付与して付着力を高めたものや、表面材料に表面エネルギーの高い材料を用いることで付着力を高めたものでもよい。
より好ましくは、安定して確実に補給された版粒子を付着し、脱落させることなく担持するために、より強い付着力を有する方が良く、例えば表面に粘着力を有する材料を用いることが可能である。
ここで、版粒子を第1担持体1に吸引する力として、他に例えば版粒子に電荷や磁化を付与し第1担持体1周辺に所望の電界や磁界を形成することにより、クーロン力や磁気吸引力を付着力の代わりに用いることも可能であるが、より好ましくは、吸引力としては接触粒子に対して作用する付着力を用いる方が好ましい。詳細な理由は後述する。
第1担持体1に接触した版粒子は、上記付着力により第1担持体1に担持されるが、実際には粒子間に作用する凝集力などの作用により、第1担持体1に直接接触していない版粒子も下層の版粒子に付着しあうことで、これらの粒子群は多層状に粒子が折り重なった多層粒子層11aを形成する。
多層粒子層11aは、第1担持体1の回転下流側で単層化装置13により、第1担持体1に直接付着力で担持された最下層粒子を残して2層目以上の版粒子が除去され、単層粒子層11bとなる。
単層化装置13としては、最下層粒子を除去することなく、2層目以上の版粒子を除去することが可能であればよいが、2層目以上の版粒子が残留し、部分的に多層部があると、これら多層粒子が画像パターンに関係なく接触により第2担持体2に担持され、製版された版を画像形成に利用する際に画像上で斑点状の不良となったり、画像形成装置内で第2担持体2の版面に接触して配置される接触部材に粒子が巻き込まれ、接触部材の劣化に繋がる可能性があるためより確実に2層目以上の版粒子を除去できる方が望ましい。単層化装置13については後述する。
また、図示しないが、単層化装置13で除去された版粒子は装置内の廃棄容器などに回収して廃棄するのではなく、スクリュー部材や空気圧を利用した搬送部材を用いることにより、補給装置14内の版粒子群に戻す構成にすることにより、版粒子をリサイクルし、廃棄される版粒子が少なくして版粒子の消費量を抑制することが可能である。
第2担持体2の表面材料は、上述のとおり第1の転移温度以上で軟化し、かつ粘着性を発現し、第1の転移温度以下で硬化し、粘着性を消失する樹脂(クールオフタイプ)であり、これらの硬度と粘着性の切り替えは可逆的に変化することが可能である。
単層粒子層11bは、信号に従いサーマルヘッド3に加熱された部分は第2担持体2の表面に受け渡されて版粒子パターンを形成し、加熱されずにニップを通過した残留粒子層11cは再度補給装置14より版粒子を補給されて多層粒子層11aとなり次の版形成に使用される。
本例においては、版粒子を次の版形成に再利用する構成にしているが、第1担持体1の第2担持体2とのニップより回転下流側、かつ補給装置14より回転上流側の位置で、単層の残留粒子層11cを第1担持体1から除去するクリーニング機構を設けても良い。
第2担持体2は、例えば感応性粘着材料をベルト状の基材に塗布したものを用いることができる。
基材は、駆動ロール21a,21bとの吊架に耐えうる十分な強度を有し、サーマルヘッド3からの加熱に耐えうる十分な耐熱性を有し、第1担持体1と第2担持体2とのニップを通過中に印加された熱を上記感応性粘着材料に伝達し得る十分な伝熱性を有するものであればどのようなものでもよい。
第2担持体2は、本実施例のようにベルト状でなくとも、第1担持体1との接触面を随時切り替え可能な構成であればよいが、無端回転駆動体は比較的安定して駆動することが可能であり、新しい接触面を随時切り替えることが可能である。
また、無端回転駆動体としてドラム形状の担持体を第1担持体1に接触して設ける構成とすることも可能である。
なお、本発明の実施の形態に従う現像装置においては、第2担持体2は基材裏面からサーマルヘッド3で加熱し、表面の感応性粘着材料を温度変化させる必要がある。したがって、伝熱速度を高くするためには感応性粘着材料と基材とからなる第2担持体2は、より薄い形状である方が好ましく、強度を保つために基材が数mmと厚いドラム形状よりも、基材が1mm以下で構成可能な無端ベルト形状の方がより好ましい。
サーマルヘッド3は、第2担持体2の第1担持体1とのニップ内で、第2担持体2表面の感応性粘着材料を第1の転移温度以上に加熱可能に設置された加熱装置で、図示しない制御装置からの信号に従い長手方向に部分的に加熱することができる。
一例として、本例では、第2担持体2の第1担持体1との接触面に対向した位置に第2担持体2の裏面に長手方向全面にわたって接触して配置したサーマルヘッドを用いる。
サーマルヘッド3は、長手方向に渡って第2担持体2の版として形成されるべき版形成部(非画像部)を加熱して熱潜像を生成する。一方、版として形成されない非版形成部(画像部)は加熱しないが、これを第2担持体2が駆動して第1担持体1との接触面が変わるたびに繰り返すことで第2担持体2の表面に版形成部のための熱潜像を実行する。後述するが版形成部は、非画像部となり、非版形成部が画像部となる。
なお、本例においては、加熱書込装置の一例として、サーマルヘッド3を用いる場合について説明するが、特にサーマルヘッドに限定されるものではなく、また、設置位置も第2担持体2の裏面に接触する位置に限定されるものではなく、版形成部を加熱する構成であれば特にその位置には限定されない。例えば、半導体レーザを使用して非接触で局所加熱を行っても良く、制御装置からの信号に従い第2担持体2の表面の感応性粘着材料を第1の転移温度以上に部分的に加熱する構成としてもよい。
以上の作用によって、第2担持体2の表面には制御信号に従ったサーマルヘッド3の加熱により版粒子の現像パターン(版粒子パターンとも称する)が形成されるが、ここで、第2担持体2表面の感応性粘着材料は第1の転移温度以上で粘着力を発現するだけでなく軟化もするため、版粒子は第1担持体1と第2担持体2との接触圧によって感応性粘着材料にめり込んだ状態となる。
さらに、第1担持体1と第2担持体2とのニップ通過後にはサーマルヘッド3による加熱は終了しているため、感応性粘着材料は冷却されて、第1の転移温度以下になる。このとき感応性粘着材料は、硬化によって表面にめり込んだ版粒子を固定担持する効果(アンカー効果)を有する。この感応性粘着材料の硬化による固定担持によって版粒子は第2担持体2に強固に固定されるため、画像形成時に版面に加わる様々なストレスによってもはがれ落ちることがなく、当初のパターンを維持したまま多数部の画像形成に利用可能となり、画像形成用の版として用いることができる。
具体的には、第2担持体2の表面と版粒子表面の、着色剤との親和性を異なるものとしておくことによって、第2担持体2上の版粒子パターンのあるところには着色剤を付着させ、版粒子パターンのないところには着色剤を付着させない。あるいは逆に版粒子パターンのあるところには着色剤を付着させず、版粒子パターンのないところに着色剤を付着させることによって、第2担持体2の版面上に版粒子パターンに従って色材のコントラストを形成することが可能になる。本例においては、一例として版粒子パターンのあるところには、着色剤を付着させず、版粒子パターンの無いところに着色剤を付着させる場合について説明する。
当該現像装置30の構成により、第2担持体2の表面が加熱装置により、熱潜像が形成され、版粒子が付着する第1担持体1と接触することにより版粒子パターンが顕像化される。第2担持体2は、感応性粘着材料として強力な保持力を有するため当該版の堅牢性は高く、インク付与や繰り返し使用のストレスにも耐えうる強固な版を作製することが可能である。
次に、当該版にインクを付与して画像を形成する場合について説明する。
図3は、本発明の実施の形態に従う画像形成ユニット100Aの主要部の構成について説明する図である。
図3は、本発明の実施の形態に従う画像形成ユニット100Aの主要部の構成について説明する図である。
図3を参照して、本発明の実施の形態に従う画像形成ユニット100Aは、図2の構成と比較して、湿し水供給装置4と、インク供給装置5と、中間転写ローラ6と、第2担持体清掃器9とが第2担持体2の周囲に回転方向に沿ってさらに設けられている点が異なる。
また、中間転写ローラ6の周囲には、回転方向に沿って押圧ローラ8と、第2担持体清掃器9とがさらに設けられる。
なお、図示しないが第1担持体1は、第2担持体2から離間可能なように設けられており、離間状態とすることにより、第2担持体2の表面に形成された版を第1担持体1との接触によって乱すことを防ぐことが可能である。同じ画像を繰り返し印刷する場合には、新たな版を形成する必要がないので、第1担持体1を第2担持体2から離間状態とすることにより、第2担持体2に形成された版を第1担持体1との接触によって乱すことを防ぐことが可能である。
湿し水供給装置4は、湿し水供給ローラ4aと、湿し水保持部4bと、図示しない湿し水供給ローラ清掃器とで構成されている。
湿し水供給ローラ4aは、装置本体に対して回転可能な状態で保持されている。
湿し水保持部4bの中には湿し水供給ローラ4aと十分接触する量の湿し水(オフセット印刷で使われているいわゆる湿し水と同様のもの)が保持されていて、図示しない湿し水補充器から適宜補充される。
湿し水保持部4bの中には湿し水供給ローラ4aと十分接触する量の湿し水(オフセット印刷で使われているいわゆる湿し水と同様のもの)が保持されていて、図示しない湿し水補充器から適宜補充される。
湿し水供給ローラ4aの表面は、表面に湿し水を保持できる程度の親水性になっていて、図の矢印の向きの回転方向に沿って、湿し水保持部4b中の湿し水を表面に保持した後、第2担持体2と湿し水供給ローラ4aのニップ部において第2担持体2表面に付着した版粒子に湿し水を含ませる。
第2担持体2の版粒子が付着していない部分は、第2担持体2表面が撥水性なので、湿し水はほとんど付着しない。
図示しない湿し水供給ローラ清掃器は、第2担持体2と湿し水供給ローラ4aとのニップ部よりも、湿し水供給ローラ4aの回転方向の下流側に設けられており、湿し水供給ローラ4aの表面の付着物(インクなど)を取り除くことが可能である。
インク供給装置5は、インク供給ローラ5aと、インク保持部5bと、インク規制ブレード5cとから構成されている。
インク供給ローラ5aは、装置本体に対して回転可能な状態で保持されている。
インク保持部5bの中にはインク供給ローラ5aと十分接触する量のインクが保持されていて、図示しないインク補充器から適宜補充される。
インク保持部5bの中にはインク供給ローラ5aと十分接触する量のインクが保持されていて、図示しないインク補充器から適宜補充される。
インクは、油性インクなど湿し水と混ざらない(湿し水を撥く)性質のインクを用いる。
インク供給ローラ5aが図の矢印の向きの回転方向に沿って、インク保持部5b中のインクを表面に保持した後、インク供給ローラ5aに当接するインク規制ブレード5cによって適切な厚さ(2μm〜50μm(より好ましくは4μm〜10μm))のインク層がインク供給ローラ5a表面上に形成される。
このようにインク層を形成することによって、第2担持体2とインク供給ローラ5aとのニップ部において、インクが第2担持体2表面上に適切量付着する。
このとき、第2担持体2表面の版粒子が付着した部分(非画像部)には湿し水が含まれているので、インクが付着することはなく、版粒子が付着していない部分(画像部)にのみインクが付着することになる。
中間転写ローラ6は、撥水性表面を持ち、第2担持体2と接触して、装置本体に対して回転可能な状態で保持されている。中間転写ローラ6が図の矢印の方向に回転するに従って、第2担持体2とのニップ部で、第2担持体2上に付着したインクが第2担持体2から中間転写ローラ6へと転写される。このとき、中間転写ローラ6表面が撥水性であるので湿し水はほとんど転写されない。
押圧ローラ8は、印刷時に用紙供給装置(図示しない)から供給される記録用紙7を、中間転写ローラ6と押圧ローラ8の間に挟むような位置で、装置本体に対して回転可能な状態で保持されている。これにより、中間転写ローラ6上に付着したインクが記録用紙7に転写される。このようにして印刷物を得ることができる。
第2担持体清掃器9は、超音波振動部9aと、洗浄液保持部9bと図示しない超音波制御装置と図示しない超音波電源とからなる。
洗浄液保持部9bの中には第2担持体2と十分接触する量の洗浄液(液体であり装置の劣化を促進するようなものでなければ特に限定されないがここでは湿し水を使用する)が保持されていて、図示しない洗浄液補充器から適宜補充される。超音波振動部9aは、洗浄液保持部9bに貯留された洗浄液を介して近接する第2担持体2表面に超音波を発振し、超音波洗浄装置の洗浄原理により第2担持体2の表面に、硬化した感応性粘着材料(クールオフタイプ)により固定担持された版粒子を洗浄除去する。
図示しない超音波電源は図示しない超音波制御装置に電力を供給し、超音波制御装置は、第2担持体2の清掃動作時に超音波振動部9aに超音波振動を促す信号を発信する制御装置である。
第2担持体清掃器9は、第2担持体2に近接して、第2担持体2との接触状態と非接触状態(離間状態)とを切り替えるのが可能な状態で設けられている。同じ画像を繰り返し印刷する場合には、第2担持体清掃器9を第2担持体2に接触させず、そのまま第2担持体2を回転させる。そうすれば第2担持体2上に付着した版粒子が保持されたままとなり、そのまま同じ画像を印刷し続けることができる。印刷する画像を切り替える場合には、第2担持体清掃器9を第2担持体2に接触させて、第2担持体2の表面の付着物(版粒子、湿し水、インクなど)を除去する。当該処理により、第2担持体2上に新たな画像を形成することが可能となる。
図示しないが第2担持体清掃器9によって第2担持体2から除去した版粒子を第1担持体1の補給装置14へと搬送する手段を設けるようにしても良い。当該手段によって版粒子を繰り返し使うことができ、消耗品を減らすことができる。この場合には、第2担持体清掃器9の中で、版粒子除去手段とその他の物を除去する手段とを設けて、版粒子のみ補給装置14へ搬送するようにしても良い。
中間転写ローラ清掃器10は、中間転写ローラ6に接触して保持されており、中間転写ローラ6の表面の付着物(記録用紙7に転写されずに残ったインクなど)を除去する。当該処理により、中間転写ローラ6に残ったインクが記録用紙7に転写されてしまい画像不良が生じることを防止することが可能である。
第2担持体2と中間転写ローラ6の周長、周速度が共に等しい場合は、第2担持体清掃器9を、中間転写ローラ6との接触状態と非接触状態とを切り替えるのが可能な状態で保持する。当該場合は、第2担持体2のインク付着部分と中間転写ローラ6のインク付着部分とが一致するので、中間転写ローラ6上にインクが残っていても、前記の不具合が発生することはない。
よって、同じ画像を繰り返し印刷する場合には、中間転写ローラ清掃器10を中間転写ローラ6に接触させず、そのまま中間転写ローラ6を回転させることができる。印刷する画像を切り替える場合には、中間転写ローラ清掃器10を中間転写ローラ6に接触させて中間転写ローラ6の表面の付着物(記録用紙7に転写されずに残ったインクなど)を除去する。
図4は、本発明の実施の形態に従う第2担持体2に形成された熱潜像を説明する図である。
図4を参照して、上述したようにサーマルヘッド3により、第2担持体2の感応性粘着材料の所定領域を加熱する。これによって、第2担持体2の表面に熱潜像101aが形成される。
ここで、図4における熱潜像101aは、第2担持体2の加熱された領域における感応性粘着材料の部分を示している。
図5は、本発明の実施の形態に従う第2担持体2の表面に形成された熱潜像の顕像化について説明する図である。
図5を参照して、上述したように第1担持体1と接触することにより、第1担持体1の表面に付着した版粒子が熱潜像101aに付着し、熱潜像を顕像化する。この時点で、第2担持体2の表面において、版粒子131が付着した部分が非画像部となるように熱潜像101aが形成される。
図6は、本発明の実施の形態に従う第2担持体2に付着した版粒子に湿し水を付加した状態を説明する図である。
図6を参照して、上述したように湿し水供給装置4を用いて、第2担持体2の表面に付着した版粒子131に湿し水を含ませて、湿し水を含んだ版粒子131wとする。第2担持体2の版粒子131が付着していない部分は、表面が撥水性なので、湿し水141はほとんど付着しない。
図7は、本発明の実施の形態に従うインク供給装置5により版粒子パターンにインクを供給した場合を説明する図である。
図7を参照して、上述したインク供給装置5により、インク151を第2担持体2の表面上に適切量付着させる。このとき、第2担持体2の表面の版粒子131wが付着した部分(非画像部)には湿し水が含まれているので、インク151が付着することはなく、版粒子131wが付着していない部分(画像部)にインク151が付着することになる。
図8は、本発明の実施の形態に従う記録用紙に転写する場合を説明する図である。
図8を参照して、図7で説明した第2担持体2の表面で版粒子パターンにより形成されたインク151(画像部)が中間転写ローラ6を介して記録用紙7に転写される。このようにして印刷物を得ることができる。
図8を参照して、図7で説明した第2担持体2の表面で版粒子パターンにより形成されたインク151(画像部)が中間転写ローラ6を介して記録用紙7に転写される。このようにして印刷物を得ることができる。
以上、本実施の形態における現像装置30および画像形成ユニット100Aによれば、第2担持体2上に付着した版粒子131に湿し水141を含ませることで、第2担持体2上の版粒子131が付着していない部分にのみインク151を付着させている。このように、第2担持体2上の版粒子が付着していない部分(画像部)にインク151を付着させることで、版粒子(非画像部)が形成された現像パターン(版粒子パターン)を版として用いることが可能となり、印刷において安定した画質を得ることが可能となる。
そして、本発明の実施の形態に従う第2担持体2の表面には感応性粘着材料が用いられ、上述したように非画像部を構成する当該版粒子パターンの堅牢性は高く、インク付与や繰り返し使用のストレスにも耐えうる強固な版を作製することが可能である。
また、第2担持体2上の版粒子を取り除き、新たな現像パターンに応じた熱潜像を第2担持体2上に形成することで、異なる現像パターンを瞬時に形成することができることから、いわゆるバリアブル印刷も容易に実現することが可能となる。
また、第2担持体2上で版粒子を保持する力は表面一層における粘着力および粒子が食い込むことによるアンカー効果であるため、版が強固で大部数の印刷が可能であり、粒子がインクローラ表面に付着してインクが劣化することも防ぐことが可能である。
以上のように、本発明の実施の形態に従う画像形成装置は、従来のオフセットなどの製版装置に比べ簡単なプロセスで短時間に製版可能であり、版交換作業も不要であり、より短時間で画像形成が可能な画像形成装置を実現できる。また、一枚ごとに画像の書き換えを行えばバリアブル印刷機として使用することも可能である。
(単層化装置)
次に単層化装置について説明する。
次に単層化装置について説明する。
サーマルヘッド3の加熱による第2担持体2表面への単層での版形成について簡単にモデル化して説明する。
図9は、本発明の実施の形態に従う版粒子が単層化している場合と多層化している場合の粘着について説明する図である。
図9(A)を参照して、ここでは、版粒子が単層化されている場合が示されている。
版粒子は、第2担持体2と第1担持体1とのニップにおいて、第1担持体1への付着力15aと第2担持体2への付着力22aとを受けるが、付着力15aは版粒子を担持するため粘着力などで高く調整されているため付着力15aは付着力22aよりも強く、このためサーマルヘッド3で加熱されなかった非加熱部においては版粒子に働く吸引力は第2担持体2よりも第1担持体1の方が強く、版粒子は第1担持体1表面に付着したままニップを通過する。
版粒子は、第2担持体2と第1担持体1とのニップにおいて、第1担持体1への付着力15aと第2担持体2への付着力22aとを受けるが、付着力15aは版粒子を担持するため粘着力などで高く調整されているため付着力15aは付着力22aよりも強く、このためサーマルヘッド3で加熱されなかった非加熱部においては版粒子に働く吸引力は第2担持体2よりも第1担持体1の方が強く、版粒子は第1担持体1表面に付着したままニップを通過する。
一方、サーマルヘッド3で加熱された加熱部においては、第2担持体2の表面の感応性粘着材料は第1の転移温度以上に加熱されて感応性粘着材料特性により粘着力22bを発現する。
これにより版粒子に働く吸引力は第2担持体2の方が第1担持体1よりも強くなり版粒子は第1担持体1から第2担持体2に受け渡され、第2担持体2に付着してニップを通過する。
図9(B)を参照して、ここでは、第1担持体1と第2担持体2とのニップ部に版粒子が多層で存在する場合が示されている。
ここでは一例として版粒子は3層である例について説明する。
簡単のために版粒子を第1担持体1に近い粒子から順に版粒子A、版粒子B、版粒子Cとし、粒子間には凝集による粒子同士の付着力22cが作用しているとする。
簡単のために版粒子を第1担持体1に近い粒子から順に版粒子A、版粒子B、版粒子Cとし、粒子間には凝集による粒子同士の付着力22cが作用しているとする。
サーマルヘッド3で加熱された加熱部においては、版粒子Aには第1担持体1への付着力15aと版粒子Bへの付着力22cとが作用し、付着力15aは十分強いために版粒子Aは第1担持体1に付着したままニップを通過する。
一方、版粒子Cは、第2担持体2の付着力22aと、感応性粘着材料が加熱により発現した粘着力22bと、版粒子Bの付着力22cとが作用し、第2担持体2の粘着力22bは十分強いため版粒子Cは第2担持体2に受け渡されるが、ここで版粒子Bは、版粒子Aの付着力22cと版粒子Cとの付着力22cとの作用を受け、実際の装置内ではそれぞれの付着力の微妙な差により、付着力の作用の強い版粒子に付着して従属することになる。
つまり版粒子Cとの付着力が強ければ、版粒子Bは版粒子Cに付着して第2担持体2の表面に受け渡され、版粒子Cと版粒子Bとは第2担持体2表面に多層の現像パターンすなわち図9(B)のモデルでは2層の版粒子パターンを形成する。
ここで、第2担持体2に形成された版粒子パターンが多層であると、最下層の第2担持体2に強く担持された粒子に比べ、2層目以上の粒子は粒子間の弱い凝集力で付着しているためはがれやすく、画像形成装置内で版として利用される際に第2担持体2に接触して配置される接触部材に2層目以上の粒子が巻き込まれ、接触部材の劣化につながる可能性がある。
一方、非加熱部においては、本来非版形成部であるため、版粒子Cは第2担持体2に受け渡されず第1担持体1に付着したまま、図9(B)のモデルでは第1担持体1に付着した版粒子Aに付着した版粒子Bにさらに付着したままニップを通過するべきである。
しかしながら、ここで版粒子Cに対しては第2担持体2の付着力22aと版粒子Bの付着力22cとが作用し、付着力22cによって第1担持体1に吸引されていることになるが、実際には凝集力に起因する付着力22cは粒子同士の位置関係によりばらつきも多く、付着力22cが弱い位置において版粒子Cは付着力22aにより第2担持体2に受け渡される可能性がある。
以上の作用により第2担持体2の非版形成部に版粒子が受け渡されて版を形成してしまうと、製版された版を画像形成に利用する際に画像上で斑点状の画像不良になる可能性がある。
したがって、補給装置14で形成された多層粒子層11aは第1担持体1と第2担持体2とのニップ部に到達するまでに単層化装置13により単層化されることが望ましく、単層化された単層粒子層11bに局所的な多層部が残留しないことが望ましい。
なお、第1担持体1に単層化装置13を設けずに第2担持体2とのニップに多層粒子層11aを通過させて、第2担持体2上で現像パターンとして付着した版粒子を除去することも可能であるが、版粒子間の凝集力で付着している2層目以上の粒子を凝集力に逆らって単層化するのに対し、版粒子の第2担持体2への付着力に逆らって現像パターンとして付着した版粒子を除去するには大きなエネルギーが必要となるため、第1担持体1に単層化装置13を設ける方が望ましい。
図10は、本発明の実施の形態に従う単層化装置13の具体的構成について説明する図である。
図10(A)を参照して、ここでは、単層化装置13aの構成が示されている。
具体的には、単層化装置13aは、第1担持体1の版粒子への付着力よりも弱く、版粒子間の凝集力よりも強い粘着力を有し、第1担持体1に接触して従動する複数の粘着ロール13a1と、各粘着ロール13a1に除去回収された版粒子を掻きとるブレード材13a2と、各ブレード材13a2に掻き取られた版粒子を回収する回収槽13a3とで構成されている。
具体的には、単層化装置13aは、第1担持体1の版粒子への付着力よりも弱く、版粒子間の凝集力よりも強い粘着力を有し、第1担持体1に接触して従動する複数の粘着ロール13a1と、各粘着ロール13a1に除去回収された版粒子を掻きとるブレード材13a2と、各ブレード材13a2に掻き取られた版粒子を回収する回収槽13a3とで構成されている。
なお、本例においては、粘着ロール13a1を2個設けた例について説明しているが、粘着ロール13a1の数はこれに限るものではなく、粘着ロール13a1が多いほど部分的に2層目以上の版粒子が残留することを抑制することが可能であり、より確実に単層化することが可能である。
粘着ロール13a1は、多層粒子層の最上層の粒子群に接触するが、この時粘着ロール13a1の粘着力は版粒子間の凝集力よりも強いため、第1担持体1と粘着ロール13a1との間のニップ部の下流側で上層の粒子群は粘着力により粘着ロール13a1に除去回収される。
一方、粘着ロール13a1の粘着力は、粘着ロール13a1の表面と接触した版粒子にしか作用しないため、第1担持体1上の下層の版粒子はニップ突入前よりも薄い粒子層となって通過する。以上の作用を粘着ロール13a1の数だけ複数回繰り返すことにより、多層粒子層は薄層化されていき単層になる。第1担持体1上の単層粒子層に粘着ロール13a1が接触して粘着力が作用しても、粘着ロール13a1の粘着力は第1担持体1の版粒子への付着力よりも弱いため、単層粒子層の版粒子は粘着ロール13a1に除去回収されることなくニップを通過できる。以上の作用により多層粒子層は単層粒子層に単層化される。
図10(B)を参照して、ここでは、別の単層化装置13bの構成が示されている。
具体的には、単層化装置13bは、空気流を利用した単層化装置であり、第1担持体1表面に近接した筒などの中空の形状をしたダクト吸引部13b1と、ダクト吸引部13b1に接続されたフィルタ13b2と、フィルタ13b2を介してダクト吸引部13b1から吸引する気流を発生させる気流発生装置13b3とで構成されている。
具体的には、単層化装置13bは、空気流を利用した単層化装置であり、第1担持体1表面に近接した筒などの中空の形状をしたダクト吸引部13b1と、ダクト吸引部13b1に接続されたフィルタ13b2と、フィルタ13b2を介してダクト吸引部13b1から吸引する気流を発生させる気流発生装置13b3とで構成されている。
気流発生装置13b3は、例えば電力により回転駆動するファンなどで構成され、ダクト吸引部13b1から空気を吸引し例えば機外に放出する気流を発生させる。ダクト吸引部13b1の近傍では上記気流によりダクト吸引部13b1に向かって吸引力が発生し、多層粒子層の2層目以上の版粒子はダクト吸引部13b1に吸引される。吸引された版粒子は接続されたフィルタ13b2にて回収されることで、気流発生装置13b3に到達して気流発生装置13b3の故障の原因になったり、気流発生装置13b3を通過して機外等に放出されることがない。
第1担持体1の表面で版粒子に作用する気流による吸引力としては、版粒子間の凝集力より大きく第1担持体1の版粒子との付着力より小さければよく、ダクト形状や装置構成に従って気流発生装置13b3で発生させる気流の強度を調整すればよい。例えば電力により回転駆動するファンであれば、ファンの回転翼のサイズや形状、回転速度などを適切に設定することにより可能である。以上の作用により多層粒子層は単層粒子層に単層化される。
図10(C)を参照して、ここでは、さらに別の単層化装置13cの構成が示されている。
具体的には、単層化装置13cは、振動を利用した単層化装置であり、第1担持体1に当接し超音波振動することで多層粒子層を除去する振動ブレード13c1と、振動ブレード13c1を振動させる超音波振動を発生させる超音波振動装置13c3と、超音波振動装置13c3に電力を供給する電源13c4と、振動ブレード13c1によって除去された版粒子を回収する回収槽13c2とで構成されている。
多層粒子層を形成する版粒子は振動ブレード13c1により超音波振動を印加されることにより振動し、接触して凝集力で付着していた粒子同士が振動により瞬間的に離間することで付着力を失うことを利用して2層目以上の版粒子を除去する。最下層の版粒子は、粒子間の凝集力よりも強い付着力で第1担持体1に接触して担持されているため、振動を印加されても瞬間的な離間が発生せず除去されない。
以上の作用により多層粒子は単層化されるが、多層粒子層に超音波振動を印加する接触部材は必ずしもブレード形状である必要はなく、発生した超音波振動を効率よく粒子群に伝達できるものであれば特に限定されない。以上のような単層化装置13により多層粒子層を単層化して単層粒子層にすることが可能である。すなわち、第2担持体2に形成された版粒子パターンが多層で形成されている場合、上述したように第2担持体2に接触する湿し水供給装置4の湿し水供給ローラ4a、インク供給装置5のインク供給ローラ5aに2層目以上の版粒子が付着して取り込まれてしまい、各ローラの劣化や湿し水保持部4b、インク保持部5bの汚染が発生する不具合が起こる可能性があるが、第1担持体1上で版粒子は単層化され、第2担持体2に単層化された版粒子パターンが形成されるため上記の不具合を抑制することが可能である。
(変形例)
本発明の実施の形態の変形例に従う現像装置の構成について説明する。
本発明の実施の形態の変形例に従う現像装置の構成について説明する。
本発明の実施の形態の変形例に従う現像装置は、第1担持体1の表面の粘着性材料を変更する。具体的には、第1担持体1の表面に温度によって硬度と粘着力を変化させる感応性粘着材料を設ける。より具体的には第1担持体1の表面材料は、第2の転移温度以下で粘着性を有し、第2の転移温度以上で粘着性を消失または低減する樹脂(ウォームオフタイプ)を用いる。
また、第2担持体2表面の感応性粘着材料(クールオフタイプ)が第1の転移点以上で発現する粘着力は、第1担持体1表面の感応性粘着材料(ウォームオフタイプ)が第2の転移点以上で粘着性を消失または低減された時の粘着力よりも大きいものを用いる。
その他の点については、図2等で説明したのと基本的に同様である。
具体的には、補給装置14から補給される版粒子を第1担持体1は表面の感応性粘着材料の粘着力により粘着し、第1担持体1の回転で発生する機内風や遠心力によって版粒子を脱落させるようなことがなく担持でき、多層粒子層11aを形成する。多層粒子層11aは上記で説明したのと同様に単層化装置13により単層化され単層粒子層11bを形成する。
具体的には、補給装置14から補給される版粒子を第1担持体1は表面の感応性粘着材料の粘着力により粘着し、第1担持体1の回転で発生する機内風や遠心力によって版粒子を脱落させるようなことがなく担持でき、多層粒子層11aを形成する。多層粒子層11aは上記で説明したのと同様に単層化装置13により単層化され単層粒子層11bを形成する。
単層粒子層11bは、第1担持体1と第2担持体2とのニップ部にてサーマルヘッド3の加熱により信号に応じて第1担持体1から第2担持体2へ受け渡されるが、このときサーマルヘッド3は第2担持体2の表面の感応性粘着材料を第1の転移点以上に加熱して粘着力を発現させるだけでなく、第1担持体1表面の感応性粘着材料を第2の転移点以上に加熱して粘着力を低減させ版粒子を受渡しさせる。
図11は、本発明の実施の形態の変形例に従う版粒子の粘着を説明する図である。
図11を参照して、版粒子は、第2担持体2と第1担持体1とのニップにおいて第1担持体1への付着力16aと第2担持体2への付着力22aとを受ける。
図11を参照して、版粒子は、第2担持体2と第1担持体1とのニップにおいて第1担持体1への付着力16aと第2担持体2への付着力22aとを受ける。
一方で、図9の構成においては、第1担持体1の付着力15aは版粒子を担持するため粘着力などで高く調整されており、付着力15aは付着力22aよりも強かったのに対し、本発明の実施の形態の変形例に従う構成においては、第1担持体1の表面は第2担持体2の表面と同等の感応性粘着材料であるため付着力16aと付着力22aとは同等であるものとする。
サーマルヘッド3で加熱されなかった非加熱部においては第1担持体1の表面の感応性粘着材料(ウォームオフタイプ)は第2の転移温度以下であるため付着力16aとは別に粘着力16bを有する。
このため版粒子に働く吸引力は第2担持体2よりも第1担持体1の方が強く、版粒子は第1担持体1表面に付着したままニップを通過する。
一方、サーマルヘッド3で加熱された加熱部においては、第2担持体2の表面の感応性粘着材料は第1の転移温度以上に加熱されて材料特性により付着力22aとは別に粘着力22bを発現する。そして、第1担持体1表面の感応性粘着材料は、第2の転移温度以上に加熱されて材料特性により粘着力16bが低減されて、弱い粘着力16cとなる。
第2担持体2の表面の感応性粘着材料(クールオフタイプ)において、第1の転移温度以上で発現する粘着力22bは、第1担持体1表面の感応性粘着材料(ウォームオフタイプ)が第2の転移温度以上で粘着性を消失または低減された時の粘着力16cよりも大きく設定されている。したがって、版粒子に働く吸引力は第2担持体2の方が第1担持体1よりも強くなり版粒子は第1担持体1から第2担持体2に受け渡されて第2担持体2表面で版を形成する。
上記の実施の形態に従う現像装置30では非加熱部つまりは画像部を形成する位置の版粒子は第1担持体1の版粒子への付着力15aが第2担持体2の版粒子への付着力22aよりも強いことで第1担持体1に担持されたままニップを通過するが、装置内の誤差などにより誤って版粒子が第2担持体2に受け渡されて画像部を形成する位置に版粒子が付着してしまうことも考えられる。
一方で、本発明の実施の形態の変形例に従う現像装置では第1担持体1表面にも粘着力を可逆的に変化可能な感応性粘着材料を設けたために、第1担持体1の版粒子への吸引力が可変であり設定が容易なだけでなく、装置内の誤差などがあっても画像部に版粒子が付着してしまったり非画像部に版粒子が付着しないという不具合をさらに抑制することが可能である。
本発明の実施の形態の変形例に従う現像装置は、第1担持体1表面に第2の転移温度以下で粘着性を有し、第2の転移温度以上で粘着性を消失または低減する感応性粘着材料(ウォームオフタイプ)を設け、さらには第2担持体2の表面の感応性粘着材料(クールオフタイプ)において、第1の転移点以上で発現する粘着力が、第1担持体1表面の感応性粘着材料(ウォームオフタイプ)において、第2の転移点以上で粘着性を消失または低減された時の粘着力よりも大きくすることにより、機内風や遠心力によって版粒子を脱落させるようなことがなく、かつ装置内の誤差などがあっても画像部に版粒子が付着してしまったり、あるいは非画像部に版粒子が付着しないという不具合を防止することが可能である。
第1担持体1の表面の感応性粘着材料は、例えばニッタ株式会社のウォームオフインテリマーテープを用いることが可能である。ウォームオフインテリマーテープは転移温度以上では結晶状態、転移温度以下では非結晶状態と状態変化するため、結晶状態では硬化した状態で粘着力を有し、非結晶状態では軟化した状態となり粘着力を発現する。
インテリマーテープの転移温度は30〜50(℃)の範囲で設定可能で、粘着力と硬度は温度により可逆的に変化し、再び転移温度以下とすることで粘着力は設定粘着力まで高められる。この結晶・非結晶状態の切り替えは約5(℃)の範囲で急峻に起こるため、上記の現像装置に利用可能である。本発明の現像装置で版粒子の供給部として使用する場合を考えると、転移温度は40(℃)以上が望ましい。ウォームオフインテリマーの厚みは10(μm)〜80(μm)が好ましい。
したがって、本発明の実施の形態の変形例に従う現像装置の構成によりインク付与や繰り返し使用のストレスにも耐える強固な版を作製することが可能である。
なお、上記各実施の形態では、版粒子表面の親和性と上記第2担持体の親和性とを異ならせ、インクを版粒子の表面に付着させず、インクを版粒子が設けられていない第2担持体の表面に付着させる構成について説明しているが、インクを版粒子の表面に付着させ、インクを版粒子が設けられていない第2担持体の表面に付着させない構成を採用することも可能である。
なお、本実施の形態における純水接触角は、従来の接触角測定装置により測定できる値であり、たとえば、測定対象物を構成する材料を用いて平板形状物を作製し、これに対し常温常湿(例えば、20℃、50%RH)で接触角計測定装置「接触角計CA−V(協和界面科学株式会社製)」を用い、5回測定し、その平均値から求めることができる。
測定対象物Aに対する測定対象物Bおよび測定対象物Cの親和性の大小関係を求める場合、純水接触角の値が近いか離れているかに基づいて判断することができる。また、測定対象物Aが固体であって、測定対象物Bおよび測定対象物Cが液体であった場合、固体の測定対象物を構成する材料を用いて平板形状物を作製し、これに対し測定対象物Bおよび測定対象物Cそれぞれの測定対象物を滴下して接触角を測定し、これらの接触角を用いて親和性の大小関係を判断してもよい。なお、接触角が90℃以上であれば、平板形状物は滴下した液体を撥いていると言うことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 第1担持体、2 第2担持体、3 サーマルヘッド、4 湿し水供給装置、5 インク供給装置、6 中間転写ローラ、7 記録用紙、8 押圧ローラ、9 第2担持体清掃器、10 中間転写ローラ清掃器、13,13a,13b,13c 単層化装置、14 補給装置。
Claims (6)
- 版粒子を表面に担持する第1担持体と、
前記第1担持体と前記版粒子を介して当接し、第1の転移温度以上で粘着力を生じる感応性粘着材料を表面に有する第2担持体と、
前記第2担持体の表面の前記感応性粘着材料を前記第1の転移温度以上に加熱して潜像を書き込み、前記第2担持体に書き込んだ潜像の上に前記版粒子を粘着させて現像するための加熱書込ヘッドとを備える、現像装置。 - 前記第1担持体は、前記版粒子を表面の粘着力で担持し、前記第1の転移温度以下の第2の転移温度以上で粘着力を低減する感温性粘着材料を表面に有し、
前記加熱書込ヘッドは、前記第1担持体を前記第2の転移温度以上に加熱して、前記版粒子への粘着力を低減し、前記第2担持体を前記第1の転移温度以上に加熱して前記粒子への粘着力を生じさせ、前記第2担持体の粘着力を前記第1担持体の粘着力より大きくすることにより前記版粒子を前記第1担持体から前記第2担持体表面に粘着移動させる、請求項1に記載の現像装置。 - 前記第1担持体に担持された版粒子を単層化するための単層化手段をさらに備える、請求項1または2に記載の現像装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の現像装置における前記第2担持体の表面上に着色剤を供給する着色剤供給手段と、
前記着色剤供給手段によって前記第2担持体の表面に付着した着色剤を記録媒体へ転写する転写手段とを備える、画像形成装置。 - 前記第2担持体の表面に水を含む液体である湿し水を供給する湿し水供給手段をさらに備え、
前記版粒子の表面は、前記第2担持体の表面よりも高い親水性を有し、
前記第2担持体上に付着した版粒子に湿し水を含ませることで、画像部と非画像部の親水性コントラストを形成する、請求項4記載の画像形成装置。 - 前記第2担持体の付着物を除去するための清掃手段をさらに備える、請求項4または5に記載の画像形成装置。
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Legal Events
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